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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】車両用ブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/22 20060101AFI20220804BHJP
   B60T 13/74 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
B60T17/22 Z
B60T13/74 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019510180
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2018013434
(87)【国際公開番号】W WO2018181806
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-06-03
(31)【優先権主張番号】P 2017071351
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】315019735
【氏名又は名称】日立Astemo上田株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛将
(72)【発明者】
【氏名】小比賀 俊博
(72)【発明者】
【氏名】古賀 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】豊田 博充
(72)【発明者】
【氏名】小寺 晴大
(72)【発明者】
【氏名】山崎 達也
(72)【発明者】
【氏名】増田 唯
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-149587(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0258548(US,A1)
【文献】特開2013-203275(JP,A)
【文献】特開2014-076797(JP,A)
【文献】特開2013-132166(JP,A)
【文献】特開2000-071960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 17/22
B60T 13/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩擦パッドをロータ側に押圧するための電動アクチュエータを少なくとも1つ備える複数の電動ブレーキと、前記電動アクチュエータを駆動する複数のドライバと、前記ドライバを制御する制御装置と、を備える車両用ブレーキシステムにおいて、
前記複数の電動ブレーキのうち、少なくとも1つの電動ブレーキは、2つの電動アクチュエータを備え、
前記複数のドライバは、前記2つの電動アクチュエータのそれぞれに対応した2つのドライバを含み、
前記制御装置は、
前記ドライバを制御する第1のドライバ制御部と、前記電動ブレーキの制動力を演算する第1の制動力演算部と、を含む第1のコントローラと、
前記ドライバを制御する第2のドライバ制御部と、前記電動ブレーキの制動力を演算する第2の制動力演算部と、を含む第2のコントローラと、を備え、
前記第1のコントローラは、前記2つの電動アクチュエータの一方に対応した前記ドライバを制御し、前記第2のコントローラは、前記2つの電動アクチュエータの他方に対応した前記ドライバを制御し、
前記第1のコントローラのみ、車両の挙動を制御する挙動制御部を更に含み、
前記挙動制御部は、車両の挙動を制御するための信号を前記第1のドライバ制御部と前記第2のドライバ制御部とに出力することを特徴とする、車両用ブレーキシステム。
【請求項2】
請求項において、
前記制御装置は、第1の制御装置と第2の制御装置とを含み、
前記第1の制御装置は、前記第1のコントローラを備え、
前記第2の制御装置は、前記第2のコントローラを備えることを特徴とする、車両用ブレーキシステム。
【請求項3】
請求項又はにおいて、
前記2つの電動アクチュエータの出力信号が前記第1のコントローラ及び前記第2のコントローラに入力されることを特徴とする、車両用ブレーキシステム。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1項において、
