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特許7117095留め具打込み装置、留め具集合体、および留め具集合体セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】留め具打込み装置、留め具集合体、および留め具集合体セット
(51)【国際特許分類】
   B25C 5/06 20060101AFI20220804BHJP
   F16B 15/08 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
B25C5/06 A
F16B15/08 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017201373
(22)【出願日】2017-10-17
(65)【公開番号】P2019072816
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】岸 玄二
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0126201(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0072004(US,A1)
【文献】特開2009-179227(JP,A)
【文献】特開平10-138167(JP,A)
【文献】実開昭61-020275(JP,U)
【文献】特開2005-233329(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0231486(US,A1)
【文献】実開昭62-147480(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0156844(US,A1)
【文献】米国特許第05620289(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 5/06
F16B 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを配設面に留め付けるための留め具が複数連結された留め具集合体と、前記留め具を前記配設面に打ち込むための留め具打込み工具とからなる、留め具打込み装置であって、
前記留め具は、金属製の釘体と合成樹脂製の基体とを備え、
前記釘体は、相対向位置する一対の釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成され、
前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備えて、前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となり、
前記留め具集合体は、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結されてなり、
前記留め具打込み工具は、前記留め具に備わる釘部を前記配設面に打ち込むように、前記留め具を打ち出すものであって、前記留め具集合体を収容する弾装部と、その弾装部に収容された留め具集合体を前記留め具の並ぶ一方の方向に送り出す送出し機構と、その留め具のうち送り出す方向の端に位置する留め具が打ち出される射出口とを備え、また、
前記留め具打込み工具は、他の種類の留め具が複数連結された他の種類の留め具集合体を、前記弾装部に収容可能で、かつ、その留め具集合体の留め具を前記射出口から打ち出し可能であって、
前記留め具集合体は、前記他の種類の留め具集合体と識別するための表示部を、前記留め具に有し、
前記表示部は、前記一対の釘部のそれぞれの釘部における、その釘部の延びる方向の一部のみにその延びる方向に沿って連続形成され、かつ、前記表示部は、前記連設部側の、前記筒部から露出する表示部の全体が、前記留め具の前記配設面への打込み後には前記筒部内に隠れる位置に設けられ、
前記弾装部には、前記表示部を外部から視認可能な視認部が形成されている、留め具打込み装置。
【請求項2】
ケーブルを配設面に留め付けるための留め具が複数連結された留め具集合体が、複数種類設けられた留め具集合体セットと、前記留め具を前記配設面に打ち込むための留め具打込み工具とからなる、留め具打込み装置であって、
前記留め具は、金属製の釘体と合成樹脂製の基体とを備え、
前記釘体は、相対向位置する一対の釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成され、
前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備えて、前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となり、
前記留め具集合体は、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結されてなり、
前記留め具打込み工具は、前記留め具に備わる釘部を前記配設面に打ち込むように、前記留め具を打ち出すものであって、互いに前記留め具の種類が異なる複数種類の前記留め具集合体を選択的に収容する弾装部と、その弾装部に収容された留め具集合体を前記留め具の並ぶ一方の方向に送り出す送出し機構と、その留め具のうち送り出す方向の端に位置する留め具が打ち出される射出口とを備え、
複数種類の前記留め具集合体は、互いを識別するための表示部を、前記留め具に有し、
