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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】紙管製造機
(51)【国際特許分類】
   B31C 3/00 20060101AFI20220804BHJP
   B05C 1/08 20060101ALI20220804BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20220804BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20220804BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
B31C3/00
B05C1/08
B05C11/10
B05C11/00
B05C9/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021065285
(22)【出願日】2021-04-07
(65)【公開番号】P2021167107
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】109111785
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506069527
【氏名又は名称】全利機械股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳廷詔
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-353796(JP,A)
【文献】特開2003-340944(JP,A)
【文献】米国特許第04378966(US,A)
【文献】実開昭51-084603(JP,U)
【文献】特開2015-116740(JP,A)
【文献】特開2010-149474(JP,A)
【文献】特開2004-190982(JP,A)
【文献】特開平06-226887(JP,A)
【文献】特開2002-028995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31C 3/00
B05C 1/08
B05C 11/10
B05C 11/00
B05C 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定棒と、
該固定棒に近接し、該固定棒とともに紙テープを受け入れ、該紙テープを該固定棒に巻き付けて紙管を形成する巻付機構と、
該固定棒及び該巻付機構の上流に設置され、該紙テープに接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、
該固定棒該巻付機構及び該接着剤塗布装置の上流に設置され、該紙テープの輸送速度を測定する長さ測定ユニットと、
該接着剤塗布装置及び該巻付機構の間に位置して熱風を生成し、該紙テープの該輸送速度に基づいて、生成する該熱風の風量及び温度を調整する熱風生成ユニットと、を含 み、
該固定棒及び該巻付機構の上流に位置し、該紙テープを該固定棒及び該巻付機構に輸送する少なくとも1つの輸送ローラを含み、該長さ測定ユニットは該輸送ローラと接続され、該輸送ローラの回転数を計算することにより、該紙テープの該輸送速度を得、
該長さ測定ユニット及び該熱風生成ユニットと電気的に接続される計算ユニットを含み、該計算ユニットは、該長さ測定ユニットが測定した該紙テープの輸送長さに基づいて該紙テープの該輸送速度を算出し、該紙テープの該輸送速度に基づいて該熱風生成ユニットが生成する該熱風の該風量及び該温度を制御する、
紙管製造機。
【請求項2】
該固定棒と近接し、該固定棒上の該紙管を切断するカッターを含む、請求項1に記載の紙管製造機。
【請求項3】
該カッターと接続され、該カッターを該固定棒に沿って移動させる駆動機構を含む、請求項2に記載の紙管製造機。
【請求項4】
該巻付機構は接続台座、駆動ローラ、少なくとも1つの回転ローラ及びベルトを含み、該駆動ローラ及び該回転ローラは該接続台座に設置され、該ベルトは該駆動ローラ、該回転ローラ及び該固定棒に巻き付けられ、該紙テープは該ベルト及び該固定棒の間に位置し、該駆動ローラが回転すると、該ベルトを駆動し、該紙テープを該固定棒に巻き付けて該紙管を形成する、請求項1に記載の紙管製造機。
【請求項5】
