IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本化薬株式会社の特許一覧

特許7116770アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム
<>
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図1
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図2
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図3
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図4
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図5
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図6
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図7
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図8
  • 特許-アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/36 20060101AFI20220803BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20220803BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20220803BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220803BHJP
【FI】
G08C19/36
G08C19/00 301G
G01B11/26 H
G06T7/00 300F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020201757
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2022089389
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004086
【氏名又は名称】日本化薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 瑛梨
(72)【発明者】
【氏名】津田 直樹
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-118484(JP,A)
【文献】特開2003-223693(JP,A)
【文献】特開2012-104032(JP,A)
【文献】特開2020-038188(JP,A)
【文献】特開2013-242826(JP,A)
【文献】特開2019-096304(JP,A)
【文献】特開2016-130693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 19/36
G08C 19/00
G01B 11/26
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転計であるアナログメータの指針の指示値の読み取り方法であって、
コンピュータ装置に、
前記指針を含む前記アナログメータの画像を取得する取得処理と、
取得した前記画像から、前記指針の目盛りを指示する部分の少なくとも一方の側面のエッジに相当する線分を検出する指針検出処理と、
前記目盛りの始点と前記指針の回転の中心点とを結ぶ第一直線を設定する処理、前記指針検出処理により検出された前記線分に基づいて決定される前記指針の指示位置を示す指示点と前記中心点とを結ぶ第二直線を設定する処理、前記第一直線と前記第二直線とがなす角度を算出する処理、および算出された前記角度から前記指示値を算出する処理を含む、指示値算出処理と、を実行させること
を含み、
前記指針検出処理が、
画像を閾値に基づいて二値化する二値化処理と、
二値化画像に基づいてエッジを検出するエッジ検出処理と、
前記中心点を中心とする予め設定された単一の認識領域であって目盛り板の情報表示領域に干渉しない前記単一の認識領域に端点が一つも含まれない線分と、前記単一の認識領域に二つの端点が含まれる線分とを、検出されたエッジに相当する線分から除外する処理のみを行う線分抽出処理と、
を含み、前記線分抽出処理以外の線分抽出処理を含まない
アナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
【請求項2】
前記取得処理により取得される前記画像が、前記アナログメータの画像を一定の位置から撮像するように固定して配置された撮像部により撮像された画像である、