前記表示部は、前記一対の釘部のそれぞれの釘部における、その釘部の延びる方向の一部のみにその延びる方向に沿って連続形成され、かつ、前記表示部は、前記連設部側の、前記筒部から露出する表示部の全体が、前記留め具の前記配設面への打込み後には前記筒部内に隠れる位置に設けられ、
前記弾装部には、前記表示部を外部から視認可能な視認部が形成されている、留め具打込み装置。
【請求項3】
前記複数種類の留め具集合体は、互いに前記留め具の配置空間の形状が異なる、請求項2に記載の留め具打込み装置。
【請求項4】
前記複数種類の留め具集合体は、互いに前記留め具の釘体の形状が異なる、請求項2または3に記載の留め具打込み装置。
【請求項5】
前記視認部は、前記弾装部の、前記留め具を送り出す方向における前記射出口寄りの位置に少なくとも設けられる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の留め具打込み装置。
【請求項6】
ケーブルを配設面に留め付けるための留め具が複数連結された留め具集合体であって、
前記留め具は、金属製の釘体と合成樹脂製の基体とを備え、
前記釘体は、相対向位置する一対の釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成され、
前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備えて、前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となり、
前記留め具集合体は、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結されてなり、また、
前記留め具集合体は、他の種類の留め具が複数連結された他の種類の留め具集合体と識別するための表示部を、前記留め具に有し、
前記表示部は、前記一対の釘部のそれぞれの釘部における、その釘部の延びる方向の一部のみにその延びる方向に沿って連続形成され、かつ、前記表示部は、前記連設部側の、前記筒部から露出する表示部の全体が、前記留め具の前記配設面への打込み後には前記筒部内に隠れる位置に設けられる、留め具集合体。
【請求項7】
ケーブルを配設面に留め付けるための留め具が複数連結された留め具集合体が、複数種類設けられた留め具集合体セットであって、
前記留め具は、金属製の釘体と合成樹脂製の基体とを備え、
前記釘体は、相対向位置する一対の釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成され、
前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備えて、前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となり、
前記留め具集合体は、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結されてなり、
複数種類の前記留め具集合体は、互いに前記留め具の種類が異なり、かつ、
複数種類の前記留め具集合体は、互いを識別するための表示部を、前記留め具に有し、
前記表示部は、前記一対の釘部のそれぞれの釘部における、その釘部の延びる方向の一部のみにその延びる方向に沿って連続形成され、かつ、前記表示部は、前記連設部側の、前記筒部から露出する表示部の全体が、前記留め具の前記配設面への打込み後には前記筒部内に隠れる位置に設けられる、留め具集合体セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、留め具を打ち出す留め具打込み装置、留め具が複数連結された留め具集合体、および留め具集合体セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ステープル打込装置において、形状の異なる留め金を、突き刺す深さを調整して打ち込むことができるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-138167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のステープル打込装置(留め具打込み工具)にあっては、そのステープル打込装置に収容された留め金(留め具)が、どのようなものかは、収容された状態では確認することができず不便であった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、留め具が、留め具打込み工具に収容された状態で、留め具の種類を簡単に確認することができる、留め具打込み装置を提供することにある。
【0006】
また、他の目的は、留め具そのものの違いを見ることなく、その留め具の種類を確認することができる、留め具集合体、および留め具集合体セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る留め具打込み装置、留め具集合体、および留め具集合体セットは、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る留め具打込み装置は、ケーブルを配設面に留め付けるための留め具が複数連結された留め具集合体と、前記留め具を前記配設面に打ち込むための留め具打込み工具とからなる。ここで、前記留め具は、金属製の釘体と合成樹脂製の基体とを備える。前記釘体は、相対向位置する一対の釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成される。