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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】口座管理システムおよび口座管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20220804BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020104004
(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公開番号】P2021196972
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2020-06-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】築地 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】大島 藍
(72)【発明者】
【氏名】漆原 彩音
(72)【発明者】
【氏名】林 奈津美
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-003111(JP,A)
【文献】特開2019-168926(JP,A)
【文献】特開2016-126499(JP,A)
【文献】特開2002-024559(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0080197(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1口座および前記第1口座と紐付けられ、前記第1口座との間でのみ振替可能な第2口座の業務取引処理を実行する第1情報処理部と、
前記第2口座および前記第2口座と紐付けられた仮想口座の仮想取引処理を実行する第2情報処理部と、を含む口座管理システム。
【請求項2】
第1口座および前記第1口座と紐付けられ、前記第1口座との間でのみ振替可能な第2口座の業務取引処理を業務取引処理部が実行する第1ステップと、
前記第2口座および前記第2口座と紐付けられた仮想口座の仮想取引処理を仮想取引処理部が実行する第2ステップと、を含む口座管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末を用いて口座を管理することができる口座管理システム、口座管理方法およびそのプログラムに関する。また、本発明は、顧客の意向を反映した情報を提供する情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレットなどの情報端末の普及により、金融サービスが大きく変化している。例えば、銀行は、インターネットを経由した銀行サービス、いわゆる、インターネットバンキングを提供し、顧客は、顧客自身の情報端末を利用して預金口座の残高照会や明細情報の確認などを行うことができる。また、銀行業以外の新たな業者が参入し、Fintechと呼ばれる情報技術と融合した新たな金融サービスも始まっている。例えば、銀行業以外の業者が提供する金融サービスの一つとして、銀行預金、証券、保険、クレジットカード、ポイントサービス、またはマイレージサービスなど、インターネットで提供されている様々なサービスの明細情報を一元的に集約して、効率的に資産設計・管理を行うためのサービス、いわゆるPFM(Personal Financial Management)サービスがある。
【0003】
しかしながら、現状のPFMサービスは、主としたサービスが明細情報の提供であるため、顧客は、単に預金口座の明細情報を確認するにすぎない。そのため、典型的な顧客の貯蓄の管理方法としては、貯蓄目的ごとに複数の預金口座を開設し、各預金口座の残高を管理する場合がほとんどである。
【0004】
一方で、インターネットバンキングにおける預金口座の管理方法として、1つの預金口座に対して複数の仮想的な区分(例えば、「サークル活動費」、「留学費用」など)を設定し、預金口座の残高を仮想的な区分に振り分ける方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この管理方法によれば、顧客は、1つの預金口座に貯蓄目的ごとの仮想的な区分を設定し、仮想的な区分の管理によって自己の貯蓄を管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-30449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、仮想的な区分を設定することができる預金口座が、ATMなどで現金を引き出すことができる預金口座である場合、預金口座の入出金が多く、預金口座の残高が安定しない。そのため、預金口座に設定された仮想的な区分は、単に設定されているのみで、実際は上述したように、複数の預金口座の残高で貯蓄を管理している顧客がほとんどである。また、貯蓄の管理の主体はあくまでも顧客であり、預金口座を提供する銀行が顧客の貯蓄に関する情報を提供することもない。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、顧客の貯蓄管理をサポートし、顧客の貯蓄目的または貯蓄額と連動した顧客の口座に係る口座管理システム、口座管理方法、プログラム、および情報提供システムを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る口座管理システムは、第1口座および第1口座と紐付けられた第2口座の業務取引処理を実行する第1サーバと、第2口座および第2口座と紐付けられた仮想口座の仮想取引処理を実行する第2サーバと、を含む。
