(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】半導体スイッチングデバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20220804BHJP
H01L 29/74 20060101ALI20220804BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
H01L21/52 J
H01L29/74 J
H01L29/74 L
H01L29/78 652Q
(21)【出願番号】P 2019538364
(86)(22)【出願日】2018-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2018051018
(87)【国際公開番号】W WO2018134204
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-10-27
(32)【優先日】2017-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビクストレーム,トビアス
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-261049(JP,A)
【文献】特開2008-084926(JP,A)
【文献】特表2016-521462(JP,A)
【文献】特開昭59-076458(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第02942585(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 23/34-23/473
H01L 29/06-29/10
H01L 29/68-29/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード面(10)および前記カソード面(10)とは反対のアノード面(12)を有する半導体素子(1)とハウジング(2)とを備える半製品半導体スイッチングデバイスであって、
前記カソード面(10)上の前記半導体素子(1)上に配置されたカソード電極部品(3)と、
前記アノード面(12)上の前記半導体素子(1)上に配置されたアノード電極部品(4)とを備え、前記カソード電極部品(3)および前記アノード電極部品(4)は、前記半導体素子(1)を超えて横方向に突出し、前記半製品半導体スイッチングデバイスはさらに、
前記半導体素子(1)を前記カソード電極部品(3)とアノード電極部品(4)との間にクランプするために前記半導体素子(1)を横方向に取り囲むばねシステムを備え、
前記ばねシステムは、前記半導体素子(1)を横方向に取り囲むリング形状のワッシャ(6)を備え、ワッシャ(6)は、第1の面(60)および前記第1の面(60)とは反対の第2の面(62)を備え、ワッシャ(6)は、少なくともばね撓みまでの変形下においてその形状を再現可能に保つ材料から作られ、
前記ワッシャ(6)は、前記第1の面(60)上の前記ワッシャ(6)の第1の接触領域(61)において前記ワッシャ(6)に接触する少なくとも1つの第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’;75)を備える第1の撓ませ素子(7)と、前記第2の面(62)上の前記ワッシャ(6)の第2の接触領域(63)において前記ワッシャ(6)に接触する少なくとも1つの第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’;85)を備える第2の撓ませ素子(8)とによって、前記カソード電極部品(3)と前記アノード電極部品(4)との間で撓むことが可能であり、前記第1の接触領域(61)および前記第2の接触領域(63)が前記カソード面(10)に平行な平面において互いに横方向に配置されるように、前記第1の接触領域(61)は、前記第2の接触領域(63)に対して横方向に変位され、前記第1の撓ませ素子(7)および前記第2の撓ませ素子(8)は、クランプ中に前記ばね撓み以下のひずみ距離(64)だけ前記ワッシャ(6)を撓ませるように適合され、前記ひずみ距離(64)は、クランプされた状態において前記カソード電極部品(3)、前記半導体素子(1)および前記アノード電極部品(4)間で電気的接触が達成可能であるように十分大きいことを特徴とする、半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項2】
前記デバイスは、1つが前記半導体素子(1)と前記カソード電極部品(3)との間に配置され、1つが前記半導体素子(1)と前記アノード電極部品(4)との間に配置された、ひずみ緩衝プレート(5,5’)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項3】
ワッシャ(6)は、鋼から作られることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項4】
前記第1の撓ませ素子(7)は、各々が第1の高さ(72)を有する複数の前記第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)を有するリング形状であり、第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)は、前記第1の面(60)に向かって第1のリング当接面(73)に沿って互いに離間され、
