(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品及びそれらの製造方法並びに袋体の供給方法
(51)【国際特許分類】
B65D 77/30 20060101AFI20220804BHJP
B65B 9/06 20120101ALI20220804BHJP
【FI】
B65D77/30 C
B65B9/06
(21)【出願番号】P 2018168279
(22)【出願日】2018-09-07
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000147316
【氏名又は名称】株式会社生産日本社
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】野口 ▲隆▼之
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-122939(JP,A)
【文献】米国特許第05890348(US,A)
【文献】米国特許第04507906(US,A)
【文献】特開2017-088222(JP,A)
【文献】米国特許第05584163(US,A)
【文献】特開2018-193135(JP,A)
【文献】特開平04-102530(JP,A)
【文献】特開平03-056207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00-33/38
B65D 77/30
B65B 9/06
B65B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体13を、外包装用の筒状外袋11で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋400であって、
前記筒状外袋は、樹脂フィルムを基材15として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、前記筒の長さ方向に沿って折り込み部94を少なくとも一つ有し、
前記折り込み部は、帯状の前記基材の長さ方向に延びる側端部同士が重ね合わされた状態で少なくとも1回以上折り込まれてなり、かつ、該折り込み部における前記基材同士は接着又は熱溶着されておらず、
前記筒状外袋が、横断面が扁平状態でロール巻きされて
おり、
前記折り込み部は、ロールの巻き取り面に対して横に倒れて固定された状態となっていることを特徴とする製品入り外袋。
【請求項2】
前記製品入り外袋は、フラットのシート状外包装用の樹脂フィルムとした前記基材に製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を載せ、前記複数個の袋体を前記基材で包み込んで筒状外袋とし、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化したことを特徴とする請求項1に記載の製品入り外袋。
【請求項3】
前記製品入り外袋は、前記基材の内壁面にエンボス加工領域部を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一つに記載の製品入り外袋。
【請求項4】
前記製品入り外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿って切れ目を形成するための開封補助手段を少なくとも一つ有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の製品入り外袋。
【請求項5】
製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外包装用の筒状外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、
基材として等幅の帯状の樹脂フィルムを準備する工程Aと、
前記基材を広げた状態とする工程Bと、
前記基材の上に、該基材の長手方向に沿って、前記袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に該袋体を複数積み重ねていく工程Cと、
前記複数個の袋体を載せた前記基材を該基材の長手方向に移動させながらかつ該基材の長手方向に張力をかけながら、前記基材で前記複数個の袋体を包み込むとともに、前記基材の側端部を重ね合わせ、次いで折り曲げて折り込み部を形成することで、前記基材を筒状に成形して前記製品入り外袋を得る工程Dと、
前記製品入り外袋を横断面が扁平状態でロール巻きするE工程と、を有
し、
前記工程Dにおいて、前記折り込み部における前記基材同士を接着又は熱溶着せず、
前記工程Eにおいて、前記折り込み部をロールの巻き取り面に対して横に倒して固定した状態とすることを特徴とする製品入り外袋の製造方法。
【請求項6】
前記工程Dにおいて、少なくとも2回以上折り曲げ、かつ、1回折り曲げる毎にプレスをして折り目づけを行うことを特徴とする請求項5に記載の製品入り外袋の製造方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一つに記載の製品入り外袋に収容された外袋を引き出しながら折り込み部94又は外袋のうち折り込み部94以外の箇所を開口するF工程と、