該接着剤塗布装置は接着剤塗布ローラ及び接着剤槽を含み、該接着剤槽に該接着剤を入れ、該接着剤塗布ローラは該接着剤槽内の該接着剤に接触し、該接着剤を接触した該紙テープに塗布する、請求項1に記載の紙管製造機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙テープ上の接着剤の乾燥程度が環境の温度及び湿度の影響を受けるのを防止でき、さらに製造する紙管の品質を高めることができる紙管製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
紙管製造機は主に少なくとも1本の紙テープに接着剤を塗布し、さらに紙テープを巻き付けて紙管を形成する。その後カッターで紙管を切断し、所定の長さを有する紙管を製造する。紙管は例えば紙ストローとして使用でき、紙管にトイレットペーパーを巻き付けてロール式トイレットペーパーとすることもできる。
【0003】
紙テープは、塗布した接着剤により相互に接着される。接着剤は外部環境の変化、例えば温度、湿度などにより、乾燥の程度及び接着能力に影響を受け、紙管の製造品質が不良となる可能性がある。実際に製造するときは、温度及び湿度に基づいてたびたび接着剤の処方を変える必要があり、製造プロセスの難易度が高まる。一方、接着剤の処方を温度及び湿度に基づいて最適に調整しなければ、紙管の品質に影響を及ぼす。
【0004】
上記のような従来構造の問題を解決するため、本発明は紙管製造の効率を高めることができ、温度及び湿度の変化により紙管品質に影響を及ぼすのを防止できる新規の紙管製造機を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、熱風生成ユニットが生成した熱風を少なくとも1本の紙テープに吹き付けることにより、紙テープ上の接着剤の乾燥程度を安定させ、その後巻付機構により紙テープを固定棒に巻き付けて紙管を形成し、これによって紙管の製造品質を高めた紙管製造機を提供することである。
【0006】
本発明の目的は、主に巻付機構及び固定棒の上流に、紙テープの輸送速度を測定する長さ測定ユニットが設置され、熱風生成ユニットが紙テープの輸送速度に基づき、熱風の風量及び温度を調整して、紙テープに塗布した接着剤の乾燥程度を安定させる、紙管製造機を提供することである。
【0007】
本発明の目的は、主に熱風生成ユニットが生成した熱風により、紙テープに塗布した接着剤の乾燥程度を制御し、環境の温度又は湿度が接着剤の乾燥程度に及ぼす影響を低下させることができ、紙管の製造品質を効果的に高めることができる紙管製造機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、固定棒と、固定棒と近接し、固定棒とともに紙テープを受け入れ、紙テープを固定棒に巻き付けて紙管を形成する巻付機構と、固定棒及び巻付機構の上流に設置され、紙テープに接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、固定棒及び巻付機構の上流に設置され、紙テープの輸送速度を測定する長さ測定ユニットと、接着剤塗布装置及び巻付機構の間に位置して熱風を生成し、紙テープの輸送速度に基づいて、生成する熱風の風量及び温度を調整する熱風生成ユニットと、を含む紙管製造機を提供する。
【0009】
前記紙管製造機は、固定棒と近接し、固定棒上の紙管を切断するカッターを含む。
【0010】
前記紙管製造機は、カッターと接続され、カッターを固定棒に沿って移動させる駆動機構を含む。
【0011】
前記紙管製造機において、巻付機構は接続台座、駆動ローラ、少なくとも1つの回転ローラ及びベルトを含む。駆動ローラ及び回転ローラは接続台座に設置され、ベルトは駆動ローラ、回転ローラ及び固定棒に巻き付けられる。紙テープはベルト及び固定棒の間に位置し、駆動ローラが回転すると、ベルトを駆動し、紙テープを固定棒に巻き付けて紙管を形成する。
【0012】
前記紙管製造機は、固定棒及び巻付機構の上流に位置し、紙テープを固定棒及び巻付機構に輸送する少なくとも1つの輸送ローラを含む。長さ測定ユニットは輸送ローラと接続され、輸送ローラの回転数を計算することにより、紙テープの輸送速度を得る。
【0013】
前記紙管製造機は、長さ測定ユニット及び熱風生成ユニットと電気的に接続される計算ユニットを含む。紙テープの輸送長さに基づいて紙テープの輸送速度を算出し、紙テープの輸送速度に基づいて熱風生成ユニットが生成する熱風の風量及び温度を制御する。
【0014】
前記紙管製造機において、長さ測定ユニットは接着剤塗布装置の上流に位置する。
【0015】
