(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/216 20140101AFI20220804BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220804BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20220804BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220804BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20220804BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/35
A63F13/45
A63F13/58
A63F13/65
(21)【出願番号】P 2020012958
(22)【出願日】2020-01-29
【審査請求日】2020-01-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [刊行物1] 令和1年11月19日掲載、掲載アドレス https://www.youtube.com/watch?v=Z1VJcZQ_wHo [刊行物2] 令和1年11月21日公開、公開方法 オンラインによる配信 App Store:https://sqex.to/f8GEE(リンク先:https://apps.apple.com/jp/app/id1439417234) Google Play:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.square_enix.android_googleplay.dqwalkj&referrer=adjust_reftag%3DcTdWPV2VahXyw%26utm_source%3D%25E5%2585%25AC%25E5%25BC%258F%25E3%2582%25B5%25E3%2582%25A4%25E3%2583%2588%26utm_campaign%3DAndroid
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【氏名又は名称】浅見 浩二
(72)【発明者】
【氏名】柴 貴正
(72)【発明者】
【氏名】小林 央
(72)【発明者】
【氏名】和賀 潤
(72)【発明者】
【氏名】吉田 豊
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064710(JP,A)
【文献】特開2017-064181(JP,A)
【文献】ハリーポッター魔法同盟攻略 砦の場所と部屋レベルの違い,神ゲー攻略[online],2019年10月18日,https://kamigame.jp/%E9%AD%94%E6%B3%95%E5%90%8C%E7%9B%9F/%E6%94%BB%E7%95%A5%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/%E7%A0%A6.html,[2021年3月22日検索]
【文献】『DQウォーク』レベル上げが捗る。"くちぶえ"感覚でモンスターをタップして呼び寄せ!,電撃オンライン[online],2019年09月14日,https://dengekionline.com/articles/12294/,[2021年3月22日検索]
【文献】ハリーポッター魔法同盟攻略 ポートキーの使い方と入手方法,神ゲー攻略[online],2019年12月09日,https://kamigame.jp/%E9%AD%94%E6%B3%95%E5%90%8C%E7%9B%9F/%E6%94%BB%E7%95%A5%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%BC.html,[2021年3月22日検索]
【文献】[黒猫のウィズ]「Birth Of New Order 2 大罪」攻略情報まとめ!,いろいろメモ[online],2018年10月07日,URL: <https://etc.miscmemo.com/wiz/birth-of-new-order-2/birth-of-new-order-2-info/>,[令和3年11月17日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置機能と、
前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生機能と、
前記発生機能により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な当該発生可能イベントのクリア難易度を更新する更新機能とを
実現させ、
前記発生イベントの進捗状況は、当該発生イベントで前記ユーザに倒されたオブジェクトのレベルを含み、
前記オブジェクトに関連する情報は、当該オブジェクトに設定可能な各レベルに対応するステータスを示す情報を含み、
前記更新機能では、前記オブジェクトに関連する情報を参照することで前記レベルとは異なるレベルに対応するステータスを特定し、更新対象とする前記発生可能イベントに当該特定したステータスを設定することで前記クリア難易度を更新する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記更新機能では、発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの効果を更新する機能を
実現させるための請求項1記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記発生可能イベントの効果は、発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加する際の当該オブジェクトに関連する情報を更新することを含む
請求項2記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項4】
配置されたオブジェクトの位置関係条件が満たされておらず、かつ所定の移動条件が満たされた場合、当該位置関係条件が満たされるように、当該オブジェクトを移動させる移動機能を
実現させるための請求項1から請求項3のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項5】
所定の変化条件が満たされた場合、前記ユーザ端末に表示される仮想空間を前記地図情報に対応する他の仮想空間に変化させる変化機能を実現させ、
前記出現条件は、前記ユーザ端末に表示される仮想空間が前記他の仮想空間に変化したことを含み、
前記配置機能では、前記他の仮想空間において、前記出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たし、かつ前記仮想空間には配置されないオブジェクトを配置する機能を
実現させるための請求項1から請求項4のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項6】
前記発生条件は、前記位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントのクリア難易度に関するユーザ操作が受け付けられたことを含み、
前記ユーザ操作を受け付ける受付機能を実現させ、
前記更新機能では、前記ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントのクリア難易度を、前記受付機能により受け付けた前記ユーザ操作に基づき更新する機能を
実現させるための請求項1から請求項5のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項7】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理システムであって、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置手段と、
前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生手段と、
前記発生手段により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な当該発生可能イベントのクリア難易度を更新する更新手段とを含
み、
前記発生イベントの進捗状況は、当該発生イベントで前記ユーザに倒されたオブジェクトのレベルを含み、
前記オブジェクトに関連する情報は、当該オブジェクトに設定可能な各レベルに対応するステータスを示す情報を含み、
前記更新手段は、前記オブジェクトに関連する情報を参照することで前記レベルとは異なるレベルに対応するステータスを特定し、更新対象とする前記発生可能イベントに当該特定したステータスを設定することで前記クリア難易度を更新する
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
【請求項8】
ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能を前記ユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置機能と、
前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生機能と、
前記発生機能により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な当該発生可能イベントのクリア難易度を更新する更新機能とを
実現させ、
前記発生イベントの進捗状況は、当該発生イベントで前記ユーザに倒されたオブジェクトのレベルを含み、
前記オブジェクトに関連する情報は、当該オブジェクトに設定可能な各レベルに対応するステータスを示す情報を含み、
前記更新機能では、前記オブジェクトに関連する情報を参照することで前記レベルとは異なるレベルに対応するステータスを特定し、更新対象とする前記発生可能イベントに当該特定したステータスを設定することで前記クリア難易度を更新する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を利用したビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオゲームの分野では、ユーザ端末の位置情報を利用したシステムが種々提案されている。
【0003】
このようなシステムには、例えば、複数のユーザ端末が、現実空間の地図情報に対応する仮想空間を表示し、さらに当該仮想空間において、所定のイベントが発生するオブジェクトを、複数のユーザ間で共通の位置に表示するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1記載のシステムでは、オブジェクトに対応するイベントの内容は、他のユーザによるイベントの発生によって変化する可能性があるため、各ユーザに適したイベントが発生するとは限らず、その結果、ビデオゲームに対するユーザの興味が薄れてしまう場合があった。
