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特許7116802マスター・スタンドバイコンテナシステム切替
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】マスター・スタンドバイコンテナシステム切替
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/20 20060101AFI20220803BHJP
   G06F 8/656 20180101ALI20220803BHJP
   G06F 9/455 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
G06F11/20 633
G06F8/656
G06F9/455 150
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020564360
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 CN2019092019
(87)【国際公開番号】W WO2020001354
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-11-16
(31)【優先権主張番号】201810697116.3
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 勇
【審査官】三坂 敏夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-293697(JP,A)
【文献】特開2017-027496(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179537(WO,A1)
【文献】森 健人 他,オンプレミスで実現する業務効率化のためのOSS基盤環境構築,情報処理学会研究報告 2016-IOT-035 No.10,情報処理学会,2016年09月24日,第1頁-第8頁,特に第2.2.3節 第3段落の記載を参照
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/656
G06F 11/20
G06F 9/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有ファイルが作成された単一の物理ネットワーク機器におけるマスターコンテナシステムである第1コンテナシステムに用いられるマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法であって、
ユーザから入力されたシステムアップグレード指令を受信するステップと、
前記システムアップグレード指令に応答して、前記物理ネットワーク機器における、前記マスターコンテナシステムに対応するスタンドバイコンテナシステムである第2コンテナシステムへ、コンテナシステムデータを送信するステップと、
前記第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、前記共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むことにより、前記第2コンテナシステムが、前記共有ファイルに前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングしたときに、前記第2コンテナシステムを前記マスターコンテナシステムとして切り替えるようにするステップと、を含み、
前記第1コンテナシステム及び前記第2コンテナシステムは、単一のグループのユーザモードプログラムによって運転され、単一の前記物理ネットワーク機器のカーネルを共有する、ことを特徴とするマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法。
【請求項2】
前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知の書込みの完了に応答して、前記第1コンテナシステム内で運転される各アプリプロセスへコンテナシステム退出通知を送信することにより、前記各アプリプロセスが前記コンテナシステム退出通知に基づいて前記第1コンテナシステム内での運転を終了するようにするステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法。
【請求項3】
前記第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、前記第1コンテナシステムのシステムドライバへネットワーク接続を切断する旨の指令を送信することにより、前記システムドライバがデータを送受信しなくなるようにするステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法。
【請求項4】
共有ファイルが作成された単一の物理ネットワーク機器におけるスタンドバイコンテナシステムである第2コンテナシステムに用いられるマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法であって、
前記共有ファイルをモニタリングするステップと、
前記共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングしたときに、前記第2コンテナシステムをマスターコンテナシステムとして切り替えるステップと、を含み、
前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知は、第1コンテナシステムが前記第2コンテナシステムによるデータバックアップの完了と決定した後で前記共有ファイルに書き込んだものであり、
前記第1コンテナシステムは、前記スタンドバイコンテナシステムに対応するマスターコンテナシステムであり、
前記第1コンテナシステム及び前記第2コンテナシステムは、単一のグループのユーザモードプログラムによって運転され、単一の前記物理ネットワーク機器のカーネルを共有する、ことを特徴とするマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法。
【請求項5】
前記第1コンテナシステムから送信されたコンテナシステムデータを受信するステップと、
前記コンテナシステムデータに対するバックアップ操作を完了した後、前記第1コンテナシステムへデータバックアップ完了通知を送信することにより、前記第1コンテナシステムが前記データバックアップ完了通知に基づいて前記共有ファイルへ前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むようにするステップと、を更に含むことを特徴とする請求項4に記載のマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法。
