(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】トルエン塔なしでリフォメートからベンゼンを製造するための新規な方法のフロー図
(51)【国際特許分類】
C07C 7/04 20060101AFI20220804BHJP
C07C 15/04 20060101ALI20220804BHJP
C07C 15/06 20060101ALI20220804BHJP
C07C 15/08 20060101ALI20220804BHJP
C07C 5/27 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
C07C7/04
C07C15/04
C07C15/06
C07C15/08
C07C5/27
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018129576
(22)【出願日】2018-07-09
【審査請求日】2021-07-05
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル パゴット
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-113926(JP,A)
【文献】特開平8-119882(JP,A)
【文献】米国特許第6512154(US,B1)
【文献】特表2017-509600(JP,A)
【文献】特開2008-106031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 7/04
C07C 15/04
C07C 15/06
C07C 15/08
C07C 5/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アロマティクス・コンプレックスの分画方法であって、リフォメート分離ユニット(a)、芳香族化合物抽出ユニット(b)、ベンゼン分離塔(c)、キシレン分離塔(d)、トランスアルキル化によってトルエンを転化するためのユニット(f)、重質芳香族化合物分離ユニット(e)、トルエン転化ユニット(f)から得られた流出物のための分離塔(g)および分離ユニット(g)を起源とする軽質芳香族化合物のための安定化および分離のユニット(h)を含み、
(a)本方法のための供給原料を構成するリフォメート(1)のための分離ユニット(a)は、以下を分離するために用いられる:
・ 塔頂である、流れ(2);これは、5個の炭素原子を含有する炭化水素を含有する、供給原料の軽質脂肪族化合物フラクションである、
・ 側流としての、流れ(3);これは、供給原料の軽質芳香族化合物フラクションであり、流れ(22)との混合物として送られ、流れ(5)を形成し、芳香族化合物抽出ユニット(b)に供給する、
・ 流れ(4);これは、供給原料(1)の重質芳香族化合物フラクションであり、芳香族化合物から主としてなる8個超の炭素原子を含有する芳香族炭化水素を含有する、
(b)芳香族化合物抽出ユニット(b)は、流れ(5)を供給されて以下のものを生じさせる:
・ 流れ(6);芳香族化合物抽出工程からのラフィネートであり、芳香族化合物を含有しておらず、本方法からの生成物であり、それ故に、搬出される、
・ 流れ(7);芳香族化合物抽出工程からの抽出物であり、ベンゼンおよびトルエンを含有し、この流れ(7)は、流れ(21)である、軽質芳香族化合物留分と混合されて、流れ(8)を形成し、流れ(21)は、安定化され、かつ、芳香族化合物抽出ユニットの下流に再循環させられたものであり、流れ(8)は、塔(c)において行われるベンゼン分離工程のための供給原料である、
(c)ベンゼン分離ユニット(c)は、コンプレックスによって生じたベンゼンである塔頂流れ(9)と、底部からの、トルエンによって主として構成された流れ(10)とを抽出するために用いられ、流れ(10)は、トランスアルキル化ユニット(f)に直接的に送られ、
・ 供給原料(1)の重質芳香族化合物フラクションである、流れ(4)は、トランスアルキル化ユニット(f)からの流出物の分離のための工程(g)の底部から抽出された重質芳香族化合物留分(19)と混合されて、キシレン分離ユニット(d)のための供給原料である流れ(11)を形成する、
(d)キシレン分離ユニット(d)は、C8芳香族化合物のみを含有する塔頂流れ(12)と、底部からの流れ(13)とを分離するために用いられ、流れ(13)は、A9+留分によって構成され、コンプレックスから搬出されるか、または、有利には、重質芳香族化合物を分離する工程(e)において処理されるかのいずれかである、
(e)重質芳香族化合物分離ユニット(e)は、9~10個の炭素原子を含有するアルキルベンゼンを含有する芳香族化合物によって構成される塔頂流れ(14)と、底部からの流れ(15)とを回収するために用いられ得、流れ(15)は、通常の転化ユニットによっては品質向上され得ない他のA10+炭化水素によって構成される、
