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特許7117308参照信号オフセットをシグナリングおよび判定するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】参照信号オフセットをシグナリングおよび判定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
H04L27/26 114
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019536188
(86)(22)【出願日】2017-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 SE2017050926
(87)【国際公開番号】W WO2018128564
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2019-09-13
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】62/443,042
(32)【優先日】2017-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】バルデメイレ, ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】フレンヌ, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】パルクヴァル, ステファン
【合議体】
【審判長】伊藤 隆夫
【審判官】赤穂 美香
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-017016(JP,A)
【文献】特表2013-504278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク(16)における動作のために設定された無線通信デバイス(12)における動作の方法(600)であって、
前記ネットワーク(16)内のネットワークノード(50)から受信した情報に基づいて、参照信号シーケンス(40)のシーケンスオフセットを判定すること(602)と、
前記シーケンスオフセットに基づいて、前記参照信号シーケンス(40)のどの部分が、前記参照信号シーケンス(40)のオーバレイ部分(44)と称される前記無線通信デバイス(12)のスケジュール済帯域幅(36)にオーバレイするかを判定すること(604)と、
前記参照信号シーケンス(40)の前記オーバレイ部分(44)に含まれる1つまたは複数のシーケンスエレメント(42)を送信することとを備え、
前記スケジュール済帯域幅(36)は、前記ネットワーク(16)に関連付けられた、より大きなシステム帯域幅(30)の一部であり、前記参照信号シーケンス(40)は、前記参照信号シーケンス(40)を構成するそれぞれのシーケンスエレメント(42)と、前記システム帯域幅(30)を構成するそれぞれの副搬送波(32)との間のマッピングにしたがって、前記システム帯域幅(30)にオーバレイする、方法(600)。
【請求項2】
無線通信ネットワーク(16)における動作のために設定された無線通信デバイス(12)であって、
前記ネットワーク(16)内の1つまたは複数のノードと無線通信するように設定された通信回路構成(72)と、
前記通信回路構成(72)と動作可能に関連付けられ、
前記ネットワーク(16)内のネットワークノード(50)から受信した情報に基づいて、参照信号シーケンス(40)のシーケンスオフセットを判定し、
前記シーケンスオフセットに基づいて、前記参照信号シーケンス(40)のどの部分が、前記参照信号シーケンス(40)のオーバレイ部分(44)と称される前記無線通信デバイス(12)のスケジュール済帯域幅(36)にオーバレイするのかを判定し、
前記参照信号シーケンス(40)の前記オーバレイ部分(44)に含まれる1つまたは複数のシーケンスエレメント(42)を送信するように設定された処理回路構成(74)とを備え、
前記スケジュール済帯域幅(36)は、前記ネットワーク(16)に関連付けられた、より大きなシステム帯域幅(30)の一部であり、前記参照信号シーケンス(40)は、前記参照信号シーケンス(40)を構成するそれぞれのシーケンスエレメント(42)と、前記システム帯域幅(30)を構成するそれぞれの副搬送波(32)との間のマッピングにしたがって、前記システム帯域幅(30)にオーバレイする、無線通信デバイス(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークに関し、特に通信ネットワークにおける参照信号オフセットの判定に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公布されているようなLong-Term Evolution(LTE)仕様に基づくネットワークは、2種類の参照信号である、セル固有参照信号すなわちCRSと、復調用参照信号すなわちDMRSとを使用し、これらはDM-RSとも示される。CRSは、含まれる全体的な「システム」帯域幅に及び、これらは「常時オン」である。対照的に、DMRSはこれらが関係するスケジュール済帯域幅だけに及び、データを送信するときだけ送信される。
【0003】
常に送信される参照信号の利点は、3GPPの用語ではUEまたはユーザ機器と称される無線通信デバイスが、これらの存在に頼ることができることである。CRSに関する欠点は、データが送信されない場合でもCRSが送信されることがあることから、高いネットワークエネルギ消費を含む。CRSはまた、不要であっても送信されるため、不要な干渉を引き起こす。
【0004】
例示的なシステム帯域幅と、システム帯域幅内でのCRSおよびDMRSの送信を示す図1を参照されたい。LTEコンテキストに適用可能な直交周波数分割多重(OFDM)の例では、システム帯域幅は、総体として、システム帯域幅に及ぶ複数の離間した狭帯域副搬送波を備える。各送信時間において費やされる各副搬送波は、リソースエレメントすなわちREと見なすことができ、図1は、CRSおよびDMRSが固有の時間に固有の副搬送波で送信される、OFDM時間-周波数グリッドの一部を示すものとして理解され得る。より具体的には、スケジュールされたリソース上でのデータ送信と連携したDMRSの送信とともに、システム帯域幅にわたるCRSの定期的な送信が見られる。
【0005】
LTEでは、所与の副搬送波で送信されるDRMSシーケンスエレメントは、システム帯域幅全体を構成する複数の副搬送波全体内の副搬送波の位置に依存する。たとえば、副搬送波が0からNまで付番されている場合、m番目の副搬送波に関連付けられたシーケンスエレメントは、mの値に依存する。このアプローチは、システム帯域幅に適合する「グローバル」な付番スキームとして理解され得、重要な点として、LTE UEは、システム帯域幅全体をサポートする。
【0006】
より詳細には、LTEでは、アンテナポートp∈{7,8,...,v+6}のいずれについても、ダウンリンクDL内の副搬送波m上のDMRSのために使用される参照信号シーケンスr(m)であるシステム帯域幅