【0009】
本発明の一実施形態に係る口座管理システムは、第1口座の第1残高情報を含む第1口座データおよび第1口座と紐付けられた第2口座の第2残高情報を含む第2口座データを管理する第1サーバと、顧客の情報端末と接続し、第2預金口座の第3残高情報を含む第3口座データおよび第2口座に紐付けられた1つまたは複数の仮想口座の仮想口座残高情報を含む仮想口座データを管理する第2サーバと、を含み、第2サーバは、第3残高情報に仮想口座残高情報を加算した金額が第2残高情報と一致するように処理を実行する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る口座管理方法は、第1サーバにおいて、第1口座の第1口座データに含まれる第1残高情報と、第1口座と紐付けられた第2口座の第2口座データに含まれる第2残高情報とを用いて第1演算処理を実行し、第2サーバにおいて、第2口座の第3口座データに含まれる第3残高情報と、第2口座と紐付けられた1つまたは複数の仮想口座の仮想口座データに含まれる仮想口座残高情報とを用いて第2演算処理を実行し、第2演算処理は、第3残高情報に仮想口座残高情報を加算した金額が第2残高情報と一致するように処理を行う。
【0011】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、口座管理方法を実行する。
【0012】
第1サーバは、第1口座データと第2口座データとを用いて演算処理を行う第1処理部と、演算処理後の第1口座データおよび第2口座データを記憶する第1記憶部と、を含んでいてもよい。
【0013】
第2サーバは、第3口座データと1つまたは複数の仮想口座データとを用いて演算処理を行う演算処理を行う第2処理部と、演算処理後の第3口座データおよび1つまたは複数の仮想口座データを記憶する第2記憶部と、を含んでいてもよい。
【0014】
第2口座は、第1口座との間でのみ振替可能であってもよい。
【0015】
第1口座および第2口座は、口座振替可能であってもよい。
【0016】
第1サーバと第2サーバとは、イントラネットを通じて接続されてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムは、顧客の第1口座に紐付けられた第2口座の明細情報に関連するコンテンツを含むレコメンド情報を生成する解析部、を含み、レコメンド情報は、顧客の情報端末に送信される。
【0018】
解析部は、明細情報に含まれる購入履歴からレコメンド情報を生成してもよい。
【0019】
コンテンツは、第2口座に紐付けられた仮想口座の名称に関連する情報であってもよい。また、コンテンツは、第2口座の残高の運用に関連する情報であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの構成である。
図2】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの取引処理の構成である。
図3】本発明の一実施形態に係る口座管理システムで利用する残高情報データベースの一例である。
図4】本発明の一実施形態に係る口座管理システムで利用する明細情報データベースの一例である。
図5】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図6】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図7】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図8】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図9】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図10】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図11】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図12】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図13】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図14】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図15】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図16】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図17】本発明の一実施形態に係る口座管理システムを用いた処理フロー図の一例である。
図18】本発明の一実施形態に係る情報提供システムを用いた処理フロー図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下で説明する各実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明は、実施形態に限定して解釈されるものではない。すなわち、以下で説明する各実施形態に公知の技術を適用して変形をして、様々な態様で実施をすることが可能である。
