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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】芯ずれ測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/25 20060101AFI20220804BHJP
   B23Q 17/22 20060101ALI20220804BHJP
   B23B 25/06 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
G01B5/25
B23Q17/22 A
B23B25/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020537953
(86)(22)【出願日】2018-08-23
(86)【国際出願番号】 JP2018031137
(87)【国際公開番号】W WO2020039539
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000205834
【氏名又は名称】BIG DAISHOWA株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518042372
【氏名又は名称】大昭和精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】前川 直樹
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-098837(JP,A)
【文献】実開昭59-089202(JP,U)
【文献】実開昭63-195203(JP,U)
【文献】実開昭47-018882(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第106482619(CN,A)
【文献】国際公開第2018/020646(WO,A1)
【文献】特表平09-511331(JP,A)
【文献】特開2013-007670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/25
B23Q 17/22
B23B 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸芯に沿って貫通する貫通孔を有する筒状のケースと、
前記ケースから目盛部が露出するように前記ケースに固定され、距離の変化量を測定するダイヤルゲージと、
前記貫通孔に挿入され、前記軸芯と同軸芯で前記ケースに対して相対回転する保持部と、
前記保持部の基端側で前記保持部を支持する支持部と、
前記保持部の先端側に保持された状態で揺動可能な揺動部と、
前記先端側且つ前記揺動部よりも前記基端側の位置において前記軸芯方向と交差する交差方向に沿って延在すると共に前記軸芯方向および前記交差方向に直交する方向を揺動軸芯として揺動するように前記保持部に保持され、前記揺動部の揺動量が伝達されるレバー部材と、
前記レバー部材よりも前記基端側の位置で前記ケースに収容され、前記レバー部材と当接して前記軸芯方向に沿って移動可能なスライド部材と、
前記揺動部と前記レバー部材との間の位置で前記揺動部に固定され、前記揺動部の単位揺動量に対する前記スライド部材の単位移動量を変化させる単位量変換部材と、を備え、
前記スライド部材は、前記ダイヤルゲージの測定子と当接しており、
前記保持部の回転に同期して前記揺動部および前記レバー部材が回転しながら、前記揺動部の揺動量が前記レバー部材を介して前記スライド部材に伝達され、前記スライド部材の前記軸芯方向に沿う移動量に基づいて前記ダイヤルゲージが前記揺動量を測定する芯ずれ測定装置。
【請求項3】
軸芯に沿って貫通する貫通孔を有する筒状のケースと、
前記ケースから目盛部が露出するように前記ケースに固定され、距離の変化量を測定するダイヤルゲージと、
前記貫通孔に挿入され、前記軸芯と同軸芯で前記ケースに対して相対回転する保持部と、
前記保持部の基端側で前記保持部を支持する支持部と、
前記保持部の先端側に保持された状態で揺動可能な揺動部と、
前記先端側且つ前記揺動部よりも前記基端側の位置において前記軸芯方向と交差する交差方向に沿って延在すると共に前記軸芯方向および前記交差方向に直交する方向を揺動軸芯として揺動するように前記保持部に保持され、前記揺動部の揺動量が伝達されるレバー部材と、
前記レバー部材よりも前記基端側の位置で前記ケースに収容され、前記レバー部材と当接して前記軸芯方向に沿って移動可能なスライド部材と、を備え、
前記スライド部材は、前記ダイヤルゲージの測定子と当接しており、
