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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】移動体管理装置及び移動体管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20220803BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220803BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G05D1/02 K
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021157597
(22)【出願日】2021-09-28
【審査請求日】2021-11-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】津金 大輔
(72)【発明者】
【氏名】川名 弘志
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-010582(JP,A)
【文献】特開2019-219700(JP,A)
【文献】特開2021-019275(JP,A)
【文献】特開2019-075075(JP,A)
【文献】特開2019-029889(JP,A)
【文献】特開2020-046757(JP,A)
【文献】特開2014-032479(JP,A)
【文献】特開2008-011203(JP,A)
【文献】国際公開第2006/101131(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/018126(WO,A1)
【文献】特開2020-125110(JP,A)
【文献】特開2013-134230(JP,A)
【文献】特開2002-344897(JP,A)
【文献】特開2017-158202(JP,A)
【文献】特開2016-144069(JP,A)
【文献】特開2012-026844(JP,A)
【文献】特開2006-074463(JP,A)
【文献】特開2008-306604(JP,A)
【文献】特開2019-215869(JP,A)
【文献】特開2014-030100(JP,A)
【文献】特開2018-095034(JP,A)
【文献】特開2019-149652(JP,A)
【文献】特開2011-24117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 21/00-21/858
H04N 5/76
H04N 5/91-5/95
G05D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が移動した経路を示す移動記録を取得する移動記録取得部と、
前記経路を移動中の前記移動体との通信時の通信品質を含む通信記録を取得する通信記録取得部と、
取得した前記移動記録及び前記通信記録に関する情報を共に表示する表示画面に、前記経路において前記通信記録を取得できなかった位置、及び前記通信記録を取得できなかった時間帯のうちの少なくとも一方を示す表示制御部と、
前記移動体に設けられた撮影部が前記移動体の前記経路の移動中に撮影した映像を、前記移動体から受信して取得する映像取得部と、
を備え、
前記表示制御部は、取得した前記映像を再生する前記表示画面に、前記映像を受信する際に前記移動体が移動した経路と前記映像を受信する際の前記通信品質の度合いとを対応づけて表示する、
移動体管理装置。
【請求項2】
記表示制御部は、前記表示画面において、前記経路、前記移動体が移動する時間帯及び前記通信品質を対応付けて表示させる、
請求項1に記載の移動体管理装置。
【請求項3】
前記移動体に設けられた撮影部が前記移動体の前記経路の移動中に撮影を行った撮影時刻を取得する映像取得部を更に備え、
前記表示制御部は、前記表示画面において、前記撮影部が撮影した時間帯と前記撮影部が撮影しなかった時間帯とを区別して表示させる、
請求項1又は2に記載の移動体管理装置。
【請求項4】
前記表示画面に表示された前記経路上の任意の位置の指定と、前記移動体が移動する時間帯の任意の時刻の指定とを受け付け可能な指定受付部を更に備え、
前記表示制御部は、受け付けた前記位置又は前記時刻に対応する前記映像を再生させる、
請求項に記載の移動体管理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記映像の再生中に、前記映像が対応する前記位置又は前記時刻にアイコンを重畳して表示させる、
請求項に記載の移動体管理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、取得した前記映像において所定の撮影対象物が映っている時間帯を特定して前記表示画面に表示させる、
請求項に記載の移動体管理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、取得した前記映像の品質が良い時間帯と、前記映像の品質が悪い時間帯とを区別して前記表示画面に表示させる、
