(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】書見台
(51)【国際特許分類】
A47B 23/00 20060101AFI20220804BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20220804BHJP
F16B 7/20 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
A47B23/00 C
F16B5/02 E
F16B7/20 C
(21)【出願番号】P 2020084107
(22)【出願日】2020-04-11
【審査請求日】2021-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】594169259
【氏名又は名称】中山 友子
(72)【発明者】
【氏名】中山 友子
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-047883(JP,A)
【文献】登録実用新案第3223847(JP,U)
【文献】実開昭49-109858(JP,U)
【文献】登録実用新案第3132092(JP,U)
【文献】実開昭52-016155(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 23/00
F16B 5/00-5/12
F16B 7/00-7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
書見台に取り付けの本の支え板の、上部中央に取り付ける本支え棒のU字溝からの脱落を防ぐ装置として、本支え板上部横手方向の板の厚みより、はみ出さぬL字型補強金具を用意し、L字1端の短い方を上向きし、又他端のL字の長い方の端に近い穴と板上部厚みとの間に座金を挟み、該穴を小ネジで取り付け、該L字型補強金具を小ネジ中心に回転可能にし、取り付けた該補強金具の短く立ち上がっている金具外側より所定の間を空け、支え板上部厚み中央からほぼ45度の角度で、支え板の近い側面へ向かい、ドリルで板厚み中心を通り、斜めの深い穴をあけ、又、立ち上がっている補強金具の穴に入る太さの針金を用意し、1端はL字に曲げ指で持ちやすくし、他端は、立ち上がりの補強金具の穴から、前記ドリルで斜めに空けた穴いっぱいに差し込み可能の長さとし、これを該L字型補強金具の回転を止めるストッパーとし、該ストッパーが斜めに空けられた穴へ差し込むことによりストッパーを差し込み安く、又抜けにくくした本の支え棒の脱落防止装置を取り付けた書見台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以前頂いた書見台の特許において、特に本を支え板に取り付ける際、使用する本の支え棒の動きを押さえる装置、又支え板に取り付けた本から、読者の目までの距離の調節機能につき、該装置の制作時に使う部品をより少なく、又使い方をより簡素化させた書見台に関する。
【背景技術】
【0002】
本を支える支え板の上部厚みの中央で、本の支え棒が、支え板前面へ向け掘られたU字溝にはまっているが、該支え棒がU字溝から上へ外れることを押さえる為、コの字のプラスチックカバーを被せている。又本体左右両足の組み立てはネジ、ナットが使われており、両足の床からの高さ調節は、床から立ち上がっている内径が一回り太いパイプへ左右両足を上から差し込み、決めた高さで、両パイプにネジを貫通させナットで止めている。又支え板に張り付けた本の両ページの跳ね上がりを押さえる為、ほぼ支え板の幅いっぱいに取り付けたアクリル板を被せ、両ページの押さえは、該アクリル板と支え板左右側面又は、本が大きい時は支え板下部の張り出し板共に大口クリップで挟むことになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本の支え板上部厚み中央でU字溝にはまっている本の支え棒の上から被せるコの字のプラスチックカバーは、支え板へのネジの差込みスペースの必要性で、その寸法分だけ本の取り付け位置は支え板前面の下へ下がって張り付くことになる。本の両ページを支え板上部横手方向の角の位置で押さえることが出来れば、本の大小にとらわれずページ押さえが可能であり、それには本が支え板上部横方向角いっぱいに張り付け可能にする必要がある。又、書見台本体の左右両足の高さ調節は一回り太いパイプへ支え板取り付けの左右のパイプを上から差し込み、決めた高さでネジを貫通させ、ナットで止めるわけだが、太さの違う2種のパイプにネジを貫通させることは骨が折れ、又、パイプの角の接続はネジが使われ、軋みなどが気になり、本体の総重量も重くなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
L字型補強金具を用意し、本の支え板上部板厚みの上において、該金具の短く直角に立ち上がっている方を上向きに、他方の長い方を、支え板上部横手方向の板厚みの上でU字溝にはまっている本の支え棒を上から押さえられる位置に置き、該金具の長い方の端1カ所の穴の下に座金を当て、低頭ネジで該L字型補強金具を取り付け、該ネジを中心に支え棒の上で回転可能とする。