前記第2の撓ませ素子(8)は、各々が第2の高さ(82)を有する複数の前記第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)を有し、第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)は、前記第2の面(62)に向かって第2のリング当接面(83)に沿って互いに離間され、前記第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)は、前記第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)に対して変位されて位置決められ、前記第1の高さ(72)および前記第2の高さ(82)は、前記ひずみ距離(64)と少なくとも同じ大きさであり、前記第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)は、前記第1の接触領域(61)で前記ワッシャ(6)に接触し、前記第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)は、前記第2の接触領域(63)で前記ワッシャ(6)に接触することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項5】
前記第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)は、互いに一定の間隔で配置され、または少なくとも1つの第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)は、2つの第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)の間の中央位置に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項6】
前記半導体素子(1)のゲート電
極は、外部回路ユニットに前記第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)を介して電気的に接続されることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項7】
第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)の数は、第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)の数とは異なることを特徴とする、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項8】
前記第2の撓ませ素子(8)は、絶縁材料から作られ、前記第2の撓ませ素子(8)は、前記半導体素子(1)を前記ワッシャ(6)から分離することを特徴とする、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項9】
前記第1の突出素子(75)は、リング形状であり、第3の高さ(76)を有し、前記第1の突出素子(75)は、前記ワッシャの内縁(65)に沿って前記第1の接触領域(61)で前記ワッシャ(6)に接触し、前記第2の突出素子(85)は、リング形状であり、第4の高さ(86)を有し、前記第2の突出素子(85)は、前記ワッシャ(6)の外縁(66)に沿って前記第2の接触領域(63)で前記ワッシャ(6)に接触し、前記第3の高さ(76)および前記第4の高さ(86)の各々は、前記ひずみ距離(64)と少なくとも同じ大きさである、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項10】
前記第1の突出素子(75)および前記第2の突出素子(85)は、前記ワッシャの横方向の幅の25%未満の横方向の幅を有することを特徴とする、請求項9に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項11】
前記第2の撓ませ素子(8)は、前記電極部品のうちの1つと一体に形成されることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項12】
前記第1の撓ませ素子(7)は、各々が第1の高さ(72)を有する複数の第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)と、前記ワッシャの内縁(65)に沿って前記ワッシャ(6)に接触する第3の高さ(76)を有するリング形状の第3の突出素子(75)とを有するリング形状であり、第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)は、第1のリング当接面(73)に沿って互いに離間され、
前記第2の撓ませ素子(8)は、各々が第2の高さ(82)を有する複数の第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)と、前記ワッシャの外縁(66)に沿って前記ワッシャ(6)に接触する第4の高さ(86)を有するリング形状の第4の突出素子(85)とを有するリング形状であり、第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)は、第2のリング当接面(83)に沿って互いに離間され、
前記第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)は、前記第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)に対して互いに横方向に変位されて位置決めされ、
少なくとも、
- 前記第1の高さ(72)および前記第2の高さ(82)が、前記ひずみ距離(64)と少なくとも同じ大きさであるか、
- 前記第3の高さ(76)および前記第4の高さ(86)が、前記ひずみ距離(64)と少なくとも同じ大きさであり、