リソースブロックは、
によって規定される。
【0007】
擬似ランダムシーケンスc(i)は、長さ31のGoldシーケンスによって規定される。
【0008】
長さMPNの出力シーケンスc(n)(ここで、n=0,1,...,MPN-1)は、
c(n)=(x(n+N)+x(n+N))mod2
(n+31)=(x(n+3)+x(n))mod2
(n+31)=(x(n+3)+x(n+2)+x(n+1)+x(n))mod2
によって既定され、ここで、N=1600であり、第1のmシーケンスは、x(0)=1,x(n)=0,n=1,2,...,30で初期化されるものとする。第2のmシーケンスの初期化は、
によって示され、この値は、シーケンスの用途に依存する。
【0009】
擬似ランダムシーケンス生成器は、LTEにおけるDMRSについて、各サブフレームの開始時に
を用いて初期化されるものとする。
【0010】
この量
、i=0,1、は

の値が上位層によって提供されない場合、または、DCIフォーマット1A、2B、または2Cが、PDSCH送信に関連付けられたDCIのために使用されている場合には、
によって、
-そうではなく、この値が、PDSCHをスケジュールするために使用されるダウンリンク制御情報において示される場合には、
によって与えられる。ここで、「DCI」はダウンリンク制御情報を示し、「PDSCH」は物理ダウンリンク共有チャネルを示す。
【0011】
NRのコンテキストにおけるDRMS信号の生成および使用に関してある種の複雑さが生じることがここで認識され、「NR」は、5Gネットワークとも称される次世代通信ネットワークの進行中の開発において論議されている新たな無線規格を示す。NRは、広いシステム帯域幅、たとえば1GHz以上の帯域幅を企図し、NRシステムで動作するすべての端末が、全体的なシステム帯域幅にわたって動作する能力を有する訳ではない。
【0012】
したがって、NRは、システム帯域幅の一部のみをサポートすることができる端末のためのサポートを提供する。たとえば、ネットワークは、端末の設定済帯域幅と称される、端末による使用のためのシステム帯域幅の一部を設定し、その後、端末のスケジュール済帯域幅と称される、設定済帯域幅内の帯域幅を、端末をスケジュールするために使用する。
【0013】
端末は、同期信号およびブロードキャストチャネルを検出し、後続するランダムアクセスを実行することによって、NR搬送波へのアクセスを実行することができる。ランダムアクセスの後、ネットワークは、初期アクセスのために使用された周波数に対して新たな周波数に端末を設定できる。このアプローチは、端末がシステム帯域幅を知ること、またはその設定済帯域幅が、システム帯域幅内のどこにあるのかを知ることを必要としない。
【発明の概要】
【0014】
本明細書で開示される方法および装置は、システム帯域幅内でスケジュール済帯域幅にマッピングされたDRMSシーケンスエレメントを、無線通信デバイスが判定することを同時に可能にしながら、システム帯域幅全体に対して付番された復調用参照信号DMRSシーケンスの使用を可能にする。有利なことに、無線通信デバイスは、システム帯域幅を知る必要はなく、あるいはこれらのスケジュール済帯域幅が、システム帯域幅内のどこにあるのかを知る必要さえない。
【0015】
無線通信デバイスにおける動作の例示的な方法は、無線通信ネットワークから受信された情報に基づいて、参照信号シーケンス、たとえばDMRSシーケンスのシーケンスオフセットを判定することを含む。この方法は、シーケンスオフセットに基づいて、参照信号シーケンスのどの部分が、参照信号シーケンスのオーバレイ部分44と称される無線通信デバイスのスケジュール済帯域幅にオーバレイするかを判定することをさらに含む。ここで、スケジュール済帯域幅は、ネットワークに関連付けられた、より大きなシステム帯域幅の一部であり、参照信号シーケンスは、参照信号シーケンスを構成するそれぞれのシーケンスエレメントと、システム帯域幅を構成するそれぞれの副搬送波との間で規定されたマッピングにしたがって、システム帯域幅にオーバレイする。
【0016】
対応する例では、無線通信デバイスは、無線通信ネットワークにおける動作のために設定され、ネットワーク内の1つまたは複数のノードと無線通信するように設定された通信回路構成と、通信回路構成と動作可能に関連付けられた処理回路構成とを備える。処理回路構成は、ネットワークから受信した情報に基づいて、参照信号シーケンスのシーケンスオフセットを判定し、シーケンスオフセットに基づいて、参照信号シーケンスのどの部分が無線通信デバイスのスケジュール済帯域幅にオーバレイするかを判定するように設定される。このような部分は、参照信号シーケンスのオーバレイ部分と称される。前述のように、スケジュール済帯域幅は、ネットワークに関連付けられた、より大きなシステム帯域幅の一部であり、参照信号シーケンスは、参照信号シーケンスを構成するそれぞれのシーケンスエレメントと、システム帯域幅を構成するそれぞれの副搬送波との間で規定されたマッピングにしたがって、システム帯域幅にオーバレイする。
【0017】
別の例示的な実施形態では、無線通信ネットワークにおける動作のために設定されたネットワークノードにおける動作の方法は、参照信号シーケンスのどの部分が、無線通信デバイスのスケジュール済帯域幅にオーバレイするのかを、無線通信デバイスが判定できる値を決定することを含む。スケジュール済帯域幅は、無線通信デバイスのために設定された設定済帯域幅内、および、より大きなシステム帯域幅内にあり、参照信号シーケンスは、参照信号シーケンスを構成するそれぞれのシーケンスエレメントと、システム帯域幅を構成するそれぞれの副搬送波との間で規定されたマッピングにしたがって、システム帯域幅にオーバレイする。この方法はさらに、ネットワークノードが無線通信デバイスに値をシグナリングし、これによって無線通信デバイスが参照信号シーケンスのオーバレイ部分を判定し、これに対応して参照信号シーケンスのどのシーケンスエレメントが、スケジュール済帯域幅内の副搬送波に関連付けられているのかを識別することを可能にする。
【0018】
対応する例では、ネットワークノードは、ネットワーク内で動作している無線通信デバイスと直接または間接的に通信するように設定された通信回路構成を備える。ネットワークノードは、通信回路構成と動作可能に関連付けられ、参照信号シーケンスのどの部分が、無線通信デバイスのスケジュール済帯域幅にオーバレイするかを無線通信デバイスが判定できる値を決定するように設定された処理回路構成をさらに含む。シーケンスのその部分は、オーバレイ部分と称され、スケジュール済帯域幅は、無線通信デバイスのために設定された設定済帯域幅内にある。一方、設定済帯域幅は、より大きなシステム帯域幅内にあり、参照信号シーケンスは、参照信号シーケンスを構成するそれぞれのシーケンスエレメントと、システム帯域幅を構成するそれぞれの副搬送波との間で規定されたマッピングにしたがって、システム帯域幅にオーバレイする。
【0019】
処理回路構成はさらに、値を無線通信デバイスにシグナリングするように設定される。このようなシグナリングは、無線通信デバイスが、参照信号シーケンスのオーバレイ部分を判定し、これに対応して参照信号シーケンスのどのシーケンスエレメントが、設定済帯域幅の副搬送波に関連付けられているかを識別することを可能にする。