請求項1に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
【請求項3】
前記指針検出処理において、前記画像から前記指針の目盛りを指示する部分の両方の側面のエッジにそれぞれ相当する2本の線分を検出し、
前記指示値算出処理において、前記指針検出処理により検出された前記2本の線分をそれぞれ含む直線の交点と前記中心点とを結ぶ直線を、前記第二直線として設定する、
請求項1または請求項2に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
【請求項4】
前記指針検出処理において、前記画像から前記指針の目盛りを指示する部分の一方の側面のエッジに相当する線分を検出し、
前記指示値算出処理において、前記指針検出処理により検出された前記線分を含む直線と、前記アナログメータの目盛りのベース線または前記アナログメータの枠体の内縁と、の交点を設定し、前記交点と前記中心点とを結ぶ直線を前記第二直線として設定する、
請求項1または請求項2に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
【請求項5】
前記指針検出処理において、前記画像から前記指針の目盛りを指示する部分の一方の側面のエッジに相当する線分を検出し、
前記指示値算出処理において、前記指針検出処理により検出された前記線分の前記目盛り側の端点と前記中心点とを結ぶ直線を、前記第二直線として設定する、
請求項1または請求項2に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
【請求項6】
前記取得処理と前記指針検出処理の間に、前記画像からアナログメータの目盛り板と指針とを含む部分をトリミングするトリミング処理を含む、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
【請求項7】
前記指示値算出処理における、前記始点および前記中心点が、予め記録された座標情報に基づいて判断される、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
【請求項8】
回転計であるアナログメータの指針の指示値の読み取りシステムであって、
前記指針を含む前記アナログメータの画像を取得する取得部と、
取得した前記画像から、前記指針の目盛りを指示する部分の少なくとも一方の側面のエッジに相当する線分を検出する指針検出部と、
前記目盛りの始点と前記指針の回転の中心点とを結ぶ第一直線を設定し、前記指針検出部により検出された前記線分に基づいて決定される前記指針の指示位置を示す指示点と前記中心点とを結ぶ第二直線を設定し、前記第一直線と前記第二直線とがなす角度を算出し、算出された前記角度から前記指示値を算出するように構成された指示値算出部と、
を含み、
前記指針検出部は、
画像を閾値に基づいて二値化する二値化処理と、
二値化画像に基づいてエッジを検出するエッジ検出処理と、
前記中心点を中心とする予め設定された単一の認識領域であって目盛り板の情報表示領域に干渉しない前記単一の認識領域に端点が一つも含まれない線分と、前記単一の認識領域に二つの端点が含まれる線分とを、検出されたエッジに相当する線分から除外する処理のみを行う線分抽出処理と、
を実行可能に構成され、前記線分抽出処理以外の線分抽出処理を実行可能に構成されていない
アナログメータの指針の指示値の読み取りシステム。
【請求項9】
前記アナログメータの画像を一定の位置から撮像するように固定して配置された撮像部をさらに含み、
前記取得部が取得する前記画像が前記撮像部により撮像された画像である、
請求項8に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の計器類はデジタルにより数値が直接表示される計器類が多くなっているが、アナログ式の計器類も多く設置されている。アナログメータは、一般的にデジタルメータより安価なこと、耐久性がよいこと、設置が比較的容易なことなどで多くの需要がある。
【0003】
一方、大部分のアナログメータの指示値は主に人の目視により確認されている。すなわち、アナログメータの指示値の確認は、作業者がアナログメータの設置場所に行き、指示値を確認し、記録する作業により行われている。このような作業は、アナログメータの設置数が少ない場合、あるいは多くの作業者が存在する場合であれば負担は少ないと考えられるが、多くのアナログメータを設置している設備(工場、など)または作業者の人員が限られている場所では多くの負担がかかるものと考えられる。そこで、撮像した画像をもとにアナログメータの指針値を自動で読み取り、人による読み取り作業の負荷を低減させる方法およびシステムが提案されている。
【0004】
特許文献1は、少なくともアナログメータの指針の中心点、指示値の始点、指示値の終点にそれぞれ貼付される三色の異なる色の円形状の位置特定用のシールの貼り付けパターン情報を含むメータ情報と、アナログメータの指針の撮像画像と、に基づいて、貼付位置特定処理と、指針検出処理と、指針の指示値を算出する値解析処理と、を実行するアナログメータの指針の指示値の読み取り方法を開示する。
