(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】流体排出システム及びその押出し器
(51)【国際特許分類】
B65D 90/00 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
B65D90/00 J
(21)【出願番号】P 2020505381
(86)(22)【出願日】2018-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2018097330
(87)【国際公開番号】W WO2019024770
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2020-03-27
(31)【優先権主張番号】201710657558.0
(32)【優先日】2017-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海箱箱智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HOREN CORTP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】28th Floor, Building A, NO.1520 Gumei Road, Caohejing High-Tech Park, Xuhui District, Shanghai, 200233, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェンウェイ、ファン
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0096293(US,A1)
【文献】米国特許第08550297(US,B2)
【文献】登録実用新案第3002156(JP,U)
【文献】特表2014-525375(JP,A)
【文献】登録実用新案第3043307(JP,U)
【文献】国際公開第2011/080402(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のローリングシャフト、駆動装置及び取付ラックを含み、
前記一対のローリングシャフトが前記取付ラックに回転可能に取り付けられ、それぞれの前記ローリングシャフトが両端に位置する取付部と、前記取付部の間に位置する押出セクションとを有し、前記押出セクションが支持軸と前記支持軸をカバーする弾性体とを含み、前記一対のローリングシャフトが、被挟持物に押出力をかけるように、前記被挟持物を前記押出セクションの間に操作可能に挟むことができるとともに、前記駆動装置により相対的に逆方向に回転することができ、前記駆動装置がモータを含み、前記モータが前記ローリングシャフトを取り囲むように取り付けられており、
前記モータは、その前記ローリングシャフトの軸線に垂直な方向における投影の少なくとも一部が前記ローリングシャフトの前記ローリングシャフトの軸線に垂直な方向における投影に重なり合うように設置されており、前記取付ラックが前記ローリングシャフトの両端部にそれぞれ配置される第1のべース及び第2のベースを含み、前記駆動装置が前記第2のベースに配置されており、前記モータが前記第2のベースから前記ローリングシャフトの中部方向に向けて延び、
前記取付ラックが2つの第1のベース、2つの支持棒、1つの第2のベース、及びロック機構を含み、前記2つの支持棒のそれぞれの両端が前記第1のベース及び前記第2のベースにそれぞれ接続され、前記ローリングシャフトの一端が前記第1のベースに回転可能に取り付けられ、他端が前記第2のベースに回転可能に取り付けられ、かつ前記ロック機構が前記一対のローリングシャフトを操作可能にロック又はアンロックするためのものであることを特徴とする、押出し器。
【請求項2】
前記モータが前記ローリングシャフトの上方、下方又は側面に位置することを特徴とする、請求項1に記載の押出し器。
【請求項3】
前記第2のベースの一側に上凹部及び上凹部の下方に位置する下凹部が設けられ、前記モータの一端が前記上凹部に取り付けられ、前記ローリングシャフトが前記下凹部に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の押出し器。
【請求項4】
前記駆動装置が減速器をさらに含み、前記減速器が前記第2のベースにおける前記上凹部及び前記下凹部が設けられる側とは反対側に取り付けられ、前記減速器の駆動溝が前記ローリングシャフトに接続されていることを特徴とする、請求項3に記載の押出し器。