- 前記第1の突出素子(70,70’,70’’,70’’’)は、前記第1の接触領域(61)で前記ワッシャ(6)に接触し、前記第2の突出素子(80,80’,80’’,80’’’)は、前記第2の接触領域(63)で前記ワッシャ(6)に接触することを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の半製品半導体スイッチングデバイス。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の半製品半導体スイッチングデバイスは、前記カソード電極部品(3)、前記半導体素子(1)および前記アノード電極部品(4)を電気的に接続するように、クランプ素子(20)によって前記カソード電極部品(3)と前記アノード電極部品(4)との間にクランプされ、前記クランプ素子(20)は、前記カソード電極部品(3)および前記アノード電極部品(4)上に力を印加し、
前記第1の撓ませ素子(7)および前記第2の撓ませ素子(8)は、前記ワッシャ(6)を前記ひずみ距離(64)だけ撓ませることを特徴とする、半導体スイッチングデバイス。
【請求項14】
前記第1の撓ませ素子(7)および前記第2の撓ませ素子(8)は、前記ワッシャ(6)を少なくとも1kNのばね力を用いて撓ませることを特徴とする、請求項13に記載の半導体スイッチングデバイス。
【請求項15】
前記ひずみ距離(64)は、少なくとも0.2mmであ
ることを特徴とする、請求項13または請求項14に記載の半導体スイッチングデバイス。
【請求項16】
前記ひずみ距離(64)は、0.2mm~1.5mmであることを特徴とする、請求項15に記載の半導体スイッチングデバイス。
【請求項17】
前記ひずみ距離(64)は、0.4mm~0.6mmであることを特徴とする、請求項16に記載の半導体スイッチングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、パワーエレクトロニクスの分野に関し、特に半導体スイッチングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
半導体スイッチングデバイスは、カソード-アノード-ゲート構造を有する強力かつ高速なターンオフ部品である。具体的には、半導体スイッチングデバイスは、スイッチングデバイスのカソード、アノード、およびゲートが堆積された半導体素子を備える。デバイスは、スイッチングデバイスのカソード、アノードおよびゲートを外部回路ユニットに電気的に接続するための接続手段をさらに備える。
【0003】
半導体素子は、大きい電流および電圧を扱わなければならない。そのような半導体素子の1つの例は、集積化ゲート転流型サイリスタ(IGCT)である。IGCTは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)のようにターンオフするが、最低の導体損失を有するサイリスタのように導通するゲート制御されたターンオフスイッチである。集積化ゲート転流型サイリスタは、たとえば中電圧ドライブ、牽引、風力変換装置、AC励磁システム、バッテリーエネルギー貯蔵システム、ソリッドステートブレーカ、牽引力ブースタ、牽引力補償装置および誘導加熱といった厳しい高パワー用途のためのパワースイッチングデバイスである。
【0004】
今日IGCTとして構築される半導体素子は、その汎用性、効率性および費用対効果のためにさまざまな用途において使用される。従来のIGCTデバイスは、カソードディスク上にゲートディスクが配置され、スイッチングデバイスへのゲート接続を提供するリング形状の構造を有する。アノード相は、たとえば外側で特定の沿面距離を有するハウジングの頂部上に配置される。
【0005】
US2016071815A1号は、半導体素子1と、半導体素子1をカソードおよびアノード電極部品3,4間にクランプするばねシステムを有するハウジングとを有する半導体スイッチングデバイスを示す(
図1)。ばねシステムは、2つの皿ばね69,69’を備え、これらは、電極部品3,4間にクランプされ、これにより半導体素子の主電極の電極部品3,4への接触を達成するために半導体素子1をクランプする。L状プロファイルを有する絶縁リング9は、半導体素子1とばねシステムとの間に配置される。皿ばね69’のうちの1つは、絶縁リング9上に置かれ、ゲートリードがその間にクランプされる。追加的な支持素子68,68’は、絶縁リング9およびゲートリードを皿ばね69,69’の鋭い縁から保護するために、皿ばねと絶縁リング9との間に位置決めされる。
【0006】
そのような半導体スイッチングデバイスは、電極部品3,4間に位置決めされた半導体素子1および半導体素子1を取り囲むばねシステムを有する半製品であり得る。半製品スイッチングデバイスは、工場から客先へ出荷されることができ、そこでそれは、その最終の周辺環境内に設置され、半導体素子1から電極部品3,4への電気的接触を確立するためにクランプされることができる。
【0007】
半製品半導体スイッチングデバイスを製造するために、半導体素子を容易にハウジング内に取り付け可能であることが重要である。さらに、ハウジング内のすべての部品の適切な位置合わせおよび支持は、輸送後にも適切な接触を保障するために重要である。
【0008】