【0020】
もちろん、本発明は上記の特徴および利点に限定されない。当業者は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を見れば、さらなる特徴および利点を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】例示的なCRSおよびDMRS送信の図である。
図2】無線通信ネットワークの一実施形態のブロック図である。
図3】参照信号シーケンスとシステム帯域幅との間で規定されたマッピングの一実施形態の図である。
図4】時間-周波数グリッドに対応するリソースエレメントを示す図である。
図5】無線通信デバイスおよびネットワークノードの例示的な実施形態を示すブロック図である。
図6】無線通信デバイスにおける処理の方法の一実施形態を示す論理フロー図である。
図7】ネットワークノードにおける処理の方法の一実施形態を示す論理フロー図である。
図8】オーバラップするスケジュール済帯域幅を有する犠牲デバイスおよびアグレッサデバイスの例示的な事例を示す図である。
図9】オーバラップするスケジュール済帯域幅を有する犠牲デバイスおよびアグレッサデバイスの例示的な事例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2は、無線通信ネットワーク16、「ネットワーク16」の一実施形態を示す。ネットワーク16は、無線通信デバイス12、「デバイス12」をインターネットまたは他のパケットデータネットワーク(PDN)などの1つまたは複数の外部ネットワーク14に通信可能に結合することなどによって、1つまたは複数の通信サービスをデバイス12に提供する。ネットワーク16は、無線アクセスネットワーク(RAN)18を含む。RAN18は、基地局、アクセスポイント、送信ポイントなどと称され得る1つまたは複数の無線ネットワークノード20を含む。コアネットワーク(CN)22は、たとえば、デバイス12のためのモビリティ管理およびパケットルーティングを提供し、パケットゲートウェイ、モビリティ管理エンティティ、認証サーバなどのような1つまたは複数のCNノード24を含む。ネットワーク16は、ネットワーク16内の様々な機能のための処理サービスを提供する1つまたは複数のクラウドベースまたは集中型処理ノードをさらに含むか、またはこれらに関連付けられ得る。
【0023】
ネットワーク16は、同じまたは異なるタイプの複数の他のノードを含むことができ、多数の無線ネットワークノード20を含むことができ、複数のRANを含むことができ、複数の無線アクセス技術(RAT)で動作することができるので、図は単純化されていると理解されたい。一例では、異なるタイプの無線ネットワークノード20が、2つ以上のRATを含み得るヘテロジニアスな無線アクセスネットワークを提供する。さらに、新たな無線(NR)5Gの実施のコンテキストでは、ネットワーク16は、たとえば、1つまたは複数の無線ネットワークノード20からの潜在的に大きな複数のビーム内の割当ビームを使用して、デバイス12にカバレッジを提供するビームフォーミングを使用することができる。
【0024】
またさらに、特に断りのない限り、「デバイス」、「無線通信デバイス」、「ユーザ機器」、および「UE」という用語は、本明細書では互換的に使用される。特に指定のない限り、デバイス12は、ネットワーク16によって使用される1つまたは複数の無線アクセス技術RATを介してネットワーク16に無線接続するように設定された本質的に任意の装置を備える。固定デバイスも考えられるが、デバイス12は移動式でもよく、非限定的な例としては、スマートフォンまたはフィーチャーフォンであり得るセルラ無線電話、ラップトップ、タブレット、無線モデムまたはアダプタ、マシンツーマシン(M2M)、またはマシン型通信(MTC)デバイス、モノのインターネット(IoT)デバイスなどを含む。
【0025】
図3は、デバイス12およびネットワーク16のコンテキストにおいて考えられる例示的な実施形態を示しており、システム帯域幅30はネットワーク16に関連付けられる。非限定的な例として、システム帯域幅は、NR送信ポイントまたはトランシーバとして動作している、RAN18内の無線ネットワークノード20によってサポートされるエアインターフェース帯域幅を表す。デバイス12は、複数の周波数副搬送波32を構成するシステム帯域幅30の一部をサポートする。副搬送波32は、低周波数から高周波数へ、高周波数から低周波数へ、または他の順序付きスキームにしたがって付番され得る。したがって、図3は、無線ネットワークノード20の動作帯域幅能力が、デバイス12の動作帯域幅能力と異なるシナリオを描いていると見なすことができる。
【0026】
デバイス12は、システム帯域幅30とともに含まれるがデバイス12の帯域幅制限に適合する、ネットワーク16によって設定された設定済帯域幅34に関連付けられる。ネットワーク16は、設定済帯域幅34とともに含まれるスケジュール済帯域幅36を使用して、データ送信または受信のためにデバイス12をスケジュールする。RAN18内の所与のノード20は、自身のシステム帯域幅30内で多くのデバイス12をサポートすることができ、システム帯域幅30全体内の様々な位置に、対応する設定済帯域幅34を発見することができる。
【0027】
非限定的な例として、ページの左側に見られるシステム帯域幅30を構成するものとして示されている副搬送波32の集合は、何らかのグローバルスキームにしたがって付番され得る。対応して、ページの右側に見られる参照信号シーケンス40は、システム帯域幅30にマッピングするか、またはシステム帯域幅30と整列する。参照信号シーケンス40内のそれぞれのシーケンスエレメント42と、システム帯域幅30内のそれぞれの副搬送波32との間の対応付けは、図中でこれらの間に示される水平方向の整列によって示唆される。
【0028】
しかしながら、描かれたマッピングは、限定ではなく例として示されており、ここでの一般的な考え方は、システム帯域幅30内の副搬送波32と、参照信号シーケンス40内のシーケンスエレメント42との間に規定された関連付けがあるというものであることが理解されよう。一例では、参照信号シーケンス40は、各シーケンスエレメント42が、対応する副搬送波32の数に依存するように生成されたDMRSシーケンスを備え、副搬送波32は「グローバル」なシステム帯域幅30内で付番される。たとえば、LTEについて本開示の背景技術で説明したDMRSシーケンス生成スキームを参照されたい。
【0029】
すると、このフレームワーク内では、所与のデバイス12のスケジュール済帯域幅36内に含まれる副搬送波32に対応するシーケンスエレメント42は、スケジュール済帯域幅36がシステム帯域幅30内のどこに位置するかに依存する。図示された例では、デバイス12の設定済帯域幅34は、システム帯域幅30の開始点に対してオフセットされた周波数に配置され、スケジュール済帯域幅36は、設定済帯域幅34の開始に対してさらにオフセットして配置される。ここで、スケジュール済帯域幅36のサイズおよび位置は、進行中のスケジューリング動作の一部として、設定済帯域幅34内で変わり得ることに留意されたい。システム帯域幅30のグローバル付番を参照すると、設定済帯域幅34は、システム帯域幅30における点Aで始まってシステム帯域幅30における点Cに行く一方、スケジュール済帯域幅36は点Bから点Cに行く。