【請求項5】
前記一対のローリングシャフトのうちの1本のローリングシャフトが前記減速器に収容され、他の1本が前記第2のベースに収容されていることを特徴とする、請求項4に記載の押出し器。
【請求項6】
前記モータが、前記減速器の上方に配置されて前記減速器から上に延びるカバーを有することを特徴とする、請求項4に記載の押出し器。
【請求項7】
前記押出し器が防護装置をさらに有し、前記防護装置が、前記押出し器の押出の過程において前記ローリングシャフトの外側面と前記被挟持物が分離するように、少なくとも前記ローリングシャフトの外側面を囲むように設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の押出し器。
【請求項8】
前記支持棒の横断面の形状がU字形又はC字形であることを特徴とする、請求項1に記載の押出し器。
【請求項9】
容器及びライナーバッグを含み、前記ライナーバッグは、排出口が設けられて前記容器内に取り付けられる流体排出システムであって、
請求項1~8のいずれか一項に記載の押出し器をさらに含み、前記一対のローリングシャフトが、前記ライナーバッグに押出力をかけるように、前記ライナーバッグを前記押出セクションの間に操作可能に挟むことができるとともに、前記駆動装置により相対的に逆方向に回転することができることを特徴とする、流体排出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2017年8月3日に出願された、出願番号が201710657558.0であり、発明名称が「流体排出システム及びその押出し器」である中国特許出願の優先権を主張し、上記出願の全文を参照するように本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、物流輸送の分野に関し、具体的には、液体、特に粘性液体の排出輸送及び排出システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
粘性液体の貯蔵、輸送、充填及び排出などのため、市場には多くの液体貯蔵輸送装置がある。
【0004】
海外の出願US5765723Aには、本体部分が、PVCプラスチック塗料布を採用して、熱溶接又は高周波はんだ付けにより製造されるシール軟体容器であり、該シール軟体容器の両端に液体流入バルブと液体流出バルブがそれぞれ設けられる液体シールバッグが開示されている。該液体ライナー本体は、普通な高流速の流動液体において使用効果が比較的に良いが、粘性液体の排出の過程において、液体の排出が遅く、効率が低いものであり、排出の完成後にライナー本体に残る液体が多いので、コストの浪費を招く。一般的に、排出がそろそろ終わるときに、外物による螺旋型巻付及び押出などにより、このライナー本体が巻き付けられることで、残留の液体が押し出される。
【0005】
海外の出願IL156984Aには、本体部分が、PVCプラスチック塗料布又はPEフィルムを採用して、熱溶接又は高周波はんだ付けにより製造されるシール軟体容器であり、該シール軟体容器の両端に液体流入バルブと液体流出バルブがそれぞれ設けられ、本体が、排出を補助するガスバッグをさらに含み、ガスバッグにガス供給のための吸気口が設けられる液体シールバッグが開示されている。液体の排出の過程において、補助するガスバッグにガスを供給する必要があり、ガスの押付により粘性液体が排出されている。この発明では、液体が残るという問題が根本的に解決されることができなく、補助のガス供給が必要になっているので、コストが向上する。
【0006】
海外の出願US2015284181A1には、本体部分が、PVCプラスチック塗料布又はPEフィルムを採用して、熱溶接又は高周波はんだ付けにより製造されるシール軟体容器であり、粘性液体を排出するときに、液体を輸送する中型バルク容器が、機械な機構により、中型バルク容器の底部を傾斜させ、排出口を最低点に位置させる液体シールバッグが開示されている。そのような操作では、時間がかかり、効率が低く、かつ操作が困難になる。また、排出後に粘性液体がライナー本体に残留するという問題が比較的に厳しくなり、資源の浪費を招く。
【0007】