前記保持部の回転に同期して前記揺動部および前記レバー部材が回転しながら、前記揺動部の揺動量が前記レバー部材を介して前記スライド部材に伝達され、前記スライド部材の前記軸芯方向に沿う移動量に基づいて前記ダイヤルゲージが前記揺動量を測定し、
前記測定子の外面が断面円弧状に形成され、
前記スライド部材のうち前記測定子と当接する部位は、前記基端側ほど前記軸芯に接近する傾斜部を有している芯ずれ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、旋盤等の工具ホルダ取付け部の芯ずれを測定するための芯ずれ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
旋盤等において、ワークの基端部を回転基盤のチャックで把持しつつ芯押し台のセンタによりワークを軸芯方向に押付けた状態で、軸芯を中心として回転させたワークを刃物により側方から精度よく旋削するために、チャックの中心とセンタの中心とが、軸芯方向と垂直な方向で一致している必要がある。そこで、チャックの中心に対するセンタの中心の軸芯方向と垂直な方向における位置ずれを測定する芯ずれ測定装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の芯ずれ測定装置は、筒状のケースと、ダイヤルゲージと、ケースの貫通孔に取り付けられた筒状の保持体と、保持体の基端側に取り付けられた支持体と、保持体の径方向内側で軸芯方向に沿って移動可能な摺動体と、保持体に保持され摺動体に揺動量を伝達する揺動体とを備えている。
【0004】
この芯ずれ測定装置をチャックに把持された回転基盤に取付け、芯押し台のセンタの代わりにカップ状の案内体を取付け、揺動体を案内体の内周面に当接させた状態で回転基盤を回転させることで、保持体と共に揺動体が回転する。このとき、案内体の内周面に当接している揺動体の揺動量が伝達された摺動体が軸芯方向に移動し、摺動体の基端側に設けられた径方向延在部がダイヤルゲージの測定子に当接することで、揺動体の揺動量を測定する。この測定の結果、揺動体の揺動量が一定であれば、チャックの中心に対してセンタの中心は軸芯方向と垂直な方向に位置ずれがないため、揺動体の揺動量が一定となるまでセンタを位置調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2018/020646号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の芯ずれ測定装置は、摺動体を軸芯方向に移動させて揺動体の揺動量を測定する構成であるため、軸芯方向の寸法が長くなってしまう。このため、工具ホルダ取付け部とチャックとの間隔が小さい旋盤等に、特許文献1に記載の芯ずれ測定装置を用いることができない。
【0007】
そこで、簡便な構成で軸芯方向の寸法を短く構成した芯ずれ測定装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る芯ずれ測定装置の特徴構成は、軸芯に沿って貫通する貫通孔を有する筒状のケースと、前記ケースから目盛部が露出するように前記ケースに固定され、距離の変化量を測定するダイヤルゲージと、前記貫通孔に挿入され、前記軸芯と同軸芯で前記ケースに対して相対回転する保持部と、前記保持部の基端側で前記保持部を支持する支持部と、前記保持部の先端側に保持された状態で揺動可能な揺動部と、前記先端側且つ前記揺動部よりも前記基端側の位置において前記軸芯方向と交差する交差方向に沿って延在すると共に前記軸芯方向および前記交差方向に直交する方向を揺動軸芯として揺動するように前記保持部に保持され、前記揺動部の揺動量が伝達されるレバー部材と、前記レバー部材よりも前記基端側の位置で前記ケースに収容され、前記レバー部材と当接して前記軸芯方向に沿って移動可能なスライド部材と、を備え、前記スライド部材は、前記ダイヤルゲージの測定子と当接しており、前記保持部の回転に同期して前記揺動部および前記レバー部材が回転しながら、前記揺動部の揺動量が前記レバー部材を介して前記スライド部材に伝達され、前記スライド部材の前記軸芯方向に沿う移動量に基づいて前記ダイヤルゲージが前記揺動量を測定する点にある。
【0009】
本構成では、測定対象に芯ずれがあると揺動部の揺動量が一定とならず、その揺動量が保持部と同期して回転するレバー部材を介してスライド部材に伝達される。そして、スライド部材の移動に伴いダイヤルゲージが揺動量を検出する。つまり、軸芯と同軸芯で回転する保持部の先端側に保持された揺動部が揺動し、軸芯方向と交差する方向に延在するレバー部材に伝達された揺動量がスライド部材のスライド移動量として検出される構成である。このように、揺動部の揺動量が伝達されるレバー部材の延在方向が軸芯方向と交差する方向であるため、従来のように揺動量が伝達される摺動体の取付方向を軸芯方向に沿わせる場合に比べて、軸芯方向の寸法を短くすることができる。