開口された外袋の中の前記袋体を順々に充填機に供給するG工程と、を有することを特徴とする袋体の供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、筒状外袋に関し、特に、複数の製品について製品同士の相対的位置関係を固定したまま包み込んで、ひとまとまりとする筒状外袋に関する。また本開示は、筒状外袋によって製品が包まれた製品入り外袋、さらにその製品入り外袋を横断面が扁平状態でロール巻きした製品入り外袋の巻き取り品に関する。さらに本開示はそれらの製造方法及び製品入り外袋から製品である袋体を取り出す袋体の供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、販売の目的とされる商品を直接包装する形態を一次包装という。一次包装の形態とされた商品を決められた数量に従い、さらに箱又は袋に包装する形態を二次包装という。商品は一次包装又は二次包装の形態にて消費者に渡される。さらに、二次包装の形態の商品を決められた数量に従い、バルクハンドリング、倉庫保管及び輸送等の目的のために梱包箱等に入れる形態を三次包装という。また、一次包装の形態にされた商品を、二次包装の形態とせずに、三次包装の形態とすることもある。
【0003】
例えば、円筒状の小巻ロール(「商品」に相当する。)の円筒側面を包装用フィルムに巻き付けたのち、包装フィルムの側面を熱融着し、さらに円筒の上面側と下面側に位置する包装用フィルムをそれぞれ閉じて熱融着して、小巻ロールを一次包装する技術がある(例えば、特許文献1の
図25~
図29を参照。)。
【0004】
なお、製袋メーカーにとっては、販売の目的とされる商品が包装資材となる袋体であるため(例えば、特許文献2を参照。)、本明細書では、包装資材としての袋体が販売の目的とされる商品である場合、包装資材ではない商品(通常の商品のことであり、以降、非包装資材商品ともいう。)との区別のために、当該袋体を「製品」と称することがある。また、袋体を包む包装を外袋と称することがある。
【0005】
非包装資材商品が入った嵌合具付き袋が小売店に陳列されるまでは、まず、(1)製袋工程:製袋メーカーが袋体を製造してさらに外袋に収容し、(2)運送工程1:袋体を非包装資材商品のメーカーに納入し、(3)給袋工程:外袋から袋体を取り出し、(4)充填工程:非包装資材商品を袋体に充填し、(5)運送工程2:袋体に充填された非包装資材商品を小売店に搬送して一般消費者へと渡る、というルートが通常である。
【0006】
従来の製袋工程は次のような手順で行われていた。すなわち、製袋機によって製袋された製品である嵌合具付き袋は、トレーなどの容器にいったんストックされ、人の手によって一定枚数を束にする結束作業が行われていた。その一定枚数ずつ束にされた、製品である嵌合具付き袋は、輪ゴム等の結束手段で固定され、続いて嵌合具付きの外袋に入れられたのち、外袋の嵌合具が閉じられる。さらに複数個の嵌合具付き外袋は箱に詰められる。その箱は、埃や汚れの付着防止又は浸水防止のために防水フィルムによって覆われた後、出荷される。これらの工程はすべて人の手が必要であった。
【0007】
また、従来の給袋工程は次のような手順で行われていた。すなわち、非包装資材商品のメーカーが非包装資材商品を嵌合具付き袋に充填するために、防水フィルムを剥がして箱から外袋を取り出し、その外袋の嵌合具を外し、束ねられた嵌合具付き袋を取り出し、束ねてある輪ゴム等の結束手段を外して、嵌合具付き袋を個々の状態に戻す。これらの工程もすべて人の手が必要であった。
【0008】
さらに従来の充填工程は次のような手順で行われていた。すなわち、個々の嵌合具付き袋を、充填機の袋体供給部に供給する。この工程も人の手が必要であった。充填機の袋体供給部から一つ一つ取り出された嵌合具付き袋は、開口され、非包装資材商品が充填される。この工程は、充填機によってなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2003‐267602号公報
【文献】特開2018‐8728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、製袋工程では、袋詰めのときの作業スピードや精度がそれを行う個々の人の能力に依存していたため、個々の人の処理能力に合わせて包装袋の製造ラインのスピードを調整し、また休憩が必要である。その結果として、生産性が低下し、また生産性が不安定となりやすく、生産効率が悪かった。また、トレーにストックされた袋体は、ストック場所や積み重ねの不安定さによってストック枚数に限りがあり、広いスペースを必要としていた。そして、結束された袋体を外袋に入れるときの輪ゴム留めや外袋に入れるときの嵌合具の開口、閉口、箱詰め、防水フィルム施工に至る作業には時間がかかり、また手間であった。
【0011】
また、給袋工程では、防水フィルム付きの箱詰めされた外袋を取り出し、嵌合具を外し、輪ゴム等を取り除いて嵌合具付き袋を個々の状態に戻していたが、すべて人の手が必要であった。特に輪ゴム等により嵌合具付き袋が湾曲して癖がついてしまい、平状に戻す作業を余儀なくされていたが、これらの作業もすべて人の手によって行われていた。さらに、輪ゴム等と接触していた嵌合具付き袋にはシワが発生していたり、ときには穴が開いてしまうことがあった。このように作業ミスや製品ロスが頻繁に発生しやすかった。さらに、充填機に嵌合具付き袋をセットし終えるたびに、次なる外袋について嵌合具開口工程に戻って同様に人の手で繰り返して作業を行う必要があり、時間と手間がかかっていた。よって、人件費が嵩み、コスト高になっていたほか、作業ミスなども不可避であった。加えて人手不足によって人材確保が難しく、一層費用が嵩んでいた。
