(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】巻取スプール、再転写フィルムセット及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 75/14 20060101AFI20220804BHJP
B41J 2/325 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
B65H75/14
B41J2/325 A
(21)【出願番号】P 2021526124
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(86)【国際出願番号】 JP2020022926
(87)【国際公開番号】W WO2020250955
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2019110686
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昇士
(72)【発明者】
【氏名】藤本 敏郎
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-133576(JP,U)
【文献】特開2003-002543(JP,A)
【文献】特開2002-059668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 18/00-18/28
B65H 75/14
B41J 2/32
B41J 2/325
B41J 2/33
B41J 2/425
B41J 2/475
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクリボンから転写された画像を担持し、該画像を記録媒体に転写可能な、所定の幅を有する帯状の再転写フィルムと、
前記再転写フィルムを前記幅の方向と直交する方向へ繰り出し可能に巻き取った供給スプールと、
前記供給スプールから繰り出された前記再転写フィルムを、回転軸線を中心に回転して巻き取ることが可能な巻取スプールと、
を含む再転写フィルムセットであって、
前記巻取スプールは、
前記再転写フィルムを支持する第1の外径部であって、第1の外径を有し、前記回転軸線の方向における幅が前記再転写フィルムの幅よりも狭い、第1の外径部と、
前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部と異なる位置に配置され、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第2の外径部と、
前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部に対して、前記第2の外径部の反対側に配置され、前記第1の外径よりも小さい第3の外径を有する第3の外径部と、
を有し、
前記第1の外径部が支持する前記再転写フィルムを前記巻取スプールに巻きとったとき、前記回転軸線の方向において、前記再転写フィルムの幅の方向における一端部は前記第2の外径部と重なるとともに前記再転写フィルムの幅の方向における他端部は前記第3の外径部と重なる、
ことを特徴とする再転写フィルムセット。
【請求項4】
インクリボンから転写された画像を担持し、該画像を記録媒体に転写可能な、所定の幅を有する帯状の再転写フィルムと、
前記再転写フィルムを前記幅の方向と直交する方向へ繰り出し可能に巻き取った供給スプールと、
前記供給スプールから繰り出された前記再転写フィルムを、回転軸線を中心に回転して巻き取ることが可能な巻取スプールと、
を含む再転写フィルムセットであって、
前記巻取スプールは、
前記再転写フィルムを支持する第1の外径部であって、前記回転軸線の方向において複数配列された突部であって第1の外径を有する突部を備え、前記回転軸線の方向において両端に位置する前記突部の間隔が、前記再転写フィルムの幅よりも狭い、第1の外径部と、
前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部と異なる位置に配置され、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第2の外径部と、
前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部を挟んで前記第2の外径部の反対側に配置され、前記第1の外径よりも小さい第3の外径を有する第3の外径部と、
を有し、
前記第1の外径部が支持する前記再転写フィルムを、前記巻取スプールに巻きとったとき、前記回転軸線の方向において、前記再転写フィルムの幅の方向における一端部は前記第2の外径部と重なるとともに前記再転写フィルムの幅の方向における他端部は前記第3の外径部と重なる、
ことを特徴とする再転写フィルムセット。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の再転写フィルムセットと、
インクリボンと、
前記再転写フィルムセットから供給される前記再転写フィルムに前記インクリボンからインクを転写して、前記再転写フィルムに画像を形成するインク転写手段と、
前記再転写フィルムに形成された画像を記録媒体に転写する画像転写手段と、
を有し、
前記巻取スプールは、前記画像転写手段により記録媒体に画像を転写した後の前記再転写フィルムを巻き取る、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項24】
インクリボンから転写された画像を担持し、該画像を記録媒体に転写可能な、所定の幅を有する帯状の再転写フィルムを、回転軸線を中心に回転しながら巻き取る巻取スプールであって、
前記フィルムを支持する第1の外径部であって、第1の外径を有し、前記回転軸線の方向における幅が前記フィルムの幅よりも狭い、第1の外径部と、
前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部と異なる位置に配置され、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第2の外径部と、
前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部に対して、前記第2の外径部の反対側に配置され、前記第1の外径よりも小さい第3の外径を有する第3の外径部と、
を有し、
前記第1の外径部が支持する前記フィルムを、前記巻取スプールに巻きとったとき、前記回転軸線の方向において、前記フィルムの幅の方向における一端部は前記第2の外径部と重なるとともに前記フィルムの幅の方向における他端部は前記第3の外径部と重なる、