【0010】
他の特徴構成は、前記揺動部と前記レバー部材との間の位置で前記揺動部に固定され、前記揺動部の単位揺動量に対する前記スライド部材の単位移動量を変化させる単位量変換部材をさらに備えた点にある。
【0011】
揺動部の軸芯方向の寸法が長くなると、揺動部の単位揺動量に対するスライド部材の単位移動量が小さくなり、揺動部の揺動量に対するダイヤルゲージの測定子の変化量が小さくなる。レバー部材の径方向寸法を長くして揺動部の単位揺動量に対するスライド部材の単位移動量を大きくすると、芯ずれ測定装置が径方向に大きくなるおそれがあった。
【0012】
しかし、本構成のように、揺動部の単位揺動量に対するスライド部材の単位移動量を変化させる単位量変換部材を揺動部に固定するように構成すれば、揺動部の軸芯方向の寸法が変更されたことによりレバー部材を介してスライド部材に伝達される揺動量が変更された場合でも、単位量変換部材の形状を変更するだけで揺動部の単位揺動量に対するスライド部材の単位移動量を容易に変更できる。よって、揺動部の軸芯方向の寸法が長くなった場合であっても、レバー部材の径方向の寸法を長くすることなく揺動部の単位揺動量に対するスライド部材の単位移動量を大きくすることができ、軸方向の寸法に加えて径方向の寸法もコンパクトにした芯ずれ測定装置を提供することができる。これにより、揺動部の軸芯方向の寸法が長くなった場合であっても、同じ大きさで作成することができる。
【0013】
他の特徴構成は、前記測定子の外面が断面円弧状に形成され、前記スライド部材のうち前記測定子と当接する部位は、前記基端側ほど前記軸芯に接近する傾斜部を有している点にある。
【0014】
本構成のように、スライド部材の測定子と当接する部位に傾斜部を設ければ、スライド部材の軸芯方向の移動量を軸芯方向と垂直な方向の移動量としてダイヤルゲージが検出することとなる。このため、例えばストローク式ダイヤルゲージを用いた場合、ケースの外面のうち軸芯方向と垂直な方向にダイヤルゲージを配置することが可能となるため、ダイヤルゲージによって軸芯方向の寸法が長くなることが無い。しかも、測定子の外面が断面円弧状に形成されているため、測定子と傾斜部との当接がスムーズとなり、測定子およびスライド部材の長寿命化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】は、芯ずれ測定装置の概要を示す正面図である。
図2】は、芯ずれ測定装置の正面図である。
図3】は、芯ずれ測定装置の縦断面図である。
図4】は、図3のIV-IV矢視断面図である。
図5】は、芯ずれ測定装置の背面図である。
図6】は、芯ずれ測定装置の平面図である。
図7】は、芯ずれ測定装置の底面図である。
図8】は、芯ずれ測定装置の右側面図である。
図9】は、芯ずれ測定装置の左側面図である。
図10】は、芯ずれ測定装置の動作を説明する縦断面図である。
図11】は、芯ずれ測定装置の動作を模式的に説明する図である。
図12】は、別実施形態1に係る芯ずれ測定装置の正面図である。
図13】は、別実施形態1に係る芯ずれ測定装置の縦断面図である。
図14】は、別実施形態2に係る芯ずれ測定装置の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本開示に係る芯ずれ測定装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、芯ずれ測定装置1の一例として、工作機械としての旋盤に用いた場合として説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0017】
(基本構成)
図1では、主軸芯CXまわりにチャック91を回転させる回転駆動装置90に対して、主軸芯CX方向で対向する位置に工具保持器96が取り付けられた刃物台94が設けられている。そして、回転駆動装置90と刃物台94とは、基台97により主軸芯CX方向で連結されている。このような旋盤においては、旋削対象のワーク(図示省略)の基端部を芯ずれ測定装置1が取り外された状態のチャック91で把持し、ワークを主軸芯CX方向に固定する。そして、回転駆動装置90を作動させることによりワークを主軸芯CXまわりに回転させると共に、当該回転するワークを、工具保持器96に取り付けられた刃物(図示省略)によって順に旋削するものである。刃物は、工具保持器96の表面に開口された穴である工具ホルダ取付け部95に固定された工具ホルダ(図示省略)により保持されている。ワークを正確に旋削するためには、チャック91の主軸芯CXと工具ホルダ取付け部95の中心95Xとを、主軸芯CX方向と垂直な方向で一致させる必要がある。
【0018】