【0006】
本の支え棒を押さえたL字型補強金具の短く立ち上がっている金具の外側へ、所定の位置に支え板上部厚み中心から板中心を通り板側面に向かい斜め下へほぼ45度の角度で、短く立ち上がっている金具に空いている穴と同径の穴をドリルで深く開ける。該穴へ貫通可能の針金を用意し、一端をL字に曲げ、手で引き抜きやすい長さとし、他端は短く立ち上がっているL字金具の穴から、前記板に空けた斜めの穴へいっぱいに差し込み可能の長さとしたものを作り、これをL字型補強金具の回転を止めるストッパーとする。このストッパーを立ち上がっている金具の穴から支え板に空けた斜めの穴の奥へ差し込むことによりL字型補強金具は回転せず本の支え棒を押さえたまま維持し、ストッパーも斜めの穴に深く差し込まれているため簡単には抜けることが無い。このことでL字型補強金具は、支え板上部のU字溝に埋まっている支え棒を上から押さえ、衝撃などで本を支える支え棒がU字溝から上へ外れることを止める。
【0007】
前記の装置を取り付けることにより、本の支え板の前面には何も無くなり、本は支え板上部の角横手方向いっぱいに張り付けることが出来、本の左右のページは本の大小にかかわらず支え板の上部のみで、支え板と共に大口クリップで挟めば良いことになる。本を支え板の上で広げた状態で、左右のページをクリップで挟む際は、本の綴じ代近くでも又、端に近い所でも挟めるわけで、左右のページの上部横手方向中央当たりをクリップで挟めば、ページの盛り上がりや一部の跳ね上がりもなくなる。このことでアクリル板は必要なくなりページ押さえも簡単になる。尚、本より巾、上下の寸法が小さく、裏側に粘着剤が塗られたスポンジを用意し、支え板上部横手方向中心に上部より1cmくらい下に張り付ける。このことによりごく薄い本が支え板から下へずり落ちるのを防ぐことが可能である。
【0008】
又、本の支え板を取り付けるための、長さがシングルベッドの巾より短い、硬質肉厚プラシチックパイプとパイプ両端にはめるエルボ2個を用意し、エルボの1端は差し込み口に接着剤を付け、2個のエルボは同一の向きとなるよう該パイプ両端に固定させる。エルボを取り付けたパイプの長手方向中央に本を支える支え板の上下中央を金属製のサドルバンド2個以上で取り付ける。
又、前記と同径の所定の長さのパイプ2本と延長用ソケット2個を用意し、該2本のパイプの1端と延長用ソケット1端に接着剤を付けそれぞれはめ込み固定させ、該2本のパイプ他端は前記両エルボの他端に接着剤を付けはめ込み固定させる。
【0009】
床に平行に這わせる所定の長さの左右のパイプは、前記支え板を取り付けたパイプと同径とし、該パイプをそれぞれ2本に分け中央に1個ずつチーズを取り付ける。前記両ソケット他端と該床に這わせる左右のパイプ中央に立ち上がっているチーズとをジョイントするパイプとして、12cm、14cm、16cm、18cmの4種類の長さの同径のパイプを2本ずつ用意し、本から読者の目に合う距離をこの4種類のパイプの長さから選び、ジョイントすることになる。高さが合わなければ別の種類に替えることが出来るよう、ソケット、チーズのそれぞれの入り口は抜き差し可能とする。尚、支え板と本を、読者の目に合う角度にするには、支え板を取り付けてあるパイプを中心に、支え板を手で上下に少し回転させる。本の支え板への取り付け、取外しは、前に頂いた特許と変わりなく行うが、本を取り付ける前に支え板上部のL字型補強金具を回転させ、本の支え棒を取り付けやすくすし、本の最上部の位置は支え板上部横手方向と同じ高さにし、支え棒上部を支え板上部厚みのU字溝へ埋め、支え棒他端は支え板下部に取り付けの張り出し板中央の穴へ差し込む。本を取り付けたら支え板上部のL字型補強金具を、本を支えるアルミ棒の上に回転させ、支え板と平行にし、ストッパーを穴いっぱいに差し込み該補強金具を固定させ、本の左右のページを支え板上部横手方向で支え板共に大口クリップで押さえる。
【0010】
以上のことで仰向きに寝たままでの読書中に本が顔の上にあっても、書見台本体が横に傾いても、本が外れ又落ちることはなく安全である。うっかりそのまま寝てしまってもページは開いたままなので、そのままの状態で次の読書を始めることが出来便利である。
本を支え板から外す際は、板上部のL字型補強金具のストッパーを斜め穴から引き抜き補強金具を回転させ、本の支え棒を本に挟んだまま共に上へ引き抜くと簡単に本は板から外れます。
両手さえ動けば読書でき、本を持たなくてよく、健康な方はもちろんベッドで退屈を余儀なくされている方にも最適な書見台となる。
【0011】
前記のことにより書見台本体ではネジ、ナットは一切使わず、見た目もすっきりし、本体に使用のパイプは全て同じ太さであるから、本体の軋みもほとんど無くなる。書見台本体の重量はより軽くなり、片手で楽に持ち運び出来、パイプの径が13mmで、書見台本体の重さは1,2キログラムと軽く、ベッドへの上げ下ろし、又読書中での本体をずらす作業も非常に楽である。又、本体収納は両足のソケットとチーズから高さ調節のパイプと床に這うパイプを外し、支え板と両足のパイプを一直線にすれば狭いスペースに入れ込めて場所をとらない。