【請求項6】
前記第2コンテナシステムのアドレス情報を含むマスターコンテナシステムブロードキャスト通知を送信することにより、当該マスターコンテナシステムブロードキャスト通知を受信したプロセスが前記第2コンテナシステムの前記アドレス情報に基づいて前記第2コンテナシステムへデータパケットを送信するようにするステップを更に含むことを特徴とする請求項4に記載のマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法。
【請求項7】
共有ファイルが作成された単一の物理ネットワーク機器におけるマスターコンテナシステムである第1コンテナシステムに用いられるマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置であって、
ユーザから入力されたシステムアップグレード指令を受信するための受信モジュールと、
前記システムアップグレード指令に応答して、前記物理ネットワーク機器における、前記マスターコンテナシステムに対応するスタンドバイコンテナシステムである第2コンテナシステムへ、コンテナシステムデータを送信するための送信モジュールと、
前記第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、前記共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むことにより、前記第2コンテナシステムが、前記共有ファイルに前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングしたときに、前記第2コンテナシステムを前記マスターコンテナシステムとして切り替えるようにするための通知モジュールと、を備え
前記第1コンテナシステム及び前記第2コンテナシステムは、単一のグループのユーザモードプログラムによって運転され、単一の前記物理ネットワーク機器のカーネルを共有する、ことを特徴とするマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置。
【請求項8】
前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知の書込みの完了に応答して、前記第1コンテナシステム内で運転される各アプリプロセスへコンテナシステム退出通知を送信することにより、前記各アプリプロセスが前記コンテナシステム退出通知に基づいて前記第1コンテナシステム内での運転を終了するようにするための退出モジュールを更に備えることを特徴とする請求項7に記載のマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置。
【請求項9】
前記第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、前記第1コンテナシステムのシステムドライバへネットワーク接続を切断する旨の指令を送信することにより、前記システムドライバがデータを送受信しなくなるようにするための切断モジュールを更に備えることを特徴とする請求項7に記載のマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置。
【請求項10】
共有ファイルが作成された単一の物理ネットワーク機器におけるスタンドバイコンテナシステムである第2コンテナシステムに用いられるマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置であって、
前記共有ファイルをモニタリングするためのモニタリングモジュールと、
前記共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングされたときに、前記第2コンテナシステムをマスターコンテナシステムとして切り替えるための切替モジュールと、を備え、
前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知は、第1コンテナシステムが前記第2コンテナシステムによるデータバックアップの完了と決定した後で前記共有ファイルに書き込んだものであり、
前記第1コンテナシステムは、前記スタンドバイコンテナシステムに対応するマスターコンテナシステムであり、
前記第1コンテナシステム及び前記第2コンテナシステムは、単一のグループのユーザモードプログラムによって運転され、単一の前記物理ネットワーク機器のカーネルを共有する、ことを特徴とするマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置。
【請求項11】
前記第1コンテナシステムから送信されたコンテナシステムデータを受信するための受信モジュールと、
前記コンテナシステムデータに対するバックアップ操作を完了した後、前記第1コンテナシステムへデータバックアップ完了通知を送信することにより、前記第1コンテナシステムが前記データバックアップ完了通知に基づいて前記共有ファイルへ前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むようにするための第1送信モジュールと、を更に備えることを特徴とする請求項10に記載のマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置。
【請求項12】
前記第2コンテナシステムのアドレス情報を含むマスターコンテナシステムブロードキャスト通知を送信することにより、当該マスターコンテナシステムブロードキャスト通知を受信したプロセスが前記第2コンテナシステムの前記アドレス情報に基づいて前記第2コンテナシステムへデータパケットを送信するための第2送信モジュールを更に備えることを特徴とする請求項10に記載のマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
稼働中ソフトウェアアップグレード(In-Service Software Upgrade、ISSU)は、機器のソフトウェアをアップグレードする信頼性の高い方式である。ダブルシステム単機ISSUは、同一の物理機器における2つのコンテナ内で1つのコンテナシステムをそれぞれ運転させ、当該2つのコンテナシステムが互いにマスター・スタンドバイとなっている。ただし、分離用の仮想技術を用いると、マスター・スタンドバイコンテナシステムとマスター・スタンドバイコンテナシステム上に運転されるアプリプロセスとを分離可能である。スタンドバイコンテナシステムは、マスターコンテナシステムが運転を停止したときに、マスターコンテナシステムとして切り替えられてサービスアップグレードを保証する。
【0002】