【0012】
さらに、外袋については、それ自体を製袋する必要があり、袋製品と同じ手間とコストがかかっていた。また、様々な種類の外袋を防水フィルムと共に保管しなければならず、倉庫による管理を強いられるため、非常にコスト高であると共に手間もかかっていた。
【0013】
また、防水フィルム、出荷箱、外袋は充填工程を経た後に廃棄されるため、大量の資源が無駄に消費されていた。
【0014】
また、結束、外袋詰め、箱詰め、箱開け及び外袋明けを人の手で行っていたため、人に起因する汚れが付着するおそれもあった。
【0015】
そこで本開示は、(1)人的作業の省力化を図ることで、包装袋の製造ラインの高速化を実現し、また、その生産速度の安定化を図り、人的作業のミスによる製造ロスの低減と袋体の品質低下を抑制すること、及び、(2)外袋の製袋及び保管によるコスト上昇を防ぐと共にその管理の手間を省くこと、を実現する、省人・省資源・省スペース・低コスト及び良好な衛生性を兼ね備えた製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品それらの製造方法並びに袋体の供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、鋭意検討したところ、外包装用の外袋を、帯状樹脂フィルムの幅方向の端辺同士を重ね合わせて折り込むことで筒状に形成した筒状外袋の形態とし、また、製品である袋体の一部が重なるように連続して一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外装用の筒状外袋で包み込み、袋体の積み重ね状態を保持したままで一体化させることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
すなわち、本発明に係る製品入り外袋は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外包装用の筒状外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、前記筒状外袋は、樹脂フィルムを基材として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、前記筒の長さ方向に沿って折り込み部を少なくとも一つ有し、前記折り込み部は、帯状の前記基材の長さ方向に延びる側端部同士が重ね合わされた状態で少なくとも1回以上折り込まれてなり、かつ、該折り込み部における前記基材同士は接着又は熱溶着されておらず、前記筒状外袋が、横断面が扁平状態でロール巻きされており、前記折り込み部は、ロールの巻き取り面に対して横に倒れて固定された状態となっていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る製品入り外袋では、前記製品入り外袋は、フラットのシート状外包装用の樹脂フィルムとした前記基材に製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を載せ、前記複数個の袋体を前記基材で包み込んで筒状外袋とし、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化したことが好ましい。
【0019】
本発明に係る製品入り外袋では、前記折り込み部は、前記基材の幅方向の側端部を重ね合わせて2回以上折り曲げていることが好ましい。折り込みによる仮留め強度を高めることができる。
【0020】
本発明に係る製品入り外袋では、前記製品入り外袋は、前記基材の内壁面にエンボス加工領域部を有することが好ましい。製品である袋体が筒状外袋の内部で移動しにくくなるため、袋体の積み重ね状態をより一層保持しやすくなる。
【0021】
本発明に係る製品入り外袋では、前記製品入り外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿って切れ目を形成するための開封補助手段を少なくとも一つ有することが好ましい。折り込み部の折り込みを戻すことで外袋を開口することができるが、これとは別の開口を設けることができるので、利便性がより一層向上する。