【発明の効果】
【0012】
本発明において、L字型補強金具を取り付けたことにより、支え板上部厚みでの本の支え棒を上から押さえ、又本の支え棒を取り外しやすくするため該L字型補強金具を回転可能とし、尚回転を止めるストッパーをも用意したことで、支え板上部角横方向と同一の高さに本を取り付けることが出来、本の大小にかかわらず、本のページを大口クリップで挟む位置は、支え板上部横手方向が最適の場所となり、又クリップを横手方向に移動させて抑えることが可能となり、ページのふくらみも押さえることが出来、アクリル板は必用なくなった。又、書見台本体の左右両足の、支え板から床までの高さを変えるため、長さの違う4種類の差し替え用の前記パイプと同径のパイプを2本ずつ用意し、左右両足の下部で差し替え可能としたことにより、内径の違う2種のパイプを使うことなく、書見台本体の高さ調節が出来、ネジと蝶ナットを使わなくて済み軋みもなくなり、見た目もすっきりした書見台が出来上がり、本体の重量をさらに軽く仕上げることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】
図1における本の支え板上部厚み中央に取り付けたL字型補強金具とストッパーの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本の支え棒の支え板上部のU字溝からのはみ出しを押さえる為、支え板の厚みより同幅以内のL字型補強金具を使い、支え板上部厚みの上で該金具の短い方を立ち上げ、他方を支え板厚みの上に這わせ、先端の穴の下に座金を当て支え板厚みにネジで止め、該L字型補強金具を回転可能とし、又前記作成のストッパーで該金具の動きを止める装置を使うことで、支え板前面に被るものが無くなる。又、本体左右両足では、途中を区切り区切った先にソケットをはめ、前記のように長さの違う前記同径のパイプを4種類2本ずつ用意し、該パイプから1種を選び、ソケットと床から立ち上がる左右のパイプ中央から立ち上がるチーズの間にはめ込むことにより、本から読者の目までの距離である書見台の高さ調節をする。
【0015】
本の支え板は、前記の回転可能のL字型補強金具を取り付けた後,硬質肉厚プラスチックパイプ1本を用意し、長さはシングルベッドの巾より短く又、パイプ両端に同じ角度でエルボをはめ込み固定させ、該硬質肉厚プラスチックパイプの長手方向中心と支え板上下中心を合わせ、サドルバンド2個以上で取り付ける。該パイプ両端に取り付のエルボに、前記の所定の長さのパイプ2本の1端をはめ込み固定させ、該所定の長さのパイプ他端にソケットをはめ固定させる。前記4種のパイプから1種を選び左右両足ソケットと床に這うパイプの中央に立ち上がるチーズとの間にはめ込み書見台本体を作り上げる。
【0016】
支え板をほぼ縦に近い角度にして、該L字型補強金具を回転可能にし、本を半分に開き縦中心綴じ代近くに本の支え棒の曲げてある方を上に、また、又短く曲がっている方を本の背側の外に出し、該支え棒ともに本を閉じ、支え板上部厚み中心の穴へ本の上部の背に出ている支え棒を差し込み、本の下に出ている支え棒他端は支え板下部の張り出し板の中心の穴へ差し入れ、支え棒上部を支え板上部厚みに掘られたU字溝に埋め込む。本の上部は、支え板の最上部横手方向と同じ高さにする。次に該L字型補強金具を回転させ、前記取り付けた支え棒の上になるよう、又、支え板上部厚みと平行にし、該L字型補強金具の立ち上がっている穴から、支え板上部から斜め下へ深く掘られた穴へ前記作成のストッパーをいっぱいに差し込み該L字型補強金具を固定させる。
【0017】
本は支え板にスポンジを張り付けたことにより薄い本のずり落ちを防ぎ、又横へずれることもなく固定しているので、仰向きに寝ながらの読書は安全であり、座って読んでもよい。本の読みたいページを空け支え板最上部で、本の左右のページと支え板共に大口クリップで挟む。挟む場所は横方向に移動可能で本の綴じ代近くから本の側面近くまで、ページの状態で決めて挟む。もちろん本の角、本の側面も支え板と共に挟むことが可能ならばどこを挟んでも良い。
読書の際、明り取りや、目にあった本の角度にしたい場合は、支え板を取り付けているパイプを中心に、本と支え板共に手で上下に少し回転させ決める。支え板は手で回転させない限り勝手に回転することはない。本を取り外す時は、支え板上部の補強金具を支え棒が表れるまで回転させ、支え棒ごと本を閉じて上に持ち上げれば簡単に外れます。
【符号の説明】
【0018】
1 本の支え板
2 硬質肉厚プラスチックパイプ
3 エルボ
4 張り出し板
5 本の支え棒
6 L字型補強金具取り付け低頭ネジ
7 L字型補強金具
8 ストッパー
9 ソケット取り付け足上部
10 ソケット
11 高さ調節パイプ
12 チーズ
13 書見台床用パイプ
14 本
15 大口クリップ
16 書見台支え板上部厚み
17 支え板に空けられた斜めの穴
18 本の支え棒を差し込む穴