前記2つの電動アクチュエータを備える前記電動ブレーキは、前輪に備えられることを特徴とする、車両用ブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ブレーキを備えた信頼性の高い車両用ブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ブレーキシステムとしては、多数の制御装置と多数のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)を搭載した電動ブレーキシステムが提案されている(特許文献1)。このシステムでは、ブレーキシステムの制御装置やマイコンを多重化し、システムの冗長化を図っているが、ブレーキキャリパの電動モータやモータドライバに関しては冗長化されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-138882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電動ブレーキを備えた車両用ブレーキシステムであって、信頼性の高い車両用ブレーキシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
【0006】
本発明に係る車両用ブレーキシステムの一態様は、
摩擦パッドをロータ側に押圧するための電動アクチュエータを少なくとも1つ備える複数の電動ブレーキと、前記電動アクチュエータを駆動する複数のドライバと、前記ドライバを制御する制御装置と、を備える車両用ブレーキシステムにおいて、
前記複数の電動ブレーキのうち、少なくとも1つの電動ブレーキは、2つの電動アクチュエータを備え、
前記複数のドライバは、前記2つの電動アクチュエータのそれぞれに対応した2つのドライバを含み、
前記制御装置は、
前記ドライバを制御する第1のドライバ制御部と、前記電動ブレーキの制動力を演算する第1の制動力演算部と、を含む第1のコントローラと、
前記ドライバを制御する第2のドライバ制御部と、前記電動ブレーキの制動力を演算する第2の制動力演算部と、を含む第2のコントローラと、を備え、
前記第1のコントローラは、前記2つの電動アクチュエータの一方に対応した前記ドライバを制御し、前記第2のコントローラは、前記2つの電動アクチュエータの他方に対応した前記ドライバを制御し、
前記第1のコントローラのみ、車両の挙動を制御する挙動制御部を更に含み、
前記挙動制御部は、車両の挙動を制御するための信号を前記第1のドライバ制御部と前記第2のドライバ制御部とに出力することを特徴とする。
【0007】
上記車両用ブレーキシステムの一態様によれば、電動ブレーキが複数の電動アクチュエータを備え、複数の電動アクチュエータに対応した個別のドライバを備えることで、電動ブレーキの冗長化を実現できる。また、電動ブレーキにおいて個別の電動アクチュエータの制御ができるため、状況に応じて様々な制御を行うことができ、制御性の向上を図ることができる。
【0009】
上記車両用ブレーキシステムの一態様によれば、2つの電動アクチュエータの一方に対応したドライバを制御する第1のコントローラと、2つの電動アクチュエータの他方に対応したドライバを制御する第2のコントローラとを備えることで、当該システムの冗長性を向上することができる。また、第1のコントローラと第2のコントローラとで2つの電動アクチュエータを個別に制御することができ、制御性の向上を図ることができる。
【0010】
[3]
上記車両用ブレーキシステムの一態様において、
前記制御装置は、第1の制御装置と第2の制御装置とを含み、
前記第1の制御装置は、前記第1のコントローラを備え、
前記第2の制御装置は、前記第2のコントローラを備えることができる。
【0011】
上記車両用ブレーキシステムの一態様によれば、第1のコントローラを備える第1の制御装置と、第2のコントローラを備える第2の制御装置とを有することで、当該システムの冗長性を向上することができる。また、第1の制御装置と第2の制御装置とで2つの電動アクチュエータを個別に制御することができ、制御性の向上を図ることができる。
【0012】
上記車両用ブレーキシステムの一態様において、
前記2つの電動アクチュエータの出力信号が前記第1のコントローラ及び前記第2のコ
ントローラに入力されることができる。
【0013】
上記車両用ブレーキシステムの一態様によれば、簡素な構成で電動ブレーキの冗長化を実現できる。
【0014】
上記車両用ブレーキシステムの一態様において、
前記2つの電動アクチュエータを備える前記電動ブレーキは、前輪に備えられることができる。
【0015】
上記車両用ブレーキシステムの一態様によれば、前輪の電動ブレーキの冗長化を実現でき、信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態に係る車両用ブレーキシステムを示す全体構成図である。
図2図2は、本実施形態に係る車両用ブレーキシステムの第1マスタコントローラ及び第1~第3サブコントローラを示すブロック図である。
図3図3は、変形例1に係る車両用ブレーキシステムを示す全体構成図である。
図4図4は、変形例1に係る車両用ブレーキシステムの第1マスタコントローラ及び第1、第2サブコントローラを示すブロック図である。
図5図5は、変形例2に係る車両用ブレーキシステムを示す全体構成図である。
図6図6は、変形例2に係る車両用ブレーキシステムの第1マスタコントローラ及び第1、第2、第4、第5サブコントローラを示すブロック図である。
図7図7は、変形例3に係る車両用ブレーキシステムを示す全体構成図である。
図8図8は、変形例3に係る車両用ブレーキシステムの第1マスタコントローラ、第1、第4サブコントローラ及び第1、第2スレーブコントローラを示すブロック図である。
