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特許7116739チラーセンブリのための誘導電動機及び電動機のための冷却システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】チラーセンブリのための誘導電動機及び電動機のための冷却システム
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
H02K9/19 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019551535
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 US2018024120
(87)【国際公開番号】W WO2018175948
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】62/476,455
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518010511
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ハイシー、 マシュー エル.
(72)【発明者】
【氏名】スネル、 ポール ダブリュー.
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0276282(US,A1)
【文献】国際公開第2012/063293(WO,A1)
【文献】米国特許第05682074(US,A)
【文献】特開2016-056966(JP,A)
【文献】特表平10-501399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/00- 5/26
H02K 9/00- 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チラーアセンブリのための誘導電動機であって、
ハウジングと、
第1の固定子端部、第2の固定子端部、内面及び外面を含む円筒形状を有する固定子であって、前記円筒形状は中心軸を画定する、固定子と、
回転子と、
第1の端部及び第2の端部を含むシャフトであって、前記回転子及び前記シャフトは、前記中心軸を中心として前記固定子の前記内面内で回転するように構成されシャフトと、
前記シャフトの前記第1の端部に近接して配置された第1の軸受アセンブリと、
前記シャフトの前記第2の端部に近接して配置された第2の軸受アセンブリと、
前記第1の軸受アセンブリに結合された第1のノズルリング及び前記第2の軸受アセンブリに結合された第2のノズルリングであって、前記固定子の前記内面と前記回転子との間に冷却液を誘導するように構成され第1のノズルリング及び第2のノズルリングと
を含む誘導電動機。
【請求項2】
前記ハウジングは、第1の冷却液排出口及び第2の冷却液排出口で終わる冷却液供給通路を含む、請求項1に記載の誘導電動機。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記冷却液供給通路を凝縮器アセンブリに流体結合するようにかつ前記凝縮器アセンブリから前記冷却液を受け取るように構成された冷却液流入口をさらに含、請求項2に記載の誘導電動機。
【請求項4】
前記第1の軸受アセンブリ及び前記第2の軸受アセンブリは、液体供給通路を有する軸受ハウジングをそれぞれ含む、請求項2に記載の誘導電動機。
【請求項5】
前記第1の軸受アセンブリの前記液体供給通路は、前記ハウジングの前記第1の冷却液排出口に流体結合され、
前記第2の軸受アセンブリの前記液体供給通路は、前記ハウジングの前記第2の冷却液排出口に流体結合される、請求項4に記載の誘導電動機。
【請求項6】
前記第1のノズルリング及び前記第2のノズルリングは、外径部分と、前記外径部分の周りに放射状パターンで分布される複数の冷却液排出口通路をそれぞれ含む、請求項4に記載の誘導電動機。
【請求項7】
前記複数の冷却液排出口通路は、前記中心軸に対して角度が付けられる、請求項6に記載の誘導電動機。
【請求項8】
前記第1のノズルリングの前記複数の冷却液排出口通路は、前記第1の軸受アセンブリの前記液体供給通路に流体結合され、
前記第2のノズルリングの前記複数の冷却液排出口通路は、前記第2の軸受アセンブリの前記液体供給通路に流体結合される、請求項6に記載の誘導電動機。
【請求項9】