【0030】
参照信号シーケンス40は、規定されたマッピングにしたがって、システム帯域幅30にマッピング、対応、整列、または「オーバレイ」するので、参照信号シーケンス40の特定の部分44は、デバイス12のスケジュール済帯域幅36にオーバレイする。ラベリングにしたがって、参照信号シーケンス40内の点Eから点Fに行くシーケンスエレメント42は、システム帯域幅30内の点Bから点Cに行く副搬送波32にオーバレイ(マッピング)する。より一般的には、点Dから点Fまでのシーケンスセグメントは、点Aから点Cまでの帯域幅セグメントにオーバレイする。
【0031】
図4は、システム帯域幅30の別の図を示し、今回は、時間-周波数グリッドのコンテキストで示され、ここで、送信時間と副搬送波32との間の交差点は「リソースエレメント」またはRE38を表す。対応する副搬送波32上のシーケンスエレメント42の送信または受信は、その副搬送波32上に規定されたリソースエレメント38上の送信または受信を意味することが理解されるであろう。
【0032】
上記のフレームワークを念頭に置いて、本明細書に開示される方法および装置は、デバイス12が、システム帯域幅30を知る必要なしに、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44を判定することを可能にする。少なくともいくつかの実施形態では、デバイス12は、そのスケジュール済帯域幅36が、システム帯域幅30内のどこに位置するかについての明確な知識なしに、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44を判定する。
【0033】
図5は、本明細書に開示されるそれぞれのデバイス側およびネットワーク側の動作を実行するように設定されたデバイス12およびネットワークノード50の例示的な実施形態を示している。ノード50は、RAN18内、CN22内、またはクラウドベースのノード26としてなど、様々なネットワーク場所において実施され得る。さらに、ノード50は、2つ以上のノードを備え得、すなわちその機能は分散され得る。少なくとも1つの実施形態では、ノード50は、図2に見られる無線ネットワークノード20と同じ場所に配置されるか、または無線ネットワークノード20の中に実施され、ネットワーク16内に多数のこのようなノード20が存在し得ることが理解されよう。
【0034】
実施される場合はいつでも、例示的な実施形態では、ノード50は、デバイス12と直接または間接的に通信するように設定された通信回路構成52を含む。たとえば、通信回路構成52は、ダウンリンク上で信号を1つまたは複数のデバイス12に送信し、このようなデバイス12からアップリンク上で信号を受信するように設定された無線周波数(RF)トランシーバ回路構成、すなわち送信回路および受信回路を含む。追加的または代替的に、通信回路構成52は、ネットワーク16内の1つまたは複数の他のノードと通信するための1つまたは複数のネットワークまたはコンピュータデータインターフェースを含む。少なくとも1つのこのような例では、ノード50は、デバイス12に無線で結合するためのエアインターフェースを提供する別のノードに向けてシグナリングを送信することによってデバイス12と間接的に通信する。
【0035】
ノード50は、通信回路構成52と動作可能に関連付けられ、記憶装置56を含むかまたはこれと関連付けられる処理回路構成54をさらに含む。処理回路構成54は、固定回路構成、またはプログラムされた回路構成、あるいは固定およびプログラムされた回路構成の組合せを備える。少なくとも1つの実施形態では、処理回路構成54は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他のデジタル処理回路構成を備える。少なくとも1つのこのような実施形態では、処理回路構成54は、記憶装置56に保持されている1つまたは複数のコンピュータプログラム58に記憶されているコンピュータプログラム命令の実行に基づいて、本明細書の教示にしたがって設定される。記憶装置56はさらに、処理回路構成54によって事前に準備されたおよび/または動的に取得された1つまたは複数の設定データ60の項目を保持することができる。
【0036】
1つまたは複数の実施形態では、記憶装置56は、揮発性の作業メモリとともに、不揮発性メモリ回路またはディスク記憶装置の組合せなどの1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読媒体を備える。不揮発性記憶装置の非限定的な例は、ソリッドステートディスク(SSD)記憶装置、FLASH、およびEEPROMを含み、揮発性作業メモリの非限定的な例は、DRAMまたはSRAM回路構成を含む。
【0037】
少なくとも1つの実施形態では、通信回路構成52は、ネットワーク16内で動作するデバイス12と直接または間接的に通信するように設定され、処理回路構成54は、通信回路構成52と動作可能に関連付けられ、いくつかの機能または動作を実行するように設定される。処理回路構成54は、参照信号シーケンス40のどの部分がデバイス12のスケジュール済帯域幅36にオーバレイするかをデバイス12が判定することができる値を決定するように設定される。
【0038】
前述のように、参照信号シーケンス40のその部分は、オーバレイ部分44と称され、スケジュール済帯域幅36は、デバイス12のために設定された設定済帯域幅34内にある。言い換えると、設定済帯域幅34は、システム帯域幅30内にある。規定されたマッピングは、シーケンス40とシステム帯域幅30との間の対応関係を判定する、すなわち、参照信号シーケンス40を構成するそれぞれのシーケンスエレメント42と、システム帯域幅30を構成するそれぞれの副搬送波32との間のマッピングを規定する。ここで、無線通信デバイス12のための設定済帯域幅34は、処理回路構成54によって設定され得る。同様に、スケジュール済帯域幅36は、その中で実施されるスケジューリング機能の一部として、処理回路構成54によって動的に選択され得る。
【0039】
処理回路構成54はさらに、その値をデバイス12にシグナリングし、これによってデバイス12が、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44を判定することを可能にし、これに対応して、参照信号シーケンス40のどのシーケンスエレメント42が、スケジュール済帯域幅36内の副搬送波32に関連付けられているのかを識別することを可能にするように設定される。たとえば、この値は、設定済帯域幅34を設定することに連携してデバイス12にシグナリングされ得る。
【0040】
一例では、処理回路構成54は、無線通信デバイスにおいてシーケンスエレメント生成機能をシードするためのシード値として、この値を決定する。シード値は、参照信号シーケンス40のどこで生成器が「開始する」のかを制御するので、処理回路構成54は、適用可能なシーケンスオフセットを暗黙的にデバイス12に提供することができる。すなわち、処理回路構成54は、デバイス12におけるシーケンスエレメント生成が、設定済帯域幅34における第1のシーケンスエレメント42で開始するように、その設定済帯域幅34の開始に対応するシード値をデバイス12に提供することができる。