関連技術一では、マスターコンテナシステムとスタンドバイコンテナシステムの間でハートビートを互いに発信してマスター・スタンドバイコンテナシステム切替を完了可能である。しかし、ハートビートを送信する時間間隔が大きければ、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替がタイムリーではない問題が発生しやすい一方、ハートビートを密に送信すれば、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)から多くのリソースが占用され、リソースの無駄遣いという問題が発生してしまう。
【0003】
関連技術二では、物理機器で1つの第3者システム(例えば、物理デバイスまたは物理システム)を運転させ、第3者システムによってマスター・スタンドバイ判定を行う。当該第3者システムは、マスター・スタンドバイコンテナシステムをモニタリングし、マスターコンテナシステムが運転しなくなったときに、スタンドバイコンテナシステムに対して、マスターシステムとして切り替わるよう通知する。しかし、第3者システムによってマスター・スタンドバイ判定を行うと、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のコストが増加してしまう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
明細書に含まれて明細書の一部を構成する図面は、明細書とともに本発明の例示的な実施例、特徴及び態様を示し、且つ本発明の原理を解釈するために用いられる。
図1】本発明の一実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法のフローチャートを示す。
図2】本発明の別の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法のフローチャートを示す。
図3】本発明の一実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法の三者の相互作用の模式図を示す。
図4】本発明の更に別の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法のフローチャートを示す。
図5】本発明のもう1つの実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法のフローチャートを示す。
図6】本発明の一実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置の構造ブロック図を示す。
図7】本発明の別の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置の構造ブロック図を示す。
図8】本発明の更に別の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置の構造ブロック図を示す。
図9】本発明のもう1つの実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置の構造ブロック図を示す。
図10】一例示的な実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置のハードウェア構造のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下では、図面を参照して本発明の各種の例示的な実施例、特徴および態様を詳細に説明する。図面における同じ符号は、機能が同じ又は類似する素子を示す。図面に実施例の各種の態様が示されたが、専ら示さない限り、縮尺通りに図面を描く必要がない。
【0006】
ここでの用語「例示的な」は、「例示、実施例としてのもの、または説明的なもの」を意味する。ここで「例示的な」で説明される如何なる実施例も、他の実施例よりも優れるや良くなるとして解釈される必要がない。
【0007】
また、本発明がより良く説明されるように、下文の具体的な実施形態において大量の具体的詳細が与えられている。当業者であれば理解できるように、幾つかの具体的詳細がなくても、本発明は同様に実施可能である。幾つかの実施例では、本発明の要旨がより目立つように、当業者でよく知られる方法、手段、素子及び回路について詳細に記述されていない。
【0008】
現在、分離技術は、仮想マシン分離、プロセス分離およびコンテナ分離を含む。
【0009】
ただし、仮想マシン分離は、1つのネットワーク機器のCPU、メモリ等の物理デバイスを完全に模擬可能であり、完全なオペレーティングシステムを運転する必要があり、ヘビー級仮想技術に属し、起動・関閉が遅く、ハードウェアリソース(例えば、メモリ、ハードディスクおよびCPU)の消費が大きい。
【0010】
プロセス分離は、ライト級分離として、如何なる物理的模擬もなく、デフォルトの場合においてメモリが互いにアクセス可能ではないが、ネットワーク、磁気ディスクが何れも互いにアクセス可能であり、使用に何の代価もないが、分離効果が理想的ではない。
【0011】
コンテナは、主に、上記仮想マシン分離とプロセス分離との間の空白を埋めるために出現する。コンテナは、CPU、メモリ等の物理デバイスを模擬せず、自分のカーネルも存在せず、一般的に1グループのみのユーザ状態プログラムを運転し、所在する機器とは1つのカーネルを共有する。コンテナは、アプリに必要な運転環境、キャッシュ環境、データベース環境等をカプセル化し、最も簡潔な方式でプログラムの運転をサポートする。1つのコンテナは、1つの独立で完全なソフトウェアシステム、例えば、comwareソフトウェアシステムに相当することができる。
【0012】
コンテナ技術は、ハードウェア及びカーネルに関わらず、必要なプログラムのみを運転し、即ち、オペレーティングシステムに関するプログラムを含まないため、一般的に起動が非常に速い。また、必要なプログラム及び依存するデータベースのみを運転するようにできるため、占用される空間が完全仮想マシンよりも小さくなる。
【0013】
関連技術一におけるマスター・スタンドバイコンテナシステム切替がタイムリーではない、或いはマスター・スタンドバイコンテナシステム切替によるリソースの無駄遣いが発生しやすい問題、および関連技術二におけるマスター・スタンドバイコンテナシステム切替コストが高い問題を解決するために、本発明の実施例において、物理ネットワーク機器に共有ファイルが作成され、スタンドバイコンテナシステムは、当該共有ファイルをモニタリングする。マスターコンテナシステムは、マスター・スタンドバイコンテナ切替を行うときに、当該共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込む。スタンドバイコンテナシステムは、共有ファイルに上記マスター・スタンドバイコンテナ切替通知が存在するとモニタリングしたときに、スタンドバイコンテナシステムは、マスターコンテナシステムとして切り替わり、リソースの無駄遣いのない前提で、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のタイムリー性を保証しつつ、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のコストを低減する。