(f)トランスアルキル化ユニット(f)は、ベンゼン分離塔(c)の底部からの流れ(10)を流れ(14)である、重質芳香族化合物分離塔(e)からの塔頂流れに加えることに由来する流れ(16)を供給され、アルキル化流出物である、流れ(17)を生じさせ、流れ(17)は、分離ユニット(g)に送られる、
(g)トランスアルキル化ユニット(f)からの流出物のための分離ユニット(g)は、軽質芳香族化合物の塔頂流れ(18)と、底部からの流れ(19)とを生じさせ、流れ(18)は、安定化および分離のユニット(h)に供給され、流れ(19)は、トランスアルキル化ユニットの流出物分離工程において抽出された重質芳香族化合物留分である、
(h)流れ(18)によって供給された軽質芳香族化合物留分のための安定化および分離のユニット(h)は、流れ(21)を構成する、6および7個の炭素原子を含有する炭化水素の再循環物と、芳香族化合物抽出工程(b)に直接的に再循環させられる流れ(22)と、パージガスを構成し、1~5個の炭素原子を含有する炭化水素によって主として構成される流れ(20)とを分割するために用いられ得、流れ(21)は、流れ(7)との混合物としてベンゼン分離ユニット(c)に送られる
方法。
【請求項2】
軽質芳香族化合物留分(18)の安定化および分離のためのユニット(h)は、単一の工程(h3)を含み、該工程(h3)から、安定化された生成物が抽出され、これが、シクロヘキサンを抽出するための要件に応じて2つの流れ(21)および(22)に分割される、請求項1に記載のアロマティクス・コンプレックスの分画方法。
【請求項3】
軽質芳香族化合物留分(18)のための安定化および分離のユニット(h)は、分離のための第1の工程(h1)と第2の工程(h2)とを含み、該第1の工程(h1)は、流れ(21)を、流れ(18)の残りから分離するために用いられ得、該第2の工程(h2)に、残留する流れ(23)が戻り、ここから、流れ(22)が抽出され、これは、芳香族化合物抽出ユニット(b)に再循環させられる、請求項1に記載のアロマティクス・コンプレックスの分画方法。
【請求項4】
パラキシレンの生成のためのループA8が前記方法中に設置され、前記ループA8は、C8芳香族化合物を含有する流れ(12)を供給され、C8芳香族化合物は、パラキシレン分離ユニット(j)において分離され、該分離ユニット(j)は、パラキシレンである、流れ(23)と、ラフィネートである、流れ(24)とを生じさせ、このラフィネートは、転化ユニット(k)において処理され、該転化ユニット(k)は、他の異性体からパラキシレンを生じさせることを目的とし、流出物(25)は、2留分に分離され、そのうちの重質なフラクションである、流れ(27)は、キシレン分離ユニット(d)に直接的に再循環させられ、残りの軽質なフラクションである、流れ(26)は、トランスアルキル化ユニット(f)を起源とする流れ(18)と混合される、請求項1~3のいずれか1つに記載のアロマティクス・コンプレックスの分画方法。
【請求項5】
パラキシレンの抽出は、疑似移動床方法を用いて行われる、請求項4に記載のアロマティクス・コンプレックスの分画方法。
【請求項6】
エチルベンゼンを脱アルキルするためにキシレン異性化ユニットが採用される、請求項4に記載のアロマティクス・コンプレックスの分画方法。
【請求項7】
エチルベンゼンをキシレンに異性化するためにキシレン異性化ユニットが採用される、請求項4に記載のアロマティクス・コンプレックスの分画方法。
【請求項8】
トランスアルキル化ユニットは、トルエン不均化ユニットである、請求項1に記載のアロマティクス・コンプレックスの分画方法。
【請求項9】
トランスアルキル化ユニットは、トルエンと9および/または10個の炭素原子を含有する芳香族化合物留分とのトランスアルキル化のためのユニットである、請求項1に記載のアロマティクス・コンプレックスの分画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルエン塔なしでリフォメートからベンゼンを製造するための新規な方法のフロー図に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本発明は、アロマティクス・コンプレックスにおける分画のための方法のフロー図に関する。アロマティクス・コンプレックスは、C6~C10+の供給原料を供給され、脂肪族化合物、すなわち、パラフィンタイプの飽和化合物を除去することからなる第1の工程を含む。
【0003】
第2の工程は、(重質化合物塔を除き)頭部から出る生成物の名称を用いた、ベンゼン塔、トルエン塔、キシレン塔および重質芳香族化合物塔として知られている4塔を一般的には含む連結により、炭素の数で芳香族化合物種を分画するために用いられる。
【0004】
