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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】光導管、標識灯及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20220804BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20220804BHJP
   B60Q 1/30 20060101ALI20220804BHJP
   B61D 29/00 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
B60Q1/04 A
B60Q1/26 A
B60Q1/30 Z
B61D29/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018147893
(22)【出願日】2018-08-06
(65)【公開番号】P2020023223
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】712004783
【氏名又は名称】株式会社総合車両製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智秀
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-082242(JP,A)
【文献】特表2013-533595(JP,A)
【文献】特開2012-238484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/04
B60Q 1/26
B60Q 1/30
B61D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の前照灯及び尾灯を収容する光導管であって、
前記前照灯から照射される光を外部に導く前照灯管と、前記尾灯から照射される光を外部に導く尾灯管と、前記前照灯管及び前記尾灯管を保持する取付枠とが別体に構成され、
前記前照灯管の外周面及び前記尾灯管の外周壁、前記取付枠と異なる色となるように塗装されていることを特徴とする光導管。
【請求項2】
前記取付枠は、底板と該底板を囲む壁板とからなる筺体を含み、
該筺体に開口が形成され、該開口に前記前照灯管及び前記尾灯管が挿入され、
前記取付枠と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管との接合部は、少なくとも部分的に挟角の谷折り線を挟んで、連続的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光導管。
【請求項3】
前記前照灯管及び前記尾灯管は、管状壁部を有し、前記取付枠の前記筐体の前記壁板ないし前記底板と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管の前記管状壁部とが前記接合部を介して接続されていることを特徴とする請求項2に記載の光導管。
【請求項4】
前記接合部には、前記取付枠と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管とに設けられた相欠き部が含まれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光導管。
【請求項5】
前記取付枠の前記底板及び/又は前記壁部の外側から、前記相欠き部を覆う接着剤層が含まれることを特徴とする請求項4に記載の光導管。
【請求項6】
請求項1から5に記載の光導管と、該光導管に収容される前照灯及び尾灯と、前記取付枠の前記壁部に形成されたフランジに固定される透明な前尾灯ガラスとを含むことを特徴とする標識灯。
【請求項7】
鉄道車両の前照灯及び尾灯を収容する光導管の製造方法であって、
前記前照灯から照射される光を外部に導く前照灯管と、前記尾灯から照射される光を外部に導く尾灯管と、前記前照灯管及び前記尾灯管を保持する取付枠とが別体に構成されるように成形し、
前記前照灯管の外周面及び前記尾灯管の外周壁、前記取付枠と異なる色となるように塗装することを特徴とする光導管の製造方法。
【請求項8】
前記取付枠に、底板と該底板を囲む壁板とからなる筺体を成形し、
該筺体に開口を形成し、
該開口に前記前照灯管及び前記尾灯管を挿入して、
前記取付枠と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管とを、少なくとも部分的に挟角の谷折り線を挟む態様で、連続的に接続することを特徴とする請求項7に記載の光導管の製造方法。
【請求項9】
前記前照灯管及び前記尾灯管は、管状壁部を有し、前記取付枠の前記筐体の前記壁板ないし前記底板と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管の前記管状壁部とを前記接合部を介して接続することを特徴とする請求項8に記載の光導管の製造方法。
【請求項10】
前記接合部として、前記取付枠と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管とに相欠き部を形成することを特徴とする請求項8又は9に記載の光導管の製造方法。
