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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】医療機関紹介システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20220804BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020154676
(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公開番号】P2022048703
(43)【公開日】2022-03-28
【審査請求日】2022-03-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520017982
【氏名又は名称】株式会社シーエス・ワークス
(74)【代理人】
【識別番号】100110157
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 基司
(74)【代理人】
【識別番号】100094536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 隆二
(74)【代理人】
【識別番号】100129805
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100189315
【弁理士】
【氏名又は名称】杉原 誉胤
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩之
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/16447(WO,A1)
【文献】特開2020-16995(JP,A)
【文献】特開2015-132971(JP,A)
【文献】特開2004-126981(JP,A)
【文献】特開2014-191638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してユーザ端末にWebサイトを提供するサーバ装置を有する医療機関紹介システムであって、
前記サーバ装置は、
症状IDと、該症状IDにより特定される症状名とを対応付けて記憶している症状情報データベースと、
前記症状ID、年齢層及び性別毎に、対応する診療科の診療科ID及び該診療科IDにより特定される診療科の診療科スコアを対応付けて記憶している症状・診療科マッチングデータベースと、
医療機関IDと、該医療機関IDにより特定される医療機関名と、該医療機関の第1標榜科を示す診療科IDと、該医療機関の第2標榜科を示す診療科IDと、該医療機関の第3標榜科を示す診療科IDとを対応付けた医療機関情報を記憶している医療機関情報データベースと、
ユーザ端末にWebサイトを構成するWebページを提供し、該ユーザ端末からユーザの年齢情報、性別及び症状の入力を受け付ける情報提供部と、
前記情報提供部が受け付けたユーザの年齢情報、性別及び症状と、前記症状情報データベース及び前記症状・診療科マッチングデータベースとを用いて、該年齢情報、性別及び症状に対応する診療科ID及び該診療科IDにより特定される診療科の診療科スコアを抽出し、前記医療機関情報データベースにアクセスし、該抽出した診療科IDを前記第1、2、3標榜科のいずれかにしている医療機関情報を抽出する医療機関抽出部と、
前記抽出した各医療機関情報の医療機関を評価した医療機関スコアを算出し、該医療機関スコアの値が高い順番に、前記抽出した医療機関情報を並べるスコア算出部とを備え、
前記診療科スコアは、年齢層、性別及び症状と、診療科との組み合わせ毎に、その適合度を数値で評価して示したものであり、
前記第1、2、3標榜科とは、前記サーバ装置の管理者が、医療介護情報局に登録されている各医療機関の医療機関基本情報の診療科の登録欄に記載されている診療科について、該登録欄の先頭に記載されている診療科から順番に第1、2、3と順位付けした情報であり、
前記スコア算出部は、前記抽出した各医療機関情報に対して、前記抽出した診療科IDに対応する診療科スコアに、前記抽出した診療科IDが前記第1、2、3標榜科のいずれかであるかに応じて定めた標榜科係数を乗算した値を用いて医療機関スコアを算出するようになっていることを特徴する特徴とする医療機関紹介システム。
【請求項2】
前記標榜科係数は、上位の順位の標榜科が大きい値になるように定められており、
前記医療機関情報データベースには、前記医療機関ID毎に、該医療機関で診療を受けたユーザに対して行ったアンケート調査により得られた評価内容を用いて算出した口コミスコアが対応付けられており、
前記スコア算出部は、前記抽出した各医療機関情報に対して、前記診療科スコアに前記標榜科係数を乗算した値に、前記口コミスコアを加えた値を前記医療機関スコアとして算出するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の医療機関紹介システム。
【請求項3】
前記医療機関IDと、該医療機関IDにより特定される医療機関名と、該医療機関の所在地と、該医療機関の連絡先と、該医療機関の診療科と、該医療機関の診療時間とを含む医療機関詳細情報を対応付けて記憶している医療機関詳細情報データベースを有し、
前記情報提供部は、前記医療機関詳細データベースにアクセスし、前記医療機関抽出部が抽出した医療機関情報に対応する医療機関詳細情報を読み出し、前記スコア算出部が並べた医療機関スコアが大きい順番に医療機関詳細情報が提示された医療機関情報紹介Webページを生成し、前記ユーザ端末に対して、前記医療機関情報紹介Webページを提供することを特徴とする請求項1又は2に記載の医療機関紹介システム。
【請求項4】
前記医療機関情報データベースが記憶している前記医療機関情報には、前記医療機関ID毎に、前記第1標榜科を示す診療科IDの診療科の専門医が在籍している否かを示す専門医有無情報と、前記第2標榜科を示す診療科IDの診療科の専門医が在籍している否かを示す専門医有無情報と、前記第3標榜科を示す診療科IDの診療科の専門医が在籍している否かを示す専門医有無情報とが対応付けられており、
前記スコア算出部は、前記専門医有無情報を参照し、前記抽出した診療科IDを第1、2、3標榜科にしている医療機関であっても、対応する専門医がいない場合には、前記第1、2、3標榜科のいずれかであるかに応じて定めた標榜科係数から所定値を減算するようになっていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の医療機関紹介システム。
【請求項5】
前記専門医有無情報には、該専門医が在籍している場合には該専門医の人数が含まれており、
前記スコア算出部は、前記抽出した診療科IDを同順位の標榜科にしており且つ専門医が在籍している医療機関については、専門医の人数に応じて標榜科係数を変更するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の医療機関紹介システム。
【請求項6】
ネットワークを介してユーザ端末にWebサイトを提供するサーバ装置を有する医療機関紹介システムであって、
前記サーバ装置は、
診療科IDと、該診療科IDにより特定される診療科名と、該診療科IDにより特定される診療科が対応する症状とを対応付けた診療科情報を記憶している診療科情報データベースと、
医療機関IDと、該医療機関IDにより特定される医療機関名と、その医療機関が標榜している診療科を識別する診療科IDを順位付けした順位・標榜科情報とを対応付けて登録している医療機関情報データベースと、
ユーザ端末にWebサイトを構成するWebページを提供し、該ユーザ端末からユーザの症状の入力を受け付ける情報提供部と、
前記情報提供部が受け付けたユーザの症状及び前記診療科情報データベースを用いて、該受け付けた症状に対応する診療科IDを抽出し、前記医療機関情報データベースにアクセスし、該抽出した診療科IDを、順位・標榜科情報に登録している医療機関情報を抽出する医療機関抽出部と、を備え、
前記順位・標榜科情報とは、前記サーバ装置の管理者が、医療介護情報局に登録されている各医療機関の医療機関基本情報の診療科の登録欄に記載されている診療科について、該登録欄の先頭に記載されている診療科から順番に順位付けし、該医療機関情報データベースに登録した診療科IDであり、
前記情報提供部は、前記抽出した医療機関情報を、前記順位・標榜科情報の標榜科の順位が上位の順番に並べて提示した医療機関情報紹介Webページを生成し、前記ユーザ端末に対して、該生成した医療機関情報紹介Webページを提供することを特徴とする医療機関紹介システム。
【請求項7】
ネットワークを介してユーザ端末にWebサイトを提供するサーバ装置を有する医療機関紹介システムであって、
前記サーバ装置は、
診療科IDと、該診療科IDにより特定される診療科名とを対応付けた診療科情報を記憶している診療科情報データベースと、
医療機関IDと、該医療機関IDにより特定される医療機関名と、該医療機関の第1標榜科を示す診療科IDと、該医療機関の第2標榜科を示す診療科IDと、該医療機関の第3標榜科を示す診療科IDとを対応付けた医療機関情報を記憶している医療機関情報データベースと、
ユーザ端末にWebサイトを構成するWebページを提供し、該ユーザ端末から所望する診療科名の入力を受け付ける情報提供部と、
前記情報提供部が受け付けた診療科名及び前記診療科情報データベースを用いて、該受け付けた診療科名に対応する診療科IDを抽出し、前記医療機関情報データベースにアクセスし、該抽出した診療科IDを前記第1、2、3標榜科のいずれかにしている医療機関情報を抽出する医療機関抽出部と、
前記抽出した各医療機関情報の医療機関を評価した医療機関スコアを算出し、該医療機関スコアの値が大きい順番に、前記抽出した医療機関情報を並べるスコア算出部とを備え、
前記第1、2、3標榜科とは、前記サーバ装置の管理者が、医療介護情報局に登録されている各医療機関の医療機関基本情報の診療科の登録欄に記載されている診療科について、該登録欄の先頭に記載されている診療科から順番に第1、2、3と順位付けして定義した情報であり、