前記第1のノズルリングの前記冷却液排出口通路の前記放射状パターンは、前記第2のノズルリングの前記冷却液排出口通路の前記放射状パターンと同一ではない、請求項6に記載の誘導電動機。
【請求項10】
前記第1のノズルリングは、前記固定子の前記第1の固定子端部の内側に配置され、前記第2のノズルリングは、前記固定子の前記第2の固定子端部の内側に配置される、請求項1に記載の誘導電動機。
【請求項11】
前記冷却液は、400kPa未満の作動圧力を有する低圧冷媒である、請求項1に記載の誘導電動機。
【請求項12】
前記低圧冷媒は、R1233zdである、請求項11に記載の誘導電動機。
【請求項13】
前記第1のノズルリング及び前記第2のノズルリングは
更なる中心軸を画定するリング状部材と、
前記冷却液を受け取るように構成された複数の流入口通路と、
前記複数の流入口通路に流体結合され、且つ前記冷却液を排出するように構成された複数の排出口通路であって、前記更なる中心軸に対して角度が付けられる複数の排出口通路と
それぞれ含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の誘導電動機
【請求項14】
前記複数の排出口通路は、前記リング状部材の外径部分の周りに放射状パターンで分布される、請求項13に記載の誘導電動機
【請求項15】
前記複数の流入口通路のそれぞれの流入口通路の直径は、前記複数の排出口通路のそれぞれの排出口通路の直径よりも大きい、請求項13に記載の誘導電動機
【請求項16】
蒸気圧縮システムにおいて圧縮機に動力を供給するように構成された電動機のための冷却システムであって、
ハウジングであって、
前記電動機を囲むように構成された空洞と、
第1の冷却液排出口及び第2の冷却液排出口で終わる冷却液供給通路と
を含むハウジングと、
第1の軸受アセンブリ及び第2の軸受アセンブリであって、前記第1の軸受アセンブリ及び第2の軸受アセンブリのそれぞれは、前記冷却液供給通路から冷却液を受け取るように構成された液体供給通路を有する軸受ハウジングを含む、第1の軸受アセンブリ及び第2の軸受アセンブリと、
第1のノズルリング及び第2のノズルリングであって、前記第1のノズルリング及び第2のノズルリングのそれぞれは、冷却液を前記電動機に排出するようにかつ前記電動機の固定子と前記固定子内で回転するように構成された前記電動機の回転子との間に前記冷却液を誘導するように構成された複数の排出口通路を含む、第1のノズルリング及び第2のノズルリングと
を含む冷却システム。
【請求項17】
前記ハウジングの前記第1の冷却液排出口は、前記第1の軸受アセンブリの前記液体供給通路及び前記第1のノズルリングの前記複数の排出口通路に流体結合され、
前記ハウジングの前記第2の冷却液排出口は、前記第2の軸受アセンブリの前記液体供給通路及び前記第2のノズルリングの前記複数の排出口通路に流体結合される、請求項16に記載の冷却システム。
【請求項18】
前記電動機を含み、前記電動機は前記回転子に結合されたシャフトを含み、前記シャフト及び前記回転子は前記固定子内で回転するように構成され、前記固定子は円筒形状を有する、請求項16に記載の冷却システム。
【請求項19】
前記ハウジングの前記冷却液供給通路は、前記冷却液供給通路を凝縮器アセンブリに流体結合するようにかつ前記凝縮器アセンブリから前記冷却液を受け取るように構成された冷却液流入口を含、請求項16に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、チラーアセンブリの遠心圧縮機を駆動する誘導電動機に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2017年3月24日に出願された米国仮特許出願第62/476,455号明細書の利益を主張するものであり、この仮特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
いくつかの遠心圧縮機は、必要な圧力上昇を実現するために高速永久磁石電動機を必要とする中圧(MP)冷媒を利用する。低圧(LP)冷媒を利用することにより、低速で動作する安価で簡素な誘導電動機を使用できる。しかしながら、電動機冷却システムでLP冷媒を使用するには、MP冷媒の場合よりも大きい体積流量が必要とされる。体積流量が大きくなると、電動機冷却システムを通る圧力損失が大きくなり、流量が制限され、電動機冷却システムの効率が低下し、電動機の温度が上限を超えることになる。電動機の温度がピーク効率の範囲内に維持されない場合、チラーアセンブリの全体的な性能が低下する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の1つの実装形態は、チラーアセンブリのための誘導電動機である。