ことを特徴とする巻取りスプール。
【請求項25】
インクリボンから転写された画像を担持し、該画像を記録媒体に転写可能な、所定の幅を有する帯状の再転写フィルムを、回転軸線を中心に回転しながら巻き取る巻取スプールであって、
前記フィルムを支持する第1の外径部であって、前記回転軸線の方向において複数配列された突部であって第1の外径を有する突部を備え、前記回転軸線の方向において両端に位置する前記突部の間隔が、前記フィルムの幅よりも狭い、第1の外径部と、
前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部と異なる位置に配置され、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第2の外径部と、
前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部を挟んで前記第2の外径部の反対側に配置され、前記第1の外径よりも小さい第3の外径を有する第3の外径部と、
を有し、
前記第1の外径部が支持する前記フィルムを、前記巻取スプールに巻きとったとき、前記回転軸線の方向において、前記フィルムの幅の方向における一端部は前記第2の外径部と重なるとともに前記フィルムの幅の方向における他端部は前記第3の外径部と重なる、
ことを特徴とする巻取りスプール。
【発明の詳細な説明】
【発明の利用分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を転写する再転写フィルム等の媒体を回転しながら巻き取る巻取スプール、この巻取スプールを備えた再転写フィルムセット及びこの再転写フィルムセットを備えた画像形成装置に関する。
【従来技術の説明】
【0002】
従来、カード又はシート等の記録媒体に画像を形成する画像形成装置が広く知られている。このような画像形成装置は、複数の加熱素子が配設されたサーマルヘッドと、サーマルヘッドに対向配置されたプラテンローラ等のプラテンと、を有する画像形成部を備えている。
【0003】
また、このような画像形成装置では、複数色の各画像を重ねてカラー画像を生成するカラー印刷が行われる場合が多い。カラー印刷では、複数色のインクパネル及び必要に応じてBk(ブラック)のインクパネルを、搬送方向に沿って順次に繰り返し設けたインクリボンが用いられる。ここで、複数色は、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)である。なお、Bkインクは、例えば、輪郭をはっきりさせる場合やロゴ又は文字等のモノクロ画像を形成する場合に用いられる。
【0004】
また、このような画像形成装置としては、インクリボンを用いて再転写フィルム等の転写媒体に画像を形成し、次いで転写媒体に形成された画像を記録媒体に転写する間接印刷方式(再転写方式)を用いるものが知られている。間接印刷方式の画像形成装置は、転写媒体の画像形成面の反対面側をプラテンで支持しつつ、転写媒体とインクリボンとを同速で搬送して、インクリボンに圧接しているサーマルヘッドの加熱素子を選択的に作動させることにより転写媒体に画像を形成する。
【0005】
間接印刷方式の画像形成装置でカラー印刷を行う場合には、入力された複数色毎の印刷データ又は入力された複数色毎の画像データを変換した印刷データに従って、転写媒体に複数色毎の画像を重ねて印刷する。
【0006】
また、間接印刷方式の画像形成装置では、記録媒体としてのカードの端部まで印刷する所謂縁無し印刷を行う場合に、画像の欠けを防止するために、転写媒体に対してカードのサイズよりも一回り大きい画像を形成している。これにより、転写媒体とカードとの位置ズレによるカード端部の画像の欠損を防ぐことができる。
【0007】
ここで、転写媒体に対してカードのサイズと同じサイズの画像を形成する場合には、転写媒体に転写されたインクはカードに再転写されて転写媒体に残ることはない。しかしながら、転写媒体に対してカードのサイズよりも一回り大きい画像を形成する場合には、カードへ再転写した後の転写媒体上に、カードのサイズよりも大きく作像した部分のインクが残っている。この際に、印刷データによっては、カードの搬送方向の一端部のみに縁無し印刷領域が発生し、カードの搬送方向の他端部には縁無し印刷領域が発生しない場合が有る。このような場合には、転写媒体上の一端部側に対応する縁無し印刷領域のみにインクが残る。
【0008】
使用済みの再転写フィルムは、巻取スプールに巻き取られていくが、カードの搬送方向の一端部等の特定部位にインクが残る状態の印刷データが連続する場合に巻取スプールに巻き取られ続けると、再転写フィルム以外の残っているインクも積層されていく。これによって、巻き取られた再転写フィルムの回転軸方向の外径に差異を生じるようになる。そして、再転写フィルムは、外径の大きい側に移動しながら巻き取られていくため、外径の大きい側に引っ張られてフィルム寄りと呼ばれる現象を生じる。このような現象を生じた再転写フィルムは、巻取スプールと供給スプールとの間にシワを生じて画像欠け等の原因となり、印刷品位の低下を招く。
【0009】
これに対して、特開2015-086075号公報は、フィルム位置を検知する手段と、この検知結果に基づいてフィルムを中心位置に戻す手段と、を設けることにより、フィルム寄りを修正する構成を開示している。
【0010】
しかしながら、特開2015-086075号公報においては、フィルムを搬送するローラ軸を所定角度だけ旋回可能な構成にすると共に、ローラ軸を旋回させるアクチュエータ、フィルム位置を検知する手段、及びアクチュエータの動作を制御する手段等が必要となる。これにより、特開2015-086075号公報においては、コストが増大すると共に装置が大型化するという課題を有する。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、再転写フィルム上の残インクに起因するフィルムの寄りを、簡易な構成でコストを増大させることなく防ぐことができる巻取スプール、再転写フィルムセット及び画像形成装置を提供することである。
【0012】
