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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
A63F7/02 332B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018205244
(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2020069096
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】成田 晋治
【審査官】佐藤 高之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-102567(JP,A)
【文献】特開2015-186743(JP,A)
【文献】特開2006-122312(JP,A)
【文献】特開2005-065867(JP,A)
【文献】特開2006-204804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞した場合に単位遊技を行い、当該単位遊技の結果に応じて大当りと、当該大当りよりも少量の遊技価値を獲得可能な小当りとを発生可能である一方、当該大当りを発生させるための条件である大当り条件が通常状態よりも遊技者にとって有利となる特別状態を発生可能であり、当該特別状態として前記小当りを発生させるための小当り条件が通常状態よりも有利な第1小当り特別状態と、当該第1小当り特別状態よりも小当り条件が遊技者にとって更に有利な第2小当り特別状態と、を発生可能である遊技機の遊技情報を管理対象とする遊技場用システムであって、
前記遊技機側から出力される遊技信号により前記第1小当り特別状態である期間を示す第1小当り期間と、前記第2小当り特別状態である期間を示す第2小当り期間と、前記特別状態である期間であって前記第1小当り期間でも前記第2小当り期間でもない期間を示す通常特別期間とを特定し、前記通常特別期間に対応する通常特別情報と、前記第1小当り期間に対応する第1小当り情報と、前記第2小当り期間に対応する第2小当り情報とを区分可能に管理する管理手段と、
前記特別状態が所定の基準値分の始動入賞を得るまで継続した場合におけるシミュレート情報を演算対象としたシミュレート処理を行うシミュレート手段と、を備え、
前記管理手段は、前記遊技機側から出力される遊技信号により特定可能な遊技に使用された遊技価値を示すアウト、遊技に応じて付与された遊技価値を示すセーフ、及び単位遊技が行われた回数を示す単位遊技数により、前記アウトと前記セーフとの関係性を示す付与情報、及び前記アウトと前記単位遊技数との関係性を示す単位遊技情報を対象として前記第1小当り情報、及び前記第2小当り情報を管理し、
前記シミュレート情報は、前記第1小当り情報、及び前記第2小当り情報として管理される前記付与情報と前記単位遊技情報とにより特定可能な遊技情報であって、前記第1小当り期間、及び前記第2小当り期間にそれぞれ対応して特定される遊技情報であることを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記遊技機は、出率に関わる調整情報を変更可能な遊技機であり、
前記シミュレート手段は、前記調整情報に対応して設定された基準値にて前記シミュレート処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
記管理手段は、前記付与情報、及び前記単位遊技情報の内、少なくとも一方を対象として、前記通常特別情報、前記第1小当り情報、及び前記第2小当り情報を管理することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記管理手段は、前記第1小当り期間、または前記第2小当り期間である総小当り期間に対応する遊技情報を管理することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場用システムではパチンコ遊技機のような遊技機の状態確認を行うため、出率のような遊技情報を遊技状態に対応付けて管理しており、例えば特許文献1では「ベース」として通常状態、及び甘モード(所謂時短状態、以下、時短)等により区分けして出率を管理し、遊技機の状態確認のための指標として提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-168657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、近年、従来とは異なり、遊技状態として所謂小当りを頻出させて遊技者に出玉のような遊技価値を獲得させる小当りRUSH状態(小当り特別状態、以下、RUSH)を発生可能な遊技機が登場しつつある。
【0005】
また、このRUSHは出率の違いにより通常のRUSHとスーパーRUSH(以下、SRUSH)とに区分して発生させることが想定され、例えば通常のRUSHからSRUSHに移行といったように連続期間に順次発生させることも想定され得る。
しかしながら、RUSHをRUSHではない遊技状態と区別せずに管理すると、RUSHの発生状況に応じて甘モード中の出率のような遊技情報に影響が生じ、遊技機の遊技情報を管理することが今一歩難しくなる虞がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、小当り特別状態が発生する遊技機を管理対象とした場合であっても適切に遊技情報を管理可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、特別状態として通常特別期間、第1小当り期間、第2小当り期間の3区分を採用して遊技情報を区分して管理するため、小当り特別状態が発生する遊技機を管理対象とした場合であっても適切に遊技情報を管理可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を概略的に示す図
図2】遊技機の正面図
図3】モード別スペック値を示す図
図4】遊技パターンを示す図
図5】状態別信号のON/OFFを示す図
図6】素データを示す図(その1)
図7】素データを示す図(その2)
図8】遊技情報の集計を示す図(その1)
図9】遊技情報の集計を示す図(その2)
図10】状態別の想定値の一覧を示す図
図11】モード別集計を示す図
図12】遊技履歴を示す図