【0022】
本明細書において、「αはA、BまたはCを含む」、「αはA,BおよびCのいずれかを含む」、「αはA,BおよびCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0023】
本明細書において、「情報端末」とは、ネットワークを通じて情報にアクセスすることができる情報機器をいう。「情報端末」としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパソコンなどであるが、これに限られない。
【0024】
本明細書において、「データベース」とは、蓄積された情報であって、コンピュータなどの処理部において処理(例えば、情報の追加、削除、または検索など)をすることができるようにデータとして管理されるものをいう。また、「レコード」とは、データベースを構成する単位の一つであって、「レコード」には、管理される対象の一件分の情報が含まれる。なお、「レコード」に含まれる情報は、1つの項目だけでなく、複数の項目が含まれていてもよい。
【0025】
本明細書において、「口座」とは、取引処理に用いられる資産(金銭、証券、仮想通貨、電子マネー、またはポイントサービスなど)の残高を特定できるものをいう。「口座」には、「預金口座」、「貯金口座」、「証券口座」、または「投資信託口座」などが含まれる。
【0026】
本明細書において、「預金口座」とは、銀行、信用金庫、信用組合、または労働金庫などの金融機関に金銭を預け入れるために開設された口座をいう。なお、本明細書において、各実施形態は「預金口座」の用語を用いて説明するが、本発明は、上記金融機関以外の「口座」に対しても適用することができる。
【0027】
本明細書において、「取引処理」とは、資産の増減を伴う処理をいう。
【0028】
本明細書において、「振込」とは、金融機関の他人名義の預金口座への資金の移動、または金融機関の自己名義の紐付けられていない預金口座への資金の移動をいう。「振込」には、現金で行う「現金振込」、口座から行う「口座振込」が含まれる。
【0029】
本明細書において、「振替」とは、同じ金融機関の自己名義の紐付けられた預金口座間での資金の移動をいう。なお、本明細書においては、現実的な資金の移動だけでなく、仮想的な資金の移動も「振替」に含まれる。
【0030】
本明細書において、「口座振替」とは、クレジットカードの利用料金または公共料金などを預金口座から自動的に引き落とすサービスをいう。
【0031】
本明細書において、「残高情報」とは、口座の収支における残金(残高)であって、データベースで管理可能なデータをいう。
【0032】
本明細書において、「明細情報」とは、口座の収支の内訳を示したものであって、データベースで管理可能なデータをいう。
【0033】
以下では、金融機関がX銀行、X銀行の顧客が顧客A、X銀行の口座が預金口座であるとして、本発明に係る一実施形態に係る口座管理システム、口座管理方法、および口座管理プログラム(口座管理システムを使用するためのアプリケーションプログラムを含む)について説明する。
【0034】
X銀行は、口座管理システムを使用して、顧客Aの預金口座を管理することができる。また、X銀行は、口座管理システムを使用するためのアプリケーションプログラムを顧客Aの情報端末に提供することができる。
【0035】
一方、顧客Aは、情報端末に、アプリケーションプログラムをインストールすることで、X銀行が提供する口座管理システムに係るサービスを受けることができる。
【0036】
<第1実施形態>
図1および図2を用いて、本発明の一実施形態に係る口座管理システムについて説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10の構成を示す。図1に示すように、口座管理システム10は、第1サーバ100および第2サーバ200を含む。第1サーバ100は、第1処理部110および第1記憶部120を含む。第2サーバ200は、第2処理部210および第2記憶部220を含む。また、第1サーバ100および第2サーバ200の各々は、サーバ間でデータの送受信を行うための送信部および受信部を含むことができる。
【0038】
第1サーバ100および第2サーバ200の各々は、例えば、コンピュータである。第1サーバ100および第2サーバ200の各々は、1台のコンピュータで構成されていてもよく、複数のコンピュータで構成されていてもよい。すなわち、便宜上、第1サーバ100と第2サーバ200とに分けて説明するが、第1サーバ100と第2サーバ200とが1台のコンピュータであってもよい。第1サーバ100および第2サーバの各々は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、NAND型フラッシュメモリ、またはNOR型フラッシュメモリなどの電子デバイスを含むことができる。
【0039】
第1処理部110および第2処理部210は、処理に必要なプログラムを読み出し、プログラムに従って処理を実行することができる。第1処理部110および第2処理部210は、例えば、CPU、MPU、RAM、またはROMなどを含む。一方、第1記憶部120および第2記憶部220は、データまたはデータベースを記憶することができる。例えば、第1記憶部120および第2記憶部220は、HDDまたはSSDなどの記憶装置を含む。第1処理部110および第1記憶部120はインターフェースを備え、それぞれの間でデータやプログラムなどを通信することができる。なお、第1処理部110、第2処理部210、第1記憶部120、および第2記憶部220は、1つの電子デバイスで構成されていてもよく、複数の電子デバイスで構成されていてもよい。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10に関連する預金口座および仮想口座の取引処理の構成を示す。口座管理システム10は、X銀行が発行する預金口座と、顧客Aが生成する仮想口座と、を利用する。