前記目的を達成するための本発明に係る再転写フィルムセットの代表的な構成は、インクリボンから転写された画像を担持し、該画像を記録媒体に転写可能な、所定の幅を有する帯状の再転写フィルムと、前記再転写フィルムを前記幅の方向と直交する方向へ繰り出し可能に巻き取った供給スプールと、前記供給スプールから繰り出された前記再転写フィルムを、回転軸線を中心に回転して巻き取ることが可能な巻取スプールと、を含む再転写フィルムセットであって、前記巻取スプールは、前記再転写フィルムを支持する第1の外径部であって、第1の外径を有し、前記回転軸線の方向における幅が前記再転写フィルムの幅よりも狭い、第1の外径部と、前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部と異なる位置に配置され、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第2の外径部と、前記回転軸線の方向において、前記第1の外径部に対して、前記第2の外径部の反対側に配置され、前記第1の外径よりも小さい第3の外径を有する第3の外径部と、を有し、前記第1の外径部が支持する前記再転写フィルムを前記巻取スプールに巻きとったとき、前記回転軸線の方向において、前記再転写フィルムの幅の方向における一端部は前記第2の外径部と重なるとともに前記再転写フィルムの幅の方向における他端部は前記第3の外径部と重なる、ことを特徴とする
【0013】
本発明によれば、再転写フィルム上の残インクに起因するフィルムの寄りを、簡易な構成でコストを増大させることなく防ぐことができる。
【0014】
本発明の更なる特徴は、添付した図面とともに説明される、以下の代表的な実施の形態の記述によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【0016】
【
図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0017】
【
図3】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示す模式図である。
【0018】
【
図4】本発明の実施の形態1に係る再転写フィルムセットの平面図である。
【0019】
【
図5】本発明の実施の形態1に係る巻取スプールの斜視図である。
【0020】
【
図6】本発明の実施の形態1に係る巻取スプールの正面図である。
【0021】
【
図7】
図6のA-A断面図に巻き取ったフィルムを追加した説明図である。
【0022】
【
図8】
図6のB-B断面図に巻き取ったフィルムを追加した説明図である。
【0023】
【
図9】
図7の一部分の拡大図で、転写フィルムが1巻きされた状態を示すイメージ図である。
【0024】
【
図10】
図7の一部分の拡大図で、転写フィルムが巻き取られた状態を示すイメージ図である。
【0025】
【
図11】本発明の実施の形態2に係る巻取スプールの正面図である。
【0026】
【0027】
【
図13】本発明の実施の形態3に係る巻取スプールの正面図である。
【実施形態の詳細な説明】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
<画像形成システムの構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成システム200の構成について、
図1及び
図2を参照しながら、詳細に説明する。
【0030】
画像形成システム200は、画像形成装置1と、PC(パーソナルコンピュータ)201と、モニタ202と、入力装置としてのキーボード203と、画像入力装置204等を有している。
【0031】
画像形成装置1は、接続されているPC201から印刷データ、画像データ、又は磁気的若しくは電気的な記録データ等を受信する。画像形成装置1は、受信したこれらのデータに基づいて、記録媒体としてのカードに対して、文字又は画像を形成(印刷記録)し又は磁気的若しくは電気的な情報記録を行う。なお、画像形成装置1の構成の詳細については後述する。
【0032】
PC201は、画像形成装置1に対して、印刷データ、画像データ、又は磁気的若しくは電気的な記録データ等を送信して、記録動作等の実行を指示する。PC201は、パーソナルコンピュータに限定されず、ホストコンピュータでも良い。
【0033】
モニタ202は、PC201に接続されており、PC201によって生成されたデータ等に基づいて表示を行なう。モニタ202は、例えば液晶ディスプレイ等である。
【0034】
キーボード203は、PC201に接続されており、PC201に対して命令又はデータを入力する。
【0035】
画像入力装置204は、PC201に接続されており、取得した画像の画像データをPC201に出力する。画像入力装置204は、撮像した画像を画像データとして出力するデジタルカメラ、又は原稿等から読み取った画像を画像データとして出力するスキャナ等であり、ここではデジタルカメラを例示する。
【0036】
<画像形成装置の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の構成について、
図2及び
図3を参照しながら、詳細に説明する。
【0037】
画像形成装置1は、ハウジング2を有しており、ハウジング2内に情報記録部Aと、印刷部Bと、媒体供給部Cと、収容部Dと、回動ユニットFと、オペパネ部5と、制御部100と、電源部120と、を備えている。
【0038】
情報記録部Aは、媒体供給部Cから供給される記録媒体としてのカードCaに対して、磁気的又は電気的な情報記録を行う。情報記録部Aは、磁気的又は電気的な情報記録を行ったカードCaを印刷部Bに向けて搬送する。
【0039】
印刷部Bは、再転写フィルムとしての転写フィルム46を搬送するフィルム状媒体搬送機構を有している。印刷部Bには、媒体供給部Cから供給されるカードCaを移送する搬入経路P1と、収容部Dに印刷後のカードCaを移送する搬出経路P2と、が設けられている。印刷部Bは、インク転写手段としての画像形成部B1と、画像転写手段としての転写部B2と、を備えている。
【0040】
画像形成部B1は、フィルム状媒体搬送機構により搬送される転写フィルム46に画像を形成する。転写部B2は、情報記録部Aから搬入経路P1上を搬送されてくるカードCaの表面、又は表面と裏面とに、転写フィルム46に形成された顔写真又は文字データ等の画像を再転写し、画像を再転写したカードCaを収容部Dに向けて搬送する。
【0041】
媒体供給部Cのカセット18は、複数枚のカードCaを立位姿勢で整列して収納している。このカセット18は、ピックアップローラ19によって最前列のカードCaから順次繰り出して、繰り出したカードCaを分離開口7から情報記録部Aに供給する。
【0042】
収容部Dは、印刷部Bから搬送されてくるカードCaを収容スタッカ60に収容する。収容スタッカ60は、昇降機構61によって
図3において上下方向に移動可能に構成されている。
【0043】
回動ユニットFは、カードCaを挟持して旋回動可能なように構成されており、搬入経路P1に配置されている。回動ユニットFは、媒体供給部Cから供給されるカードCaを印刷部B又は情報記録部Aに向けて搬送し、印刷部Bから搬送されてくるカードCaの表裏を反転させて再び印刷部Bに向けて搬送する。回動ユニットFは、情報記録部Aによって情報を記録されたカードCaを印刷部Bに向けて搬送する。