リフォメート、アロマティクス・コンプレックスの外側に位置するユニットを起源とする任意の輸入物、および転化ユニット、例えば、異性化、トランスアルキル化、不均化等の装置を起源とする再循環流は、それらの組成に応じた異なるレベルでこの分画トレインに全て供給する。
【0005】
本発明の目的は、正しい機能を維持するための仕様、特に、コンプレックスの他の塔のカットポイントおよび生成物仕様を適合させることによるトルエン塔なしでのアロマティクス・コンプレックスにおける分画のための方法のフロー図を提案することにある。
【0006】
(従来技術の調査)
全体としてのアロマティクス・コンプレックスは、一般的に、下記の
図1の方法のフロー図に示されるように表される。しかしながら、当該方法のフロー図は、種々の転化ユニット(異性化、トランスアルキル化、不均化等)に存在する安定化塔に言及しない。
【0007】
一般に、トルエンは、トランスアルキル化されるかまたはメチル化されて、パラキシレンの生成量が増加する。
【0008】
トルエンを管理すること、すなわち、ユニットに応じてトルエンの生成量を最大にするかまたは最小にするために用いられる一式の作用は、
図1において1、2、3および4で表記される異なるレベルで行われる。
1.リフォメート・スプリッタ(a):側流(3)におけるトルエンの回収が最大にされ、それは、芳香族化合物抽出ユニット(b)に送られる。実際に、リフォメートのC6/C7留分は、依然としてあまりに多くの脂肪族化合物を含有し、それは、分画トレインに直接的に送られる。さらに、触媒ユニットからの流出物は、シクロヘキサンを含む場合があり、これは、蒸留によってはベンゼンから分離され得ない。これらのユニットから得られたベンゼン/トルエンの留分の部分は、それ故に、芳香族化合物抽出ユニットを用いて処理されなければならない。
2.ベンゼン塔(c)は、ベンゼンである、流れ(9)を生じさせ、これは、石油化学品のための仕様を満たす。トルエンの含有率は、それ故に、最小であり、これにより、この塔の底部からのトルエンの回収である、流れ(10)は最大となる。
3.トルエン塔(i)の底部は、キシレン塔(d)に供給し、そこから、蒸留物(12)は、コンプレックスからの主要生成物である(C8芳香族化合物)。C8芳香族化合物である、流れ(12)中のトルエンの含有率を管理することが必要である。
【0009】
この配置において、トランスアルキル化からの安定化された流出物(A7のみまたはA7およびA9/A10)は、6~10個の炭素を含有する芳香族化合物を含有し、これは、ベンゼン塔に直接的に戻されなければならず、これにより、この流出物は、その全体において分画を経ることができる。
【0010】
用語「トランスアルキル化塔」は、2種の芳香族化合物の間のトランスアルキル化の原理をベースとするあらゆるユニットについて用いられる。この定義は、それ故に、トルエンおよびA9/A10留分、A9/A10留分のみのトランスアルキル化を包含するが、トルエンのそれ自体とのトランスアルキル化も包含し、これは、トルエンの不均一化または不均化としても知られている。
【0011】
特許文献1には、トランスアルキル化ユニットの下流の分画が記載され、トルエン塔は具体的には言及されていないが、「BT塔」として知られている塔が、トランスアルキル化の下流のC7-/C8+スプリッタと同等視され得る。当該特許は、非常に精密な方法のフロー図のために塔のコンデンサとリボイラとの統合を特許請求している。本発明による方法とは対照的に、シクロヘキサンの抽出を最小にするために必要な(モルフィレン(morphylane)またはスルホレン(sulpholane)タイプの)芳香族化合物の抽出は、当該特許には言及されていない。
【0012】
アロマティクス・コンプレックスとの関連での芳香族化合物の分離に関する特許の全てにおいて、キシレンからトルエンを分離するトルエン塔として知られている塔が採用されている。本発明により解決されるのはこの塔であり、エネルギーの節約が、以下の例において評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、従来技術による分画方法のフロー図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による分画方法のフロー図を示す。
【
図3】
図3は、バリエーションにおける本発明による分画方法のフロー図を示し、安定化および分離のユニット(h)が、(h3)で示される一工程のみを含む。
【
図4】
図4は、バリエーションにおける本発明による分画方法のフロー図を示し、安定化および分離のユニット(h)が、(h1)および(h2)で示される連続する2工程を含む。
【
図5】