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記サーバに、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置機能と、前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生機能と、前記発生機能により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する更新機能とを実現させるためのものである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理システムであって、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置手段と、前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生手段と、前記発生手段により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する更新手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能を前記ユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ユーザ端末に、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置機能と、前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生機能と、前記発生機能により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する更新機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0010】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるサーバ側の動作の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における端末側の動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図19】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図20】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図21】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
【
図22】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
【
図23】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
【
図24】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図25】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【
図26】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【
図27】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。
図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、ビデオゲーム処理サーバ10(サーバ10)と、ビデオゲーム処理システム100のユーザが使用するユーザ端末20,201~20N(Nは任意の整数)とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
【0014】
サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のユーザ端末20,201~20Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
【0015】
ビデオゲーム処理システム100は、サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nとを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0016】
サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のユーザ端末20,201~20Nに対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。本例において、サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。なお、サーバ10は、制御部や通信部などコンピュータとして各種処理を行うための一般的な構成を備えるが、ここでの説明は省略する。また、ビデオゲーム処理システム100においては、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、各種情報はサーバ10が管理することが好ましい。ただし、各種情報を記憶する記憶部は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0017】
図2は、サーバ10の構成の例であるサーバ10Aの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ10Aは、配置部11と、発生部12と、更新部13とを少なくとも備える。
【0018】
配置部11は、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する機能を有する。
【0019】
ここで、現実空間の地図情報に対応する仮想空間とは、現実空間の地図情報を用いて生成された仮想空間を意味する。仮想空間を生成するための構成は特に限定されないが、現実空間の地図情報に基づいて仮想空間が生成されたことをユーザが認識し得る構成であることが好ましい。このような構成の例には、現実空間の道路や建物等に対応するオブジェクトを、現実空間における道路や建物等の位置に対応する位置に配置することで仮想空間を生成する構成がある。なお、現実空間における位置と、仮想空間における位置とを対応付けるための構成は特に限定されず、現実空間における座標と仮想空間における座標が1対1の関係で定義される構成としてもよいし、複数対1または1対複数の関係で定義される構成としてもよい。
【0020】
また、所定の出現条件とは、ビデオゲームにおいてオブジェクトが出現する条件を意味し、言い換えれば、オブジェクトが配置される予め定められた条件を意味する。出現条件は特に限定されないが、ユーザのビデオゲームの進行に応じて満たされる条件であることが好ましい。出現条件の例には、ユーザが、ビデオゲームにおけるストーリーを所定の段階まで進行させることや、所定のミッションをクリアすること、仮想空間における所定の場所を含む領域が端末20に表示されていることがある。なお、出願条件を、ビデオゲームを提供する側が設定可能な構成としてもよい。このような構成の例には、所定期間内であることを出現条件とする構成がある。
【0021】
また、出現条件を満たしたオブジェクトを配置するとは、当該出現条件に対応するオブジェクトを、当該オブジェクトと仮想空間における位置(あるいは領域)を対応付けることを意味する。ここで、オブジェクトを配置するための構成は特に限定されないが、オブジェクトが配置された位置または当該位置を含む領域が端末20の表示領域に含まれた場合に、当該オブジェクトが当該端末20の表示画面に表示され得るように配置する構成が好ましい。
【0022】
発生部12は、ユーザ端末20の位置情報に対応する仮想空間における位置と、オブジェクトの仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつユーザにより発生させることが可能なイベント(発生可能イベント)を発生させる機能を有する。
【0023】
ここで、ユーザ端末20の位置情報とは、現実空間における位置を示す情報を意味する。位置情報の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20の現実空間における位置を特定可能な座標を含む構成であることが好ましい。ユーザ端末20の位置情報を取得するための構成の例には、GPS信号を用いて取得する構成や、複数のビーコン発信機からの無線信号の受信強度情報に基づいて取得する構成がある。
【0024】
また、ユーザ端末20の位置情報に対応する仮想空間における位置(ユーザ仮想位置)は特に限定されないが、ユーザ自身に対応していることを当該ユーザが認識し得る構成が好ましい。このような構成の例には、ユーザ端末20の位置情報に対応する仮想空間における位置が、当該ユーザ端末20のユーザが操作するキャラクタ(ユーザキャラクタ)の位置として扱われる(例えば、ゲーム画面に表示される)構成がある。
【0025】
また、発生条件とは、オブジェクトに対応する発生可能イベントが発生するための少なくとも1の位置関係条件を含む条件を意味する。発生条件は特に限定されないが、ユーザが発生させようとする発生可能イベントについて、当該ユーザが当該発生可能イベントに対応するオブジェクトを選択することが含まれる条件が好ましい。位置関係条件を含む発生条件の例には、位置関係条件を満たし、かつ当該オブジェクトへの選択操作が行われることがある。
【0026】
また、ユーザ仮想位置とオブジェクトの仮想空間における位置(オブジェクト位置)との間の位置関係条件は特に限定されないが、位置関係条件を満たす方法をユーザが認識できる条件であることが好ましい。位置関係条件の例には、ユーザ仮想位置と、オブジェクト位置との間の距離が所定距離以下であることや、オブジェクト位置を基準とした所定領域内にユーザ仮想位置が存在することがある。
【0027】
また、ユーザにより発生させることが可能なイベント(発生可能イベント)とは、ユーザの現実空間や仮想空間における行動に基づき発生させることが可能なイベントを意味する。ユーザにより発生させることが可能なイベントは特に限定されないが、当該ユーザにより発生させることが可能である一方で、他ユーザにより発生させることが不可能か若しくは困難であるイベントであることが好ましい。ユーザにより発生させることが可能なイベントの例には、当該ユーザがオブジェクトに対応する敵キャラクタとの戦闘を行うイベントや、オブジェクトに対応するユーザ操作対象外のキャラクタ(ノンプレイヤキャラクタ:NPC)に関するイベントがある。
【0028】
更新部13は、発生部12により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する機能を有する。
【0029】
ここで、発生イベントの進捗状況とは、当該発生イベントの進み具合を意味する。発生イベントの進捗状況を示す情報は特に限定されないが、ユーザが発生イベントの進捗を認識し得る情報が好ましい。発生イベントの進捗状況の例には、戦闘中の敵キャラクタの体力の現在値や、倒した敵キャラクタのレベル、倒した敵キャラクタの数、NPCに関連するパラメータの現在値がある。
【0030】
また、オブジェクトに関連する情報は特に限定されないが、当該オブジェクトに対応する発生可能イベントに関する情報であることが好ましい。オブジェクトに関連する情報の例には、オブジェクトに対応する発生可能イベントに関する情報(イベント関連情報)がある。イベント関連情報の例には、イベントにおけるオブジェクトのパラメータや、イベントに登場するゲーム内要素の種類、イベントにおける演出態様の種類がある。
【0031】
また、ユーザにより発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新するとは、発生イベントの終了に基づいて発生可能イベントの内容に関する情報を更新することを意味する。発生可能イベントの内容を更新するための構成は特に限定されないが、発生部12により発生した発生可能イベントである発生イベントの終了後に、同一ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する構成であることが好ましい。このような構成の例には、同一オブジェクトに対応する発生可能イベントのオブジェクトレベルを更新する構成や、他のオブジェクトに対応する発生可能イベントに関する情報を更新する(すなわち発生イベントの結果を他の発生可能イベントに反映させる)構成がある。