EP1220314A2号は、サイリスタモジュールのための圧力接触という別の先行技術を示す。2つのリング部品は、突出部およびくぼみを有することによって互いにサイリスタラッチを取り囲む。側面に対して、リングシステムは、絶縁素子によって絶縁される。頂面上で、電気的主コネクタは、上向きに延びる。各サイリスタ素子は、各リングシステムの周りに配置された3つのテンションスクリューによってベースプレートに据え付けられる。底面に対して、複数のそのようなサイリスタは、ベースプレートから別個に絶縁される。サイリスタは、互いに横方向に配置され、共通の主電極プレートによって互いに電気的に接続される。コンパクトな配置は、不可能であり、サイリスタは、スタック構成において配置されることができない。すべてのサイリスタが共通のベースプレート上に一緒に直接的に取り付けられなければならないので、モジュール設計および半製品化は、不可能である。印加されるばね力は、各テンションスクリューが締められる力に依存する。さらに、複数のテンションスクリューは、各半導体素子に対して締められなければならず、傾きが生じる可能性があり、これは、半導体素子から電極部品への不良な電気的接続または、電気的非接続につながり得る。
【0009】
DE2942585号は、半導体素子がカソードおよびアノード電極部品間に、電極部品間の撓み可能なシリコンリングを用いてクランプされる半導体デバイスを説明する。外側に配置された電極部品の延在部は、電極部品の延在部を覆う内向きにテーパーをつけられた延在部を有する絶縁体によって一緒に押される。シリコンリングは、シリコンリングの両側上の円状領域に沿って電極部品に対して押される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の説明
本発明の目的は、取り付けが容易であり、費用効率が高くかつ信頼性がある、ばねシステムを有する半製品スイッチングデバイスおよび半導体スイッチングデバイス自体を提供することである。
【0011】
本発明の半製品半導体スイッチングデバイスは、カソード面およびカソード面とは反対のアノード面を有する半導体素子とハウジングとを備える。ハウジングは、カソード面上の半導体素子上に配置されたカソード電極部品、アノード面上の半導体素子上に配置されたアノード電極部品を備え、カソード電極部品およびアノード電極部品は、半導体素子を超えて横方向に突出する。ばねシステムは、半導体素子をカソード電極部品とアノード電極部品との間にクランプするために半導体素子を横方向に取り囲む。
【0012】
ばねシステムは、半導体素子を横方向に取り囲むリング形状のワッシャを備え、ワッシャは、第1の面および第1の面とは反対の第2の面を有する。ワッシャは、少なくともばね撓みまでの変形下においてその形状を再現可能に保つ材料から作られる。ワッシャは、第1の面上のワッシャの第1の接触領域においてワッシャに接触する第1の撓ませ素子と第2の面上のワッシャの第2の接触領域においてワッシャに接触する第2の撓ませ素子とによって、カソード電極部品とアノード電極部品との間で撓むことが可能であり、第1の接触領域は、第2の接触領域に対して変位される。第1の撓ませ素子および第2の撓ませ素子は、クランプ中にばね撓み以下のひずみ距離だけワッシャを撓ませるように適合され、ひずみ距離は、クランプされた状態においてカソード電極部品、半導体素子およびアノード電極部品間で電気的接触が達成可能であるように十分に大きい。
【0013】
ばねワッシャの形態のワッシャは、非常に簡易かつ低価格な素子である。例示的に少なくとも1kNの大きい力が電極部品上に印加され、ひずみ距離が例示的に最大1.5mmと小さくなると、ワッシャのばねプロパティのための高い要件が必要とされない。したがって、高度なばねシステムが必要とされない。撓ませ素子は、最大のひずみ距離を規定し、ワッシャと電極部品との間の高さの差を均等化し、ワッシャそれ自体は、高い高さ要件を有さず、これにより同じワッシャは、異なるスイッチングデバイスのために使用され得る。
【0014】
撓ませ素子は、簡易で低コストな素子であり、これは、リング、ピンまたはバーのような突出部を有し得る。撓ませ素子はまた、電極部品、ゲートリードリングまたは絶縁リングと一体的に形成され得る。そのような一体的に形成された撓ませ素子は、別個に取り付けられることを要さず、したがって、製造を簡易にする。(ポール部品、絶縁リングまたはゲートリードと)一体的に形成された1つの撓ませ素子と1つの別個の撓ませ素子との組み合わせは、簡易な取り付けおよびモジュール構造の利点を組み合わせる。
【0015】
撓ませ素子上のおよび/またはワッシャ上の位置合わせ素子は、素子を正しい位置に取り付けるのに役立つことができる。
【0016】
図面の簡単な説明
添付の図面に示される好ましい例示的な実施形態を参照して、本発明の主題を以下の文でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の半製品半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図2】ひずみ緩衝プレートを備え
る本発明の半製品半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図3】本発明の半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図4】ひずみ緩衝プレートを備える本発明の半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図5】本発明の第1の突出素子を有する第1の撓ませ素子、第2の突出素子を有する第2の撓ませ素子およびワッシャ上の図を示す。
【
図6】
図5の第1および第2の撓ませ素子およびワッシャがクランプされた状態にある本発明の半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図7】
図5の第1および第2の撓ませ素子およびワッシャがクランプされた状態にある本発明の半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図8】第1および第2の突出素子を備える第1および第2の撓ませ素子がクランプされた状態にあ
る本発明の半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図9】第1および第2の突出素子を備える第1および第2の撓ませ素子がクランプされた状態にあ