図5は、バリエーションにおける本発明による分画方法のフロー図を示し、安定化および分離のユニット(h)が、(h1)および(h2)で示される連続する2工程を含み、パラキシレン(流れ(23))が流れ(12)で示されるC8芳香族化合物から抽出される。この抽出のためのラフィネートである、流れ(24)は、異性化ユニット(k)において転化される。この場合、用語「A8ループ」は、分画トレインに再循環させる前のパラキシレンの抽出および他の異性体の転化のために用いられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の簡単な説明)
本発明は、アロマティクス・コンプレックスを採用する分画方法であって、そのための供給原料は、一般的に、接触ガソリン改質ユニットから得られるリフォメートであり、主要生成物は、高レベルの純度を有するベンゼンおよびキシレンである、方法として定義されてよい。キシレンは、混合物(エチルベンゼン、メタキシレン、オルトキシレン、パラキシレン)としてまたは異性体(この場合、パラキシレン、および場合によるオルトキシレン)で製造されてよい。所望の異性体を抽出し、他を転化することが必要である。
【0016】
アロマティクス・コンプレックスからの共生成物は、一般的に以下のものである:
- 芳香族化合物抽出装置から得られるラフィネート;6~7個の炭素原子を含有する脂肪族化合物種からなる、
- 重質留分;コンプレックス中の品質向上させられ得ない最小量のナフタレンを含有し、触媒ユニットにおけるコークの前駆体である、
- 凝縮不可の液体生成物のパージ(反応セクション、安定化塔)。
【0017】
より正確には、本発明によるアロマティクス・コンプレックスの分画方法は、リフォメート分離ユニット(a)、芳香族化合物抽出ユニット(b)、ベンゼン分離塔(c)、キシレン分離塔(d)、トランスアルキル化によりトルエンを転化するためのユニット(f)、有利には重質芳香族化合物分離ユニット(e)、トルエン転化ユニット(f)から得られた流出物のための分離塔(g)および分離ユニット(g)を起源とする軽質芳香族化合物のための安定化および分離のユニット(h)を含み、
(a)本方法のための供給原料を構成するリフォメート(1)のための分離ユニット(a)は、以下を分離するために用いられる:
・ 塔頂の流れ(2);これは、5個の炭素原子を含有する炭化水素を含有する供給原料の軽質脂肪族化合物フラクションである、
・ 側流としての流れ(3);これは、供給原料の軽質芳香族化合物フラクションであり、流れ(22)との混合物として送られ、芳香族化合物抽出ユニット(b)に供給する流れ(5)を形成する;および
・ 流れ(4);これは、供給原料(1)の重質芳香族化合物フラクションであり、芳香族化合物から主としてなる8個超の炭素原子を含有する芳香族炭化水素を含有する、
(b)流れ(5)によって供給される芳香族化合物抽出ユニット(b)は以下を生じさせる:
・ 流れ(6);芳香族化合物抽出工程からのラフィネートであり、芳香族化合物を含有せず、本方法からの生成物であり、搬出される;
・ 流れ(7);芳香族化合物抽出工程からの抽出物であり、ベンゼンおよびトルエンを含有する;この流れ(7)は、流れ(21)である軽質芳香族化合物留分と混合され、流れ(8)を形成する;流れ(21)は、安定化させられ、かつ、芳香族化合物抽出ユニットの下流に再循環させられたものである;流れ(8)は、塔(c)において行われるベンゼン分離工程のための供給原料である、
(c)ベンゼン分離ユニット(c)は、コンプレックスによって生じさせられたベンゼンである塔頂流れ(9)と、底部からの流れ(10)とを抽出するために用いられ、流れ(10)は、トルエンによって主として構成され、トランスアルキル化ユニット(f)に直接的に送られ、
・ 供給原料(1)の重質芳香族化合物フラクションである、流れ(4)は、トランスアルキル化ユニット(f)からの流出物の分離のための工程(g)の底部から抽出された重質芳香族化合物留分(19)と混合されて、流れ(11)を形成し、この流れ(11)は、キシレン分離ユニット(d)のための供給原料である、
(d)キシレン分離ユニット(d)は、C8芳香族化合物のみを含有する塔頂流れ(12)と、底部からの流れ(13)とを分離するために用いられ、この流れ(13)は、A9+留分によって構成され、これは、コンプレックスから搬出されるか、または、有利には、重質芳香族化合物を分離する工程(e)において処理される、
(e)重質芳香族化合物分離ユニット(e)は、9~10個の炭素原子を含有するアルキルベンゼンを含有する芳香族化合物によって構成される塔頂流れ(14)と、底部からの流れ(15)とを回収するために用いられ得、流れ(15)は、他のA10+炭化水素によって構成され、これは、通常の転化ユニットによっては品質向上され得ないものである、
(f)トランスアルキル化ユニット(f)は、ベンゼン分離塔(c)の底部からの流れ(10)を流れ(14)である、重質芳香族化合物分離塔(e)からの塔頂流れに加えることに由来する流れ(16)を供給され、トランスアルキル化流出物である流れ(17)を生じさせ、この流れ(17)は、分離ユニット(g)に送られる、