【請求項11】
前記取付枠の前記底板及び/又は前記壁部の外側から、前記相欠き部を接着剤層で覆うことを特徴とする請求項10に記載の光導管の製造方法。
【請求項12】
請求項7から11に記載の光導管に前照灯及び尾灯を収容し、前記取付枠の前記壁部に形成されたフランジに透明な前尾灯ガラスを固定することを特徴とする標識灯の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両に用いられる光導管、標識灯及びそれらの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の先頭構体及び最後尾構体には、鉄道車両の先頭及び最後尾を標示するための標識灯が設けられている。例えば、特許文献1には、運転台機器ユニットと一体構造に構成された標識灯が開示されている。この標識灯は、前照灯と、尾灯と、収容部とから構成され、収容部が運転台機器ユニットと一体構造となっており、前照灯及び尾灯が収容部内に取付けられている。
又、一般に、標識灯には、前尾灯ガラスが備えられており、この前尾灯ガラスは、前照灯及び尾灯の光を透過する部分のみ透明であり、その他の部分は光が透過しないように、黒色等のマスキングが施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-283910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の鉄道車両のデザインも多様化が進んでおり、先頭部のデザイン要素である標識灯についても、従来にない形状が求められている。しかしながら、従来の標識灯の構造では、生産性を損なうことなくデザインの多様化に対応することが困難となる場合があり、その構成を新たに見直す必要性が生じている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的にするところは、生産性を損なうことなく多様なデザインの実現に対応することが可能な光導管、標識灯及びそれらの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の態様を例示するものであり、本発明の多様な構成要素の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。以下の各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明を実施する最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、さらに他の構成要素を付加した態様についても、本発明の一態様になり得るものである。
【0007】
(1)鉄道車両の前照灯及び尾灯を収容する光導管であって、前記前照灯から照射される光を外部に導く前照灯管と、前記尾灯から照射される光を外部に導く尾灯管と、前記前照灯管及び前記尾灯管を保持する取付枠とが別体に構成され、前記前照灯管の外周面及び前記尾灯管の外周壁、前記取付枠と異なる色となるように塗装される光導管(請求項1)。
【0008】
本項の光導管において、前照灯から照射される光を外部に導く前照灯管と、尾灯から照射される光を外部に導く尾灯管と、前照灯管及び尾灯管を保持する取付枠とは、別体に構成されており、これらを組立てることで、前照灯及び尾灯から照射される光を外部に導く光導管として構成される。又、前照灯管、尾灯管及び取付枠が別体に構成されることで、各部材ごとに成形することができ、成形型構造の複雑化を回避するものとなる。
【0009】
さらに、本項の光導管において、前照灯管の外周面及び尾灯管の外周壁、取付枠と異なる色となるように塗装されるので、光導管の多様な美的外観を実現するものとなる。又、前照灯管、尾灯管及び取付枠が別体に構成されていることから、各部材ごとに塗装することとすれば、各部材の細かな箇所にも塗料が届き、各部材の品質を高めるものとなる。又、塗装作業の際に、異なる色の部分に対するマスキング作業したとしても、各部材ごとにマスキングを施すことができるので、塗装作業の負担を軽減することができ、作業効率を高めるものとなる。
【0010】
(2)上記(1)項において、前記取付枠は、底板と該底板を囲む壁板とからなる筺体を含み、該筺体に開口が形成され、該開口に前記前照灯管及び前記尾灯管が挿入され、前記取付枠と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管との接合部は、少なくとも部分的に挟角の谷折り線を挟んで、連続的に接続されている光導管(請求項2)。
【0011】
本項の光導管において、取付枠は、底板と底板を囲む壁板とからなる筺体を含み、筺体に開口が形成され、開口に前照灯管及び尾灯管が挿入されることで、前照灯管及び尾灯管とが、底板と底板を囲む壁板とに囲まれた空間内に収容されるものとなる。又、取付枠と、前照灯管及び/又は尾灯管との接合部は、少なくとも部分的に挟角の谷折り線を挟んで、連続的に接続されている。この構成を採用しても、取付枠と、前照灯管及び尾灯管とに対して別々に塗装することで、これらを組合せた状態では、挟角の谷折り線近傍部分にも塗装されており、必要な塗装品質を確保し、光導管の多様な美的外観を実現するものとなる。
【0012】