【0022】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外包装用の筒状外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、基材として等幅の帯状の樹脂フィルムを準備する工程Aと、前記基材を広げた状態とする工程Bと、前記基材の上に、該基材の長手方向に沿って、前記袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に該袋体を複数積み重ねていく工程Cと、前記複数個の袋体を載せた前記基材を該基材の長手方向に移動させながらかつ該基材の長手方向に張力をかけながら、前記基材で前記複数個の袋体を包み込むとともに、前記基材の側端部を重ね合わせ、次いで折り曲げて折り込み部を形成することで、前記基材を筒状に成形して前記製品入り外袋を得る工程Dと、前記製品入り外袋を横断面が扁平状態でロール巻きするE工程と、を有し、前記工程Dにおいて、前記折り込み部における前記基材同士を接着又は熱溶着せず、前記工程Eにおいて、前記折り込み部をロールの巻き取り面に対して横に倒して固定した状態とすることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記基材を1つ準備し、前記工程Bにおいて、前記基材を、前記基材の長手方向の横断面がU字形状又はV字状となるように広げ、前記工程Cにおいて、前記袋体の左右いずれか一方の側端側を下方に向けた状態で、前記袋体を前記U字形状又はV字状の基材の内側に入れることが好ましい。本形態においても重力を利用して袋体をきれいに整列させることが出来るため、製品入り外袋内で、袋体がより整然と整列している。
【0024】
また、本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記基材を2つ準備し、前記工程Bにおいて、前記基材の一方を水平に広げ、前記基材の他方を、前記基材の一方の上方で水平に広げ、前記工程Cにおいて、前記基材の一方をフラットのシート状とすると共に、前記基材の一方の幅方向の両端が前記袋体の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、該袋体を前記基材の一方の上に載せ、前記工程Dにおいて、前記基材の他方を前記袋体に被せて、前記基材を重ね合わせた幅方向の側端部をそれぞれ重ね合わせ、次いで折り曲げて折り込み部を形成することが好ましい。2つの基材を上下に配置し、その間に袋体を配置して閉じるという簡易な動作で、外袋の中に袋体を入れることが出来る。
【0025】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Dにおいて、少なくとも2回以上折り曲げ、かつ、1回折り曲げる毎にプレスをして折り目づけを行うことが好ましい。折り込みによる仮留め強度を高めることができる。
【0026】
本発明に係る袋体の供給方法は、本発明に係る製品入り外袋に収容された外袋を引き出しながら折り込み部又は外袋のうち折り込み部以外の箇所を開口するF工程と、開口された外袋の中の前記袋体を順々に充填機に供給するG工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、(1)人的作業の省力化を図ることで、包装袋の製造ラインの高速化を実現し、また、その生産速度の安定化を図り、人的作業のミスによる製造ロスの低減と袋体の品質低下を抑制すること、及び、(2)外袋の製袋及び保管によるコスト上昇を防ぐと共にその管理の手間を省くこと、を実現する、省人・省資源・省スペース・低コスト及び良好な衛生性を兼ね備えた製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品及びそれらの製造方法並びに袋体の供給方法を提供することが出来る。
【0028】
さらに、製袋機と充填機とをインラインで一体化すると生産効率が高まるところ、充填を行う者が製袋機のメンテナンスも行う必要が生じる。しかし、本発明によれば、設備のインライン化をしなくても、製品入り外袋が、実質的に製袋機を再現することが出来るため、袋体を充填機に高速で供給することが可能となる。よって、充填する者からすれば、製袋機のメンテナンスが不要であり、かつ、実質的にインライン化を再現することが出来る。さらに、製袋を行う者からすれば、袋体の結束作業が不要となり、また、それに伴う検品工程も不要とすることが出来る。
【0029】
さらに製品入り外袋の巻き取り品では、巻取りによって外袋内の空気が脱気されるため、外袋の内壁と袋体との接触状態及び袋体同士の接触状態が運送時においてもずれないため、開封して袋体を取り出すときに、袋体を詰めた状態をそのまま再現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例を示す正面概略図である。
【
図4】本実施形態に係る製品入り外袋に収容される袋体の一形態を示す正面概略図である。
【
図6】巻き取り品の形態を有する本実施形態に係る製品入り外袋の第一例を示す概略図である。
【
図8】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の製造方法を説明するための概略図である。(a)~(d)はそれぞれ、帯状樹脂フィルムの基材の長さ方向を横断する横断面(すなわち幅方向を見た横断面)であり、(e)は巻き取り品の形態を有する製品入り外袋の斜視図である。(a)(b)(c)(d)(e)の順に工程が進む様子を示している。
【
図9】開封補助手段としてカットライン付フィルムの形態を説明するための断面概略図である。
【
図10】開封補助手段として基材に薄肉部を設けた形態を説明するための断面概略図である。
【
図11】開封補助手段としてガイドテープ式開口の形態を説明するための断面概略図であり、(a)は、ガイドテープの両側に盛り上り部のない形態、(b)はガイドテープの両側に盛り上り部のある形態、を示した。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0032】