【0005】
特許文献2は、点検対象の物理量を計測する計測器を撮影する撮像部を有する無線子局と、画像データを無線子局から受信する無線親局とを含む無線ネットワークを用いた自動点検方法を開示する。同文献の方法では、無線子局において、画像データを二値化して二値化画像データを生成し、二値化画像データのうち、計測器の計測値部分の画像データを切り出し、その切り出した計測値部分の画像データを無線親局に送信することが開示されている。
【0006】
特許文献3は、アナログ表示形式の計器画像情報を閾値処理して二値化することにより画像における指針を含む領域を抽出する手段と、抽出領域から面積の比較により目盛り等指針以外のノイズ部分を除外し指針画像を抽出する手段と、指針画像を直線で近似してその傾きを計算する手段と、あらかじめ求めてある指針の回転角と目盛りの読みの関係から計器の表示値を割り出す手段とからなる計器表示の画像情報に基く数値データ化システムを開示する。
【0007】
特許文献4は、アナログメータの画像について、指示針の回転中心と、指示針の可動範囲であって目盛盤が無地であり且つ回転中心を中心にした円弧状の針可動領域と、目盛盤の目盛情報とが初期設定パラメータとして予め設定され、当該初期設定パラメータを使用して行なわれるアナログメータの自動読み取り方法を開示する。同文献の方法では、計測を開始する前のアナログメータの基準画像と、指示針が回転した状態のアナログメータの計測画像とから針可動領域の画像をそれぞれ抽出し、抽出した2つの画像を回転中心を基準に極座標変換して指示針の回転角を直線的に示す画像にそれぞれ変換する工程を経て、計測画像の指示針の指示値を求めている。
【0008】
特許文献5は、計器の目盛り、目盛り上の計測値を指す指示部、及び計器に設けられたマーカが撮像された画像を取得する工程と、画像内の指示部が指す指示座標、及び予め設定された画像内の目盛り上の基準座標に基づき計測値を算出する工程と、画像内のマーカの変化に応じて基準座標を補正する工程とを含む計器読み取り方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第6522869号公報
【文献】国際公開第2018/123298号
【文献】特開2003-65812号公報
【文献】特開2004-133560号公報
【文献】特開2019-204238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の方法では、多数あるアナログメータにシールを貼付することが大きな労力を必要とし、また時間とともにシールの劣化あるいは剥がれ等が発生し継続的な読み取りが難しい。また同文献では光の反射等によるノイズ除去を複数の工程によって行っており、解析が複雑で演算に係る負荷が大きい。
【0011】
特許文献2および特許文献3の方法またはシステムでは、画像を閾値処理により二値化して、針の太さや針の面積を手がかりにして指示値を判定している。一方で、特許文献2の方法では不正確な値が出力された場合の検証用に画像を切り出して保存しており、指示値の読み取りに異常が起こりうることを想定している。また、特許文献3の方法では、針の形状を線形に近似する操作があり、近似が適切でない場合には誤差が生じうる。また、単純な二値化による不都合も想定される。
【0012】
特許文献4の方法では、基準画像と計測画像とで中心を合わせ、両画像を重ねた画像から指針の回転角を求め指示値の読み取りをしているが、画像を重ねる場合には回転中心の位置がずれることがあり、それを補正することは容易にはできない。特許文献5の方法においても、前回取得した画像と新たに取得した画像とに基づいて、メータの指針の指示点を画素の変化点に更新する操作を行っている。
【0013】
本発明は、計測値の読み取り負荷を軽減できる新規なアナログメータの指針の指示値の読み取り方法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下、上記課題を解決するための手段を列記する。
(1)
回転計であるアナログメータの指針の指示値の読み取り方法であって、
コンピュータ装置に、
前記指針を含む前記アナログメータの画像を取得する取得処理と、
取得した前記画像から、前記指針の目盛りを指示する部分の少なくとも一方の側面のエッジに相当する線分を検出する指針検出処理と、
前記目盛りの始点と前記指針の回転の中心点とを結ぶ第一直線を設定する処理、前記指針検出処理により検出された前記線分に基づいて決定される前記指針の指示位置を示す指示点と前記中心点とを結ぶ第二直線を設定する処理、前記第一直線と前記第二直線とがなす角度を算出する処理、および算出された前記角度から前記指示値を算出する処理を含む、指示値算出処理と、を実行させること
を含むアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
(2)
前記指針検出処理において、前記画像から前記指針の目盛りを指示する部分の両方の側面のエッジにそれぞれ相当する2本の線分を検出し、