そして、前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備えて、前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となる。そこで、前記留め具集合体は、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結されてなる。一方、前記留め具打込み工具は、前記留め具に備わる釘部を前記配設面に打ち込むように、前記留め具を打ち出すものであって、前記留め具集合体を収容する弾装部と、その弾装部に収容された留め具集合体を前記留め具の並ぶ一方の方向に送り出す送出し機構と、その留め具のうち送り出す方向の端に位置する留め具が打ち出される射出口とを備える。また、前記留め具打込み工具は、他の種類の留め具が複数連結された他の種類の留め具集合体を、前記弾装部に収容可能で、かつ、その留め具集合体の留め具を前記射出口から打ち出し可能となっている。そこで、前記留め具集合体は、前記他の種類の留め具集合体と識別するための表示部を、前記留め具に有する。この表示部は、前記一対の釘部のそれぞれの釘部における、その釘部の延びる方向の一部のみにその延びる方向に沿って連続形成され、かつ、表示部は、前記連設部側の、前記筒部から露出する表示部の全体が、前記留め具の前記配設面への打込み後には前記筒部内に隠れる位置に設けられる。そして、前記弾装部には、前記表示部を外部から視認可能な視認部が形成されている。
【0008】
この留め具打込み装置によると、留め具集合体は、留め具が複数連結されて形成され、その留め具集合体は、留め具に、他の種類の留め具が複数連結された他の種類の留め具集合体と識別するための表示部を有する。一方、留め具打込み工具においては、留め具集合体が収容される弾装部に、前記表示部を外部から視認可能な視認部が設けられている。このため、視認部を通して、留め具に設けられた表示部を目視することで、留め具集合体が留め具打込み工具の弾装部に収容された状態で、他の種類の留め具、つまりは他の種類の留め具集合体と識別することができる。また、筒部から露出する表示部の全体を、釘部における、留め具を配設面に打ち込んだ後に基体の筒部内に隠れる位置に設けることで、打込み後には、表示部が見えなくなり、ケーブルの配設状態の外観を害することがない。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る留め具打込み装置は、ケーブルを配設面に留め付けるための留め具が複数連結された留め具集合体が、複数種類設けられた留め具集合体セットと、前記留め具を前記配設面に打ち込むための留め具打込み工具とからなる。ここで、前記留め具は、金属製の釘体と合成樹脂製の基体とを備える。前記釘体は、相対向位置する一対の釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成される。そして、前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備えて、前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となる。そこで、前記留め具集合体は、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結されてなる。一方、前記留め具打込み工具は、前記留め具に備わる釘部を前記配設面に打ち込むように、前記留め具を打ち出すものであって、互いに前記留め具の種類が異なる複数種類の前記留め具集合体を選択的に収容する弾装部と、その弾装部に収容された留め具集合体を前記留め具の並ぶ一方の方向に送り出す送出し機構と、その留め具のうち送り出す方向の端に位置する留め具が打ち出される射出口とを備える。そこで、複数種類の前記留め具集合体は、互いを識別するための表示部を、前記留め具に有する。この表示部は、前記一対の釘部のそれぞれの釘部における、その釘部の延びる方向の一部のみにその延びる方向に沿って連続形成され、かつ、表示部は、前記連設部側の、前記筒部から露出する表示部の全体が、前記留め具の前記配設面への打込み後には前記筒部内に隠れる位置に設けられる。そして、前記弾装部には、前記表示部を外部から視認可能な視認部が形成されている。
【0010】
この留め具打込み装置によると、留め具集合体は、留め具が複数連結されて形成される。そして、留め具集合体は、複数種類設けられ、それらは、互いに留め具の種類が異なり、留め具に、互いを識別するための表示部を有する。一方、留め具打込み工具においては、留め具集合体が収容される弾装部に、前記表示部を外部から視認可能な視認部が設けられている。このため、視認部を通して、留め具に設けられた表示部を目視することで、留め具集合体が留め具打込み工具の弾装部に収容された状態で、留め具の種類、つまりは留め具集合体の種類を識別することができる。また、筒部から露出する表示部の全体を、釘部における、留め具を配設面に打ち込んだ後に基体の筒部内に隠れる位置に設けることで、打込み後には、表示部が見えなくなり、ケーブルの配設状態の外観を害することがない。
【0011】
また、請求項3に記載の発明に係る留め具打込み装置は、請求項2に記載の留め具打込み装置において、前記複数種類の留め具集合体は、互いに前記留め具の配置空間の形状が異なる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明に係る留め具打込み装置は、請求項2または3に記載の留め具打込み装置において、前記複数種類の留め具集合体は、互いに前記留め具の釘体の形状が異なる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