【0041】
デバイス12は、設定済帯域幅34内の自身のスケジュール済帯域幅36の位置を知っているので、開始シーケンスエレメント42を知ることは、自身のスケジュール済帯域幅36内の副搬送波32に対応するシーケンスエレメント42を知っている、すなわち、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44を知っていることを意味する。有利なことに、このアプローチは、デバイス12がシステム帯域幅30を知る必要なく、またデバイスがシステム帯域幅30内の自身の設定済帯域幅34の位置を知る必要なく、機能する。このアプローチには、シグナリングオーバヘッドと帯域幅管理の複雑さにおける大幅な削減が伴う。
【0042】
別の例では、処理回路構成54は、デバイス12へシグナリングする値を、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44に対応するシーケンスオフセットを識別する、または、システム帯域幅30内に設定済帯域幅34の位置オフセットを識別する、オフセット値として決定するように設定される。後者の場合、シーケンスオフセットは、無線通信デバイス12において導出可能である。同様のアプローチで、処理回路構成54は、設定済帯域幅34を、システム帯域幅30内の参照位置に関係付けるオフセット値として値を決定するように設定される。
【0043】
同じまたは別の実施形態では、デバイス12からネットワーク16で受信されたアップリンク送信に関して、処理回路構成54は、アップリンク参照信号シーケンスからのどのシーケンスエレメントが、アップリンク送信に含まれるか、またはアップリンク送信と干渉するかを判定するように設定される。この判定は、システム帯域幅30内のスケジュール済帯域幅36の位置および規定されたマッピングに基づく。
【0044】
デバイス12は、ノード50ほど複雑ではない可能性があるが、同様にデジタル処理回路構成および関連付けられた通信回路構成を備え得る。図5の例から、デバイス12は、ネットワーク16からダウンリンク信号を受信し、アップリンク信号をネットワーク16に送信するように設定された通信回路構成72を含む。たとえば、通信回路構成72は、アップリンクで1つまたは複数の無線ネットワークノード20に送信し、ダウンリンクで1つまたは複数の無線ネットワークノード20から受信するように設定された無線周波数RFトランシーバ回路構成を含む。通信回路構成72はまた、他のデバイス12との直接のデバイスツーデバイス(D2D)通信をサポートすることができ、WLAN通信、Bluetooth通信、近距離通信(NFC)などを含み得る。
【0045】
デバイス12は、通信回路構成72と動作可能に関連付けられ、記憶装置76を含むかまたは記憶装置76と関連付けられた処理回路構成74をさらに含む。処理回路構成74は、固定回路構成、またはプログラムされた回路構成、あるいは固定およびプログラムされた回路構成の組合せを備える。少なくとも1つの実施形態では、処理回路構成74は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、DSP、FPGA、ASIC、または他のデジタル処理回路構成を備える。
【0046】
少なくとも1つのこのような実施形態では、処理回路構成74は、記憶装置76に保持されている1つまたは複数のコンピュータプログラム78に記憶されているコンピュータプログラム命令の実行に基づいて、本明細書の教示にしたがって設定される。記憶装置76はさらに、処理回路構成74によって事前に準備されおよび/または動的に取得された1つまたは複数の設定データ80の項目を保持することができる。設定データ80は、たとえば、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44を判定するために、ネットワーク16によってデバイス12にシグナリングされた値を含む。
【0047】
1つまたは複数の実施形態では、記憶装置76は、不揮発性メモリ回路またはディスク記憶装置と揮発性作業メモリとの組合せなど、1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読媒体を備える。不揮発性記憶装置の非限定的な例は、SSD記憶装置、FLASH、およびEEPROMを含み、揮発性作業メモリの非限定的な例は、DRAMまたはSRAM回路構成を含む。
【0048】
通信回路構成72は、ネットワーク16内の1つまたは複数のノード、たとえば1つまたは複数の無線ネットワークノード20と無線通信するように設定される。処理回路構成74は、通信回路構成72と動作可能に関連付けられており、たとえば、通信回路構成72に到来する受信信号を介してデータまたは制御情報を取得し、通信回路構成72から送信された信号を介してデータまたは制御情報を送信する。さらに、処理回路構成74は、ネットワーク16から受信した情報に基づいて、参照信号シーケンス40のシーケンスオフセットを判定し、そのシーケンスオフセットに基づいて、参照信号シーケンス40のどの部分がデバイス12のスケジュール済帯域幅36にオーバレイするかを判定するように設定される。
【0049】
参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44と称されるオーバレイ部分、および前述のようにスケジュール済帯域幅36は、ネットワーク16に関連付けられた、より大きなシステム帯域幅30の一部である。このコンテキストでは、参照信号シーケンス40は、参照信号シーケンス40を構成するそれぞれのシーケンスエレメント42と、システム帯域幅30を構成するそれぞれの副搬送波32との間で規定されたマッピングにしたがって、システム帯域幅30にオーバレイする。
【0050】
例示的な実施形態では、処理回路構成74は、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44に含まれる1つまたは複数のシーケンスエレメント42を送信する、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44に含まれる1つまたは複数のシーケンスエレメント42に基づいて復号する、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44に含まれる1つまたは複数のシーケンスエレメント42に基づいて干渉を除去する、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44に含まれる1つまたは複数のシーケンスエレメント42に基づいてチャネルを推定する、のうちの少なくとも1つを実行するように設定される。
【0051】
少なくともいくつかの実施形態では、ネットワーク16から受信した情報は、システム帯域幅30内の設定済帯域幅34の位置を直接または間接的に示す。対応して、処理回路構成74は、設定済帯域幅34の位置、および設定済帯域幅34内のスケジュール済帯域幅36の位置に基づいて、シーケンスオフセットを判定するように設定される。すなわち、システム帯域幅30内の設定済帯域幅34の位置は、参照信号シーケンス40内への第1のオフセットを規定し、設定済帯域幅34内のスケジュール済帯域幅36の位置は、参照信号シーケンス40内へのさらなるオフセットを規定する。