前記スコア算出部は、前記抽出した診療科IDを前記第1標榜科にしている医療機関の医療機関スコアの値が該診療科IDを前記第2標榜科にしている医療機関の医療機関スコアの値よりも大きく、該抽出した診療科IDを前記第2標榜科にしている医療機関の医療機関スコアの値が該診療科IDを前記第3標榜科にしている医療機関の医療機関スコアの値よりも大きくなるように前記医療機関スコアを算出するようになっていることを特徴とする医療機関紹介システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機関紹介システムに関し、例えば、医療機関を探しているユーザに対して、そのユーザに適切な医療機関を紹介する医療機関紹介システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療機関を探しているユーザが、スマートフォンやパソコン等のユーザ端末を操作してインターネット上のWebページにアクセスし、Webページから医療機関の情報を収集することが一般的に行われている。例えば、ユーザは、医療機関のホームページにアクセスして、クリニックや病院等の医療機関の診療科等の情報を確認して、受診する医療機関の検討を行っている。
【0003】
また、インターネット上で医療機関の情報を提供するサーバのなかには、複数の医療機関の情報(住所、電話番号、診療科)を登録したデータベースを備え、ユーザ端末に対して、データベースに登録された医療機関の情報を提供するものもある。
上記のサーバは、ユーザ端末から、位置情報(東京都港区等の位置情報)や、所望の診療科等の検索条件の入力を受け付ける。また、サーバは、データベースから受け付けた検索条件を満たす医療機関の情報を抽出し、抽出した医療機関に関する情報が提示されたWebページを生成し、ユーザ端末に生成したWebページを提供する。
また、このような医療機関に関する情報が提示されたWebページの中には、抽出した医療機関について、ユーザの口コミ情報に基づいた評価値(スコア)を提示しているものもある。
【0004】
なお、上記のような医療機関の情報を提供するシステムが特許文献1に開示されている。特許文献1に記載のシステム(病院紹介システム)は、データベース及びサーバを備えている。上記データベースは、自覚症状と診療科目とを関連付けて保存する第1のデータ部と、各病院の診療科目の情報を保存する第2のデータ部とを記憶している。上記サーバは、インターネットを介してユーザ端末からユーザの自覚症状の入力を受け付け、受け付けた自覚症状を用いて第1のデータ部から診療科(診療科目)を検索する検索手段と、検索手段で検索された診療科、及び、第2のデータ部に基づいて、自覚症状を有するユーザを診察できる病院を抽出する抽出手段とを備えている。また、サーバは、抽出手段で抽出された病院及びその診療科を特定する情報をユーザ端末に送信するようになっている。
この病院紹介システムによれば、ユーザは、自覚症状を入力することで、その自覚症状に対応する診療科がある病院の情報を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-256580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、通常、医師国家試験合格者は、2~3年の初期臨床研修を経た後、自らの専門診療科を選び、大学病院等で研鑽を積む。その研鑽の間、医師国家試験合格者は、非専門領域のトレーニングを受けないことが一般的である。そして、医師が診療所等を開業するにあたり、標榜科(標榜診療科)の選択は医療法で保障されているものの、ほとんどトレーニングを受けていない非専門領域の診療科も標榜している医療機関が多くあることはあまり知られていない。
【0007】
そして、上述した従来技術のようなサーバが検索するデータベースには、非専門領域の診療科を標榜している医療機関の情報も登録されている状態になっている。その結果、上述した従来技術のサーバが医療機関を検索した場合、非専門領域の診療科を標榜している医療機関を抽出し、ユーザ端末に対して、抽出した医療機関を紹介することもある。このような場合、ユーザが、非専門領域の診療科も標榜している医療機関を受診し、最適な医師による診療を受けられない虞がある。
なお、上述した従来技術には、ユーザの口コミ情報に基づいたスコアを提示しているものもあるが、口コミ情報に基づいた評価は、ユーザの個人的な見解によるものであり、正しく評価されていないことがある。そのため、口コミ情報だけのスコアを頼りにして、医療機関を選んでも、最適な診療を受けられないことがあると推測される。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、医療機関を探しているユーザに対して、そのユーザに適切な医療機関を紹介する医療機関紹介システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1態様は、ネットワークを介してユーザ端末にWebサイトを提供するサーバ装置を有する医療機関紹介システムであって、前記サーバ装置は、症状IDと、該症状IDにより特定される症状名とを対応付けて記憶している症状情報データベースと、前記症状ID、年齢層及び性別毎に、対応する診療科の診療科ID及び該診療科IDにより特定される診療科の診療科スコアを対応付けて記憶している症状・診療科マッチングデータベースと、医療機関IDと、該医療機関IDにより特定される医療機関名と、該医療機関の第1標榜科を示す診療科IDと、該医療機関の第2標榜科を示す診療科IDと、該医療機関の第3標榜科を示す診療科IDとを対応付けた医療機関情報を記憶している医療機関情報データベースと、ユーザ端末にWebサイトを構成するWebページを提供し、該ユーザ端末からユーザの年齢情報、性別及び症状の入力を受け付ける情報提供部と、前記情報提供部が受け付けたユーザの年齢情報、性別及び症状と、前記症状情報データベース及び前記症状・診療科マッチングデータベースとを用いて、該年齢情報、性別及び症状に対応する診療科ID及び該診療科IDにより特定される診療科の診療科スコアを抽出し、前記医療機関情報データベースにアクセスし、該抽出した診療科IDを前記第1、2、3標榜科のいずれかにしている医療機関情報を抽出する医療機関抽出部と、前記抽出した各医療機関情報の医療機関を評価した医療機関スコアを算出し、該医療機関スコアの値が高い順番に、前記抽出した医療機関情報を並べるスコア算出部とを備え、前記診療科スコアは、年齢層、性別及び症状と、診療科との組み合わせ毎に、その適合度を数値で評価して示したものであり、前記第1、2、3標榜科とは、前記サーバ装置の管理者が、医療介護情報局に登録されている各医療機関の医療機関基本情報の診療科の登録欄に記載されている診療科について、該登録欄の先頭に記載されている診療科から順番に第1、2、3と順位付けした情報であり、前記スコア算出部は、前記抽出した各医療機関情報に対して、前記抽出した診療科IDに対応する診療科スコアに、前記抽出した診療科IDが前記第1、2、3標榜科のいずれかであるかに応じて定めた標榜科係数を乗算した値を用いて医療機関スコアを算出するようになっていることを特徴する特徴とする。
【0010】
上記の構成を採用したのは以下の理由による。
医療機関を開設する医師は、医療介護情報局に、開設する医療機関の基本情報(医療機関基本情報)等の各種情報を登録している。また、上記の医療機関基本情報には、標榜する診療科を記載する登録欄が設けられている。医師は、一般的に、医療機関基本情報の診療科の登録欄に、標榜する診療科として、自分の専門領域の診療科から順番に記載している。すなわち、医療機関基本情報の診療科の登録欄には、各医療機関の医師の専門領域の診療科が最初に記載されていることが一般的である。
そこで、本願発明者は、医療機関基本情報の診療科の登録欄の記載内容に着目し、医療機関毎に、医療機関基本情報の診療科の登録欄の先頭に記載されている診療科から順番に、第1、2、3標榜科と順位付けして定義し(診療科に順位を付けた用語を作成し)、医療機関情報データベースに、定義した第1、2、3標榜科を示す情報を記憶させておく構成を採用している。これにより、医療機関毎に、その医療機関の医師が専門にしている診療科について、順位を付けた情報が登録された医療機関情報データベースが作成される。
また、ユーザの症状に対応可能な診療科は、ユーザの性別や年齢によっても変わってくる。さらに、対応できる診療科が複数ある場合、ユーザの症状、性別及び年齢により、一番で適している診療科と、一番ではないものの対応できる診療科がある。例えば、診療する対象が子供であり、その子供のある症状については、小児科が最も望ましいが、内科でも対応できる等のケースがある。
そこで、本願発明者は、「性別、年齢、症状」と対応可能な「診療科」の組み合わせ毎に、当該組み合わせの適合度を示す「診療科スコア」をという評価値を創出し、サーバ装置に、症状ID、年齢層及び性別毎に、対応する診療科の診療科ID及び該診療科IDにより特定される診療科の診療科スコアを対応付けて記憶している症状・診療科マッチングデータベースを設ける構成を採用した。この構成によれば、サーバ装置は、ユーザから「症状、性別及び年齢情報」を取得すれば「症状、性別及び年齢情報」に対応する診療科を選定できると共に、その診療科の診療科スコアを特定できる。
【0011】
そして、本発明の第1態様の医療機関紹介システムでは、「性別、年齢、症状」に対する「診療科」の組み合わせの適合度である「診療科スコア」に対して、医療機関が標榜する診療科を定義した第1、2、3標榜科の順位に応じて定められた「標榜科係数」を乗算した値を用いて、医療機関スコアを算出して、医療機関スコアの値が高い順番に、前記抽出した医療機関情報を並べるように構成されている。
このように構成することで、本発明の第1態様は、ユーザが入力した「性別、年齢情報、症状」に対応できる診療科の医療機関を抽出できる。また、抽出した医療機関を評価した医療機関スコアは、ユーザが入力した「性別、年齢情報、症状」により適している診療科を標榜する医療機関であり、且つその診療科を専門領域にしている医療機関の値が大きくなる。そのため、本発明の第1態様では、ユーザ端末に対して、医療機関スコアの値が大きい順番に並べた医療機関情報を提供することが可能になる。例えば、本発明の第1態様によれば、「性別、年齢、症状」に対応する「診療科」が複数ある場合に、「診療科スコア」が高い「診療科」を、上位の標榜科(例えば、第1標榜科)にしている医療機関の医療機関スコアの値が大きくなり、このような医療機関が優先的に紹介される可能性が高くなる。その結果、本発明によれば、ユーザに対して、ユーザの「性別、年齢、症状」に対応する診療科を専門領域にしている医師が診察してくれる医療機関を優先的に紹介することができ、医学的に適した医療機関の受診を促すことができる
