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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】自動音声応答システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220804BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021182109
(22)【出願日】2021-11-08
【審査請求日】2021-11-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521487627
【氏名又は名称】株式会社アシスト
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】関口 美則
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-004300(JP,A)
【文献】特開2011-134175(JP,A)
【文献】国際公開第2017/175363(WO,A1)
【文献】特開2003-319070(JP,A)
【文献】特開2006-004274(JP,A)
【文献】特開2004-363847(JP,A)
【文献】特開2019-110412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
H04M 3/42 - 3/58
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者から電話を受けた場合に、依頼者と、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者とを自動でマッチングする自動音声応答システムであって、
業者情報を記憶している記憶部と、
依頼者に音声案内を行い、依頼者から依頼内容およびサービス提供場所を含む依頼情報を取得する音声案内部と、
前記音声案内部により取得された前記依頼情報と、前記記憶部に記憶した業者情報とに基づいて、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索する制御部と、を有し、
前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、検索された業者の情報端末に前記依頼情報を送信し、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記依頼情報と、前記依頼情報よりも詳細な依頼に関する情報である詳細情報とを、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信することで、前記不特定多数の業者に依頼を引き受けるかを個別判断させることが可能な、自動音声応答システム。
【請求項2】
前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記依頼情報と、依頼者からさらに取得した詳細情報とを、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信する、請求項1に記載の自動音声応答システム。
【請求項3】
前記音声案内部は、依頼者から前記詳細情報を取得する機能を有し、
前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、当該業者の情報端末に前記依頼情報を送信し、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できなかった場合には、前記音声案内部に、依頼者から前記詳細情報を取得させる、請求項1に記載の自動音声応答システム。
【請求項4】
前記音声案内部は、前記依頼情報を取得する場合、前記依頼情報を取得するための第1音声メッセージを依頼人に出力し、前記第1音声メッセージに応答して依頼人が入力した前記依頼情報を取得し、前記詳細情報を取得する場合、前記詳細情報を取得するための第2音声メッセージを依頼人に出力し、前記第2音声メッセージに応答して依頼人が入力した前記詳細情報を取得する、請求項3に記載の自動音声応答システム。
【請求項5】
前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、前記音声案内部に、当該業者から依頼者に連絡を行う旨の音声案内を行わせ、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記音声案内部に、依頼者から依頼の詳細に関する詳細情報をヒアリングする旨の音声案内を行わせる、請求項1に記載の自動音声応答システム。
【請求項6】
前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記詳細情報を、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信する、請求項ないし5のいずれかに記載の自動音声応答システム。
【請求項7】
前記記憶部に記載された前記業者情報は随時更新可能である、請求項1ないし6のいずれかに記載の自動音声応答システム。
【請求項8】
依頼者から電話を受けた場合に、依頼者と、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者とを自動でマッチングする処理を、コンピューターを用いて行うプログラムであって、
依頼者に音声案内を行い、依頼者から依頼内容およびサービス提供場所を含む依頼情報を取得し、
業者情報を記憶している記憶部から前記業者情報を取得し、