る本発明の半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図10】第1の突出素子としてゲートリードを有する半導体素子上の図を示す。
【
図11】本発明の第3の突出素子を有する第1の撓ませ素子、第4の突出素子を有する第2の撓ませ素子およびワッシャ上の断面図を示す。
【
図12】クランプされた状態にある本発明の第3の突出素子を有する第1の撓ませ素子、第4の突出素子を有する第2の撓ませ素子およびワッシャ上の断面図を示す。
【
図13】皿ばねを有する先行技術半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図14】クランプされていない状態にあ
る本発明の半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図15】クランプされた状態にある
図14の本発明の半導体スイッチングデバイス上の断面図を示す。
【
図16】クランプされていない状態にある
図14の本発明の半導体スイッチングデバイス上の側面図を示す。
【
図17】クランプされた状態にある
図14の本発明の半導体スイッチングデバイス上の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面で使用されている参照記号およびそれらの意味は、参照符号の一覧の中に要約形式で列挙される。原則として、図面において同一の部分には同一の参照符号が付される。
【0019】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、カソード面10およびカソード面10とは反対のアノード面12を有するIGCTといった半導体素子1とハウジング2とを備える半製品半導体スイッチングデバイスを示す
。例示的実施形態では、半導体素子1は、IGBTである。ハウジング2は、カソード面10上の半導体素子1上に配置されたカソード電極部品3、アノード面12上の半導体素子1上に配置されたアノード電極部品4とを備え、カソード電極部品3およびアノード電極部品4は、半導体素子1から横方向に突出し、ハウジング2はさらに、カソード電極部品3とアノード電極部品4との間に半導体素子1をクランプするために半導体素子1を横方向に取り囲むばねシステムを備える。ばねシステムは、撓むことが可能であり、すなわち半導体スイッチングデバイスの電極部品3,4を一緒にクランプすることによって圧縮可能である。半製品スイッチングデバイスは、半導体素子1をクランプするためにカソードおよびアノード電極部品3,4間に設けられるばねシステムを用いて、半導体素子1がカソード電極部品3とアノード電極部品4との間に組み立てられることを意味する。
【0020】
ばねシステムは、半導体素子1を横方向に取り囲むリング形状のワッシャ6を備え、ワッシャ6は、第1の面60および第1の面60とは反対の第2の面62とを備え、ばねシステムはさらに、第1の撓ませ素子7と、第2の撓ませ素子8とを有する。ワッシャ6は、少なくともばね撓みまでの変形下においてその形状を再現可能に保つ材料から作られる。ワッシャは、鋼から作られ得る。例示的に、ワッシャ6は、ばね鋼から作られ、これは、例示的に非常に高い降伏強度を有する鋼を備える炭素である。そのような材料は、最大の距離であるばね撓みの範囲の撓みがあっても、ばね鋼から作られる物体がそれらの元の形状に戻ることを可能とし、これによりばねを不可逆的に変形させることなく、ばねは、撓ませられることができる。
【0021】
ワッシャ6は、シリンダ高さおよび幅(シリンダの外径または外縁66と内径または内縁65との間の差である)を有する中空のシリンダ(リング)である。ワッシャ6は、第1の面60上のワッシャ6の第1の接触領域61においてワッシャ6に接触する第1の撓ませ素子7と、第2の面62上のワッシャ6の第2の接触領域63においてワッシャ6に接触する第2の撓ませ素子8とによって、カソード電極部品3とアノード電極部品4との間で撓むことが可能である。ワッシャが第1の撓ませ素子7および第2の撓ませ素子8によって第1および第2の接触領域61,63間で撓むことが可能であり、これを通して力がワッシャ6上にかけられることができるように、第1の接触領域61は、第2の接触領域63に対して変位される。第1の撓ませ素子7および第2の撓ませ素子8は、クランプ中にひずみ距離64だけワッシャ6を撓ませるように適合され、これにより第1の撓ませ素子7および第2の撓ませ素子8は、ワッシャ6をひずみ距離64だけ撓ませることができる。第1の撓ませ素子7は、少なくとも1つの突出素子を備え、第2の撓ませ素子8は、少なくとも1つの突出素子を備え、これらの突出素子において、撓ませ素子7,8は、ワッシャ6に接触する。第1および第2の撓ませ素子7,8の突出素子が変位されて位置決めされ、ワッシャ6の両側に作用するとき、ワッシャ6は、互いに向かって押される撓ませ素子7,8によって撓まされることができる。第1および第2の撓ませ素子7,8の突出素子は、少なくともワッシャ6の高さに対応する距離まで変位され、これによりワッシャは、2つの撓ませ素子7,8間でばね撓み以下のひずみ距離64まで歪むことが可能である、すなわち歪むように適合される。ばね撓みは、ばね(すなわちワッシャ6)が撓まされることができ、且つワッシャ6が任意の印加力を解放した後にその元の形状に戻ることができる、最大撓み距離である。ひずみ距離64は、クランプされた状態においてカソード電極部品3、半導体素子1、アノード電極部品4間の電気的接触が達成可能であるように、すなわちクランプされた状態において半導体素子1がカソード面10上のカソード電極部品3およびアノード面12上のアノード電極部品4に接触するように、十分に大きい。
【0022】