図9図9は、変形例4に係る車両用ブレーキシステムを示す全体構成図である。
図10図10は、変形例4に係る車両用ブレーキシステムの第2マスタコントローラ、第3マスタコントローラ及び第4マスタコントローラを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。この説明に用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0018】
本実施形態に係る車両用ブレーキシステムは、摩擦パッドをロータ側に押圧するための電動アクチュエータを少なくとも1つ備える電動ブレーキと、前記電動アクチュエータを駆動するドライバと、前記ドライバを制御する制御装置と、を備える車両用ブレーキシステムにおいて、前記電動ブレーキは、複数の電動アクチュエータを備え、前記複数の電動アクチュエータに対応した個別の前記ドライバを備えることを特徴とする。
【0019】
1.車両用ブレーキシステム
図1及び図2を用いて本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1について詳細に説明する。図1は本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1を示す全体構成図であり、図2は本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1の第1マスタコントローラ30及び第1~第3サブコントローラ40~42を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、車両用ブレーキシステム1は、図示しない摩擦パッドを図示しないロータ側に押圧するための電動アクチュエータであるモータ80~85を少なくとも1つ備える電動ブレーキ16a~16dと、モータ80~85を駆動するドライバ60~65と、相互に接続された複数のコントローラ(第1マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41、第3サブコントローラ42)を備える制御装置(10,11)と、を備える。図示しないロータは、4輪車である車両VBの各車輪Wa~Wdに設けられて車輪Wa~Wdと一体に回転する。なお、車両VBは4輪車に限られない。また、1つの電動ブレーキに対して複数のモータを備えていてもよいし、1つの車輪に複数の電動ブレーキを備えていてもよい。
【0021】
1-1.電動ブレーキ
前輪左側(FL)の車輪Waに設けられる電動ブレーキ16aは、ブレーキキャリパ5aと、ブレーキキャリパ5aに減速機4aを介して固定されたモータ80,81と、モータ80,81によって図示しない摩擦パッドに加えられる荷重を検出する荷重センサ6aと、を備える。モータ80は、自身のステータに対する回転軸の相対位置を検出する回転角センサ90を備える。モータ81は、モータ80と同軸であるため回転角センサは不要である(モータ80と回転角センサ90を共有している)。荷重センサ6aの検出信号は、第1サブコントローラ40に入力され、回転角センサ90の検出信号(複数の電動アクチュエータの出力信号)は、ドライバ60,61を介して第1サブコントローラ40及び第1マスタコントローラ30に入力される。
【0022】
前輪右側(FR)の車輪Wbに設けられる電動ブレーキ16bは、ブレーキキャリパ5bと、ブレーキキャリパ5bに減速機4bを介して固定されたモータ82,83と、モータ82,83によって図示しない摩擦パッドに加えられる荷重を検出する荷重センサ6bと、を備える。モータ82は、自身のステータに対する回転軸の相対位置を検出する回転角センサ92を備える。モータ83は、モータ82と同軸であるため回転角センサは不要である(モータ82と回転角センサ92を共有している)。荷重センサ6bの検出信号は、第2サブコントローラ41に入力され、回転角センサ92の検出信号(複数の電動アクチュエータの出力信号)は、ドライバ62,63を介して第2サブコントローラ41及び第1マスタコントローラ30に入力される。
【0023】
後輪左側(RL)の車輪Wcに設けられる電動ブレーキ16cは、ブレーキキャリパ5cと、ブレーキキャリパ5cに減速機4cを介して固定されたモータ84と、モータ84によって図示しない摩擦パッドに加えられる荷重を検出する荷重センサ6cと、を備える。モータ84は、自身のステータに対する回転軸の相対位置を検出する回転角センサ94を備える。荷重センサ6cの検出信号は、第3サブコントローラ42に入力され、回転角センサ94の検出信号は、ドライバ64を介して第3サブコントローラ42に入力される。
【0024】
後輪右側(RR)の車輪Wdに設けられる電動ブレーキ16dは、ブレーキキャリパ5dと、ブレーキキャリパ5dに減速機4dを介して固定されたモータ85と、モータ85によって図示しない摩擦パッドに加えられる荷重を検出する荷重センサ6dと、を備える。モータ85は、自身のステータに対する回転軸の相対位置を検出する回転角センサ95を備える。荷重センサ6dの検出信号は、第3サブコントローラ42に入力され、回転角センサ95の検出信号は、ドライバ65を介して第3サブコントローラ42に入力される。