前記依頼情報と、前記業者情報とに基づいて、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索し、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、検索された業者の情報端末に前記依頼情報を送信し、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記依頼情報と、前記依頼情報よりも詳細な依頼に関する情報である詳細情報とを、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信することで、前記不特定多数の業者に依頼を引き受けるかを個別判断させることが可能な、プログラム。
【請求項9】
頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記依頼情報と、依頼者からさらに取得した詳細情報とを、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信する、請求項8に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、依頼者からの電話に対して、依頼者と、依頼者の依頼内容に対応可能な業者とをマッチングさせる自動音声応答システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、依頼者に対する問い合わせ事項を予め準備しておくとともに、当該問い合わせに対する回答の選択肢を準備しておき、依頼者が自身の依頼内容に応じた選択肢を選択することで、当該選択肢に応じて予め準備されていたメッセージを音声案内する自動音声応答システムが知られている。また、このような自動音声応答システムにおいて、依頼者が入力した入力情報に基づいてマッチング処理を行い、マッチング結果を音声案内する技術も開示されている。たとえば特許文献1では、利用者が必要としている企業・店舗の検索条件に基づく検索結果を、利用者に音声案内により提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002‐063176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1などの従来の自動音声応答システムでは、マッチング結果をそのまま依頼者に提供するものであり、マッチング結果(マッチングできた場合と、マッチングできなかった場合)によって、その後の処理を変更するものではなかった。しかしながら、近年、サービスの質や効率性の向上、省人化の観点から、単にマッチング結果を提示するのではなく、マッチング結果に応じた処理を続いて実行することが可能な、自動音声応答システムが希求されている。
【0005】
本発明は、業務サービスの質や効率性の向上、省人化を図ることが可能な自動音声応答システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自動音声応答システムは、依頼者から電話を受けた場合に、依頼者と、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者とを自動でマッチングする自動音声応答システムであって、業者情報を記憶している記憶部と、依頼者に音声案内を行い、依頼者から依頼情報を取得する音声案内部と、前記音声案内部により取得された前記依頼情報と、前記記憶部に記憶した業者情報とに基づいて、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索する制御部と、を有し、前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、検索された業者の情報端末に前記依頼情報を送信し、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記依頼情報を、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信する。
上記自動音声応答システムにおいて、前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記依頼情報と、依頼者からさらに取得した詳細情報とを、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信するように構成することができる。
上記自動音声応答システムにおいて、前記音声案内部は、依頼者から前記依頼情報よりも詳細な依頼に関する情報である詳細情報を取得する機能を有し、前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、当該業者の情報端末に前記依頼情報を送信し、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できなかった場合には、前記音声案内部に、依頼者から前記詳細情報を取得させるように構成することができる。
上記自動音声応答システムにおいて、前記音声案内部は、前記依頼情報を取得する場合、前記依頼情報を取得するための第1音声メッセージを依頼人に出力し、前記第1音声メッセージに応答して依頼人が入力した前記依頼情報を取得し、前記詳細情報を取得する場合、前記詳細情報を取得するための第2音声メッセージを依頼人に出力し、前記第2音声メッセージに応答して依頼人が入力した前記詳細情報を取得するように構成することができる。
上記自動音声応答システムにおいて、前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、前記音声案内部に、当該業者から依頼者に連絡を行う旨の音声案内を行わせ、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記音声案内部に、依頼者から前記詳細情報を取得させるように構成することができる。