そこで、本実施形態における芯ずれ測定装置1は、ワークを旋削する前に、主軸芯CXに対する工具ホルダ取付け部95の中心95Xの芯ずれを測定する。芯ずれ測定装置1は、チャック91に把持された円盤状の回転基盤93に取り付けられる。なお、図1に示す主軸芯CXは、回転駆動装置90によってチャック91を回転させる回転軸芯としての主軸芯CXである。図2に示す芯ずれ測定装置1の回転軸芯MX(軸芯の一例)は、主軸芯CXと一致した回転軸芯MX又は主軸芯CXを中心として旋回する回転軸芯MXである。この回転軸芯MXを中心とする周方向を第1周方向C1とし、主軸芯CXを中心とする周方向を第2周方向C2とする。また、径方向Rとは、回転軸芯MX方向に対して直交する方向であり、径方向Rに沿って回転軸芯MXから遠ざかる方向を径外方向R1とし、回転軸芯MXに近づく方向を径内方向R2とする。
【0019】
図2図9に示すように、芯ずれ測定装置1は、ケース2と、ダイヤルゲージ3と、保持部4と、支持部5と、揺動部6と、レバー部材7と、スライド部材8と、を備えている。さらに、芯ずれ測定装置1は、揺動部6の単位揺動量に対するスライド部材8の単位移動量を変化させる単位量変換部材9を備えている。
【0020】
図2図3図5に示すように、ケース2は、回転軸芯MXに沿って貫通する貫通孔23を有する円筒状に形成されている。ケース2には、ダイヤルゲージ3のステム3aがビス20aにより径外方向R1に突出した固定部位20に挟まれた状態で固定されている。本実施形態では、外面が断面円弧状に形成された測定子32の突出量および引退量により指針が振れるストローク式のダイヤルゲージ3が用いられている。ダイヤルゲージ3は、周知の構造であり、測定子32の微小な移動量を歯車機構(図示省略)により拡大して、これを本体31に設けられたインジケータ33(目盛部の一例)に表示させるように構成されている。つまり、ダイヤルゲージ3は、ケース2からインジケータ33が露出するようにケース2に固定され、微小な距離の変化量を測定する。
【0021】
ケース2には、一方の開口(支持部5側の開口)を形成するように径内方向R2に円環状に突出した鍔部2aが形成されており、この鍔部2aに、円筒状の軸受支持体21において径外方向R1に円環状に突出する凸部21aが複数のビス24で固定されている。軸受支持体21の一方の端部(支持部5側の端部)には、保持部4の基端側(支持部5側)および支持部5との間に第一軸受B1が配置されている。また、軸受支持体21の他方の端部(揺動部6側の端部)には、保持部4との間に第二軸受B2が配置されており、スライド部材8との間に第三軸受B3が配置されている。
【0022】
本実施形態における軸受B1,B2,B3は、複数のボールを保持器で保持して構成されている。第一軸受B1および第二軸受B2はL字状に形成されており、第三軸受B3は直線状に形成されている。第一軸受B1および第二軸受B2を介して、保持部4および支持部5がケース2に固定された軸受支持体21に対して相対回転自在に構成されている。この相対回転時には、第一軸受B1および第二軸受B2がL字状に形成され、第一軸受B1および第二軸受B2の周方向および軸方向の位置は一定に維持される。また、第三軸受B3を介して、スライド部材8が軸受支持体21に対して回転軸芯MX方向に沿って移動自在に構成されている。なお、各軸受B1,B2,B3は隙間のない状態が望ましい。
【0023】
ケース2の一方の開口は、ケース2に非接触の支持部5により閉塞されており、ケース2の他方の開口は、ケース2に非接触の蓋部22により閉塞されている。蓋部22はカップ状に形成されており、底部が保持部4に複数のビス22aで固定された状態で、保持部4と一体で回転する(図4図8参照)。蓋部22の底部には、揺動部6が揺動可能に貫通された孔部22bが形成されている。
【0024】
図3に示すように、保持部4は、ケース2の貫通孔23における軸受支持体21の径内方向R2に挿入されている。具体的には、保持部4は、ケース2の径内方向R2において、第一軸受B1および第二軸受B2を介してケース2に固定された軸受支持体21に支持されている。このため、保持部4は、ケース2に対して回転軸芯MX周りに相対回転可能となっている。保持部4は、回転軸芯MX方向に沿って延在する中実円筒状であり、基端側で支持部5に固定(支持)され、先端側(揺動部6側)で、揺動部6,レバー部材7および蓋部22を保持している。保持部4のうち、揺動部6,レバー部材7および蓋部22を保持する先端部41は、揺動部6およびレバー部材7を収容する収容部41aと、収容部41aの両側方で蓋部22にビス22aで固定される固定部41bとが、フランジ部41cで接続されている(図3図4参照)。収容部41aは、回転軸芯MXと直交し、且つ長手方向がダイヤルゲージ3の取付方向に沿う長溝状に形成されている。また、収容部41aには、固定部41bに固定されたストッパピン22cが突出しており、このストッパピン22cは、揺動部6の径外方向R1への移動を規制するように、後述する単位量変換部材9のピン9bが当接するストッパとなっている。