【0025】
ブレーキキャリパ5a~5dは、略C字型に形成されて図示しないロータを跨いで反対側へ延びる爪部が一体的に設けられている。
【0026】
減速機4a~4dは、ブレーキキャリパ5a~5dに固定されて、モータ80~85の回転によって発生したトルクをブレーキキャリパ5a~5dに内蔵された図示しない直動機構に伝える。
【0027】
直動機構は、電動ブレーキにおいて公知の機構を採用することができる。直動機構は、モータ80~85の回転を減速機4a~4dを介して摩擦パッドの直線運動に変換する。直動機構は、摩擦パッドをロータに押し付けて車輪Wa~Wdの回転を抑制する。
【0028】
モータ80~85は、公知の電動モータを採用することができ、例えばブラシレスDCモータである。モータ80~85の駆動により、減速機4a~4d及び直動機構を介して摩擦パッドを移動させる。電動アクチュエータとしてモータを採用した例について説明するが、これに限らず、他の公知のアクチュエータを採用してもよい。
【0029】
1-2.入力装置
車両用ブレーキシステム1は、入力装置であるブレーキペダル2と、ブレーキペダル2に接続されたストロークシミュレータ3と、を含む。ブレーキペダル2は、運転者のブレーキペダル2の操作量を検出する第2ストロークセンサ21及び第3ストロークセンサ22を備える。ストロークシミュレータ3は、ブレーキペダル2の操作量を検出する第1ストロークセンサ20を備える。
【0030】
各ストロークセンサ20~22は、ブレーキペダル2の操作量の一種である踏込ストローク及び/または踏力に対応した電気的な検出信号を互いに独立して発生させる。第1ストロークセンサ20は後述する第1マスタコントローラ30へ検出信号を送信し、第2ストロークセンサ21は後述する第1サブコントローラ40へ検出信号を送信し、第3ストロークセンサ22は後述する第2サブコントローラ41及び第3サブコントローラ42へ検出信号を送信する。
【0031】
車両VBは、車両用ブレーキシステム1への入力装置として、車両用ブレーキシステム1以外のシステムに設けられた複数の制御装置(以下「他の制御装置1000」という)を備える。他の制御装置1000は、CAN(Controller Area Network)によって第1の制御装置10の第1マスタコントローラ30及び第2の制御装置11の第3サブコントローラ42に接続され、相互にブレーキ操作に関する情報を通信する。
【0032】
1-3.制御装置
制御装置は、第1の制御装置10と第2の制御装置11とを含む。第1の制御装置10は、第2の制御装置11とは独立して車両VBの所定位置に配置される。第1の制御装置10及び第2の制御装置11は、電子制御ユニット(ECU)である。第1の制御装置10及び第2の制御装置11のそれぞれは、合成樹脂製の筐体に収容される。したがって、第1の制御装置10と第2の制御装置11という2つの制御装置によって、冗長化されている。なお、制御装置を2つ用いた例について説明するが、車両VBにおける配置を考慮して1つとしてもよいし、さらに冗長性を高めるために3つ以上としてもよい。
【0033】
第1の制御装置10と第2の制御装置11との間はCANによって接続され、通信が行われる。CANの通信においては、一方向および双方向の情報の送信が行われる。なお、ECU間の通信はCANに限定されない。
【0034】
第1の制御装置10及び第2の制御装置11は、互いに独立した3つのバッテリ100,101,102と電気的に接続される。バッテリ100,101,102は、第1の制御装置10及び第2の制御装置11が備える電子部品に電力を供給する。車両用ブレーキシステム1のバッテリ100,101,102は、車両VBの所定の位置に配置される。
【0035】
第1の制御装置10は、第1マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41及びドライバ60~63を備え、第2の制御装置11は、第3サブコントローラ42及びドライバ64,65を備える。第1マスタコントローラ30及び第1~第3サブコントローラ40~42はそれぞれ、マイクロコンピュータである。第1の制御装置10が複数のコントローラを搭載することにより、第1の制御装置10における冗長化と信頼性が向上する。また、比較的高価なマスタコントローラを複数搭載しないので低コスト化を実現できる。第1マスタコントローラ30は、挙動制御部303(挙動制御部303については後述する)を設けるために高い性能が必要となり、第1~第3サブコントローラ40~42に比べて比較的高価なコントローラとなる。
【0036】
図1及び図2に示すように、第1マスタコントローラ30は、ドライバ61,63を制御するドライバ制御部301と、電動ブレーキ16a~16dの制動力を演算する制動力演算部302と、車両VBの挙動を制御する挙動制御部303と、を含む。
【0037】