海外の出願WO2011080402A1には、押出する前に、液体シールバッグを掛けなければならず、その後、押出の進展に応じて、掛けられた液体バッグが徐々に上げられ、押出が徐々に完成されていることで、粘性液体の押出を行う液体押出装置が開示されている。この押出デバイスのコスト及び空間がとても大きく、操作が複雑である。このような操作では、時間がかかり、効率が低く、かつ操作が困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、構成が簡単であり、占用する空間が小さく、コストが低く、操作が容易であり、耐久性が高く、かつ押出されたライナーバッグの液体の残りが少ない押出し器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一側面によれば、一対のローリングシャフト、駆動装置及び取付ラックを含み、前記一対のローリングシャフトが前記取付ラックに回転可能に取り付けられ、それぞれの前記ローリングシャフトが両端に位置する取付部と、前記取付部の間に位置する押出セクションとを有し、前記押出セクションが支持軸と前記支持軸をカバーする弾性体とを含み、前記一対のローリングシャフトが、被挟持物に押出力をかけるように、前記被挟持物を前記押出セクションの間に操作可能に挟むことができるとともに、前記駆動装置により相対的に逆方向に回転することができ、前記駆動装置がモータを含み、前記モータが前記ローリングシャフトを取り囲むように取り付けられている、押出し器を提供する。
【0010】
一実施例において、前記モータは、その前記ローリングシャフトの軸線に垂直な方向における投影の少なくとも一部が前記ローリングシャフトの前記ローリングシャフトの軸線に垂直な方向における投影に重なり合うように設置されている。
【0011】
一実施例において、前記モータが前記ローリングシャフトの上方、下方又は側面に位置する。
【0012】
一実施例において、前記取付ラックが前記ローリングシャフトの両端部にそれぞれ配置される第1のベース及び第2のベースを含み、前記駆動装置が前記第2のベースに配置されている。
【0013】
一実施例において、前記モータが前記第2のベースから前記ローリングシャフトの中部方向に向けて延びる。
【0014】
一実施例において、前記第2のベースの一側に上凹部及び上凹部の下方に位置する下凹部が設けられ、前記モータの一端が前記上凹部に取り付けられ、前記ローリングシャフトが前記下凹部に取り付けられている。
【0015】
一実施例において、前記駆動装置が減速器をさらに含み、前記減速器が前記第2のベースにおける前記上凹部及び前記下凹部が設けられる側とは反対側に取り付けられ、前記減速器の駆動溝が前記ローリングシャフトに接続されている。
【0016】
一実施例において、前記駆動装置が減速器をさらに含み、前記モータが前記減速器の上方に配置され、前記モータの出力軸が前記減速器に接続されて前記減速器から上に延びる。
【0017】
一実施例において、前記一対のローリングシャフトのうちの1本のローリングシャフトが前記減速器に収容され、他の1本が前記第2のベースに収容されている。
【0018】
一実施例において、前記モータが、前記減速器の上方に配置されて前記減速器から上に延びるカバーを有する。
【0019】
一実施例において、前記取付ラックが2つの第1のベース、2つの支持棒、1の第2のベース、及びロック機構を含み、前記2つの支持棒のそれぞれの両端が前記第1のベース及び前記第2のベースにそれぞれ接続され、前記ローリングシャフトの一端が前記第1のベースに回転可能に取り付けられ、他端が前記第2のベースに回転可能に取り付けられ、かつ前記ロック機構が前記一対のローリングシャフトを操作可能にロック又はアンロックするためのものである。
【0020】
一実施例において、前記押出し器が防護装置をさらに有し、前記防護装置が、前記押出し器の押出の過程において前記ローリングシャフトの外側面と前記被挟持物が分離するように、少なくとも前記ローリングシャフトの外側面を囲むように設置されている。
【0021】
一実施例において、前記取付ラックが第1のベース、支持棒及び第2のベースを含み、前記支持棒の両端が前記第1のベース及び前記第2のベースにそれぞれ接続され、前記ローリングシャフトの一端が前記第1のベースに回転可能に取り付けられ、他端が前記第2のベースに回転可能に取り付けられ、且つ前記支持棒の横断面の形状がU字形又はC字形である。
【0022】
本発明のさらなる一側面によれば、容器及びライナーバッグを含み、前記ライナーバッグは、排出口が設けられ前記容器内に取り付けられる流体排出システムであって、上記の押出し器をさらに含み、前記一対のローリングシャフトが、前記ライナーバッグに押出力をかけるように、前記ライナーバッグを前記押出セクションの間に操作可能に挟むことができるとともに、前記駆動装置により相対的に逆方向に回転することができることを特徴とする、流体排出システムをさらに提供する。