図13】状態判定処理を示すフローチャート(その1)
図14】状態判定処理を示すフローチャート(その2)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び情報表示装置3が設置されている。遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、中継装置4及びLAN5を介して管理装置6(管理手段、シミュレート手段)と接続されている。遊技場にはPOSや残金精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残金精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0010】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8及びプリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力し、遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員毎の個人データ等を管理する。
【0011】
図2は遊技機1の正面を示している。遊技機1はCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面9に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上部受皿11及び下部受皿12を有する。上部受皿11には、貸出釦13、返却釦14及び残高表示部15が並設されている。盤面9には、普図表示部16、普図保留表示部17、特図表示部18、普図入賞口19、第1一般入賞口20、第2一般入賞口21、第1保留数表示部22、第2保留数表示部23、第1始動口24、第2始動口25及び大入賞口26を有する。
遊技機1(機種A)は以下のように動作する。
【0012】
(1)第1始動口24は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)、第2始動口25は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)であり、各始動口24,25への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部18にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0013】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0014】
(3)遊技機設定値(調整情報、以下、モード)が6段階で設けられており、このモードにより、図3のモード別スペック値に示す通り大当り抽選の当選確率(大当り確率、大当り条件)を通常遊技状態(以下、通常状態)と確変状態(特別状態、以下、確変)とを対象として調整可能。大当りがその後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば64%で全モード共通)が定められている。通常状態と確変の大当り確率もモードにより不変としても良く、通常状態と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率や小当り確率(小当り条件)等の少なくとも1つがモードにより調整可能であれば良い。
【0015】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口26を開放する。1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数または上限開放期間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口24に入賞した場合は2Rが10%、4Rが51%、8Rが39%であるが、第2始動口25の場合は4Rが10%、8Rが90%となり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口24よりも第2始動口25の方が高く設定される。
【0016】
(5)確変大当りが終了すると確変となり、確変中は大当り確率が1/74に向上すると共に、第2始動口25の入賞率、即ち、遊技価値の付与率(所謂出率)が高くなる時短になる。尚、遊技機1は確変を所定数(例えば100回)の図柄変動を行うか大当りが発生するまで継続する所謂ST機であり、大当りが発生しない場合は、その後は時短となり、所定の時短回数(例えば150回)の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続する。また、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合も上記同様に時短となり、いずれも時短回数分の図柄変動を行った場合は通常状態に戻る。
【0017】
(6)確変となる場合、振分抽選により大当り抽選同様の小当り抽選の当選確率(小当り確率)が向上する小当りRUSH状態となるかが振分けられる。この小当りRUSH状態はRUSH(第1小当り特別状態)とスーパー小当りRUSH(第2小当り特別状態、以下、SRUSH)とに区分され、RUSHが発生しない確変(通常特別期間、以下、単高と言う場合がある)や時短(単独時短)のような単甘も含め、以下のパターンに振分けられる(図4参照)。
【0018】
(a)図柄変動が30回転まではRUSH、それ以降はSRUSH
(b)30回転まではRUSH、それ以降は単高(単甘)
(c)5回転までは単高(単甘)、それ以降はSRUSH
(d)ST終了まで単高(単甘)
【0019】
(7)RUSHは確変同様に大当り発生等により終了するが、RUSH以外では1/300の小当り確率がRUSHでは3/8、SRUSHでは3/5となる。小当りが発生した場合は大入賞口26が開放するが大当りと比較して、上限入賞数が1個、上限開放期間が1秒等、開放条件が遊技者に不利となっているが、RUSHでは小当り確率が向上するため小当りが頻出し、RUSHではない高確率状態(単独確変(以下、単高と言う場合がある)や時短(単独時短))よりも出率が高まる。
【0020】
(8)第2始動口25は普図入賞口19への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒、時短では3秒となる。開放時間は通常状態では0.3秒、時短では5秒となる。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口25の入賞率が高くなる。