【0032】
また、発生イベントの終了とは、発生イベントの終了条件がユーザにより満たされることを意味する。発生イベントの終了条件は特に限定されないが、終了条件をユーザが認識し得る構成であることが好ましい。発生イベントの終了条件の例には、ユーザが発生イベントを完了若しくは中断することや、発生イベントにおける所定のミッションをユーザが成功若しくは失敗することがある。
【0033】
また、発生可能イベントの内容を更新するとは、発生可能イベントの内容の少なくとも一部を変化させるか、若しくは当該内容を変化させずに維持することを意味する。発生可能イベントの内容を更新するための構成は特に限定されないが、オブジェクトに対応する発生イベントの終了条件が満たされ終了した後にユーザにより発生させることが可能な当該オブジェクトの発生可能イベントの内容を更新する構成や、発生可能イベントの更新後の内容の少なくとも一部をユーザが把握し得るように更新する構成が好ましい。発生可能イベントの内容を更新する構成の例には、発生可能イベントに関するパラメータを変化させる構成や、発生可能イベントとして発生するイベントの種類を追加若しくは変更する構成がある。
【0034】
複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、ユーザによって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置や所謂ウェアラブルデバイスなどのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。なお、ビデオゲーム処理システム100が含み得るユーザ端末の構成は上述した例に限定されず、ユーザが合成画像を認識し得る構成であればよい。ユーザ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0035】
また、複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)およびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0036】
次に、本例のビデオゲーム処理システム100(システム100)の動作について説明する。
【0037】
図3は、システム100が実行するビデオゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザの操作に応じてユーザ端末20の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御すること関連する処理が行われる。以下、サーバ10Aとユーザ端末20(端末20)とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0038】
ゲーム処理は、例えばサーバ10Aにアクセスした端末20のユーザによって所定の出現条件が満たされたことを契機に開始される。
【0039】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する(ステップS11)。本例においてサーバ10Aは、オブジェクトを配置すると、配置したオブジェクトを表示するためのオブジェクト配置情報を端末20に送信する。
【0040】
端末20は、サーバ10Aからオブジェクト配置情報を受信すると、オブジェクト配置情報に基づいて仮想空間において配置されたオブジェクトを表示する(ステップS12)。本例において端末20は、サーバ10Aからのオブジェクト配置情報に基づいて、所定の表示装置の表示画面にオブジェクト画像を含むゲーム画面を出力する。
【0041】
サーバ10Aは、オブジェクトを配置し位置関係条件を含む発生条件が満たされると、当該オブジェクトに対応しかつ端末20のユーザにより発生させることが可能なイベント(発生可能イベント)を発生させる(ステップS13)。本例においてサーバ10Aは、発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントに関する情報を表示するための発生イベント情報を端末20に送信する。
【0042】
端末20は、サーバ10Aから発生イベント情報を受信すると、発生イベント情報に基づいて所定の表示装置の表示画面にゲーム画面を出力する。(ステップS14)。
【0043】
サーバ10Aは、発生条件を満たす発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する(ステップS15)。本例においてサーバ10Aは、発生可能イベントの内容を更新すると、ここでの処理を終了する。
【0044】
図4は、ゲーム処理におけるサーバ10A側の動作の例を示すフローチャートである。ここでは、システム100におけるサーバ10Aの動作について改めて説明する。
【0045】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合に当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置し(ステップS101)、発生条件が満たされた場合に当該オブジェクトに対応する発生可能イベントを発生させ(ステップS102)、発生した当該発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいてユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する(ステップS103)。
【0046】
図5は、端末20がゲーム処理を実行する場合の端末20側の動作の例を示すフローチャートである。以下、端末20が、単体でゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、端末20の構成については、サーバ10から各種情報を受信することを除きサーバ10の構成と同様の機能を備えるものであるため、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0047】
端末20は、ゲーム処理において、先ず、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合に当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置し(ステップS201)、発生条件が満たされた場合に当該オブジェクトに対応する発生可能イベントを発生させ(ステップS202)、発生した当該発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいてユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する(ステップS203)。
【0048】
以上に説明したように、第1の実施形態の一側面として、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバ10Aが、配置部11と、発生部12と、更新部13とを備える構成としているので、所定の出現条件が満たされた場合に当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置し、発生条件が満たされた場合に当該オブジェクトに対応する発生可能イベントを発生させ、発生した当該発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいてユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新し、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることを可能にする。
【0049】
すなわち、現実空間の地図情報に対応する仮想空間に配置された1のオブジェクトに対応する発生可能イベントをユーザにより発生させ、発生した当該発生可能イベントである発生イベントの進捗に応じて、同一のユーザが次に発生させることが可能な発生可能イベントの内容が更新される。従って、例えば仮想空間における同様の位置に配置されたオブジェクトに対応する発生可能イベントを発生させる場合等において、ユーザ毎のビデオゲームの進行具合に適した発生可能イベントを発生させることができるようになる。言い換えれば、1のオブジェクトに関し、他ユーザではなくユーザ自身によって発生させた発生イベントの進捗状況に基づき、当該発生イベントの終了後に発生可能な発生可能イベントの内容を更新させることができるため、各ユーザ自身のペースでイベントを進行させることができるようになり、結果としてビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることが可能になる。
【0050】
[第2の実施形態]
図6は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10B(サーバ10B)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Bは、配置部11と、発生部12と、更新部13Bとを少なくとも備える。
【0051】
第2の実施形態に係る「発生可能イベントの内容」は、発生可能イベントのクリア条件を含む。
【0052】
ここで、発生可能イベントのクリア条件とは、発生可能イベントをクリアする条件を意味する。発生可能イベントのクリア条件は特に限定されないが、発生可能イベントをクリアするために現実空間や仮想空間において取るべき行動をユーザが把握し得る条件であることが好ましい。発生可能イベントのクリア条件の例には、敵キャラクタとの戦闘イベントにおいて敵キャラクタを倒すことや、オブジェクトに関するイベントにおいて設定された行動を取ること等がある。
【0053】
更新部13Bは、クリア条件が満たされたか否かを含む発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントのクリア条件を更新する機能を有する。
【0054】
ここで、発生可能イベントのクリア条件を更新するとは、発生可能イベントをクリアする条件に関する情報を更新することを意味する。発生可能イベントのクリア条件を更新するための構成は特に限定されないが、更新時の発生イベントの進行具合に応じたクリア条件に更新する構成であることが好ましい。発生可能イベントのクリア条件を更新するための構成の例には、発生可能イベントのクリア難易度を変更する構成や、発生可能イベントとして発生するイベントの種類を追加、変更する構成がある。
【0055】
図7は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Bと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Bと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0056】
サーバ10Bは、ゲーム処理において、発生条件を満たす発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントのクリア条件を更新する(ステップS2-11)。本例においてサーバ10Bは、発生可能イベントのクリア条件を更新すると、ここでの処理を終了する。
【0057】