【0023】
好ましくは、前記弾性体の少なくとも一部の外径が軸方向に沿って均一に変化し、これによりテーパを有する弾性体が形成されている。
【0024】
好ましくは、前記被挟持物が液体を収容するためのライナーバッグであり、前記一対のローリングシャフトが、相対的に逆方向に回転するとともに、前記ライナーバッグ内の液体の下がりに伴い下がるように設置されている。
【0025】
好ましくは、前記ローリングシャフトの横断面が円形又は楕円形である。
【発明の効果】
【0026】
本発明が提供する流体排出システムは、ライナー掛けを要することなく、液体の残りがない排出システムであり、構成が簡単であり、製造プロセスがよく、操作が簡単であり、かつコストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1の実施例の押出し器の斜視図である。
【
図4】本発明の第2の実施例の押出し器の斜視図である。
【
図7】本発明の実施例の流体排出システムの斜視図である。
【
図9】本発明の実施例の流体排出システムの断面図であり、流体の排出の異なる段階を示す。
【
図10】本発明の実施例の流体排出システムの断面図であり、流体の排出の異なる段階を示す。
【
図11】本発明の実施例の流体排出システムの断面図であり、流体の排出の異なる段階を示す。
【
図13】
図4からず6の押出し器の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の目的、特徴および利点をより明確に理解するために、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。添付図面に示す実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の技術方案の実質精神を説明するためのものであると理解されるべきである。
【0029】
用語説明
中型バルク容器:複合型の中型バルク容器(以下、「IBC容器」という)は、世界の範囲内において、食品、生化学、薬品、化学工業などの業界に広く使用されている包装循環容器である。IBCコンテナーが複数回繰り返し使用されることができるので、充填、貯蔵及び輸送時に明らかな利点を持ち、かつIBCコンテナーが、円形桶に比べて、35%の貯蔵空間を低減することができ、サイズがISO規格に適合し、無菌充填に適用することだけではなく、箱体がコンパクトであり、大量、安全かつ高効率な貯蔵に適するので、液体、粒子及びシート等の形態の素材の輸送、包装及び貯蔵に広く使用されている。現在、820L、1000L、1250Lという3つの規格が既存している。通常の場合に、その構成構造が、プラスチックライナー(ライナーバッグ)、充填口、排出装置(バルブ又は簡単な排出口など)、側板、ベース及び蓋板を含む。
【0030】
本発明の押出し器は、少なくとも一対の押出し具を含み、例えば、少なくとも2本のローリングシャフトを含み、ライナーバッグ内の液体を排出する必要がある時に、2本のローリングシャフトでライナーバッグを挟み、駆動装置の駆動により、当該一対の押出し具が相対的に運動し、例えば、2本のローリングシャフトが相対的に逆方向に回転し、ライナーバッグに押出力をかけることにより、ライナーバッグ内の液体が押出され、液体の排出の過程において、ライナーバッグ内の液体の低減に伴い、2本のローリングシャフトが駆動装置の駆動により液面の下がりに伴い、自動的に下がり、液体を押出している。本文において、押出力とは、力作用対象、例えばライナーバッグ及びそれに収容される液体に対して同時に押出及び推進の効果を生じさせる力である。
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明の各実施例を例示して説明する。
第1の実施例
以下、
図1から
図3を参照して、本発明の第1の実施例の押出し器を説明する。
【0032】
図1から
図3に示すように、押出し器1は、一対のローリングシャフト10、駆動装置20及び取付ラック30を含む。ローリングシャフト10が両端における取付部11と、取付部11の間に位置する押出セクション12とを有する。本実施例では、取付部11と押出セクション12とは、一体的に形成されているが、別々に形成されてから一つに組み立てられてもよい。ローリングシャフト10が長尺の棒状具であり、その軸方向に沿っての寸法は、その径方向に沿っての寸法よりも遥かに大きく、かつ取付部11の長さは、押出セクション12の長さよりも遥かに小さい。押出セクション12は、ライナーバッグ101(