また、請求項5に記載の発明に係る留め具打込み装置は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の留め具打込み装置において、前記視認部は、前記弾装部の、前記留め具を送り出す方向における前記射出口寄りの位置に少なくとも設けられる。こうして、視認部を、射出口寄りの位置に少なくとも設けることで、留め具の打込みにより留め具の数が減少して留め具集合体が短くなった場合であっても、この視認部から、留め具における表示部を確認することができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明に係る留め具集合体は、ケーブルを配設面に留め付けるための留め具が複数連結されてなる。ここで、前記留め具は、金属製の釘体と合成樹脂製の基体とを備える。前記釘体は、相対向位置する一対の釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成される。そして、前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備えて、前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となる。そこで、前記留め具集合体は、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結されてなる。また、前記留め具集合体は、他の種類の留め具が複数連結された他の種類の留め具集合体と識別するための表示部を、前記留め具に有する。この表示部は、前記一対の釘部のそれぞれの釘部における、その釘部の延びる方向の一部のみにその延びる方向に沿って連続形成され、かつ、表示部は、前記連設部側の、前記筒部から露出する表示部の全体が、前記留め具の前記配設面への打込み後には前記筒部内に隠れる位置に設けられる。
【0020】
この留め具集合体によると、留め具集合体は、留め具が複数連結されて形成され、その留め具集合体は、留め具に、他の種類の留め具が複数連結された他の種類の留め具集合体と識別するための表示部を有する。このため、表示部を目視することで、留め具そのものの違いを見ることなく、その留め具の種類を確認することができる。また、筒部から露出する表示部の全体を、釘部における、留め具を配設面に打ち込んだ後に基体の筒部内に隠れる位置に設けることで、打込み後には、表示部が見えなくなり、ケーブルの配設状態の外観を害することがない。
【0021】
また、請求項7に記載の発明に係る留め具集合体セットは、ケーブルを配設面に留め付けるための留め具が複数連結された留め具集合体が、複数種類設けられてなる。ここで、前記留め具は、金属製の釘体と合成樹脂製の基体とを備える。前記釘体は、相対向位置する一対の釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成される。そして、前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備えて、前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となる。そこで、前記留め具集合体は、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結されてなる。そして、複数種類の前記留め具集合体は、互いに前記留め具の種類が異なり、かつ、複数種類の前記留め具集合体は、互いを識別するための表示部を、前記留め具に有する。この表示部は、前記一対の釘部のそれぞれの釘部における、その釘部の延びる方向の一部のみにその延びる方向に沿って連続形成され、かつ、表示部は、前記連設部側の、前記筒部から露出する表示部の全体が、前記留め具の前記配設面への打込み後には前記筒部内に隠れる位置に設けられる。
【0022】
この留め具集合体セットによると、留め具集合体は、留め具が複数連結されて形成される。そして、留め具集合体は、複数種類設けられ、それらは、互いに留め具の種類が異なり、留め具に、互いを識別するための表示部を有する。このため、表示部を目視することで、留め具そのものの違いを見ることなく、その留め具の種類を確認することができる。また、筒部から露出する表示部の全体を、釘部における、留め具を配設面に打ち込んだ後に基体の筒部内に隠れる位置に設けることで、打込み後には、表示部が見えなくなり、ケーブルの配設状態の外観を害することがない
【発明の効果】
【0023】
請求項1ないし5に記載の発明に係る留め具打込み装置によれば、留め具打込み工具の弾装部に設けた視認部を通して、留め具の表示部を目視することで、留め具が、留め具打込み工具に収容された状態で、留め具の種類を簡単に確認することができる。そして、筒部から露出する表示部の全体を、釘部における、留め具を配設面に打ち込んだ後に基体の筒部内に隠れる位置に設けることで、打込み後には、表示部が見えなくなり、ケーブルの配設状態の外観を害することがない。
【0024】
また、請求項6に記載の発明に係る留め具集合体、および請求項7に記載の留め具集合体セットによれば、留め具に設けた表示部を目視することで、その留め具の種類を確認することができる。そして、筒部から露出する表示部の全体を、釘部における、留め具を配設面に打ち込んだ後に基体の筒部内に隠れる位置に設けることで、打込み後には、表示部が見えなくなり、ケーブルの配設状態の外観を害することがない
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明一実施の形態の、留め具打込み装置の側面図である。