以上に説明したように、第2の実施形態の一側面として、サーバ10Bが、配置部11と、発生部12と、更新部13Bとを備える構成をしているので、発生可能イベントの内容は発生可能イベントのクリア条件を含み、クリア条件が満たされたか否かを含む発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントのクリア条件を更新し、各ユーザに適したクリア条件に更新することができるようになるため、同一のオブジェクトに対応する発生可能イベントに対するユーザの興味を維持させることができる。
【0058】
[第3の実施形態]
図8は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10C(サーバ10C)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Cは、配置部11と、発生部12Cと、更新部13Cとを少なくとも備える。
【0059】
第3の実施形態に係る「発生可能イベントのクリア条件」は、ユーザが所定のゲーム内要素を所定数消費することを含む。
【0060】
ここで、ユーザが所定のゲーム内要素を所定数消費するとは、ユーザが保有する所定の1又は2以上の種類のゲーム内要素を、発生可能イベントのクリア条件を満たすために所定数消費することを意味する。ユーザが所定のゲーム内要素を所定数消費するための構成は特に限定されないが、所定のゲーム内要素が所定数消費されることをユーザが認識し得る構成が好ましい。ユーザが所定のゲーム内要素を所定数消費する構成の例には、ユーザから所定のゲーム内要素の選択操作に基づいて当該ゲーム内要素を所定数消費する構成や、発生イベントとして所定のゲーム内要素をユーザが保有していると判定されると当該ゲーム内要素が所定数消費される構成がある。
【0061】
図9は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Cと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Cと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0062】
サーバ10Cは、ゲーム処理において、オブジェクトを配置し位置関係条件を含む発生条件が満たされると、ユーザが所定のゲーム内要素を所定数消費することを含むクリア条件の発生可能イベントを発生させる(ステップS3-11)。本例においてサーバ10Cは、ユーザが所定のゲーム内要素を所定数消費することを含むクリア条件の発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントに関する情報を表示するための発生イベント情報を端末20に送信する。
【0063】
サーバ10Cは、発生条件を満たす発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を、クリア条件が所定のゲーム内要素をユーザが所定数消費することを含むように更新する(ステップS3-12)。本例においてサーバ10Cは、発生可能イベントの内容を更新すると、ここでの処理を終了する。
【0064】
以上に説明したように、第3の実施形態の一側面として、サーバ10Cが、配置部11と、発生部12Cと、更新部13Cとを備える構成をしているので、発生可能イベントのクリア条件が、ユーザが所定のゲーム内要素を所定数消費することを含み、発生可能イベントをクリアするために所定のゲーム内要素を入手すべく現実空間や仮想空間における行動をユーザに起こさせることで、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることを可能にする。
【0065】
[第4の実施形態]
図10は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10D(サーバ10D)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Dは、配置部11と、発生部12と、更新部13Dとを少なくとも備える。
【0066】
第3の実施形態に係る「発生可能イベントの内容」は、発生可能イベントの効果を含む。
【0067】
ここで、発生可能イベントの効果とは、発生した発生可能イベントである発生イベントの進行に応じた結果に基づいてユーザがビデオゲームにおいて得るものを意味する。発生可能イベントの効果は特に限定されないが、ビデオゲームの進行を有利にする効果であることが好ましい。発生可能イベントの効果の例には、ユーザによるビデオゲームの進行に関するパラメータの変化や、ユーザへのゲーム内要素の付与がある。
【0068】
更新部13Dは、発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの効果を更新する機能を有する。
【0069】
ここで、発生可能イベントの効果を更新するとは、発生した当該発生可能イベントである発生イベントの進行に応じた結果に基づいてユーザがビデオゲームにおいて得るものに関する情報を更新することを意味する。発生可能イベントの効果を更新するための構成は特に限定されないが、更新後の発生イベントの効果以外の内容に応じて効果を更新する構成であることが好ましい。発生可能イベントの効果を更新する構成の例には、ユーザによるビデオゲームの進行において発生するパラメータの変化の量、変更対象のパラメータを変更する構成や、ユーザへ付与するゲーム内要素の種類、数を変更する構成がある。
【0070】
図11は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Dと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Dと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0071】
サーバ10Dは、ゲーム処理において、発生条件を満たす発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの効果を更新する(ステップS4-11)。本例においてサーバ10Dは、発生可能イベントの効果を更新すると、ここでの処理を終了する。
【0072】
以上に説明したように、第4の実施形態の一側面として、サーバ10Dが、配置部11と、発生部12と、更新部13Dとを備える構成をしているので、発生可能イベントの内容は発生可能イベントの効果を含み、発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの効果を更新し、各ユーザに適した効果に更新することができるようになり、効果を目的とした発生可能イベントの発生をユーザに促すことを可能にする。
【0073】
[第5の実施形態]
図12は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10E(サーバ10E)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Eは、配置部11と、発生部12Eと、更新部13Eとを少なくとも備える。
【0074】
第5の実施形態に係る「発生可能イベントの効果」は、発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加する際の当該オブジェクトに関連する情報を更新することを含む。
【0075】
ここで、発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加するとは、発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに影響を与えることを意味する。発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加するための構成は特に限定されないが、当該オブジェクトが参加することで他の発生可能イベントにおける状況がユーザにとって有利に変化する構成が好ましい。発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加する構成の例には、発生イベントに対応するオブジェクトであるNPCが敵キャラクタとの戦闘に助っ人として参加する構成がある。
【0076】
また、オブジェクトに関連する情報を更新するとは、オブジェクトに関連する情報のうち発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加する際に参照する情報の対象を更新することを意味する。オブジェクトに関連する情報を更新するための構成は特に限定されないが、当該オブジェクトが他の発生可能イベントに参加することで当該他の発生可能イベントにおけるユーザの状況が有利になるように更新する構成が好ましい。オブジェクトに関連する情報を更新する構成の例には、他の発生可能イベントが戦闘イベントである場合に、NPCが戦闘に参加する際の当該NPCの戦闘に関するステータスを更新する構成がある。
【0077】
図13は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Eと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Eと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0078】
サーバ10Eは、ゲーム処理において、オブジェクトを配置し位置関係条件を含む発生条件が満たされると、発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加する際の当該オブジェクトに関連する情報を更新する効果の発生可能イベントを発生させる(ステップS5-11)。本例においてサーバ10Eは、発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントに関する情報を表示するための発生イベント情報を端末20に送信する。
【0079】
サーバ10Eは、発生条件を満たす発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を、効果が発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加する際の当該オブジェクトに関連する情報を更新することを含むように更新する(ステップS5-12)。本例においてサーバ10Eは、発生可能イベントの内容を更新すると、ここでの処理を終了する。
【0080】
以上に説明したように、第5の実施形態の一側面として、サーバ10Eが、配置部11と、発生部12Eと、更新部13Eとを備える構成をしているので、発生可能イベントの効果が、発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加する際の当該オブジェクトに関連する情報を更新することを含み、オブジェクトに対応する発生可能イベントだけでなく他の発生可能イベントに直接影響を与えることでき、さらに与える影響の度合いを変化させることができ、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることを可能にする。
【0081】
[第6の実施形態]
図14は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10F(サーバ10F)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Fは、配置部11と、発生部12と、更新部13と、移動部14とを少なくとも備える。
【0082】
移動部14は、配置されたオブジェクトの位置関係条件が満たされておらず、かつ所定の移動条件が満たされた場合、当該位置関係条件が満たされるように、当該オブジェクトを移動させる機能を有する。
【0083】