図7に示すように)のバッグ体に接触することにより、バッグ体を押出するためのものである(以下、さらに具体的に説明する。)。押出セクション12は、支持軸121と、前記支持軸121をカバーする弾性体1222とを含む。好ましくは、弾性体122が、例えばゴム、樹脂又は他の高分子弾性材料等からなる弾性軟体である。
【0033】
具体的には、弾性体122が、円筒状であり、支持軸121の外径に合わせる内径を有する内部キャビティを有し、支持軸121が弾性体122の内部キャビティに入り込む。支持軸121の外面に膠塗布処理を行ってもよい。弾性体122が、支持軸121の外面の全体にカバーされて吸着されることにより、弾性体122が、駆動装置の駆動により支持軸121の回転と同期に回転される。又は、弾性体122が、射出成形という方式で支持軸121と一体的に形成されている。
【0034】
ローリングシャフト10の弾性体122が例えば楕円形、三角形又は方形等の他の形状であってもよいと理解されるべきである。取付部11が、取付ラック30に回転可能に取り付けられるように、円柱軸である。本実施例では、支持軸121が、略円柱状であり、即ち、その外径が軸方向に沿って殆ど変化していないが、弾性体122の外径が軸方向に沿って均一に変化することにより、テーパを有する弾性体が形成されている。しかし、他の実施例では、弾性体122の外径が軸方向に沿って殆ど変化しなくてもよく(
図4に示すように)、又は、一部のみが軸方向に沿って均一に変化してもよい。
【0035】
本実施例では、取付ラック30が2つの第1のベース31、2つの支持棒32及び第2のベース33を含む。2つの支持棒32が2つの第1のベース31と第2のベース33を一体に接続し、即ち、支持棒32の両端は、それぞれ第1のベース31及び第2のベース33に接続されている。第1のベース31及び第2のベース33の厚さは、押出セクション12をできるだけ長くするように、できるだけ小さいものとする。つまり、第1のベース31及び第2のベース33の厚さは取付部11の長さよりも少し大きくなればよい。
【0036】
第1のベース31が内に凹む凹部311及び取付孔312を有する。第2のベース33が凹部331、上取付孔333及び下取付孔332を有する。ローリングシャフト10の両端における取付部11が、それぞれ取付孔312及び332に回転可能に取り付けられ、且つ押出セクション12の両端がそれぞれ凹部311及び凹部331内に収容されることにより、押出の過程において、押出セクション12の端部が被挟持物に(例えば、ライナーバッグ101)に接触することはない。即ち、凹部311及び凹部331は、押出の過程において、押出セクション12の弾性体が支持軸から外されない又は損なわれないことを確保するように、押出セクション12の端部の防護部として用いられる。
【0037】
ある実施例では、押出セクション12の両端のそれぞれの凹部311及び凹部331(防護部)内に収容されている長さは、25mm~60mmである。好ましくは、押出セクション12の両端のそれぞれの凹部311及び凹部331(防護部)に収容されている長さは、35mm~50mmである。より好ましくは、押出セクション12の両端のそれぞれの凹部311及び凹部331に収容されている長さは、40mmである。又は、押出セクション12の両端のそれぞれの凹部311及び凹部331に収容されている長さは、押出セクション12の合計の長さの1/20~1/16である。
【0038】
好ましくは、一対のローリングシャフト10のうちの1つのローリングシャフトの第1のベース31の凹部311内に収容されている押出セクション部分と他の1つのローリングシャフトの第1のベース31の凹部内に収容されている押出セクション部分とは、互いに接触していなく、一対のローリングシャフト10のうちの1つのローリングシャフトの第2のベース33の凹部内に収容されている押出セクション部分と他の1つのローリングシャフトの第2のベース33の凹部331内に収容されている押出セクション部分とは、互いに接触していない。このため、一対のローリングシャフト10は、動作において、その端部が互いに摩擦していないことにより、押出セクション12の弾性体が損なわれない又は外されないことを確保している。
【0039】