【0021】
(9)各始動口24,25や大入賞口26以外に第1一般入賞口20、第2一般入賞口21も設けられている。第1一般入賞口20は甘中や大当り中に盤面9の右側を狙って打つ、所謂右打ちを行った場合であっても入賞可能な位置に設けられており、第1一般入賞口20に入賞(一般入賞)した場合には10個の賞球はあるが、図柄変動等は行われない。
以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種BであればRUSHの発生条件が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
【0022】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口24,25への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
・アウト信号=消費玉を回収するアウトB0Xから出力される消費価値(アウト、遊技情報)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0023】
・セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ、遊技情報)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。また、玉を実際に払出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0024】
・スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する特図表示部18(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数、単位遊技数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定する。また、始動入賞時に出力されるS入賞信号をスタート信号の代わりに、或いは加えて入力し、スタートとS入賞とのいずれか一方のみを管理する等、兼用して管理対象としても良い。
【0025】
・状態信号=遊技機1から出力される大当り信号、特別状態信号(単独特定状態である期間を示す単独特定期間を特定可能な遊技信号)、高確信号、RUSH信号、及びSRUSH信号に区分され、各状態に対応した期間にてレベル出力される。
情報表示装置3は、中継装置4を介して遊技機1側から出力される遊技信号を入力することで各遊技状態の遊技情報を管理して表示する。
【0026】
図1に戻って、遊技装置2は所謂各台計数機能を有する貸出機であり、当該遊技装置2や遊技機1等の状態を示す状態表示灯27、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口28、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って残高や図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部29、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払出すための払出釦30、払出された玉が通過する払出ノズル31、カード(一般カードや会員カード)が挿入されるカード挿入口32及び遊技機1の下部受皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿33等を有する。
【0027】
遊技装置2は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13が押下されると(貸出操作、対価付与操作)、貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払出し(貸出処理、対価付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0028】
(2)計数玉を受付けた場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦30の押下に応じて払戻す払戻処理(持玉の再プレイ処理)を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。
【0029】
(3)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14を押下(発行操作を受付)すると残玉や持玉を特定可能な一般カードが発行される。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが、可能としても良い。
【0030】
(4)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14が押下されると(発行操作を受付けると)、遊技装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能な持玉券を発行する。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。持玉券を受付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。
【0031】
(5)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、貸出処理上の通信については中継装置4を介さず、遊技機1と遊技装置2とで直接通信を行っても良い。
【0032】
さて、遊技機1からは遊技状態を特定可能な複数種類の状態信号が出力されるが、状態信号がONとなる期間と各遊技状態とが1:1で対応していないため、遊技機1の遊技状態を直接特定することはできない。このため、管理装置6は、次のようにして遊技機1から出力される状態信号に応じて遊技状態を特定(以下、状態特定)するようにしている。
【0033】
図5は各状態(遊技状態)においていずれの状態信号がONとなる(出力される)かを示している。例えば大当り(状態)であれば大当り信号と特別状態信号との論理和の出力状態であり、SRUSHであれば特別状態信号と高確信号とRUSH信号とSRUSH信号の論理和の出力状態であり、RUSHであれば特別状態信号と高確信号とRUSH信号との論理和の出力状態であり、状態信号がONとなる期間と各遊技状態とが1:1で対応していない。