【0041】
預金口座に関し、口座管理システム10は、少なくとも、第1預金口座810および第1預金口座と紐付けられた第2預金口座820を含む。第1預金口座810および第2預金口座820の各々は、X銀行の顧客Aの預金口座である。すなわち、第1預金口座810と第2預金口座820とは、同一名義人の預金口座であり、各々が独立して取引処理を行うことができる。
【0042】
しかしながら、第2預金口座820は、第1預金口座810で行うことができる取引処理の一部が制限されており、第1預金口座810と第2預金口座820とは完全に同一ではない。例えば、第1預金口座810は、X銀行の他人名義の預金口座850、X銀行の自己名義(顧客A名義)の預金口座860、またはX銀行以外の銀行の預金口座870への振込を行うことができる。また、第1預金口座810は、第1預金口座810と紐付けられた第2預金口座820との間での振替を行うことができる。さらに、第1預金口座810は、口座振替のための指定口座とすることもできる。
【0043】
一方、第2預金口座は820は、X銀行の他人名義の預金口座850、X銀行の自己名義(顧客A名義)の預金口座860、またはX銀行以外の銀行の預金口座870への振込を行うことができないように制限することができる。第2預金口座820からの振込を制限することで、第2預金口座820からの出金が制限されるため、第2預金口座820の残高が安定する。なお、第2預金口座820は、第1預金口座810との間での振替を行うことができる。そのため、顧客Aが振込をする場合には、第1預金口座810から振込を行うことができるため、第2預金口座820からの振込が制限されても問題は生じない。また、第2預金口座820は、口座振替のための指定口座とすることもできる。口座振替は、定期的に行われる処理であるため、第2預金口座820を用いた貯蓄計画の中の1つとして考えることができる。
【0044】
また、別の観点から、第1預金口座810および第2預金口座820との違いについて説明する。
【0045】
第1預金口座810は、主に、銀行の窓口やATMで処理される預金口座である。そのため、銀行の窓口やATMで処理することができるように、第1預金口座810においては、キャッシュカードや紙の通帳などを発行することができる。
【0046】
一方、第2預金口座820は、主に、顧客Aの情報端末で管理される預金口座である。第2預金口座820は、第1預金口座810と異なり、銀行の窓口やATMでの処理を必要としないため、キャッシュカードや紙の通帳などが発行されなくてもよい。特に、キャッシュカードを発行しないことによって、第2預金口座820からの出金が制限されるため、第2預金口座820の残高が安定する。なお、第2預金口座820から第1預金口座810への振替が可能であるため、顧客Aは、第1預金口座810のキャッシュカードを用いて現金を引き出すことが可能である。そのため、第2預金口座820のキャッシュカードが発行されなくても問題は生じない。
【0047】
以上説明したように、第1預金口座810と第2預金口座820とは、取引処理の一部が制限されるなど、全く同じ預金口座ではない。そのため、第1預金口座810と第2預金口座820との紐付けは、単に、第1預金口座810と第2預金口座820とが支店または名義人が同一ということではない。第2預金口座820は、第1預金口座810のみに紐付けられたことが認識できる識別情報が付された上で、他の預金口座と同じように管理される。
【0048】
また、第2預金口座820は、貯蓄を目的とした預金口座であるとともに、顧客Aが当面使用しない資金を集約する預金口座としても利用可能である。したがって、第2預金口座820の資金を管理しやすくするため、第2預金口座820と紐付けられた仮想口座900を設定することができる。仮想口座900は、第2預金口座820に対して1つまたは複数設定することができる。例えば、図2に示すように、第2預金口座820に対して、第1仮想口座910および第2仮想口座920を設定することができる。仮想口座900は、顧客Aが、貯蓄の目的に応じて自由に生成し、設定し、または管理することができる。例えば、顧客Aは、情報端末のアプリケーションを利用して、第1仮想口座910および第2仮想口座920を生成し、第2預金口座820から第1仮想口座910または第2仮想口座920への指定金額の振替を行うように設定することができる。
【0049】
口座管理システム10は、資金の移動が不定期に行われる第1預金口座810と、資金の移動が定期的に行われる第2預金口座820とに分離して管理することができる。言い換えると、口座管理システム10は、自由に出金することができる第1預金口座810と、出金が制限された第2預金口座820とに分離して管理するということもできる。第1預金口座810と第2預金口座820とは、各々に独立した口座番号が割り振られる預金口座であるが、お互いが紐付けられており、一括して管理することが可能である。また、第2預金口座820においては、仮想口座900を設定して資金を管理することができる。特に、第2預金口座820は、情報端末のアプリケーションプログラムを用いた設定および管理を行うことができるため、顧客Aは、時間や場所を選ぶことなく常に第2預金口座820を監視することが可能である。したがって、口座管理システム10を用いることで、顧客Aは、第1預金口座810および第2預金口座820に資金をまとめ、計画的に資金を運用することが可能となる。