図2】同じく、留め具打込み装置の斜視図である。
図3】同じく、操作ハンドルが配設面から離れた側にあるときの、留め具打込み装置の断面図である。
図4】同じく、操作ハンドルを配設面側へと回動させていく途中の、留め具打込み装置の断面図である。
図5】同じく、操作ハンドルを配設面側へと回動させた終端部での、打撃ドライバが配設面側に移動する前の、留め具打込み装置の断面図である。
図6】同じく、操作ハンドルを配設面側へと回動させた終端部での、打撃ドライバが配設面側に移動した後の、留め具打込み装置の断面図である。
図7】同じく、アタッチメントが下側に位置するときの、留め具打込み装置の斜視図である。
図8】同じく、留め具集合体を示し、(a)は、斜視図、(b)は、側面図である。
図9】同じく、(a)は、図8(b)におけるA-A線による断面図、(b)は、図8(b)におけるB-B線による断面図である。
図10】同じく、配設面に打ち込まれた留め具の断面図である。
図11】同じく、他の種類の留め具集合体を示し、(a)は、斜視図、(b)は、側面図である。
図12】同じく、(a)は、図11(b)におけるC-C線による断面図、(b)は、図11(b)におけるD-D線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明に係る留め具打込み装置、留め具集合体、および留め具集合体セットを実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1図12は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、配設面を示す。2は、電線等のケーブルを示す。3は、前記ケーブル2を前記配設面1に留め付けるための留め具を示す。4は、前記留め具3が複数連結された留め具集合体を示す。5は、前記留め具3を前記配設面1に打ち込むための留め具打込み工具を示す。6は、留め具打込み装置を示し、この留め具打込み装置6は、前記留め具集合体4と、前記留め具打込み工具5とからなる。
【0028】
ここで、留め具3は、金属製の釘体3aと合成樹脂製の基体3bとを備える。釘体3aは、相対向位置する一対の釘部3c、3cと、それら釘部3c、3cを一端で繋ぐ連設部3dとからなって、略コ字状に形成される。基体3bは、相対向位置して内部が釘部3cが挿入される挿入部となる一対の筒部3e、3eと、それら筒部3e、3eを釘体3aにおける連設部3dのある側で繋ぐ繋ぎ部3fとを備えて、筒部3e、3e間が、ケーブル2が通る配置空間3gとなる。
【0029】
留め具集合体4は、複数の前記留め具3、3が、基体3b部分で、分断可能な結合部4aにより連結されている。この留め具集合体4は、他の種類の留め具3が複数連結された他の種類の留め具集合体4と識別するための表示部7を、前記留め具3に有する。同様に、他の種類の留め具集合体4においても、この留め具集合体4と識別するための表示部7を、留め具3に有する。つまり、複数種類の留め具集合体4、4は、互いに留め具3の種類が異なり、かつ、互いを識別するための表示部7を、留め具3に有する。そして、これら複数種類の留め具集合体4、4は、留め具集合体セットを構成する。
【0030】
一方、留め具打込み工具5は、留め具3に備わる釘部3cを配設面1に打ち込むように、その留め具3を打ち出すものであって、留め具集合体4を収容する弾装部5aと、その弾装部5aに収容された留め具集合体4を留め具3、3の並ぶ一方の方向に送り出す送出し機構5bと、その留め具3、3のうち送り出す方向Qの端に位置する留め具3が打ち出される射出口5cとを備える。また、留め具打込み工具5は、他の種類の留め具3が複数連結された他の種類の留め具集合体4を、前記弾装部5aに収容可能で、かつ、その留め具集合体4の留め具3を前記射出口5cから打ち出し可能となっている。つまり、留め具打込み工具5は、互いに留め具3の種類が異なる複数種類の留め具集合体4、4を選択的に収容する弾装部5aと、その弾装部5aに収容された留め具集合体4を留め具3、3の並ぶ一方の方向に送り出す送出し機構5bと、その留め具3、3のうち送り出す方向Qの端に位置する留め具3が打ち出される射出口5cとを備える。そして、留め具打込み工具5における弾装部5aには、留め具3に設けられた表示部7を外部から視認可能な視認部5dが形成されている。
【0031】
具体的には、留め具3は、3心の平型ケーブル用の留め具であって、基体3bは、その配置空間3gが幅広の長方形類似形状となるように形成されている(図8図10参照)。そして、他の種類の留め具3としては、例えば、2心の平型ケーブル用の留め具があり、この留め具3の基体3bは、その配置空間3gが、幅狭の長方形類似形状となるように形成されている(図11図12参照)。そのほかに、他の種類の留め具3として、図示を省略するが、同軸ケーブル用の留め具があり、この留め具の基体は、その配置空間が、三角形の頂部を弧状とした三角形類似形状となるように形成される。すなわち、留め具集合体4と他の種類の留め具集合体4とは、留め具3の配置空間3gの形状が異なっている。つまり、複数種類の留め具集合体4、4は、互いに留め具3の配置空間3gの形状が異なっている。そして、これら留め具集合体4(留め具3)と他の種類の留め具集合体4(他の種類の留め具3)とは、外輪郭形状が共通であって、それぞれが、同じ弾装部5aに収容可能となっている。
【0032】