【0052】
シーケンスオフセットを判定するために処理回路構成74によって使用される情報として、シード値もネットワーク16によって提供され得る。ここで、処理回路構成74は、シード値を使用してシーケンスエレメント生成機能をシードすることによって暗黙的にシーケンスオフセットを判定するように設定され、シード値は、シーケンスオフセットの関数である。動作中、シード値によってシードされる、シーケンスエレメント生成機能が、デバイス12の設定済帯域幅34に対応するシーケンスエレメント42を生成する。スケジュール済帯域幅36は、設定済帯域幅34内にあり、処理回路構成74は、設定済帯域幅34内のスケジュール済帯域幅36の位置に基づいて、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44を判定するように設定される。
【0053】
別の例では、ネットワーク16から受信した情報は、デバイス12の設定済帯域幅34の位置を、システム帯域幅30内の参照位置、たとえば参照副搬送波に関係付けるオフセットを示す。対応して、処理回路構成74は、参照位置に対する設定済帯域幅34の位置に基づいて、さらに、設定済帯域幅34内のスケジュール済帯域幅36の位置に基づいて、シーケンスオフセットを判定するように設定される。
【0054】
どのシーケンスエレメント42が自身のスケジュール済帯域幅36において副搬送波32に対応するかを知ることは、デバイス12が、1つまたは複数の受信動作および/または送信動作を実行することを可能にする。たとえば、どのシーケンスエレメント42が自身のスケジュール済帯域幅36内の所与の副搬送波32にマッピングするかを知ることは、処理回路構成74が、ネットワーク16内の別のノードまたはデバイスからのそのシーケンスエレメント42の受信から、デバイス16において生じる干渉を推定することを可能にする。
【0055】
ここで、ネットワーク16内に規定された複数のシーケンスエレメント40、たとえば基本シーケンスおよび基本シーケンスの1つまたは複数の巡回シフトバージョンがあり得ることを理解されたい。このようなすべてのシーケンス40が、システム帯域幅30に関して規定された同じエレメント対副搬送波マッピングを有する場合、デバイス16は、どのシーケンスエレメント42を干渉として受信するかは正確に知らない可能性があるが、可能なシーケンスエレメント42のセットを知っている。これは、デバイス16が検討しなければならない干渉仮説の数を大幅に限定する。
【0056】
したがって、少なくともいくつかの実施形態では、処理回路構成74は、別のデバイスまたはノードによる参照信号送信から生じるデバイス12における干渉を、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44に含まれる1つまたは複数のシーケンスエレメント42の関数として推定するように設定される。参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44に含まれるシーケンスエレメント42は、干渉しているノードまたはデバイスによって使用される巡回シフトに依存し、処理回路構成74は、可能な巡回シフトの既知のセットにしたがって巡回シフトを仮定することによって干渉を推定するように設定される。
【0057】
図6および図7は、それぞれデバイス12およびネットワークノード50における処理の例示的な実施形態を示す。方法600は、デバイス12によって実行され、ネットワーク16から受信された情報に基づいて、参照信号シーケンス40のシーケンスオフセットを判定すること(ブロック602)と、シーケンスオフセットに基づいて、参照信号シーケンス40のどの部分が、デバイス12のスケジュール済帯域幅36にオーバレイするかを判定すること(ブロック604)とを含む。方法600は、ネットワーク16がデバイス12の設定済帯域幅34を判定する設定動作中などに、問題の情報を受信する先行するステップまたは動作をさらに含むことができる。
【0058】
方法700は、ネットワークノード50によって実行され、参照信号シーケンス40のどの部分がデバイス12のスケジュール済帯域幅36にオーバレイするかをデバイス12が判定することができる値を決定すること(ブロック702)と、この値をデバイス12へシグナリングすること(ブロック704)とを含む。前述のように、スケジュール済帯域幅36は、デバイス12の設定済帯域幅34内に含まれ、方法700はさらに、デバイス12のために設定済帯域幅34を設定するステップまたは動作を含み、デバイス12に値をシグナリングすることは、帯域幅設定操作と連携して生じ得る。このような情報をデバイス12にシグナリングすることは、参照信号シーケンス40のオーバレイ部分44を判定し、これに対応して、参照信号シーケンス40のどのシーケンスエレメント42がスケジュール済帯域幅36内の副搬送波32に関連付けられているのかを識別することを可能にする。
【0059】
少なくともいくつかの実施形態のさらなる例示的な詳細では、「値」または「情報」とも称され得るオフセットパラメータが、ネットワーク16からデバイス12にシグナリングされ、これによってデバイス12は、自身のスケジュール済帯域幅36または自身の設定済帯域幅34とオーバラップする参照信号シーケンス40のシーケンスエレメント42を判定することができる。参照信号シーケンス40は、たとえばDMRSシーケンスであり、そのシーケンスエレメントは、たとえばシステム帯域幅30に対してグローバルに付番される。デバイス12は、システム帯域幅30を知らないことがあり得る。
【0060】
参照信号シーケンス40およびその構成シーケンスエレメント42が、DMRSシーケンスおよびDMRSシーケンスエレメントと称される場合、1つの可能性は、シグナリングされたパラメータは、デバイス12が、設定済帯域幅34の最低周波数にマッピングされたDMRSシーケンスエレメントを判定することを可能にすることである。オフセットパラメータは、たとえば、DMRSシーケンスの開始を示す。オフセットパラメータは、もちろん、最高周波数、中間周波数などの他の位置にマッピングされたDMRSシーケンスエレメントを示すように設定することができる。
【0061】
図8は、犠牲デバイス12および2つのアグレッサデバイスを含む対応する例を示しており、たとえば、犠牲デバイス12は第1のUEであり、2つのアグレッサデバイスは他の近くのUEである。シグナリングされたパラメータに基づいて、デバイス12は、DMRSシーケンスエレメント3が、自身の設定済帯域幅34内の第1のDMRS位置にマッピングするシーケンスエレメントであると判定することができる。したがって、最も単純な場合には、ネットワーク16によってデバイス12にシグナリングされたパラメータは「3」を示すことができる。
【0062】
