(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】スポーツトレーニング補助具
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
A63B69/00 509
(21)【出願番号】P 2022507724
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 US2020046186
(87)【国際公開番号】W WO2021030589
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-02-07
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513043422
【氏名又は名称】インプラス フットケア, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】フックス、 ダニエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】フート、 リチャード アール. ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】ヤーボロー、 ランダル エー.
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0100040(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0074730(US,A1)
【文献】米国特許第9931555(US,B1)
【文献】米国特許第9259634(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0302969(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108601973(CN,A)
【文献】中国実用新案第204910699(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00
A63B 69/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材に固定されるセンターポールと、
前記センターポールに回転可能に固定される少なくとも1つの本体パネルと、
前記少なくとも1つの本体パネルと前記ベース部材との間に接続された複数の弾性脚部と
を備え、
前記少なくとも1つの本体パネルは、物体によって衝撃を受けたときに前記センターポールの周りを第1の方向に回転するように構成され、前記少なくとも1つの本体パネルは元の位置から撓み位置まで回転し、
前記弾性脚部は、前記衝撃による力が弱まると、前記少なくとも1つの本体パネルを前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させ、それによって前記少なくとも1つの本体パネルを前記元の位置に戻すように構成される、スポーツトレーニング補助具。
【請求項2】
前記少なくとも1つの本体パネルは、第1の本体パネル及び第2の本体パネルを含む、請求項1に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項3】
前記第1の本体パネルを前記第2の本体パネルと共に固定するように構成される複数のクランプをさらに備え、前記複数のクランプは、前記センターポールが貫通して延びる貫通開口を含む、請求項2に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項4】
前記第1の本体パネル及び前記第2の本体パネルの各々は、少なくとも1つの接続フランジを含む、請求項3に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項5】
前記複数のクランプは、それぞれの対向する端部上にスロットを含み、前記クランプの一端上のスロットは、前記第1の本体パネル上の前記接続フランジのうちの対応する1つを受け入れるように構成され、前記クランプの他端上のスロットは、前記第2の本体パネル上の前記接続フランジのうちの対応する1つを受け入れるように構成され、それによって前記複数のクランプは、前記第1の本体パネルと前記第2の本体パネルとを互いに固定する、請求項4に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの本体パネルは、人間の胴体及び頭部に類似した形状を有するように構成される、請求項1に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項7】
前記複数の弾性脚部は、前記少なくとも1つの本体パネルが
前記物体よって衝撃を受けたときに、前記センターポールの周りを
前記第1の方向に回転して捻れる、請求項1に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項8】
前記複数の弾性脚部は、前記衝撃による力が弱まると、前記第1の方向とは反対の
前記第2の方向に前記センターポールの周りを回転して捻れを解除する、請求項7に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項9】
前記センターポールは、複数の伸縮ポールを備えており、前記複数の伸縮ポールが折り畳まれたときに、前記スポーツトレーニング補助具の全体の高さが減少する、請求項1に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項10】