請求項からのいずれか1項に記載の移動体管理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
移動体が移動した経路を示す移動記録を取得するステップと、
前記経路を移動中の前記移動体との通信時の通信品質を含む通信記録を取得するステップと、
取得した前記移動記録及び前記通信記録に関する情報を共に表示する表示画面に、前記経路において前記通信記録を取得できなかった位置、及び前記通信記録を取得できなかった時間帯のうちの少なくとも一方を示すステップと、
前記移動体に設けられた撮影部が前記移動体の前記経路の移動中に撮影した映像を、前記移動体から受信して取得するステップと、
取得した前記映像を再生する前記表示画面に、前記映像を受信する際に前記移動体が移動した経路と前記映像を受信する際の前記通信品質の度合いとを対応づけて表示するステップと、
を有する、移動体管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体管理装置及び移動体管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の経路を移動する移動体として、近年、ドローン等の飛行体が提案されている。このような移動体は、例えば移動中に撮影した映像を送信するために、移動中に管理装置と無線通信を行っている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-093435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、移動体が移動する経路上の位置によっては、通信品質が適切に確保されていないため、移動体が管理装置と通信できない場合がある。従来では、移動体が管理装置と通信できなかった経路上の位置や時間帯を容易に把握することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、移動体と通信できなかった経路上の位置や時間帯を容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、移動体が移動した経路を示す移動記録を取得する移動記録取得部と、前記経路を移動中の前記移動体との通信記録を取得する通信記録取得部と、取得した前記移動記録及び前記通信記録に関する情報を共に表示する表示画面に、前記経路において前記通信記録を取得できなかった位置、及び前記通信記録を取得できなかった時間帯のうちの少なくとも一方を示す表示制御部と、を備える、移動体管理装置を提供する。
【0007】
また、前記通信記録取得部は、前記移動体との通信時の通信品質を更に取得し、前記表示制御部は、前記表示画面において、前記経路、前記移動体が移動する時間帯及び前記通信品質を対応付けて表示させることとしてもよい。
【0008】
また、前記移動体に設けられた撮影部が前記移動体の前記経路の移動中に撮影を行った撮影時刻を取得する映像取得部を更に備え、前記表示制御部は、前記表示画面において、前記撮影部が撮影した時間帯と前記撮影部が撮影しなかった時間帯とを区別して表示させることとしてもよい。
【0009】
また、前記移動体に設けられた撮影部が前記移動体の前記経路の移動中に撮影した映像を取得する映像取得部を更に備え、前記表示制御部は、前記表示画面において、前記移動記録及び前記通信記録に関する情報を共に表示すると共に、取得した前記映像を再生させることとしてもよい。
【0010】
また、前記表示画面に表示された前記経路上の任意の位置の指定と、前記移動体が移動する時間帯の任意の時刻の指定とを受け付け可能な指定受付部を更に備え、前記表示制御部は、受け付けた前記位置又は前記時刻に対応する前記映像を再生させることとしてもよい。
【0011】
また、前記表示制御部は、前記映像の再生中に、前記映像が対応する前記位置又は前記時刻にアイコンを重畳して表示させることとしてもよい。
【0012】
また、前記表示制御部は、取得した前記映像において所定の撮影対象物が映っている時間帯を特定して前記表示画面に表示させることとしてもよい。
【0013】
また、前記表示制御部は、取得した前記映像の品質が良い時間帯と、前記映像の品質が悪い時間帯とを区別して前記表示画面に表示させることとしてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、コンピュータが実行する、移動体が移動した経路を示す移動記録を取得するステップと、前記経路を移動中の前記移動体との通信記録を取得するステップと、取得した前記移動記録及び前記通信記録に関する情報を共に表示する表示画面に、前記経路において前記通信記録を取得できなかった位置、及び前記通信記録を取得できなかった時間帯のうちの少なくとも一方を示すステップと、を有する、移動体管理方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、移動体と通信できなかった経路上の位置や時間帯を容易に把握できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一の実施形態に係る移動体管理システムSの概要を説明するための模式図である。