【0012】
また、前記標榜科係数は、上位の順位の標榜科が大きい値になるように定められており、前記医療機関情報データベースには、前記医療機関ID毎に、該医療機関で診療を受けたユーザに対して行ったアンケート調査により得られた評価内容を用いて算出した口コミスコアが対応付けられており、前記スコア算出部は、前記抽出した各医療機関情報に対して、前記診療科スコアに前記標榜科係数を乗算した値に、前記口コミスコアを加えた値を前記医療機関スコアとして算出するようになっていることが望ましい。
【0013】
このように、本発明の一態様で算出する医療機関スコアは、標榜科係数を乗算した診療科スコアの値に加えて、さらに、医療機関を受診したユーザのアンケート調査により得られた評価内容を用いて算出した「口コミスコア」を反映させた値になっている。すなわち、本発明の一態様の医療機関スコアは、ユーザの評判も考慮された値になっている。したがって、標榜科係数を乗算した診療科スコアが高い値の医療機関であっても、ユーザに評判が悪い医療機関については、口コミスコアが低いので、医療機関スコアが高い値になることが防止される。その結果、本発明の一態様によれば、ユーザに評判が悪い医療機関については、例えば、Webページ上で上位の医療機関として紹介される可能性が低くなっている。
【0014】
また、前記医療機関IDと、該医療機関IDにより特定される医療機関名と、該医療機関の所在地と、該医療機関の連絡先と、該医療機関の診療科と、該医療機関の診療時間とを含む医療機関詳細情報を対応付けて記憶している医療機関詳細情報データベースを有し、前記情報提供部は、前記医療機関詳細データベースにアクセスし、前記医療機関抽出部が抽出した医療機関情報に対応する医療機関詳細情報を読み出し、前記スコア算出部が並べた医療機関スコアが大きい順番に医療機関詳細情報が提示された医療機関情報紹介Webページを生成し、前記ユーザ端末に対して、前記医療機関情報紹介Webページを提供することが望ましい。
【0015】
この構成によれば、ユーザの症状に対応する診療科を専門領域にしている医師が診察してくれる医療機関を優先的に紹介することができる。
【0016】
また、前記医療機関情報データベースが記憶している前記医療機関情報には、前記医療機関ID毎に、前記第1標榜科を示す診療科IDの診療科の専門医が在籍している否かを示す専門医有無情報と、前記第2標榜科を示す診療科IDの診療科の専門医が在籍している否かを示す専門医有無情報と、前記第3標榜科を示す診療科IDの診療科の専門医が在籍している否かを示す専門医有無情報とが対応付けられており、前記スコア算出部は、前記専門医有無情報を参照し、前記抽出した診療科IDを第1、2、3標榜科にしている医療機関であっても、対応する専門医がいない場合には、前記第1、2、3標榜科のいずれかであるかに応じて定めた標榜科係数から所定値を減算するようになっていることが望ましい。
【0017】
この構成によれば、抽出した診療科IDを第1、2、3標榜科にしている医療機関であっても、専門医が在籍していない医療機関であれば、標榜科係数が低い値になるため、医療機関スコアが大きな値になることがない。その結果、ユーザの「性別、年齢、症状」に対応する診療科の専門医が在籍している医療機関を優先的に紹介することができる。
【0018】
また、前記専門医有無情報には、該専門医が在籍している場合には該専門医の人数が含まれており、前記スコア算出部は、前記抽出した診療科IDを同順位の標榜科にしており且つ専門医が在籍している医療機関については、専門医の人数に応じて標榜科係数を変更するようになっていることが望ましい。
この構成によれば、例えば、ユーザの「性別、症状、年齢」に対応する診療科の専門医が多数在籍している医療機関の医療機関スコアを高く算出することができる。
【0019】
また、本発明の第2態様は、ネットワークを介してユーザ端末にWebサイトを提供するサーバ装置を有する医療機関紹介システムであって、前記サーバ装置は、診療科IDと、該診療科IDにより特定される診療科名と、該診療科IDにより特定される診療科が対応する症状とを対応付けた診療科情報を記憶している診療科情報データベースと、医療機関IDと、該医療機関IDにより特定される医療機関名と、その医療機関が標榜している診療科を識別する診療科IDを順位付けした順位・標榜科情報とを対応付けて登録している医療機関情報データベースと、ユーザ端末にWebサイトを構成するWebページを提供し、該ユーザ端末からユーザの症状の入力を受け付ける情報提供部と、前記情報提供部が受け付けたユーザの症状及び前記診療科情報データベースを用いて、該受け付けた症状に対応する診療科IDを抽出し、前記医療機関情報データベースにアクセスし、該抽出した診療科IDを、順位・標榜科情報に登録している医療機関情報を抽出する医療機関抽出部と、を備え、前記順位・標榜科情報とは、前記サーバ装置の管理者が、医療介護情報局に登録されている各医療機関の医療機関基本情報の診療科の登録欄に記載されている診療科について、該登録欄の先頭に記載されている診療科から順番に順位付けし、該医療機関情報データベースに登録した診療科IDであり、前記情報提供部は、前記抽出した医療機関情報を、前記順位・標榜科情報の標榜科の順位が上位の順番に並べて提示した医療機関情報紹介Webページを生成し、前記ユーザ端末に対して、該生成した医療機関情報紹介Webページを提供することを特徴とする。
【0020】
本発明の第2態様では、ユーザの症状から抽出した診療科ID(診療科)から抽出した医療機関情報を、標榜科の順位が上位の順番に並べて提示した医療機関情報紹介Webページを生成し、ユーザ端末に対して、その生成した医療機関情報紹介Webページを提供している。
この構成によれば、ユーザの症状から抽出した診療科を第1標榜科にしている医療機関の医療機関、すなわち、ユーザの症状に対応する診療科を専門領域にしている医師が診察してくれる医療機関を優先的に紹介することができ、医学的に適した医療機関の受診を促すことができる。
【0021】
また、本発明の第3態様は、ネットワークを介してユーザ端末にWebサイトを提供するサーバ装置を有する医療機関紹介システムであって、前記サーバ装置は、診療科IDと、該診療科IDにより特定される診療科名とを対応付けた診療科情報を記憶している診療科情報データベースと、医療機関IDと、該医療機関IDにより特定される医療機関名と、該医療機関の第1標榜科を示す診療科IDと、該医療機関の第2標榜科を示す診療科IDと、該医療機関の第3標榜科を示す診療科IDとを対応付けた医療機関情報を記憶している医療機関情報データベースと、ユーザ端末にWebサイトを構成するWebページを提供し、該ユーザ端末から所望する診療科名の入力を受け付ける情報提供部と、前記情報提供部が受け付けた診療科名及び前記診療科情報データベースを用いて、該受け付けた診療科名に対応する診療科IDを抽出し、前記医療機関情報データベースにアクセスし、該抽出した診療科IDを前記第1、2、3標榜科のいずれかにしている医療機関情報を抽出する医療機関抽出部と、前記抽出した各医療機関情報の医療機関を評価した医療機関スコアを算出し、該医療機関スコアの値が大きい順番に、前記抽出した医療機関情報を並べるスコア算出部とを備え、前記第1、2、3標榜科とは、前記サーバ装置の管理者が、医療介護情報局に登録されている各医療機関の医療機関基本情報の診療科の登録欄に記載されている診療科について、該登録欄の先頭に記載されている診療科から順番に第1、2、3と順位付けして定義した情報であり、前記スコア算出部は、前記抽出した診療科IDを前記第1標榜科にしている医療機関の医療機関スコアの値が該診療科IDを前記第2標榜科にしている医療機関の医療機関スコアの値よりも大きく、該抽出した診療科IDを前記第2標榜科にしている医療機関の医療機関スコアの値が該診療科IDを前記第3標榜科にしている医療機関の医療機関スコアの値よりも大きくなるように前記医療機関スコアを算出するようになっていることを特徴とする。
【0022】
本発明の第3態様によれば、ユーザが入力した診療科名(診療科)を特定する診療科IDを第1標榜科にしている医療機関の医療機関スコアが大きくなり、ユーザ端末に対して、ユーザが入力した診療科名の診療科を第1標榜科にしている医療機関情報の医療機関を優先的に紹介するWebページを提供できる。その結果、本発明によれば、ユーザに対して、ユーザの症状に対応する診療科を専門領域にしている医師が診察してくれる医療機関を優先的に紹介することができ、医学的に適した医療機関の受診を促すことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、医療機関を探しているユーザに対して、そのユーザに適切な医療機関を紹介する医療機関紹介システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態の医療機関紹介システムの全体構成を示した模式図である。
図2】本発明の実施形態の医療機関紹介システムに設けられた症状情報データベースのデータ構成の一例を示した模式図である。
図3】本発明の実施形態の医療機関紹介システムに設けられた症状・診療科マッチングデータベースのデータ構成の一例を示した模式図である。
図4】本発明の実施形態の医療機関紹介システムに設けられた診療科情報データベースのデータ構成の一例を示した模式図である。
図5】本発明の実施形態の医療機関紹介システムに設けられた医療機関情報データベースのデータ構成の一例を示した模式図である。
図6】本発明の実施形態の医療機関情報データベースの作成に用いられる医療介護情報局に登録された医療機関基本情報の一例を示した模式図である。
図7】本発明の実施形態の医療機関紹介システムのサーバが行う医療機関紹介処理の手順を示したフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の医療機関紹介システムのサーバが提供するユーザの属性情報及びエリア情報を受け付けるWebページの一例を示した模式図である。
図9】本発明の実施形態の医療機関紹介システムのサーバが提供するユーザの症状を受け付けるWebページの一例を示した模式図である。
図10】本発明の実施形態の医療機関紹介システムのサーバが提供するユーザの症状を受け付けるWebページの一例を示した模式図である。
図11】本発明の実施形態の医療機関紹介システムのサーバが提供する医療機関紹介Webページの一例を示した模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態の医療機関紹介システムについて図面を用いて説明する。