第1サブコントローラ40は、ドライバ60を制御するドライバ制御部400と、電動ブレーキ16a~16dの制動力を演算する制動力演算部402と、を含む。第2サブコントローラ41は、ドライバ62を制御するドライバ制御部410と、電動ブレーキ16a~16dの制動力を演算する制動力演算部412と、を含む。第3サブコントローラ42は、ドライバ64,65を制御するドライバ制御部420と、電動ブレーキ16a~16dの制動力を演算する制動力演算部422と、を含む。第1~第3サブコントローラ40~42は、挙動制御部を備えない分、第1マスタコントローラ30より安価なマイクロコンピュータを採用できるため、低コスト化に貢献する。
【0038】
ドライバ60~65は、モータ80~85の駆動を制御する。具体的には、ドライバ60はモータ80の駆動を制御し、ドライバ61はモータ81の駆動を制御し、ドライバ62はモータ82の駆動を制御し、ドライバ63はモータ83の駆動を制御し、ドライバ64はモータ84の駆動を制御し、ドライバ65はモータ85の駆動を制御する。ドライバ60~65は、モータ80~85を例えば正弦波駆動方式によって制御する。また、ドライバ60~65は、正弦波駆動方式に限らず、例えば矩形波の電流で制御してもよい。
【0039】
ドライバ60~65は、ドライバ制御部301,400,410,420の指令に応じた電力をモータ80~85に供給する電源回路及びインバータを備える。
【0040】
制動力演算部302,402,412,422は、ブレーキペダル2の操作量に応じた各ストロークセンサ20~22の検出信号に基づいて制動力(要求値)を算出する。また、制動力演算部302,402,412,422は、他の制御装置1000からの信号に基づいて制動力(要求値)を算出することができる。
【0041】
ドライバ制御部301,400,410,420は、制動力演算部302,402,412,422が算出した制動力(要求値)と、荷重センサ6a~6dの検出信号と、回転角センサ90,92,94,95の検出信号とに基づいてドライバ60~65を制御する。ドライバ60~65は、ドライバ制御部301,400,410,420からの指令に従ってモータ80~85に駆動用の正弦波電流を供給する。モータ80~85に供給された電流は、電流センサ70~75によって検出される。
【0042】
挙動制御部303は、車両VBの挙動を制御するための信号をドライバ制御部301,400,410,420に出力する。通常のブレーキペダル2の操作に応じた単純な制動以外の挙動であり、例えば、車輪Wa~Wdのロックを防ぐ制御であるABS(Antilock Brake System)、車輪Wa~Wdの空転を抑制する制御であるTCS(Traction Control System)、車両VBの横滑りを抑制する制御である挙動安定化制御である。
【0043】
第1マスタコントローラ30及び第1~第3サブコントローラ40~42は、他のコントローラの制動力演算結果を比較して制動力を決定する判定部304,404,414,424を含む。第1マスタコントローラ30及び第1~第3サブコントローラ40~42が判定部304,404,414,424を有することにより、制動力演算結果に応じてコントローラ(30,40,41,42)を使い分けることにより、車両用ブレーキシステム1の冗長化を実現できる。
【0044】
判定部304,404,414,424は、他のコントローラの制動力演算結果を比較して制動力を決定する。他のコントローラとは、判定部304にとっては第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41及び第3サブコントローラ42であり、判定部404にとっては第1マスタコントローラ30、第2サブコントローラ41及び第3サブコントローラ42であり、判定部414にとっては第1マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第3サブコントローラ42であり、判定部424にとっては第1マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41である。例えば、判定部304,404,414,424は、第1マスタコントローラ30の制動力演算部302における演算結果と、第1サブコントローラ40の制動力演算部402における演算結果と、第2サブコントローラ41の制動力演算部412における演算結果と、第3サブコントローラ42の制動力演算部422における演算結果とを比較し、多数決によっていずれの演算結果を制動力として採用するかを判定する。例えば、制動力演算部402の演算結果だけが他の演算結果と異なれば、制動力演算部302、制動力演算部412及び制動力演算部422の演算結果に基づいて第1マスタコントローラ30がドライバ61及びドライバ63を制御する。すなわち、判定部304,404,414,424により、車両用ブレーキシステム1を冗長化させている。
【0045】