【0044】
オペパネ部5は、操作表示部であり、ユーザの入力等の操作によって記録動作等を指示する。
【0045】
制御部100は、画像形成装置1の全体の動作を制御する。
【0046】
電源部120は、商用交流電圧を直流電圧に変換して、制御部100、サーマルヘッド40、オペパネ部5及び情報記録部A等に供給する。
【0047】
<情報記録部の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の情報記録部Aの構成について、
図2及び
図3を参照しながら、詳細に説明する。
【0048】
情報記録部Aは、非接触式IC記録部23と、磁気記録部24と、接触式IC記録部27と、を備えている。
【0049】
非接触式IC記録部23は、回動ユニットFの外周において回動ユニットFに対向して設けられている。非接触式IC記録部23は、回動ユニットFから搬送されてくるカードCaに対して非接触で電気的な情報記録(書込み)を行い、電気的な情報記録を行ったカードCaを回動ユニットFに向けて搬送する。
【0050】
磁気記録部24は、回動ユニットFの外周において回動ユニットFに対向して設けられている。磁気記録部24は、回動ユニットFから搬送されてくるカードCaに磁気的な情報記録(書込み)を行い、磁気的な情報記録を行ったカードCaを回動ユニットFに向けて搬送する。
【0051】
接触式IC記録部27は、回動ユニットFの外周において回動ユニットFに対向して設けられている。接触式IC記録部27は、回動ユニットFから搬送されてくるカードCaに対して接触しながら電気的な情報記録(書込み)を行い、電気的な情報記録を行ったカードCaを回動ユニットFに向けて搬送する。
【0052】
<印刷部の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の印刷部Bの構成について、
図2から
図4を参照しながら、詳細に説明する。
【0053】
印刷部Bは、画像形成部B1と転写部B2とか構成されており、搬送ローラ29と、搬送ローラ30と、転写プラテンローラ31と、転写ローラ33と、デカール機構34と、搬送ローラ35と、搬送ローラ対38と、を備えている。また、画像形成部B1は、サーマルヘッド40と、インクリボンカセット42と、画像形成プラテンローラ45と、移送ローラ49と、再転写フィルムセット(フィルムセット)50と、センサSe1と、センサSe2と、を備えている。
【0054】
搬送ローラ29は、搬入経路P1に配置され、図示しない搬送モータに連結されて、この搬送モータが駆動することにより正転方向又は逆転方向に回転可能になっている。搬送ローラ29は、回動ユニットFから搬送されてくるカードCaを搬送ローラ30に向けて搬送し、又は搬送ローラ30から搬送されてくるカードCaを回動ユニットFに搬送する。
【0055】
搬送ローラ30は、搬入経路P1に配置され、図示しない搬送モータに連結されて、この搬送モータが駆動することにより正転方向又は逆転方向に回転可能になっている。搬送ローラ30は、搬送ローラ29から搬送されてくるカードCaを転写ローラ33と転写プラテンローラ31との間に向けて搬送し、又は転写ローラ33と転写プラテンローラ31との間から搬送されてくるカードCaを搬送ローラ29に向けて搬送する。
【0056】
転写プラテンローラ31は、転写フィルム46を介して転写ローラ33に対向して配置されている。
【0057】
転写ローラ33は、転写フィルム46を介して転写プラテンローラ31に対向して配置されている。転写ローラ33は、ヒートローラで構成されており、転写プラテンローラ31に対して圧接し、圧接不要なときは転写プラテンローラ31から離間する。
【0058】
デカール機構34は、搬送ローラ35と搬送ローラ対38との間に設けられている。デカール機構34は、カム36と、カム36に対して、
図3において上下方向に移動可能な昇降機構としてのデカールプレート37と、によって構成されている。デカール機構34は、搬送ローラ35及び搬送ローラ対38に保持されたカードCaの中央部を押圧することによって、転写ローラ33の加熱により生じたカードCaのカールを矯正する。
【0059】
デカールプレート37は、搬出経路P2に配置されている。カム36は、図示しない搬送モータに連結されており、この搬送モータが駆動することにより回転して、転写プラテンローラ31と転写ローラ33との間を通過してきたカードCaを、ニップして搬送方向の下流側へ搬送する。
【0060】
搬送ローラ対38は、搬出経路P2に配置されている。搬送ローラ対38は、図示しない搬送モータに連結されており、この搬送モータが駆動することにより回転して、デカール機構34を通過したカードCaをニップして、カードCaの搬送方向(以下、単に「搬送方向」と記載する)の下流側の収容部Dへ搬送する。
【0061】
サーマルヘッド40は、インクリボン41及び転写フィルム46を介して画像形成プラテンローラ45に対向して配置されている。サーマルヘッド40は、インクリボン41を加熱して、インクリボン41のインクによって転写フィルム46に画像を形成する。
【0062】
インクリボンカセット42は、昇華型インクリボン等の熱転写インクリボンであるインクリボン41を、供給スプール43と巻取スプール44との間に巻装している。インクリボンカセット42は、画像形成装置1のハウジングに着脱可能に装着されている。
【0063】
供給スプール43は、モータMr3が駆動することによって回転してインクリボン41を繰り出す。
【0064】
巻取スプール44は、モータMr1が駆動することによって回転してインクリボン41を巻き取る。
【0065】
画像形成プラテンローラ45は、転写フィルム46及びインクリボン41を介してサーマルヘッド40に対向して配置されている。画像形成プラテンローラ45は、再転写フィルムセット50に装填されている転写フィルム46を走行させる。
【0066】
移送ローラ49は、図示しない駆動モータに連結されており、この駆動モータが駆動することにより回転する。移送ローラ49は、回転することにより、外周面に配置されているピンチローラ32a及びピンチローラ32bと共に、サーマルヘッド40及び画像形成プラテンローラ45で画像を形成された転写フィルム46を、転写プラテンローラ31と転写ローラ33との間に向けて移送する。ここで、サーマルヘッド40の加熱領域は、転写フィルム46内に画像を形成するので、転写フィルム46の幅より狭い。
【0067】
フィルムセットとしての再転写フィルムセット50は、ハウジング2に着脱可能に装着されている。再転写フィルムセット50は、
図4に示すように、転写フィルム46と、供給スプール48と、巻取スプール47と、を備え、供給スプール48と巻取スプール47とに転写フィルム46を巻回している。