【0026】
<医療機関紹介システムの概略構成>
先ず、本実施形態の医療機関紹介システムの概略構成について図1~7を参照しながら説明する。
【0027】
ここで、図1は、本実施形態の医療機関紹介システムの全体構成を示した模式図である。また、図2は、本実施形態の医療機関紹介システムに設けられた症状情報データベースのデータ構成の一例を示した模式図である。図3は、本実施形態の医療機関紹介システムに設けられた症状・診療科マッチングデータベースのデータ構成の一例を示した模式図である。図4は、本実施形態の医療機関紹介システムに設けられた診療科情報データベースのデータ構成の一例を示した模式図である。図5は、本実施形態の医療機関紹介システムに設けられた医療機関情報データベースのデータ構成の一例を示した模式図である。図6は、本実施形態の医療機関情報データベースの作成に用いられる医療介護情報局に登録された医療機関基本情報の一例を示した模式図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の医療機関紹介システムWは、ユーザ端末UTn(nは1以上の自然数)及び医療機関端末HTn(nは1以上の自然数)に、インターネット等のネットワークNWを介して接続されるサーバ装置(以下、単に「サーバ」という)1を備えている。
【0029】
サーバ1は、複数のデータベース(症状情報データベース21、症状・診療科マッチングデータベース22、診療科情報データベース23、医療機関情報データベース24、医療機関詳細情報データベース25)を記憶しており、各データベースに登録されている情報を用いて、ユーザ端末UTnに対して、医療機関を紹介するためのWebサイト(Webページにより構成されるWebサイト)を提供する。
【0030】
なお、サーバ1が紹介する医療機関は、病院、クリニック(診療所、医院)、歯科診療所等の医療機関をいう。
また、上記のデータベースのうち、医療機関情報データベース24は、医療機関毎に、その医療機関が標榜している診療科を順位付けした順位・標榜科情報(第1標榜科、第2標榜科、第3標榜科)と、医療機関の位置情報とを対応付けて記憶している。
この順位・標榜科情報は、サーバ1の管理者が、医療介護情報局が公開している「医療機関届出情報(地方厚生局)施設別詳細情報」の「医療機関基本情報(図6参照)」の記載内容を参照して作成したものである。サーバ1の管理者は、医療介護情報局から入手した「医療機関基本情報」の診療科目(診療科)の登録欄(図6の例では破線で囲んでいる部分)に複数の診療科を登録している医療機関については、先頭に記載されている診療科を「第1標榜科」とし、2番目に記載されている標榜科を「第2標榜科」とし、3番目に記載されている標榜科を「第3標榜科」として、医療機関情報データベース24に登録する。例えば、図6に示す例では、サーバ1の管理者は、「XYZクリニック」について、「内科」を「第1標榜科」とし、「整形外科」を「第2標榜科」とし、「皮膚科」を「第3標榜科」として、医療機関情報データベース24に登録する。
なお、1つの診療科だけが記載されている医療機関については、その診療科を「第1標榜科」として、医療機関情報データベース24に登録する。また、診療科目(診療科)の登録欄に4つ以上の診療科を登録している医療機関については、1番目、2番目、3番目に記載されている診療科を、それぞれ、順番に、「第1標榜科」、「第2標榜科」、「第3標榜科」として、医療機関情報データベース24に登録する。
このようにしているのは、一般的に、医療機関を開設する医師は、自分の専門領域を1番最初の診療科とし記載した医療機関基本情報を作成して、医療介護情報局に、作成した医療機関基本情報を登録しているためである。具体的には、医師は、医療機関基本情報の診療科の登録欄に、標榜する診療科として、自分の専門領域の診療科から順番に記載し、医療介護情報局に医療機関基本情報を登録している。そこで、本願発明者は、医療機関基本情報の診療科の登録欄の記載内容に着目し、医療機関毎に、医療機関基本情報の診療科の登録欄の先頭に記載されている診療科から順番に、第1、2、3標榜科と順位付けして定義した用語(診療科に順位を付けた用語)を作成し、医療機関情報データベース25に、作成した第1、2、3標榜科を示す情報を記憶させる構成を採用した。これにより、医療機関毎に、その医療機関の医師が専門にしている診療科について、順位を付けた情報が登録された医療機関情報データベース24が作成される。
なお、本実施形態では、説明を簡略化するために、順位・標榜科情報として、「第1標榜科、第2標榜科、第3標榜科」の3つの標榜科を示しているが、特にこれに限定されるものではない。実際のシステムでは、「医療機関基本情報」の診療科目(診療科)の登録欄に4つ以上の診療科を登録している医療機関については、4番目に記載されている診療科を「第4標榜科」、5番名に記載されている診療科を「第5標榜科」、n番名に記載されている標榜科を「第n標榜科」として、医療機関情報データベース24に登録する。
【0031】
また、サーバ1は、ユーザ端末UTnからのアクセス要求に応じて、ユーザ端末UTnに対して、ユーザ属性情報(性別、年代)及びエリア情報の入力を受け付けるWebページを提供して、ユーザ端末UTnから「ユーザの属性情報(性別、年齢情報(生年月日等の年齢情報))及びエリア情報」の入力を受け付ける。なお、「エリア情報」とは、ユーザが受診を希望する医療機関のエリアを指定する情報(例えば、都道府県名や市区町村名等の情報)である。
また、サーバ1は、ユーザの属性情報を反映させた、ユーザの症状を受け付けるためのWebページを生成する。その後、サーバ1は、ユーザ端末UTnに対して、症状を受け付けるWebページを提供し、ユーザ端末UTnから「症状」の入力を受け付ける。
【0032】
また、サーバ1は、上記の各データベースを用いて、ユーザ端末UTnから受け付けた「症状、属性情報(性別、年齢)」に対応する診療科を選定する。また、サーバ1は、医療機関情報データベース24と、選定した診療科と、受け付けたエリア情報とを用いて、受け付けた「症状、属性情報(性別、年齢)、及びエリア情報」に対応する医療機関を抽出する。
また、サーバ1は、抽出した各医療機関について、所定の算出基準に基づいて、医療機関スコアを算出し、医療機関スコアの値が大きい順番になるように、抽出した医療機関を並べる。その後、サーバ1は、算出したスコアの値の順番で並べた医療機関を紹介するWebページを生成し、ユーザ端末UTnに対して、生成したWebページを提供する。
【0033】
また、ユーザ端末UTnは、医療機関を探しているユーザに保持されている情報処理端末であり、画像情報を表示する表示部(図示せず)を備えたスマートフォンやパソコン等により構成されている。ユーザに操作されたユーザ端末UTnは、ネットワークNWを介してサーバ1にアクセスし、サーバ1が提供するWebページを受信し、表示部に受信したWebページを表示する。
具体的には、ユーザ端末UTnは、サーバ1が提供するWebページを受信し、そのWebページ上において、ユーザの属性情報、エリア情報、症状等の各種情報を入力し、入力した各種情報に対する応答としてサーバ1から送信される、医療機関を紹介するWebページを受信し、表示部に、医療機関を紹介するWebページを表示する。
【0034】
医療機関端末HTnは、クリニックや病院等の各医療機関に設置されている情報処理端末であり、画像を表示する表示部(図示せず)を備えたパソコン等により構成されている。
医療機関の関係者は、医療機関端末HTnを操作してサーバ1にアクセスし、サーバ1の医療機関情報データベース25に登録されている情報のうち、自身の情報(医療機関)を閲覧できるようになっており、誤った情報が登録されている場合には、サーバ1の管理者に登録された情報の訂正を要求できるようになっている。また、医療機関の関係者は、医療機関端末HTnを操作してサーバ1にアクセスし、サーバ1の医療機関情報データベース25に、ユーザに知らせたい追加情報の登録を要求できるようになっている。
【0035】
なお、本実施形態の医療機関紹介システムWは、サーバ1の構成に特徴があるため、サーバ1の構成について詳細に説明し、サーバ1以外の構成(ユーザ端末UTn、医療機関端末HT)の説明は簡略化する。
【0036】
<サーバ1の構成>
サーバ1は、制御部10と、情報提供部11と、医療機関抽出部12と、スコア算出部13と、口コミスコア設定部14と、記憶部20とを有している。また、記憶部20は、症状情報データベース21と、症状・診療科マッチングデータベース22と、診療科情報データベース23と、医療機関情報データベース24と、医療機関詳細情報データベース25とを記憶している。
【0037】
なお、サーバ1のハードウェア構成については特に限定されるものではない。例えば、サーバ1は、CPUと、主記憶装置と、補助記憶装置と、IOインターフェースと、通信インターフェースとを備えたコンピュータ等の情報処理装置(1台或いは複数台の情報処理装置)により構成される。
また、補助記憶装置には、各部(制御部10、情報提供部11、医療機関抽出部12、スコア算出部13、口コミスコア設定部14)の機能を実現するためのコンピュータプログラム(以下、単に「プログラム」という)が記憶されている。そして、各部(制御部10、情報提供部11、医療機関抽出部12、スコア算出部13、口コミスコア設定部14)の機能は、CPUが、主記憶装置に上記プログラムをロードして実行することにより実現される。
また、補助記憶装置の所定領域に記憶部20が形成されている。
【0038】
制御部10は、サーバ1の全体動作を制御したり、記憶部20の各データベースの設定をしたりする。
【0039】
情報提供部11は、ユーザ端末UTnからのアクセス要求に応じて、ユーザの属性情報(性別、年齢情報)及びエリア情報の入力を受け付けるWebページを生成し、ユーザ端末UTnに対して、生成したWebページを提供する。また、情報提供部11は、ユーザの属性情報及びエリア情報を受け付けるWebページ上で、ユーザ端末UTnが入力する「ユーザの属性情報(性別、年齢情報)、エリア情報」を受け付ける。
また、情報提供部11は、受け付けた属性情報を反映させた、「症状」を受け付けるためのWebページを生成する。サーバ1は、ユーザ端末UTnに対して、生成した症状を受け付けるWebページを提供し、ユーザ端末UTnから「症状」の入力を受け付ける。