勿論、取付ラック30が他の構成を採用してもよく、例えば、支持棒32が省略されてもよく、第1のベース31が一体的構造であってもよく、又は、第2のベース33が2つに分けてもよい。
【0040】
本実施例では、第1のベース31は、ロック機構が設けられ、具体的に、第1のベース31の1つにネジスルーホール313aが設けられ、他の1つにネジ穴313bが設けられ、ロックレンチ314が、一対のローリングシャフト10を操作可能にロックするように、ネジスルーホール313aをねじ込んで通過して、ネジ穴313bに入り込まれているが、その逆にもそうである。なお、ネジ穴313bがスルーホール又はブラインドホールであってもよい。勿論、ロック機構が他の方式を採用してもよく、例えば、尾錠によるロックの方式を採用してもよい。
【0041】
本実施例では、駆動装置20がモータ21と減速器22と伝動ギア23を含み、モータ21及び減速器22が取付ラック30に取り付けられている。具体的に、減速器22が第2のベース33における前記上凹部及び前記下凹部が設けられる側とは反対側に取り付けられている。あるいは、減速器が第2のベース内に設置されていてもよい。モータ21の一端が、第2のベース33の上凹部332に固定し取り付けられ、即ち、モータ21がローリングシャフト10の上方に取り付けられ、その出力軸がローリングシャフト10の軸方向に平行して延びて減速器22に駆動接続されている。減速器の出力軸がローリングシャフトの取付部に接続されることにより、モータが回転して減速器の運動を駆動し、さらにローリングシャフトの回転を駆動する。モータ21及びその外部のカバー(カバーがある場合)がローリングシャフトの上方にあり第2のベースからローリングシャフトの中部方向に向けて延びる。モータ21及びその外部のカバー(カバーがある場合)がローリングシャフトの下方にあり、第2のベースからローリングシャフトの中部方向に向けて延びていてもよいと理解されるべきである。
【0042】
他の実施例では、減速器22及び第2のベース33が別々に形成され、固定装置により1つに固定されてもよい。減速器22と支持軸121の一の端部が伝動接合され、例えば、支持軸121の一の端部が減速器22における駆動溝221に接合されている。伝動ギア23は、2本のローリングシャフト10がロックされるときに、2本のローリングシャフト11における伝動ギア23が互いに咬合されるように、2本の支持軸121の取付部11に設置されている。本実施例では、伝動ギア23は、第2のベース33の下凹部331に位置する。モータ21及び減速器22によりそのうちの1本のローリングシャフト10を駆動させるときに、他の1本のローリングシャフト10の回転を駆動させることができることによって、上記被挟持物に押出力をかける。勿論、ある実施例では、駆動装置20が、伝動ギア23を含まなく、減速器に一対のローリングシャフト10の端部にそれぞれ伝動結合する2つの駆動溝を設けてもよい。
第2の実施例
以下、
図4、5及び6を参照して、本発明の第2の実施例の押出し器を具体的に説明する。第2の実施例は、駆動装置及びその取付位置の点において、第1の実施例と主に異なっている。第2の実施例では、駆動装置におけるモータ21が減速器22の上方に配置され、且つその出力軸が減速器22に接続されて減速器22から上に(即ち、垂直又は斜め上方に)延びる。モータ21のカバー24も減速器22から上に延びる。このため、モータ21そのもの及びそのカバーは、押出し器の合計の長さを増加させることはなく、これにより押出セクション12の有効の長さ(即ち、押出を実施することができる長さ)がより大きくなる。次に、第2のベース33及び減速器22の構成も僅かに異なる。第1の実施例では、第2のベース33が減速器22における押出セクション12寄りの一側に位置し一対のローリングシャフト10の取付部111を同時に収容する。その一方、第2の実施例では、第2のベース33が減速器22に着脱可能に取り付けられ、且つ一対のローリングシャフト10の一方の取付部111が減速器22に収容され、減速器22に伝動接合され、他の1本の取付部111が回転可能に第2のベース33に取り付けられている。第三、押出の過程において弾性具12の端部が被挟持物に(例えば、ライナーバッグ101)に接触することはないように、弾性体12の両端がそれぞれ第1のベース31、第2のベース33及び減速器22に収容される。このため、押出の過程において、弾性軟体12が外れることはない。その他は同様であるので、具体的には、以上の説明を参照し、ここでさらに説明しない。
【0043】