(製品入り外袋)
次に
図1~
図7を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋200を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋200は、外袋が折り込み部94によって閉められている。本実施形態に係る製品入り外袋200は、
図1~
図3に示すように、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体13を、外包装用の筒状外袋11で包み込んで、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、筒状外袋11は、樹脂フィルムを基材15として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、筒の長さ方向Xに沿って折り込み部94を少なくとも一つ有し、
図6及び
図7に示すように、筒状外袋11が、横断面が扁平状態でロール巻きされている。
【0033】
外包装とは、販売の目的とされる商品(商品のみならず、個別に一次包装された商品を含む。)を複数個の単位で、ひとまとまりに包装する形態(二次包装及び三次包装の両方を包含する。)をいう。また、外袋とは、外包装が特に袋体であることをいう。したがって、実施形態において筒状外袋とは、筒形状を有し、外包装に用いられる袋体をいう。
【0034】
基材15としての樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂であり、下記<1>~<29>に例示するもののうちから任意のものが採用されるが、本実施形態では特に限定されない。
<1> 高密度ポリエチレン(HDPE)
<2> 中密度ポリエチレン(MDPE)
<3> 低密度ポリエチレン(LDPE)
<4> ポリプロピレン(PP)
<5> ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
<6> ポリ塩化ビニル(PVC)
<7> ポリスチレン(PS)
<8> ポリ酢酸ビニル(PVAc)
<9> ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
<10> ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
<11> AS樹脂(SAN)
<12> アクリル樹脂(PMMA)
<13> ポリアミド(PA)/商品名ナイロン
<14> ポリアセタール(POM)
<15> ポリカーボネート(PC)
<16> 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE、変性PPE、PPO)
<17> ポリブチレンテレフタレート(PBT)
<18> ポリエチレンテレフタレート(PET)
<19> 環状ポリオレフィン(COP)
<20> ポリフェニレンスルファイド(PPS)
<21> ポリサルフォン(PSF)
<22> ポリエーテルサルフォン(PES)
<23> 非晶ポリアリレート(PAR)
<24> 液晶ポリマー(LCP)
<25> ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
<26> 熱可塑性ポリイミド(PI)
<27> ポリアミドイミド(PAI)
<28> 熱可塑性ポリウレタン(TPU)
<29> フッ素樹脂(PTFE)
また、単層フィルムからなる基材15の厚さは0.2mm~1.5mm程度のものが望ましく、複層フィルムからなる基材15の厚さは0.4~2.0mm程度が望ましい。また、筒状外袋11は、折り込み部を有したまま筒内を広げたときに筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状を有する。内径(直径)は、例えば1.5~65cmであるが、この範囲に限定されない。また、筒形状の上端部及び下端部は、開放されていてもよく、また、剥離可能なシール、接着若しくは熱溶着又は結束されて閉じていてもよい。
【0035】
本実施形態に係る製品入り外袋200は、筒状外袋11の筒内部に製品である袋体が複数個収容されている。
図4及び
図5に示すように、製品である袋体p1は、開口部8と収容部7を有するプラスチック樹脂製の袋体であり、開口部8の端に沿って、チャック9が設けられている。チャック9は、嵌合構造を有し、開閉自在である。チャック9は、開口部8と平行に延びる帯状の雌基部と雌部とを有する雌部材と、開口部8と平行に延びる帯状の雄基部と雄部とを有する雄部材とを有し、雌部に雄部が咬合することによって閉となるチャック構造を有することが好ましい。雄基部及び雌基部は、袋体の基材の内壁面に接着されている形態がある。また、チャック9は、雄部及び雌部が袋体の基材と一体に成形されていて、雌部に雄部が咬合することによって閉となるチャック構造の形態であってもよい。本実施形態では、チャック9は、これらの構造に限定されず、例えば、雌部同士が咬合する構造を有していてもよい。製品である袋体p2,p3,p4,・・・,pnは袋体p1と同じ構造を有する袋体である。製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、平坦な構造を有するため、