(g)トランスアルキル化ユニット(f)からの流出物ための分離ユニット(g)は、軽質芳香族化合物の塔頂流れ(18)と、底部からの流れ(19)である重質芳香族化合物留分とを生じさせ、流れ(18)は、安定化および分離のユニット(h)に供給される、
(h)流れ(18)によって供給された軽質芳香族化合物留分のための安定化および分離のユニット(h)は、流れ(21)を構成する6~7個の炭素原子を含有する炭化水素の再循環流と、流れ(22)と、パージガスを構成する流れ(20)とを分割するために用いられ得る;流れ(21)は、流れ(7)との混合物としてベンゼン分離ユニット(c)に送られ、流れ(22)は、芳香族化合物抽出工程(b)に再循環させられる、
この流れ(20)は、1~5個の炭素原子を含有する炭化水素によって主として構成される。
【0018】
本発明による方法の第1のバリエーションにおいて、軽質芳香族化合物留分(18)の安定化のためのユニット(h)は、単一の工程(h3)を含み、この工程から、安定化生成物が抽出され、これは、シクロヘキサンを抽出するための要件に応じて2つの流れ(21)および(22)に分割される。
【0019】
本発明による分画方法の第2のバリエーションにおいて、軽質芳香族化合物留分(18)のための安定化および分離のユニット(h)は、流れ(21)を流れ(18)の残りから分離するために用いられ得る分離のための第1の工程(h1)と、残留する流れ(23)が戻り、そこから、流れ(22)が抽出される第2の工程(h2)とを含み、流れ(22)は、芳香族化合物抽出ユニット(b)に再循環させられる。
【0020】
本発明によるアロマティック・コンプレックスの分画方法の別のバリエーションによると、パラキシレンの製造のためのループA8が前記方法に取り付けられ、前記ループA8は、C8芳香族化合物を含有する流れ(12)を供給される。C8芳香族化合物は、パラキシレン分離ユニット(j)において分離され、このユニット(j)は、パラキシレンである流れ(23)と、ラフィネートである流れ(24)とを生じさせる。このラフィネートは、他の異性体からパラキシレンを生じさせることを目的とする転化ユニット(k)において処理される。流出物(25)は、2つの留分に分離され、そのうちの重質フラクションである、流れ(27)は、キシレン分離ユニット(d)に直接的に再循環させられる。残りの軽質フラクションである、流れ(26)は、次いで、トランスアルキル化ユニット(f)を起源とする流れ(18)と混合される。
【0021】
一般に、本方法の状況でのパラキシレンの抽出は、疑似移動床方法を用いて行われる。
【0022】
本発明によるアロマティクス・コンプレックスの分画方法の別のバリエーションによると、エチルベンゼンを脱アルキルするためにキシレン異性化ユニットが採用される。
【0023】
本発明によるアロマティクス・コンプレックスの分画方法の別のバリエーションによると、エチルベンゼンをキシレンに異性化するためにもキシレン異性化ユニットが採用される。
【0024】
本発明によるアロマティクス・コンプレックスの分画方法の別のバリエーションによると、トランスアルキル化ユニットは、トルエン不均化ユニットである。
【0025】
最後に、本発明によるアロマティクス・コンプレックスの分画方法の別のバリエーションによると、トランスアルキル化ユニットは、トルエンと9および/または10個の炭素原子を含有する芳香族化合物留分とのトランスアルキル化のためのユニットである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(発明の詳細な説明)
本発明は、アロマティクス・コンプレックスの分画のための方法のフロー図を変更することに関連する。
【0027】
本明細書の以降において、表記「A8+」は、しばしば、8個以上の炭素原子を含有する全ての芳香族化合物を表すために用いられることになる。同様に、「A9+」は、9個以上の炭素原子を含有する全ての芳香族化合物を示す。芳香環を含有しない炭化水素化合物は、「脂肪族化合物」と称される。
【0028】
従来技術に相当する参照方法のフロー図(
図1を参照)によると、トルエン塔は、事実上、トルエンのトランスアルキル化を起源とするA8+を分離するように作用する。
【0029】
本発明は、アロマティクス・コンプレックスのための分画方法であって、トランスアルキル化ユニットの流出物分画塔のカットポイントが変更され、トルエン塔がなしで済まされる、方法を記載する。BTで示されるベンゼン/トルエンの留分によって構成される軽質芳香族化合物留分は、安定化塔の頭部から抜き出される。このようにして、BT留分中のA8+含有率が制御され、塔底部の生成物中のトルエンの含有率が制御される。
【0030】