【0034】
そこで、管理装置6は、状態特定する際において状態別の優先順位を設定している。即ち、図5に示すように優先順位1の大当りでは、大当り信号がONであれば他の状態信号がONでも大当りを特定し、優先順位2のSRUSHでは、大当りが特定できない場合にSRUSH信号がONであればSRUSHを特定し、優先順位3のRUSHでは、大当りとSRUSHが特定できない場合にRUSH信号がONであればRUSHを特定するというように優先順位の高い順に各状態を特定することで最終的に状態特定するようにしている。
【0035】
図5では各状態に応じて複数の状態信号が出力される例を示したが、各状態と1:1で対応する状態信号のようにどのような出力態様で出力される状態信号を対象としても良い。
【0036】
管理装置6は、上述のようにして状態を特定し、当該状態における素データを管理する。図6及び図7は、管理装置6が管理する素データを示しており、図6の各項目は次のように定義されている。
【0037】
尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均であり、以下、同様である。
・遊技機ID=遊技機の識別情報であり、所謂台番なので、以下台番と言う場合がある。
・モード=遊技機に設定された遊技機設定値(別途操作入力等により特定)
・アウト=アウト信号により特定される遊技機にて消費された遊技価値
・セーフ=セーフ信号により特定される遊技機への入賞に応じて付与された遊技価値
・全体、通常、T1=全体は全ての状態、通常は通常状態、T1は大当り状態が対象である。
【0038】
・甘中~SRUSH=甘中は、以下の高確と時短との双方が対象。高確は単高や以下のRUSHとSRUSHが対象、時短は時短状態が対象。RUSHは通常の小当りRUSHが対象、SRUSHはスーパー小当りRUSHが対象、総RUSHはRUSHまたはSRUSHのいずれかに突入した甘中が対象。
【0039】
図6では高確の遊技情報にRUSH期間(第1小当り期間)の遊技情報(第1小当り情報)やSRUSH期間(第2小当り期間)の遊技情報(第2小当り情報)(以下、両者を含めてRUSH分(総小当り期間)と言う場合がある)を含めて管理しているが、単独確変期間には対応しないがRUSH期間には対応するRUSH分と単高とを区分して管理しても良い。
【0040】
一方、図7の各項目は次のように定義されている。
・スタート=スタート信号により特定される遊技機における役物の作動回数。尚、S入賞信号により特定される始動入賞回数をスタートの代わりに、或いは加えてスタート同様に管理しても良い。
・大当り数=大当り信号により特定される大当り数
・突入数=各状態に突入した回数で、各状態に突入した際に計数される。
【0041】
尚、総RUSHはRUSHまたはSRUSHのいずれかに突入した甘回数を示すので、例えばRUSHとなってからSRUSHに移行した場合、甘中は継続しているので1回と計数する。
【0042】
・売上玉=売上信号により特定される対応する遊技装置2にて貨幣価値を対価として付与された遊技価値(貸出玉数、対価付与価値)
尚、本実施形態では説明の都合上、所謂貯玉に基づく再プレイシステムのない遊技場を前提としているが、再プレイシステムのある遊技場であれば、売上玉に再プレイ玉を含めて演算することが望ましい。
また、図1に示す払出ノズルの再プレイ用とは遊技者が当該営業日に獲得した獲得玉を払戻す再プレイを指し、この再プレイ玉は売上玉に含める必要はない。
【0043】
管理装置6は、図6及び図7の素データに基づいて図8及び図9の遊技情報を集計しており、図8の各項目は次のように定義されている。
・出率(付与情報)=状態別の出率で、各状態におけるセーフ÷アウトの演算値を示す遊技情報である。「通常」はベース、「甘中」はBAとも言う。以下の単甘と比較してRUSHやSRUSHの出率が高いことから、BAはそれらを混合したデータとなっていることが把握できる。
・単甘=甘中の内、RUSH分を除いた状態、即ち、RUSH分でない甘中が対象。
尚、図6,7同様に、更に高確と時短とを区分して出率や平均S等を管理しても良い。
【0044】
・平均S(単位遊技情報)=状態別のアウトに対する図柄変動数の頻度の割合(スタート÷アウト)を示す。
尚、以下では通常中の平均SをS、甘中の平均SをSAとも言う。単甘とRUSHやSRUSHとを比較した場合、平均Sに差が生じている。これは、RUSHは単甘と比較してリーチを少なくすることで遊技性を高めているため平均図柄変動時間が短くなる傾向に基づくもので、SRUSHは更に平均図柄変動時間が短くなる傾向に基づくものである。
【0045】
・平均スタート回数=状態別の対応状態となった場合の平均スタート回数(スタート÷突入数)を示す。
・T1Y=平均大当り中出玉数で、(T1セーフ-T1アウト)÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報。尚、平均大当り中アウトであるT1Oとして、T1アウト÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報を管理しても良い。
尚、合計大当り数=通常大当り数+甘中大当り数。また、以下も含め、説明の都合上、T1におけるセーフをT1セーフといったように状態+項目名にて遊技情報を表す。
【0046】
・T2Y=RUSH分等を対象とした平均出玉数であって、(対応状態のセーフ-対応状態のアウト)÷対応状態の突入数の演算値を示す遊技情報であり、例えばRUSHであれば、(RUSHセーフ-RUSHアウト)÷RUSH突入数となり、それぞれ対応するに突入した際の平均出玉を示す。この場合、単高の遊技情報が通常特別情報である。
ここで、単高については状態別のアウトやセーフを特定していないが、高確-(RUSH+SRUSH)にてそれぞれ特定可能である。
【0047】
RUSHは大当りが発生した際に終了し、RUSHにおける大当り確率の低い、即ち、モードが低い遊技機の方が平均スタート回数やT2Yが大きくなる傾向があるので、遊技者に提示すればモード推測の一助となる。また、また、平均出玉だけでなく、最高や最低のT2Yを管理しても良い。
【0048】
一方、図9の各項目は次のように定義されている。