【0050】
図1に戻り、口座管理システム10について説明する。
【0051】
第1サーバ100は、インターネットを通じて、X銀行以外の銀行のサーバ600と接続することができる。また、第1サーバ100は、X銀行の他の支店のサーバと接続することもできる。第1サーバ100とX銀行の他の支店のサーバとを接続する場合、通信は、インターネットではなく、イントラネットであってもよい。
【0052】
第1サーバ100は、主に、銀行やATMで行われる振込、振替、または口座振替などの銀行業務に関連した取引処理(以下、「業務取引処理」とする。)を実行することができる。すなわち、第1サーバ100において、第1処理部110は、業務取引処理に関するプログラムを実行することができる。また、第1記憶部120は、第1処理部110の演算処理に利用するデータ、例えば、第1預金口座810および第2預金口座820の各々の残高情報または明細情報を含む預金口座データをデータベースとして記憶することができる。
【0053】
図3および図4を用いて、残高情報または明細情報を含む預金口座データのデータベースについて説明する。
【0054】
図3は、残高情報を含むデータベース(以下、「残高情報データベース」とする。)の一例である。図3に示す残高情報データベースは、顧客単位で登録されており、各レコードは、項目として、「顧客番号」、「口座番号」、「残高情報」、および「識別情報」を含む。顧客を識別する情報としては、顧客の名称または口座番号があり得るが、顧客の名称または口座番号だけでは、X銀行のどの支店の預金口座であるかまでを識別することはできない。例えば、レコードNo.2とレコードNo.5は、同じ口座番号であるが、支店が異なっているために同じ口座番号が割り振られている。そのため、図3に示す残高情報データベースでは、各顧客に対して、支店番号を含めた番号を顧客番号として登録し、管理している。
【0055】
図3に示す残高情報データベースでは、レコードNo.3とレコードNo.4は同じ顧客番号となっているが、これは、X銀行のY支店の顧客Aであることを示す。すなわち、同一の顧客が同一支店に預金口座を有することを示す。しかしながら、レコードNo.3とレコードNo.4とは口座番号が同一ではない。一方で、レコードNo.4は、識別情報の項目において、レコードNo.3の口座番号が登録されている。そのため、識別情報の項目から、レコードNo.4が、レコードNo.3に紐付けられた預金口座であることがわかる。すなわち、レコードNo.3が第1預金口座810であり、レコードNo.4が第2預金口座820である。
【0056】
したがって、図3に示す残高情報データベースにおいては、識別情報の項目を用いて、第1預金口座810または第2預金口座820を判定することができ、残高情報の項目を用いて振替処理の演算を行うことができる。
【0057】
なお、残高情報データベースは上記構成に限られない。少なくとも、顧客の預金口座を管理することができ、第2預金口座820が第1預金口座810に紐付けられていることが判定することができるデータベースであればよい。
【0058】
図4は、明細情報を含むデータベース(以下、「明細情報データベース」とする。)の一例である。図4に示す明細情報データベースは、顧客番号に対応する預金口座ごとに用意されるデータベースである。各レコードは、項目として、日付、第1項目、第2項目、および金額を含む。第1項目には、通帳に記入される文字情報が登録されている。第2項目は、取引処理のカテゴリーが登録されている。第2項目は必ずしも必要としないが、顧客Aに、カテゴリー別に分類した情報を提供する場合において有用である。
【0059】
なお、残高情報データベースおよび明細情報データベースは上記構成に限られない。少なくとも、顧客の残高照会および明細照会において必要な情報が含まれたデータベースであればよい。
【0060】
再び、図1に戻り、口座管理システム10について説明する。
【0061】
第2サーバ200は、イントラネットを通じて、第1サーバ100と接続することができる。また、第2サーバ200は、インターネットを通じて、顧客Aの情報端末500と接続することができる。第2サーバ200は、主に、顧客Aの情報端末500のアプリケーションプログラム510の実行において必要な処理を実行することができる。例えば、第2サーバ200は、アプリケーションプログラム510の管理に伴う処理、または仮想口座900の取引処理(以下、「仮想取引処理」とする。)を実行することができる。すなわち、第2サーバ200において、第2処理部210は、アプリケーションプログラム510の管理に関するプログラムおよび仮想口座900との取引処理に関するプログラムを実行することができる。また、第2記憶部220は、第2預金口座820の仮想取引処理で用いられる残高情報を含む預金口座データまたは仮想口座900の仮想口座データをデータベースとして記憶することができる。
【0062】
顧客Aは、情報端末500にインストールされたアプリケーションプログラム510を操作することによって、本実施形態に係る口座管理システム10を利用し、第2預金口座820を管理することができる。以下では、口座管理システム10を利用した第2預金口座820の管理(仮想取引処理を含む。)について、図5図12を用いて説明する。
【0063】