【0014】
本発明の実施例は、単機ISSUダブルコンテナの環境に用いられるだけでなく、単機ISSUマルチコンテナ(1つのマスターコンテナシステム、複数のスタンドバイコンテナシステム)の環境にも用いられてもよい。単機ISSU環境において、物理ネットワーク機器には、少なくとも2つのコンテナシステム(マスターコンテナシステムおよびスタンドバイコンテナシステム)が存在し、当該2つのコンテナシステムは、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替を実行する。本発明の実施例は、単機ISSU環境に用いられることを例として、本発明の実施例について説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法のフローチャートを示す。前記方法は、物理ネットワーク機器における第1コンテナシステムに用いられ、前記物理ネットワーク機器に共有ファイルが作成され、前記第1コンテナシステムは、前記物理ネットワーク機器で運転されるマスターコンテナシステムであり、前記物理ネットワーク機器の運転環境は、単機ISSUである。図1に示すように、当該マスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法は、以下のステップを含む。
【0016】
ステップ101では、第1コンテナシステムユーザから入力されたシステムアップグレード指令を受信する。
【0017】
本発明の実施例では、物理ネットワーク機器において第1コンテナシステムを運転させる。第1コンテナシステムをアップグレードする必要が生じるときに、ユーザは、コマンドライン等の方式によってシステムアップグレード指令を入力する。
【0018】
ステップ102では、前記システムアップグレード指令に応答して、第1コンテナシステムは、前記物理ネットワーク機器におけるスタンドバイコンテナシステムである第2コンテナシステムへコンテナシステムデータを送信する。
【0019】
第1コンテナシステムは、システムアップグレード指令を受信した後、当該システムアップグレード指令に応答して、第1コンテナシステムのコンテナシステムデータ(例えば、各アプリプロセスのデータ)をコピーして圧縮し、コピーして圧縮されたコンテナシステムデータを第2コンテナシステムへ送信する。第2コンテナシステムは、上記システムデータを受信した後、上記システムデータをバックアップし、バックアップ操作が完了された後、第1コンテナシステムへデータバックアップ完了通知を送信する。
【0020】
本発明の実施例では、1つの実現方式において、第2コンテナシステムは、物理ネットワーク機器において先に作成され且つバックグラウンドで運転しているコンテナシステムであり、ユーザは、それについて感知がない。別の実現方式において、物理ネットワーク機器は、現在第1コンテナシステムを運転し、第1コンテナシステムがシステムアップグレード指令を受信した後、物理ネットワーク機器は、第2コンテナシステムを作成する。第1コンテナシステムは、第2コンテナシステムとの通信接続を確立し、作成された第2コンテナシステムへコンテナシステムデータを送信する。
【0021】
ステップ103では、前記第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、第1コンテナシステムが前記共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むことにより、前記第2コンテナシステムが、前記共有ファイルに前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングしたときに、前記第2コンテナシステムを前記マスターコンテナシステムとして切り替えるようにする。
【0022】
第1コンテナシステムは、上記データバックアップ完了通知を受信した後、共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込む。第2コンテナシステムは、上記共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナ切替通知が存在するとモニタリングした後、第2コンテナシステムをマスターコンテナシステムとして切り替え、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替を完了する。
【0023】
説明すべきことは、本発明の実施例は、ISSUマルチコンテナ(1マスター複数スタンドバイ)の環境にも適用可能である。1マスター複数スタンドバイの環境において、アップグレードを行うときに、マスターコンテナシステムは、1つのスタンドバイコンテナシステムをマスターコンテナシステムとして指定してもよく、または複数のスタンドバイコンテナシステムについて選定操作により、複数のスタンドバイコンテナシステムから1つのマスターコンテナシステムを選定してもよい。
【0024】
例を挙げると、マスターコンテナシステムは、複数のスタンドバイコンテナシステムのうち、1つのスタンドバイコンテナシステムを切替すべきスタンドバイコンテナシステムとして指定し、共有ファイルへマスター・スタンドバイシステム切替通知を書き込み、当該マスター・スタンドバイシステム切替通知は、上記切替すべきスタンドバイコンテナシステムの識別子情報を含む。複数のスタンドバイコンテナシステムは、当該共有ファイルをモニタリングし、上記マスター・スタンドバイシステム切替通知がモニタリングできたときに、当該マスター・スタンドバイシステム切替通知に含まれる切替すべきスタンドバイコンテナシステムの識別子情報で表されるスタンドバイコンテナシステムは、当該マスター・スタンドバイシステム切替通知に応答してマスターコンテナシステムとして切り替えられる。
【0025】
更に例を挙げると、マスターコンテナシステムは、共有ファイルへマスター・スタンドバイシステム切替通知を書き込む。複数のスタンドバイコンテナシステムは、何れも共有ファイルをモニタリングし、上記マスター・スタンドバイシステム切替通知が検出できたときに、複数のスタンドバイコンテナシステムは、選定操作を行い、例えば、生存時間の長いおよび/またはMACアドレスの小さいスタンドバイコンテナシステムをマスターコンテナシステムとして選定し、当該選定で得られたスタンドバイコンテナシステムは、マスター・スタンドバイシステム切替通知に応答してマスターコンテナシステムとして切り替えられる。