本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1では、車輪Wa(左側前輪)に設けられる電動ブレーキ16aが2つのモータ80,81を備え、車輪Wb(右側前輪)に設けられる電動ブレーキ16bが2つのモータ82,83を備え、2つのモータ80,81に個別に対応したドライバ60,61と、2つのモータ82,83に個別に対応したドライバ62,63とを備え、ドライバ61,63(2つのモータの一方に対応したドライバ)を制御する第1マスタコントローラ30(第1のコントローラ)と、ドライバ60,62(2つのモータの他方に対応したドライバ)を制御する第1、第2サブコントローラ40,41(第2のコントローラ)とを備える。これにより、前輪の電動ブレーキ(電動ブレーキに備わるモータと、当該モータを駆動するドライバと、当該ドライバを制御するコントローラのそれぞれ)の冗長化を実現することができ、信頼性を高めることができる。仮に、ドライバ60,61の一方が故障した場合でも他方によってモータ80,81の一方を駆動可能であり、ドライバ62,63の一方が故障した場合でも他方によってモータ82,83の一方を駆動可能であるため、前輪の電動ブレーキの冗長化と信頼性が向上する。また、第1マスタコントローラ30(第1のコントローラ)と第1サブコントローラ40(第2のコントローラ)とで電動ブレーキ16aの2つのモータ80,81を個別に制御することができ、第1マスタコントローラ30(第1のコントローラ)と第2サブコントローラ41(第2のコントローラ)とで電動ブレーキ16bの2つのモータ82,83を個別に制御することができ、制御性の向上を図ることができる。
【0046】
2.変形例1
図3及び図4を用いて変形例1に係る車両用ブレーキシステム1aについて説明する。図3は変形例1に係る車両用ブレーキシステム1aを示す全体構成図であり、図4は変形例1に係る車両用ブレーキシステム1aの第1マスタコントローラ30及び第1、第2サブコントローラ40,41を示すブロック図である。以下の説明において、図1及び図2の車両用ブレーキシステム1と同じ構成については図3及び図4でも同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0047】
図3及び図4に示すように、車両用ブレーキシステム1aにおいて、制御装置は、第1の制御装置10と第2の制御装置11とを含む。
【0048】
第1の制御装置10は、第1マスタコントローラ30と、電動ブレーキ16aのモータ81を駆動するドライバ61と、電動ブレーキ16bのモータ83を駆動するドライバ63と、電流センサ71,73と、を備える。
【0049】
第2の制御装置11は、第1サブコントローラ40と、第2サブコントローラ41と、電動ブレーキ16aのモータ80を駆動するドライバ60と、電動ブレーキ16bのモータ82を駆動するドライバ62と、電動ブレーキ16cのモータ84を駆動するドライバ64と、電動ブレーキ16dのモータ85を駆動するドライバ65と、電流センサ70,72,74,75と、を備える。
【0050】
第1マスタコントローラ30のドライバ制御部301は、ドライバ61,63を制御する。第1サブコントローラ40のドライバ制御部400は、ドライバ60,62,65を制御する。第2サブコントローラ41のドライバ制御部410は、ドライバ60,62,64を制御する。なお、荷重センサ6cの検出信号は、第2サブコントローラ41に入力され、回転角センサ94の検出信号は、ドライバ64を介して第2サブコントローラ41に入力される。荷重センサ6dの検出信号は、第1サブコントローラ40に入力され、回転角センサ95の検出信号は、ドライバ65を介して第1サブコントローラ40に入力される。
【0051】
変形例1に係る車両用ブレーキシステム1aによれば、第1マスタコントローラ30(第1のコントローラ)及びモータ81,83に対応したドライバ61,63(2つのモータの一方に対応したドライバ)を備える第1の制御装置10と、第1、第2サブコントローラ40,41(第2のコントローラ)及びモータ80,82に対応したドライバ60,62(2つのモータの他方に対応したドライバ)を備える第2の制御装置11とを有することで、車両用ブレーキシステム1aの冗長性を向上することができる。また、第1の制御装置10と第2の制御装置11とで電動ブレーキ16aの2つのモータ80,81及び電動ブレーキ16bの2つのモータ82,83をそれぞれ個別に制御することができ、制御性の向上を図ることができる。
【0052】
3.変形例2
図5及び図6を用いて変形例2に係る車両用ブレーキシステム1bについて説明する。図5は、変形例2に係る車両用ブレーキシステム1bを示す全体構成図であり、図6は変形例2に係る車両用ブレーキシステム1bの第1マスタコントローラ30及び第1、第2、第4、第5サブコントローラ40,41,43,44を示すブロック図である。以下の説明において、図1及び図2の車両用ブレーキシステム1と同じ構成については図5及び図6でも同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0053】
図5及び図6に示すように、車両用ブレーキシステム1bにおいて、制御装置は、第1の制御装置10と第2の制御装置11とを含む。
【0054】
第1の制御装置10は、第1マスタコントローラ30と、第1サブコントローラ40と、第2サブコントローラ41と、電動ブレーキ16aのモータ80,81を駆動するドライバ60,61と、電動ブレーキ16bのモータ82,83を駆動するドライバ62,63と、電流センサ70~73と、を備える。