・TS、初当り=TSは状態別の1回の大当りに対する平均スタートで、スタート÷大当り数の演算値を示す遊技情報である。初当りは通常と時短が対象。つまり、初当りが遊技機における通常の大当り確率、高確が確変の大当り確率がそれぞれ対象となる全ての状態に対応するため、遊技者に提示することでモード推測の一助になる。
TSは逆数として大当り確率を示す情報としても良い。また、以下では初当りTSをTS、高確TSをTSAとも言う。
【0049】
・大当り発生率=状態別の突入数に対する大当りの発生頻度の割合で、大当り数÷状態突入数の演算値を示す遊技情報。
・Bサ、客滞率=Bサは通常時の差玉数で、通常アウト-通常セーフの演算値を示す遊技情報。客滞率は売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉の演算値を示す遊技情報である。
【0050】
・粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益で、売上額-獲得玉×貸単価×原価率の演算値を示す遊技情報である。
尚、獲得玉(獲得価値)=売上玉+セーフ-アウト、売上額=売上玉×貸単価、貸単価=4円、原価率=75%にて演算
【0051】
・玉単価、玉粗利=玉単価はアウト1当りの売上額で、売上額÷アウトの演算値を示す遊技場である。玉粗利はアウト1当りの粗利で、粗利÷アウトの演算値を示す遊技情報である。
・営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合で、獲得玉÷売上玉の演算値を示す遊技情報である。
【0052】
さて、遊技者としては大当り中における差玉が最も気になる点であるが、甘中における差玉も気になる点である。本実施形態では、甘中に小当りが頻発するRUSHと、RUSH以上に小当りが頻発するSRUSHとが設けられていることから、RUSHやSRUSHでの差玉が特に気になる。
一方、平均Sや出率等の実績値やスペック値に基づいてシミュレートした想定値を遊技者に提供することは、遊技者が遊技機を選択する場合の手助けとなる。
【0053】
このような事情から、管理装置6は、図8に示すように、T2YをRUSHとSRUSHとを含む状態別に区別して実績値として管理し、さらに状態別に想定値を特定するようになっている。
【0054】
図10は状態別の想定値の一覧を示している。図中の「実績」は図8にて示したT2Yであり、出率が100%に達しない単高や時短である目減り値と、100%に達するRUSHやSRUSHである増加値とを、図8にて示した値を「実績」として、対応する想定値(シミュレート情報)を示した図である。
【0055】
状態別の出率が100%未満の場合はスタート回数が増加するにしたがって想定値は減少し、出率が100%を上回る場合はスタート回数が増加するにしたがって想定値は増加することから、想定値を特定するためのスタート回数の代表値として「平均スタート」「TSA」「数値」を設けており、それぞれ対応するスタート回数となった場合にT2Yがどのような値になるかをシミュレートした値を想定値として特定している。
【0056】
「平均スタート」は図8にて示した平均スタート回数の平均値を示しており、平均スタート分の遊技を行った場合に増減する玉数の理論値を示している。図10では図8における機種平均値を採用しているが、他に対応する台番の複数営業日に渡る平均値やモード別の平均値等を採用しても良い。
【0057】
「TSA」は各モード(調整情報)に対応した理論上のTSA(基準値)、即ち、確変中の大当り確率の逆数を示しており、大当りするまでに増減する玉数の理論値を示しているが、他に図9にて示した実際のTSA等を採用しても良い。
「数値」は予め任意に設定される基準値で、「数値」にて示されるスタート分の遊技を行った場合に増減する玉数の理論値を例示するものである。
【0058】
図10に示す例では、例えば単高やRUSH分については特定のモード(例えば「3」)における理論上のTSAを、時短や甘中については時短が終了する150を採用しているが、どのような値を代表値として設定しても良い。
【0059】
図10では単高やRUSHやSRUSH等の確変状態での「数値」として「60」を採用しているが、これは、図3に示すようにモード3における確変状態での大当り確率は1/60であることから、確変となった場合は理論的に60回転で大当りが発生して確変が終了することを想定したからである。従って、図10に示す例では、モード3の遊技機については「TSA」と「60」の想定値は一致している。
【0060】
また、時短での「数値」として「150」を採用しているが、これは、時短が終了した際に、遊技者がどれだけ玉が減少するのかを特に気にする傾向があるためである。
同様に、甘中での「数値」として「150」を採用しているが、これも、甘中が終了した際に、遊技者がどれだけ玉が増加するのかを気にするからである。
【0061】
想定値を特定する方法としては(各状態の出率-1)×対応するスタート回数(「平均スタート」「TSA」「数値」)÷各状態の平均Sの演算式による特定方法を例示できる。即ち、対応するスタート回数÷各状態の平均Sにより、対応するスタート回数を得るために必要なアウトである対応アウトを特定でき、対応アウト×各状態の出率にて対応するスタート回数を得た場合に想定されるセーフである対応セーフが特定できるので、対応セーフ-対応アウトを示す上記演算式にて想定値を特定可能となる。
【0062】
図11は1番台について設定したモードにより遊技情報を区分して集計したモード別集計の例示である。台数はモードが設定された延べ台数を示し、本実施形態では営業中にはモードが変更されない想定なので、モード1は48日、モード2は28日といったように営業日単位で遊技情報を振分けて、モード別に遊技情報を集計している。
【0063】
各データは図6図9図10にて説明した通りで、実際の遊技情報を示している。尚、状態別の遊技情報としてはTS(初当りTS)、TSA、T2Yの想定値を示したが、他のデータも図6図9と同様に状態別に区分して集計しても良い。尚、T2Yの想定値は各モードの理論上のTSAを対応するスタートした想定値である。
【0064】
上記集計は期間を指定して集計可能である。即ち、1営業日のみを対象とした集計も、1か月等、複数日の営業を対象とした集計も可能であり、更に、例えば金曜日のみ等の特定の条件を満たす営業日のみを対象とした集計も可能である。また、図8に示すベース等のモードに影響されない遊技情報は図11の様なモード別集計の対象とせず、モードに関わりなく上記のような期間を対象として集計すれば良いが、モード別に集計しても良い。