本実施例では、駆動装置におけるモータ21が減速器22の下方に配置され、且つその出力軸が減速器22に接続され減速器22から下に(即ち、垂直又は斜め下方に)延びていてもよいと理解されるべきである。モータのカバー24も減速器22から下に延びる。
【0044】
図7は、本発明の実施例の排出システムの斜視図である。
図8は、
図7の排出システムの断面図である。
図9から
図11は、本発明の実施例の流体排出システムの断面図であり、流体の排出の異なる段階を示す。
【0045】
図7及び
図8に示すように、流体排出システムは、容器100、ライナーバッグ101及び押出し器1を含み、容器100が普通の中型バルク容器である。ライナーバッグ101には、排出口101aが設けられ、ライナーバッグ101は容器100内に取り付けられる。押出し器1が一対のローリングシャフト10及び駆動装置20を含む。以下、
図7から
図11を参照して、流体排出システムの排出を説明する。まず、ライナーバッグ101を一対のローリングシャフト10に挟み(
図7に示すように)、具体的に、先にロックレンチにより押出し器の一対のローリングシャフト10を緩め、その後、ライナーバッグ101の上部を容器100のライナーバッグ101に挟み、さらにロックレンチにより一対のローリングシャフト10をロックする。次に、駆動装置20を起動させ、駆動装置20の駆動により、押出し器の一対のローリングシャフト10が下に相対的に逆方向に回転してライナーバッグ101のバッグ体を押出することにより、ライナーバッグ101内の液体を押出することで、液体が排出口101aから排出される。液体の排出の過程において、ライナーバッグ内の液体の低減に伴い、一対のローリングシャフト10が駆動装置20の駆動により液面の下がりに伴い自動的に下がって液体を押出している(
図9から
図11に示すように)。押出の過程において、保護装置を有することにより、ローリングシャフト10の弾性体及び支持軸が外れること及び損なわれることはない。
【0046】
図12から
図13は、
図4から
図6の押出し器の変形例の構成を示す模式図である。
図12から
図13に示す実施例は、取付ラック2030の構成、具体的に、支持棒の構成の点において
図4から
図6に示す実施例と主に異なっている。
図13に示すように、本実施例では、押出し器200の支持棒2032の横断面が
図2及び
図4に示す支持棒と異なる。本実施例では、支持棒2032の横断面がU字形である。これにより、支持棒2032がローリングシャフトの外側面を囲むことができ、押出し器の押出の過程においてローリングシャフトの外側面が被挟持物に接触することを防止し、即ち、ローリングシャフトの外側面を被挟持物から分離させるとともに、操作者の手がローリングシャフトに挟まれることを防止することができる。ここで、外側面とは、ローリングシャフトの被挟持物に接触する側面とは反対の側面を指す。本実施例では、支持棒2032の取付を容易にするために、ベース2031から支持棒取付部2031aがさらに延びている。
【0047】
本実施例では、押出し器の押出の過程においてローリングシャフトの外側面が被挟持物から分離されるように、少なくともローリングシャフトの外側面を囲むことができれば、支持棒2032の横断面がC字形であってもよく、又は、他の形状及び構成の防護装置を採用してもよい。
【0048】
本文において、駆動装置におけるモータが前記ローリングシャフトを取り囲むように取り付けられていることにより、モータが、基本的にローリングシャフト以外の長さを占めることはなく、ローリングシャフトをより長くすることができ、ローリングシャフトの有効の押出の長さが長くなり、押出の効果がより良くなる。本文において、モータが前記ローリングシャフトの上方、下方又は側面に位置していてもよく、ここでの側面とは、ローリングシャフトの軸方向の両端以外の側面を指す。好ましくは、前記モータは、その前記ローリングシャフトの軸線に垂直な方向における投影の少なくとも一部が前記ローリングシャフトの前記ローリングシャフトの軸線に垂直な方向における投影に重なり合うように設置されている。このように、ローリングシャフトの有効の押出の長さを増加させることができる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施例については詳しく説明したが、当業者にとっては、本発明の上記内容を読んでから、本発明に対する様々な変形や修正が可能であることが理解すべきである。これらの同等の形態も添付の請求の範囲によって規定される範囲内に属する。