(3)上記(2)項において、前記前照灯管及び前記尾灯管は、管状壁部を有し、前記取付枠の前記筺体の前記壁板ないし前記底板と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管の前記管状壁部とが前記接合部を介して接続されている光導管(請求項3)。
【0013】
本項の光導管において、前照灯管及び尾灯管は、管状壁部を有することで、前照灯及び尾灯から照射される光が、管状壁部の内壁面によって反射し、外部に導かれるものとなる。又、取付枠の筺体の壁板ないし底板と、前照灯管及び/又は尾灯管の管状壁部とは、接合部を介して接続されることで、前照灯管及び尾灯管とが取付枠に対して確実に保持されるものとなる。しかも、前照灯管及び尾灯管が、取付枠の底板及び壁板で囲まれた空間内部で存在感を発揮する突起形状を構成することとなり、標識灯のデザインに多様性を持たせるものとなる。
【0014】
(4)上記(2)又は(3)項において、前記接合部には、前記取付枠と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管とに設けられた相欠き部が含まれている光導管(請求項4)。
【0015】
本項の光導管において、相欠き部は、部材同士の突合せ部分を相補的に切り欠いた切欠き面を形成し、相欠き部の断面視で相欠き面がクランク状に折れ曲がった態様で突き合わされることで、接合面積を十分に確保して突合せ部分の密閉性及び/又は固着を確保するものとなる。又、突き合わされた状態で部材の一般部と同等の肉厚に収めることで、無用な厚肉化を防ぐものとなる。そして、取付枠に対する、前照灯管及び/又は尾灯管の取付位置が容易に決められ、かつ、取付枠と、前照灯管及び/又は尾灯管とが容易かつ確実に結合されるものとなる。
【0016】
(5)上記(4)項において、前記取付枠の前記底板及び/又は前記壁部の外側から、前記相欠き部を覆う接着剤層が含まれる光導管(請求項5)。
【0017】
本項の光導管において、取付枠の底板及び/又は壁部の外側から、相欠き部を覆う接着剤層が含まれることで、取付枠と、前照灯管及び/又は尾灯管との相欠き継ぎを確実に固定するものとなる。上述のごとく、相欠き部は、接合面積を十分に確保して突合せ部分の密閉性及び/又は固着を確保するとともに、その形状によって、部材同士の位置決めが確実になされることから、接着剤の使用量を抑えるものとなる。さらに、取付枠と、前照灯管及び/又は尾灯管との接合が相欠き構造、すなわち、相欠き部の断面視で相欠き面がクランク状に折れ曲がった態様で突き合わされることで、単純な突合せ構造と比較して、取付枠の底板及び/又は壁部の外側から、取付枠の内部に至るまでの道のりが長くなる。その結果、取付枠の底板及び/又は壁部の外側から接着剤を塗布したとしても、接合部から取付枠の内部、すなわち、標識灯の外観に影響を与える部分まで接着剤が侵入し難くなり、外観を損ねることを回避するものとなる。
【0018】
(6)上記(1)項から(5)項に記載の光導管と、該光導管に収容される前照灯及び尾灯と、前記取付枠の前記壁部に形成されたフランジに固定される透明な前尾灯ガラスとを含む標識灯(請求項6)。
【0019】
本項の標識灯において、光導管と、前照灯と、尾灯と、前尾灯ガラスとが一体化されたユニットとして構成される。又、前尾灯ガラスが透明であることから、上記(1)項から(5)項の各光導管で実現される形状が前尾灯ガラスを介して視認可能となり、標識灯のデザインの多様性を実現するものとなる。
【0020】
(7)鉄道車両の前照灯及び尾灯を収容する光導管の製造方法であって、前記前照灯から照射される光を外部に導く前照灯管と、前記尾灯から照射される光を外部に導く尾灯管と、前記前照灯管及び前記尾灯管を保持する取付枠とが別体に構成されるように成形し、前記前照灯管の外周面及び前記尾灯管の外周壁、前記取付枠と異なる色となるように塗装する光導管の製造方法(請求項7)。
【0021】
(8)上記(7)項において、前記取付枠に、底板と該底板を囲む壁板とからなる筺体を成形し、該筺体に開口を形成し、該開口に前記前照灯管及び前記尾灯管を挿入して、前記取付枠と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管とを、少なくとも部分的に挟角の谷折り線を挟む態様で、連続的に接続する光導管の製造方法(請求項8)。
【0022】
(9)上記(8)項において、前記前照灯管及び前記尾灯管は、管状壁部を有し、前記取付枠の筺体の前記壁板ないし前記底板と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管の前記管状壁部とを前記接合部を介して接続する光導管の製造方法(請求項9)。
【0023】
(10)上記(8)項又は(9)項において、前記接合部として、前記取付枠と、前記前照灯管及び/又は前記尾灯管とに相欠き部を形成する光導管の製造方法(請求項10)。
【0024】
(11)上記(10)項において、前記取付枠の前記底板及び/又は前記壁部の外側から、前記相欠き部を接着剤層で覆う光導管の製造方法(請求項11)。
【0025】
(12)上記(7)項から(11)項に記載の光導管に前照灯及び尾灯を収容し、前記取付枠の前記壁部に形成されたフランジに透明な前尾灯ガラスを固定する標識灯の製造方法(請求項12)。
【0026】
上記(7)項から(11)の光導管の製造方法において、上記(1)項から(5)項の各光導管で得られるものと同等の作用を奏するものとなる。