図1では、カソード電極部品3およびアノード電極部品4が半導体素子1と接触するようにされなければならないことを示すために、ひずみ距離64は、距離64_1および64_2として示される。距離64_1および64_2は、ワッシャ6が撓まされなければならないひずみ距離64に対応する。
【0023】
例示的実施形態では、半製品デバイスは、2つのひずみ緩衝プレート5,5’を備え、このうちの1つは、半導体素子1とカソード電極部品3との間に配置され、このうちの1つは、半導体素子1とアノード電極部品4との間に配置される(
図2)。ひずみ緩衝プレート5,5’は、半導体素子の熱膨張係数とひずみ緩衝プレート5,5’に接触する上記電極部品の熱膨張係数と間の熱膨張係数を有する導電性材料から作られ、例示的にひずみ緩衝プレート5,5’は、モリブデンから作られる。ひずみ緩衝プレート5,5’が電極部品3,4と半導体素子1との間に配置されるので、それらは、電気的接触を確立するために電極部品3,4と半導体素子1との間でクランプされなければならない。
【0024】
図5に示され
る例示的実施形態では、第1の撓ませ素子7は、各々が第1の高さ72または少なくとも第1の高さ72を有する複数の第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’を有するリング形状である。突出素子の高さは、突出素子が2つの突出素子間の領域(この領域でその他の/反対にある撓ませ素子の突出素子がワッシャ上に作用する/に接触する)を突出する高さである。第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、ワッシャ6の第1の面60に向かって第1のリング当接面73に沿って互いに離間される。第2の撓ませ素子8は、各々が第2の高さ82または少なくとも第2の高さ82を有する複数の第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’を有する。第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’は、ワッシャ6の第2の面62に向かって第2のリング当接面83に沿って互いに離間される。第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、第1の接触領域61でワッシャ6に接触し、第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’は、第2の接触領域63でワッシャ6に接触する。第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’に対して横方向に変位されて位置決めされ、これにより第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’がワッシャ6に接触する第2の接触領域63から変位された第1の領域61においてワッシャ6を撓ませる。変位された、とは、素子がカソード面10に平行な平面において互いに横方向に配置されることを意味する。第1の高さ72並びに第2の高さ82は、ひずみ距離64と少なくとも同じ大きさである。ワッシャ6は、第1および第2の撓ませ素子7,8間で撓まされることができ、これにより撓まされたワッシャは、その円方向に沿って波形状を有する。そのような構成では、第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’および第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’が配置される撓ませ素子7,8のそのような側面は、互いに面する。第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’および/または第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’は、互いに対して規則的な距離において配置され得、すなわち第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、互いから等距離に配置され得および/または第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’は、互いから等距離に配置され得る。
図5は、撓ませ素子7,8間に置かれるべきワッシャ6とともにそのような第1および第2の撓ませ素子7,8を示す。
【0025】
図6は、本発明の半導体スイッチングデバイスを通る切断を示し、ここで、第1の突出素子70は、ワッシャ6をアノード電極部品4に向かって撓ませる。ひずみ距離64および第1の高さ72に依存して、ワッシャ6は、第2の撓ませ素子8に(第2の突出素子を有さない領域において)触れ得るが、ワッシャ6と第2の撓ませ素子8との間にまた距離が存在し得る。
図7は、
図6と同じ本発明の半導体スイッチングデバイスを通るがワッシャリング6の別の場所を通る切断を示し、ここで、第2の突出素子80は、カソード電極部品3に向かってワッシャ6を撓ませる。ひずみ距離64および第2の高さ82に依存して、ワッシャ6は、第1の撓ませ素子7に(第1の突出素子を有さない領域において)触れ得るが、またワッシャ6と第1の撓ませ素子7との間に距離が存在し得る。
【0026】
図8および
図9に示され
る例示的実施形態では、第1および/または第2の撓ませ素子7,8は、第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’が配置され、ワッシャの反対側上に第2の撓ませ素子が配置されないような領域に形成されおよび/またはその逆も成立する。ひずみ距離64および第1の高さ72に依存して、ワッシャ6は、アノード電極部品4に触れ得るが(