【0065】
図6図11に示した遊技情報は管理装置6を出力対象として出力すれば良いが、適宜必要に応じて情報表示装置3を出力対象としても良い。この場合、管理装置6を介して遊技情報を特定しても良いが、管理装置6を介さずに情報表示装置3や中継装置4にて状態特定等を行って遊技情報を特定しても良い。
【0066】
管理装置6は、所謂大当りの遊技履歴を管理しており、遊技状態に応じて高確やRUSHやSRUSH等を区分してレコードに対応付けている。
図12は遊技履歴を示しており、各項目は次のように定義されている。
・時刻=レコードに対応する時刻で、大当り発生時刻または甘中終了時刻または現在時刻。
【0067】
各レコードは大当りまたは甘中が終了した場合に作成されるため、大当りが発生すれば大当り発生時刻、発生しなければ甘中終了時刻が時刻となる。また、最終レコードは次のレコードの特定前なので現在時刻となるが、レコードに対応していればレコード作成時刻のようにどのような時刻を対象としても良い。また、NO.は大当りが発生したレコードに付している。
【0068】
・状態=通常、単高、RUSH、総RUSH、時短の内、対応する状態。
・アウト、Bサ、売上額、S、T1Y、T2Y=図6図9にて説明した通りだが、T2YはRUSH分のみ示している(Bサの反数(正負を逆にした値となる)。また、T1Yは大当りが発生しなかった場合に空欄となるので、T1Yに数値が示されるレコードにて大当りが発生し、状態を参照することでいずれの状態にて発生した大当りかを特定可能としている。また、総T2Yは甘中となってから甘中が終了するまでのT2Yの総計を示すが、10:57のBサ10のように同じ甘中に-となるT2Yがある場合も含めている。
【0069】
図6図9に示した遊技情報は管理装置6を出力対象として出力すれば良いが、適宜必要に応じた項目を情報表示装置3の出力対象とすることで遊技者に開示可能とする。この場合、管理装置6を介して遊技情報を特定しても良いが、管理装置6を介さずに情報表示装置3や中継装置4にて状態特定等を行って遊技情報を特定しても良い。
【0070】
図13及び図14は上述した図5の状態特定に関連した管理装置6による動作を示すフローチャートである。管理装置6は、遊技状態が通常においては、遊技状態が大当りか(S1:NO)、大当り信号を入力検知か(S2:NO)、遊技状態がSRUSHか(S14:NO)、SRUSH信号を入力検知か(S15:NO)、遊技状態がRUSHか(S18:NO)、RUSH信号を入力検知か(S19:NO)、遊技状態が単高か(S22:NO)、高確信号を入力検知か(S23:NO)、遊技状態が時短か(S26:NO)、特別状態信号を入力検知か(S27:NO)を判定する通常待機フローを実行している。
【0071】
通常待機フローの実行中に遊技機1が大当りとなると、図5に示すように大当り信号と特別状態信号とがONとなることから、大当り信号を入力検知するようになるので(S2:YES)、遊技状態を大当りと特定すると共に(S3)、大当り信号は入力終了していない(S4:NO)と判定してから、リターン後、遊技状態が大当りであり(S1:YES)、大当り信号は入力終了していない(S4:NO)と判定する大当り待機フローに移行する。
【0072】
また、遊技機1がSRUSHとなると、図5に示すように特別状態信号と高確信号とRUSH信号とSRUSH信号とがONとなり、SRUSH信号を入力検知するようになるので(S15:YES)、遊技状態をSRUSHと特定すると共に(S16)、SRUSH信号は入力終了していない(S21:NO)と判定してから、リターン後、遊技状態が大当りでなく(S1:NO)、大当り信号を入力検知ではなく(S2:NO)、遊技状態がSRUSHであり(S14:YES)、SRUSH信号は入力終了していない(S17:NO)と判定するSRUSH待機フローに移行する。
【0073】
また、遊技機1がRUSHとなると、図5に示すように特別状態信号と高確信号とRUSH信号とがONとなり、RUSH信号を入力検知するようになるので(S19:YES)、遊技状態をRUSHと特定すると共に(S20)、RUSH信号は入力終了していない(S21:NO)と判定してから、リターン後、遊技状態がSRUSHでなく(S14:NO)、SRUSH信号を入力検知でなく(S15:NO)、遊技状態が大当りでなく(S1:NO)、大当り信号を入力検知ではなく(S2:NO)、遊技状態がRUSHであり(S18:YES)、RUSH信号は入力終了していない(S21:NO)と判定するRUSH待機フローに移行する。
【0074】
また、遊技機1が単高となると、図5に示すように特別状態信号と高確信号とがONとなり、高確信号を入力検知するようになるので(S23:YES)、遊技状態を単高と特定すると共に(S24)、高確信号は入力終了していない(S25:NO)と判定してから、リターン後、遊技状態が大当りでなく(S1:NO)、大当り信号を入力検知でなく(S2:NO)、遊技状態がSRUSHでなく(S14:NO)、SRUSH信号を入力検知でなく(S15:NO)、遊技状態がRUSHでなく(18:NO)、RUSH信号を入力検知でなく(S19:NO)、遊技状態が単高であり(S22:YES)、高確信号は入力終了していない(S25:NO)と判定する単高待機フローに移行する。
【0075】
また、遊技機1が時短となると、図5に示すように特別状態信号がONとなり、特別状態信号が入力するようになるので(S27:YES)、遊技状態を時短と特定すると共に(S28)、特別状態信号は入力終了していないと判定してから(S29:NO)、リターン後、遊技状態が大当りでなく(S1:NO)、大当り信号を入力検知でなく(S2:NO)、遊技状態がSRUSHでなく(S14:NO)、SRUSH信号を入力検知でなく(S15:NO)、遊技状態がRUSHでなく(S18:NO)、RUSH信号を入力検知でなく(S19:NO)、遊技状態が単高でなく(S22:NO)、高確信号を入力検知でなく(S23:NO)、遊技状態が時短であり(S26:YES)、特別状態信号は入力終了していない(S29:NO)と判定する時短待機フローに移行する。
以上の動作により、通常状態から大当り、SRUSH、RUSH、単高、時短のいずれかとなった場合は、その優先順位で遊技状態を特定することができる。
【0076】
大当り待機フローの実行中に大当り信号が入力終了した後に(S4:YES)、SRUSH信号を入力検知したときは(S5:YES)、遊技状態をSRUSHと特定してから(S10)、リターン後、SRUSH待機フローに移行する。