又、上記(12)項の標識灯の製造方法において、上記(6)項の標識灯でられるものと同等の作用を奏するものとなる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、以上のように構成したことにより、生産性を損なうことなく多様なデザインの実現に対応することが可能な光導管、標識灯及びそれらの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係る標識灯を備える鉄道車両の先頭部の概略斜視図である。
図2図1に示す標識灯の分解斜視図である。
図3図2に示す標識灯を構成する取付枠、前照灯管、尾灯管、装飾灯管及び前尾灯ガラスの背面斜視図である。
図4図3に示す標識灯を構成する取付枠、前照灯管、尾灯管、装飾灯管及び前尾灯ガラスの分解図である。
図5図3に示すA-A線に沿った概略断面図である。
図6図5に示すX部分の拡大図である。
図7図2に示す取付枠の図であり、(a)は、取付枠の正面図であり、(b)は、取付枠の上面図である。
図8図2に示す前照灯管の図であり、(a)は、前照灯管の正面図であり、(b)は、前照灯管の上面図である。
図9図8に示す前照灯管の断面図であり、(a)は、図8(a)に示すB-B線に沿った断面図であり、(b)は、図8(b)に示すC-C線に沿った断面図である。
図10図2に示す尾灯管の図であり、(a)は、尾灯管の正面図であり、(b)は、尾灯管の上面図である。
図11図10に示す尾灯管の断面図であり、(a)は、図10(a)に示すD-D線に沿った断面図であり、(b)は、図10(b)に示すE-E線に沿った断面図である。
図12図2に示す装飾灯管の図であり、(a)は、装飾灯管の正面図であり、(b)は、装飾灯管の上面図である。
図13図12に示す装飾灯管の断面図であり、(a)は、図12(a)に示すF-F線に沿った断面図であり、(b)は、図12(a)に示すG-G線に沿った断面図であり、(c)は、図12(b)に示すH-H線に沿った断面図である。
図14図1に示す光導管及び標識灯の製造方法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態に係る光導管を備えた標識灯の構成を図1図13に基づいて詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る標識灯1は、鉄道車両3の先頭部5及び最後尾部に設置される(図1では、標識灯1を備えた鉄道車両3の先頭部5を示している。)。標識灯1は、図2を参照して、前照灯11と、尾灯13と、装飾灯15と、光導管17と、前尾灯ガラス19とから構成されている。
【0030】
図2を参照して、前照灯11は、進路方向を照明する灯火であり、先頭部3の構体に固定される(図示せず)。尾灯13は、鉄道車両3の最後尾を標示する灯火であり、先頭部3の構体に固定される(図示せず)。装飾灯15は、標識灯1のデザイン性を高めるための灯火であり、先頭部3の構体に固定される(図示せず)。
【0031】
光導管17は、取付枠21と、前照灯管23と、尾灯管25と、装飾灯管27とから構成される。取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とは、別体に構成されており、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とを組立てることにより、一体化された光導管17として構成される。図示の例では、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27を取付枠21に組立てた際、車体中心寄りの装飾灯管27が取付枠21の底板29から最も前方に突き出るように配置され、前照灯管23、尾灯管25の順に取付枠21の底板29の突出量が小さくなるように配置されている(図2参照)。又、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とは、異なる色で塗装されている。具体的には、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の少なくとも一部分が黄金色に塗装され、他の部分が黒色に塗装されている。取付枠21は、その表面が黒色で塗装されている。
【0032】
取付枠21は、底板29と、この底板29を囲む壁板31とからなる筺体32を含み(図3図4及び図7等参照)、底板29と壁板31とによって形成された空間33(図2及び図7(a)参照)内に前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27が収容されている。取付枠21の筺体32の壁板31には、その端部から取付枠21の外側へと広がるフランジ34が形成されている(本実施形態では、フランジ34の外縁が正面視略矩形状をなしている)。筺体32には、開口35,37が形成されている。具体的には、底板29には、複数の開口35(図示例では、3つ)が形成されている。この開口35は、前照灯管23を挿通するための開口35aと、尾灯管25を挿通するための開口35bと、装飾灯管27を挿通するための開口35cとを含む。開口35aは、その開口範囲が、少なくとも一部が底板29と壁板31との境界、すなわち、図4における底板29と壁板31との、紙面上側の角部まで及んでいる。開口35bは、その開口範囲が、少なくとも一部が底板29と壁板31との境界、すなわち、図4における底板29と壁板31との、紙面上側及び下側の角部まで及んでいる。開口35cは、その開口範囲が、少なくとも一部が底板29と壁板31との境界、すなわち、図4おける底板29と壁板31との、紙面上側及び下側の角部まで及んでいる。壁板31には、その一部分が切り欠かれることで複数の切欠き開口37が形成されている。この切欠き開口37は、前照灯管23を挿通するための、開口35aとつながるように切り欠かれた切欠き開口37aと、尾灯管25を挿通するための、開口35bとつながるように切り欠かれた一対の切欠き開口37bと、装飾灯管27を挿通するための、開口35cとつながるように切り欠かれた一対の切欠き開口37cとを含む(図4参照)。