前記センターポールは、前記複数の伸縮ポールを伸長構成に固定するための戻り止めボタンを含み、前記戻り止めボタンは、前記複数の伸縮ポールを折り畳んで折り畳み構成にするために解放される、請求項9に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項11】
前記ベース部材は、突出した段部及び少なくとも1つの地面杭を含む、請求項1に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項12】
前記少なくとも1つの本体パネルは、前記複数の弾性脚部のうちの少なくとも1つの上端が前記少なくとも1つの本体パネルに固定されるように、前記複数の弾性脚部のうちの少なくとも1つを受け入れる貫通開口を含む、請求項1に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項13】
前記ベース部材は、前記複数の弾性脚部のうちの少なくとも1つの下端が前記ベース部材に固定されるように、前記複数の弾性脚部のうちの少なくとも1つを受け入れる保持タブを含む、請求項1に記載のスポーツトレーニング補助具。
【請求項14】
前記少なくとも1つの本体パネル
は、前記物体によって衝撃を受けたときに前記センターポールの周りを
前記第1の方向に少なくとも180度回転
するように構成される、請求項1
に記載の
スポーツトレーニング補助具。
【請求項15】
前記少なくとも1つの本体パネル
は、前記物体によって衝撃を受けたときに前記センターポールの周りを
前記第1の方向に少なくとも360度回転
するように構成される、請求項
14に記載の
スポーツトレーニング補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における開示は、一般に、スポーツトレーニング補助具に関し、より詳細には、物体を模倣し、選手が物体の周り又は越えてボールをシュート、ドリブル又はパスすることを可能にすることを意図したスポーツトレーニング補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
サッカーはよく知られたスポーツであり、上手にプレーするためには様々な技術が必要になる。例えば、選手にはボールのシュート、ドリブル及びパスの技術が必要であり、これらの技術の多くは一人では練習できない。
【0003】
相手選手の周り又は越えてのサッカーボールのシュート、ドリブル及びパスは練習しなければならない技術である。そのため、多くのコーチが選手の技術を向上させるためのトレーニング装置を使用している。特に、相手選手をシミュレートすることを意図した多くのトレーニング装置が開発されている。これらのトレーニング装置の多くはダミーの形状をしているが、そのほとんどはサッカーの練習中に静止している。ダミー形状は練習中に動かないため、あまり現実的ではなく、したがってその有用性は限定的である。練習用ダミー形状は、実際の選手をより表現するものであれば、はるかに有益であろう。例えば、サッカーボールの衝撃に応じてダミー形状が動くことができれば、より効果的な練習ツールとなろう。
【0004】
したがって、サッカー選手を模倣することができる自立したダミー形状であって、しかも容易かつ迅速に所望の競技場に移動することができるものが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様は、ベース部材と、ベース部材に固定されたセンターポールと、センターポールに回転可能に固定された少なくとも1つの本体パネルと、少なくとも1つの本体パネルとベース部材との間に接続された複数の弾性脚部とを有するスポーツトレーニング補助具に関する。少なくとも1つの本体パネルは、物体によって衝撃を受けたときにセンターポールの周りを第1の方向に回転するように構成され、少なくとも1つの本体パネルは、元の位置から撓み位置まで回転する。弾性脚部は、衝撃からの力が弱まると、少なくとも1つの本体パネルを第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、それによって少なくとも1つの本体パネルを元の位置に戻すように構成される。
【0006】
本開示の別の態様は、ベース部材と、ベース部材に固定されたセンターポールと、センターポールに回転可能に固定された少なくとも1つの本体パネルと、少なくとも1つの本体パネルとベース部材との間に接続された複数の弾性脚部とを有するスポーツトレーニング補助具を使用する方法が記載されている。本方法は、物体によって少なくとも1つの本体パネルに衝撃を受けさせるステップと、物体によって衝撃を受けたときに、少なくとも1つの本体パネルをセンターポールの周りを第1の方向に回転させるステップであって、少なくとも1つの本体パネルを元の位置から撓み位置まで回転させるステップと、少なくとも1つの本体パネルをセンターポールの周りを回転させると、弾性脚部をセンターポールの周りを回転させて捻れるステップと、物体からの衝撃力が弱まったときに弾性脚部を回転させて捻れを解除するステップであって、少なくとも1つの本体パネルを第2の反対方向に回転させて、それによって少なくとも1つの本体パネルを元の位置に戻すステップとを含む。
【0007】
請求項に係る発明のこれら及び他の特徴、ならびに利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことによって、当業者にとってより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の例示的な実施形態によるスポーツトレーニング補助具の正面斜視図である。
【0009】
【
図2】本開示の例示的な実施形態によるスポーツトレーニング補助具の正面図である。
【0010】
【
図3】本開示の例示的な実施形態によるスポーツトレーニング補助具の側面図である。
【0011】
【
図4】
図4A-4Dは、スポーツボールが衝突したときの、本開示の例示的な実施形態によるスポーツトレーニング補助具の動きを示す概略図である。