図8)、またワッシャ6とアノード電極部品4との間に距離が存在し得る。対応して、ひずみ距離64および第2の高さ82に依存して、ワッシャ6は、カソード電極部品3に(第1の突出素子を有さない領域において)触れ得るが、またワッシャ6とカソード電極部品3との間に距離が存在し得る。そのような設計は、スイッチングデバイスの別の素子、すなわち電極部品3,4、ゲートリードまたは絶縁リング9のうちの1つと一体的に形成される第1および/または第2の突出素子70,70’,70’’,70’’’,80,80’,80’’,80’’’によって達成され得る。代替的に、突出素子70,70’,70’’,70’’’,80,80’,80’’,80’’’は、突出素子を横方向に取り囲むリングを有して形成され得、そのような領域では、撓ませ素子がワッシャ6と電極部品との間に存在せず、突出素子が配置されない。
【0027】
例示的実施形態では、少なくとも1つのまたはすべての第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、2つの第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’間の中央位置に配置される。また少なくとも1つのまたはすべての第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’は、2つの第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’間の中央位置に配置される。
【0028】
例示的実施形態では、第1の撓ませ素子7は、導電性材料から作られ、それは、半導体素子1の半導体ゲート電極に接触する。ゲート電極は、外部回路ユニットに第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’を介して電気的に接続され得る。第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、半導体素子1の周りに配置される(
図10)。この実施形態では、第1の突出する、導電性素子70,70’,70’’,70’’’は、撓ませ素子としてのそれらの機能に追加してゲートリードとして作用し、すなわち第1の撓ませ素子7は、ゲートリードリングを形成する。
【0029】
図14~
図17は、ワッシャ6が1つの側面上で第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’として作用するゲートリードと第2の突出素子80,80’を有する第2の撓ませ素子8とによって撓まされる本発明のデバイス
の例示的実施形態を示す。横方向の側面上で、半導体素子は、絶縁体90によって絶縁される。
図14および
図16は、クランプされていない状態にあるデバイスを、
図15および
図17は、クランプされた状態にあるデバイスを示す。2つの第1の突出素子70,70’および70’’,70’’’は、2つの第2の突出素子80,80’間に配置される。第1の撓ませ素子の破線の部分は、ゲート電極に電気的に接触するために第1の撓ませ素子7がデバイスから引き出されることを示す。
【0030】
例示的実施形態では、絶縁リング9は、半導体素子1を横方向に取り囲み得る。リングは、半導体素子1とワッシャ6との間に位置決めされる(
図4)。
【0031】
例示的実施形態では、第2の撓ませ素子8は、絶縁材料から作られる。この実施形態では、第2の撓ませ素子8はまた、ワッシャ6とは別個の半導体素子1であり得、すなわち第2の撓ませ素子8は、絶縁リング9と一体的に形成され得、これにより第2の撓ませ素子8は、半導体素子1をワッシャ6から分離する。
【0032】
第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’の数は、第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’の数とは異なり得、これにより2つの第1のまたは第2の突出素子70,70’,70’’,70’’’または80,80’,80’’,80’’’は、その間に第2のまたは第1の突出素子80,80’,80’’,80’’’または70,70’,70’’,70’’なしに隣接し得る。これは、たとえば第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’がゲートリードである場合、ゲートリードの数が撓み手段としての第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’の数とは独立にゲート電流のために最適化されることができるという利点を有することができる。例示的に、ゲートリードに追加的に、さらに他の第1の突出素子が、絶縁材料で追加されることができる。
【0033】
例示的実施形態では、第1の撓ませ素子7は、ワッシャの内縁65に沿って第1の接触領域61でワッシャ6に接触する、第3の高さ76を有するリング形状の第3の突出素子75を有する(
図11)。図は、半製品デバイスを通る垂直な切断を示す。第2の撓ませ素子8はまた、ワッシャ6の外縁66に沿って第2の接触領域63でワッシャ6に接触する、第4の高さ86を有するリング形状の第4の突出素子85を有する。第3の高さ76および第4の高さ86は、ひずみ距離64と少なくとも同じ大きさである。第3および第4の突出素子75,85は、互いに面する。突出素子のうちの1つが内縁65でワッシャ6に接触し、その他の突出素子が外縁66でワッシャ6に接触すると、第1および第2の突出素子75,85は、互いに変位される。
図12は、クランプされた状態において