【0033】
底板29の底面を正面視したときの反対側の面(背面)及び壁板31の外壁板31には、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の第2接合部55(後述する図8図10及び図12参照)と接合する第1接合部39が形成されている(図4及び図7参照)。具体的には、第1接合部39は、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27を取付枠21に取付ける際、底板29の底面の背面の、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27を突き合わせる部分、及び、壁板31の外壁面の、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27を突き合わせる部分の肉厚が薄くなるように切り欠いた、いわゆる相欠き構造をなしている。そして、前照灯管23の相欠き部57,59(後述する。図8参照。)と突き合わさる相欠き部41aと、尾灯管25の相欠き部77,79(後述する。図10参照。)と突き合わさる相欠き部41bと、装飾灯管27の相欠き部95,97(後述する。図12参照。)と突き合わさる相欠き部41cとを含む。この各相欠き部41a,41b,41cは、断面視でクランク状に折り曲がった切欠き面43a,43b,43cを構成する。相欠き部41aは、開口35a及び切欠き開口37aの端縁に沿って、連続的に設けられている(図4参照)。相欠き部41bは、開口35b及び一対の切欠き開口37bの端縁に沿って、連続的に設けられている(図4参照)。相欠き部41cは、開口35c及び一対の切欠き開口37cの端縁に沿って、連続的に設けられている(図4参照)。
【0034】
前照灯管23は、管状壁部45を有する略筒状体をなしている。この前照灯管23は、前照灯11の発光素子(図2参照)が視認されるように、開口が形成された塞ぎ板47(図8参照)が形成されている。又、前照灯管23の、管状壁部45の一部分及び塞ぎ板47には、切欠き開口49が形成されている。さらに、前照灯管23の管状壁部45の、塞ぎ板47とは反対側の端部には、径方向外側に広がる第1フランジ51(図8参照)と、挟角の谷折り線を介して、切欠き開口49の内壁部につながる、すなわち、切欠き開口49の内壁部から延在する挟角の折返し曲部46(図9(b)参照)から延びる第2フランジ53とを備える。第1フランジ51と第2フランジ53とは連続し、取付枠21の第1接合部39に接合する第2接合部55が形成されている。具体的には、第1フランジ51の第2接合部53は、取付枠21の底板29の背面に形成された相欠き部41aに対応する相欠き部57を含み、第2フランジ53の第2接合部55は、壁板31の外壁部に形成された相欠き部41aに対応する相欠き部59を含む。第1及び第2フランジ51,53の相欠き部57,59は連続している。又、相欠き部57,59は、断面視略でクランク状に折り曲がった切欠き面61,63を備える(図9参照)。
【0035】
尾灯管25は、管状壁部65を有する略筒状体をなしている。この尾灯管25は、尾灯13の発光素子(図2参照)のみが視認されるように、開口が形成された塞ぎ板68(図10参照)が形成されている。この尾灯管25の管状壁部65には、切欠き開口67が形成されている(図10(b)参照、図示例では、切欠き開口67は、2つ形成されている)。又、切欠き開口67を塞ぐためのふさぎ板69(図4参照)が用いられている。さらに、尾灯管25の管状壁部65の、塞ぎ板68とは反対側の端部には、径方向外側に延びる第1フランジ71(図10参照)と、挟角の谷折り線を介して、切欠き開口67の内壁部につながる、すなわち、切欠き開口67の内壁部から延在する挟角の折返し曲部66(図11参照)から延びる第2フランジ73とを備える。第1フランジ71と第2フランジ73とは連続し、取付枠21の第1接合部39に接合する第2接合部55が形成されている。具体的には、第1フランジ71の第2接合部55は、取付枠21の底板29の背面に形成された相欠き部41bに対応する相欠き部77を含み、第2フランジ73の第2接合部55は、壁板31の外壁板31に形成された相欠き部41bに対応する相欠き部79を含む。第1フランジ71の相欠き部77と第2フランジ73の相欠き部79とは連続している。この相欠き部77,79は、断面視でクランク状に折り曲がった切欠き面81,83を備える(図11参照)。
【0036】