【0068】
供給スプール48は、モータMr2が駆動することによって回転して、転写部B2を通過して画像形成部B1のサーマルヘッド40と画像形成プラテンローラ45との間に転写フィルム46を供給する。
【0069】
巻取スプール47は、モータMr4が駆動することによって回転して、転写プラテンローラ31と転写ローラ33とによってカードCaに画像を転写した後の転写フィルム46を巻き取る。なお、巻取スプール47の構成の詳細については後述する。
【0070】
供給スプール48と巻取スプール47とは、画像形成部B1において、転写フィルム46にカラー画像を形成する際に、転写フィルム46を複数色毎に往復させて、転写フィルム46に複数色毎の画像を重ねてカラー画像を形成する。
【0071】
センサSe1は、転写フィルム46の位置マークを検出し、検出結果を制御部100に出力する。
【0072】
センサSe2は、インクリボン41の位置マークを検出し、検出結果を制御部100に出力する。
【0073】
<回動ユニットの構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の回動ユニットFの構成について、
図3を参照しながら、詳細に説明する。
【0074】
回動ユニットFは、ローラ対20及び21と、搬入ローラ対22と、回動フレーム80と、を備えている。
【0075】
ローラ対20及び21は、回動フレーム80に回転自在に軸支持されている。ローラ対20及び21は、カードCaを搬送するための媒体搬送路65を形成している。ローラ対20及び21は、搬入ローラ対22によって搬送されるカードCaを、印刷部B又は非接触式IC記録部23、磁気記録部24及び接触式IC記録部27のいずれかに向けて搬送する。ローラ対20及び21は、非接触式IC記録部23、磁気記録部24及び接触式IC記録部27のいずれかから搬送されてくるカードCaを印刷部Bに向けて搬送する。
【0076】
搬入ローラ対22は、媒体供給部Cのカセット18の分離開口7から供給されるカードCaを回動フレーム80に向けて搬送する。
【0077】
回動フレーム80は、ハウジング2に回動可能に軸受け支持されている。
【0078】
<制御部の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の制御部100の構成について、
図2を参照しながら、詳細に説明する。
【0079】
制御部100は、バッファメモリ101と、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記載する)102と、センサ制御部103と、アクチュエータ制御部104と、サーマルヘッド制御部105と、操作表示制御部106と、を備えている。
【0080】
バッファメモリ101には、PC201から受信した、カードCaに印刷すべき印刷データが一時的に格納される。バッファメモリ101には、PC201から受信した、カードCaの磁気ストライプに記録するための記録データ、又はICに磁気的若しくは電気的に記録するための記録データ等が一時的に格納される。
【0081】
マイコン102は、画像形成装置1の全体の制御処理を行う。マイコン102は、何れも図示を省略する中央演算処理装置として高速クロックで作動するCPU、制御プログラム等が記憶されたROM、CPUのワークエリアとして働くRAM、及びこれらを接続する内部バスを備えている。
【0082】
センサ制御部103は、マイコン102の制御によって動作してセンサSe1及びセンサSe2等を制御し、センサSe1又はセンサSe2から入力される信号をマイコン102に出力する。
【0083】
アクチュエータ制御部104は、マイコン102の制御によって動作する。アクチュエータ制御部104は、モータMr1、モータMr2、モータMr3及びモータMr4に駆動パルスや駆動電力を供給して、モータMr1、モータMr2、モータMr3及びモータMr4を駆動させるモータドライバ等を備えている。
【0084】
サーマルヘッド制御部105は、サーマルヘッド40に備えられている図示しない発熱素子からインクリボン41及び転写フィルム46に供給される熱エネルギーを制御する。
【0085】
操作表示制御部106は、オペパネ部5を制御する。
【0086】
<巻取スプールの構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の巻取スプール47の構成について、
図4から
図10を参照しながら、詳細に説明する。
【0087】
図4は、フィルムセットの平面図である。
図5は、巻取スプールの斜視図である。
図6は、巻取スプールの正面図である。
図7は、
図6のA-A断面図に巻き取ったフィルムを追加した説明図である。
図8は、
図6のB-B断面図に巻き取ったフィルムを追加した説明図である。
図9は、
図7の一部分の拡大図で、転写フィルムが1巻きされた状態を示すイメージ図である。
図10は、
図7の一部分の拡大図で、転写フィルムが巻き取られた状態を示すイメージ図である。
【0088】
ここで、記録媒体としてのカードCaは、IDカード又はクレジットカード等のカードCaであって、一般に国際規格であるISOで規定されたID-1サイズ(85.6mm×53.98mm)である。また、このようなカードCa用の画像形成装置1は、ID-1サイズのカードCaのみを使用する専用装置として製造されていることが多い。
【0089】
本実施の形態の転写フィルム46は、材質がPET(ポリエチレンテレフタレート)、フィルム厚さが0.02mm、及び印刷可能枚数(転写可能枚数)が500枚であるので、供給されてから巻き取る枚数は500枚である。
【0090】
本発明の実施の形態では、転写後の残インクにより発生するフィルム寄りを防止するために、残インクが付着している残インク付着領域の転写フィルム46を巻取スプール47の下方から支持しない。これにより、残インク付着領域の転写フィルム46を撓ませ、残インク付着領域のフィルム巻取り外径を全体の転写フィルム46の外径以下とすることで、フィルム寄りの発生を防止する。ここで、転写フィルム46の表面上の残インク付着領域は、縁無し印字用に形成されたインクが付着する領域であるので、転写するカードCaの端部に対応する位置である。
【0091】
図4に示すように、巻取スプール47には、供給スプール48から延びた未使用状態の転写フィルム46の先端部が貼り付けられており、供給スプール48が供給する転写フィルム46を巻取スプール47が回転しながら巻き取る。具体的には、
図5に示すように、巻取スプール47は、大径部481と、小径部485と、嵌合部482と、大フランジ部483と、小フランジ部484と、を備えている。フィルム巻取り領域(