前記紙管製造機において、接着剤塗布装置は接着剤塗布ローラ及び接着剤槽を含み、接着剤槽に接着剤を入れておく。接着剤塗布ローラは接着剤槽内の接着剤に接触し、接着剤を接触した紙テープに塗布する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明における実施例の構造概要図である。
図2】本発明における固定棒及び巻付機構の実施例の拡大概要図である。
図3】本発明におけるカッターの実施例の構造概要図である。
図4】本発明における接着剤塗布装置の実施例の構造概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び図2を参照されたい。本発明の紙管製造機10は主に固定棒11、巻付機構13、熱風生成ユニット14、長さ測定ユニット17、接着剤塗布装置19及びカッター151を含む。巻付機構13及び固定棒11が紙テープ121を受け入れ、巻付機構13が紙テープ121を固定棒11に巻き付けて紙管123を形成する。
【0018】
固定棒11は円柱状又は棒状であり、巻付機構13は固定棒11と近接する。例えば固定棒11は固定フレーム110に固定でき、これにより固定棒11は固定フレーム110に相対して回転又は移動することはない。
【0019】
巻付機構13は接続台座131、駆動ローラ133、少なくとも1つの回転ローラ135及びベルト137を含み、接続台座131は板体であってもよい。駆動ローラ133及び回転ローラ135は接続台座131に設置され、接続台座131に相対して回転できる。ベルト137は駆動ローラ133及び回転ローラ135に巻き付けられ、モータが駆動ローラ133を回転させるとき、ベルト137により回転ローラ135が回転する。
【0020】
巻付機構13のベルト137は、固定棒11の間に巻き付けられる。図2に示すように、例えば巻付機構13の駆動ローラ133及び回転ローラ135は固定棒11の下方及び上方にそれぞれ位置し、駆動ローラ133及び回転ローラ135の間に位置するベルト137は固定棒11に巻き付けられる。駆動ローラ133が回転するとき、ベルト137は固定棒11に相対して移動する。
【0021】
実際に応用するときは、少なくとも1本の紙テープ121を固定棒11及びベルト137の間の間隙に位置させることができる。駆動ローラ133が回転すると、ベルト137は固定棒11に相対して移動し、これによりベルト137は固定棒11及びベルト137の間に位置する紙テープ121を固定棒11に巻き付けて、紙管123を形成する。
紙管123は、駆動ローラ133が回転を停止するまで、固定棒11に沿ってカッター151の方向に向かって長くなる。本発明の図では1本の紙テープ121を固定棒11に巻き付けて紙管123を形成するが、異なる実施例では複数の紙テープ121を固定棒11に巻き付けて紙管123を形成する。
【0022】
接続台座131は固定フレーム110に接続され、固定フレーム110に相対して揺動できる。接続台座131が固定棒11に相対して揺動するとき、ベルト137が固定棒11に巻き付く角度が変わり、これにより固定棒11に相対する紙テープ121の供給角度を調整する。上記の巻付機構13の詳細な構造は本発明の実施例に過ぎず、本発明の権利範囲を制限しない。
【0023】
紙管製造機10は、カッター151を含むことができる。カッター151は固定棒11と近接し、固定棒11上の紙管123を切断して、一定の長さの紙管123を形成する。
本発明の実施例において、図3に示すように、カッター151は板体1511、複数のカッティングホイール1513及び複数のスイングアーム1515を含み、各カッティングホイール1513はそれぞれスイングアーム1515を介して板体1511に接続される。例えばカッティングホイール1513の数量は3個であってもよい。
【0024】
板体1511に貫通孔1512が設けられ、固定棒11及び/又は紙管123は板体1511の貫通孔1512を通過し、複数のカッティングホイール1513は貫通孔1512の周囲に周設される。スイングアーム1515は例えばモータの駆動下でスイングでき、さらにはカッティングホイール1513を板体1511の貫通孔1512、固定棒11及び/又は紙管123の方向に移動させ、固定棒11上の紙管123を切断する。
【0025】
カッター151は駆動機構153と接続され、駆動機構153はカッター151を固定棒11に沿って移動させる。
例えば駆動機構153はステッピングモータであってもよい。具体的には、カッター151の移動速度及び紙管123の製造速度を同じか又は近づけることができ、カッター151が紙管123を切断するとき、紙管123がカッター151の側面を押すのを防止する。