装飾灯管27は、管状壁部85を有する略筒状体をなしている。この装飾灯管27は、装飾灯15の発光素子(図2参照)のみが視認されるように、開口が形成された塞ぎ板88(図12参照)が形成されている。この装飾灯管27の管状壁部85には、切欠き開口87が形成されている(図12(b)参照、図示例では、切欠き開口87は、2つ形成されている)。又、装飾灯管27の管状壁部85の、塞ぎ板88とは反対側の端部には、径方向外側に延びる第1フランジ89(図12参照)と、挟角の谷折り線を介して、切欠き開口87の内壁部につながる、すなわち、切欠き開口87の内壁部から延在する挟角の折返し曲部86(図13(a)及び(c)参照)から延びる第2フランジ91とを備える。第1フランジ89と第2フランジ91とは連続し、取付枠21の第1接合部39に接合する第2接合部55が形成されている。具体的には、第1フランジ89の第2接合部55は、取付枠21の底板29の背面に形成された相欠き部41cに対応する相欠き部95を含み、第2フランジ91の第2接合部55は、壁板31の外壁板31に形成された相欠き部41cに対応する相欠き部97を含む。第1フランジ89の相欠き部95と第2フランジ91の相欠き部97とは連続している。この相欠き部95,97は、断面視でクランク状に折り曲がった切欠き面99,101を備える(図13参照)。
【0037】
前尾灯ガラス19(図2参照)は、光導管17の取付枠21のフランジ34に取付けられ、光導管17を鉄道車両3の走行中における風圧、異物の飛来等の外因から保護するものである。この前尾灯ガラス19は、取付枠21のフランジ34の外形に倣った形状をないしている(本実施形態では、矩形状である、図2参照)。この前尾灯ガラス19は、外部から取付枠21の底板29と壁板31とによって形成された空間33内に配置された前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とを視認できるように、全体ないし少なくとも空間33に面する範囲が透明又は半透明となっている。
【0038】
次に、一実施形態に係る光導管17の製造及び組立方法、及び、標識灯1を先頭部5に組付ける方法について、図14を参照しながら以下に説明する。
ステップS1において、取付枠21と、前照灯管23と、尾灯管25と、装飾灯管27と、尾灯管25のふさぎ板69とを別々に成形する。具体的には、各部材の成形型にポリエステル樹脂等の樹脂材料を塗布して、各部材の成形品を成形する。成形後、成形型から成形品を離型し、成形品のバリや不要部分の切取り等を行う。又、ふさぎ板69は、尾灯管25の切欠き開口67を塞ぐように接着、溶着等によって、尾灯管25に結合する(図4参照)。
【0039】
ステップS2において、成形された成形品、すなわち、前照灯管23と、尾灯管25と、装飾灯管27とを別々に塗装する。このとき、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とは、異なる色で塗装する。一例として、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の少なくとも一部分を黄金色で塗装し、他の部分を黒色で塗装する。又、取付枠21は、その表面を黒色で塗装する。具体的には、前照灯管23及び装飾灯管27は、その管状壁板45,85の外周面を黄金色で塗装し、尾灯管25は、その管状壁板65の外周壁及び内周壁を黄金色で塗装する。
【0040】
ステップS3において、塗装後、クリア塗装を施し、その後、埃、塵等の付着、塗装肌等の塗装品質を確認する。このとき、瑕疵ある部分は、研磨等で適宜補修を行う。
ステップS4において、塗装品質確認後、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の黒色塗装以外の部分(すなわち、黄金色で塗装した部分)をマスキングを施す。マスキング施工後、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の所定の塗装部分に黒色で塗装し、又、取付枠21の表面を黒色で塗装する。このとき、各部材の塗装は、別々に塗装する。
ステップS5において、塗装後、各部材からマスキングを除去し、塗装品質及び見切り品質を確認する。このとき、瑕疵ある部分は、研磨等で適宜補修を行う。
【0041】
ステップS6において、取付枠21、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の塗装が完了した後、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27を取付枠21に組付ける。具体的には、前照灯管23を取付枠21の筺体32(底板29及び壁板31)の開口35a及び切欠き開口37aに挿入して、前照灯管23の相欠き部57,59を取付枠21の相欠き部41aに突き合わせて、取付枠21に保持させる(図3参照)。又、尾灯管25及び装飾灯管27についても、尾灯管25を取付枠21の筺体32(底板29及び壁板31)の開口35b及び切欠き開口37bに挿入し、装飾灯管27を筺体32(底板29及び壁板31)の開口35c及び切欠き開口37cに挿入して、尾灯管25の相欠き部77,79及び装飾灯管27の相欠き部95,97を取付枠21の相欠き部41b,41cに突き合わせて、取付枠21に保持させる(図3参照)。ここで、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とを突き合わせた際、前照灯管23の相欠き部57,59の切欠き面61,63と取付枠21の相欠き部41aの切欠き面43a、尾灯管25の相欠き部77,79の切欠き面81,83と取付枠21の相欠き部41bの切欠き面43b、装飾灯管27の相欠き部95,97の切欠き面99,101と取付枠21の相欠き部41cの切欠き面41cがクランク状に折れ曲がった態様で突き合わさるので(図6参照)、取付位置が容易に定まり、又、確実に固定される。