誘導電動機は、ハウジングと、第1の端部、第2の端部、内面及び外面を有する円筒形状を有する固定子とを含む。円筒形状は、中心軸を画定する。誘導電動機は、回転子と、第1の端部及び第2の端部を有するシャフトとをさらに含む。回転子及びシャフトは、中心軸を中心として固定子の内面内で回転するように構成される。誘導電動機は、シャフトの第1の端部に近接して配置された第1の軸受アセンブリと、シャフトの第2の端部に近接して配置された第2の軸受アセンブリと、第1の軸受アセンブリに結合された第1のノズルリングと、第2の軸受アセンブリに結合された第2のノズルリングとを追加的に含む。第1のノズルリング及び第2のノズルリングは、固定子の内面と回転子との間に冷却液を誘導するように構成される。
【0004】
本開示の別の実装形態は、チラーアセンブリの誘導電動機のためのノズルリングである。ノズルリングは、中心軸を画定するリング状部材と、冷却液の供給を受けるように構成された複数の流入口通路と、複数の流入口通路に流体結合され、且つ冷却液の供給を排出するように構成された複数の排出口通路とを含む。複数の排出口通路は、中心軸に対して角度が付けられる。
【0005】
本開示のさらに別の実装形態は、蒸気圧縮システムにおいて圧縮機に動力を供給する電動機のための冷却システムである。冷却システムは、電動機を囲むように構成された空洞を有するハウジングと、第1の冷却液排出口及び第2の冷却液排出口で終わる冷却液供給通路と、第1の軸受アセンブリと、第2の軸受アセンブリと、第1のノズルリングと、第2のノズルリングとを含む。軸受アセンブリは、冷却液供給通路を有する軸受ハウジングを含む。ノズルリングは、冷却液の供給を電動機に排出するように構成された排出口通路を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一部の実施形態によるチラーアセンブリの斜視図である。
【0007】
図2】一部の実施形態による図1のチラーアセンブリの正面立面図である。
【0008】
図3】一部の実施形態による図1のチラーアセンブリで使用される電動機アセンブリの斜視図である。
【0009】
図4】一部の実施形態による図3の電動機アセンブリのA-A断面図である。
【0010】
図5】一部の実施形態による図3の電動機アセンブリで使用されるノズルリングの斜視図である。
【0011】
図6】一部の実施形態による図5のノズルリングのB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概して図を参照すると、液体噴射ノズルを備えた電動機冷却システムを有するチラーアセンブリが示されている。図1及び図2を参照すると、チラーアセンブリ100の例示的な実装形態が示されている。チラーアセンブリ100は、電動機104によって駆動される圧縮機102と、凝縮器106と、蒸発器108とを含むことが示されている。冷媒は、蒸気圧縮サイクルでチラーアセンブリ100を通して循環される。チラーアセンブリ100は、チラーアセンブリ100内の蒸気圧縮サイクルの動作を制御するための制御パネル114も含み得る。
【0013】
電動機104は、可変速駆動装置(VSD)110によって動力を供給され得る。VSD 110は、AC電源(図示せず)から特定の固定ライン電圧及び固定ライン周波数を有する交流(AC)電力を受け、可変電圧及び周波数を有する電力を電動機104に供給する。電動機104は、VSD 110によって動力の供給を受けることが可能な任意のタイプの電動機であり得る。例えば、電動機104は、高速誘導電動機であり得る。圧縮機102は、電動機104によって駆動されて、蒸発器108から吸引ライン112を介して受けた冷媒蒸気を圧縮し、放出ライン124を介して冷媒蒸気を凝縮器106に送る。図1及び図2で説明されている例では、圧縮機102は、遠心圧縮機である。
【0014】
蒸発器108は、内部チューブバンドル(図示せず)と、内部チューブバンドルにプロセス流体を供給するための供給ライン120と、内部チューブバンドルからプロセス流体を排出するための戻りライン122とを含む。供給ライン120及び戻りライン122は、プロセス流体を循環させる導管を介してHVACシステム内の構成要素(例えば、エアハンドラ)と流体連通し得る。プロセス流体は、建物を冷却するための冷却液であり、水、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン、塩化ナトリウムブライン又は任意の他の適切な液体であり得るが、これらに限定されない。蒸発器108は、プロセス流体が蒸発器108のチューブバンドルを通過し、冷媒と熱を交換するときにプロセス流体の温度を下げるように構成される。冷媒液が蒸発器108に送られて、プロセス流体と熱を交換し、冷媒蒸気への相変化を経ることにより、蒸発器108内で冷媒蒸気が形成される。