上記自動音声応答システムにおいて、前記制御部は、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記詳細情報を、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信するように構成することができる。
上記自動音声応答システムにおいて、前記記憶部に記載された前記業者情報は随時更新可能である構成とすることができる。
【0007】
本発明に係るプログラムは、依頼者から電話を受けた場合に、依頼者と、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者とを自動でマッチングする処理を、コンピューターを用いて行うプログラムであって、依頼者に音声案内を行い、依頼者から依頼情報を取得し、業者情報を記憶している記憶部から前記業者情報を取得し、前記依頼情報と、前記業者情報とに基づいて、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索し、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、検索された業者の情報端末に前記依頼情報を送信し、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記依頼情報を、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信する処理を変更する。
上記プログラムにおいて、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者を検索できない場合には、前記依頼情報と、依頼者からさらに取得した詳細情報とを、前記業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末に送信するように構成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、マッチング結果に応じた処理を続けて実行可能となるため、業務サービスの質や効率性の向上や省人化を図ることが可能な自動音声応答システムおよびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る自動音声応答システムの構成を示す図である。
図2】業者情報の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る自動音声応答処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る自動音声応答システム1の構成を示す図である。本実施形態において、自動音声応答システムの運営者は、ハウスサービスの提供を受けたい依頼者と、ハウスサービスを提供する各業者(業者)との仲介を行う者である。また、図1において、業者として3店舗を図示しているが、業者の数は3店舗に限定されず、3店舗よりも大きい数とすることができる。なお、以下においては、業者が保有する情報端末3a~3cを例示しているが、情報端末3a~3cを単に情報端末3としても説明する。
【0011】
本実施形態において、ハウスサービスとは、依頼人の敷地内をサービス提供の場とするものであれば特に限定されず、たとえば、水道トラブルの解消、不用品回収、電気トラブルの解消、害虫駆除、獣害駆除、草刈、掃除、エアコン取付け・取外し工事やエアコンクリーニングなどのエアコン関連サービス、鍵の紛失や破損による鍵関連サービス、ガラスの破損や交換などのガラス関連サービス、ガスレンジ設置や交換・修理などのガス関連サービス、引っ越しや家具搬送などの搬送、パソコントラブルの解消、日曜大工や家事代行など家事サービス、内装工事、外構工事、外壁塗装、屋根補修、看板作成・設置、建物解体、遺品整理などのサービスが一例として挙げられる。
【0012】
本実施形態では、運営者の図示しないウェブサーバーに、各ハウスサービスと1体1で対応するサービス名(例えば、○○設置プロ)およびURLを有するホームページが開設されており、依頼者は依頼したいハウスサービスに対応するサービス名のホームページを、インターネットを介して参照することが可能となっている。各サービス名のホームページには、各ハウスサービスと1体1で対応する電話番号が掲載されており、依頼者は依頼したいハウスサービスに対応する電話番号に電話をかけることとなる。
【0013】
具体的には、図1に示すように、依頼者が電話機Pから所定のハウスサービスに応じた電話番号に電話をかけると、電話回線網を介して自動音声応答システム1と依頼者の電話機Pとの間で通話が接続される。自動音声応答システム1は、図1に示すように、IVRサーバー11、管理サーバー12、およびデータベース13を有しており、まずIVRサーバー11が依頼者からの電話を受け、自動音声応答を行う。IVRサーバー11は、自動音声応答機能を有しており、依頼者がかけた電話番号に応じて予め定められた音声メッセージを出力する。さらに、IVRサーバー11は、依頼者に依頼内容を問い合わせる音声案内を行うことで、依頼者に依頼内容の入力を促し、依頼者が電話機Pを介して入力した依頼内容を依頼情報として取得する。また、本実施形態では、依頼者が依頼情報を入力すると、依頼者との通話を確立したまま、並行して、IVRサーバー11が取得した依頼情報がIVRサーバー11から管理サーバー12へと送信され、管理サーバー12において、依頼情報に基づいて依頼者が所望するサービスを提供可能な業者の検索が行われる。そして、本実施形態では、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者が検索された場合には、検索された業者に依頼情報を送信し、一方、依頼者が所望するサービスを提供可能な業者が検索できなかった場合には、依頼情報よりも詳細な依頼に関する詳細情報を取得するための音声案内を行うなど、検索結果に応じた処理が実行される。以下に、本実施形態に係る自動音声応答システム1の各構成と処理について説明する。