【0025】
回転する保持部4に対してケース2を固定させるために、ケース2には、固定ウェイト25が径外方向R1に突出した状態で取り付けられている(図2図5図9参照)。固定ウェイト25は、ケース2の側面2か所に形成された取付穴25aの何れかに取り付けることができる。取付穴25aの内周には雌ねじが切られており、固定ウェイト25の取付穴25aに対する取付部分には雄ねじが切られている。したがって、固定ウェイト25と取付穴25aとが螺合することで、固定ウェイト25がケース2に対して取り付けられるように構成されている。固定ウェイト25は重く構成されているため、固定ウェイト25が取り付けられた状態で芯ずれ測定装置1を作動させると、固定ウェイト25の重みによってケース2が回転軸芯MX周りに回転し、固定ウェイト25が垂直下方に位置した状態でケース2が固定された状態となる。このため、固定ウェイト25が自重により垂直下方に位置すると、インジケータ33は正面向きよりも固定ウェイト25側に少し傾いた方向に向くこととなり、使用者が芯ずれ測定装置1の側方からインジケータ33を確認するのが容易となる。なお、固定ウェイト25が取り付けられる取付穴25aは、主軸芯CX方向視で、回転軸芯MXを通る垂直線を基準とする線対称の位置に一対設けられている(図7参照)。そのため、使用者の立ち位置に合わせて何れかの取付穴25aを選んで、これに固定ウェイト25を取り付けることにより、芯ずれ測定装置1の両側方の何れを立ち位置とする場合でも、ダイヤルゲージ3のインジケータ33を使用者に対向させることができる。
【0026】
図2図3図5に示すように、支持部5は、回転基盤93に取り付けられるための取付部51と、芯ずれ測定装置1の回転軸芯MX方向に対する傾きを調整するための調整部52と、を有している。支持部5の取付部51には、複数の磁石穴57が形成されており、この磁石穴57に圧入又は磁気力により取り付けられた磁石(図示省略)によって、支持部5が回転基盤93に取り付けられている(図9参照)。取付部51および調整部52には、支持部5を保持部4に固定するための複数の取付孔51aが形成されている。後述する調整スリット53よりも保持部4側にビス51bの頭部が位置するように保持部4の雌ねじ孔にビス51bを螺合することにより、支持部5は保持部4に固定されて保持部4と一体回転する。
【0027】
調整部52は、回転軸芯MX方向に垂直な方向に沿って切り欠かれた調整スリット53と、調整スリット53の両側の面のうち保持部4に近い方の面である押圧面54aを押圧して調整スリット53が開くようにする調整押圧部54と、を有している。調整スリット53は、回転軸芯MXから径外方向R1に離間した位置に幅広に形成された拡張部53bを有している。拡張部53bは、調整スリット53の径方向Rにおける一端部に形成されている。調整スリット53の径方向Rにおける他端部は、支持部5の径外方向R1の外部と連通した状態となっている。
【0028】
調整押圧部54は、回転軸芯MXから径外方向R1に離間するテーパー状の押圧面54aで構成されている。調整押圧部54は、回転軸芯MXを挟んで調整スリット53の拡張部53bと反対の位置に配置されている。また、支持部5を径外方向R1から貫通すると共に、調整押圧部54に接触するボール55aを先端に有する調整ハンドル55が設けられている。調整ハンドル55は、支持部5に形成された雌ねじに対して螺合可能な雄ねじを有しており、調整ハンドル55を径内方向R2に向かってねじ込むことで、テーパー状の押圧面54aで構成された調整押圧部54にボール55aが当接し、調整スリット53が回転軸芯MX方向に開いていき、調整スリット53の拡張部53bを支点に支持部5が保持部4から離間する方向に傾いていく。これにより、芯ずれ測定装置1の全体の傾きを、調整ハンドル55のねじ込み量によって微調整することができる。
【0029】
揺動部6は、回転軸芯MXから偏心して取り付けられており、回転軸芯MXと平行な偏心軸芯HXを中心に有して揺動する測定部61を先端に有するように回転軸芯MX方向に延在しており、保持部4の先端部41に単位量変換部材9を介して保持されている。揺動部6は、測定対象に接触する球状の測定部61と、測定部61の揺動量を伝達する伝達部62を有している。伝達部62の一部が単位量変換部材9に嵌合しており、伝達部62から伝達される揺動量が単位量変換部材9に直接伝達される。単位量変換部材9は、保持部4の先端部41に固定された支点軸63によって軸支されている。支点軸63は、保持部4の固定部41bを貫通すると共に先端63aが単位量変換部材9に挿入されている(図4参照)。また、支点軸63の先端63aは円錐状に形成されており、この先端63aが単位量変換部材9に設けられたベアリング9aに支持されている。つまり、揺動部6の伝達部62から揺動量が伝達された単位量変換部材9は、支点軸63およびベアリング9aで構成されるピボットベアリングによって、保持部4に対して支点軸63周りに揺動可能となっている。