【0077】
また、大当り信号の入力終了後に(S4:YES)、SRUSH信号を入力検知することなくRUSH信号を入力検知したときは(S6:YES)、遊技状態をRUSHと特定してから(S11)、リターン後、RUSH待機フローに移行する。
【0078】
また、大当り信号の入力終了後に(S4:YES)、SRUSH信号やRUSH信号を入力検知することなく高確信号を入力検知した場合は(S7:YES)、遊技状態を単高と特定してから(S12)、リターン後、単高待機フローに移行する。
【0079】
また、大当り信号の入力終了後に(S4:YES)、SRUSH信号やRUSH信号や高確信号を入力検知することなく特別状態信号を入力検知した場合は(S8:YES)、遊技状態を時短と特定してから(S13)、リターン後、時短待機フローに移行する。また、特別状態信号も入力検知しない場合は(S8:NO)、遊技状態を通常と特定してから(S9)、リターン後、通常待機フローに移行する。
以上の動作により、大当り終了後にSRUSH、RUSH、単高、時短、通常のいずれかとなった場合は、その優先順位で遊技状態を特定することができる。
【0080】
SRUSH待機フローの実行中に大当り信号を入力検知した場合は(S2:YES)、遊技状態を大当りと特定してから(S3)、大当り待機フローに移行する。
また、SRUSH信号の入力終了後に(S17:YES)、RUSH信号を入力検知した場合は(S6:YES)、遊技状態をRUSHと特定してから(S11)、リターン後、RUSH待機フローに移行する。
【0081】
また、SRUSH信号の入力終了後に(S17:YES)、RUSH信号を入力検知することなく高確信号を入力検知した場合は(S7:YES)、遊技状態を単高と特定してから(S12)、リターン後、単高待機フローに移行する。
【0082】
また、SRUSH信号の入力終了後に(S17:YES)、RUSH信号や高確信号を入力検知することなく特別状態信号を入力検知した場合は(S8:YES)、遊技状態を時短と特定してから(S13)、リターン後、時短待機フローに移行する。また、特別状態信号も入力検知しない場合は(S8:NO)、遊技状態を通常と特定してから(S9)、リターン後、通常待機フローに移行する。
【0083】
以上の動作により、遊技状態をSRUSHと特定後にSRUSHよりも優先順位が上位の大当りと判定した場合は、遊技状態をSRUSHから大当りに繰上げ、SRUSHの終了後にRUSH、単高、時短、通常のいずれかとなった場合は、その優先順位で遊技状態を特定することができる。
【0084】
RUSH待機フローの実行中に大当り信号を入力検知した場合は(S2:YES)、遊技状態を大当りと特定してから(S3)、大当り待機フローに移行する。
また、大当り信号を入力検知することなくSRUSH信号を入力検知した場合は(S15:YES)、遊技状態をSRUSHと特定してから(S16)、SRUSH待機フローに移行する。
【0085】
また、RUSH信号の入力終了後に(S21:YES)、高確信号を入力検知した場合は(S7:YES)、遊技状態を単高と特定してから(S12)、リターン後、単高待機フローに移行する。
【0086】
また、RUSH信号の入力終了後に(S21:YES)、高確信号を入力検知することなく特別状態信号を入力検知した場合は(S7:NO、S8:YES)、遊技状態を時短と特定してから(S13)、時短待機フローに移行する。また、特別状態信号も入力検知しない場合は(S8:NO)、遊技状態を通常と特定してから(S9)、リターン後、通常待機フローに移行する。
【0087】
以上の動作により、遊技状態をRUSHと特定後にRUSHよりも優先順位が上位の大当りやSRUSHと判定した場合は、遊技状態をRUSHから大当りやSRUSHに繰上げ、RUSHの終了後に単高、時短、通常のいずれかとなった場合は、その優先順位で遊技状態を特定することができる。
【0088】
単高待機フローの実行中に大当り信号を入力検知した場合は(S2:YES)、遊技状態を大当りと特定してから(S3)、大当り待機フローに移行する。
また、大当り信号を入力検知することなくSRUSH信号を入力検知した場合は(S15:YES)、遊技状態をSRUSHと特定してから(S16)、SRUSH待機フローに移行する。
【0089】
また、大当り信号やSRUSH信号を入力することなくRUSH信号を入力検知した場合は(S19:YES)、遊技状態をRUSHと特定してから(S20)、RUSH待機フローに移行する。
【0090】
また、高確信号の入力終了後に(S25:YES)、特別状態信号を入力検知した場合は(S8:YES)、遊技状態を時短と特定してから(S13)、リターン後、時短待機フローに移行する。また、特別状態信号を入力検知しない場合は(S8:NO)、遊技状態を通常と特定してから(S9)、リターン後、通常待機フローに移行する。
【0091】
以上の動作により、遊技状態を単高と特定後に単高よりも優先順位が上位の大当りやSRUSHやRUSHと判定した場合は、遊技状態を単高から大当りやSRUSHやRUSHに繰上げし、単高の終了後に時短、通常のいずれかとなった場合は、その優先順位で遊技状態を特定することができる。
【0092】
時短待機フローの実行中に大当り信号を入力検知した場合は(S2:YES)、遊技状態を大当りと特定してから(S3)、大当り待機フローに移行する。
また、大当り信号を入力することなくSRUSH信号を入力検知した場合は(S15:YES)、遊技状態をSRUSHと特定してから(S16)、SRUSH待機フローに移行する。
【0093】
また、大当り信号やSRUSH信号を入力することなくRUSH信号を入力検知した場合は(S19:YES)、遊技状態をRUSHと特定してから(S20)、RUSH待機フローに移行し、高確信号を入力検知した場合は(S23:YES)、遊技状態を単高と特定してから(S24)、単高待機フローに移行する一方、特別状態信号が入力終了した場合は(S29:YES)、遊技状態を通常と特定してから(S9)、リターン後、通常待機フローに移行する。
【0094】
以上の動作により、遊技状態を時短と特定後に時短よりも優先順位が上位の大当りやSRUSHやRUSHや単高と判定した場合は、遊技状態を時短から大当りやSRUSHやRUSHや単高に繰上げし、時短の終了後は通常と特定することができる。
【0095】