【0055】
第2の制御装置11は、第4サブコントローラ43と、第5サブコントローラ44と、電動ブレーキ16cのモータ84を駆動するドライバ64と、電動ブレーキ16dのモータ85を駆動するドライバ65と、電流センサ74,75と、を備える。
【0056】
第1マスタコントローラ30のドライバ制御部301は、ドライバ61,63を制御する。第1サブコントローラ40のドライバ制御部400は、ドライバ60を制御する。第2サブコントローラ41のドライバ制御部410は、ドライバ62を制御する。
【0057】
第4、第5サブコントローラ43,44はマイクロコンピュータであって、第4サブコントローラ43は、第1サブコントローラ40と同様の構成であるドライバ制御部430、制動力演算部432及び判定部434を備え、第5サブコントローラ44は、第1サブコントローラ40と同様の構成であるドライバ制御部440、制動力演算部442及び判定部444を備える。ドライバ制御部430は、ドライバ64を制御し、ドライバ制御部440は、ドライバ65を制御する。なお、荷重センサ6cの検出信号は、第4サブコントローラ43に入力され、回転角センサ94の検出信号は、ドライバ64を介して第4サブコントローラ43に入力される。荷重センサ6dの検出信号は、第5サブコントローラ44に入力され、回転角センサ95の検出信号は、ドライバ65を介して第5サブコントローラ44に入力される。また、第2ストロークセンサ21の検出信号は、第1サブコントローラ40に加えて第5サブコントローラ44に入力され、第3ストロークセンサ22の検出信号は、第2サブコントローラ41に加えて第4サブコントローラ43に入力される。
【0058】
変形例2に係る車両用ブレーキシステム1bによっても、車両用ブレーキシステム1と同様に、前輪の電動ブレーキの冗長化を実現するとともに、制御性の向上を図ることができる。
【0059】
4.変形例3
図7及び図8を用いて変形例3に係る車両用ブレーキシステム1cについて説明する。図7は、変形例3に係る車両用ブレーキシステム1cを示す全体構成図であり、図8は変形例3に係る車両用ブレーキシステム1cの第1マスタコントローラ30、第1、第4サブコントローラ40,43及び第1、第2スレーブコントローラ50,51を示すブロック図である。以下の説明において、図1図2図5図6の車両用ブレーキシステム1、1bと同じ構成については図7及び図8でも同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0060】
図7及び図8に示すように、車両用ブレーキシステム1cにおいて、制御装置は、第1の制御装置10と第2の制御装置11とを含む。
【0061】
第1の制御装置10は、第1マスタコントローラ30と、第1サブコントローラ40と、第1スレーブコントローラ50と、電動ブレーキ16aのモータ80,81を駆動するドライバ60,61と、電動ブレーキ16bのモータ82,83を駆動するドライバ62,63と、電流センサ70~73と、を備える。すなわち、図5の車両用ブレーキシステム1bの第2サブコントローラ41の代わりに第1スレーブコントローラ50を備える。
【0062】
第2の制御装置11は、第4サブコントローラ43と、第2スレーブコントローラ51と、電動ブレーキ16cのモータ84を駆動するドライバ64と、電動ブレーキ16dのモータ85を駆動するドライバ65と、電流センサ74,75と、を備える。すなわち、図5の車両用ブレーキシステム1bの第5サブコントローラ44の代わりに第2スレーブコントローラ51を備える。
【0063】
第1、第2スレーブコントローラ50,51はマイクロコンピュータであって、第1マスタコントローラ30や第1、第4サブコントローラ40,43の制動力演算部の演算結果に基づいてドライバを制御するドライバ制御(500,510)を備える。第1、第2スレーブコントローラ50,51は、制動力演算部を有していないため、第1、第4サブコントローラ40,43に比べて安価なマイクロコンピュータを採用することができ、低コスト化に貢献する。第1スレーブコントローラ50のドライバ制御部500は、ドライバ62を制御し、第2スレーブコントローラ51のドライバ制御部510は、ドライバ65を制御する。なお、荷重センサ6bの検出信号は、第1スレーブコントローラ50に入力され、回転角センサ92の検出信号は、ドライバ62,63を介して第1スレーブコントローラ50及び第1マスタコントローラ30に入力される。荷重センサ6dの検出信号は、第2スレーブコントローラ51に入力され、回転角センサ95の検出信号は、ドライバ65を介して第2スレーブコントローラ51に入力される。
【0064】
変形例3に係る車両用ブレーキシステム1cによれば、低コストで前輪の電動ブレーキの冗長化を実現することができる。
【0065】
5.変形例4