ここで、所定の移動条件は特に限定されないが、ユーザにより任意に満たされる条件であることが好ましい。所定の移動条件の例には、ユーザによるオブジェクトに対する選択操作が行われることがある。
【0084】
また、位置関係条件が満たされるようにオブジェクトを移動させるとは、位置関係条件を満たす状況になるように仮想空間においてオブジェクトの位置を変化させることを意味する。位置関係条件が満たされるようにオブジェクトを移動させる構成は特に限定されないが、オブジェクトが位置関係条件を満たすように移動している様子をユーザが認識できる構成が好ましい。位置関係条件が満たされるようにオブジェクトを移動させる構成の例には、位置関係条件がユーザ仮想位置とオブジェクト位置との間の距離が所定距離以上である場合に、ユーザに対し近づいていくように(すなわち、オブジェクトとユーザとの距離を短くするように)オブジェクトを移動させる構成がある。
【0085】
図15は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Fと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Fと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0086】
サーバ10Fは、ゲーム処理において、オブジェクトを配置し位置関係条件が満たされていないオブジェクトの移動条件が満たされると、当該位置関係条件が満たされるように、当該オブジェクトを移動させる(ステップS6-11)。
【0087】
以上に説明したように、第6の実施形態の一側面として、サーバ10Fが、配置部11と、発生部12と、更新部13と、移動部14とを備える構成としているので、配置されたオブジェクトの位置関係条件が満たされておらず、かつ所定の移動条件が満たされた場合、当該位置関係条件が満たされるように、当該オブジェクトを移動させ、位置関係条件を満たすようにユーザが現実空間で移動することが困難な状況である場合でも発生可能イベントを発生させることができ、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることが可能になる。
【0088】
[第7の実施形態]
図16は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10G(サーバ10G)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Gは、配置部11Gと、発生部12と、更新部13と、変化部15とを少なくとも備える。
【0089】
変化部15は、所定の変化条件が満たされた場合、端末20に表示される仮想空間を地図情報に対応する他の仮想空間に変化させる機能を有する。
【0090】
ここで、変化条件とは、端末20に表示される仮想空間が現実空間の地図情報に対応する他の仮想空間に変化する条件を意味する。変化条件は特に限定されないが、端末20に表示される仮想空間の変化タイミングをユーザが認識し得る条件であることが好ましい。変化条件の例には、仮想空間において所定のアイテムやスキルをユーザが使用することや、ビデオゲームを提供する側が予め設定したタイミングになることがある。
【0091】
端末20に表示される仮想空間を地図情報に対応する他の仮想空間に変化させるとは、端末20に表示する仮想空間を現在表示中の仮想空間から他の仮想空間に切り替えることを意味する。端末20に表示される仮想空間を地図情報に対応する他の仮想空間に変化させる構成は特に限定されないが、現在表示中の仮想空間が変化したことをユーザが認識し得る構成が好ましい。端末20に表示される仮想空間を地図情報に対応する他の仮想空間に変化させる構成の例には、仮想空間に対応するフィールド画像を他のフィールド画像に変化させる構成がある。
【0092】
配置部11Gは、他の仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たし、かつ仮想空間には配置されないオブジェクトを配置する機能を有する。
【0093】
ここで、所定の出現条件とは、ビデオゲームにおいて他の仮想空間にオブジェクトが出現する条件を意味し、言い換えれば、オブジェクトが配置される予め定められた条件を意味する。所定の出現条件は特に限定されないが、ユーザのビデオゲームの進行に応じて満たされる条件であることが望ましい。出現条件の例には、端末20に表示される仮想空間の変化前と同様の条件や異なる条件がある。
【0094】
また、仮想空間には配置されないオブジェクトとは、端末20に表示される仮想空間の変化前において仮想空間に配置されず、他の仮想空間に配置されるオブジェクトを意味する。仮想空間には配置されないオブジェクトは特に限定されないが、変化前の仮想空間において配置されるオブジェクトとは種類や発生可能イベントの内容が異なるオブジェクトであることが好ましい。仮想空間には配置されないオブジェクトの例には、他の仮想空間のフィールドの世界観に合わせたオブジェクトや、変化前の仮想空間において配置されるオブジェクトや、仮想空間には配置されないオブジェクトに対応する発生可能イベントの一部が異なるオブジェクトがある。
【0095】
図17は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Gと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Gと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0096】
サーバ10Gは、ゲーム処理において、先ず、所定の変化条件が満たされた場合、端末20に表示される仮想空間を地図情報に対応する他の仮想空間に変化させる(ステップS7-11)。本例においてサーバ10Gは、他の仮想空間に変化させると、他の仮想空間を表示するための仮想空間変化情報を端末20に送信する。
【0097】
サーバ10Gは、端末20に表示される仮想空間が他の仮想空間に変化し当該出現条件を満たすと、仮想空間には配置されないオブジェクトを配置する(ステップS7-12)。本例においてサーバ10Gは、オブジェクトを配置すると、他の仮想空間に配置したオブジェクトを表示するためのオブジェクト配置情報を端末20に送信する。
【0098】
端末20は、サーバ10Gから仮想空間変化情報とオブジェクト配置情報とを受信すると、仮想空間変化情報に基づいて他の仮想空間を表示し、さらにオブジェクト配置情報に基づいて当該他の仮想空間において配置されたオブジェクトを表示する(ステップS7-13)。
【0099】
以上に説明したように、第7の実施形態の一側面として、サーバ10Gが、配置部11Gと、発生部12と、更新部13と、変化部15とを備える構成としているので、ユーザ端末に表示される仮想空間を地図情報に対応する他の仮想空間に変化させ、出現条件は、ユーザ端末に表示される仮想空間が他の仮想空間に変化したことを含み、他の仮想空間において、出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たし、かつ仮想空間には配置されないオブジェクトを配置し、現実空間における同様の場所であっても異なる仮想空間を表示させることができ、ユーザの生活圏でビデオゲームをプレイする場合等において、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることが可能になる。
【0100】
[第8の実施形態]
図18は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10H(サーバ10H)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Hは、配置部11と、発生部12と、更新部13Hと、受付部16とを少なくとも備える。
【0101】
第8の実施形態に係る「発生条件」は、位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作が受け付けられたことを含む。
【0102】
ここで、発生可能イベントの内容に関するユーザ操作とは、発生可能イベントの内容が決定され得るユーザ操作を意味する。発生可能イベントの内容に関するユーザ操作は特に限定されないが、ユーザからの発生可能イベントの内容を選択する操作であることが好ましい。発生可能イベントの内容に関するユーザ操作の例には、発生可能イベントとしてのイベントの種類や難易度を選択する操作がある。
【0103】
また、ユーザ操作は特に限定されないが、ユーザが発生可能イベントの内容を決定する操作だと認識し得る操作であることが好ましい。ユーザ操作の例には、発生可能イベントの内容に関する複数の情報が示される画面においていずれかの情報に対する選択操作がある。
【0104】
受付部16は、位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作を受け付ける機能を有する。
【0105】
更新部13Hは、ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を、受付部16により受け付けたユーザ操作に基づき更新する機能を有する。
【0106】
受付部16により受け付けたユーザ操作に基づき更新するとは、位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作に基づき、ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新することを意味する。受付部16により受け付けたユーザ操作に基づき更新するための構成は特に限定されないが、ユーザが選択した内容に更新する構成が好ましい。受付部16により受け付けたユーザ操作に基づき更新する構成の例には、ユーザ操作で選択された種類や難易度となるように発生可能イベントの内容を更新する構成や、ユーザ操作に基づいて発生可能イベントの内容を定める所定の判定規則を用いて当該発生可能イベントの内容を更新する構成がある。
【0107】
図19は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Hと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Hと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0108】
端末20は、ゲーム処理において、所定の表示装置の表示画面にオブジェクト画像を含むゲーム画面が出力されると、位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作を入力する(ステップS8-11)。本例において端末20は、ユーザ操作が入力されると、ユーザ操作を示すユーザ操作情報をサーバ10Hに送信する。
【0109】
サーバ10Hは、端末20からユーザ操作情報を受信すると、当該ユーザ操作を受け付け(ステップS8-12)、ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を、受け付けたユーザ操作に基づき更新する(ステップS8-13)。本例においてサーバ10Hは、発生可能イベントの内容をユーザ操作に基づき更新すると、当該オブジェクトに対応する発生可能イベントを発生させる。
【0110】
以上に説明したように、第8の実施形態の一側面として、サーバ10Hが、配置部11と、発生部12と、更新部13Hと、受付部16とを備える構成としているので、位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作が受け付け、ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を、受け付けたユーザ操作に基づき更新し、ユーザが所望する内容の発生可能イベントを発生させることができ、結果としてユーザにより適したイベントが発生することを期待でき、結果としてビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることができる。