また、情報提供部11は、医療機関を紹介するWebページ(医療機関紹介Webページ)を生成し、ユーザ端末UTnに対して、生成した医療機紹介Webページを提供する。
なお、医療機関を紹介するWebページに提示される医療機関は、医療機関抽出部12が、医療機関情報データベース25から抽出した医療機関であり、抽出された医療機関毎にスコア算出部13が算出した医療機関スコアの値が高い順番に並べられて提示されている。
【0040】
医療機関抽出部12は、情報提供部11が受け付けた「ユーザの属性情報(性別、年齢情報)、エリア情報及び症状」と、記憶部20に記憶されている各データベース(症状情報データベース21、症状・診療科マッチングデータベース22、診療科情報データベース23、医療機関情報データベース24)とを用いて、診療科を選定すると共に、選定した診療科に対応する医療機関情報を抽出する。
【0041】
スコア算出部13は、医療機関抽出部12が抽出した医療機関情報の医療機関について、所定の算出基準に基づいて、医療機関の評価を数値で示した医療機関スコアを算出する。また、スコア算出部13は、算出した医療機関スコアの値が大きい順番に、抽出した医療機関情報を並べる。
【0042】
口コミスコア設定部14は、所定のタイミング(例えば、2週間に1回)で、医療機関情報データベース24に登録されている「口コミスコア」を更新する。例えば、口コミスコア設定部14は、サーバ1の管理者が入力する各医療機関の口コミスコア(医療機関ID及び口コミスコア)を受け付け、医療機関情報データベース24の対応するレコードに、受け付けた口コミスコアを登録(或いは上書き登録)する。
この口コミスコアは、サーバ1の管理者が医療機関を受診したユーザに対して、受診した医療機関について、所定項目毎に、管理者側で用意した評価内容を選択して貰う形式のアンケート調査を行い、アンケートにより得られた評価内容を用いて算出した値である。
このように、サーバ1の管理者が準備した所定項目毎に、管理者側で用意した評価内容を選択して貰う方法によれば、ユーザが自由に点数をつけるケース(例えば、☆の数で評価するケース)と比べて、より信頼性が高い口コミスコアが得られると解される。また、本実施形態では、医療機関を受診したユーザに絞ってアンケート調査を行うようにしているため、悪戯や悪意のユーザの評価が含まれる可能性が軽減できる。
【0043】
次に、記憶部20が記憶している各データベースについて順番に説明する。
【0044】
<症状情報データベース21>
症状情報データベース21は、症状を受け付けるWebページを生成する際等に用いられる情報が登録されているデータベースである。
【0045】
具体的には、図2に示すように、症状情報データベース21は、症状を識別する「症状ID」を登録するためのフィールド21aと、フィールド21aの「症状ID」により特定される「症状の名前(症状名)」を登録するためのフィールド21bと、フィールド21bの「症状名」に対応する「大症状の症状ID(大症状ID)」を登録するためのフィールド21cと、フィールド21bの「症状名」に対して「表示しない性別」を登録するためのフィールド21dと、フィールド21bの「症状名」に対して「表示しない年代(年齢層)」を登録するためのフィールド21eとを備えたレコードにより構成されている(複数のレコードにより構成されている)。
このように、症状情報データベース21は、「症状ID」毎に「症状名、対応する大症状ID、表示しない性別、表示しなし年代」を対応付けて記憶している。
【0046】
フィールド21aに登録される「症状ID」は、英数字記号等により構成される、一意のデータである。
フィールド21bに登録される「症状名」とは、「目の症状」、「鼻の症状」、「のど・口・舌の症状」等の最上位の分類である大分類の症状(大症状)の名前(大症状名)や、大症状に関連する「かゆい」、「痛い」、「見えにくい」、「鼻汁」、「出血」等の小分類の症状(小症状)の名前(小症状名)のことを云う。
フィールド21cに登録される「対応する大症状ID」は、大症状に割り当てられた「症状ID」である。
フィールド21dに登録される「表示しない性別」は、「男」及び「女」の性別を示す情報である。
フィールド21eに登録される「表示しない年代」は、「10代」、「20代」等の年齢層を示す情報である。
【0047】
そして、図示する症状情報データベース21の1番上のレコードでは、フィールド21aに「SJOOO1」が登録され、フィールド21bに「のど・口・舌の症状(大症状名1)」が登録されている。また、このレコードに登録されているのは症状が「大症状」であり、対応する大症状がないため、フィールド21cには「空白(NULL)」が登録されている。また、フィールド21bの「大症状名1」は、男女問わず、且つ年齢に関係ない症状であるため、フィールド21d、21eに「空白(NULL)」が登録されている。
また、図示する症状情報データベース21の上から2番目のレコードでは、1番上のレコードに登録されている「大症状名1」に関連する症状が登録されている。具体的には、フィールド21aに「SJOOO1-1」が登録され、フィールド21bに「小症状名1-1」が登録されている。また、フィールド21cには、「小症状名1-1」に対応する大症状の症状IDである「SJOOO1」が登録されている。また、フィールド21bの「小症状名1-1」は、男女問わず、且つ年齢に関係ない症状であるため、フィールド21d、21eに「空白(NULL)」が登録されている。
なお、フィールド21bの症状が男性(或いは、女性)に発症しない症状である場合には、フィールド21dに「男性(或いは女性)」が登録される。また、例えば、フィールド21bの症状が「10代」に発症しない症状である場合には、フィールド21eに「10代」が登録される。
【0048】
<症状・診療科マッチングデータベース22>
症状・診療科マッチングデータベース22は、「症状、年齢層、性別」の組み合わせ毎に、「診療科ID及び診療科スコア」を対応付けて登録しているデータベースであり、「症状、年齢層、性別」に対応する「診療科及びそのスコア(診療科スコア)」を抽出するために用いられる。
【0049】
具体的には、図3に示すように、症状・診療科マッチングデータベース22は、「症状ID」を登録するためのフィールド22aと、「年齢層」を登録するためのフィールド22bと、「性別」を登録するためのフィールド22cと、フィールド22a、22b、22cに登録された「症状、年齢層、性別」」に対応する「診療科ID及び診療科スコア」を登録するためのフィールド22d、22e、22fとを備えたレコードにより構成されている(複数のレコードにより構成されている)。
【0050】
フィールド22aに登録される「症状ID」は、症状情報データベース21に登録されているものと同じであり、英数字記号等により構成される、症状を識別する一意のデータである。症状IDにより特定される「症状」には、「大症状(鼻の症状等の大症状)」と、「小症状(痛いなどの小症状)」とがあるが、小症状が登録される場合には、その小症状に対応する大症状との組みわせた「症状ID」が登録される(大症状の「症状ID」と小症状の「症状ID」とが登録される)。図示する例では、フィールド22aに「SJ0001-1、SJ 0002」が登録されている。これは、大症状である「SJ0001-1」と、その大症状に属する小症状である「SJ 0002」とが登録されている例である。
【0051】
フィールド22bに登録される「年齢層」は、「0~1歳未満」、「1~16歳未満」、「16歳以上」等の年齢層を示す情報である。
また、フィールド22cに登録される「性別」は、「男」及び「女」の性別を示す情報である。
フィールド22d、22e、22fに登録される「診療科ID及び診療科スコア」のうち、「診療科ID」は、英数字記号等により構成される、診療科を識別する一意のデータであり、「症状、年齢層、性別」に対応した「診療科」を識別する情報が登録されている。
また、「診療科スコア」は、「症状、年齢層、性別」と「診療科」の組み合わせの適合度を数値(0~100の数値)で評価したスコアであり、数値が高いほど、「症状、年齢層、性別」に対してより適した診療科(症状に合っている診療科)であることを示している。
【0052】
例えば、図3に示す症状・診療科マッチングデータベース22の一番上のレコードでは、『「症状ID(sj0001-1、sj0002)」、「年齢層(0~1歳未満)」、「性別(男女両方)」』の組み合わせに対して、3つの「診療科ID及び診療科スコア」が登録されている。このレコードでは、フィールド22dに登録されている「診療科IDであるshinryo0001」の「診療科スコア」が「100」になっており、フィールド22eに登録されている「診療科IDであるshinryo0002」の「診療科スコア」が「70」になっており、フィールド22fに登録されている「診療科IDであるshinryo0003」の「診療科スコア」が「20」になっている。すなわち、は、『「症状ID(sj0001-1、sj0002)」、「年齢層(0~1歳未満)」、「性別(男女両方)」』に対しては、3つの診療科(shinryo0001、shinryo0002、shinryo0003)が対応できるが、3つの中では、フィールド22dに登録されている診療科(shinryo0001)が、「症状、年齢層、性別」と「診療科」の組み合わせの適合度が高いことを示している。また、3つの中では、フィールド22fに登録されている診療科(shinryo0003)が、「症状、年齢層、性別」と「診療科」の組み合わせの適合度が低いことを示している。
【0053】
上記のように症状・診療科マッチングデータベース22を構成したのは以下の理由による。
具体的には、ユーザの症状に対応可能な診療科は、ユーザの性別や年齢によって変わってくることがある。さらに、対応できる診療科が複数ある場合、ユーザの症状、性別及び年齢により、一番で適している診療科と、一番ではないものの対応できる診療科がある。例えば、診療する対象が子供であり、その子供のある症状については、小児科が最も望ましいが、内科でも対応できる等のケースがある。
そこで、本願発明者は、「性別、年齢、症状」と対応可能な「診療科」の組み合わせ毎に、当該組み合わせの適合度を示す「診療科スコア」をという評価値である指標を創出し、サーバ1に、症状ID、年齢層及び性別毎に、対応する診療科の診療科ID及び該診療科IDにより特定される診療科の診療科スコアを対応付けて記憶している症状・診療科マッチングデータベース22を設ける構成を採用した。
【0054】
<診療科情報データベース23>