前記指示値算出処理において、前記指針検出処理により検出された前記2本の線分をそれぞれ含む直線の交点と前記中心点とを結ぶ直線を、前記第二直線として設定する、
(1)に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
(3)
前記指針検出処理において、前記画像から前記指針の目盛りを指示する部分の一方の側面のエッジに相当する線分を検出し、
前記指示値算出処理において、前記指針検出処理により検出された前記線分を含む直線と、前記アナログメータの目盛りのベース線または前記アナログメータの枠体の内縁と、の交点を設定し、前記交点と前記中心点とを結ぶ直線を前記第二直線として設定する、
(1)に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
(4)
前記指針検出処理において、前記画像から前記指針の目盛りを指示する部分の一方の側面のエッジに相当する線分を検出し、
前記指示値算出処理において、前記指針検出処理により検出された前記線分の前記目盛り側の端点と前記中心点とを結ぶ直線を、前記第二直線として設定する、
(1)に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
(5)
前記指針検出処理が、前記中心点を中心とする予め設定された認識領域であって、目盛り板の情報表示領域に干渉しない前記認識領域に、端点が一つも含まれない線分を検出された線分から除外する線分抽出処理を含む、
(1)から(4)のいずれか一項に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
(6)
前記指針検出処理が、
画像を二値化する二値化処理と、
二値化画像に基づいてエッジを検出するエッジ検出処理と、
前記中心点を中心とする予め設定された認識領域であって目盛り板の情報表示領域に干渉しない前記認識領域に端点が一つも含まれない線分を、検出されたエッジに相当する線分から除外する線分抽出処理と、
を含む、
(1)から(5)のいずれか一項に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
(7)
前記取得処理と前記指針検出処理の間に、前記画像からアナログメータの目盛り板と指針とを含む部分をトリミングするトリミング処理を含む、
(1)から(6)のいずれか一項に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
(8)
前記指示値算出処理における、前記始点および前記中心点が、予め記録された座標情報に基づいて判断される、
(1)から(7)のいずれか一項に記載のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法。
(9)
回転計であるアナログメータの指針の指示値の読み取りシステムであって、
前記指針を含む前記アナログメータの画像を取得する取得部と、
取得した前記画像から、前記指針の目盛りを指示する部分の少なくとも一方の側面のエッジに相当する線分を検出する指針検出部と、
前記目盛りの始点と前記指針の回転の中心点とを結ぶ第一直線を設定し、前記指針検出部により検出された前記線分に基づいて決定される前記指針の指示位置を示す指示点と前記中心点とを結ぶ第二直線を設定し、前記第一直線と前記第二直線とがなす角度を算出し、算出された前記角度から前記指示値を算出するように構成された指示値算出部と、
を含むアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、計測値の読み取り負荷を軽減できる新規なアナログメータの指針の指示値の読み取り手法およびアナログメータの指針の指示値の読み取りシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係るアナログメータの指針の指示値の読み取りシステムの構成を示す図である。
図2】実施形態に係るアナログメータの構成を示す正面図である。
図3】実施形態に係るアナログメータの指針の指示値の読み取り方法の構成を示すフローチャートである。
図4】実施形態に係る指針検出処理の構成を示すフローチャートである。
図5】実施形態に係るエッジ検出処理の態様を示す図である。
図6】実施形態に係る線分抽出処理の態様を示す図である。
図7】実施形態に係る指示値算出処理の第一態様を示す図である。
図8】実施形態に係る指示値算出処理の第二態様を示す図である。
図9】実施形態に係る指示値算出処理の第三態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[アナログメータの指針の指示値の読み取りシステム]
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、実施形態に係るアナログメータの指針の指示値の読み取りシステムを説明する。図1は、実施形態に係るアナログメータの指針の指示値の読み取りシステム1の構成を示す図である。
【0018】