図3に示すように、一部が重なるように一列に積み重ねられた複数個の袋体13の状態とすることが可能である。ここで、複数個の袋体13は、筒状外袋11において、筒の長さ方向Xに沿って連続でつながっている配列としてもよく、また、間欠で配列、すなわち途中で途切れた箇所を有する配列としてもよい。間欠の配列には、例えば、所定枚数の袋体を一部が重なるように一列に積み重ねたのち、隙間を設け、続けて同枚数の袋体を一部が重なるように一列に積み重ねたのち、再度隙間を設け、これを繰り返す配列が好ましい。袋体の枚数の確認が容易となる。本実施形態では、一部が重なるように一列に積み重ねられた複数個の袋体13は、製品入り外袋200の形態とすることで、一体化されるため、単に「複数個の袋体13」又は「袋体13」と表現することがある。
【0036】
本実施形態に係る製品入り外袋200では、フラットのシート状の外包装用樹脂フィルムとした基材15に製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体13を載せ、複数個の袋体13を基材15で包み込んで筒状外袋11とし、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化していることが好ましい。
【0037】
製品入り外袋200は、
図2に示すように、複数個の袋体13を筒状外袋11で包み込む。帯状の基材15の長さ方向に延びる側端部同士を重ねあわせ(
図2において、開口部、すなわち重ね合わせた側端部を符号16で示した。)、少なくとも1回以上折り込まれることで折り込み部94が形成される。折る回数を2回以上とすることで、折り込みによる仮留め強度を高めることができる。折り込み部94では、基材同士を接着又は熱溶着をすることはしない。本実施形態において、接着とは、例えば、糊やテープを含む接着剤による接合であり、熱溶着とは、ヒートシール、超音波、高周波、スポットシール、インパルスシーラーやレーザーによる接合である。ここで、複数個の袋体13を収容したときの筒状外袋11の幅は、複数個の袋体13の幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましい。筒状外袋11による複数個の袋体13の締め付けの程度は、複数個の袋体13の配列が崩れない程度の保持力を持つようにすることが好ましい。袋体13の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できると共に、筒内部に余分な空気が入り込まないので、嵩の増加を抑制することができる。筒状外袋11は、折り込み部94を形成することにより、袋体13を含んだ状態で、一体化する。製品入り外袋200では、袋体13に対して基材15の密着性がより高まる。
図2では折り込み部94が筒状外袋11の左の側端側に位置していることによって、開口部16は左の側端部に設けられることとなり、左側の縁が開口部16の端部16aとなる。
図2では折り込み部94は筒状外袋11の左の側端側に位置している形態を示したが、右の側端側に位置させてもよい。本実施形態に係る製品入り外袋200は、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)を筒状外袋11に入れるときに重力を利用して袋体をきれいに整列させることが出来る形態であり、袋体13が筒状外袋11に一体化された後は、製品入り外袋200内で、袋体13がより整然と整列している。
【0038】
折り込み部94は、少なくとも一つ有することが好ましい。帯状の樹脂フィルムを2枚準備し、重ね合わせることで、幅方向の両端に位置する側端部が2箇所現れる。そして、側端部それぞれを折り込むことによって折り込み部を2つ形成することで、筒状外袋11を形成してもよい。
【0039】
筒状外袋11は、横断面が平坦状態でロール巻きされている。横断面が平坦状態とは、筒形状の内壁面同士が向かい合って接触し合っている状態をいう。ロール巻きされるとは、ボビン巻き、芯巻き及び無芯巻きを包含する。
図6では、ロール巻きの一形態として、ボビン51に製品入り外袋200が巻かれている形態を示した。
図6及び
図7において、ボビンは回転軸95を中心として回転させられることで、巻取りが行われる。ボビン51の代わりに円筒状の芯に芯巻きする形態としてもよく(不図示)、また、ボビン51を用いずに、無芯巻きとしてもよい(不図示)。製品入り外袋200は、横断面が扁平状態でロール巻きする。ここで横断面が扁平状態とは、製品入り外袋200に収容された複数個の袋体13の平坦面と、筒形状の基材15の内壁面とが接触し合っていて、複数個の袋体13の断面形状を反映して断面が細長形状となっている状態を言う。
図7では製品入り外袋200の横断面が扁平状態、例えばほぼ矩形状態にされている形態が示されている。製品入り外袋200では、ロール巻きされると、折り込み部94が横に倒れて固定された状態となる。ロール巻きされる形態では、筒状外袋11は、横断面が平坦状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、平らな外壁面同士が接触し合うように巻かれることが好ましい。巻かれた筒状外袋11の嵩を小さくすることが出来る。
【0040】