【0026】
このほか、巻付機構13により紙テープ121を巻き付けて紙管123とする前に、紙テープ121に接着剤を塗布する必要があり、接着剤で紙テープ121のオーバーラップ領域を接着することにより紙管123が形成される。本発明の実施例において、固定棒11及び巻付機構13の上流に接着剤塗布装置19を設置でき、接着剤塗布装置19により紙テープ121の一部又は全ての表面に接着剤を塗布する。
【0027】
本発明の実施例において、図4に示すように、接着剤塗布装置19は接着剤塗布ローラ191及び接着剤槽193を含むことができる。接着剤槽193内に接着剤を入れておく。接着剤塗布ローラ191は接着剤槽193内の接着剤に接触し、接着剤塗布ローラ191が回転すると、接着剤は接着剤塗布ローラ191の表面に分布する。紙テープ121は輸送の過程で接着剤塗布ローラ191の表面に接触し、これにより接着剤塗布ローラ191は接着剤を紙テープ121の表面に塗布する。
【0028】
接着剤を紙テープ121に均等に塗布するため、少なくとも1つのスクレーパで接着剤塗布ローラ191表面の余った接着剤を除くことが可能である。例えばスクレーパは接着剤塗布ローラ191の表面に接触でき、接着剤塗布ローラ191がスクレーパに相対して回転するとき、スクレーパは接着剤塗布ローラ191表面の余った接着剤を除く。これにより接着剤塗布ローラ191表面の接着剤量を一定に保持し、接着剤塗布ローラ191が一定量の接着剤を紙テープ121に確実に塗布し続けることが可能である。
【0029】
接着剤塗布装置19の使用により、紙テープ121に塗布する接着剤の量を安定に保持できるが、接着剤の乾燥速度は環境温度及び湿度の影響を受け、さらに製造する紙管123の品質に影響を及ぼす。具体的には、紙テープ121を巻き付けて紙管123とする前、紙テープ121に塗布した接着剤は一定の乾燥程度を保持する必要がある。例えば接着剤が半乾きの状態に維持されれば、紙テープ121を接着して紙管123の品質を向上及び安定させることが可能である。
【0030】
紙テープ121上の接着剤が過度に潤っている場合、接着の過程で接着剤が紙テープ121からたびたび漏れ出し、紙管123の表面に残り、さらにはその他の機構に付着する。例えばカッター151が紙管123を切断するとき、紙管123上の接着剤がカッター151に付着する可能性がある。このほかカッター151が紙管123を切断するとき、接着剤が完全に乾燥していない場合、紙管123が解体される可能性があり、紙管123の製造品質に影響を及ぼす。反対に、紙テープ121上の接着剤が過度に乾燥している場合、紙テープ121を接着して紙管123を形成できない。このため、カッター151が紙管123を切断する過程において、同様に紙管123が解体される状況が生じる可能性がある。
【0031】
具体的には、環境の温度が比較的高く、湿度が比較的低いとき、紙テープ121上の接着剤の乾燥速度は比較的速い。反対に、環境の温度が比較的低く、湿度が比較的高いとき、紙テープ121上の接着剤の乾燥速度は比較的遅い。このため背景技術では環境の温度及び湿度に基づいて接着剤の処方を調整しており、例えば環境の温度が比較的高く、湿度が比較的低いときは、接着剤中の水分比率を高め、環境の温度が比較的低く、湿度が比較的高いときは、接着剤中の水分比率を減少させていた。
【0032】
しかし、実際に製造するとき、環境の温度、湿度及び接着剤の処方の関係を正確に定量化できず、操作者の経験に基づいて接着剤の処方を調整することしかできない。接着剤を調製するときは、ある程度の時間をかけて試験及び調整する必要があり、紙管123の製造効率及び品質に影響を及ぼしていた。
【0033】
このほか、紙テープ121の輸送速度も接着剤の乾燥程度に影響を及ぼし、例えば紙テープ121の輸送速度が比較的速ければ、紙テープ121が巻付機構13まで輸送されたとき、接着剤は比較的潤っており、紙テープ121の輸送速度が比較的遅ければ、紙テープ121が巻付機構13まで輸送されたとき、接着剤は比較的乾燥している。
このため、従来技術では紙テープ121の輸送速度に基づいて、接着剤塗布装置19及び巻付機構13の間の距離を調整する必要があり、これにより紙テープ121が巻付機構13まで輸送されたときに、接着剤が想定した乾燥程度に達することが可能である。
以上のように、間違いなく使用上の難易度が高く、紙管123の製造速度が低下していた。
【0034】