【0026】
したがって、本発明の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法では、第1コンテナシステムは、ユーザから入力されたシステムアップグレード指令を受信した後、第2コンテナシステムへコンテナシステムデータを送信し、第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むことにより、共有ファイルをモニタリングしている第2コンテナシステムがマスター・スタンドバイコンテナ切替通知をモニタリングできた後、自身をマスターコンテナシステムとして切り替えるようにする。
【0027】
こうして、第1側面として、本発明の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法は、現在運転しているアプリプロセスへ影響しない。第2側面として、第2コンテナシステムは、共有ファイルをリアルタイムでモニタリングしているため、第1コンテナシステムが共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込んだときに、自身をマスターコンテナシステムとして切り替え可能であり、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のリアルタイム性を保証できる。また、第2コンテナシステムが共有ファイルの変化をモニタリングしている過程において、共有ファイルが変化していないときに、CPUリソースが消費されないため、リソースの無駄使いは低減できる。第3側面として、第3者システムによるマスター・スタンドバイ判定を必要としないため、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のコストは節約できる。
【0028】
別の実施例において、第1コンテナシステムが、共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込んだ後、第1コンテナ内で運転される各アプリプロセスへコンテナシステム退出通知を送信することにより、各アプリプロセスがコンテナシステム退出通知に基づいて第1コンテナ内での運転を終止して、第1コンテナシステムにおける各アプリプロセスで占用されるリソースを解放するようにする。以下では、図2に示すマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法のフローチャートにより、本発明の実施例について説明する。
【0029】
具体的に、図2に示すマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法は、以下のステップを含む。
【0030】
ステップ201では、第1コンテナシステムユーザから入力されたシステムアップグレード指令を受信する。
【0031】
ステップ202では、前記システムアップグレード指令に応答して、第1コンテナシステムが、前記物理ネットワーク機器におけるスタンドバイコンテナシステムである第2コンテナシステムへコンテナシステムデータを送信する。
【0032】
ステップ203では、前記第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、第1コンテナシステムが前記共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むことにより、前記第2コンテナシステムが、前記共有ファイルに前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングしたときに、前記第2コンテナシステムを前記マスターコンテナシステムとして切り替えるようにする。
【0033】
説明すべきことは、本発明の実施例におけるステップ201~ステップ203は、上記方法実施例におけるステップ101~ステップ103と類似するため、ここで繰り返し説明しない。
【0034】
ステップ204では、第1コンテナシステムが、前記第1コンテナシステム内で運転される各アプリプロセスへコンテナシステム退出通知を送信する。こうして、前記各アプリプロセスが、前記コンテナシステム退出通知に基づいて前記第1コンテナシステム内での運転を終了する。
【0035】
第1コンテナシステムは、第1コンテナシステム内で運転される各アプリプロセスへコンテナシステム退出通知を送信する。例えば、第1コンテナシステムは、ブロードキャストの方式によりコンテナシステム退出通知を送信し、各アプリプロセスは、コンテナシステム退出通知を受信した後、コンテナシステム退出通知に基づいて運転を終了して、第1コンテナシステムで占用されるリソースを解放する。
【0036】
1つの可能な実現方式において、上記方法は、更に、以下のステップを含んでもよい。
【0037】
ネットワーク接続を切断する旨の指令を前記第1コンテナシステムのシステムドライバへ送信することにより、当該システムドライバがデータを送受信しなくなるようにする。
【0038】
上記システムドライバは、第1コンテナシステムのマザーボードドライバプログラムであってもよい。第1コンテナシステムは、第1コンテナシステムのシステムドライバへネットワーク接続を切断する旨の指令を送信し、当該ネットワーク接続を切断する旨の指令は、システムドライバに対して、データを送信しなくなり、且つデータを受信しなくなるよう指示する。
【0039】
こうして、第1コンテナシステム内のアプリプロセスの運転がいまだ終了されていないが、第2コンテナシステムが既にマスターコンテナシステムとして切り替えられたときに、第1コンテナシステムが依然として第2コンテナシステムへデータを同期する問題は、回避できる。
【0040】
本発明の実施例が当業者により良好に理解されるように、以下では、具体的な例示によって本発明の実施例を説明する。
【0041】
図3は、本発明の実施例におけるマスター・スタンドバイコンテナシステム切替の三者の相互作用の模式図を示す。図3に示すように、当該物理ネットワーク機器は、第1コンテナシステム、第2コンテナシステム及び共有ファイルを含む。ただし、第1コンテナシステムは、マスターコンテナシステムであり、第2コンテナシステムは、スタンドバイコンテナシステムであり、第2コンテナシステムは、共有ファイルをモニタリングする。
【0042】
第1コンテナシステムは、システムアップグレード指令を受信した後、コンテナシステムデータをコピーして圧縮し、当該コンテナシステムデータを第2コンテナシステムへ送信する。第2コンテナシステムは、上記コンテナシステムデータを受信した後、上記コンテナシステムデータをバックアップし、コンテナシステムデータのバックアップ操作が完了された後、第1コンテナシステムへデータバックアップ完了通知を送信する。第1コンテナは、データバックアップ完了通知を受信した後、共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込み、システムドライバへネットワーク接続を切断する旨の指令を送信し、且つ、各アプリプロセスへコンテナシステム退出通知を送信する。