読み取りシステム1は、アナログメータ10の画像を撮像する撮像部30と、撮像部30が撮像した画像を処理するコンピュータ装置50と、を含む。撮像部30は、アナログメータ10の近傍に設置されたカメラなどの撮像装置や撮像機能を有する携帯端末などにより構成される。撮像部30は、アナログメータ10の目盛りの始点および指針の回転の中心点が一定の位置にあり、目盛り板が一定の大きさである画像を撮像するように、配置されてもよい。また撮像部30は、アナログメータ10の画像を一定の位置から撮像するように固定して配置されてもよい。撮像部30が撮像した画像は、有線または無線によってコンピュータ装置50に送信される。コンピュータ装置50は、制御部60と、記憶部70と、外部通信I/F80と、を含む。コンピュータ装置50における制御部60、記憶部70および外部通信I/F80は、図示を省略するバスを介して接続される。
【0019】
制御部60は、図示を省略するCPU(Central Processing Unit)などのマイクロプロセッサ、ROM(Reas Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどで構成される。制御部60は、例えばCPUがROMまたは記憶部70に予め記憶された各種プログラムを実行することにより、取得部62、指針検出部64、指示値算出部66などの各種機能部として動作する。取得部62、指針検出部64および指示値算出部66は、後述する取得処理、指針検出処理および指示値算出処理をそれぞれ実行可能に構成されている。なお、制御部60は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programammable Gate Array)などの集積回路(ハードウェア資源)によって構成されてもよい。さらに、制御部60は、少なくとも一つのマイクロコントローラと集積回路との組み合わせによって構成されてもよい。
【0020】
記憶部70は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)などの大容量記憶装置で構成される。記憶部70には、アナログメータ10の画像、アナログメータ10の目盛りの始点、アナログメータ10の指針の回転の中心点、アナログメータ10の指針の指示位置を示す指示点などの座標情報、目盛りの始点と指針の回転の中心点とを結ぶ第一直線、指針の指示位置を示す指示点と中心点とを結ぶ第二直線、第一直線と第二直線とがなす角度、当該角度から算出された指示値、などが記憶される。
【0021】
外部通信I/F80は、撮像部30や図示を省略するユーザが操作する入出力装置などの外部ハードウェアとコンピュータ装置50との通信を可能にする入出力インターフェースで構成される。外部通信I/F80は、無線LAN(Local Area Network)カード、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)カードなどで構成される。また、外部通信I/F80は、外部公衆通信回線網を介して各種外部ハードウェアとコンピュータ装置50とを接続してもよい。
【0022】
[アナログメータ]
次に図2を参照して、実施形態に係るアナログメータを説明する。図2は、実施形態に係るアナログメータ10の構成を示す正面図である。なお、図2および後述する図5図9に示される四角の枠線は、画像の端を示す線である。すなわち、これらの図面では、アナログメータ10は当該四角の枠線の内側に示されている。アナログメータ10は、ガス流量などの評価対象の物理量に応じて、指針14が回転する回転計である。アナログメータ10は、目盛り板13と、指針14と、が枠体15に収容されて構成されている。目盛り板13と指針14とは透明なガラス又はアクリル等を介して読み取り可能に構成されている。目盛り板13は円盤状の部材である。目盛り板13には、指針14の回転の中心点P00を中心とする円周上に、目盛り12が等間隔で表示されている。目盛り12の始点P10は「0」の値を示す部分である。指針14が360°回転することで「0」の値を再び指し示すように、「0」~「9」の数値が目盛り板13に表示されている。なお、目盛り板13に表示される目盛り12は360°の回転に対応したものに限定されず、360°より小さい角度(例えば270°)までの回転に対応したものでもよい。この場合、指針14の回転角度は目盛り板13に表示される目盛り12に応じて適宜選択される。
【0023】
指針14は、目盛り板13に回転の中心点P00を中心に回動可能に設けられている。指針14は、中心点P00を挟んで目盛り12を指示する第一部分14aとその反対の第二部分14bとを備える。第一部分14aは第二部分14bよりも長く構成されて、目盛り12の近傍まで延びている。第一部分14aの先端は鋭角の三角形状である。なお、指針14の第一部分14aの形状は三角形状に限定されず、平板形状であってもよい。また、指針14の幅方向の長さは特に限定されず、指針14は細い略線形状であってもよい。形状に応じで、後述する指示値算出処理を適切に選択することで、指針14の指示値を読み取ることできる。