【0030】
また、単位量変換部材9は、後述するレバー部材7のスライドピン72に当接するピン9bを有しており、このピン9bは、回転軸芯MX方向と交差する方向且つダイヤルゲージ3の取付方向に突出している(図3参照)。揺動部6の揺動によって単位量変換部材9が支点軸63周りに揺動し、ピン9bが後述するスライドピン72に当接することで、揺動部6の揺動量がレバー部材7に伝達される。つまり、揺動部6の測定部61の測定対象に対する接触点が力点になると共に、ピン9bとスライドピン72との第一当接点が作用点になり、支点軸63を支点として単位量変換部材9が揺動する。このため、(第一当接点と支点軸63との距離)/(揺動部6の測定部61の測定対象に対する接触点と支点軸63との距離)の比率に比例して、揺動部6の揺動量がレバー部材7に伝達される。
【0031】
レバー部材7は、揺動部6よりも基端側(支持部5側)の位置において、回転軸芯MX方向と交差する交差方向且つダイヤルゲージ3の取付方向に延在しており、収容部41aに収容された状態で保持部4に保持されている。具体的には、単位量変換部材9と同様に支点軸71(揺動軸芯の一例)とベアリング(図示省略)とで構成されるピボットベアリングによって、レバー部材7は、保持部4に対して支点軸71周りに揺動可能となっている。この支点軸71は、単位量変換部材9の支点軸63と平行であり、回転軸芯MX方向およびレバー部材7の延在方向に直交している。また、レバー部材7には、支点軸71に沿って立設するスライドピン72が固定されている。さらに、レバー部材7のうち支点軸71と反対側の端部のスライド部材8と対向する側には、球状のボール部73が回転軸芯MX方向に沿う方向に固定されている。このボール部73がスライド部材8に当接することで、揺動部6の揺動量が単位量変換部材9およびレバー部材7を介してスライド部材8に伝達される。
【0032】
上述した単位量変換部材9におけるピン9bがスライドピン72に当接するので、ピン9bとスライドピン72との第一当接点が力点になると共にボール部73とスライド部材8との第二当接点が作用点になり、支点軸71を支点としてレバー部材7が揺動する。このため、(第二当接点と支点軸71との距離)/(第一当接点と支点軸71との距離)の比率に比例して、レバー部材7の揺動量がスライド部材8に伝達される。レバー部材7の寸法を一定としたとき、つまり第二当接点と支点軸71との距離を一定としたとき、(第一当接点と支点軸63との距離)/((揺動部6の測定部61の測定対象に対する接触点と支点軸63との距離)×(第一当接点と支点軸71との距離))に比例して、揺動部6の揺動量がスライド部材8に伝達される。このため、揺動部6の回転軸芯MX方向の長さが長いほど、(第一当接点から支点軸71までの距離)/(第一当接点から支点軸63までの距離)が小さくなるように第一当接点の位置を設定すれば、レバー部材7の寸法を長くせずに揺動部6の揺動量を適切なスライド部材8の移動量に変換して伝達することができる。このように、単位量変換部材9を設けることで、単位量変換部材9の形状やスライドピン72の位置を変更すれば、レバー部材7の寸法を変更することなく、揺動部6の単位揺動量に対するスライド部材8の単位移動量を変化させることが可能となる。
【0033】
スライド部材8は、円筒状に形成されており、レバー部材7よりも基端側(支持部5側)の位置でケース2の貫通孔23に収容されている。具体的には、上述した軸受支持体21の径外方向R1で第三軸受B3を介して支持されており、回転軸芯MX方向に沿って移動自在に構成されている。スライド部材8の外面には球状部材8aが埋設されており、ケース2の先端側(揺動部6側)の開口に形成されたガイド溝2bに沿って球状部材8aが摺動又は転動するように構成されている。この球状部材8aがガイド溝2bに沿って摺動又は転動することで、スライド部材8がケース2に対して回転することなく、回転軸芯MX方向に沿ってスライド移動する。
【0034】
スライド部材8の一方の端部(揺動部6側の端部)には、レバー部材7のボール部73が回転軸芯MX方向に沿って当接する当接面を有する当接部8bが形成されている。スライド部材8の他方の端部(支持部5側の端部)には、ダイヤルゲージ3の測定子32が当接し、保持部4の基端側(支持部5側)に行くほど回転軸芯MXに接近する傾斜部8cが周方向に亘って設けられている。揺動部6の測定部61に力が作用していない初期状態では、ダイヤルゲージ3の突出側の押圧力により測定子32が傾斜部8cを押圧することによりスライド部材8が最も揺動部6側に位置しており、単位量変換部材9のピン9bがストッパピン22cに当接した状態となっている(図3参照)。この状態から揺動部6が揺動したとき、揺動部6の揺動量が伝達されたスライド部材8が、ダイヤルゲージ3の突出側の押圧力に対抗して回転軸芯MX方向に沿って支持部5側に移動し、スライド部材8の傾斜部8cに沿ってダイヤルゲージ3の測定子32が引退する(図10参照)。