【0043】
第2コンテナシステムは、共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングした後、マスターコンテナシステムとして切り替えられる。
【0044】
図4は、本発明の更に別の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法のフローチャートを示す。前記方法は、物理ネットワーク機器における第2コンテナシステムに用いられ、前記物理ネットワーク機器に共有ファイルが作成され、前記第2コンテナシステムは、前記物理ネットワーク機器で運転されるスタンドバイコンテナシステムである。図4に示すように、当該マスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法は、以下のステップを含む。
【0045】
ステップ401では、第2コンテナシステムは、共有ファイルをモニタリングする。
【0046】
第2コンテナシステムは、運転を開始すると、共有ファイルに対するモニタリングを開始する。
【0047】
ステップ402では、前記共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングされたときに、前記第2コンテナシステムをマスターコンテナシステムとして切り替える。
【0048】
ただし、前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知は、第1コンテナシステムが前記第2コンテナシステムによるデータバックアップの完了と決定した後で前記共有ファイルに書き込んだものであり、前記第1コンテナシステムは、前記スタンドバイコンテナシステムに対応するマスターコンテナシステムである。
【0049】
第1コンテナシステムは、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替を行うときに、共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込む。第2コンテナシステムは、共有ファイルが変化する、即ち、共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングしたときに、自身をマスターコンテナシステムとして切り替える。
【0050】
1つの可能な実現方式において、上記方法は、前記第2コンテナシステムのアドレス情報を含むマスターコンテナシステムブロードキャスト通知を送信することにより、前記マスターコンテナシステムブロードキャスト通知が、当該マスターコンテナシステムブロードキャスト通知を受信したプロセスが前記第2コンテナシステムのアドレス情報に基づいて前記第2コンテナシステムへデータパケットを送信するステップを更に含み。
【0051】
第2コンテナシステムは、マスターコンテナシステムとして切り替えられた後、第2コンテナシステム内で運転される各アプリプロセスへマスターコンテナシステムブロードキャスト通知を送信し、当該マスターコンテナシステムブロードキャスト通知は、当該第2コンテナシステムのアドレス情報を含む。当該マスターコンテナシステムブロードキャスト通知を受信した各プロセスは、マスターコンテナシステムへデータパケットを送信する際に、当該第2コンテナシステムのアドレス情報に基づいて前記第2コンテナシステムへデータパケットを送信してもよい。
【0052】
したがって、本発明の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法を用いると、第1コンテナシステムは、マスター・スタンドバイコンテナ切替を行うときに、共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込み、第2コンテナシステムは、共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナ切替通知が存在するとモニタリングした後、自身をマスターコンテナシステムとして切り替える。
【0053】
このようにすると、第1側面として、第2コンテナシステムは、共有ファイルをリアルタイムでモニタリングしているため、第1コンテナシステムが共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込んだときに、自身をマスターコンテナシステムとして切り替えることが可能であり、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のリアルタイム性を保証できる。また、第2コンテナシステムが共有ファイルの変化をモニタリングしている過程において、共有ファイルが変化していないときに、CPUリソースが消費されないため、リソースの無駄使いは低減できる。第2側面として、第3者システムによるマスター・スタンドバイ判定を必要としないため、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のコストは節約できる。
【0054】
別の実施例において、第2コンテナシステムは、スタンドバイコンテナシステムであるときに、第1コンテナシステムから送信されたコンテナシステムデータを受信し、コンテナシステムデータに対してバックアップを行うことにより、第2コンテナシステム内で運転されるアプリプロセスを第1コンテナシステム内で運転されるアプリプロセスと同じにさせ、データバックアップの完了後、第1コンテナシステムへデータバックアップ完了通知を送信する。以下では、図5に示すマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法のフローチャートにより、本発明の実施例について説明する。
【0055】
具体的に、図5に示すマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法は、以下のステップを含む。
【0056】
ステップ501では、第2コンテナシステムは、共有ファイルをモニタリングする。
【0057】
本発明の実施例において、ステップ501は、上記方法実施例におけるステップ401と類似するため、ここで繰り返し説明しない。
【0058】
ステップ502では、第2コンテナシステムは、マスターコンテナシステムとしての第1コンテナシステムから送信されたコンテナシステムデータを受信する。
【0059】
第1コンテナシステムは、ユーザから入力されたシステムアップグレード指令を受信した後、コンテナシステムデータをコピーして圧縮し、コンテナシステムデータを第2コンテナシステムへ送信する。
【0060】