【0111】
[第9の実施形態]
図20は、システム100(
図1参照)におけるビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10Z(サーバ10Z)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Zは、配置部11Zと、発生部12Zと、更新部13Zと、移動部14Zと、受付部16Zと、記憶部17Zと、表示部18Zとを少なくとも備える。
【0112】
配置部11Zは、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する機能を有する。
【0113】
ここで、現実空間の地図情報に対応する仮想空間とは、現実空間の地図情報を用いて生成された仮想空間を意味する。以下、システム100が、地図情報とPOI情報を取得して、取得した地図およびPOI情報に基づいて、一定のルール(ランダム含む)に従って敵キャラクタ(特に、イベントに対応する通常よりも高いパラメータが設定されたキャラクタ、強敵。)を配置する場合を例にして説明する。なお、本例において、端末20は、現在の位置情報を元にサーバ10Zから情報を取得し、表示範囲に対応する仮想空間に強敵が配置されている場合、強敵を含むゲーム画面を表示する。また、本例において、ビデオゲームに参加する全ユーザに対し、強敵位置は共通とする。
【0114】
また、所定の出現条件とは、ビデオゲームにおいてオブジェクト出現する条件を意味し、言い換えれば、オブジェクトが配置される予め定められた条件を意味する。以下、出現条件が、ビデオゲームにおけるストーリーを進行させるための所定のクエストのクリアであることや、ビデオゲームを提供する側が設定した所定期間内であることを例にして説明する。すなわち、本例において、配置されるオブジェクトには、クエストのクリア条件に対応する強敵だけでなく、所定期間登場するノンプレイヤキャラクタ(NPC)が含まれる。なお、NPCには、ユーザの仲間となるキャラクタが含まれる構成としてもよい。
【0115】
また、出現条件を満たしたオブジェクトを配置するとは、当該出現条件に対応するオブジェクトを、当該オブジェクトと仮想空間における位置(あるいは領域)を対応付けることを意味する。以下、出現条件を満たしたオブジェクト(敵キャラクタやユーザ操作対象外のキャラクタ)が配置された位置または当該位置含む領域が端末20の表示領域に含まれた場合に、当該オブジェクトが当該端末20の表示画面に表示され得るように配置する構成を例にして説明する。
【0116】
発生部12Zは、ユーザ端末20の位置情報に対応する仮想空間における位置と、オブジェクトの仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつユーザにより発生させることが可能なイベント(発生可能イベント)を発生させる機能を有する。
【0117】
ここで、ユーザ端末20の位置情報とは、現実空間における位置を示す情報を意味する。以下、GPS信号を用いた位置情報がユーザ端末20の位置情報である構成を例にして説明する。
【0118】
また、ユーザ端末20の位置情報に対応する仮想空間における位置(ユーザ仮想位置)は特に限定されないが、ユーザ自身に対応していることを当該ユーザが認識し得る構成が好ましい。以下、ユーザ端末20がGPS信号を用いて取得する位置情報に対応する地図情報上の位置に対応する仮想空間における位置が、当該ユーザ端末20のユーザが操作するキャラクタ(ユーザキャラクタ)の位置として扱われる(例えば、ゲーム画面に表示される)構成を例にして説明する。
【0119】
また、発生条件とは、オブジェクトに対応する発生可能イベントが発生するための少なくとも1の位置関係条件を含む条件を意味する。以下、発生条件が、ユーザが位置関係条件を満たし、かつオブジェクトに対する選択操作(例えばタップ操作)を行うことである構成を例にして説明する。
【0120】
また、ユーザ仮想位置とオブジェクトの仮想空間における位置(オブジェクト位置)との間の位置関係条件は特に限定されないが、位置関係条件を満たす方法をユーザが認識できる条件であることが好ましい。以下、位置関係条件が、ユーザ仮想位置と、オブジェクト位置との間の距離が所定距離以下であることである構成を例にして説明する。
【0121】
また、ユーザにより発生させることが可能なイベント(発生可能イベント)とは、ユーザの現実空間や仮想空間における行動に基づき発生させることが可能なイベントを意味する。以下、発生可能イベントが、所定の敵キャラクタとの戦闘イベントや、NPCに所定のアイテムを与えて所定パラメータを上昇させるイベントである構成を例にして説明する。
【0122】
更新部13Zは、発生部12Zにより発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する機能を有する。
【0123】
ここで、発生イベントの進捗状況とは、当該発生イベントの進み具合を意味する。以下、発生イベントの進捗状況が、戦闘中の敵キャラクタの体力の現在値や、倒した敵キャラクタのレベル、倒した敵キャラクタの数、NPCに所定のアイテムを与えた結果として変化したNPCに関する情報ある構成を例にして説明する。NPCに関する情報の例には、NPCのレベル(絆レベル)を示す情報、NPCに対応するパラメータがある。
【0124】
また、オブジェクトに関連する情報は特に限定されないが、当該オブジェクトに対応する発生可能イベントに関する情報であることが好ましい。以下、オブジェクトに関連する情報が、敵キャラクタの各レベルにおける戦闘ステータスや、NPCの各レベルにおいて与えられる効果を示す情報などである構成を例にして説明する。
【0125】
また、ユーザにより発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新するとは、発生イベントの終了に基づいて発生可能イベントの内容に関する情報を更新することを意味する。発生可能イベントの内容を更新するための構成は特に限定されないが、発生部12により発生した発生可能イベントである発生イベントの終了後に、同一ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新することを意味する。以下、敵キャラクタとの戦闘の終了後に次に当該敵キャラクタとの戦闘を行う場合の当該敵キャラクタのレベルを更新する構成や、NPCのレベルが上がった場合にユーザに与えられる効果を更新する構成を例にして説明する。
【0126】
また、発生イベントの終了とは、発生イベントの終了条件がユーザにより満たされることを意味する。以下、終了条件が、ユーザの操作対象のキャラクタと敵キャラクタとの戦闘において勝敗が決まることや、NPCのレベルを上げるためのパラメータが所定値まで上昇し当該レベルが上がることを例にして説明する。
【0127】
また、発生可能イベントの内容を更新するとは、発生イベントの内容の少なくとも一部を変化させるか、若しくは当該内容を変化させずに維持することを意味する。
【0128】
ここで、発生可能イベントの内容には、発生可能イベントのクリア条件や効果が含まれる。発生可能イベントのクリア条件は、発生可能イベントをクリアする条件を意味する。以下、発生可能イベントのクリア条件が、敵キャラクタとの戦闘イベントにおいて敵キャラクタを倒すことや、NPCに対し所定のアイテムを与えることである構成を例にして説明する。また、発生可能イベントの効果は、発生した発生可能イベントである発生イベントの進行に応じた結果に基づいてユーザが得るものを意味する。以下、発生可能イベントの効果が、倒した敵キャラクタのレベルに応じたアイテムや経験値を入手することや、NPCのレベル(絆レベル)を上昇させるためのパラメータが上昇したり、当該絆レベルが上昇することにより、所定のアイテムを入手したり、ユーザが敵キャラクタとの戦闘を行う際に助っ人として戦闘に参加するNPCの強さを変更したりする構成を例にして説明する。
【0129】
移動部14Zは、配置されたオブジェクトの位置関係条件が満たされておらず、かつ所定の移動条件が満たされた場合、当該位置関係条件が満たされるように、当該オブジェクトを移動させる機能を有する。
【0130】
ここで、所定の移動条件は特に限定されないが、ユーザにより任意に満たされる条件であることが好ましい。以下、移動条件が、オブジェクトに対する選択操作(タップ操作)を行うことである構成を例にして説明する。
【0131】
また、位置関係条件が満たされるようにオブジェクトを移動させるとは、位置関係条件を満たす状況になるように仮想空間においてオブジェクトを移動させることを意味する。以下、オブジェクトに対する選択操作を行うと、オブジェクトがユーザのキャラクタに近づいてくる構成を例にして説明する。
【0132】
受付部16Zは、位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作を受け付ける機能を有する。
【0133】
ここで、発生可能イベントの内容に関するユーザ操作とは、発生可能イベントの内容が決定され得るユーザ操作を意味する。以下、ユーザ操作が、戦闘を行う敵キャラクタのレベルを選択する操作である構成を例にして説明する。
【0134】
また、更新部13Zは、ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を、受付部16Zにより受け付けたユーザ操作に基づき更新する機能を有する。
【0135】
受付部16Zにより受け付けたユーザ操作に基づき更新するとは、位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作に基づき、ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新することを意味する。以下、敵キャラクタとの戦闘イベントを、受付部16Zが受け付けた選択レベルの敵キャラクタと戦闘する内容に更新する構成を例にして説明する。
【0136】
記憶部17Zは、ユーザ毎のビデオゲームの進捗に関連する情報(ユーザ進捗情報)と、配置部11Zにより配置される各オブジェクトに関連する情報(オブジェクト関連情報)とを記憶する機能を有する。
【0137】
図21は、記憶部17Zに記憶されるユーザ進捗情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
図21に示すように、記憶部17Zは、ユーザIDと、オブジェクトIDと、オブジェクトレベルと、獲得済ポイントとを対応付けて記憶する。
【0138】
ここで、ユーザIDは、複数のユーザを識別するための情報である。また、オブジェクトIDは、複数のオブジェクトを識別するための情報である。
【0139】
また、オブジェクトレベルは、各ユーザに対応するそれぞれのオブジェクトの現在レベルである。すなわち、オブジェクトレベルは、オブジェクトにおいて、ユーザ毎に個別に管理されるレベルである。また、獲得済ポイントは、各ユーザに対応するそれぞれのオブジェクトに対応するポイント(例えば、経験値)である。獲得済ポイントも、同一のオブジェクトにおいて、ユーザ毎に個別に管理される。以下、獲得済ポイントとして、絆ポイントなどを管理する場合を例にして説明する。
【0140】
図22、
図23は、記憶部17Zに記憶されるオブジェクト関連情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
図22に示すように、記憶部17Zは、オブジェクトIDと、オブジェクト名と、レベルと、ステータスと、累計ポイント特典獲得とを対応付けて記憶する。