【0035】
このように、スライド部材8に傾斜部8cを設ければ、スライド部材8の回転軸芯MX方向の移動量を回転軸芯MX方向と垂直な方向の移動量としてダイヤルゲージ3が検出することとなる。このため、本実施形態のようにストローク式のダイヤルゲージ3を用いた場合、ケース2の外面のうち回転軸芯MX方向と垂直な方向にダイヤルゲージ3を配置することが可能となるため、ダイヤルゲージ3によって回転軸芯MX方向の寸法が長くなることが無い。しかも、ダイヤルゲージ3の測定子32の外面が断面円弧状に形成されているため、測定子32と傾斜部8cとの当接がスムーズとなり、測定子32およびスライド部材8の長寿命化が図られる。
【0036】
(測定方法)
次に、芯ずれ測定装置1を用いた工具ホルダ取付け部95の芯ずれの測定について説明する。図3に示すように、まず、工具ホルダ取付け部95の内周には、揺動部6の測定部61を接触する断面円形状の案内面95bが形成されている。芯ずれ測定装置1を回転基盤93に取り付ける。そして、図10に示すように、揺動部6の測定部61が案内面95bに接触する位置まで刃物台94を主軸芯CX方向に沿って移動させる。このとき、案内面95bと測定部61とが接触したことをダイヤルゲージ3のインジケータ33の振れを確認しながら、回転基盤93に対する芯ずれ測定装置1の取付位置を調整し、最終的には調整ハンドル55をねじ込んで、芯ずれ測定装置1全体を傾かせることで微調整する。次いで、案内面95bに揺動部6の測定部61を沿わせつつ回転駆動装置90を駆動させることにより、支持部5,保持部4,レバー部材7,単位量変換部材9および揺動部6を一体的に回転させて工具ホルダ取付け部95の芯ずれを測定する。
【0037】
回転駆動装置90を回転駆動させると、芯ずれ測定装置1は回転基盤93の回転と共に第2周方向C2に沿って主軸芯CX周りに公転すると共に、第1周方向C1に沿って回転軸芯MX周りに自転する。この際、固定ウェイト25の重みによりケース2およびダイヤルゲージ3は回転せず、支持部5,保持部4,レバー部材7,単位量変換部材9および揺動部6は回転軸芯MX周りに回転基盤93と一体的に回転する。なお、揺動部6は、回転軸芯MXの公転軌跡よりも径外方向R1にある偏心軸芯HXの公転軌跡となる。
【0038】
工具ホルダ取付け部95の中心95Xと主軸芯CXとが一致していない場合には、例えば、図11に示すような状態となる。図11において、一点鎖線は回転軸芯MXの公転軌跡を示し、二点鎖線は偏心軸芯HXの公転軌跡を示している。また、図11において、破線円は、工具ホルダ取付け部95の案内面95bに接触していない状態(自由回転状態)における揺動部6の測定部61を示しており、実線円は、工具ホルダ取付け部95の案内面95bに接触した状態における揺動部6の測定部61を示している。同図に示すように、工具ホルダ取付け部95の中心95Xと主軸芯CXとが一致していない場合には、測定部61の旋回が工具ホルダ取付け部95の案内面95bによって妨げられる量が周方向の場所によって異なることとなる。つまり、揺動部6の揺動量は、破線で示す測定部61から実線で示す測定部61に移動する移動量と一致し、図面上方に示す揺動量は図面下方に示す揺動量に比べて大きくなっている。この揺動量の変化は、測定部61の旋回に連れて測定部61に伝達される。
【0039】
図10に示すように、測定部61の揺動に伴い、揺動量が伝達部62を介して単位量変換部材9に伝達され、支点軸63を支点として単位量変換部材9が揺動し、ピン9bが回転軸芯MX方向に沿って移動する。この単位量変換部材9の揺動量が、ピン9bに当接するレバー部材7のスライドピン72に伝達され、レバー部材7が支点軸71を支点として揺動し、ボール部73が回転軸芯MX方向に沿って移動する。このレバー部材7の揺動量が、ボール部73に当接するスライド部材8の当接部8bに伝達され、スライド部材8が回転軸芯MX方向に沿ってスライド移動する。そして、スライド部材8の傾斜部8cに当接しているダイヤルゲージ3の測定子32が、スライド部材8の回転軸芯MX方向の移動量に基づく回転軸芯MX方向と垂直な方向の移動量を測定部61の揺動量として検出する。なお、揺動部6の径外方向R1への揺動は、ストッパピン22cにピン9bが当接することで規制され、揺動部6の径内方向R2への揺動は、レバー部材7がフランジ部41cに当接することで規制されている。
【0040】