ステップ503では、前記コンテナシステムデータに対するバックアップ操作を完了した後、第2コンテナシステムが前記第1コンテナシステムへデータバックアップ完了通知を送信することにより、第1コンテナシステムが前記データバックアップ完了通知に基づいて前記共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むようにする。
【0061】
第2コンテナシステムが、コンテナシステムデータを受信した後、コンテナシステムデータをバックアップし、コンテナシステムデータのバックアップ操作の完了後、第1コンテナシステムへデータバックアップ完了通知を送信することにより、第1コンテナシステムが、データバックアップ完了通知を受信した後、共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むようにする。
【0062】
ステップ504では、前記共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングされたときに、前記第2コンテナシステムをマスターコンテナシステムとして切り替える。
【0063】
ただし、前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知は、第1コンテナシステムによって前記共有ファイルに書き込まれ得る。本発明の実施例において、ステップ504は、上記方法実施例におけるステップ402と類似するため、ここで繰り返し説明しない。
【0064】
このようにすると、本発明の実施例に係るコンテナシステム切替方法によれば、第2コンテナシステム内で運転されるアプリプロセスと第1コンテナシステム内で運転されるアプリプロセスとの一致性は保証でき、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替の過程において現在運転しているアプリプロセスへ影響しないことは保証できる。
【0065】
図6は、本発明の一実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置の構造ブロック図を示す。本装置は、物理ネットワーク機器における第1コンテナシステムに用いられ、前記物理ネットワーク機器に共有ファイルが作成され、前記第1コンテナシステムは、前記物理ネットワーク機器において運転されるマスターコンテナシステムであり、図6を参照すると、上記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置は、以下のモジュールを備える。
【0066】
受信モジュール601は、ユーザから入力されたシステムアップグレード指令を受信する。
【0067】
送信モジュール602は、前記システムアップグレード指令に応答して、前記物理ネットワーク機器におけるスタンドバイコンテナシステムである第2コンテナシステムへコンテナシステムデータを送信する。
【0068】
通知モジュール603は、前記第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、前記共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むことにより、前記第2コンテナシステムが、前記共有ファイルに前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングしたときに、前記第2コンテナシステムを前記マスターコンテナシステムとして切り替えるようにする。
【0069】
したがって、本発明の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置に用いられ、第1コンテナシステムは、ユーザから入力されたシステムアップグレード指令を受信した後、第2コンテナシステムへコンテナシステムデータを送信し、第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むことにより、共有ファイルの第2コンテナシステムがマスター・スタンドバイコンテナ切替通知をモニタリングした後、自身をマスターコンテナシステムとして切り替えるようにする。
【0070】
このようにすると、第1側面として、本発明の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置は、現在運転しているアプリプロセスへ影響しない。第2側面として、第2コンテナシステムは、共有ファイルをリアルタイムでモニタリングしているため、第1コンテナシステムが共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込んだときに、自身をマスターコンテナシステムとして切り替え可能であり、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のリアルタイム性を保証できる。また、第2コンテナシステムが共有ファイルの変化をモニタリングしている過程において、共有ファイルが変化していないときに、CPUリソースが消費されないため、リソースの無駄使いは低減できる。第3側面として、第3者システムによるマスター・スタンドバイ判定を必要としないため、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のコストは節約できる。
【0071】
図7は、本発明の別の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置の構造ブロック図を示す。ただし、受信モジュール701、送信モジュール702および通知モジュール705は、上記実施例における受信モジュール601、送信モジュール602および通知モジュール603と類似するため、ここで繰り返し説明しない。
【0072】
1つの可能な実現方式において、図7を参照すると、上記装置は、退出モジュール704を更に備える。
【0073】
退出モジュール704は、前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知の書込みの完了に応答して、前記第1コンテナシステム内で運転される各アプリプロセスへコンテナシステム退出通知を送信することにより、前記各アプリプロセスが前記コンテナシステム退出通知に基づいて前記第1コンテナシステム内での運転を終了するようにする。
【0074】
1つの可能な実現方式において、図7を参照すると、上記装置は、切断モジュール703を更に備える。
【0075】
切断モジュール703は、前記第2コンテナシステムから送信されたデータバックアップ完了通知を受信した後、ネットワーク接続を切断する旨の指令を前記第1コンテナシステムのシステムドライバへ送信することにより、前記システムドライバがデータを送受信しなくなるようにする。
【0076】