診療科情報データベース23は、診療科に関する情報が登録されているデータベースである。
具体的には、図4に示すように、診療科情報データベース23は、「診療科ID」を登録するためのフィールド23aと、フィールド23aの「診療科ID」により特定される診療科の「名称(診療科名)」を登録するためのフィールド23bとを備えたレコードにより構成されている(複数のレコードにより構成されている)。すなわち、診療科情報データベース23は、「診療科ID」毎に「名称(診療科名)、」を対応付けて記憶している。
【0055】
フィールド23aに登録される「診療科ID」は、英数字記号等により構成される、診療科を識別する一意のデータである。この「診療科ID」は、症状・診療科マッチングデータベース22に用いられているものと同じである。
フィールド23bに登録される「名称(診療科名)」は、フィールド23aの「診療科ID」の名称であり、内科、整形外科、眼科、皮膚科、産婦人科等の名称である。
フィールド23cに登録される「抽出しない性別」は、「男」及び「女」の性別を示す情報である。
【0056】
<医療機関情報データベース24>
医療機関情報データベース24は、医療機関が標榜する診療科(標榜科)を順位付けした「順位付け標榜科情報(第1標榜科、第2標榜科、第3標榜科)」等が登録されたデータベースであり、医療機関の抽出及び医療機関スコアの算出に用いられる。
具体的には、図5に示すように、「医療機関ID」を登録するためのフィールド24aと、「医療機関ID」により特定される医療機関の「名称(医療機関名)」を登録するためのフィールド24bと、「医療機関ID」で特定される医療機関の「位置情報(緯度、経度)」を登録するためのフィールド24cと、「医療機関ID」で特定される医療機関の「第1標榜科の診療科ID(順位・標榜科情報)」を登録するためのフィールド24dと、「第1標榜科の専門医の有無情報」を登録するためのフィールド24eと、「医療機関ID」で特定される医療機関の「第2標榜科の診療科ID(順位・標榜科情報)」を登録するためのフィールド24fと、「第2標榜科の専門医の有無情報」を登録するためのフィールド24gと、「医療機関ID」で特定される医療機関の「第3標榜科の診療科ID(順位・標榜科情報)」を登録するためのフィールド24hと、「第3標榜科の専門医の有無情報」を登録するためのフィールド24iと、「医療機関ID」で特定される医療機関の「口コミスコア」を登録するフィールド24jとを備えたレコードにより構成されている(複数のレコードにより構成されている)。
すなわち、医療機関情報データベース24は、「医療機関ID」毎に、医療機関IDにより特定される医療機関の「名称(医療機関名)、位置情報、第1標榜科、第1標榜科の専門医の有無情報、第2標榜科、第2標榜科の専門医の有無情報、第3標榜科、第3標榜科の専門医の有無情報、口コミスコア」を対応付けて記憶している。
【0057】
フィールド24aに登録される「医療機関ID」は、医療機関を識別する情報であり、英数字記号等により構成される、一意のデータである。
フィールド24bに登録される「名称(医療機関名)」は、「医療機関ID」により特定される医療機関の名称であり、例えば、ABCクリニック、XY病院、〇〇診療所等の情報ある。
フィールド24cに登録される「位置情報(緯度、経度)」は、「医療機関ID」により特定される医療機関の所在地を示す情報である。図示する例では、位置情報として、緯度及び経度を示しているが住所でも良い。
【0058】
フィールド24dに登録される「第1標榜科の診療科ID」は、「医療機関ID」により特定される医療機関が、医療介護情報局に届け出て登録した「医療機関基本情報」の「診療科目(診療科)の登録欄(図6参照)」に記載した診療科のうち、先頭(1番目最初)に記載した診療科(本願発明者が第1標榜科と定義した)を特定する診療科IDである。
フィールド24eに登録される「第1標榜科の専門医の有無(専門医有無情報)」は、フィールド24aに登録される「医療機関ID」の医療機関に、第1標榜科の診療科の専門医が在籍しているか否かを示す情報である。このフィールド24eには、「有及び専門医の人数」及び「無」のいずれかを示す情報が登録される。具体的には、第1標榜科の専門医がいれば「有」及び「専門医の人数」が登録され、当該専門医がいなければ「無」が登録される。例えば、図中に示す一番上のレコードでは、フィールド24eに「有/1人」が登録され、図中に示す上から2番目のレコードでは、フィールド24eに「有/3人」が登録されている。なお、サーバ1の管理者が、医療介護情報局に登録された医療機能情報を参照し、各医療機関の専門医の有無及び人数を確認し、医療機関情報データベース24のフィールド24eに、第1標榜科について、「有及び専門医の人数」及び「無」のいずれかを示す情報を登録している。
【0059】
フィールド24fに登録される「第2標榜科の診療科ID」は、「医療機関ID」により特定される医療機関が、医療介護情報局に届け出て登録した「医療機関基本情報」の「診療科目(診療科)の登録欄」に記載した診療科のうち、2番目に記載した診療科(本願発明者が第2標榜科と定義した)を特定する診療科IDである。
フィールド24gに登録される「第2標榜科の専門医の有無(専門医有無情報)」は、フィールド24aに登録される「医療機関ID」の医療機関に、第2標榜科の診療科の専門医が在籍しているか否かを示す情報である。このフィールド24gには、「有及び専門医の人数」及び「無」のいずれかを示す情報が登録される。なお、サーバ1の管理者が、医療介護情報局に登録された医療機能情報を参照し、各医療機関の専門医の有無及び人数を確認し、医療機関情報データベース24のフィールド24gに、第2標榜科について、「有及び専門医の人数」及び「無」のいずれかを示す情報を登録している。
【0060】
フィールド24hに登録される「第3標榜科の診療科ID」は、「医療機関ID」により特定される医療機関が、医療介護情報局に届け出て登録した「医療機関基本情報」の「診療科目(診療科)の登録欄」に記載した診療科のうち、3番目に記載した診療科(本願発明者が第3標榜科と定義した)を特定する診療科IDである。
フィールド24iに登録される「第3標榜科の専門医の有無(専門医有無情報)」は、フィールド25aに登録される「医療機関ID」の医療機関に、第3標榜科の診療科の専門医が在籍しているか否かを示す情報である。このフィールド24iには、「有及び専門医の人数」及び「無」のいずれかを示す情報が登録される。なお、サーバ1の管理者が、医療介護情報局に登録された医療機能情報を参照し、各医療機関の専門医の有無及び人数を確認し、医療機関情報データベース24のフィールド24iに、第2標榜科について、「有及び専門医の人数」及び「無」のいずれかを示す情報を登録している。
【0061】
フィールド24jに登録される「口コミスコア」は、医療機関を受診したユーザ(患者)に対して行ったアンケートにより得られた評価内容を用いて算出した値であり、数値が高い方が高い評価になっている。図中では、一例として、「0≦口コミ評価値≦100」の範囲で評価している。
なお、医療機関情報データベース24の「診療科ID」は、症状・診療科マッチングデータベース22及び診療科情報データベース23に用いられているものと同じである。
また、上記の第1、2、3標榜科(順位付け標榜科情報)は、サーバ1の管理者が、医療介護情報局に登録された医療機関の標榜科を参照して、独自に定義してものである。
【0062】
<医療機関詳細情報データベース25>
医療機関情報データベース25は、医療機関名、医療機関の住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)、診療科(標榜する診療科)、診療時間、アクセス案内、代表者挨拶文等の医療機関詳細情報が登録されているデータベース(図示せず)である。
具体的には、医療機関情報データベース25は、「医療機関ID」に、「医療機関名、医療機関の住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)、医療機関の標榜科(標榜する診療科)、診療時間、アクセス案内、代表者挨拶文等の医療機関詳細情報」を対応付けて記憶している。
【0063】
<医療機関紹介処理>
次に、本実施形態の医療機関紹介システムによる医療機関紹介処理について、図7図11を参照しながら説明する。
ここで、図7は、本実施形態の医療機関紹介システムが行う医療機関紹介処理の手順を示したフローチャートである。また、図8は、本実施形態の医療機関紹介システムのサーバが提供するユーザの属性情報及びエリア情報を受け付けるWebページの一例を示した模式図である。図9は、本実施形態の医療機関紹介システムのサーバが提供するユーザの症状を受け付けるWebページの一例を示した模式図である。図10は、本実施形態の医療機関紹介システムのサーバが提供するユーザの症状を受け付けるWebページの一例を示した模式図である。図11は、本実施形態の医療機関紹介システムのサーバが提供する医療機関紹介Webページの一例を示した模式図である。
【0064】
図7に示すように、先ず、サーバ1の情報提供部11が、ユーザ端末UTnからのアクセス要求を受け付け、ユーザ端末UTに対して、ユーザの属性情報(性別、年齢情報(生年月日))及びエリア情報を受け付けるWebページを提供し、ユーザ端末UTnからユーザの属性情報(性別、年齢情報(生年月日))及びエリア情報を取得し(S1)、S2の処理に移行する。
【0065】
具体的には、S1では、サーバ1の情報提供部11が、アクセス要求をしてきたユーザ端末UTnに対して、例えば、図8に例示するWebページ200を提供する。このWebページ200には、性別(男性、女性)及び年齢情報(生年月日(〇〇〇〇年〇月〇日))の入力を受け付ける領域201と、医療機関のエリア情報の指定を受け付ける領域202とが形成されていると共に、「性別、年代、エリア情報」を受け付ける決定ボタン203が設けられている。
なお、領域202では、都道府県及び市区町村でエリアの指定を受け付けるエリア指定部202a、202bと、ユーザ端末UTnの位置情報(GPS等の測位衛星システムから得られる位置情報)からエリアの指定を受け付けるエリア指定部202cとが設けられている。このWebページ200では、都道府県及び市区町村を特定したエリアの指定と、ユーザ端末UTnの位置情報を用いたエリアの指定とができるようになっている。
【0066】