【0024】
[アナログメータの指針の指示値の読み取り方法]
次に、実施形態に係るアナログメータの指針の指示値の読み取り方法を説明する。図3は、実施形態に係るアナログメータの指針の指示値の読み取り方法の構成を示すフローチャートである。なお、以下で説明するフローチャート(図4を含む)を構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同であり、並列的に実行されてもよい。また、各フローチャートにおいて各装置が実行する処理は、矛盾の生じない範囲で、他の装置によって実行されてもよい。
【0025】
図3に示すように、実施形態に係るアナログメータの指針の指示値の読み取り方法は、指針を含むアナログメータの画像を取得する取得処理S10と、取得した画像から指針を検出する指針検出処理S20と、指針の指示値を算出する指示値算出処理S30と、を含む。また図3に示すように、実施形態に係るアナログメータの指針の指示値の読み取り方法は、取得処理S10と指針検出処理S20の間に、取得した画像からアナログメータの目盛り板と指針とを含む部分をトリミングするトリミング処理S15を含んでもよい。
【0026】
取得処理S10において、制御部60の取得部62が図1に示す撮像部30が撮像したアナログメータ10の画像を取得する。撮像部30が撮像した画像は、撮像部30からコンピュータ装置50の取得部62に送られて記憶部70に記憶されてもよい。コンピュータ装置50に接続された図示を省略する入出力装置を介して使用者が取得処理S10をコンピュータ装置50に実施させてもよい。また、予め記憶させたプログラムに基づいて制御部60が取得処理S10を実施してもよい。取得処理S10において、予め設定された所定のタイミングで撮像部30がアナログメータ10の画像を撮像して、取得部62が当該所定のタイミングに合わせて画像を取得するようにしてもよい。
【0027】
ここで、撮像部30を定位置に固定した場合において、取得処理S10を実施する前に、撮像部30が目盛り板13および指針14を含むアナログメータ10の前情報画像を撮像し、取得部62が当該前情報画像を取得してもよい(図1図3参照)。当該前情報画像に基づいて、目盛り12の始点P10および指針14の回転の中心点P00の座標情報を記憶部70に記憶させてもよい。また、指針が360°より小さい角度(例えば270°)まで回転するアナログメータの場合には、目盛りの終点の座標情報を記憶部70に記憶させてもよい。当該前情報画像は、取得処理S10において取得される画像と比較して、アナログメータ10の目盛り12の始点P10および指針14の回転の中心点P00が同じ位置にあり、目盛り板13が同じ大きさである画像である。
【0028】
制御部60は、取得処理S10において取得された画像から不要な情報を除去するために、アナログメータ10の目盛り板13と指針14とを含む部分をトリミングするトリミング処理S15を実行してもよい。トリミング処理S15において、制御部60が取得処理S10において取得された画像からアナログメータ10の目盛り板13と指針14とを含む部分をトリミングする。トリミング処理S15を実施する場合には、前述の前情報画像においても同様のトリミング処理を行うなどにより、トリミング処理後の画像における目盛り12の始点P10および指針14の回転の中心点P00が予め記憶された座標情報とずれないようにしてもよい。
【0029】
実施形態における指針検出処理S20および指示値算出処理S30はOpenCV(登録商標)を利用して実行される。OpenCV(登録商標)は、Windows(登録商標)やLinux(登録商標)等の複数のOSに対応して無償で利用できるオープンソースのソフトウェアである。OpenCV(登録商標)には、コンピュータで画像や動画を処理するのに必要なさまざまな機能(関数)が実装されており、主に画像や動画の認識・解析に好適に使用される。
【0030】
指針検出処理S20において、制御部60の指針検出部64が取得処理S10において取得した画像から指針14の目盛り12を指示する部分(第一部分14a)の少なくとも一方の側面のエッジに相当する線分を検出する。ここで、図4図6を参照して、指針検出処理S20を説明する。図4は、実施形態に係る指針検出処理S20の構成を示すフローチャートである。図4に示すように指針検出処理S20は、画像を二値化する二値化処理S21と、二値化画像に基づいてエッジを検出するエッジ検出処理S22と、予め設定された認識領域に端点が一つも含まれない線分を検出されたエッジから除外する線分抽出処理S23と、を含んでもよい。
【0031】
二値化処理S21において、指針検出部64が画像全体を適当な閾値に基づいて二値化画像に変換する。エッジ検出処理S22において、指針検出部64が二値化処理S21により得られた二値化画像に基づいてエッジを検出する。エッジ検出処理S22は、OpenCV(登録商標)に基づくCanny法およびHough変換によって実行される。図5は、実施形態に係るエッジ検出処理S22の態様を示す図である。図5に示すように、エッジ検出処理S22では、Canny法により、アナログメータ10の目盛り12、目盛り12の値(図示省略)、指針14、枠体15などのエッジを白色で表し、それ以外の部分を黒色で表すように、二値化画像を画像処理する。なお、図5において示されるアナログメータ10は図2に示すアナログメータ10よりも目盛り12の各線の幅が若干厚くなっているが、これはエッジを示す白色を分かりやすくするために表現したものである。続いて、Hough変換により白色で表された線分を検出する。