図9及び図10を用いて変形例4に係る車両用ブレーキシステム1dについて説明する。図9は、変形例4に係る車両用ブレーキシステム1dを示す全体構成図であり、図10は変形例4に係る車両用ブレーキシステム1dの第2マスタコントローラ31、第3マスタコントローラ32及び第4マスタコントローラ33を示すブロック図である。以下の説明において、図1図2の車両用ブレーキシステム1と同じ構成については図9及び図10でも同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0066】
図9及び図10に示すように、車両用ブレーキシステム1dにおいて、制御装置は、第1の制御装置10と第2の制御装置11とを含む。
【0067】
第1の制御装置10は、第2マスタコントローラ31と、第3マスタコントローラ32と、電動ブレーキ16aのモータ80,81を駆動するドライバ60,61と、電動ブレーキ16bのモータ82,83を駆動するドライバ62,63と、電流センサ70~73と、を備える。
【0068】
第2の制御装置11は、第4マスタコントローラ33と、電動ブレーキ16cのモータ84を駆動するドライバ64と、電動ブレーキ16dのモータ85を駆動するドライバ65と、電流センサ74,75と、を備える。
【0069】
第2~第4マスタコントローラ31~33はマイクロコンピュータであって、第2マスタコントローラ31は、第1マスタコントローラ30と同様の構成であるドライバ制御部311、制動力演算部312、挙動制御部313及び判定部314を備え、第3マスタコントローラ32は、第1マスタコントローラ30と同様の構成であるドライバ制御部321、制動力演算部322、挙動制御部323及び判定部324を備え、第4マスタコントローラ33は、第1マスタコントローラ30と同様の構成であるドライバ制御部331、制動力演算部332、挙動制御部333及び判定部334を備える。ドライバ制御部311,321は、それぞれ、ドライバ60~63を制御することができ、ドライバ制御部331は、ドライバ60~65を制御することができる。なお、荷重センサ6a,6bの検出信号は、第2、第3マスタコントローラ31,32に入力され、回転角センサ90の検出信号は、ドライバ60,61を介して第2、第3マスタコントローラ31,32に入力され、回転角センサ92の検出信号は、ドライバ62,63を介して第2、第3マスタコントローラ31,32に入力される。荷重センサ6c,6dの検出信号は、第4マスタコントローラ33に入力され、回転角センサ94の検出信号は、ドライバ64を介して第4マスタコントローラ33に入力され、回転角センサ95の検出信号は、ドライバ65を介して第4マスタコントローラ33に入力される。また、第1ストロークセンサ20の検出信号は、第3マスタコントローラ32に入力され、第2ストロークセンサ21の検出信号は、第2マスタコントローラ31に入力され、第3ストロークセンサ22の検出信号は、第4マスタコントローラ33に入力される。
【0070】
変形例4に係る車両用ブレーキシステム1dによれば、第2~第4マスタコントローラ31~33のそれぞれが、電動ブレーキ16aの2つのモータ80,81に対応したドライバ60,61と、電動ブレーキ16bの2つのモータ82,83に対応したドライバ62,63とを制御できるため、前輪の電動ブレーキの冗長性を向上するとともに、制御性の向上を図ることができる。
【0071】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0072】
1,1a,1b,1c,1d…車両用ブレーキシステム、2…ブレーキペダル、3…ストロークシミュレータ、4a~4d…減速機、5a~5d…ブレーキキャリパ、6a~6d…荷重センサ、10…第1の制御装置、11…第2の制御装置、16a~16d…電動ブレーキ、20…第1ストロークセンサ、21…第2ストロークセンサ、22…第3ストロークセンサ、30…第1マスタコントローラ、301…ドライバ制御部、302…制動力演算部、303…挙動制御部、304…判定部、31…第2マスタコントローラ、311…ドライバ制御部、312…制動力演算部、313…挙動制御部、314…判定部、32…第3マスタコントローラ、321…ドライバ制御部、322…制動力演算部、323…挙動制御部、324…判定部、33…第4マスタコントローラ、331…ドライバ制御部、332…制動力演算部、333…挙動制御部、334…判定部、40…第1サブコントローラ、400…ドライバ制御部、402…制動力演算部、404…判定部、41…第2サブコントローラ、410…ドライバ制御部、412…制動力演算部、414…判定部、42…第3サブコントローラ、420…ドライバ制御部、422…制動力演算部、424…判定部、43…第4サブコントローラ、430…ドライバ制御部、432…制動力演算部、434…判定部、44…第5サブコントローラ、440…ドライバ制御部、442…制動力演算部、444…判定部、50…第1スレーブコントローラ、500…ドライバ制御部、51…第2スレーブコントローラ、510…ドライバ制御部、60~65…ドライバ、70~75…電流センサ、80~85…モータ、90,92,94,95…回転角センサ、100~102…バッテリ、1000…他の制御装置、VB…車両、Wa~Wd…車輪
図1
図2
図3
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図10