【0015】
蒸発器108から圧縮機102によって凝縮器106に送られた冷媒蒸気は、熱を流体に伝達する。冷媒蒸気は、流体との熱伝達の結果、凝縮器106で凝縮して冷媒液になる。凝縮器106からの冷媒液は、膨張装置を通って流れ、蒸発器108に戻されて、チラーアセンブリ100の冷媒のサイクルが完了する。凝縮器106は、凝縮器106と、HVACシステムの外部の構成要素(例えば、冷却塔)との間で流体を循環させるための供給ライン116及び戻りライン118を含む。戻りライン118を介して凝縮器106に供給される流体は、凝縮器106内の冷媒と熱を交換し、供給ライン116を介して凝縮器106から排出されて、サイクルを完了する。凝縮器106を循環する流体は、水又は任意の他の適切な液体であり得る。
【0016】
ここで、図3及び図4を参照すると、一部の実施形態による電動機104の図が示されている。具体的には、図3は、電動機ハウジング202を含む電動機104の等角図を示し、図4は、電動機104の上部のA-A断面図を示す。電動機104は、他の構成要素の中でも、筐体又はハウジング202と、固定子204と、回転子206とを含むことが示されている。固定子204は、電動機の電磁回路の静止部分であり、回転子206にラジアル方向及びアキシアル方向の磁力を与える。適切に調整されたシステムでは、これらの力の合計は、ゼロ又は略ゼロである。一部の実施形態では、固定子204は、固定子204の外面222に結合された電動機ジャケット210によって部分的に封入されている。固定子204と電動機ジャケット210との両方が実質的に円筒形状を有し得る。電動機ジャケット210は、アルミニウムから構築され得、電動機104の過熱を防ぐために固定子204からの熱伝達を最適化するように構成され得る。
【0017】
回転子206は、電動機の電磁回路の回転部分である。様々な実施形態において、回転子206は、かご形回転子、巻線形回転子、突極形回転子又は円筒形回転子であり得る。回転子206は、シャフト208に結合される。回転子206及びシャフト208は、電動機104に結合された他の構成要素及び/又はアセンブリ(例えば、圧縮機102)にトルク及び回転を伝達するために、中心軸220を中心として固定子204の内面224内で一緒に回転する。
【0018】
ハウジング202は、冷却液供給通路226を含むことが示されている。冷却液供給通路226は、電動機ハウジング202に配置された1つ以上の流入口244によって供給され得る。流入口244は、凝縮器アセンブリ(例えば、凝縮器106)に流体結合され得る。冷却液供給通路226は、ハウジング202の略全長に沿って中心軸220と平行に延び、第1の冷却液排出口228及び第2の冷却液排出口230で終わることが示されている。第1の冷却液排出口228及び第2の冷却液排出口230のそれぞれは、以下でさらに詳細に説明される軸受アセンブリの冷却液通路に流体結合され得る。
【0019】
一部の実施形態では、凝縮器アセンブリから供給された冷却液は、低圧(LP)冷媒であり、LP冷媒の作動圧力は、400kPa未満又は約58psiである。さらなる実施形態では、LP冷媒は、R1233zdである。R1233zdは、市販のチラーアセンブリで使用されている他の冷媒に比べて地球温暖化係数(GWP)が低い不燃性のフッ素化ガスである。GWPは、1トンの二酸化炭素の排出量に対して、1トンのガスの排出量が一定期間に吸収するエネルギー量を定量化することにより、異なるガスの地球温暖化の影響を比較できるように開発された尺度である。
【0020】
電動機104は、シャフト208の第1の端部に配置された第1の軸受アセンブリ212及びシャフト208の第2の端部に配置された第2の軸受アセンブリ214を含むことがさらに示されている。一部の実施形態では、軸受アセンブリ212及び214は、油潤滑軸受である。第1の軸受アセンブリ212は、第1の軸受ハウジング232を含む一方、第2の軸受アセンブリ214は、第2の軸受ハウジング234を含む。各軸受ハウジングは、電動機ハウジング202に着脱可能に結合され得、各軸受ハウジングは、冷却液供給通路を含む。図示のように、第1の軸受アセンブリ212の第1の供給通路236は、電動機ハウジング202の第1の冷却液排出口228に流体結合され得る一方、第2の軸受アセンブリ214の第2の供給通路238は、電動機202の第2の冷却液排出口230に流体結合され得る。