図22には、オブジェクトが敵キャラクタである場合のオブジェクト関連情報の格納状態の例が示されている。
【0141】
ここで、オブジェクト名は、敵キャラクタの名前である。ステータスは、各レベルに対応付けて記憶される。ここで、ステータスの獲得累計ポイントは、対応するレベルの敵キャラクタを倒した場合にユーザが獲得可能なポイントである。また、レベル別獲得特典は、対応するレベルの敵キャラクタを倒した場合に獲得可能なアイテムである。累計ポイント特典獲得の必要累計ポイントは、特典を獲得するために必要となる獲得累計ポイントである。獲得特典は、累計獲得ポイントに応じてユーザが獲得する特典である。
【0142】
また、
図23に示すように、記憶部17Zは、オブジェクトIDと、オブジェクト名と、レベルと、贈り物と、獲得絆ポイントと、必要絆ポイントと、絆効果とを対応付けて記憶する。
図23には、オブジェクトがNPCである場合のオブジェクト関連情報の格納状態の例が示されている。
【0143】
ここで、オブジェクト名は、NPCの名前である。贈り物は、NPCに与える(ユーザが消費する)アイテムである。獲得絆ポイントは、贈り物をNPCに与えた場合にユーザが獲得する絆ポイントである。必要絆ポイント及び絆効果は、各レベルに対応付けて記憶部17Zに記憶される。必要絆ポイントは、絆レベルを1つ上昇させるために必要な絆ポイントである。なお、絆ポイントは、敵キャラクタとの戦闘にNPCが参加した場合においてもユーザが獲得可能でもよい。絆効果は、獲得した絆ポイントに応じてユーザに与えられるビデオゲーム内の効果である。絆効果の例には、ユーザにアイテムが付与されるものや、NPCが助っ人として戦闘に参加するようになるもの、NPCが戦闘において新しいスキルを使用するようになるもの、NPCの戦闘におけるステータスが上昇するもの等がある。
【0144】
図24は、システム100が実行するビデオゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザの操作に応じてユーザ端末20の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御すること関連する処理が行われる。以下、サーバ10Zとユーザ端末20(端末20)とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0145】
ゲーム処理は、例えばサーバ10Zにアクセスした端末20のユーザによって所定の出現条件が満たされたことを契機に開始される。
【0146】
サーバ10Zは、ゲーム処理において、先ず、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する(ステップS9-11)。本例においてサーバ10Zは、オブジェクトを配置すると、配置したオブジェクトを表示するためのオブジェクト配置情報を端末20に送信する。
【0147】
端末20は、サーバ10Zからオブジェクト配置情報を受信すると、オブジェクト配置情報に基づいて仮想空間において配置されたオブジェクトを表示する(ステップS9-12)。
【0148】
サーバ10Zは、オブジェクトを配置し位置関係条件が満たされていないオブジェクトの移動条件が満たされると、当該位置関係条件が満たされるように、当該オブジェクトを移動させる(ステップS9-13)。
【0149】
端末20は、所定の表示装置の表示画面にオブジェクト画像を含むゲーム画面が出力されると、位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作を入力する(ステップS9-14)。本例において端末20は、ユーザ操作が入力されると、ユーザ操作の内容を示すユーザ操作情報をサーバ10Zに送信する。
【0150】
サーバ10Zは、端末20からユーザ操作情報を受信すると、当該ユーザ操作を受け付け(ステップS9-15)、受け付けたユーザ操作に基づき、記憶部17Zに記憶された情報のうち発生可能イベントの内容の更新に必要な情報を特定する(ステップS9-16)。
【0151】
サーバ10Zは、発生可能イベントの内容の更新に必要な情報を特定すると、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する(ステップS9-17)。
【0152】
サーバ10Zは、オブジェクトを配置し位置関係条件を含む発生条件が満たされると、当該オブジェクトに対応する発生可能イベントを発生させる(ステップS9-18)。本例においてサーバ10Zは、発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントに関する情報を表示するための発生イベント情報を端末20に送信する。
【0153】
端末20は、サーバ10Zから発生イベント情報を受信すると、発生イベント情報に基づいて所定の表示装置の表示画面にゲーム画面を出力する。(ステップS9-19)。本例において端末20は、ゲーム画面を出力すると、発生イベントに関する操作の情報であるイベント操作情報をサーバ10Zに送信する。
【0154】
サーバ10Zは、発生条件を満たす発生可能イベントが発生すると、発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクト関連情報とに基づいて、記憶部17Zに記憶された情報のうち発生可能イベントの内容の更新に必要な情報を特定する(ステップS9-20)。
【0155】
サーバ10Zは、発生可能イベントの内容の更新に必要な情報を特定すると、発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する(ステップS9-21)。本例においてサーバ10Zは、発生可能イベントの内容を更新すると、ここでの処理を終了する。
【0156】
【0157】
本例のビデオゲームは、いわゆるロールプレイングゲームと呼ばれるコンテンツを含む。ユーザの分身であるユーザキャラクタが仮想空間を探索してアイテムを発見したり、モンスターと戦闘したりすることで、ユーザキャラクタの成長やビデオゲーム内のストーリー進行などが起こる。ここで、ビデオゲームの仮想空間は、現実空間の地図情報に対応している。仮想空間には、オブジェクトが配置され、所定の発生条件を満たすことで、対応するイベントが発生する。オブジェクトが配置される位置は、複数のユーザ間で同様である。すなわち、仮想空間においてオブジェクトが、複数のユーザ間で共通して配置される。その一方、オブジェクトに対応するイベントの内容は各ユーザにより異なる場合があり(例えば、登場する敵キャラクタのレベルに差があり)、イベントを発生させるユーザ自身のイベントの進捗状況によって更新される。
【0158】
先ず、
図25について説明する。ゲーム画面には、ユーザのユーザキャラクタ2510と、敵キャラクタオブジェクト2520と、NPCオブジェクト2530が示されている。ここで、ユーザキャラクタ2510を基準としたイベント発生可能領域2540が示されている。
【0159】
ユーザキャラクタ2510は、表示画面の中央寄りの場所に示され、端末20の位置情報に対応する仮想空間における位置に表示されている。現実空間において端末20の位置が変化すると、ユーザキャラクタ2510は、仮想空間において同様に移動する。また、ユーザキャラクタ2510の移動に応じて、イベント発生可能領域2540も移動する。
【0160】
イベント発生可能領域1841は、オブジェクトに対応する発生可能イベントの発生条件に含まれる位置関係条件を満たす領域である。イベント発生可能領域1841内の敵キャラクタオブジェクト2520にユーザが選択操作を行うと、敵キャラクタとの戦闘を開始するための選択画面が表示される。また、イベント発生可能領域1841内のNPCオブジェクト2530にユーザが選択操作を行うと、NPCに贈り物を与えるイベントが発生する。
【0161】
図26について説明する。
図26(a)のゲーム画面には、イベント発生可能領域1841内の敵キャラクタオブジェクト2520にユーザが選択操作を行った場合の選択情報が示されている。敵画像2601及び敵名2602は、敵キャラクタオブジェクト2520に対応する画像と名前である。類型討伐ポイント報酬2603及びレベル別討伐報酬2605は、それぞれ戦闘において敵キャラクタを倒した場合における、獲得累計ポイントに応じて次に獲得できる報酬(
図22の獲得特典に対応)と、現在の敵キャラクタのレベルに応じて獲得できる報酬(
図22のレベル別獲得特典に対応)である。ここで、ポイントメーター2604は、類型討伐ポイント報酬2603の獲得するための獲得累計ポイントの獲得状況を示す。また、設定可能レベル情報2606は、現時点でユーザが設定可能な敵キャラクタのレベルである。また、戦闘を行う際の敵キャラクタのレベルを変更するためのレベル変更ボタン2607と、設定されたレベルの敵キャラクタとの戦闘を開始する(敵キャラクタに挑戦する)ための挑戦ボタン2608と、敵キャラクタとの戦闘を行わないためのやめるボタン2609が示されている。
【0162】
図26(b)のゲーム画面には、イベント発生可能領域1841内のNPCオブジェクト2530にユーザが選択操作を行った場合の情報が示されている。NPC画像2610及びNPC名2611は、NPCオブジェクト2530に対応する画像と名前である。NPCレベル2612は、NPCオブジェクト2530の現在のレベルである。ポイントメーター2613は、NPCオブジェクト2530の次のレベルまでの経験値の獲得状況である。次の絆効果2614及び必要アイテム2615は、それぞれ次にレベルが上昇した際に獲得できる絆効果と、絆ポイントを獲得するために必要なアイテム(贈り物)である。なお、本例では、ユーザが必要アイテムを保有している場合、自動的にNPCオブジェクト2530へ必要アイテムが与えられる。とじるボタン2616は、
図26(b)に示されている画面を閉じて
図25に示されたゲーム画面に戻るためのボタンである。
【0163】
図27について説明する。
図27(a)において端末20の一例であるスマートフォン上に表示されているゲーム画面には、ユーザのユーザキャラクタ2710と、敵キャラクタオブジェクト2720が示されている。ここで、ユーザキャラクタ2710を基準としたイベント発生可能領域2740が示されている。敵キャラクタオブジェクト2720は、イベント発生可能領域2740の外側に存在する。ここで、ユーザが自身の手2750で敵キャラクタオブジェクト2720にタッチ操作をすると、
図27(b)に表示されているゲーム画面に示されるように、敵キャラクタオブジェクト2720がイベント発生可能領域2740の内側に移動する。
【0164】
以上に説明したように、第7の実施形態の一側面として、サーバ10Zが、配置部11Zと、発生部12Zと、更新部13Zと、移動部14Zと、受付部16Zと、記憶部17Zと、表示部18Zとを備える構成としているので、発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新し、各ユーザ自身のビデオゲームの進行具合に適したイベントを発生させることができるようになるので、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることを可能にする。
【0165】
なお、上述した第7の実施形態の例では特に言及していないが、サーバ10Zが、配置部11Zでは、現実空間の地図情報と、現実空間における施設の位置に関する情報とに基づいて、仮想空間において、地図情報における所定の領域の施設に対応するオブジェクトを当該領域に配置する機能を有する構成としてもよい。このような構成とすることで、現実空間におけるユーザが比較的多く集まりやすい領域にオブジェクトを配置することで、より積極的にオブジェクトに対応するイベントに関してユーザ間での情報共有を期待することができるようになる。