そして、ユーザがユーザ端末UTnを操作し、サーバ1の情報提供部11から送られてきたWebページ200の領域201上で「性別(男性或いは女性)」及び年齢情報(生年月日)」を入力し、Webページ200の領域202上で「医療機関のエリア」を入力し、決定ボタン203をクリックする。これにより、ユーザ端末UTnからサーバ1の情報提供部11に、「ユーザの属性情報(性別、年齢情報(生年月日))、エリア情報」が送信され、情報提供部11が「ユーザの属性情報(性別、年齢情報(生年月日))及びエリア情報」を受信する。
【0067】
次に、サーバ1の情報提供部11は、「ユーザの属性情報(性別、生年月日)及びエリア情報」を取得すると、取得した「生年月日」と現在日時(20〇〇年〇月〇日)より、ユーザの年齢を算出する。そして、ユーザ端末UTに対して、症状を受け付けるWebページを提供し、ユーザ端末UTnが入力する症状を取得し(S2)、S3の処理に移行する。
【0068】
具体的には、S2では、情報提供部11は、S1で取得した「ユーザの属性情報(性別)」及び算出した「年齢」と、症状情報データベース21とを参照して、症状を受け付けるWebページを生成し210、220(図9、10参照)、ユーザ端末UTnに、生成したWebページ210、220を提供する。情報提供部11は、Webページ210、220上で、ユーザ端末UTnから症状の入力を受け付ける。
【0069】
図9に示すWebページ210は、大症状(全身の症状、眼の症状、鼻の症状等の大きく分類した症状)の選択を受ける領域211と、選択した大症状の登録を受け付ける決定ボタン212と、大症状に関連する細かい症状の選択に進む詳細選択ボタン213とが設けられている。
そして、大症状だけで医療機関を探そうとする場合、ユーザは、ユーザ端末UTnを操作して、領域211に提示されている大症状のなかのいずれかを選択し、且つ決定ボタン212をクリックする。これにより、ユーザ端末UTnからサーバ1の情報提供部11に、「症状(大症状)」が送信され、情報提供部11が「ユーザの症状(大症状)」を受信し、S3の処理に移行する。
一方、大症状に加えて細かい症状の選択をする場合、ユーザは、ユーザ端末UTnを操作して、領域211に提示されている大症状のなかのいずれかを選択し、且つ詳細選択ボタン213をクリックする。これにより、ユーザ端末UTnからサーバ1の情報提供部11に、「症状(大症状)」及び「詳細選択要求」が送信され、情報提供部11が「症状(大症状)」及び「詳細選択要求」を受信する。この場合、情報提供部11は、受信した「症状(大症状)」に関連する「症状(小症状)」が選択可能に提示されたWebページ220(図10参照)を生成し、ユーザ端末UTnに対して、生成したWebページ220を送信する。
【0070】
図10に示すWebページ220は、図9に示すWebページ210で受け付けた大症状に関連する(従属する)症状(小症状)の選択を受ける領域221と、選択した小症状の登録を受け付ける決定ボタン222とが設けられている。図中の領域221では、大症状が「目の症状」である場合の小症状(眼の症状に関連する小症状)を示している。
そして、ユーザは、ユーザ端末UTnを操作して、領域221に提示されている小症状のなかの1以上の症状を選択し、且つ決定ボタン222をクリックする。これにより、ユーザ端末UTnからサーバ1に、「症状(小症状)」が送信され、サーバ1が「症状(小症状)」を受信し、S3の処理に進む。
【0071】
なお、S2の処理において、サーバ1は、S1で取得した「ユーザの属性情報(性別)」と、取得した生年月日から算出した年齢と、症状情報データベース21とを参照した上で、ユーザの性別及び年代では発症しない関係のない症状を除いた上で、Webページ210、220を生成する。
【0072】
次に、S3以降の処理を説明する。
S3では、サーバ1の医療機関抽出部12が、症状情報データベース21及び症状・診療科マッチングデータベース22と、S1で取得した「性別」と、S1で取得した「生年月日」から算出した「年齢」と、S2で取得した「症状」とを用いて、「症状、性別、年齢」に対応する「診療科ID及び診療科スコア」を抽出して、S4の処理に進む。
【0073】
具体的には、S3では、医療機関抽出部12は、症状情報データベース21にアクセスし、S2で取得した「症状」に対応する「症状ID」を特定する。次に、医療機関抽出部12は、症状・診療科マッチングデータベース22にアクセスし、症状・診療科マッチングデータベース22から、特定した「症状ID」と、S1で取得した「性別」と、S1で取得した「生年月日」から算出した「年齢」とに対応する「診療科ID及び診療科スコア」を抽出する。
例えば、S1で取得した「性別」が「男」で、算出した「年齢」が「15歳」であり、S2で取得した「症状」に対応する「症状ID」が「sj0001-1,j0002」だったとする。この場合、図3に示す例では、医療機関抽出部12は、症状・診療科マッチングデータベース22の上から2番目のレコードを特定し、特定したレコードから3種類の「診療科ID及び診療科スコア」を抽出する。具体的には、医療機関抽出部12は、『「診療科ID:shinryo0001」及び「診療科スコア:100」』と、『「診療科ID:shinryo0002」及び「診療科スコア:70」』と、『「診療科ID:shinryo0003」及び「診療科スコア:20」』とを抽出する。
【0074】
S4では、医療機関抽出部12は、医療機関情報データベース25にアクセスし、医療機関情報データベース25から、S3で抽出した「診療科ID」及びS1で取得した「エリア情報」に対応する医療機関情報を抽出する。
具体的には、医療機関抽出部12は、医療機関情報データベース25にアクセスし、医療機関情報データベース25から、S3で抽出した「診療科ID」が登録され、且つS1で取得した「エリア情報」に対応する位置情報が登録されているレコード(医療機関情報)を選定して抽出する。すなわち、医療機関抽出部12は、S3で抽出した「診療科ID」を第1、2、3標榜科のいずれかにしており、かつS1で取得した「エリア情報」に対応する位置にある医療機関の医療機関情報を抽出する。
【0075】
S5では、スコア算出部13が、S4で抽出したレコード(医療機関情報)に登録された各医療機関に対するスコア(医療機関スコア)を算出して、算出したスコアの高い順に、医療機関情報を並べる。
【0076】
具体的には、S5では、スコア算出部13は、先ず、S4で抽出したレコードに登録された各医療機関に対して、S3で抽出した「診療科ID」の標榜科の順位に応じた「標榜科係数(乗算係数)」を選定する。この標榜科係数は、S3で抽出した「診療科ID」の診療科の「診療科スコア」に乗算される係数であり、S3で抽出した「診療科ID」により特定される診療科の標榜科・順位に応じて定めたものであり、上位の順位の標榜科が大きい値になっている。
例えば、S4で抽出した医療機関情報の医療機関のなかに、S3で抽出した「診療科ID」を「第1標榜科」にしている医療機関と、当該「診療科ID」を「第2標榜科」にしている医療機関と、当該「診療科ID」を「第3標榜科」にしている医療機関とがあったとする。
この場合、S3で抽出した「診療科ID」を「第1標榜科」にしている診療科の診療科スコアに乗算する「標榜科係数」を「SK1」とし、S3で抽出した「診療科ID」を「第2標榜科」にしている診療科の診療科スコアに乗算する「標榜科係数」を「SK2(SK2<SK1)」とし、S3で抽出した「診療科ID」を「第3標榜科」にしている診療科の診療科スコアに乗算する「標榜科係数」を「SK3(SK3<SK2)」とする。
本本実施形態では、一例として、「SK1=1、SK2=0.7、SK3=0.4」の値が設定されているものとする。また、S3で抽出した「診療科ID」以外の診療科については、診療科係数SK0=「0」と設定されているものとする。
【0077】
次に、S5では、スコア算出部13が、S3で抽出した「診療科ID」の対応する「診療科スコア」と、標榜科・順位に応じて定めた「標榜科係数」と、S4で抽出したレコードに登録された医療機関の「口コミスコア」とを用いて、医療機関スコアを算出する。
例えば、スコア抽出部13は、S4で抽出したレコードに登録された各医療機関に対して、下記の(式1)に示すように、「診療科スコア」に「標榜科係数」を乗算した値と、「口コミスコア」を加算した値を医療機関スコアとして算出する。
<数1>
医療機関スコア=(診療科スコア×標榜科係数)+口コミスコア・・・・(式1)
【0078】
なお、S3において複数の「診療科ID」が抽出されることがあり(小児科、耳鼻いんこう科、内科等の複数の診療科の診療科ID)、且つS4で抽出した医療機関のなかには、S3で抽出した複数の「診療科ID」を、第1、2、3標榜科にしているというケースがある(第1標榜科を小児科、第2標榜科を耳鼻いんこう科、第3標榜科を内科としているケースがある)。
このような医療機関に対しては、S5では、スコア算出部13は、抽出したレコードに登録された医療機関の第1、2、3標榜科の診療科について、それぞれ(診療科スコア×標榜科係数)の値を算出して上で、最高値になった値を選択し、選択した値に、口コミスコアを加算したものを医療機関スコアとする。以下、医療機関スコアを一例をあげて説明する。
【0079】
例えば、S1で取得した「性別が男」で、S1で取得した「生年月日」から算出した「年齢が3歳」で、S2で取得した症状が「のど・口・舌の症状(大症状)、痛い(小症状)」であったとする。
また、S3において、「性別(男)、年齢(3歳)、症状(のど・口・舌の症状(大症状)、痛い(小症状)」に対応する「診療科ID及び診療科スコア」として、「小児科の診療科ID、診療科スコア(100点)」、「耳鼻いんこう科の診療科ID、診療科スコア(70点)」、「内科の診療科ID、診療科スコア(20点)」を抽出したとする。このケースでは、「性別、年齢、症状」に対して「小児科」、「耳鼻いんこう科」、「内科」が対応可能であるが、「性別、年齢、症状」と「診療科」の組み合わせの適合度しては、「小児科>耳鼻いんこう科>内科」の順になっている。
【0080】
また、S4において、「小児科」、「内科」、「耳鼻いんこう科」のいずれかを第1、2、3標榜科に登録している医療機関として、「Aクリニック」及び「Bクリニック」を抽出したとする。
なお、「Aクリニック」は、「第1標榜科が小児科、第2標榜科が耳鼻いんこう科、第3標榜科が内科であり、口コミスコアが10点」であるとする。
また、「Bクリニック」は、「第1標榜科が内科、第2標榜科が小児科、第3標榜科が眼科であり、口コミスコアが40点」であるとする。
【0081】