【0032】
線分抽出処理S23において、指針検出部64がエッジ検出処理S22によって検出された線分からノイズを除外する。図6は、線分抽出処理S23の態様を示す図である。線分抽出処理S23における認識領域Rは、予め設定された指針14の回転の中心点P00を中心とする領域であって、目盛り板13の情報表示領域Iに干渉しない領域である。図6に示す例では認識領域Rの形状は四角形状としているが、認識領域Rの形状は特に限定されず、円形状、多角形状等としてもよい。認識領域Rは、記憶部70に予め記憶されてもよい。情報表示領域Iは、目盛り板13の目盛り12および目盛り12の値が表示された領域であり、記憶部70に予め記憶されてもよい。線分抽出処理S23は、認識領域Rに端点が一つも含まれない第二線分19を検出されたエッジに相当する線分から除外する。第二線分19は、目盛り12だけでなく光や傷等に起因して検出されるノイズとなる線分である。また、線分抽出処理S23において、認識領域Rに二つの端点が含まれる線分を検出されたエッジから除外してもよい。以上の処理により、取得処理S10において取得した画像から指針14の目盛り12を指示する部分(第一部分14a)の少なくとも一方の側面のエッジに相当する第一線分18を検出してもよい。
【0033】
ここで、図7図9を参照して、指示値算出処理S30を説明する。指示値算出処理S30において、指示値算出部66が目盛り12の始点P10と指針14の回転の中心点P00とを結ぶ第一直線L1を設定し、指針検出処理S20により検出された第一線分18に基づいて決定される指針の指示位置を示す指示点P20と中心点P00とを結ぶ第二直線L2を設定し、第一直線L1と第二直線L2とがなす角度θを算出し、そして算出された角度θから指示値を算出する。始点P10および中心点P00は、例えば記憶部70に予め記録された座標情報に基づいて判断されるようにしてもよい。なお、360°ではない回転計の場合には、予め記憶された終点の座標情報に基づいて終点が判断されるようにしてもよい。
【0034】
図7は、指示値算出処理S30の第一態様を示す図である。図7に示す第一態様では、指針検出処理S20において、画像から指針14の目盛り12を指示する部分(第一部分14a)の両方の側面のエッジにそれぞれ相当する2本の第一線分18が検出される。そして指示値算出処理S30において、指針検出処理S20において検出された2本の第一線分18をそれぞれ含む直線の第一交点P21(指示点P20の一例)と中心点P00とを結ぶ直線が、第二直線L2として設定される。そして、第一交点P21に基づいて設定された第二直線L2と第一直線L1とがなす角度θが算出される。なお、本実施形態において角度θは時計回りで指針14が回転した角度としている。アナログメータの指針の回転の態様に応じて、反時計回りで指針が回転した角度を算出するようにしてもよい。
【0035】
図8は、指示値算出処理S30の第二態様を示す図である。図8に示す第二態様では、指針検出処理S20において、画像から指針14の目盛り12を指示する部分(第一部分14a)の一方の側面のエッジに相当する1本の第一線分18が検出される。そして指示値算出処理S30において、指針検出処理S20において検出された1本の第一線分18を含む直線と、アナログメータ10の目盛り12のベース線20またはアナログメータ10の目盛り板13および指針14を収容した枠体15の内縁22と、の第二交点P22(指示点P20の一例)が設定され、第二交点P22と中心点P00とを結ぶ直線が第二直線L2として設定される。そして、第二交点P22に基づいて設定された第二直線L2と第一直線L1とがなす角度θが算出される。なお、図8では第一線分18を含む直線とアナログメータ10の目盛り12のベース線20との交点を第二交点P22としている。例えば、目盛り板13が枠体15にずれて収容されており、目盛り12のベース線20が隠れている場合には、第一線分18を含む直線と枠体15の内縁22との交点を、第二交点P22としてもよい。
【0036】
図9は、指示値算出処理S30の第三態様を示す図である。図9に示す第三態様では、指針検出処理S20において、画像から指針14の目盛り12を指示する部分(第一部分14a)の一方の側面のエッジに相当する1本の第一線分18が検出される。第三態様における1本の第一線分18は、指針14の先端まで延びておらず、目盛り12側の端点P23(指示点P20の一例)が指針14の先端よりも若干中心点P00の近くに位置する線分である。指示値算出処理S30において、指針検出処理S20により検出された1本の第一線分18の目盛り12側の端点P23と中心点P00とを結ぶ直線が第二直線L2として設定される。そして、端点P23に基づいて設定された第二直線L2と第一直線L1とがなす角度θが算出される。