図2】管理装置100の構成を説明するためのブロック図である。
図3】表示部120に表示される表示画面200を説明するための模式図である。
図4】通信記録を取得できなかった位置及び時間帯を示す表示画面200を説明するための模式図である。
図5】表示画面200に表示されるアイコンIを説明するための模式図である。
図6】撮影時間帯の表示例を説明するための模式図である。
図7】管理装置100が行う処理例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<移動体管理システムの概要>
一の実施形態に係る移動体管理システムの概要について、図1を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、一の実施形態に係る移動体管理システムSの概要を説明するための模式図である。移動体管理システムSは、図1に示すように、移動体10と、管理装置100を有する。移動体管理システムSは、移動体10の移動を管理すると共に、移動体10の移動記録や通信記録等を記憶する。なお、図1では管理装置100を単独の装置として示しているが、これに限定されず、管理装置100は、連携して動作可能な複数の装置から構成されていてもよい。
【0019】
移動体10は、ここでは飛行を行う飛行体であり、一例として無人飛行体であるドローンである。飛行体としての移動体10は、監視、点検、空撮、配送等に利用される。移動体10には、周囲を撮影する撮影部12が搭載されており、ここでは飛行中に撮影対象物の撮影を行う。移動体10は、例えば管理装置100が生成した飛行計画に沿って飛行する。
【0020】
管理装置100は、移動体10と通信を行い、移動体10の移動を管理する移動体管理装置である。管理装置100は、例えば、不図示のネットワークを介して移動体10と通信を行う。管理装置100は、移動体10である飛行体の飛行を管理する。例えば、管理装置100は、飛行計画を生成し、生成した飛行計画に沿って移動体10を飛行させる。また、管理装置100は、移動体10の撮影部12が撮影した映像を受信する。具体的には、管理装置100は、移動体10が飛行中に撮影部12がリアルタイムで撮影した映像を受信する。図1では、移動体10が一つのみ示されているが、管理装置100は複数の移動体10の移動を管理可能である。また、管理装置100は、撮影部12が撮影した映像を再生可能である。
【0021】
管理装置100は、移動体10が移動した経路を示す移動記録を取得する。また、管理装置100は、経路を移動中の移動体10との通信記録を取得する。そして、管理装置100は、取得した移動記憶及び通信記録に関する情報を示す表示画面を、表示部120に表示させる。これにより、管理装置100の管理者は、一つの表示画面で、移動体10の移動記録と通信記録を対比しながら確認できる。
【0022】
管理装置100は、詳細は後述するが、経路において通信記録を取得できなかった位置、及び通信記録を取得できなかった時間帯のうちの少なくとも一方を、表示部120の上記表示画面に示す。好ましくは、管理装置100は、通信記録を取得できなかった位置及び時間帯の両方を、表示画面に示す。これにより、管理装置100の管理者は、表示部120の表示画面を見ることで、移動体10と通信できなかった経路上の位置や時間帯を容易に把握できる。
【0023】
なお、上記では、移動体10として飛行体を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、移動体10は、移動中に管理装置100と通信を行う装置であれば、車両や水上ドローン等であってもよい。
【0024】
<管理装置の構成>
管理装置100の構成について、図2を参照しながら説明する。
図2は、管理装置100の構成を説明するためのブロック図である。管理装置100は、図2に示すように、通信部110、表示部120、操作部130、記憶部140と、制御部150を有する。
【0025】
通信部110は、管理装置100が移動体10との間で情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部110は、移動中の移動体10の位置情報を移動体10から受信する。これにより、移動体10が移動した経路が特定できる。移動体10が移動した経路を示す移動記録は、記憶部140に記憶される。通信部110が移動体10と通信した記録が、通信記録として記憶部140に記憶される。通信部110は、移動体10との通信時の通信品質を、移動体10から受信してもよい。受信した通信品質も、記憶部140に記憶される。
【0026】
表示部120は、各種情報を管理装置100の管理者等に視覚的に通知するためのインタフェースである。例えば、表示部120は、移動体10の移動記録と移動体10との通信記録に関する情報を示す表示画面を表示する。また、表示部120は、移動体10の撮影部12が撮影した映像を表示可能となっている。
【0027】
入力部130は、管理装置100の管理者等が入力操作等を行うためのデバイスである。例えば、管理者等は、表示部120の表示画面に対して入力部130を介して選択操作を行う。
【0028】