[1.第2預金口座の残高照会]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、第2預金口座820の残高照会をすることができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820の残高照会のためのアイコンを表示する。顧客Aがアイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、第2預金口座820の残高照会の処理プログラムを開始する。具体的には、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、第2預金口座820の残高照会の処理プログラムを実行するように命令を送信する。
【0064】
図5は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10を用いた第2預金口座820の残高照会の処理フロー図の一例である。第1サーバ100の第1記憶部120には、第2預金口座820の第2預金口座データ122がデータベースとして記憶されている。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データ222がデータベースとして記憶されている。
【0065】
情報端末500は、第2預金口座820の残高照会に関する命令を、インターネットを介して第2サーバ200に送信する。命令を受信した第2サーバ200は、イントラネットを介して第1サーバ100と接続する。第1サーバ100において、第1処理部110は、第1記憶部120から第2預金口座データ122を抽出する。第1サーバ100は、第2預金口座データ122を、第2サーバ200を経由して情報端末500に送信する。情報端末500のアプリケーションプログラム510は、第2預金口座データ122から第2残高情報を取得し、情報端末500に、第2残高情報を第2預金口座820の残高として表示する。
【0066】
第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3残高情報を含む第3預金口座データ222が記憶されている。第2預金口座データ122および第3預金口座データ222は、ともに第2預金口座820に関するデータであるが、第2預金口座データ122と第3預金口座データ222とは必ずしも同一ではない。第2預金口座データ122の第2残高情報は、第2預金口座820の業務取引処理で用いられる残高であるが、第3預金口座データ222の第3残高情報は、第2預金口座820の仮想取引処理で用いられる残高である。具体的には、第3預金口座データ222の第3残高情報は、第2預金口座データ122の第2残高情報から仮想口座データの残高情報を差し引いた残高が含まれる。したがって、顧客Aが、業務取引処理において第2預金口座820の残高を照会するときには、第1記憶部120に記憶された第2預金口座データ122を抽出する必要がある。
【0067】
アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820の残高を表示する際、仮想口座900の作成や仮想口座900への振替を促す情報を表示することもできる。このような情報を、第2預金口座820の残高と併せて表示することで、顧客Aの貯蓄に対する意識を高めることができる。また、顧客Aに対して、仮想口座900を用いて当面使用しない資金を管理するように促すことができる。
【0068】
[2.第1預金口座から第2預金口座への振替]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、第1預金口座810から第2預金口座820へ指定金額の振替を行うことができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第1預金口座810から第2預金口座820への振替のためのアイコンを表示する。顧客Aがアイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、指定金額の入力画面を表示する。顧客Aの指定金額の入力が完了すると、アプリケーションプログラム510は、第1預金口座810から第2預金口座820への振替の処理プログラムを開始する。具体的には、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、第1預金口座810から第2預金口座820への振替の処理プログラムを実行するように命令を送信する。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10を用いた第1預金口座810から第2預金口座820への振替の処理フロー図の一例である。第1サーバ100の第1記憶部120には、第1預金口座810の第1預金口座データ121および第2預金口座820の第2預金口座データ122がデータベースとして記憶されている。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データ222がデータベースとして記憶されている。
【0070】