トルエンの含有率が制御されるので、塔底部の生成物は、キシレン分離ユニットに直接的に送られ得る。このキシレン分離ユニットの機能は、A9+化合物からA8を分離することにある。塔頂留分は、安定化されていないベンゼン/トルエン留分である。
【0031】
実際に、目的は、C6/C7芳香族化合物抽出ユニットによって処理されるべき生成物の量を最小にすることにある。要求されるベンゼンの純度を得るためにトランスアルキル化から得られたA6/A7留分の全体を処理することが必要というわけではない。従来技術の方法のフロー図において、これは、トランスアルキル化のための安定化塔の頭部と底部との間でベンゼン回収を適合させることによって調節される。
【0032】
本発明による新規な方法のフロー図において、BT留分(理想的にはベンゼンのみ)は、2つに分けられて、「ベンゼン」生成物の純度の要求に適合させるために精製に必要な量のみ芳香族化合物の抽出に送られる。
【0033】
より詳細には、本発明による方法のプロセスフロー図の説明は、以下の用語および以下の
図2のプロセスフロー図を用いて与えられてよい。
【0034】
本発明によるアロマティクス・コンプレックスは、以下のユニットを含む:
(a)リフォメート分離ユニット
(b)芳香族化合物抽出ユニット
(c)ベンゼン分離ユニット
(d)キシレン分離ユニット
(e)重質芳香族化合物分離ユニット(有利には採用される)
(f)トランスアルキル化ユニット
(g)トランスアルキル化ユニットの流出物分離ユニット
(h)トランスアルキル化ユニットの流出物分離工程において抽出された軽質芳香族化合物留分のための安定化および分離のユニット。
【0035】
種々のユニット間で移動するかまたは方法の環境と連絡する流れ(供給原料または生成物)は、以下の通りであり、
図2を参照する:
1)アロマティクス・コンプレックスのための供給原料
2)供給原料の軽質脂肪族化合物フラクション
3)供給原料の軽質芳香族化合物フラクション
4)供給原料の重質芳香族化合物フラクション
5)芳香族化合物抽出工程のための供給原料
6)芳香族化合物抽出工程からのラフィネート
7)芳香族化合物抽出工程からの抽出物
8)ベンゼン分離工程のための供給原料
9)コンプレックスによって生じたベンゼン
10)ベンゼン分離工程から抽出されたトルエン
11)キシレン分離工程のための供給原料
12)C8芳香族化合物
13)キシレン分離工程において抽出されたA9+留分
14)重質芳香族化合物分離工程から抽出されたA9/A10留分(重質芳香族化合物分離ユニット(e)が存在する場合)
15)重質芳香族化合物分離工程から抽出されたA10+留分(重質芳香族化合物分離ユニット(e)が存在する場合)
16)トランスアルキル化ユニットのための供給原料
17)トランスアルキル化ユニットからの流出物
18)トランスアルキル化ユニットの流出物分離工程から抽出された軽質芳香族化合物留分
19)トランスアルキル化ユニットの流出物分離工程から抽出された重質芳香族化合物留分
20)軽質芳香族化合物留分から抽出されたC5-留分
21)軽質芳香族化合物留分;安定化されかつ芳香族化合物抽出ユニットの下流に再循環させられる
22)軽質芳香族化合物留分;安定化されかつ芳香族化合物抽出ユニットの上流に再循環させられる。
【0036】
アロマティクス・コンプレックスは、コンプレックスのための供給原料(1)を供給される。この流れは、芳香族化合物を豊富に含んでいるものであり、このものは、芳香族化合物を豊富に含む5~11個の炭素原子を含有する炭化水素を含有する。それは、一般的に、安定化されたリフォメートである。この流れは、リフォメート分離工程(a)において処理される。流れ(2)は、供給原料の軽質脂肪族化合物フラクションであり、5個の炭素原子を含有する炭化水素を含有し、それの本質上、何らの芳香族化合物も含有しない。供給原料の軽質脂肪族化合物フラクションは、コンプレックスの共生成物であり、アロマティクス・コンプレックスを出る。
【0037】
リフォメート分離工程(a)は、流れ(3)である、供給原料の軽質芳香族化合物フラクションと、流れ(4)である、供給原料の重質芳香族化合物フラクションとを生じさせる。供給原料の軽質芳香族化合物フラクション(3)は、6~7個の炭素原子を含有する炭化水素を含有する。それは、芳香族化合物を豊富に含むが、多くの脂肪族化合物を含有する。それ故に、それは、芳香族化合物抽出ユニット(b)において処理されることが予定される。供給原料の重質芳香族化合物フラクション(4)は、芳香族化合物から主としてなる8個超の炭素原子を含有する炭化水素を含有する。ごく少量で脂肪族化合物が存在し、専用のユニットを用いた抽出を必要としない。
【0038】