記憶部140は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部140は、制御部150が実行するプログラムを記憶している。
【0029】
記憶部140は、移動体10が移動した経路を示す移動記録を記憶している。移動記録は、移動体10毎に記憶されており、時刻と移動体10の位置(例えば、緯度、経度、高度)とを関連付けて記憶されている。また、記憶部140は、通信部110が移動体10と通信を行った通信記録を記憶している。通信記録は、移動体10毎に記憶されており、移動体10と通信を行った時刻と通信状態とを関連付けて記憶されている。また、記憶部140は、移動記録と通信記録を関連付けて記憶している。これにより、移動体10の移動時の通信状態を把握できる。
【0030】
また、記憶部140は、移動体10の撮影部12が撮影した映像を記憶している。例えば、記憶部140は、通信部110が移動体10からリアルタイムに受信した映像を撮影時刻と関連付けて記憶している。なお、記憶部140は、移動体10との通信時の通信品質を記憶してもよい。通信品質も、時刻と関連づけて記憶されている。これにより、通信品質が良い時間帯と、通信品質が悪い時間帯とを区別できる。
【0031】
制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部150は、記憶部140が記憶しているプログラムを実行することにより、移動記録取得部152、通信記録取得部153、映像取得部154、表示制御部156及び指定受付部157として機能する。
【0032】
移動記録取得部152は、移動体10が移動した経路を示す移動記録を取得する。移動記録取得部152は、通信部110が移動中の移動体10の位置情報を順次受信することで、移動体10が移動した経路を特定し、特定した経路を示す移動記録を取得する。移動記録は、ここでは移動体10が経路を移動した時刻と位置とを対応付けたものである。移動記録取得部152は、取得した移動記録を移動体10毎に記憶部140に記憶する。移動体10が飛行体である場合には、移動記録取得部152は、飛行体の飛行経路を示す飛行記録を取得する。
【0033】
通信記録取得部153は、飛行経路を移動中の移動体10との通信記録を取得する。すなわち、通信記録取得部153は、通信部110が移動体10と通信した記録を取得する。通信記録取得部153は、通信記録として、通信部110が移動体10と通信できた時刻と、通信できなかった時刻に関する情報も取得する。通信記録取得部153は、取得した通信記録を記憶部140に記憶する。
【0034】
通信記録取得部153は、例えば、移動体10の移動中の位置情報を取得する際の移動体10からの信号の受信履歴を、通信記録として取得する。ただし、これに限定されず、通信記録取得部153は、移動体10に送信した動作指示に対する移動体10からの応答信号(ACK(Acknowledgement))の受信を、通信記録として取得してもよい。
なお、通信記録取得部154は、所定間隔で移動体10から受信する信号(例えば、位置情報を示す信号等)の受信履歴を取得し、前記信号を移動体10から受信していた期間は移動体10と通信を行っていたとみなしてもよい。
【0035】
また、通信記録取得部153は、移動体10との通信時の通信品質を更に取得してもよい。例えば、通信記録取得部153は、通信部110が移動体10と通信する際の通信品質の度合いを取得する。通信品質は、例えば移動中の移動体10によって測定される。通信品質は、例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)やSINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)に基づいて定まる。通信記録取得部153は、取得した通信品質を記憶部140に記憶する。
【0036】
映像取得部154は、移動体10に設けられた撮影部12が移動体10の移動中に撮影した映像を取得する。すなわち、映像取得部154は、移動体10の移動中に通信部110が移動体10から受信した映像を取得する。映像取得部154は、取得した映像を記憶部140に記憶する。
【0037】
また、映像取得部154は、撮影部12が移動体10の経路の移動中に撮影を行った撮影時刻も取得する。例えば、通信部110が、移動体10から映像を受信する際に、撮影を行った撮影時刻も受信し、映像取得部154に当該撮影時刻を出力する。映像取得部154は、取得した撮影時刻を該当する映像と関連付けて、記憶部140に記憶する。
【0038】
表示制御部156は、表示部120の表示を制御する。表示制御部156は、移動記録取得部152が取得した移動記録と、通信記録取得部153が取得した通信記録に関する情報を共に示す表示画面を、表示部120に表示させる。すなわち、表示制御部156は、移動体10が移動する経路と、当該経路を移動時の通信記録とを、一つ画面に表示させる。これにより、管理者は、移動体10の移動記録と通信記録を対比しながら確認することができる。また、表示制御部126は、表示画面において、移動記録及び通信記録に関する情報を共に表示すると共に、取得した映像を再生させる。
【0039】