【0014】
IVRサーバー11は、自動音声応答プログラムを記憶装置に記憶しており、当該プログラムを処理装置で実行することで、依頼者が入力した依頼情報に対する応答が可能となっている。具体的には、IVRサーバー11は、自動音声応答プログラムを実行することで、依頼者に所定の音声案内を行い依頼者から依頼情報を取得する自動音声応答機能と、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索するマッチング処理を呼び出すためのマッチング処理呼び出し機能とを有する。以下に、IVRサーバー11が実行する各機能について説明する。
【0015】
自動音声応答機能は、依頼者から電話を受けた場合に、依頼者の依頼内容を把握するために、依頼者がかけた所定の電話番号(ホームサービスごとに対応する電話番号)に応じた音声メッセージを発信し、回答を選択してもらうことで、依頼者の依頼内容を依頼情報として取得する。本実施形態においては、依頼情報には、依頼者の住所(サービス提供場所)、電話番号、依頼内容などの情報を含むことができる。たとえば、自動音声応答機能は、依頼者に対して「対応エリア内か確認致しますので、現地ご住所の郵便番号を、7桁の数字で入力して下さい。わからなければシャープを押してください。」との音声メッセージを発信し、依頼者に依頼者の住所(サービス提供場所)を入力させることで、依頼者が入力した依頼者の住所を依頼情報として取得することができる。同様に、自動音声応答機能は、「折り返しご連絡させていただく電話番号を入力してから、シャープを押してください。」との音声メッセージを発信することで、依頼者の電話番号の情報を、依頼情報として取得することができる。さらに、依頼者が掃除を依頼したいため、運営者の掃除に特化したホームページを参照して、掃除に対応する電話番号にかけてきた場合、既に掃除に関する依頼であることは把握できているため、たとえば「掃除する場所が家全体の場合は『1』を、浴槽の場合は『2』を、トイレの場合は『3』を押してください。」などの音声メッセージを初めに発信することもできる。そして、依頼者が浴槽の掃除を依頼したい場合には、依頼者が電話機Pのボタンの『2』を押すことで、依頼内容が浴槽の掃除であることが、依頼情報として取得されることとなる。
【0016】
マッチング処理呼び出し機能は、管理サーバー12に、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索するマッチング処理を実行させる。本実施形態では、図1に示すように、IVRサーバー11と管理サーバー12とが通信可能に接続しており、互いに情報の授受が可能となっている。そのため、マッチング処理呼び出し機能は、管理サーバー12に対してマッチング処理を実行する旨の要求を出力するとともに、マッチング処理に必要な依頼情報を管理サーバー12に送信する。これにより、後述するように、管理サーバー12において、依頼情報に基づいて、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者の検索が行われる。また、マッチング処理呼び出し機能は、管理サーバー12においてマッチング処理が終了すると、マッチング結果に応じて依頼者に返答する情報を、管理サーバー12から取得する。
【0017】
また、本実施形態において、自動音声応答機能は、マッチング処理呼び出し機能により呼び出されたマッチング処理のマッチング結果に応じた音声案内を行う。本実施形態では、依頼者が所望するホームサービスを提供できる業者を検索できた場合に、管理サーバー12が、業者の端末に依頼情報を送信し、業者から依頼者の電話番号に折り返し連絡をしてもらう。そのため、自動音声応答機能は、依頼者が所望するホームサービスを提供できる業者が検索できた場合には、当該業者から折り返し連絡をする旨を依頼者に対して音声案内する。一方、依頼者が所望するホームサービスを提供できる業者が検索できなかった場合、管理サーバー12は、その旨をIVRサーバー11に送信し、IVRサーバー11に、依頼者の依頼情報の詳細に関する詳細情報を取得するように指示する。これにより、自動音声応答機能は、依頼者に、詳細情報を取得するための第2音声メッセージを出力し音声案内を行う。そして、自動音声応答機能は、依頼者が第2音声メッセージに返答して情報を入力することで、詳細情報を依頼者から取得することができる。このように、本実施形態においては、依頼者が選択した選択肢に対応する応答をするのではなく、マッチング結果により、自動音声応答機能が応答する処理内容を変化させることで、音声案内をマッチング結果に応じた処理(検索された業者の情報端末への依頼情報の送信や、依頼者の詳細情報を取得するための処理)を続けて行うことができる。
【0018】
次に、本実施形態に係る管理サーバー12について説明する。管理サーバー12は、IVRサーバー11と通信可能に接続しているとともに、データベース13とも通信可能に接続しており、データベース13に記憶されている業者情報を参照することが可能となっている。また、管理サーバー12は、マッチング処理を行うためのプログラムを記憶装置に記憶しており、IVRサーバー11からマッチング処理の呼び出しが行われた場合に、当該プログラムを実行する。本実施形態において、管理サーバー12は、処理装置により、マッチング処理プログラムを実行することで、依頼者の依頼情報に合致した業者を検索するマッチング機能と、マッチング結果に応じて依頼情報を各種に提供する情報提供機能とを有する。以下において、管理サーバー12が有する各種機能について説明する。
【0019】