図8は、本発明の更に別の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置の構造ブロック図を示す。本装置は、物理ネットワーク機器における第2コンテナシステムに用いられ、前記物理ネットワーク機器に共有ファイルが作成され、前記第2コンテナシステムは、前記物理ネットワーク機器において運転されるスタンドバイコンテナシステムであり、図8を参照すると、上記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置は、以下のモジュールを備える。
【0077】
モニタリングモジュール801は、共有ファイルをモニタリングする。
【0078】
切替モジュール802は、前記共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知が存在するとモニタリングされたときに、前記第2コンテナシステムをマスターコンテナシステムとして切り替える。
【0079】
ただし、前記マスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知は、第1コンテナシステムが前記第2コンテナシステムによるデータバックアップの完了と決定した後で前記共有ファイルに書き込んだものであり、前記第1コンテナシステムは、前記スタンドバイコンテナシステムに対応するマスターコンテナシステムである。
【0080】
したがって、本発明の実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置を用いると、第1コンテナシステムは、マスター・スタンドバイコンテナ切替を行うときに、共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込み、第2コンテナシステムは、共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナ切替通知が存在するとモニタリングした後、自身をマスターコンテナシステムとして切り替える。
【0081】
このようにすると、第1側面として、第2コンテナシステムは、共有ファイルをリアルタイムでモニタリングしているため、第1コンテナシステムが共有ファイルにマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込んだときに、自身をマスターコンテナシステムとして切り替えることが可能であり、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のリアルタイム性を保証できる。また、第2コンテナシステムが共有ファイルの変化をモニタリングしている過程において、共有ファイルが変化していないときに、CPUリソースが消費されないため、リソースの無駄使いは低減できる。第2側面として、第3者システムによるマスター・スタンドバイ判定を必要としないため、マスター・スタンドバイコンテナシステム切替のコストは節約できる。
【0082】
図9は、本発明のもう1つの実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置の構造ブロック図を示す。ただし、モニタリングモジュール903、切替モジュール904は、上記実施例におけるモニタリングモジュール801および切替モジュール802と類似するため、ここで繰り返し説明しない。
【0083】
1つの可能な実現方式において、図9を参照すると、上記装置は、以下のモジュールを更に備える。
【0084】
受信モジュール901は、前記第1コンテナシステムから送信されたコンテナシステムデータを受信する。
【0085】
第1送信モジュール902は、前記コンテナシステムデータに対するバックアップ操作を完了した後、前記第1コンテナシステムへデータバックアップ完了通知を送信することにより、第1コンテナシステムが前記データバックアップ完了通知に基づいて前記共有ファイルへマスター・スタンドバイコンテナシステム切替通知を書き込むようにする。
【0086】
1つの可能な実現方式において、図9を参照すると、上記装置は、第2送信モジュール905を更に備える。
【0087】
第2送信モジュール905は、前記第2コンテナシステムのアドレス情報を含むマスターコンテナシステムブロードキャスト通知を送信することにより、当該マスターコンテナシステムブロードキャスト通知を受信したプロセスが、前記第2コンテナシステムのアドレス情報に基づいて前記第2コンテナシステムへデータパケットを送信するようにする。
【0088】
図10は、一例示的な実施例に係るマスター・スタンドバイコンテナシステム切替装置のハードウェア構造のブロック図である。実際の応用において、当該装置は、ネットワーク機器で実現され得る。図10を参照すると、当該装置1300は、プロセッサ1301と、機器の実行可能な指令が記憶される機器読み取り可能な記憶媒体1302とを備えてもよい。プロセッサ1301と機器読み取り可能な記憶媒体1302とは、システムバス1303を介して互いに通信可能である。また、プロセッサ1301は、機器読み取り可能な記憶媒体1302におけるマスター・スタンドバイコンテナシステム切替論理に対応する機器の実行可能な指令を読み取ることにより、上述したマスター・スタンドバイコンテナシステム切替方法を実行する。
【0089】
本文で言及された機器読み取り可能な記憶媒体1302は、如何なる電気的なもの、磁気的なもの、光学的なものまたは他の物理的記憶装置であってもよく、情報(例えば、実行可能な指令、データ等)を含むか記憶可能である。例えば、機器読み取り可能な記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(英語:Radom Access Memory、RAMと略称)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、記憶ドライバ(例えば、ハードディスクドライバ)、ソリッド・ステート・ディスク、如何なるタイプの記憶ディスク(例えば、光ディスク、DVD等)、または、類似する記憶媒体やそれらの組み合わせであってもよい。
【0090】
以上は、本発明の各実施例を記述した。上記説明は、例示的なものであり、全てのケースを挙げるものではないし、開示された各実施例に限定されるものではない。説明された各実施例の範囲及び精神を逸脱しない場合に、多くの改良や変更は、当業者にとって明らかである。本文で用いられる用語の選択は、各実施例の原理、実際の応用又は市場における技術に対する改良を最良で解釈し、または本技術分野の他の一般的な技術者にも本文に開示された各実施例を理解させ得るためになされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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