製品入り外袋200において、複数個の袋体13を運搬若しくは保管またはそれら両方を行うときにバルクとして取り扱うことを可能とするのみならず、製袋機から順次製造される袋体の配列状態を固定化することが可能であるので製袋機と充填機とが異なる場所になったとしても実質的にインライン化の再現をすることを可能とする。
【0041】
筒状外袋11は、折り込み部94の折り込みを開放することにより、袋体13を順次取り出すことが可能となる。あるいは、基材15を、筒の長さ方向Xに沿ってカットすることによっても、袋体13を順次取り出すことが可能となる。筒状外袋11の開封方法には、折り込み部94を開放する方法、基材15のカットする方法の他に、例えば、筒状外袋11のフィルムに傷加工又はハーフカット加工などの脆弱部を設け、脆弱部から開封する方法としてもよい。
【0042】
製品入り外袋において、筒の長さ方向Xに沿って切れ目を形成するための開封補助手段を有することが好ましい。
図9に、開封補助手段96として、カットライン付フィルムの形態を説明するための断面概略図を示す。基材15に、開封予定線78となる位置に基材15とは別の第二樹脂領域を設け、第二樹脂領域に薄肉部を設け、第二樹脂領域内の両脇に、玉縁79(79a,79b)を設ける。開封補助手段96を間に挟んだ両側の箇所から基材15を引っ張ることで、開封予定線78が容易に裂けて、開封することができる。
図10に、開封補助手段96として、薄肉部の形態を説明するための断面概略図を示す。基材15に開封予定線78となる薄肉部を設ける。開封補助手段96を間に挟んだ両側の箇所から基材15を引っ張ることで、開封予定線78が容易に裂けて、開封することができる。
図11に、開封補助手段96として、ガイドテープ式開口の形態を説明するための断面概略図を示す。
図11中の(a)は、基材15に1.5~2.5mm幅で、等幅のガイドテープ97を貼り付けた形態(外袋の内壁面側に貼り付ける。)を示し、(b)は、基材15に、1~3mm幅で、等幅のガイドテープ97を貼り付け(外袋の内壁面側に貼り付ける。)、ガイドテープ97の両側の位置に基材15の盛り上り部を設けた形態を示した。ガイドテープ97の末端は、外袋の外側に出されていることが好ましい。ガイドテープ97を外袋の外壁面から遠ざかる方向に引っ張ることで、ガイドテープ97が基材15を破き、外袋を開封することができる。(b)の形態では、盛り上り部を設けたため、より確実且つスムーズに開封することができる。ガイドテープ97は、1本設けられる形態があるが、
図11に示すように2本設けてもよい。この場合、外袋の両サイドに最大幅で配置することが好ましく、開口幅を最大化することができ、袋体を取り出しやすい。さらに開封補助手段96として、基材15に、開封予定線78となる位置にミシン目を設けてもよい。
【0043】
製品入り外袋200において、基材15の内壁面にはエンボス加工領域部を有することが好ましい。エンボス加工領域部を有することによって、基材と袋体とのズレを抑制することができる。エンボス加工領域部の形態としては、内壁面の全面にエンボス加工がされている形態、内壁面に、筒の長さ方向Xに沿って、少なくとも2列の帯状にエンボス加工がされている形態がある。
【0044】
(製品入り外袋の巻き取り品の製造方法)
次に
図8を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋200であって、折り込み部94を有する筒状外袋を用いる製品入り外袋の巻き取り品の製造方法について説明する。本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体13を、外包装用の筒状外袋11で包み込んで、袋体13の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、基材15として等幅の帯状の樹脂フィルムを準備する工程Aと、基材15を広げた状態とする工程Bと、基材15の上に、基材15の長手方向に沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を複数積み重ねていく工程Cと、複数個の袋体13を載せた基材15を基材15の長手方向に移動させながらかつ該基材の長手方向に張力をかけながら、基材15で複数個の袋体13を包み込むとともに、基材35の側端部を重ね合わせ、次いで折り曲げて折り込み部94を形成することで、基材15を筒状に成形して製品入り外袋200を得る工程Dと、製品入り外袋200を横断面が扁平状態でロール巻きするE工程と、を有する。なお、基材15の長手方向は、基材15を基準として、筒の長さ方向Xと同方向である。
図8(a)には、工程A及び工程Bを経た水平に広げられた基材15に対して複数個の袋体13が積み重ねられる様子(工程C)を示した。
図8(b)には、複数個の袋体13を載せた基材15を基材15の長手方向に移動させながらかつ基材15の長手方向に張力をかけながら、基材15で複数個の袋体13を包み込むとともに、基材35の側端部を重ね合わせる様子(工程Dの前半部)を示した。なお、
図8(a)~(d)はいずれも基材15の幅方向の断面が見えるように図示しているため、基材15の長手方向は、紙面の手前-奥側の方向である。したがって、基材15の移動の様子及び基材に張力がかかっている様子は図示していない。