マッチング機能は、IVRサーバー11から送信される依頼情報と、データベース13に記憶されている業者情報とに基づいて、依頼者が所望するホームサービスを提供できる業者を検索する。ここで、IVRサーバー11のマッチング処理呼び出し機能が、管理サーバー12にマッチング処理を行わせるために、管理サーバー12に、マッチング処理の要求とともに、依頼情報を送信する。そして、IVRサーバー11から送信された依頼情報は、管理サーバー12により、データベース13に記憶される。マッチング機能は、IVRサーバー11から送信されたマッチング処理の要求を受信すると、依頼者の依頼情報を、データベース13から取得する。さらに、マッチング機能は、データベース13に記憶された業者情報を参照し、依頼者の依頼情報と照合することで、依頼者の依頼内容に合致する1または複数の業者を検索する。なお、マッチング機能は、依頼者の依頼内容に合致する複数の業者が検索された場合には、依頼情報の各項目に重み付けを行うなどにより、複数の業者の中から最も合致度の高い1の業者を特定する構成とすることもできる。
【0020】
ここで、図2は、データベース13に記憶された業者情報の一例を示す図である。図2に示すように、データベース13は、業者情報として、たとえば業者ごとのサービス提供エリアと提供サービスの内容とを記憶している。これにより、マッチング機能は、依頼情報に含まれる依頼者の住所情報(郵便番号)と、業者がサービス提供可能なエリアとを比較するとともに、依頼者の依頼内容(依頼者が所望するホームサービス)と業者がサービス提供可能なサービス内容とを比較することで、依頼者の住所においてサービス提供することが可能であり、かつ、依頼者が所望するハウスサービスを提供可能な1または複数の業者を特定することができる。
【0021】
たとえば、依頼者の依頼情報において、依頼者の住所情報が「地域ロ」であり、依頼したハウスサービスの内容が「掃除」である場合に、マッチング機能は、「地域ロ」をサービス提供エリアとしており、かつ、提供可能なサービスが「掃除」である業者を検索する。たとえば、図2に示す例においては、サービス提供エリアに「地域ロ」を含み、かつ、提供サービスの内容に「清掃」を含む業者として「業者D」が記憶されている。この場合、マッチング機能は、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者として、「業者D」を検出することとなる。
【0022】
なお、データベース13の情報は、管理サーバー12を介して随時更新される。なお、「随時更新」とは、時期に関係なく、たとえば、運営者が、業者からの依頼を受けて管理サーバー12に業者情報を登録/変更する構成とすることができ、また、登録専用のホームページを作成しておき、業者がこのホームページに必要事項を入力することで、自動で、業者情報を登録/変更する構成とすることもできる。また、「随時更新」として、毎日、毎週、毎月などの比較的短い一定期間ごとにバッチ処理などにより、業者情報を登録/更新する構成とすることもできる。このように、データベース13に登録されている業者情報は随時変更されるため、マッチング機能によるマッチング結果も固定されるものではなく、時間によって変化するものということができる。
【0023】
管理サーバー12の情報提供機能は、マッチング機能のマッチング結果に基づいて、必要な情報を必要な箇所に提供する。具体的には、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できた場合、情報提供機能は、IVRサーバー11に、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できた旨の情報を送信するとともに、検索された業者の情報端末3に対して、依頼情報を送信する。これにより、業者に、依頼者の電話番号に電話させて、依頼の打ち合わせを行わせることが可能となる。また、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できなかった場合、情報提供機能は、IVRサーバー11に、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できない旨の情報を送信し、依頼者の詳細情報を取得するための音声案内を行わせる。これにより、IVRサーバー11が、依頼者に詳細情報を取得するための第2音声メッセージを出力し、この第2音声メッセージに対して依頼者が詳細情報を入力することで、IVRサーバー11が詳細情報を取得することができる。取得された詳細情報は、IVRサーバー11から管理サーバー12へと送信され、管理サーバー12を介して、データベース13に記憶される。
【0024】
次に、本実施形態に係る自動音声応答処理について説明する。図3は、本実施形態に係る自動音声応答処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る自動音声応答処理は、依頼者が、依頼者が所望するハウスサービスに応じた電話番号に電話をかけることで開始される。
【0025】
ステップS101では、IVRサーバー11の自動音声応答機能により、依頼者との間で通話が確立される。なお、本実施形態では、ステップS102以降において、自動音声応答機能による自動音声応答に並行して、後述する管理サーバー12による制御処理が実行される。また、本実施形態では、ステップS108またはS113で依頼者に折り返し連絡する旨の音声案内が行われるまで、依頼者との間の通話は確立したままの状態とされる。
【0026】
ステップS102では、IVRサーバー11の自動音声応答機能により、依頼者の依頼情報が取得される。たとえば、自動音声応答機能は、依頼者に対して、依頼情報を問い合わせるための第1音声メッセージを出力し、第1音声メッセージに対する応答として、依頼者が、電話機Pを操作して、依頼者の住所や依頼内容などの依頼情報を入力する。これにより、自動音声応答機能は、依頼者の依頼情報を取得することができる。
【0027】
ステップS103では、IVRサーバー11のマッチング処理呼び出し機能により、管理サーバー12でのマッチング処理の呼び出しが行われる。なお、IVRサーバー11は、マッチング処理を呼び出す際に、マッチング処理の要求と共に、ステップS102で取得した依頼情報を、IVRサーバー11に送信する。