また、前記表示部7は、釘部3cにおける、連設部3d側の、基体3bの筒部3eから露出する位置であって、配設面1への打込み後には筒部3e内または/および配設面1下に隠れる位置(図示実施の形態においては、筒部3e内に隠れる位置)に設けられる(図8図10参照)。この表示部7は、釘部3cに、例えば、塗料が塗布されることで設けられる。そこで、この表示部7(すなわち、塗料)の色は、他の種類の留め具3に設けられた表示部7の色とは異なった色となっている。つまり、複数種類の留め具集合体4、4は、互いに表示部7の色が異なっている。
【0033】
留め具打込み工具5においては、前記視認部5dは、弾装部5aの、留め具3を送り出す方向Qにおける射出口5c寄りの位置に少なくとも(図示実施の形態においては、射出口5c寄りの位置に)設けられる。詳細には、視認部5dは、孔であって、図示実施の形態においては、弾装部5aの側面に設けられる。
【0034】
この留め具打込み工具5は、本体501と、操作ハンドル502と、配設面1に当接して本体501の姿勢を保持する姿勢保持部503とを備える。そして、本体501は、前記弾装部5aと、前記送出し機構5bと、前記射出口5cと、前記視認部5dと、打撃ドライバ5eと、連動機構5fとを備える。
【0035】
操作ハンドル502は、本体501の前側に位置するハンドル軸5gを中心に、回動可能に軸支され、本体501の後ろ側に延びて手で操作されるものである。この操作ハンドル502には、前側に親指と人差し指とが跨ぐようにして掛けられ、後ろ側に手の平が載せられる。そして、本体501に設けられた指掛け部5hに、人差し指から小指までの先端が掛けられる。
【0036】
弾装部5aは、本体501の下部に、前後に長手となるように設けられる。そこで、留め具集合体4は、留め具3の並ぶ方向が弾装部5aの長手方向となる向きで、その弾装部5aに収容される。そして、弾装部5aの前端部分に、前記射出口5cが設けられる。
【0037】
送出し機構5bは、留め具集合体4(複数の留め具3、3)を送り出す方向Q(弾装部5aの長手方向であって前方に向かう方向)へと付勢する付勢手段5i(図示実施の形態においては、コイルスプリング)と、その付勢手段5iに抗して、留め具集合体4(複数の留め具3、3)をその送り出す方向Qの先端で止めるストッパー面5jとを備える(図5参照)。ここで、ストッパー面5jは、弾装部5aの前端部内面からなる。
【0038】
打撃ドライバ5eは、留め具3、3のうち送り出す方向Qの端に位置する留め具3を射出口5cから配設面1に向けて打ち出すものである。この打撃ドライバ5eは、上下方向(前記送り出す方向Qに対し、垂直方向)にスライド可能となっている。そこで、打撃ドライバ5eが、上方(配設面1から離れた側)に移動したときには、留め具集合体4は、ストッパー面5jに当接し、打撃ドライバ5eは、留め具集合体4の前端の留め具3(つまり、前記送り出す方向Qの先端に位置する留め具3)の上方に位置する(図5参照)。そして、打撃ドライバ5eが、留め具3を打ち出すように下方(配設面1に近づいた側)に移動したときには、留め具集合体4(詳しくは、打ち出された留め具3の後方に控える留め具3)は、打撃ドライバ5eの後面に当接する(図6参照)。
【0039】
連動機構5fは、操作ハンドル502の、配設面1側への回動に連動して、打撃ドライバ5eを、配設面1から離れた側に移動させ(図4参照)、その回動の終端部で(図5参照)、打撃ドライバ5eで留め具3を打ち出すよう打撃ドライバ5eを配設面1側に移動させるものである(図6参照)。
【0040】
この連動機構5fは、リンク機構を備え、そのリンク機構は、第1レバー5mと第2レバー5nとスプリング受け5pとを備える。第1レバー5mは、第1軸部5qで、本体501のケース5rに回動可能に軸支される。この第1レバー5mには、後端にローラ5sが設けられ、そのローラ5sが、操作ハンドル502の裏面に当接する。そして、第1レバー5mは、スプリング5t(詳しくは、コイルスプリング)によって、回動方向(図において、反時計回り方向)に付勢される。第2レバー5nは、第2軸部5uで、第1レバー5mに回動可能に軸支される。この第2レバー5nには、所定の回動位置を越えて回動(図において、反時計回り方向に回動)することのないように、第1レバー5mの係止部5vに係止される被係止部5wが設けられている(図4図6参照)。そして、第2レバー5nは、スプリング(図示せず)によって、回動方向(図において、反時計回り方向)に付勢される。スプリング受け5pは、打撃ドライバ5eに打込み力を付与するための打撃スプリング5xを受けるものであって、打撃ドライバ5eと一体となって移動する。このスプリング受け5pには、後方に突出する被係合部5yが設けられ、この被係合部5yと、第2レバー5nの先端部分の係合部5zとが係合する。
【0041】
そこで、操作ハンドル502が配設面1から離れた側となる回動位置(図3参照)から、操作ハンドル502を押圧して、配設面1側へと回動させると、第1レバー5mを介して、第2レバー5nの係合部5zが、スプリング受け5pの被係合部5yに係合して、そのスプリング受け5p、ひいては打撃ドライバ5eは、打撃スプリング5xの付勢力に抗して、配設面1から離れた側に引き上げられる(図4図5参照)。この際、操作ハンドル502の、配設面1側への回動の途中で、第2レバー5nの被係止部5wが第1レバー5mの係止部5vに係止されて(図4参照)、第1レバー5mと第2レバー5nとが一体となって回動(図において、時計回り方向に回動)し、操作ハンドル502の回動の終端部で、第2レバー5nの係合部5zが、スプリング受け5pの被係合部5yから外れる(図5参照)。これに先立ち、留め具集合体4(留め具3)が、送出し機構5bにより、ストッパー面5jに当接するまで送り出されている。そこで、打撃スプリング5xの付勢力により、スプリング受け5p、ひいては打撃ドライバ5eは、配設面1側に急速に移動し、その打撃ドライバ5eによって、ストッパー面5jに当接している留め具3が、射出口5cから、配設面1に向かって打ち出される(図6参照)。