【0037】
上記の態様において算出された角度θから、アナログメータ10の指針14の指示値が算出される。指示値の算出は、角度θと、予め設定された(例えば記憶部70に記憶された)アナログメータ10の指針14の回転角度に応じた値と、に基づいて算出されてもよい。図7に示すアナログメータ10の目盛り板13の目盛り12は、0~9の数値が等間隔で表示されており、指針14の可動域が360°であるため、1目盛り分指針14が回転する毎に角度が36°変動することになる。図7に示すように角度θが略338°であるとすると、この角度θを目盛り12の角度に対する増減率から算出(つまり、338°÷36°)すると、アナログメータ10の指針14の指示値は略9.4と算出される。
【0038】
[作用・効果]
上述した本実施形態のアナログメータの指針の指示値の読み取り方法(読み取りシステム)では、取得したアナログメータ10の画像から、指針14の目盛り12を指示する部分(第一部分14a)の少なくとも一方の側面のエッジに相当する第一線分18を検出する(図5および図6)。そして、目盛り12の始点P10と指針14の回転の中心点P00とを結ぶ第一直線L1を設定し、検出された第一線分18に基づいて決定される指針14の指示位置を示す指示点P20と指針の回転の中心点P00とを結ぶ第二直線L2を設定する(図7図9)。そして第一直線L1および第二直線L2がなす角度θに基づいて、指針14の指示値を算出する。これにより、作業者が目視で指示値を確認しなくても指示値を取得でき、計測値の読み取り負荷を軽減することができる。
【0039】
また、上述の指示値算出処理S30の第一態様を適用した読み取り方法では、指針14の両サイドの第一線分18に基づいて指針14の回転角度(角度θ)を算出することで、指示値の算出をより正確に実施できる(図7)。また、上述の指示値算出処理S30の第二態様を適用した読み取り方法では、例えば指針が細く1本(片サイド)の第一線分18だけが検出された場合においても、目盛り12のベース線20や枠体15の内縁22を基準とすることで、少ない誤差で指示値の算出を実施できる(図8)。目盛り12のベース線20および枠体15の内縁22のいずれを採用するかは、使用者の入力によってコンピュータ装置50が判断してもよく、または予め記憶されたプログラムにより規定されたアナログメータの構造に関係する条件等に応じてコンピュータ装置50が判断してよい。また、上述の指示値算出処理S30の第三態様を適用した読み取り方法でも、例えば指針が細く1本(片サイド)の第一線分18だけが検出された場合においても、第一線分18の目盛り12側の端点P23を基準とすることで、少ない誤差で指示値の算出を実施できる(図9)。
【0040】
また、上述した本実施形態の読み取り方法では、数値情報などを含む目盛り板13の情報表示領域Iに干渉しない認識領域Rに基づいて線分抽出を行うことで、ノイズとなる線分を効果的に除去できる(図6)。また、上述した本実施形態の読み取り方法では、二値化およびエッジ検出を行った後に線分抽出を行う場合には、指針検出の確実性が増し、指示値の誤認識を少なくできる(図4図6)。
【0041】
なお、上述した実施形態において画像解析処理に使用されるソフトウェアはOpenCVを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像や動画の認識・解析に使用できる機能を備えたソフトウェアを適宜採用できる。また、上述した実施形態において単一のコンピュータ装置を用いたシステムを説明したが、上述した実施形態における各種機能部を分散させたシステムとしてもよい。また、複数の撮像部によって複数のアナログメータの指針の指示値を並行して読み取るように構成してもよい。また、本明細書のおける用語「システム」は、単一のコンピュータ装置において構築された各種機能部の複合システムを包含する。
【0042】
以上、上述した実施形態を一例として本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0043】
1:読み取りシステム、10:アナログメータ、12:目盛り、13:目盛り板、14:指針、14a:第一部分、14b:第二部分、15:枠体、16:エッジ、18:第一線分、19:第二線分、20:ベース線、22:内縁、30:撮像部、50:コンピュータ装置、60:制御部、62:取得部、64:指針検出部、66:指示値算出部、70:記憶部、80:外部通信I/F、P00:中心点、P10:始点、P20:指示点、P21:第一交点、P22:第二交点、P23:端点、L1:第一直線、L2:第二直線、θ:角度、R:認識領域、I:情報表示領域、S10:取得処理、S15:トリミング処理、S20:指針検出処理、S21:二値化処理、S22:エッジ検出処理、S23:線分抽出処理、S30:指示値算出処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9