図3は、表示部120に表示される表示画面200を説明するための模式図である。表示画面200は、第1領域210、第2領域220及び第3領域230を含む。第1領域210は、地図を示す領域であり、移動体10が出発地214から目的地215へ移動した際の経路212を含む。
【0040】
第2領域220は、移動体10が移動経路222を移動する際の通信状態を示す領域であり、通信品質223、映像伝送速度224及び通信ログ225が示されている。移動経路222は、第1領域210の経路212と同じである。通信品質223及び映像伝送速度224には、移動体10が移動経路を移動中の品質及び伝送速度の変化が示されている。通信ログ225には、通信できた時間帯と通信できなかった時間帯が示されている。
【0041】
第3領域230は、映像取得部154が取得した映像を再生する領域である。第3領域230には、再生する映像の解像度、フレームレート、実ビットレート等の情報が含まれる。なお、図3では、第2領域220及び第3領域230は、第1領域210上に重畳されているが、これに限定されず、表示画面が3分割されていてもよい。
【0042】
表示制御部156は、表示部120に表示する表示画面220に、経路において通信記録を取得できなかった位置、及び通信記録を取得できなかった時間帯のうちの少なくとも一方を示す。すなわち、表示制御部156は、通信記録を取得できなかった位置及び時間帯を可視化させる。
【0043】
図4は、通信記録を取得できなかった位置及び時間帯を示す表示画面200を説明するための模式図である。図4では、通信記録を取得できなかった位置及び時間帯の両方が示されている。通信記録を取得できなかった位置は、ここでは第1領域210の経路212上の位置216である。表示制御部156は、経路212において、通信記録を取得できなかった位置216を強調表示する。表示制御部156は、ここでは経路212において位置216を太線で示しているが、これに限定されず、点線で示したり、色を変えて示したりしてもよい。
【0044】
通信記録を取得できなかった時間帯は、ここでは第2領域220の通信ログ225に示されている。表示制御部156は、通信ログ225で、通信記録を取得できなかった時間帯226を強調表示する。表示制御部156は、ここでは通信ログ225において時間帯226を太線で示しているが、これに限定されず、色を変えて示してもよい。このように通信記録を取得できなかった位置216及び時間帯226が区別して表示されているため、管理者は、移動体10と通信できなかった位置や時間帯を容易に把握できる。
【0045】
表示制御部156は、表示画面において、移動経路、移動体10が移動する時間帯及び通信品質を対応付けて表示させてもよい。具体的には、図3の第2領域220に示すように、移動経路222及び通信品質223が、時間と対応付けられている。これにより、管理者は、移動経路を移動する時間帯と通信品質を、一度に把握できる。
【0046】
表示制御部156は、映像の再生中に、映像が対応する位置又は時刻にアイコンを重畳して表示させてもよい。すなわち、表示制御部156は、第3領域230での映像の再生中に、表示画面に示す経路において再生中の映像が対応する位置や時刻を示す箇所に、アイコンを重畳して表示させる。
【0047】
図5は、表示画面200に表示されるアイコンIを説明するための模式図である。図5に示すように、第1領域210、第2領域220及び第3領域230に、アイコンIが表示されている。アイコンIは、ここでは移動体10である飛行体を示しているが、他の形状であってもよい。また、3つの領域210、220、230のアイコンIは、管理装置100の管理者が移動可能なポインタであり、互いに連動している。このため、例えば、管理者が、第3領域230のアイコンIを移動させると、第1領域210及び第2領域220のアイコンIも連動して移動する。これにより、管理装置100の管理者は、再生中の映像が撮影された位置や時刻を容易に把握できる。
【0048】
表示制御部156は、表示画面200において、撮影部12が撮影した時間帯と撮影部12が撮影しなかった時間帯とを区別して表示させてもよい。例えば、表示制御部156は、表示画面200に表示された経路212上に、撮影部12が撮影した時間帯と、撮影部12が撮影しなかった時間帯とを、異なる態様で示す。
【0049】
図6は、撮影時間帯の表示例を説明するための模式図である。図6に示すように、表示制御部156は、第1領域210に示す経路212を示す線のうち、撮影部12が撮影した時間帯を太線218で示し、撮影部12が撮影しなかった時間帯を細線で示している。ただし、これに限定されず、表示制御部156は、撮影部12が撮影した時間帯を示す部分を明色の線で示し、撮影部12が撮影しなかった時間帯を示す部分を暗色の線で示してもよい。これにより、管理者は、撮影部12が撮影した時間帯と撮影しなかった時間帯とを容易に判別できる。
【0050】
表示制御部156は、取得した映像において所定の撮影対象物が映っている時間帯を特定して表示画面200に表示させる。例えば、表示制御部156は、表示画面200に表示された経路212上に、撮像部12が撮影した時間帯を異なる色で表示する。これにより、管理者は、移動体10が経路212を移動する際に、撮影を行った時間帯を容易に把握できる。