図6参照)には、残インク付着領域の転写フィルム46を撓ませるために、転写フィルム46を巻き取る大径部481と、転写フィルム46を撓ませる小径部485と、が配置されている。なお、供給スプール48のフィルムが巻かれている領域の形状は、巻取スプール47と異なり、全域ストレートであり外径の変化はない。
【0092】
巻取スプール47に対する転写フィルム46とカードCaの位置関係を記載する
図6に示すように、大径部481は、巻取部の回転軸Pと平行な軸方向(
図6において左右方向)の転写フィルム46が巻き取られるフィルム巻取り領域の中央部に設けられており、転写フィルム46は大径部481を中心にして巻き取られる。
【0093】
図6に示すように、大径部481の外径は、大径部481の軸方向の両端に位置する小径部485よりも大径である。大径部481の軸方向の長さL1は、カードCaの搬送方向に直交する幅方向の長さL2よりも短い(L1<L2)。本実施形態の転写フィルム46の幅方向の長さL3は60mmであり、カードCaの幅方向の長さL2は53.98mmである。本実施形態の大径部481の軸方向の長さL1は、L2(53.98mm)よりも短い30mmである。カードCaの幅方向の長さL2は、転写フィルム46の幅方向の長さL3より小さく、かつ転写フィルム46に画像を形成するインクが付着するインクリボン41の記録幅より小さい。なお、本発明においては、L1<L2<L3の関係を満足すれば良いので、上記の寸法に限定されるものではない。
【0094】
図7及び
図8に示すように、大径部481の軸方向の長さL1は、転写フィルム46の幅方向の長さL3より小さいので、撓んだ転写フィルム46の幅方向の端部が、小径部485に接触しない突出量で小径部485側に突出している。大径部481は、転写フィルム46の残インク付着領域であるカードCaの端部に相当する位置に残インク900が付着した際に、転写フィルム46の幅方向の端部を撓ませる巻取部における軸方向の位置において突出している。
【0095】
本実施形態においては、残インクが付着している残インク付着領域の転写フィルム46の巻取り外径を、その領域以外の転写フィルム46の外径以下として、転写フィルム46の端部を撓ませる。このために必要な転写フィルム46の撓み量は、大径部481の軸方向の端部から撓む前の転写フィルム46のカードCa端部が接触する位置までの距離L4(
図9参照)の長さによって決定される。
【0096】
本実施形態の距離L4は、12mmであるが、転写フィルム46の材質や厚さによって変化するもので、4.5mm以上が好ましい。
【0097】
本実施形態の長さL1は、30mmであるが、4.5mm以上が好ましい。L4を考慮した大径部481の長さL1の範囲は、20mm~45mmが好ましい。ここで、大径部481の長さL1が20mm以上であることが好ましい理由について説明する。巻取スプール47が転写フィルム46を巻取る巻取り方向に関して、転写フィルム46の先端部は、巻取スプール47の大径部481に接着剤により接着されている。これにより、巻取スプール47は転写フィルム46を巻取ることができる。ここで、大径部481の長さL1が20mmより小さい場合、巻取スプール47における、転写フィルム46の先端部との接着領域が、十分に確保できないことにより、巻取スプール47が転写フィルム46を巻取る際に、転写フィルム46が巻取スプール47から剥がれてしまうおそれがある。
【0098】
したがって、大径部481の長さL1は20mm以上であることが好ましい。また、長さL1が45mmを超える場合、転写フィルム46幅L3が約54mmであることから、L4が4.5mm未満となり、転写フィルム46における幅方向端部であり残インクが付着した残インク付着領域が、回転軸P側に撓み難くなるため、長さL1は45mm以下であることが好ましい。
【0099】
転写フィルム46の幅は、カードCaの幅に対して、3mm~20mm大きいことが好ましい。なぜならば、転写フィルム46の幅L3は、縁無し印字のためにカードCaの幅L2より大きい。また、転写フィルム46が搬送路に対してズレルことを考慮すると、転写フィルム46の幅は大きいほど、転写フィルム46の搬送に余裕を生じるが、転写フィルム46のコストを考慮すると制限が有る。このため、転写フィルム46の幅は、カードCaの幅に対して、少なくとも3mm~20mm大きいことが好ましい。
【0100】
小径部485は、軸方向において外径φD1の円筒形状を有している。小径部485は、大径部481よりも小径(φD1<φD2)であり、大径部481と嵌合部482との間、及び大径部481と小フランジ部484との間に設けられている。本実施形態の外径φD1は、22mmであり、大径部481の外径φD2は、30mmである。ここで、外径φD2の範囲は20mm~40mmが好ましい。φD2は、外径が20mmより小さいと巻取りのための巻取スプール47の回転数を上げなければならず、外径が40mmより大きいとフィルムの最大巻取り時に他部品と干渉しないようにする必要が有り、装置の大型化に繋がる。
【0101】
ここで、大径部481の外径φD2と小径部485の外径φD1との段差ΔD(ΔD=(φD2-φD1)/2)を設定する条件について、
図9及び
図10を用いて説明する。なお、
図9は、転写フィルム46が積層される前の状態を示している。また、
図9において、破線は、撓む前の転写フィルム46を示し、実線は、撓んだ後の転写フィルム46を示している。
図10は、転写フィルム46が巻き取られて積層された状態を示している。
【0102】
巻取スプール47には、段差ΔDを設けることにより、巻取部に巻かれる転写フィルム46の幅方向の端部を支持する部材が無い。これより、残インク900が付着した転写フィルム46の端部(インク付着部)は、落込み量ΔSだけ撓む(
図9参照)。大径部481は、設定された印刷枚数(本実施の形態では500枚)分だけ大径部481に巻かれた転写フィルム46の外径D7よりも、インク積層部の外径D8が小さくなるように段差ΔDを有して設けられている(
図10参照)。
【0103】
ここで、大径部481の外径φD2と小径部485の外径φD1との境目に生じる段差ΔDは、大径部481の軸方向の端部から撓む前の転写フィルム46の幅方向の端部までの距離L4(
図9参照)の長さによって変化させても良い。なお、大径部481と小径部485との境目は、外径が変化している箇所であり、径が異なる箇所でもある。
【0104】