【0042】
そして、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27との接合箇所に接着剤103を塗布する(図5及び図6参照)。このとき、接着剤103は、取付枠21の底板29及び壁板31の外側から、前照灯管23の相欠き部57,59と取付枠21の相欠き部41aとの接合箇所、尾灯管25の相欠き部77,79と取付枠21の相欠き部41bとの接合箇所及び装飾灯管27の相欠き部95,97と取付枠21の相欠き部41cとの接合箇所を覆うように塗布する。これにより、取付枠21、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の組立が完了する。
【0043】
ステップS7において、標識灯1を鉄道車両3の先頭部5に取付けるには、まず、前照灯11、尾灯13及び装飾灯15を鉄道車両3の先頭部5に組付ける。
ステップS8において、組付け後、光導管17を鉄道車両3の先頭部5に組付ける。このとき、前照灯11の発光素子は、前照灯管23の塞ぎ板47の開口を塞ぐように配置される。又、尾灯13の発光素子は、塞ぎ板68とは反対側の端部から所定の距離を置いて配置され、尾灯管25外に位置する。さらに、装飾灯15の発光素子は、装飾灯管27の塞ぎ板88の内壁面から所定の距離を置いて、装飾灯管27内に配置される。その結果、光導管17を視認した際、前照灯管23の塞ぎ部47により、前照灯11の発光素子及び光軸調整用締結具(図示せず)以外の構造物が外部から見えなくなるため、前照灯管23の美的外観が保たれる。さらに、尾灯管25及び装飾灯管27の外観が前照灯管23の外観と略同じように見えるので、光導管17の美的外観が保たれる。
【0044】
ステップS9において、光導管17と先頭部5との間を水密シーリングを施す。
そして、ステップS10において、前照灯11の光軸の調整を行う。
最後に、ステップS11において、光軸調整後、前尾灯ガラス19を取付枠21のフランジ34に取付ける。これにより、標識灯1を鉄道車両3の先頭部5への組付けが完了する。
【0045】
上記構成を有する一実施形態に係る光導管17及びその製造方法によれば、次の作用効果を得ることが可能となる。すなわち、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とが別体に構成されることで、各部材ごとに成形することができ、成形型構造の複雑化を回避することが可能となる。
【0046】
又、一実施形態に係る光導管17及びその製造方法によると、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27は、その少なくとも一部分が取付枠21と異なる色となるように塗装されるので、光導管17の多様な美的外観を実現することが可能となる。又、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とが別体に構成されていることから、各部材ごとに塗装することとすれば、各部材の細かな箇所にも塗料が届き、各部材の品質を高めることが可能となる。又、塗装作業の際に、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の黄金色で塗装した部分にマスキングを施し、他の部分に黒色で塗装をしているが、各部材ごとに塗装しているので、マスキングを容易に施すことができ、塗装作業の負担を軽減することができ、作業効率を高めるものとなる。
【0047】
さらに、一実施形態に係る光導管17及びその製造方法によると、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27との接合箇所は、少なくとも部分的に挟角の谷折り線を挟んで、連続的に接続されており、この構成を採用しても、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とに対して別々に塗装することで、これらを組合せた状態では、挟角の谷折り線近傍部分にも塗装されており、必要な塗装品質を確保し、光導管17の多様な美的外観を実現することが可能となる。
【0048】
又、一実施形態に係る光導管17及びその製造方法によると、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27は、それぞれ管状壁板45,65,85を有することで、前照灯11、尾灯13及び装飾灯15から照射される光を、管状壁板45,65,85の内壁面によって反射し、外部に導くとが可能となる。又、前照灯管23の相欠き部57,59を取付枠21の相欠き部41aに突き合わせることで、取付枠21に確実に保持され、又、尾灯管25及び装飾灯管27についても、尾灯管25の相欠き部77,79及び装飾灯管27の相欠き部95,97を取付枠21の相欠き部41b,41cに突き合わせることで、取付枠21に確実に保持される。しかも、前照灯11、尾灯13及び装飾灯15が、取付枠21の底板29及び壁板31で囲まれた空間内部で存在感を発揮する突起形状を構成することとなり、標識灯1のデザインに多様性を持たせることが可能となる。