【0051】
表示制御部156は、取得した映像の品質が良い時間帯と、映像の品質が悪い時間帯とを区別して表示画面200に表示させる。例えば、表示制御部156は、第1領域210の経路212上に映像の品質を色で示し、映像の品質が良い時間帯を示す色と、映像の品質が悪い時間帯を示す色とを異ならせる。これにより、管理者は、経路上で映像の品質が良い時間帯を容易に把握できる。
【0052】
なお、上記では、表示制御部156は、表示画面200を管理装置100の表示部120に表示させることとしたが、移動体10のユーザの端末の表示部に表示させてもよい。この場合、移動体10のユーザは、自身の端末に表示された表示画面200を見ることで、移動体10が通信できなかった経路上の位置や時間帯を容易に把握できる。
【0053】
指定受付部157は、表示画面220に対する管理者の操作を受け付ける。すなわち、指定受付部157は、管理者の入力部130を介した入力操作を受け付ける。例えば、管理者が、映像の任意の箇所で再生するために、表示画面200に示された経路212上の位置や時刻を指定する操作を行うと、指定受付部157は、当該操作を受け付ける。同様に、管理者が通信ログ225の任意の時刻を指定する操作を行うと、指定受付部157は、当該操作を受け付ける。
【0054】
指定受付部157が上記の位置や時刻の指定を受け付けると、表示制御部156は、指定受付部157が受け付けた位置又は時刻に対応する映像を再生させる。すなわち、表示制御部156は、管理者が指定した位置や時刻の映像を再生させる。これにより、管理者は、所望の箇所の映像を直ぐに再生させることができる。
【0055】
<管理装置が行う処理例>
図7は、管理装置100が行う処理例を説明するためのフローチャートである。以下では、移動体10が所定の経路を移動するものとする。
【0056】
まず、移動記録取得部152は、移動体10が移動した経路を示す移動記録を取得する(ステップS102)。例えば、移動記録取得部152は、移動体10の移動中の位置を順次取得することで、経路を示す移動記録を取得する。移動記録取得部152は、取得した移動記録を記憶部140に記憶する。
【0057】
次に、通信記録取得部153は、移動体10との通信記録を取得する(ステップS104)。すなわち、通信記録取得部153は、移動記録取得部152が取得した移動記録が示す経路を移動体10が移動中の通信記録を取得する。通信記録取得部153は、取得した通信記録を記憶部140に記憶する。
【0058】
次に、映像取得部154は、移動体10の移動中に撮影部12が撮影した映像を取得する(ステップS106)。例えば、映像取得部154は、前記経路を移動体10が移動中に撮影部12が撮影した映像を取得する。映像取得部154は、取得した映像を記憶部140に記憶する。なお、上記のステップS102~S106の処理は、同時に行われてもよい。
【0059】
その後、管理者が一の移動体10に関する移動記録及び通信記録を表示部120に表示させる表示操作を受け付けると(ステップS108:Yes)、管理装置100は、通信記録を取得できなかった位置及び時間帯の有無を判定する(ステップS110)。
【0060】
次に、表示制御部156は、取得した移動記録、通信記録及び映像に関する情報を共に表示する表示画面200を、表示部120に表示させる(ステップS112)。この際、ステップS110で通信記録を取得できなかった位置及び時間帯が有る場合には、表示制御部156は、図4に示すように通信記録を取得できなかった位置及び時間帯を表示画面200に示す。
【0061】
<本実施形態における効果>
上述した本実施形態の管理装置100は、移動体10が移動した経路を示す移動記録と、経路を移動中の移動体10との通信記録を取得し、取得した移動記録及び通信記録に関する情報を共に一の表示画面200に表示する。この際、管理装置100は、経路において通信記録を取得できなかった位置及び時間帯のうちの少なくとも一方を、表示画面200に示す。
これにより、管理装置100の管理者は、表示された表示画面200を見ることで、移動体10と通信できなかった経路上の位置や時間帯を容易に把握できる。
【0062】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0064】
10 移動体
12 撮影部
100 管理装置
152 移動記録取得部
153 通信記録取得部
154 映像取得部
156 表示制御部
157 指定受付部
200 表示画面
I アイコン
【要約】
【課題】移動体と通信できなかった経路上の位置や時間帯を容易に把握できるようにする。
【解決手段】管理装置100は、移動体10が移動した経路を示す移動記録を取得する移動記録取得部152と、経路を移動中の移動体10との通信記録を取得する通信記録取得部153と、取得した移動記録及び通信記録に関する情報を共に表示する表示画面に、経路において通信記録を取得できなかった位置、及び通信記録を取得できなかった時間帯のうちの少なくとも一方を示す表示制御部156を備える。
【選択図】図2


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7