大径部481の高さと小径部485の高さとの差(段差ΔD)は、本実施の形態では4mmであるが、1mm以上であることが好ましい。なぜならば、段差ΔDが1mm以上であれば、転写フィルム46の残インク領域を撓ませることができる。なお、撓んだ転写フィルム46の端部が小径部485と接しても良いし接していなくても良い。但し、接する際は、残インク領域の転写フィルム46の外径は、中央部の転写フィルム46の外径と同一又は中央部の転写フィルム46の外径以下になることが条件である。段差ΔDが大きいほど、転写フィルム46の撓みに余裕を生じるが、段差ΔDが大き過ぎると段差ΔDを成型する際に強度等の問題を生じる。例えば、大径部481をリブ形状にする(後述の実施の形態2のリブ)と、リブの高さが高いほど抜きテーパによりリブの幅が狭くなり、リブの強度や接着面積の減少になる。
【0105】
なお、転写フィルム46と接触する大径部481の角部は、面取り、R付け、角でも良い。また、大径部481と小径部485が繋がる隅部はR、なめらかな曲面、テーパ形状でも良い。
【0106】
距離L4と段差ΔDとによって転写フィルム46の落込み量ΔSが決まるので、本実施の形態によって得られる効果は、段差ΔD(本実施の形態では4mm)が落込み量ΔSに必要な量以上であれば、段差ΔDを大きくしてもフィルムの寄りは発生しない。
【0107】
ここで、大径部481は、外径がφD2の円筒形状を有しており、外形寸法は軸方向において同一なストレート形状が望ましいが、外径形状がクラウン形状または逆クラウン形状で有る場合は、巻取スプール47が印刷による転写のために正転駆動と反転駆動されることが繰り返され、転写フィルム46が何度も往復搬送されるため、大径部481のクラウン量は少ないことが望ましい。また、クラウン量は転写フィルム46を大径部481に接着する際の接着力に影響するので、クラウン量は少ないことが望ましい。
【0108】
嵌合部482は、大径部481よりも大径であり、巻取スプール47の軸方向の一端に設けられている。嵌合部482は、軸方向に沿って外方に凹凸になっている。嵌合部482は、モータMr4の図示しない相手側嵌合部と嵌合して、モータMr4の回転により巻取スプール47を回転させる。
【0109】
大フランジ部483は、大径部481よりも大径であり、巻取スプール47の軸方向の他端に設けられている。大フランジ部483は、ハウジング2の図示しない係合部に回転自在に係合する。
【0110】
小フランジ部484は、大フランジ部483よりも小径であり、小径部485と大フランジ部483との間に設けられている。
【0111】
ここで、薄肉である転写フィルム46を大フランジ部483または小フランジ部484に突き当てて軸方向に移動するフィルムの寄りを規制すると、フランジに接触した転写フィルム46が破損するおそれが有るので、フィルムを巻取る際に、転写フィルム46がスプールの軸方向に移動しても転写フィルム46がフランジに接触しないようにフランジは転写フィルム46から離間している。
【0112】
<巻取スプールの動作>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の巻取スプール47の動作について、
図4から
図10を参照しながら、詳細に説明する。
【0113】
所謂縁無し印刷を行う場合等において、カードCaの幅方向の一端部等の特定部位にインクが残っている状態で巻取スプール47に巻き取られる転写フィルム46は、転写フィルム46上に残っている残インク900が一緒に積層されていく。ここで、本実施の形態のインクリボン41のインク材料は、顔料インクである。この顔料インクは、転写フィルム46の受容層に浸透する染料インクに比べて、残インクによる転写フィルム46の外径の増加が大きくなる。
【0114】
転写フィルム46は、
図7に示すように、残インク900が積載されていく部分が小径部485に接触せずに、残インク900が積層されていない部分が大径部481において巻き取られる。
【0115】
転写フィルム46の残インク900が積層されていく部分は、巻取スプール47による支えがなく、
図8に示すように、波打つ様な形で小径部485側に倒れ込む。従って、小径部485側に倒れ込んだ転写フィルム46の残インク900が積層されていく部分の外径は、それ以外の部分よりも小さくなる。
【0116】
転写フィルム46を積層していった際に、転写フィルム46の最大外径となる部分は、軸方向の中央部である大径部481で巻き取られる部分になる。また、転写フィルム46の大径部481で巻き取られる部分は、大径部481の軸方向の長さL1がカードCaの幅L2よりも狭いため、残インク900の積層による影響を受けず、残インク900の積層に起因する外径の差異を生じない。従って、フィルム端部の外径が増加することにより発生する転写フィルム46のフィルム寄りを防ぐことができる。
【0117】
本実施の形態では、巻取り領域における軸方向の中央部に設けられ、軸方向の端部よりも大径であると共に軸方向の長さL1がカードCaの幅方向の長さL2よりも短い大径部481を備える巻取スプール47で転写フィルム46を巻き取る。これにより、転写フィルム46の受容層に浸透する染料インクに比べて、顔料インクを使用する転写フィルム46上に残留した残インク900に起因する転写フィルム46の寄りを、大径部の端部に小径部を配置するという簡易な構成でコストを増大させることなく防ぐことができる。
【0118】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置は
図1から
図3と同一構成であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る画像形成装置の再転写フィルムセットは巻取スプール47に代えて巻取スプール148を設ける以外は
図4と同一構成であるので、巻取スプール148以外の部分の説明を省略する。
【0119】
<巻取スプールの構成>
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の巻取スプール148の構成について、
図11及び
図12を参照しながら、詳細に説明する。
【0120】
なお、
図11及び
図12において、
図5から
図8と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0121】
実施の形態2では、実施の形態1の大径部481の代わりに、巻取りスプールから周方向に突出する複数のリブによって巻取り部581を形成する。これにより、実施の形態1の巻取スプール47が複数部品に分割して成型した後に部品を合体させて形成するのに対し、巻取り部581の肉厚が複数のリブにより部分的に厚くなることがないため、一部分についてスライド型を使用するのみで成型できるため、巻取スプール148の製造コストを低減することができる。
【0122】
巻取スプール148に対する転写フィルム46とカードCaの位置関係を記載する
図11に示すように、巻取スプール148は、嵌合部482と、大フランジ部483と、小フランジ部484と、小径部485と、巻取り部581と、を備えており、フィルム巻取り領域には複数のリブからなる巻取り部581と小径部485が配置される。