このように現在の遊技状態よりも図5に示す優先順位が上位の遊技状態に移行した場合はその状態に移行した旨を特定する一方、下位の遊技状態については発生状態を特定せず、現在の遊技状態が終了した場合にいずれの遊技状態に移行したかを優先順位に従って特定することで、図5のように各状態において複数の状態信号が出力される場合であっても各状態を区分可能としている。
【0096】
本実施形態で説明した遊技機では通常状態にて単高や時短等が発生することを例示しなかったが、図13に示すフローチャートによればそのような遊技機にも対応可能となる。また、図13に示すフローチャートには示さなかったが各状態特定時には図7の突入数を計数する。
【0097】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置6は、特別状態として単高、RUSH、SRUSHの3区分を採用して遊技情報を区分して管理するため、小当りRUSH状態としてRUSHとSRUSHとが発生する遊技機を管理対象とした場合であっても適切に遊技情報を管理可能となる。
【0098】
出率、差玉、平均S等をRUSH、SRUSHにより区分して管理するため、小当りRUSH状態としてRUSHとSRUSHとが発生する遊技機を管理対象とした場合であっても適切に遊技情報を管理可能となる。
【0099】
基準値分の役物作動回数となった場合のT2Yのシミュレート値を、RUSH、SRUSHにて区別して特定した平均Sと出率とに基づき、RUSH、SRUSHにて区別して管理するため、RUSHとなった場合とSRUSHになった場合とでどの程度の出玉を遊技者が獲得できる調整となっているのかを把握可能となる。
【0100】
モード単位で異なる基準値を設定可能とし、モード単位でT2Yのシミュレート値を管理するため、モード単位でTSAkが異なるといったようにRUSHの発生期間の期待値が異なる場合であっても適切に対応可能となる。
【0101】
RUSHまたはSRUSHに突入した甘中である総RUSHにおける遊技情報を管理するため、RUSHやSRUSHが発生した甘中において、最初に発生した遊技状態とは異なる特別状態に移行した甘中の遊技情報を適切に管理可能となる。
【0102】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
甘中として、単高、時短、RUSH、SRUSHの4区分となる遊技機を例示したが、時短を除く単高、RUSH、SRUSHの3区分や単高を除く時短、RUSH、SRUSHの3区分に甘中を区分する遊技機を管理対象としても良く、この場合は時短、或いは単高とRUSHやSRUSHとを区分して管理すれば良い。
【0103】
RUSHやSRUSHが所謂回数切りのSTの場合に発生する遊技機を例示したが、図柄変動数に関わりなく大当り終了まで継続する単高においてRUSH等となる遊技機や、単高でない時短においてRUSH等となる遊技機を管理対象としても勿論良い。また、大当り終了後に移行する甘中を例示したが、大当りが発生することなく既定の図柄変動数となることで甘中に移行し、その甘中においてRUSH等を発生させる遊技機を管理対象としても良い。
【0104】
RUSHとSRUSHとを振分け抽選により振分、更に図柄変動数により状態移行する遊技機を例示したが、図柄変動数に関わらず状態移行しない遊技機や、振分抽選を行わず、例えば図柄変動数が基準値に達した状態で大当りが発生したらRUSH、基準値に達していなければSRUSHというような条件でRUSHを振分けたり、RUSHからそのままSRUSHに移行するといったような一度の甘中にRUSHとSRUSHとの一方のみが発生したりする遊技機を管理対象としても良い。
【0105】
小当りと大当りとで共通の大入賞口を開放することを例示したが、それぞれ対応する大入賞口を設けて開放する遊技機を管理対象としても良い。
通常や単高にて小当りを発生しない遊技機に対応しても良い。即ち、「小当り条件が通常状態よりも有利な」は、通常状態では小当りは発生しないが小当りが発生しないことで有利とする場合も含む概念である。
時短単独であっても玉持ちが良くなることから、時短単独は大当りを発生させる条件が有利である特別状態に含まれる概念である。
【0106】
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0107】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としても良い。
機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により機種を構成しても良い。
調整情報としてモードを例示したが、出率を調整するための情報であれば、例えば入賞口の入賞率を調整するために釘の角度等を調整し、その調整度合いを示す情報を調整情報としても良い。
【0108】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良いし、適宜採用しない項目を設けても良い。また、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0109】
範囲としては最小値と最大値との双方を設定しても良いし、各範囲の最小値のみを設定し、最大値については次の範囲の最小値を参照して特定する等、最小値と最大値との一方のみを設定しても良い。また、以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したのいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0110】
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式やクレジット式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機や、スロットマシン等にも採用できる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0111】
管理装置6が行う処理の一部を中継装置4、情報表示装置3、或いは遊技機装置等にて行っても良く、遊技情報の特定や管理等を行う手段はどの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【符号の説明】
【0112】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(管理手段、シミュレート手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14