供給原料の軽質芳香族化合物フラクション(3)は、流れ(22)と混合される。この流れ(22)は、軽質芳香族化合物留分であり、安定化させられ、かつ、芳香族化合物抽出ユニットの上流に再循環させられるものであり、トランスアルキル化ユニット(f)からの流出物から抽出された軽質芳香族化合物留分の安定化および分離のための工程(h)を起源とする。これにより得られた流れ(5)は、芳香族化合物抽出工程(b)のための供給原料である。このユニットは、芳香族化合物から脂肪族化合物を、一般的には溶媒抽出によって分離するために用いられ得る。流れ(6)である、芳香族化合物抽出工程からのラフィネートは、芳香族化合物を含有しない、コンプレックスの別の共生成物であり、したがって、搬出される。
【0039】
流れ(7)である、芳香族化合物抽出工程からの抽出物は、ベンゼンおよびトルエンを含有する。この流れは、流れ(21)である、軽質芳香族化合物留分と混合されて、流れ(8)である、ベンゼン分離工程のための供給原料を形成する。流れ(21)は、安定化され、かつ、芳香族化合物抽出ユニットの下流に再循環させられたものである。ベンゼン分離工程(c)は、流れ(9)を抽出するために用いられてよい。この流れ(9)は、コンプレックスによって生じたベンゼンである。それは、一般的には蒸留塔であり、そこからの流れ(9)は、塔頂生成物である。コンプレックスによって生じたベンゼンである、流れ(9)は、定められた石油化学製品の仕様に適合したベンゼンのみを含有する。流れ(8)の残りは、流れ(10)を形成する。この流れ(10)は、それ故に、ベンゼン分離工程から抽出されたトルエンである。分画配置のために、この流れは、8個超の炭素原子を含有する炭化水素をごく少量含有し、それ故に、トランスアルキル化ユニット(f)に直接的に送られてよい。
【0040】
同時に、供給原料の重質芳香族化合物フラクションである、流れ(4)は、トランスアルキル化ユニットの流出物分離工程から抽出された重質芳香族化合物留分である、流れ(19)と混合されて、キシレン分離工程(d)のための供給原料である流れ(11)を形成する。このキシレン分離工程(d)は、C8芳香族化合物のみを含有する流れである、流れ(12)を分離するために用いられてよい。この流れは、それ故に、エチルベンゼンおよびキシレンの3種の異性体を含有する。コンプレックスの配置に応じて、C8芳香族化合物は、主要生成物としてコンプレックスから搬出されるか、または、抽出および転化のユニットにおいて、より高い付加価値を有する生成物、例えばパラキシレンを生じるように処理されてよい。
【0041】
キシレン分離工程(d)は、キシレン分離工程から抽出されたA9+留分である、流れ(13)も生じさせる。この流れは、アロマティクス・コンプレックスから搬出されるか、または有利には、重質芳香族化合物を分離するための工程(e)において処理されるかのいずれかであってよい。この工程は、重質芳香族化合物分離工程から抽出されたA9/A10留分中の9および10個の炭素原子を含有するアルキルベンゼンを含有する芳香族化合物である、流れ(14)を回収するために用いられてよい。当業者に知られている、転化ユニットによっては品質向上させることのできない他の炭化水素は、パージされ、重質芳香族化合物分離工程から抽出されたA10+留分である、流れ(15)を構成する。
【0042】
トランスアルキル化ユニット(f)は、流れ(16)を供給される。この流れ(16)は、ベンゼン分離工程から抽出された流れ(10)である、トルエンと、有利には、流れ(14)を構成する重質芳香族化合物を分離するための工程から抽出されたA9/A10留分とを混合したものを起源とする。供給原料(16)は、一方の化合物から他方の化合物にアルキル基を移すことができるトランスアルキル化の反応機構によって転化される。トランスアルキル化ユニット(f)は、7、9および10個の炭素原子を含有する分子から出発して、キシレンを生じさせる。トランスアルキル化ユニットからの流出物である、流れ(17)は、一般的には、6~10個の炭素原子を含有する芳香族化合物、分解生成物(メタン、エタン、プロパン等)および副反応である、芳香環の水素化から得られたいくつかのナフテン、特に、シクロヘキサンを含有する。供給原料がトルエンのみを含有するならば、それは、トルエンの不均一化または不均化として知られている。
【0043】
トランスアルキル化ユニット(f)からの流出物中に存在する種を心に留め置くと、流れ(17)は、分離されかつ安定化されて、コンプレックスからの種々の生成物に適合するようにしなければならない。
【0044】
本発明によると、トランスアルキル化ユニットからの流出物である、流れ(17)は、最初に、トランスアルキル化ユニットの流出物分離工程(g)において分離される。トランスアルキル化ユニットの流出物分離工程から抽出された重質芳香族化合物留分である、流れ(19)は、8個以上の炭素原子を含有する芳香族化合物を含有する。それは、キシレン分離工程(d)に再循環させられる。
【0045】
トランスアルキル化ユニットの流出物分離工程から抽出された軽質芳香族化合物留分である、流れ(18)は、6および7個の炭素原子を含有する芳香族化合物(ベンゼンおよびトルエン)を含有する。それは、安定化されておらず、副反応である芳香環の水素化から得られたナフテン、特にシクロヘキサンも含有する。