【0028】
ステップS104では、管理サーバー12のマッチング機能により、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索するマッチング処理が実行される。具体的には、マッチング機能は、データベース13に記憶されている業者情報と、ステップS103で管理サーバー12に送信された依頼情報とを照合し、依頼者の依頼内容に適合した1または複数の業者を検索する。
【0029】
ステップS105では、管理サーバー12の情報提供機能により、ステップS104のマッチングの結果、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できたか否かの判定が行われる。マッチングの結果、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できた場合は、ステップS106に進み、一方、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できない場合には、ステップS109に進む。
【0030】
ステップS106では、管理サーバー12において依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できたため、管理サーバー12の情報提供機能により、IVRサーバー11に、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できた旨の情報が送信される。これにより、続くステップS107では、IVRサーバー11の自動音声応答機能により、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できたため、業者から依頼者に連絡する旨の音声案内が行われる。
【0031】
また、続くステップS108では、管理サーバー12の情報提供機能により、ステップS104で検索された業者に対して、依頼情報が送信される。これにより、業者が、依頼者の電話番号に電話し、依頼情報に基づいて、依頼の打ち合わせを行うことが可能となる。
【0032】
また、ステップS105において、マッチングの結果、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できないと判定された場合は、ステップS109に進む。ステップS109では、管理サーバー12の情報提供機能により、IVRサーバー11に、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できなかった旨の情報が送信される。これにより、続くステップS110では、IVRサーバー11の自動音声応答機能により、依頼者の依頼の詳細な情報である詳細情報を取得するための第2音声メッセージが出力される。これに対して、依頼者が、詳細情報を入力することで、自動音声応答機能は、詳細情報を取得することができる。
【0033】
さらに、ステップS111では、IVRサーバー11の自動音声応答機能により、ステップS110で取得した詳細情報が、管理サーバー12に送信される。そして、管理サーバー12は、取得した詳細情報をデータベース13に記憶する。また、ステップS112では、管理サーバー12の情報提供機能により、詳細情報を含む依頼情報が、業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末3へと送信される。これにより、各業者は、依頼者の詳細情報を把握することでき、依頼者の依頼内容と業者情報上では合致しなかった場合でも、詳細情報を見て依頼を引き受けるかを個別判断することができ、業者と依頼者とのマッチングを支援することが可能となる。
【0034】
続くステップS113では、管理サーバー12の情報提供機能により、依頼者に対して、業者または担当者から依頼者に連絡する旨の音声案内が行われる。すなわち、ステップS112において、複数の業者に依頼者の詳細情報を送信しているが、業者が依頼者の依頼を引き受けるかまでは決定していない。そのため、依頼者の依頼を引き受けたい業者は、担当者に連絡の上、依頼者に連絡することで、依頼を引き受けることができ、また、依頼を引き受けたい業者がいない場合には、担当者から依頼者にその旨が連絡される。
【0035】
以上のように、本実施形態では、データベース13に業者情報を記憶しておき、管理サーバー12が、依頼者から取得した依頼情報と、データベース13に記憶した業者情報とを照合し、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索する。そして、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できたか否かのマッチング結果に応じて、実行する処理を変更する。具体的には、管理サーバー12は、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、検索された業者の情報端末3に依頼情報を送信する処理を行い、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できなかった場合には、依頼者から依頼内容の詳細に関する詳細情報を取得するため、第2音声メッセージを出力し音声案内を行う。このように、本実施形態では、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者の検索結果に基づいて実行する処理を変更することで、マッチング結果に応じた処理を続けて行うことが可能となる。その結果、マッチング結果を単に依頼者に返信する場合と比べて、依頼者に対して業者側からアプローチさせることが可能となり、業務サービスの質の向上を図ることができる。また、本実施形態では、マッチング結果に応じた処理として、業者に依頼情報が送信されるため、従来のようにマッチング結果に基づいて所定の担当者が依頼者に業者との仲介を電話で行う場合と比べて、サービスの効率化と省人化を図ることもできる。