このようにして測定部61の揺動量をダイヤルゲージ3が検出するため、揺動量が一定でない場合、ダイヤルゲージ3の検出値が一定で無くなる。この場合、ダイヤルゲージ3の検出値(測定部61の揺動量)が一定若しくは所定の範囲内となるまで、刃物台94を回転軸芯MXと直交する方向に移動させることにより、工具ホルダ取付け部95の中心95Xと主軸芯CXとを一致させることができる。このように、本実施形態における芯ずれ測定装置1は、ダイヤルゲージ3の検出値が一定とならない場合に工具ホルダ取付け部95の中心95Xと主軸芯CXとの芯ずれを測定することができ、ダイヤルゲージ3の検出値が一定となる場合に工具ホルダ取付け部95の中心95Xと主軸芯CXとの芯ずれが無いことを判定することができる。これにより、工具ホルダ取付け部95の中心95Xの基準点(芯出し)が正確なものとなる。
【0041】
このように、本実施形態では、測定対象に芯ずれがあると揺動部6の測定部61の揺動量が一定とならず、その揺動量が保持部4と同期して回転するレバー部材7を介してスライド部材8に伝達される。そして、スライド部材8の移動に伴いダイヤルゲージ3が揺動量を検出する。つまり、回転軸芯MXで回転する保持部4の先端側に保持された揺動部6が揺動し、回転軸芯MX方向と交差する方向に延在するレバー部材7に伝達された揺動量がスライド部材8の移動量として検出される構成である。このように、揺動部6の揺動量が伝達されるレバー部材7の延在方向が回転軸芯MX方向と交差する方向であるため、回転軸芯MX方向の寸法を短くすることができる。よって、工具保持器96(工具ホルダ取付け部95)とチャック91との間隔が小さい旋盤であっても、芯ずれ測定装置1を用いることができる。
【0042】
しかも、スライド部材8とダイヤルゲージ3の測定子32とを当接させる構成であるため、スライド部材8の形状を変更するだけで、ストローク式のダイヤルゲージ3にも、測定子32の揺動量によって指針が振れるてこ式のダイヤルゲージにも対応させることができる。
【0043】
以下、別実施形態について、上述した実施形態と異なる構成のみ説明する。なお、図面の理解を容易にするため、同じ部材には同じ名称および符号を用いて説明する。
【0044】
(別実施形態1)
図12図13に示すように、上述した実施形態における単位量変換部材9を省略しても良い。本実施形態では、揺動部6の伝達部62の一部をレバー部材7に直接嵌合している。この場合、揺動部6の測定部61の測定対象に対する接触点が力点となると共に、ボール部73とスライド部材8との当接点が作用点となり、支点軸71を支点としてレバー部材7が揺動する。このため、(ボール部73とスライド部材8との当接点と支点軸71との距離)/(揺動部6の測定部61の測定対象に対する接触点と支点軸71との距離)の比率に比例して、揺動部6の揺動量がレバー部材7に伝達される。つまり、本実施形態では、揺動部6の回転軸芯MX方向の寸法が長くなった場合、ボール部73とスライド部材8との当接点と支点軸71との距離を長くする必要があるため、径寸法のコンパクト化には不利である。しかしながら、本実施形態においては、上述した実施形態に比べて単位量変換部材9を省略しているため、さらに回転軸芯MX方向の寸法を短くすることができる。このように、本実施形態のように図12に示す正面図は、上述した実施形態のように図2に示す正面図に比べて、蓋部22の回転軸芯MX方向の寸法がさらに短くなっている。
【0045】
(別実施形態2)
図14に示すように、上述した実施形態におけるスライド部材8の傾斜部8cを無くし、断面矩形状のスライド部材8Aで構成しても良い。この場合、スライド部材8における回転軸芯MX方向の移動量を検出できるてこ式のダイヤルゲージ3Aが用いられる。
【0046】
[その他の実施形態]
(1)上述した第一軸受B1,第二軸受B2および軸受支持体21に代えて、保持部4とケース2との間に、自由回転する内輪を保持部4に圧入すると共に外輪をケース2に圧入した転がり軸受を設けても良い。
(2)上述した支持部5の調整部52を省略して、回転基盤93に対する芯ずれ測定装置1の取付位置のみを調整して、揺動部6の測定部61が案内面95bに接触するように構成しても良い。
(3)上述した保持部4と支持部5とを一体で成形しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、旋盤や円筒研削盤等のセンタの芯ずれを測定するための芯ずれ測定装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 :芯ずれ測定装置
2 :ケース
3 :ダイヤルゲージ
4 :保持部
5 :支持部
6 :揺動部
7 :レバー部材
8 :スライド部材
8c :傾斜部
9 :単位量変換部材
32 :測定子
71 :支点軸(揺動軸芯)
MX :回転軸芯(軸芯)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14