上記の問題を防止するため、本発明は固定棒11及び巻付機構13の上流(つまり紙テープ121が固定棒11及び巻付機構13に供給される位置の前方位置)に、熱風生成ユニット14及び長さ測定ユニット17をさらに設置する。
例えば長さ測定ユニット17は接着剤塗布装置19の上流に位置して、紙テープ121の輸送長さ及び/又は輸送速度を測定できる。熱風生成ユニット14は接着剤塗布装置19及び巻付機構13の間に位置し、熱風を生成する。例えば熱風生成ユニット14はドライヤと類似し、生成する熱風の風量及び温度を調整できる。
【0035】
本発明の実施例において、少なくとも1つの輸送ローラ171を固定棒11及び巻付機構13の上流に設置でき、輸送ローラ171により紙テープ121を固定棒11及び巻付機構13に輸送する。長さ測定ユニット17はこのうちの1つの輸送ローラ171と接続でき、輸送ローラ171の回転数を測定して、紙テープ121の輸送長さ及び/又は輸送速度を推算する。
【0036】
本発明の実施例において、熱風生成ユニット14は長さ測定ユニット17と電気的に接続される。長さ測定ユニット17が測定した紙テープ121の輸送長さ及び/又は輸送速度に基づいて、熱風生成ユニット14が生成する熱風の風量及び/又は温度を調整する。
【0037】
熱風生成ユニット14が生成した熱風を紙テープ121上の接着剤に吹き付けることにより、接着剤の乾燥程度を制御でき、環境温度又は湿度が接着剤の乾燥程度に及ぼす影響を低下させる。このため、環境の温度及び湿度に基づいて接着剤の処方を変える必要はない。
【0038】
具体的には、本発明の紙管製造機10で紙管123を作製するとき、接着剤の乾燥程度に影響を及ぼす主な変数は紙テープ121の輸送速度である。紙テープ121の輸送速度が比較的速いとき、紙テープ121上の接着剤が熱風と接触する時間は短くなり、これにより熱風生成ユニット14を通過した紙テープ121上の接着剤は比較的潤う。反対に紙テープ121の輸送速度が比較的遅いとき、紙テープ121上の接着剤が熱風と接触する時間が増加し、これにより熱風生成ユニット14を通過した紙テープ121上の接着剤は比較的乾燥する。
【0039】
このため本発明は、紙テープ121の輸送速度及び/又は輸送長さに基づいて、熱風生成ユニット14が生成する熱風の風量及び温度を調整する。これにより紙テープ121を巻き付けて紙管123とするとき、紙テープ121上の接着剤の乾燥程度を一定に維持し、紙テープ121上の接着剤が過度に乾燥したり、又は過度に潤うのを防止し、製造する紙管123の品質を効果的に高めることができる。
【0040】
具体的には、紙テープ121の輸送速度が比較的速いとき、熱風生成ユニット14が生成する熱風の温度及び風量を高めることができる。反対に、紙テープ121の輸送速度が比較的遅いとき、熱風生成ユニット14が生成する熱風の温度及び風量を低下させることができる。上記の調整により、紙テープ121を巻き付けて紙管123とするとき、紙テープ121上の接着剤の乾燥程度を一定に維持できる。
【0041】
本発明の別の実施例においても、紙テープ121の材質、幅、厚さ、接着剤の種類、処方及び/又は塗布の厚さなどの変数に基づいて、熱風生成ユニット14が生成する熱風の温度及び風量を調整できる。
【0042】
実際に実施するときは、紙管製造機10は計算ユニット18を含んでよく、例えば計算ユニット18はコンピュータであってもよい。計算ユニット18は、長さ測定ユニット17及び熱風生成ユニット14と電気的に接続され、長さ測定ユニット17から紙テープ121の輸送長さを取得して紙テープ121の輸送速度を算出し、その後さらに紙テープ121の輸送速度に基づいて、熱風生成ユニット14が生成する熱風の風量及び温度を制御する。
【0043】
以上の記載は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。すなわち本発明の特許請求の範囲に記載の形状、構造、特徴及び主旨に基づく均等な変化及び修飾は、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0044】
10 紙管製造機
11 固定棒
110 固定フレーム
121 紙テープ
123 紙管
13 巻付機構
131 接続台座
133 駆動ローラ
135 回転ローラ
137 ベルト
14 熱風生成ユニット
151 カッター
1511 板体
1512 貫通孔
1513 カッティングホイール
1515 スイングアーム
153 駆動機構
17 長さ測定ユニット
171 輸送ローラ
18 計算ユニット
19 接着剤塗布装置
191 接着剤塗布ローラ
193 接着剤槽
図1
図2
図3
図4