【0042】
その後、操作ハンドル502に掛けた手を緩めると、操作ハンドル502は、スプリング5tの付勢力により、配設面1から離れた側に回動し、これに伴って、第2レバー5nが配設面1側に移動し、最初の状態(図3参照)に戻る。
【0043】
姿勢保持部503は、本体501から配設面1側に突出するようにして設けられる。この姿勢保持部503は、打撃ドライバ5e側に位置する第1姿勢保持部504と、打撃ドライバ5eから離れた、操作ハンドル502の延びる側に位置する第2姿勢保持部505とを備える。ここで、第1姿勢保持部504は、本体501から配設面1側に突出するとともに、ケーブル2を跨いで配設面1に当接するようそのケーブル2を受け入れる凹部50aを有する。同様に、第2姿勢保持部505は、本体501から配設面1側に突出するとともに、ケーブル2を跨いで配設面1に当接するようそのケーブル2を受け入れる凹部50bを有する。
【0044】
詳細には、留め具打込み工具5は、前記第1姿勢保持部504を有する第1姿勢保持部材50cと、前記第2姿勢保持部505を有する第2姿勢保持部材50dとを備え、それら第1姿勢保持部材50cと第2姿勢保持部材50dとが、本体501(詳しくは、ケース5r)に固定される。
【0045】
ところで、この留め具打込み工具5は、前記ケーブル2(図示実施の形態においては、3心の平型ケーブル)とは、横断面の外形形状の異なるケーブルに対応できるように、アタッチメント50eを備える。図示実施の形態においては、アタッチメント50eは、2心の平型ケーブル用であり、その2心の平型ケーブルに対応するよう、第1姿勢保持部504の凹部50aよりも幅狭となる凹部50fを有する。このアタッチメント50eは、第1姿勢保持部材50cに被るようにしてその第1姿勢保持部材50cに取り付けられる。そして、アタッチメント50eは、第1姿勢保持部材50cに対し(つまりは、本体501に対し)、配設面1から離れた側(上側)と近づいた側(下側)との間をスライド可能となっている。そこで、アタッチメント50eが上側に位置するときには、第1姿勢保持部504が露出し、その第1姿勢保持部504でケーブル2を位置決めすることができる(図1図6参照)そして、アタッチメント50eが下側に位置するときには、そのアタッチメント50eの凹部50fで、2心の平型ケーブルを位置決めすることができる(図7参照)。また、アタッチメント50eは、2心の平形ケーブルの他に、同軸ケーブル用などの各種のものが用意されており、それらを着脱交換することで、各種のケーブルに対応可能となっている。
【0046】
次に、以上の構成からなる留め具打込み装置6、留め具集合体4、および留め具集合体セットの作用効果について説明する。留め具打込み装置6によると、留め具集合体4は、留め具3が複数連結されて形成され、その留め具集合体4は、留め具3に、他の種類の留め具3が複数連結された他の種類の留め具集合体4と識別するための表示部7を有する。一方、留め具打込み工具5においては、留め具集合体4が収容される弾装部5aに、前記表示部7を外部から視認可能な視認部5dが設けられている。このため、視認部5dを通して、留め具3に設けられた表示部7を目視することで、留め具集合体4が留め具打込み工具5の弾装部5aに収容された状態で、他の種類の留め具3、つまりは他の種類の留め具集合体4と識別することができる。すなわち、この留め具打込み装置6によれば、留め具打込み工具5の弾装部5aに設けた視認部5dを通して、留め具3に設けられた表示部7を目視することで、留め具3が、留め具打込み工具5(詳しくは、弾装部5a)に収容された状態で、留め具3の種類(留め具集合体4の種類)を簡単に確認することができる。
【0047】
また、留め具3(留め具集合体4)の表示部7を、釘部3cにおける、留め具3を配設面1に打ち込んだ後に基体3bの筒部3e内または/および配設面1下に隠れる位置(図示実施の形態においては、筒部3e内に隠れる位置)に設けることで、打込み後には、表示部7が見えなくなり、ケーブル2の配設状態の外観を害することがない。
【0048】
また、留め具打込み工具5の視認部5dを、射出口5c寄りの位置に少なくとも設けることで、留め具3の打込みにより留め具3の数が減少して留め具集合体4が短くなった場合であっても、この視認部5dから、留め具3における表示部7を確認することができる。
【0049】
また、留め具集合体4によると、前述のように、留め具集合体4は、留め具3が複数連結されて形成され、その留め具集合体4は、留め具3に、他の種類の留め具3が複数連結された他の種類の留め具集合体4と識別するための表示部7を有する。このため、留め具3に設けた表示部7を目視することで、留め具3そのものの違いを見ることなく、その留め具3の種類(留め具集合体4の種類)を確認することができる。また、表示部7を、釘部3cにおける、留め具3を配設面1に打ち込んだ後に基体3bの筒部3e内または/および配設面1下に隠れる位置(図示実施の形態においては、筒部3e内に隠れる位置)に設けることで、打込み後には、表示部7が見えなくなり、ケーブル2の配設状態の外観を害することがない。
【0050】