この例では3である、シグナリングされたパラメータは、典型的には、デバイスの設定済帯域幅34に関連するスケジューリング割当とともに、デバイス12が、そのスケジュール済帯域幅36によって表される周波数位置に対応するDMRSシーケンス位置を決定することを可能にする。すなわち、図8において、ネットワーク16から信号値「3」を受信することにより、デバイス12は、自身の設定済帯域幅34の最低周波数位置が「3」であることを知ることができ、これはDMRSシーケンス位置3、DRMS3に対応する。デバイス12は、設定済帯域幅34内のそのスケジュール済帯域幅36の位置を知っているので、デバイス12はその後、そのスケジュール済帯域幅に含まれる周波数位置が、DMRSシーケンス位置4、5、および6に対応するかマッピングすることを知る。
【0063】
自身のスケジュール済帯域幅36にマッピングするDMRSシーケンスエレメントの実際の値は、仮想セルIDのようなデバイス12に固有のパラメータおよび/またはセル全体に及ぶパラメータから導出され得る。原則として、シグナリングされたパラメータが、設定済帯域幅34の代わりに、スケジュール済帯域幅36の第1のまたは指定されたDMRSシーケンスエレメントを直接示すことも可能である。しかしながら、パラメータを設定済帯域幅34に関係付けることに関連する特定の利点があり得る。たとえば、パラメータは、設定済帯域幅34の変化とともにのみシグナリングされる必要があることになる。
【0064】
デバイス12がシステム帯域幅30のほんの一部しかサポートしていない場合、デバイス12が初期アクセスを行った後に、デバイス12は、ある帯域幅で設定される。少なくとも1つの実施形態では、デバイスのスケジュール済帯域幅36とのDMRSシーケンス整列を判定するために必要とされるパラメータは、設定からデバイス12において導出可能であり、明示的なシグナリングは必要とされない。
【0065】
関連実施形態では、システム帯域幅30内の参照副搬送波が規定される。たとえば、一次同期信号(PSS)は、ネットワーク16によって送信され、デバイス12によって受信され検出される。検出されたPSSの中心位置は、参照副搬送波として識別され得るか、またはより一般的には、システム帯域幅30内の任意の副搬送波32が、参照副搬送波として規定され得る。デバイス12に設定されている動作帯域幅は、参照副搬送波32に対する周波数距離を示すことによってシグナリングされる。距離は、副搬送波32、または対応するリソースブロックなどに関して示され得る。
【0066】
DMRSシーケンスr(m)は、参照副搬送波に対して副搬送波mごとに生成され、ここで、グローバル付番スキームを作成するために、mは正および負の両方であり得る。参照副搬送波から周波数距離を知ることは、これがデバイス12の動作帯域幅の外側にあるにも関わらず、デバイス12が、自身のスケジュールされたリソースブロックのためのDMRSシーケンスを判定することを可能にする。
【0067】
図8に見られるアグレッサデバイス1、2を考える。各アグレッサデバイスは、デバイス12のスケジュール済帯域幅36と少なくとも部分的にオーバラップするスケジュール済帯域幅を有する。グローバル付番スキームを用いると、デバイス12のスケジュール済帯域幅36と、アグレッサデバイス1、2との間で共通の任意の周波数位置は、同じDMRSシーケンス位置にマッピングされることになる。したがって、デバイス12が、どのDMRSシーケンスがアグレッサデバイスで使用され得るかを知っている場合、アグレッサデバイスから、どのDMRSシーケンスエレメントが、自身のスケジュール済帯域幅36に含まれる副搬送波32でデバイス12において受信され得るかが正確に分かる。
【0068】
たとえば、基本DMRSシーケンスおよび規定された巡回シフトのセットを使用すること等によって規定された、限られた数のDMRSシーケンスが存在し得る。各巡回シフトは、異なるDMRSシーケンスを生成すると考えられ得る。しかしながら、このような各DMRSシーケンス内のシーケンスエレメントはすべてグローバルマッピングに準拠し、すなわち、各DMRSシーケンス内のシーケンス位置は、同じグローバル付番およびマッピングにより、システム帯域幅30の周波数位置にマッピングする。したがって、第1のDMRSシーケンスのシーケンス位置「x」のシーケンスエレメントの実際の値は、第2のDMRSシーケンスのシーケンス位置「x」のシーケンスエレメントの値とは異なることになる。しかしながら、両方のシーケンスからのシーケンス位置「x」は、グローバルシステム帯域幅内の同じ周波数位置にマッピングする。したがって、単純化された例として、送信機によって使用され得る5つのDRMSシーケンスが存在すると仮定すると、シーケンス位置「x」において送信機によって送信され得る5つ以下の可能なシーケンスエレメント値が存在する。対応して、シーケンス位置「x」に対応する副搬送波32に関して、これらの送信によって干渉されている受信機は、自身の干渉仮説を5つの可能なシーケンスエレメント値のセットに制限することができる。
【0069】
言い換えれば、デバイス12が、アグレッサデバイスにおける使用のために可能なDMRSシーケンスを知っていれば、たとえば、可能な巡回シフトを知っていれば、関与するシーケンス位置に対応する副搬送波32において受信するDRMSシーケンスエレメントについて可能な値の母集団が分かる。図に見られるように、DMRSシーケンスエレメントのグローバル付番のために、デバイス12のスケジュール済帯域幅36とオーバラップするアグレッサデバイス1、2からの干渉DMRSシーケンスエレメントはまた、エレメント4乃至6である。DM-RS干渉を除去するために、デバイス12は、1つまたは少数のシーケンス候補をテストするだけでよく、異なるシーケンス位置をテストする必要はない。デバイス12は、たとえば、無線ネットワークノード20などの近隣の送信ポイントからセルIDを知り、その送信ポイントの仮想セルIDから送信ポイントに接続された1つまたは少数のDM-RSシーケンスを導出することができる。
【0070】
自身のスケジュール済帯域幅36の周波数位置に対応するDMRSシーケンス位置を決定するために、デバイス12によって必要とされる情報をネットワーク16が提供するための別の可能性は、シード値をシグナリングすることである。DMRSのために使用されるシーケンスは、しばしば、指定されたシード値、たとえば、c_initで初期化される擬似ランダムシーケンス生成器によって生成される擬似ランダムシーケンスである。擬似ランダムシーケンス生成器はシード値を用いて初期化され得、その後、シーケンスエレメント0で始まるグローバルDMRSシーケンスにマッピングされるシーケンスを生成し、これは、システム帯域幅36内の最低のDM-RSエレメントにマッピングされる。
【0071】