【0021】
図4をさらに参照すると、電動機104は、第1のノズルリング216及び第2のノズルリング218を含むことが示されている。第1のノズルリング216は、第1の軸受ハウジング232に結合され、固定子204の第1の端部240の内側に配置され得る。同様に、第2のノズルリング218は、第2の軸受ハウジング234に結合され、固定子204の第2の端部242の内側に配置され得る。この配置により、ノズルリング216及び218は、冷却液を回転子206と固定子204の内面224との間に誘導することができ、そこで蒸発して、固定子204及び回転子206の冷却に寄与する。
【0022】
第1のノズルリング216及び第2のノズルリング218のそれぞれが複数の流体流入口及び流体排出口を含む(図5及び図6を参照して以下でさらに詳細に説明する)。ノズルリング216及び218の流体流入口は、軸受アセンブリ212及び214の冷却液供給通路236及び238に流体結合するように構成される。ノズルリング216及び218の流体排出口は、回転子206と固定子204の内面224との間に冷却液を排出するように構成される。従って、電動機104の構成要素は、電動機ハウジング202、軸受アセンブリ212及び214並びにノズルリング216及び218を通して連続する冷却液経路が形成されるように結合され得る。
【0023】
ここで、図5及び図6を参照すると、一部の実施形態によるノズルリング300の図が示されている。具体的には、図5は、ノズルリング300の等角図を示し、図6は、ノズルリング300の側面B-B断面図を示す。様々な実施形態において、ノズルリング300は、図4に関連して上述した第1のノズルリング216及び第2のノズルリング218と実質的に同様である。ノズルリング300は、外径部分302及び内径部分304を有するリング状部材を含むことが示されている。一部の実施形態では、外径302の寸法は、軸受アセンブリ(例えば、第1の軸受アセンブリ212、第2の軸受アセンブリ214)のハウジングに一致するように選択される。同様に、内径部分304の寸法は、ノズルリング300が電動機(例えば、電動機104)内に設置されたときに電動機のシャフト(例えば、シャフト208)がノズルリング300を通過できるように選択され得る。
【0024】
ノズルリング300は、複数の冷却液排出口308に流体結合された複数の冷却液流入口306を含むことがさらに示されている。冷却液排出口308は、ノズルリング300の外径部分302の周りに放射状パターンで分布され得る。一部の実施形態では、流体排出口308の放射状パターンは、ノズルリング間で異なる場合がある(すなわち、第1のノズルリング216上の流体排出口308の放射状パターンは、第2のノズルリング218上の流体排出口308の放射状パターンと同一ではない場合がある)。図6に示すように、冷却液流入口306の直径は、冷却液排出口308の直径よりも大きいが、他の実施形態では、冷却液流入口306及び冷却液排出口308の寸法は、ノズルリング300を通る所望の冷却液流量を達成するために必要な任意の適切な寸法であり得る。同様に、図6は、電動機の所望の部分(すなわち回転子206と固定子の204の内面224との間)に流体を導くために、中心軸310に対して外側に角度を付けられたものとして冷却液排出口308の向きを示しているが、他の実施形態では、冷却液排出口308は、冷却液の流れを電動機の所望の構成要素に誘導するための任意の向きであり得る。
【0025】
様々な例示的な実施形態に示されているシステム及び方法の構築及び構成は、例示的なものにすぎない。本開示では、例示的な実施形態のみを詳細に説明したが、多くの修正形態が可能である(例えば、サイズ、寸法、構造、様々な要素の形状及び割合、パラメータの値、取り付け構成、材料の使用、色、向きなどの変更)。例えば、要素の位置を逆にしたり、他の方法で変えたりすることができ、個別の要素又は位置の性質又は数を変更するか又は変化させることができる。従って、このような修正形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。任意のプロセス又は方法ステップの順番又は順序は、代替的な実施形態に従って変更又は再順序付けされ得る。本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件及び構成における他の置換形態、修正形態、変更形態及び省略形態がなされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6