【0166】
また、上述した第7の実施形態の例では特に言及していないが、サーバ10Zが、所定の変化条件が満たされた場合、変化条件が満たされてから所定の時間が経過するまでの間、ユーザ端末に表示される仮想空間を地図情報に対応する他の仮想空間に変化させる変化部を備え、出現条件は、ユーザ端末に表示される仮想空間が他の仮想空間に変化したことを含み、配置部11Zでは、他の仮想空間において、出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たし、かつ仮想空間には配置されないオブジェクトを配置する構成としてもよい。ここで、変化条件とは、端末20に表示される仮想空間が現実空間の地図情報に対応する他の仮想空間に変化する条件を意味する。変化条件の例には、ユーザが仮想空間において所定のアイテムやスキルを使用することや、予め設定されたタイミングになったこと等がある。また、他の仮想空間は特に限定されないが、変化前の仮想空間のユーザに対する印象が少なくとも一部が異なるものが好ましい。また、仮想空間には配置されないオブジェクトの例には、当該仮想空間では出現しない敵キャラクタや当該仮想空間では入手できないアイテム等がある。このような構成とすることで、ユーザの生活圏でビデオゲームをプレイする場合等において、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることが可能になる。
【0167】
また、上述した第7の実施形態の例では特に言及していないが、サーバ10Zが、オブジェクトに対応する2以上の発生イベントの進捗状況と、当該オブジェクトに関連する情報とに基づいて、ユーザに特典を付与する付与部を備える構成としてもよい。このような構成とすることで、発生可能イベント単位でなくオブジェクト単位で特典がユーザに付与されるため、同一のオブジェクトに対してユーザの興味を維持させることが可能になる。
【0168】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0169】
なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20,201~20Nとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0170】
また、システム100の構成は上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れか(例えば、ユーザ端末20)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、システム100におけるユーザ端末20とサーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0171】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0172】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置機能と、
前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生機能と、
前記発生機能により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する更新機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[2]
前記発生可能イベントの内容は、当該発生可能イベントのクリア条件を含み、
前記更新機能では、クリア条件が満たされたか否かを含む発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントのクリア条件を更新する機能を
実現させるための[1]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3]
前記発生可能イベントのクリア条件は、前記ユーザが所定のゲーム内要素を所定数消費することを含む
[2]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[4]
前記発生可能イベントの内容は、当該発生可能イベントの効果を含み、
前記更新機能では、発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの効果を更新する機能を
実現させるための[1]から[3]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[5]
前記発生可能イベントの効果は、発生イベントに対応するオブジェクトが他の発生可能イベントに参加する際の当該オブジェクトに関連する情報を更新することを含む
[4]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[6]
前記配置機能では、前記地図情報と、前記現実空間における施設の位置に関する情報とに基づいて、前記仮想空間において、前記地図情報における所定の領域の施設に対応するオブジェクトを当該領域に配置する機能を
実現させるための[1]から[5]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[7]
配置されたオブジェクトの位置関係条件が満たされておらず、かつ所定の移動条件が満たされた場合、当該位置関係条件が満たされるように、当該オブジェクトを移動させる移動機能を
実現させるための[1]から[6]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[8]
所定の変化条件が満たされた場合、前記ユーザ端末に表示される仮想空間を前記地図情報に対応する他の仮想空間に変化させる変化機能を実現させ、
前記出現条件は、前記ユーザ端末に表示される仮想空間が前記他の仮想空間に変化したことを含み、
前記配置機能では、前記他の仮想空間において、前記出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たし、かつ前記仮想空間には配置されないオブジェクトを配置する機能を
実現させるための[1]から[7]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[9]
前記変化機能では、前記変化条件が満たされてから所定の時間が経過するまでの間、前記ユーザ端末に表示される仮想空間を前記他の仮想空間に変化させる機能を
実現させるための[8]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[10]
前記発生条件は、前記位置関係条件を満たすオブジェクトに対応する発生可能イベントの内容に関するユーザ操作が受け付けられたことを含み、
前記ユーザ操作を受け付ける受付機能を実現させ、
前記更新機能では、前記ユーザにより発生させることが可能な発生可能イベントの内容を、前記受付機能により受け付けた前記ユーザ操作に基づき更新する機能を
実現させるための[1]から[9]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[11]
オブジェクトに対応する2以上の発生イベントの進捗状況と、当該オブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザに特典を付与する付与機能を
実現させるための[1]から[10]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[12]
[1]から[11]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[13]
[1]から[12]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラムがインストールされたサーバ。
[14]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理システムであって、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置手段と、
前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生手段と、
前記発生手段により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する更新手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
[15]
前記サーバが、前記配置手段と、前記発生手段と、前記更新手段とを含み、
前記ユーザ端末が、前記表示手段により前記ユーザ関連オブジェクトと、前記所定オブジェクトとをする様子を表すゲーム画面を表示装置の表示画面に出力する出力手段を含む
[14]記載のビデオゲーム処理システム。
[16]
ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能を前記ユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置機能と、
前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生機能と、
前記発生機能により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する更新機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[17]
ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置処理と、
前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生処理と、
前記発生処理により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する更新処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
[18]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるビデオゲーム処理システムが、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、所定の出現条件が満たされた場合、当該出現条件を満たしたオブジェクトを配置する配置処理と、
前記ユーザ端末の位置情報に対応する前記仮想空間における位置と、前記オブジェクトの前記仮想空間における位置との間の位置関係条件を含む発生条件が満たされた場合、当該オブジェクトに対応し、かつ前記ユーザにより発生させることが可能なイベント(以下「発生可能イベント」という。)を発生させる発生処理と、
前記発生処理により発生した発生可能イベントである発生イベントの進捗状況と、当該発生イベントに対応するオブジェクトに関連する情報とに基づいて、前記ユーザにより当該発生イベントの終了後に発生させることが可能な発生可能イベントの内容を更新する更新処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明の実施形態の一つによれば、ビデオゲームに対するユーザの興味を維持させることを可能にするのに有用である。
【符号の説明】
【0174】
10 ビデオゲーム処理サーバ
20,201~20N ユーザ端末
11 配置部
12 発生部
13 更新部
14 移動部
15 変化部
16 受付部
30 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム処理システム