【0049】
又、一実施形態に係る光導管17及びその製造方法によると、取付枠21の相欠き部41a,41b,41cと、前照灯管23の相欠き部57,59と、尾灯管25の相欠き部77,79と、装飾灯管27の相欠き部95,97とは、それぞれ対応する部材同士の突合せ部分を相補的に切り欠いた切欠き面43a~c,61,63,81,83,99,101が形成され、この相欠き面43a~c,61,63,81,83,99,101がクランク状に折れ曲がった態様で突き合わされるので、接合面積を十分に確保して突合せ部分の密閉性及び/又は固着を確保することが可能となる。又、突き合わされた状態で部材の一般部と同等の肉厚に収めるので、無用な厚肉化を防ぐことが可能となる。そして、取付枠21に対する、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の取付位置が容易に決められ、かつ、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27とが容易かつ確実に結合される。
【0050】
又、一実施形態に係る光導管17及びその製造方法によると、取付枠21の底板29及び壁板31の外側から、前照灯管23の相欠き部57,59と取付枠21の相欠き部41aとの接合箇所、尾灯管25の相欠き部77,79と取付枠21の相欠き部41bとの接合箇所及び装飾灯管27の相欠き部95,97と取付枠21の相欠き部41cとの接合箇所を覆う接着剤103(接着剤層)が含まれることで、取付枠21と、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27との相欠き継ぎを確実に固定することが可能となる。
【0051】
又、一実施形態に係る光導管17及びその製造方法によると、取付枠21の相欠き部41a,41b,41cと、前照灯管23の相欠き部57,59と、尾灯管25の相欠き部77,79と、装飾灯管27の相欠き部95,97とは、上述の述べたように、接合面積を十分に確保して突合せ部分の密閉性及び/又は固着を確保するとともに、その形状によって、部材同士の位置決めが確実になされることから、接着剤103の使用量を抑えられる。
【0052】
さらに、取付枠21の相欠き部41a,41b,41cと、前照灯管23の相欠き部57,59と、尾灯管25の相欠き部77,79と、装飾灯管27の相欠き部95,97とは、それらの対応する相欠き面43a~c,61,63,81,83,99,101がクランク状に折れ曲がった態様で突き合わされることで、単純な突合せ構造と比較して、取付枠21の底板29及び壁板31の外側から、取付枠21の内部に至るまでの道のりが長くなる。その結果、取付枠21の底板29及び壁板31の外側から接着剤103を塗布したとしても、接合箇所から取付枠21の内部、すなわち、標識灯1の外観に影響を与える部分まで接着剤103が侵入し難くなり、外観を損ねることを回避することが可能となる。
【0053】
又、一実施形態に係る標識灯1及びその製造方法によると、前尾灯ガラス19が透明であることから、光導管17で実現される形状が前尾灯ガラス19を介して視認可能となり、標識灯1のデザインの多様性を実現することが可能となる。
【0054】
なお、一実施形態に係る光導管17において、前照灯管23の相欠き部57,59、尾灯管25の相欠き部77,79及び装飾灯管27の相欠き部95,97は、連続して形成されているが、断続的な相欠き部であってもよい。
【0055】
又、一実施形態に係る光導管17において、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27を取付枠21に組立てた際、装飾灯管27が取付枠21から最も突き出るように配置され、その次に前照灯管23が突き出るように配置され、尾灯管25が最も突き出ないように配置されていが、突出し寸法は適宜変更してもよい。
【0056】
さらに、一実施形態に係る光導管17において、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27は、略円筒状であるが、角筒等の他の筒体であってもよい。
【0057】
又、一実施形態に係る光導管17において、前照灯管23、尾灯管25及び装飾灯管27の少なくとも一部分を黄金色で塗装し、他の部分を黒色で塗装され、取付枠21は、その表面を黒色で塗装されているが、デザイン上ないし保安上の要請により、銀色、白色等の他の色で塗布されてもよい。
【0058】
又、一実施形態に係る光導管17において、取付枠21のフランジ34は、その外縁が正面視略矩形状をなしているが、外縁の形状を長円、多角形等の他の形状にしてもよい。ここで、前尾灯ガラス19は、フランジ34の外縁の形状変更に伴って、フランジ34の外縁に倣うように形状を変更してもよい。
【符号の説明】
【0059】
11…前照灯、13…尾灯、17…光導管、21…取付枠、23…前照灯管、25…尾灯管
図1
図2
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図11
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図13
図14