図8(c)には、基材15を折り曲げて折り込み部94(1回折り)を形成することで、基材15を筒状に成形して製品入り外袋200を得る様子(工程Dの後半部)を示した。
図8(d)には、基材15をさらにもう1回折り曲げて折り込み部94(2回折り)を形成する様子(工程Dの後半部の好ましい形態)を示した。
図8(e)には、製品入り外袋200を横断面が扁平状態でボビン52にロール巻きして、製品入り外袋の巻き取り品53を得る様子(E工程)を示した。
【0045】
(製造方法の変形例1)
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法において、次のように変形してもよい。すなわち、工程Aにおいて、基材を1つ準備し、工程Bにおいて、基材を、基材の長手方向の横断面がU字形状又はV字状となるように広げ、工程Cにおいて、袋体の左右いずれか一方の側端側を下方に向けた状態で、袋体をU字形状又はV字状の基材の内側に入れる。
図8(a)では、広げられた基材15として、水平に平坦に広げた形態を示したが、基材を断面がU字形状又はV次形状となるようにして、その中に袋体を側端が基材に当接するように縦置きされた状態で積み重ねた形態とする。
【0046】
(製造方法の変形例2)
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法において、次のように変形してもよい。すなわち、工程Aにおいて、基材を2つ準備し、工程Bにおいて、基材の一方を水平に広げ、基材の他方を、基材の一方の上方で水平に広げ、工程Cにおいて、基材の一方の幅方向の両端が袋体の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、基材の一方をフラットのシート状とすると共に、袋体を基材の一方の上に載せ、工程Dにおいて、基材の他方を袋体に被せて、幅方向の両端において折り込み部を形成することによって、基材の一方と基材の他方とを一体化する。2つの基材を上下に配置し、その間に袋体を配置して閉じるという簡易な動作で、外袋の中に袋体を入れることが出来る。この実施形態では、折り込み部が2つ形成されることとなる。
【0047】
(袋体の供給方法)
本実施形態に係る袋体の供給方法について説明する。本実施形態に係る袋体の供給方法は、
図8に示した工程を逆に進むこと、ずなわち、(e)、(d)、(c)、(b)、(a)の順に行われる。本実施形態に係る袋体の供給方法は、本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品53の製品入り外袋200を引き出しながら折り込み部を開口するF工程と、開口された製品入り外袋の中の袋体13を順々に充填機に供給するG工程と、を有する。また、変形例として、本実施形態に係る袋体の供給方法は、本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品53の製品入り外袋200を引き出しながら折り込み部以外の箇所を開口するF工程と、開口された製品入り外袋の中の袋体13を順々に充填機に供給するG工程と、を有する。F工程において、折り込み部以外の箇所を開口する場合には、カッターを用いて開口することが好ましい。また、折り込み部以外の箇所に脆弱部を設けた場合には、脆弱部から開封してもよい。例えば、
図9、
図10及び
図11に示す開封補助手段96を設けた場合には、開封補助手段96を用いて開口してもよい。G工程において、基材15に載せられた袋体13の先頭の袋体を袋検知具で検知し、吸着具によって取り出し、位置決め装置の一端側に載せられる。位置決め装置の一端側に載せられた袋体は、吸着具で位置決め装置の他端側に移動させられる。袋体の位置に袋体が存在するかどうかは袋検知具によって検知する。そして、袋体は、充填機(不図示)に供給される。
【0048】
F工程及びG工程において、製品入り外袋200の巻き取り品53が、実質的に製袋機を再現することが出来ていて、袋体13を充填機に高速で供給することが可能となる。すなわち、充填機において、実質的に製袋機のインライン化を再現出来ているといえる。そして、袋体の結束作業が不要となり、また、それに伴う検品工程も不要であることがわかる。
【0049】
本実施形態は、複数の形態があり、本発明の効果を奏する範囲において、各実施形態の一部を適宜入れ替えして、変形することが可能である。
【0050】
本実施形態においては、筒状外袋を用いて、複数個の袋体を包むことによって製品入り外袋とした形態を説明したが、製品として
図4及び
図5に示した袋体に限定されず、例えば、カード形状の製品にも適用することができ、また、カード形状を有していない製品を等間隔で一列に配列させて、その状態を保持するように嵌合具付き筒状外袋又は筒状外袋で包むことも可能である。
【符号の説明】
【0051】
200 製品入り外袋
p1,p2,p3,p4,・・・,pn 袋体
13 複数個の袋体(袋体)
15 基材
16 外袋の開口部
16a 外袋の開口部の縁
7 収容部
8 袋体の開口部
9 チャック
20 領域
11 筒状外袋(嵌合具なし)
15a,15b 基材の幅方向の両端の縁
53 製品入り外袋の巻き取り品
52 ボビン
78 開封予定線(薄肉部)
79(79a,79b) 玉縁
94 折り込み部
95 ボビンの回転軸
96 開封補助手段
97 ガイドテープ
X 筒の長さ方向