【0036】
また、本実施形態に係る自動音声応答システム1では、自動音声応答処理を、依頼者が入力した情報に基づいて音声案内を行うだけではなく、依頼者のマッチング結果に応じて、音声案内の内容も変更することで、マッチング結果に応じた音声案内を柔軟に行うこともできる。たとえば、本実施形態では、IVRサーバー11は、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できた場合には、当該業者から依頼者に連絡する旨の音声案内を行い、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できなかった場合には、依頼者にさらに依頼の詳細に関する詳細情報を入力してもらうように音声案内を行うことができる。
【0037】
さらに、本実施形態では、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できなかった場合に、依頼者から詳細情報を取得し、詳細情報を含む依頼情報を、業者情報に登録された不特定多数の業者の情報端末3に送信する。これにより、データベース13に記憶されている業者情報において、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できない場合であっても、依頼者の依頼の詳細情報を把握させることで、業者に依頼者の依頼を引き受けてもよいと判断してもらいやすくなり、依頼者と業者とのマッチングを支援することが可能となる。
【0038】
加えて、本実施形態では、ホームサービスごとにホームページが設立されており、ホームサービスごとに電話番号が設定されている。そのため、依頼者がかけてきた電話番号に応じて、依頼者が依頼したいホームサービスを特定することができるため、電話番号に応じて依頼者に問い合わせる音声案内の内容を変更している。これにより、依頼者の依頼内容をある程度絞って問い合わせを行うことができ、依頼内容を入力する依頼者の煩雑さを低減することができる。たとえば、掃除を依頼したい依頼者は掃除依頼用のホームページを参照し、掃除依頼用の電話番号に電話をかけることで、依頼者が最初に依頼したいサービスの内容(すなわち「掃除」)を電話機Pのボタンで選択する手間を省略することができる。また、本実施形態では、図1に示すように、複数種類のホームサービスそれぞれに対応する複数の電話番号に対する制御を、1つの自動音声応答システム1(1台のIVRサーバー11と1台の管理サーバー12)で処理することが可能となっており、ホームサービスごとに自動音声応答システム1(IVRサーバー11や管理サーバー12)を設置する必要がない。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0040】
たとえば、上述した実施形態では、IVRサーバー11と管理サーバー12とをそれぞれ独立した装置とする構成を例示したが、この構成に限定されず、1つのサーバーがIVRサーバー11の機能と管理サーバー12の機能とを有する構成とすることもできる。また、本実施形態では、データベース13を有する構成を例示したが、この構成に限定されず、データベース13に代えて、管理サーバー12がデータベース13に記憶する業者情報や依頼情報を記憶する構成とすることもできる。
【0041】
また、上述した実施形態では、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索できたか否かのマッチングの結果、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できないと判定された場合(ステップS105=NO)には、IVRサーバー11に、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できなかった旨の情報が送信され(ステップS109)、IVRサーバー11の自動音声応答機能により、依頼者の依頼の詳細な情報である詳細情報を取得するための第2音声メッセージが出力される(ステップS110)構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できないと判定された場合(ステップS105=NO)には、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者が検索できなかった旨と、依頼者の詳細情報を入力するためのURLなどの入力先とを含むメッセージ情報が、IVRサーバー11を介して、SNSやメールなどの形式で、依頼者の端末装置に送信され、依頼者が、このメッセージ情報に対して、依頼者の詳細情報を入力することで、依頼者の詳細情報を各業者に提供する構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0042】
P…電話機
1…自動音声応答システム
11…IVRサーバー
12…管理サーバー
13…データベース
21…電話機
22…情報端末
3…情報端末
【要約】
【課題】マッチング結果に基づいて、その後の処理を柔軟に変更することができる自動音声応答システムを提供すること。
【解決手段】依頼者から電話を受けた場合に、依頼者と、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者とを自動でマッチングする自動音声応答システムであって、業者情報を記憶している記憶部13と、依頼者に音声案内を行い、依頼者から依頼情報を取得する音声案内部11と、音声案内部11により取得された依頼情報と、記憶部13に記憶した業者情報とに基づいて、依頼者が所望するホームサービスを提供可能な業者を検索し、当該検索結果に応じて、後に実行する処理を変更する制御部12と、を有する自動音声応答システム。
【選択図】図1
図1
図2
図3