図8では、第4のシーケンスエレメントは、デバイス12の設定済帯域幅34内の最初のDM-RSエレメントである。したがって、デバイス12内の擬似ランダムシーケンス生成器は、同じ擬似ランダムシーケンスを生成するが、図ではDMRS3とラベル付けされたシーケンスエレメント4で始まるシード値を用いて設定され得る。さらなる実施形態では、システム帯域幅内の参照副搬送波のセットに対応する可能なシード値c_initのセットが存在する。デバイス12は、最も近い参照副搬送波へのオフセットと、参照副搬送波の識別情報とがシグナリングされる。c_initに対応するDMRSシーケンスr(m)を生成するために、シフトレジスタ値が記憶される必要がある。たとえば、mシーケンスがLTEにおけるように使用される場合、x_1(n)、x_2(n)はnの範囲に対して記憶される必要がある。デバイス12は、たとえば100MHzの間隔で、参照副搬送波のセットにマッピングされたシーケンスエレメントに対応するシフトレジスタメモリ値を記憶することができる。デバイス12が0から100MHz(元のc_init)またはn*100から(n+1)*100MHz(n=1,2,3の3つのc_init値)に位置されているかどうかに応じて、ランダム生成器を、元のc_initまたは他の3つの他のc_init値の1つに初期化する。この利点は、シーケンスの順方向生成が、最大100MHzに制限されることであり、これはデバイスの設定済帯域幅34から参照副搬送波までの最長距離である。そうでなければ、非常に大きなシステム帯域幅、たとえば1GHzについて、設定済帯域幅34へのシーケンスr(m)の順方向生成は、要求が厳しくなる。
【0072】
概して、1つまたは複数の実施形態におけるネットワーク16は、デバイス12が自身の参照信号を判定するために、すなわち参照信号シーケンスのどの部分がそのスケジュール済帯域幅36に対応するかを判定するために使用するパラメータを、デバイス12にシグナリングするように設定される。この構成により、デバイス12は、システム帯域幅30またはシステム帯域幅30内のそのスケジュール済帯域幅36の位置を知る必要なく、どのDMRSシーケンスエレメントが、スケジュール済帯域幅36に適合するかを判定することができる。このようなアプローチは、グローバル付番スキームを使用して、ネットワーク16が、DMRSシーケンス位置を、システム帯域幅30内の周波数位置に関係付けるまたはマッピングすることを可能にする。
【0073】
ネットワーク16によってデバイス12にシグナリングされるパラメータは、グローバルDMRSシーケンスのどの部分を「切り出す」かをデバイス12に知らせるオフセットパラメータであり得、たとえば、これは、デバイス12の設定済帯域幅34の先頭にマッピングする参照信号シーケンスエレメント番号であり得る。このパラメータは、そのスケジュール済帯域幅36がその設定済帯域幅34内のどこにあるかについてのデバイスの知識とともに、デバイス12がそのスケジュール済帯域幅36にマッピングされる参照信号シーケンスエレメントを判定することを可能にする。シグナリングされたパラメータは、擬似ランダムシーケンスがDM-RSのために使用されると仮定して、デバイス12にその擬似ランダムシーケンス生成器をどのように初期化するかを通知するシードパラメータでもあり得る。最初に生成されたシーケンスエレメントは再度、デバイスの設定済帯域幅34の先頭にマッピングされた参照信号シーケンスエレメントに対応する。
【0074】
このような動作は、たとえデバイス12が、システム帯域幅30またはシステム帯域幅30に対するその帯域幅位置を知らなくとも、システム帯域幅に対するDMRSシーケンスのグローバル付番を可能にする。犠牲およびアグレッサの周波数位置とは無関係に、犠牲デバイス12は、アグレッサDM-RSシーケンスのどのシーケンスエレメント番号が、そのスケジュール済帯域幅36とオーバラップし、これによって干渉DMRSを容易に除去できるかを知っている。最も単純な場合、DMRSは、セルIDまたは仮想セルIDなどの同様のパラメータにのみ依存し、犠牲デバイス12は、干渉しているノードのセルIDを知っていれば、干渉シーケンスエレメントも知っている。実際の設定では、所与の送信ポイントは、1つのセルIDに関連付けられ得るが、擬似直交参照信号を作成し得る。この場合でさえも、犠牲デバイス12がセルIDを知っていれば、送信ポイントによる参照信号の送信からデバイス12で生じる干渉を除去するために、いくつかの候補シーケンスをテストするだけでよい。
【0075】
図9は、犠牲デバイス12と2つのアグレッサデバイス1、2に対する参照信号シーケンス位置間のグローバル整列を示すことによってこのシナリオを強調する。特に、システム帯域幅30の周波数位置付番に一般的に関係する同じシーケンス位置付番が、犠牲デバイス12ならびにアグレッサデバイス1および2に適合することが分かる。すなわち、犠牲デバイス12のスケジュール済帯域幅にオーバレイする参照信号シーケンスの部分44-1は、アグレッサデバイス1、2のスケジュール済帯域幅にオーバレイする部分44-2、44-3のために使用されるのと同じシーケンス位置付番/マッピングを使用する。実際の参照信号シーケンスは、3つのデバイスについて必ずしも同じではないことに留意されたい。すなわち、オーバレイ部分44-1、44-2、44-3のおのおのにおけるシーケンスエレメント関連シーケンス位置4は、異なる値を有することができるが、そのシーケンス位置の整列またはマッピングは、3つすべてのデバイスについて同じである。
【0076】
上記の詳細を広く理解すると、無線通信ネットワーク16における使用のために、1つまたは複数の参照信号シーケンス40が利用可能または規定されている。このような各参照信号シーケンス40は、シーケンスエレメント42のシリーズまたはセットを含み、各シーケンスエレメントは、参照信号シーケンス40内の対応する位置を占める。ネットワーク16、たとえば所与の無線ネットワークノード20は、そのシステム帯域幅30に、グローバル付番スキーム、たとえばそのシステム帯域幅30を構成する周波数副搬送波32のためにグローバル付番スキームを使用する。各副搬送波32は、周波数位置を占有していると見なすことができ、ネットワーク16は、参照信号位置を周波数位置に関係付ける規定されたマッピングを使用する。
【0077】
デバイス12は、設定済帯域幅34を用いて設定され、設定済帯域幅34は、システム帯域幅30内のいずれかに配置される。動作中、デバイス12は、設定済帯域幅34のすべてまたは一部を占有するスケジュール済帯域幅36を使用する。参照信号シーケンス位置と周波数位置との間で規定されたマッピングまたは整列によって、デバイスのスケジュール済帯域幅36に関連付けられた周波数位置に対応するシーケンス位置は、スケジュール済帯域幅36がシステム帯域幅30内のどこに位置するかによって決定される。しかし、本明細書の教示によれば、デバイス12は、どの参照信号シーケンス位置が、自身のスケジュール済帯域幅36に対応するかを知るために、システム帯域幅30を知る必要はなく、あるいはその設定済/スケジュール済帯域幅34/36の位置さえ知る必要がない。これらの必要性は、ネットワーク16がデバイス12に情報をシグナリングすることによって回避され、そこからデバイス12は、そのシステム帯域幅36に対応するシーケンスオフセットを暗黙的または明示的に判定することができる。
【0078】
特に、開示された発明の修正および他の実施形態は、前述の説明および関連付けられた図面に提示された教示の利益を享受する当業者に思い浮かぶであろう。一例として、本明細書の教示は、無線通信ネットワークにおけるアップリンクとダウンリンクとの両方に適用可能である。したがって、本発明は、開示された固有の実施形態に限定されるものではなく、修正および他の実施形態が、この開示の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では固有の用語が適用され得るが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9