図11の第1および第2の撓ませ素子7,8を示す。第3および第4の突出素子75,85は、クランプされた状態において互いに対してワッシャ6の厚さと少なくとも同じ大きさである距離を有し、これによりワッシャは、第3および第4の突出素子75,85の間にクランプされることができる。例示的に、第3および第4の突出素子75,85は、ワッシャ6の幅の25%未満の幅を有するリング形状である。第1および/または第2の撓ませ素子7,8は、別々のリング形状の素子であり得る(例示的にLプロファイルまたは純粋な中空のシリンダを有するリングとして形成される)。別の代替的な実施形態では、第3および/または第4の突出素子75,85、およびこのため、第1および/または第2の撓ませ素子7,8は、カソードおよび/またはアノード電極部品4または絶縁リング9と一体的に形成される。例示的に、電極部品3,4のうち1つは、リム(ワッシャ6に向かう側面でリング形状の突出素子、ワッシャ6が置かれることができる)を有し、または絶縁リング9は、ワッシャ6が第1の接触領域61に置かれることができるL形状を有する。この実施形態では、ワッシャ6は、その幅方向に沿って撓まされる。
【0034】
例示的実施形態では、第1の撓ませ素子7は、各々が第1の高さ72を有する複数の第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’を有するリング形状である。第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、リング当接面73に沿って互いに離間される。第1の撓ませ素子7は、ワッシャの内縁65に沿ってワッシャ6に接触する、第3の高さ76を有するリング形状の第3の突出素子75をさらに備える。第2の撓ませ素子8はまた、各々が第2の高さ82を有する複数の第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’を有するリング形状である。第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’は、リング当接面83に沿って互いに離間される。第2の撓ませ素子8は、ワッシャの外縁66に沿ってワッシャ6に接触する、第4の高さ86を有するリング形状の第4の突出素子85をさらに備える。第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’は、第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’に対して変位されて位置決められる。第1の突出素子70,70’,70’’,70’’’および第3の突出素子75は、第2の突出素子80,80’,80’’,80’’’および第4の突出素子85に面する。少なくともa)第1の高さ72および第2の高さ82は、ひずみ距離64と少なくとも同じ大きさであるか、b)第3の高さ76および第4の高さ86は、ひずみ距離64と少なくとも同じ大きさであるかの一方または両方である。この実施形態では、ワッシャ6は、その幅方向(すなわち内縁および外縁65,66間)において並びにその円方向(リング当接面)に沿って撓まされる。
【0035】
例示的実施形態では、本発明は、半導体素子1がカソード電極部品3とアノード電極部品4との間にクランプされ、これによりカソード電極部品3、半導体素子1およびアノード電極部品4が電気的に接続される半導体スイッチングデバイスを考慮する。この実施形態では、第1の撓ませ素子7および第2の撓ませ素子8は、ワッシャ6をひずみ距離64だけ撓ませる。クランプ素子20は、カソードおよびアノード電極部品3,4間に半導体素子1をクランプする(
図3および
図4:図は、ワッシャの任意の詳細を示さず、特にこれらの図は、第1または第2の接触領域のシフトされた位置を示さない)。横方向から半導体素子1を取り囲むばねシステムは、電極部品3,4と半導体素子1との間の信頼性のある電気的接続を達成することを可能とする。例示的に、力は、クランプ素子20によって電極部品3,4上に印加され、これにより第1の撓ませ素子7および第2の撓ませ素子8は、ワッシャ6を少なくとも1kNのばね力を用いて撓ませる。ワッシャ6が圧縮されるひずみ距離64は、例示的に少なくとも0.2mmである。別の例示的実施形態では、ひずみ距離64は、0.2mm~1.5mm、または0.4~0.6mmである。そのようなばね力およびそのような距離は、半導体素子1と電極部品3,4との間の電気的接続が信頼できることを確実にする。
【0036】
図4は、半導体素子1とワッシャ6との間に絶縁リング9が配置され、これにより半導体素子1がばねシステムから分離された
例示的実施形態を示す。
【0037】
撓ませ素子3,4は、位置合わせ素子を備え得、これにより、突出素子70,70’,70’’,70’’’,80,80’,80’’,80’’’の位置が規定される。そのような位置合わせ素子は、ピンおよびくぼみまたは任意のその他の位置固定素子であり得る。
【0038】
ハウジング2は、当業者に既知のより多くの要素を含み得る。例示的に、ハウジングは、沿面電流をそらすために、その外側面に沿面セクションを有する絶縁管92を備える(
図14および
図15)。
【符号の説明】
【0039】
参照符号の一覧
1 半導体素子
10 カソード面
12 アノード面
2 ハウジング
20 クランプ素子
3 カソード電極部品
4 アノード電極部品
5,5’ ひずみ緩衝プレート
6 ワッシャ
60 第1の面
61 第1の接触領域
62 第2の面
63 第2の接触領域
64,64_1,64_2 ひずみ距離
65 内縁
66 外縁
68,68’ 支持素子
69,69’ 皿ばね
7 第1の撓ませ素子
70,70’,70’’,70’’’ 第1の突出素子
72 第1の高さ
73 第1のリング当接面
75 第3の突出素子
76 第3の高さ
8 第2の撓ませ素子
80,80’,80’’,80’’’ 第2の突出素子
82 第2の高さ
83 第2のリング当接面
85 第4の突出素子
86 第4の高さ
9 絶縁リング
90 絶縁体
92 絶縁管