この場合、「Aクリニック」は、「第1標榜科:小児科(100×1.0)、第2標榜科:耳鼻いんこう科(70×0.7)、第3標榜科:内科(20×0.4)」であるため、最高値である「第1標榜科:小児科(100×1.0)」の値を選定し、この値(100点)に、口コミスコアの「10点」を加算した「110点」を医療機関スコアとして算出する。
また、この場合、「Bクリニック」は、「第1標榜科:内科(20×1.0)、第2標榜科:小児科(100×0.7)、第3標榜科:眼科(0×0.4)」であるため、最高値である「第2標榜科:小児科(100×0.7)」の値を選定して、この値(70点)に、口コミスコアの「40点」を加算した「110点」を医療機関スコアとして算出する。
【0082】
その後、S5では、スコア算出部13は、S4で抽出したレコードに登録された医療機関情報を、算出した医療機関スコアの順番に並べて、S6の処理に進む。
なお、スコア算出部13は、医療機関スコアの値が同じ値のとき(上記の例示した「Aクリニック、Bクリニック」のようなケース)において、位置情報を用いたエリアの指定を受けている場合には、位置情報に距離が近い医療機関を上位に並べるようにする。
【0083】
S6では、情報提供部11が、S4で抽出した各医療機関情報の医療機関について、その医療機関詳細情報を医療機関詳細情報データベース26から抽出して、抽出した医療機関詳細情報を用いて、S7で並べた順番に医療機関が提示されたWebページ230(図11参照)を生成し、ユーザ端末UTnに対して、生成したWebページ230を送信する。
【0084】
図11に示すWebページ230は、ユーザが入力した「性別、年齢情報(生年月日)、症状」から選定された診療科に対応する医療機関が、医療機関スコアの高い順に提示されている。なお、本実施形態の一例として示すWebページ230では、医療機関スコアの値を提示せずに、医療機関スコアの高い順に、医療機関の情報が提示されるようになっている。例えば、図中の「ABCクリニック」の医療機関スコアの方が、図中の「〇〇病院」の医療機関スコアよりも大きい値であるため、上位の欄に提示されている。
これにより、医療機関紹介システムWが提供するWebサイトを利用するユーザは、医療機関が提示されたWebページ230を見て、自分が入力した「性別、年齢情報(生年月日)、症状」に対応する診療科の医療機関について参照することができる。また、Webページ230は、医療機関スコアが大きい順番に提示される構成になっているため、ユーザに対して、医療機関スコアが高い医療機関を優先的に紹介することができる。
【0085】
また、本実施形態で算出する医療機関スコアは、「性別、年齢、症状」に対する「診療科」の組み合わせの適合度である「診療科スコア」に対して、医療機関の診療科の標榜科・順位に応じて定められた「標榜科係数(乗算係数)」を乗算した値と、「口コミスコア」とを用いて算出されている。
このようにすることで、ユーザに対して、ユーザの、「性別、年齢、症状」により適している診療科の医療機関であり、且つその診療科を専門領域にしている医師が診察する医療機関を優先的に紹介することができ、医学的に適した医療機関の受診を促すことができる。例えば、本実施形態の構成によれば、「性別、年齢、症状」に対する「診療科」の組み合わせの適合度である「診療科スコア」が高い「診療科」を、上位の標榜科にしている医療機関が優先的に紹介される可能性が高くなる。
【0086】
また、本実施形態で算出する医療機関スコアは、標榜科係数を乗算した診療科スコアに加えて、さらに、医療機関を受診したユーザが評価した「口コミスコア」を反映させた値になっている。すなわち、本実施形態の医療機関スコアは、ユーザの評判も考慮された値になっている。したがって、標榜科係数を乗算した診療科スコアが高い値の医療機関であっても、ユーザに評判が悪い医療機関については、口コミスコアが低いので、医療機関スコアが高い値になることが防止される。本実施形態によれば、ユーザに評判が悪い医療機関については、Webページ上において、上位の医療機関として紹介される可能性が低くなっている。
【0087】
以上、説明したように、本実施形態によれば、医療機関を探しているユーザに対して、そのユーザに適切な医療機関を紹介する医療機関紹介システムを提供することができる。
【0088】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0089】
例えば、上述した図7のS5の例では、「標榜科係数」及び「診療科スコア」と、「口コミスコア」とを用いて医療機関スコアを算出しているが、特にこれに限定されるものではない。医療機関情報データベース24のフィールド24e、24g、24iに登録されている「専門医の有無」を考慮して、医療機関スコアを算出しても良い。
例えば、S3で抽出した「診療科ID」を「第1、2、3標榜科」にしている医療機関であっても、専門医がいない場合には、標榜科の順位で定められた「標榜科係数」から「0.3」を減算する。すなわち、S3で抽出した「診療科ID」を「第1標榜科」にしている医療機関であっても、「専門医」がいなければ「標榜科係数を「0.7=1-0.3」とする。また、S3で抽出した「診療科ID」を「第2標榜科」にしていている医療機関であっても「専門医」がいなければ「標榜科係数を「0.4=0.7-0.3」とする。また、S3で抽出した「診療科ID」を「第3標榜科」にしていている医療機関であっても、「専門医」がいなければ「標榜科係数を「0.1=0.4-0.3」とする。
【0090】
また、上述した図7のS5において、医療機関情報データベース24のフィールド24e、24g、24iに登録されている専門医の人数も考慮して、医療機関スコアを算出するようにしても良い。例えば、S5で決定した「診療科ID」を「第1標榜科」にしている医療機関について、専門医が有りで且つその人数が1人の医療機関と、専門医が有りで且つその人数が3人の医療機関とがあったとする。この場合、スコア算出部13は、専門医が有りで且つその人数が1人の医療機関の「標榜科係数」の値よりも、専門医が有りで且つその人数が3人の医療機関の標榜科係数の値を大きな値に算出する。すなわち、スコア算出部13は、S5で決定した「診療科ID」を同順位の標榜科にしており且つ専門医がいる医療機関については、専門医の人数が多いほど、標榜科係数の値を大きな値として算出する。
【0091】
また、上述した実施形態では、「標榜科係数」と、「診療科スコア」と、「口コミスコア」とを用いて医療機関スコアを算出しているが、特にこれに限定されるものではない。スコア算出部13が、「標榜科係数」及び「診療科スコア」だけで医療機関スコアを算出するようにしても良い。
【0092】
また、上述した実施形態では、抽出した医療機関に対して、医療機関スコアを算出し、医療機関スコアが高い順に、抽出した医療機関を説明しているが、特にこれに限定されるものではない。
例えば、サーバ1が医療機関スコアを算出せずに、S4で抽出した医療機関情報について、S3で決定した診療科を第1標榜科にしている医療機関情報を優先的に紹介するWebページを生成して、ユーザ端末UTnに対して生成したWebページを提供するようにしても良い。
或いは、サーバ1が医療機関スコアを算出せずに、S4で抽出した医療機関情報について、S3で決定した診療科に対応する順位・標榜科情報(第1標榜科、第2標榜科、第3標榜科)の順位が上位の順番に並べて提示したWebページを生成し、ユーザ端末UTnに対して、生成したWebページを提供するようにしても良い。
この構成においても、ユーザの症状から抽出した診療科を上位の標榜科にしている医療機関、すなわち、ユーザの症状に対応する診療科を専門領域にしている医師が診察してくれる医療機関を優先的に紹介することができ、医学的に適した医療機関の受診を促すことができる。
【0093】
また、上述した実施形態では、サーバ1がユーザ端末UTnから「症状」の入力を受け付け、受け付けた「症状」に対応する「診療科」を選定しているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、サーバ1が、ユーザ端末UTnから直接「診療科」の入力を受け付けるようにしても良い。
この場合、サーバ1は、アクセス要求をしてきたユーザ端末UTnに対して、「診療科(診療科名)」の入力を受け付けるWebページを生成し、ユーザ端末UTnに対して、生成したWebページを提供し、ユーザ端末から「診療科名」の入力を受け付ける。そして、サーバ1は、受け付けた診療科及び診療科情報データベース23を用いて、受け付けた診療科名に対応する「診療科IDを抽出し、医療機関情報データベース24にアクセスし、抽出した診療科IDを第1、2、3標榜科のいずれかにしている医療機関情報を抽出する。この場合、例えば、サーバ1は、抽出した医療機関情報について、S3で決定した診療科に対応する順位・標榜科情報(第1標榜科、第2標榜科、第3標榜科)の順位が上位の順番に並べて提示したWebページを生成し、ユーザ端末UTnに対して、生成したWebページを提供するようにしても良い。
【0094】
また、上述した実施形態では、サーバ1は、医療機関を紹介するWebページ230(図12参照)において、医療機関スコアの値を提示していないが特にこれに限定されるものではない。サーバ1が、医療機関を紹介するWebページ(図示せず)において、医療機関スコアの値を表示するようにしても良い。
【0095】
また、上述した実施形態では、サーバ1が診療科を選定するために、ユーザ属性情報として「性別及び年齢情報」を用いる場合を例示して説明しているが、特にこれに限定されるものではない。診療科を選定するために用いるユーザ属性情報に、「性別及び年齢情報」に加えて、さらに、その他のユーザの属性を示す情報を付加するようにしてもよい。なお、この場合、サーバ1は、例えば、上述した図7のS1において、「性別及び年齢情報」に加えて、その他のユーザの属性を示す情報を取得すると良い。
また、診療科を選定するために用いられるユーザ属性情報が「性別及び年齢情報」以外のものであっても良い。
【符号の説明】
【0096】
UTn…ユーザ端末
HTn…医療機関端末
NW…ネットワーク

W…サーバ装置(サーバ)
10…制御部
11…情報提供部
12…医療機関抽出部
13…スコア算出部
14…口コミスコア設定部
20…記憶部
21…症状情報データベース
22…症状・診療科マッチングデータベース
23…診療科情報データベース
24…医療機関情報データベース
25…医療機関詳細情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11