【0123】
複数のリブからなる巻取り部581は、巻取部の回転軸Pと平行な軸方向(
図11において左右方向)の転写フィルム46が巻き取られる中央部に設けられている。巻取り部581は、軸方向及び軸方向を中心とする周方向に沿って複数のリブを外方に突出させて形成されている。巻取り部581は、軸方向において同一径φD4の円筒形状を有している。径φD4は、例えば30mmである。巻取り部581の複数のリブは、巻取スプール148から周方向の外方に突出して軸方向に配列している。軸方向の両端に位置するリブ間の長さは、カードCaの幅方向の長さL2よりも短い。
【0124】
巻取り部581のリブピッチは、本実施の形態では3.8mmであるが、2mm~9mmが好ましい。また、リブ幅は本実施の形態では1.6mmであるが、1mm~3mmが好ましい。なぜならば、フィルムセットの製造時は転写フィルム46の端部を巻取スプール47に接着するため、接着剤の接着面積が広い方が望ましいのでリブピッチは狭い方が好ましい。また、リブ幅も接着面積が広い方が良いが、成型時に肉厚大によるひけ等の問題が発生しないようにリブ幅は1~3mmが好ましい。
【0125】
巻取り部581は、巻取部の軸方向の端部で小径部485よりも大径である。巻取り部581の軸方向の長さL1は、カードCaの幅方向の長さL2よりも短い(L1<L2)。本実施の形態では、転写フィルム46の幅方向の長さL3は60mmであり、カードCaの幅方向の長さL2は53.98mmであり、巻取り部581の軸方向の長さL1は30mmである。また、小径部485の径φD3は、22mmである。
【0126】
巻取り部581は、撓んだ転写フィルム46の幅方向の端部が、小径部485に接触しない突出量で小径部485より突出している。
【0127】
なお、本実施の形態における、巻取り部581の外径φD4と小径部485の外径φD3との段差ΔD(ΔD=(φD4-φD3)/2)を設定する条件は、上記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る画像形成装置の巻取スプール148の動作は上記の巻取スプール47の動作と同一動作であるので、その説明を省略する。
【0128】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る画像形成装置は
図1から
図3と同一構成であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る画像形成装置の再転写フィルムセットは巻取スプール47に代えて巻取スプール248を設ける以外は
図4と同一構成であるので、巻取スプール248以外の部分の説明を省略する。
【0129】
<巻取スプールの構成>
本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の巻取スプール248の構成について、
図13を参照しながら、詳細に説明する。
【0130】
なお、
図13において、
図5から
図8と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0131】
巻取スプール248に対する転写フィルム46とカードCaの位置関係を記載する
図13に示すように、巻取スプール248は、嵌合部482と、大フランジ部483と、嵌合部482と大フランジ部483とを連結する連結部682と、連結部682の両端に溝状の凹部683と、を備えている。連結部682及び2箇所の凹部683によって、転写フィルム46を巻き取る巻取り領域(
図13参照)を構成している。なお、巻取スプール248は、小フランジ部684及び小フランジ部685を有している。
【0132】
連結部682は、巻取部の回転軸Pと平行な軸方向(
図13において左右方向)の転写フィルム46が巻き取られる巻取り領域の中央部に設けられている。連結部682は、軸方向において同一径φD6の円筒形状を有している。本実施形態の外径φD6は、30mmである。
【0133】
連結部682は、巻取り領域の軸方向の両端部の凹部683よりも大径である。連結部682の軸方向の長さL1は、カードCaの搬送方向に直交する幅方向の長さL2よりも短い(L1<L2)。転写フィルム46の幅方向の長さL3は60mmであり、カードCaの幅方向の長さL2は53.98mmであり、連結部682の軸方向の長さL1は、L2(53.98mm)よりも短く、30mmである。なお、本実施の形態においては、上記の寸法に限定されるものではなく、L1<L2を満足すれば良いので、上記の寸法は転写フィルム46の厚さ又は幅等に応じて変化する。
【0134】
溝状の凹部683は、撓んだ転写フィルム46の幅方向の端部が接触しない幅と深さとを有している。
【0135】
溝状の凹部683は、軸方向において同一径φD5の円筒形状を有している。本実施形態の外径φD5は、22mmである。
【0136】
なお、本実施の形態における、連結部682の外径φD6と凹部683の外径φD5との段差ΔD(ΔD=(φD6-φD5)/2)を設定する条件は、上記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る画像形成装置の巻取スプール248の動作は上記の巻取スプール47の動作と同一動作であるので、その説明を省略する。
【0137】
本実施の形態では、巻取部の巻き取る転写フィルム46の回転軸と平行な軸方向の端部と対向する位置に、外周に沿って溝状の凹部683を備える。これにより、転写フィルム46上の残インク900に起因する転写フィルム46の寄りを、簡易な構成でコストを増大させることなく防ぐことができる。
【0138】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
【0139】
本発明は、残インクがフィルムに浸透せずに、残インクが有る箇所と無い箇所ではフィルムの巻取り径の厚みが変化する場合に有効な発明である。このため、染料インクより顔料インクを使用する再転写フィルムの巻取りスプールに本実施形態のスプール形状が有効である。しかし、本発明は顔料インク用の転写フィルムに限定されるものではなく、転写フィルム面上の付着物の存在によりフィルム寄りが発生する際に有効であることは言うまでもない。
【0140】
本発明は代表的な実施形態で詳述される一方、本発明は、必ずしもこれら代表的な実施形態に限定されるものではない。下記請求項の範囲は、すべての変形、同等の構造及び機能を含む、もっとも広い解釈によるものとする。
【0141】
本願は、2019年6月13日提出の日本国特許出願特願2019-110686を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てをここに援用する。