【0046】
軽質芳香族化合物留分の安定化および分離のための工程(h)は、流れ(18)から5個以下の炭素原子を含有する化合物を除去し、かつ、6および7個の炭素原子を含有する炭化水素の再循環物を分割するために用いられ得る。実際に、流れ(18)は、シクロヘキサンを特に含有し、このものは、沸点の間の1℃未満の差異のため、蒸留によってはベンゼンから分離され得ない。この理由のため、ベンゼン分離工程(c)は、シクロヘキサンからベンゼンを分離するために用いられ得ない。コンプレックスによって生じたベンゼンである、流れ(9)のための仕様を満たすために、十分な量のシクロヘキサンを抽出することが必要である。本発明は、6および7個の炭素原子を含有する炭化水素の再循環物を分割するために工程(h)が用いられることを許容する。一定量が芳香族化合物抽出ユニット(b)への入口に再循環させられて、流れ(22)中に含有されるシクロヘキサンが抽出される。残りである、流れ(21)は、ベンゼン分離工程(b)に直接的に再循環させられる。この配置は、アロマティクス・コンプレックスによって生じたベンゼンである、流れ(9)の純度についての仕様を満たしつつ、芳香族化合物抽出ユニット(b)に再循環させられる量を最小にするために採用され得る。
【0047】
軽質芳香族化合物留分の安定化および分離のための工程(h)のための2つの実施形態が非網羅的かつ非制限的に示される。
【0048】
第1の実施形態によると、流れ(18)は、安定化工程(h3)において安定化される。安定化された生成物は、次いで、シクロヘキサンの抽出の要件に応じて2つの流れ(21)および(22)に単純に分割される。
【0049】
第2の実施形態によると、流れ(18)は、最初に、分離工程(h1)に送り込む。分離工程(h1)は、流れ(21)を、流れ(18)の残りから分離するために用いられ得る。残留の流れ(23)は、未だ安定化されていない;これは、工程(h2)によって行われる。工程(h2)は、一般的に、ストリッパとして知られている蒸留塔を用いて行われる。安定化された生成物は、次いで、流れ(22)を形成し、この流れ(22)は、芳香族化合物抽出ユニット(b)に再循環させられる。より複雑ではあるが、この実施形態は、トルエンを主として含有する流れ(18)のC7留分を、芳香族化合物抽出ユニット(b)に再循環させることを避けるために用いられ得る。
【0050】
有利には、本発明による分離方法のフロー図は、パラキシレンである、流れ(23)を生じさせるように補足されてよい(
図5参照)。C8芳香族化合物である、流れ(12)は、パラキシレン抽出ユニット(j)において処理される。このユニットからのラフィネートである、流れ(24)は、エチルベンゼン、オルトキシレンおよびメタキシレンからなる。コンプレックスのパラキシレンの生産能を増大させるために、ラフィネートは、異性化ユニット(k)において転化される。異性化によってパラキシレンの2種の異性体がそこでパラキシレンに部分的に転化される。エチルベンゼンは、ベンゼンを形成するように脱アルキルされるか、または、キシレンを生じさせるように異性化されるかのいずれかであってよい。流出物である、流れ(25)は、分離工程l)において分離される。流れ(27)で示される、C8+からなる重質フラクションは、キシレン抽出ユニット(d)に再循環させられる;流れ(26)で表記される、非安定化軽質フラクションは、ベンゼンおよびトルエンから主としてなり、流れ(18)と混合された後に、軽質芳香族化合物留分のための安定化および分離のユニット(h)において処理される。
【0051】
(本発明に合致する実施例)
実施例は、従来技術による参照方法のフロー図(
図1参照)を、
図4に示される本発明による方法のフロー図と比較する。
【0052】
トランスアルキル化ユニット(f)は、ベンゼン分離工程から抽出されたトルエンである、流れ(10)、および重質芳香族化合物分離工程から抽出されたA9/A10留分である、流れ(14)を処理するユニットである。
【0053】
処理されるリフォメートは、下記の表1に示される組成を有している。
【0054】
両方の場合において、リフォメートの流量250t/hに対して、パラキシレン生成量は、144.0t/hであり、ベンゼン生成量は、53.6t/hであった。
【0055】
【0056】
本発明による方法のフロー図に含まれる一連の塔は、下記の表2に示される。本発明による方法のフロー図は、トルエン塔の除去および局所ベンゼン塔と称される塔である、工程(h1)の出現に由来する。
【0057】
本発明による方法のフロー図における塔についてのリボイラエネルギーにおける累積的な節約は、参照値92.1MWに対して、20MWであった。エネルギーの節約は、それ故に、提示された事例において22%であった。
【0058】