【0012】
【0013】
【
図5A】
図2に示す線5A-5Aに沿った断面図である。
【0014】
【0015】
【
図7】本開示の例示的な実施形態による、地面係合面へのスポーツトレーニング補助具の挿入を示す概略図である。
【0016】
【
図8】本開示の例示的な実施形態によるスポーツトレーニング補助具の一部の分解斜視図である。
【0017】
【
図9】折り畳まれた状態にある本開示の例示的な実施形態によるスポーツトレーニング補助具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1-3を参照すると、本開示の非限定的な例示的な実施形態によるスポーツトレーニング補助具が、一般に参照番号10によって示されている。スポーツトレーニング補助具は、ベース部材12と、本体パネル14と、ベース部材12と本体パネル14との間に延びる少なくとも1つの弾性脚部16とを含む。ベース部材12は、あらゆる芝生競技場での競技のためにスポーツトレーニング補助具10を立てることを可能にする少なくとも1つ、より好ましくは複数の地面杭34を含む。好ましい実施形態では、ベース部材12は、
図7に示すように、ユーザがベース部材12を踏んで地面に地面杭34を打ち込むことを容易にするために、突出した段部12aをさらに含む。ベース部材12は、ポリマー材料、金属材料、又は他の適切な材料を含み得る。
【0019】
図1-3を参照すると、例示的な実施形態では、人間のディフェンダーをより現実的に模倣するために、2つの弾性脚部16が設けられ、弾性脚部16は、好ましくは、可撓性繊維材料から形成されるが、可撓性ポリマー材料を含む他の適切な材料を使用してもよい。
図5Aに示すように、各弾性脚部16の下端は、上部保持タブ12bを貫通する下部ループ16aを含んでおり、それによって弾性脚部の下端がベース部材12の上面に固定されている。各弾性脚部16の上端も同様に、本体パネル14a,14bの端部の貫通開口38を貫通する上部ループ16bを含んでおり、それによって弾性脚部16の上端が本体パネル14a,14bの下面に固定されている。いくつかの態様において、上側ループ16b及び/又は下側ループ16aは、弾性脚部16と同じ材料を含んでもよく、又は異なる材料を含んでもよい。このように、弾性脚部16は、スポーツトレーニング補助具10が使用のために直立位置にあるときに、以下にさらに説明するように、伸長した状態で保持される。
【0020】
例示的な実施形態による本体パネル14は、第1の本体パネル14a及び第2の本体パネル14bを含み、これらは、互いに固定されると、人間のディフェンダーの形状に類似するように構成された胴部26及び頭部28を画定する。本体パネル14は、剛性材料、半剛性材料、又は可撓性材料であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本体パネル14は、胴部26及び頭部28を画定するのに適した布材料、ポリマー材料、金属材料、及び/又は他の材料を含んでもよい。いくつかの態様において、胴部26及び頭部28は、異なる材料から製造されてもよい。本体パネルの第1のパネル14aと第2のパネル14bとを固定するために、複数のクランプ20が設けられる。例示的な実施形態によれば、
図8に最もよく示されているように、クランプ20は、第1及び第2のパネル14a、14bに形成された接続フランジ32を受け入れるために、その両側に対向するスロット30を含む。クランプ20の締め付けには、ボルト等の締結手段22が用いられる。これにより、接続フランジ32がスロット30内に固定され、それによって第1のパネル14aと第2のパネル14bとが固定される。
【0021】
例えば、
図1-5に示される実施形態において示されるように、スポーツトレーニング補助具10は、ベース部材12から本体パネル14の頭部28まで延び、かつネジ40又は他の締結機構によってベース部材12に固定されたセンターポール18をさらに含む。クランプ20は、センターポール18が貫通して延びることを可能にする貫通孔24を含む。例示的な実施形態では、
図6及び9に示されるように、センターポール18は、複数の伸縮ポール18a、18bを含み、これによって、この伸縮ポール18a、18bが互いに入れ子状になっているときに、サッカートレーニング補助具10が、運搬及び保管を容易にするために、より低い全体高さに折り畳まれることが可能になる。センターポール18は、ポリマー材料、金属材料、又は他の適切な材料で形成されてもよい。係止戻り止めボタン36(
図5を参照)又は他の同様の機構が、センターポール18上に設けられてもよく、センターポール18が使用中に伸長した直立位置に固定されて、輸送又は保管のために折り畳まれた位置に解放され得るようにしてもよい。
【0022】
図4A-4Bを参照すると、本体パネル14の剛性と弾性脚部16の弾性により、サッカーボール等のボールBの衝撃を受けたときに、本体パネル14が撓んでセンターポール18の周りを回転することができる。パネル14は、ボールBの衝撃を受けたときに、センターポール18の周りを完全に複数回回転/スピンすることができ、これにより、弾性脚部16は複数回にわたって捻られる(図示せず)。しかしながら、弾性脚部16のために、
図4C-4Dに概略的に示されるように、撓みを引き起こした力が一旦弱まるか又は除去されると、本体パネル14は反対方向に回転することによって元の位置に戻るので、これは問題ではない。したがって、サッカーボールのようなボールBからの衝撃に応答して動いて撓むスポーツトレーニング補助具10の能力は、練習中の人間のディフェンダーをより良く模倣する。
【0023】
本開示の特定の例示的な実施形態が示され、詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正をそこに行うことができることを理解されたい。