また、留め具集合体セットによると、留め具集合体4は、留め具3が複数連結されて形成される。そして、留め具集合体4は、複数種類設けられ、それらは、互いに留め具3の種類が異なり、留め具3に、互いを識別するための表示部7を有する。このため、留め具3に設けた表示部7を目視することで、留め具3そのものの違いを見ることなく、その留め具3の種類(留め具集合体4の種類)を確認することができる。また、表示部7を、釘部3cにおける、留め具3を配設面1に打ち込んだ後に基体3bの筒部3e内または/および配設面1下に隠れる位置(図示実施の形態においては、筒部3e内に隠れる位置)に設けることで、打込み後には、表示部7が見えなくなり、ケーブル2の配設状態の外観を害することがない。
【0051】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、留め具打込み装置6は、留め具集合体4と留め具打込み工具5とからなるが、この留め具集合体4に代えて、留め具集合体セットを加えてもよい。そして、この留め具集合体セットと留め具打込み工具5とからなる留め具打込み装置の作用効果も同様であって、留め具打込み工具5の弾装部5aに設けた視認部5dを通して、留め具3に設けられた表示部7を目視することで、留め具集合体4が留め具打込み工具5の弾装部5aに収容された状態で、留め具3の種類、つまりは留め具集合体4の種類を識別することができる。すなわち、留め具打込み工具5の弾装部5aに設けた視認部5dを通して、留め具3の表示部7を目視することで、留め具3が、留め具打込み工具5(詳しくは、弾装部5a)に収容された状態で、留め具3の種類(留め具集合体4の種類)を簡単に確認することができる。
【0052】
また、複数種類の留め具集合体4、4は、互いに留め具3の配置空間3gの形状が異なるが、この配置空間3gの形状に代えて、あるいは加えて、互いに釘体3aの形状が異なってもよい。すなわち、釘体3aの形状が、複数種類の留め具集合体4、4のそれぞれで、例えば、断面扁平形状であったり、断面丸形状であったりしてもよい。また、本実施の形態においては、複数種類の留め具集合体4、4のうち、3心の平形ケーブル用の留め具3、3からなる留め具集合体4に着目して説明しているが、それら複数種類の留め具集合体4、4のうちのいずれに着目しても構わず、その着目する留め具集合体4を、他の種類の留め具集合体4と対比することができる。
【0053】
また、留め具集合体4(留め具3)における表示部7は、他の種類の留め具集合体4(他の種類の留め具3)における表示部7とは色が異なっている、つまり、複数種類の留め具集合体4、4は、互いに表示部7の色が異なっているが、これに代えて、例えば、表示部7を線で表し、その線の数が、それぞれの留め具集合体4で異なってもよく、その表し方は、任意である。
【0054】
また、表示部7は、釘部3cに設けられなくても、例えば、基体3bにおける、配設面1に留め付けるケーブル2に当接する位置、具体的には、基体3bにおける、配置空間3g側の面である筒部3eの内側面とか繋ぎ部3fの内側面に設けられてもよい。こうして、表示部7を、基体3bにおける、留め付けるケーブル2に当接する位置に設けることで、打込み後には、表示部7が見えなくなり、ケーブル2の配設状態の外観を害することがない。また、表示部7を設ける位置は、これらの位置に限定されるものではないのは勿論である。
【0055】
また、留め具打込み工具5における視認部5dは、表示部7の位置に対応して、表示部7が視認可能となる位置(例えば、弾装部5aの側面とか底面)に設けられるものであるが、この視認部5dは、孔でなくても、透明部分であってもよい。また、この視認部5dは、弾装部5aの、留め具3を送り出す方向Qにおける射出口5c寄りの位置に設けられるが、留め具3を送り出す方向Qの全体(つまり、弾装部5aの長手方向の全体)に設けられてもよく、また、その他の位置に設けられてもよい。
【0056】
また、留め具打込み装置において、他の種類の留め具3が配置空間3gの形状が異なる場合、つまり、複数種類の留め具集合体4、4が、互いに留め具3の配置空間3gの形状が異なっている場合には、留め具3に表示部7を設けることなく、留め具打込み工具5の弾装部5aに、配置空間3gの形状を外部から視認可能な視認部を形成してもよい。この留め具打込み装置によると、留め具打込み工具5は、留め具集合体4が収容される弾装部5aに、留め具3における基体3bによって形成される配置空間3gの形状を外部から視認可能な視認部が設けられている。このため、視認部を通して、配置空間3gの形状を目視することで、留め具集合体4が留め具打込み工具5の弾装部5aに収容された状態で、配置空間3gの形状の異なる他の種類の留め具3と識別(つまり、留め具3の種類(留め具集合体4の種類)を識別)することができる。すなわち、留め具打込み工具5の弾装部5aに設けた視認部を通して、留め具3の配置空間3gの形状を目視することで、留め具3が、留め具打込み工具5(詳しくは、弾装部5a)に収容された状態で、留め具3の種類(留め具集合体4の種類)を簡単に確認することができる。また、ここで、視認部を、射出口5c寄りの位置に少なくとも設けると、留め具3の打込みにより留め具3の数が減少して留め具集合体4が短くなった場合であっても、この視認部から、配置空間3gの形状を確認することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 配設面
2 ケーブル
3 留め具
3a 釘体
3b 基体
3c 釘部
3d 連設部
3e 筒部
3f 繋ぎ部
3g 配置空間
4 留め具集合体
4a 結合部
5 留め具打込み工具
5a 弾装部
5b 送出し機構
5c 射出口
5d 視認部
6 留め具打込み装置
7 表示部
Q 送り出す方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12