情報端末500は、第1預金口座810から第2預金口座820への振替に関する命令および指定金額に関するデータを、インターネットを介して第2サーバ200に送信する。命令を受信した第2サーバ200は、イントラネットを介して第1サーバ100と接続する。第1サーバ100において、第1処理部110は、第1記憶部120から第1預金口座データ121および第2預金口座データ122を抽出する。続いて、第1処理部110は、第1預金口座データ121から第1残高情報を取得し、第1残高情報から指定金額を減算する。第1預金口座データ121の第1残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第1残高情報を含む第1預金口座データ121が第1記憶部120に記憶される。また、第1処理部110は、第2預金口座データ122から第2残高情報を取得し、第2残高情報に指定金額を加算する。第2預金口座データ122の第2残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第2残高情報を含む第2預金口座データ122が第1記憶部120に記憶される。
【0071】
さらに、第1処理部110は、第1預金口座810から第2預金口座820への振替が完了したことを示す処理完了データ400を生成する。第1サーバ100は、第2サーバ200を経由して、処理完了データ400を情報端末500に送信する。情報端末500が処理完了データ400を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第1預金口座810から第2預金口座820への振替が完了した旨を表示する。
【0072】
第2預金口座820の業務取引処理が行われる場合、第2預金口座データ122の第2残高情報だけでなく、第3預金口座データ222の第3残高情報も調整する必要がある。そのため、処理完了データ400が第2サーバ200を経由する際、第2サーバ200の第2処理部210は、第2記憶部220から第3預金口座データ222を抽出する。続いて、第2処理部210は、第3預金口座データ222から第3残高情報を取得し、第3残高情報に指定金額を加算する。第3預金口座データ222の第3残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第3残高情報を含む第3預金口座データ222が第2記憶部220に記憶される。
【0073】
このように、第1サーバ100だけでなく、第2サーバ200においても同様の演算を行うことにより、第2預金口座820の業務取引処理における残高と仮想取引処理における残高と連動させることができる。なお、上記説明では、第1預金口座810から第2預金口座820への振替について説明したが、第2預金口座820から第1預金口座810への振替も行うことができる。この場合、第1サーバ100での演算処理において、第1処理部110は、第1預金口座データ121の第1残高情報に指定金額を加算し、第2預金口座データ122の第2残高情報から指定金額を減算する。第2サーバ200の第2処理部210においても同様の演算を行う。
【0074】
アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第1預金口座810から第2預金口座820への振替が完了した旨を表示する際、仮想口座900の作成や仮想口座900への振替を促す情報を表示することもできる。このような情報を、振替完了と併せて表示することで、顧客Aの貯蓄に対する意識を高めることができる。また、顧客Aに対して、仮想口座900を用いて当面使用しない資金を管理するように促すことができる。
【0075】
[3.第2預金口座からの口座振替]
顧客Aは、第2預金口座820を指定口座として設定し、第2預金口座820から口座振替を行うことができる。例えば、顧客Aは、予め第2預金口座820を指定口座として、第2預金口座820から定期的に公共料金やクレジットカードの口座振替をすることができる。その場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820からの口座振替が完了した旨を通知することができる。具体的には、第2預金口座820からの口座振替が完了した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820からの口座振替が完了したことを表示する。
【0076】
図7は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10を用いた第2預金口座820からの口座振替の処理フロー図の一例である。第1サーバ100は、インターネットを介してX銀行以外の銀行のサーバ600と接続することができるが、これに限られない。サーバ600は、口座振替の相手先である預金口座のあるサーバであればよい。また、サーバ600がX銀行のサーバである場合、第1サーバ100は、イントラネットを介して接続することもできる。第1サーバ100の第1記憶部120には、第2預金口座820の第2預金口座データ122がデータベースとして記憶されている。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データがデータベースとして記憶されている。
【0077】
第1サーバ100が、第2預金口座820からの口座振替の命令を受信した場合、第1処理部110は、第1記憶部120から第2預金口座データ122を抽出する。続いて、第1処理部110は、第2預金口座データ122から第2残高情報を取得し、第2残高情報から指定金額を減算する。第2預金口座データ122の第2残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第2残高情報を含む第2預金口座データが第1記憶部120に記憶される。
【0078】
さらに、第1処理部110は、第2預金口座820からの口座振替が完了したことを示す処理完了データ410を生成する。第1サーバ100は、第2サーバ200を経由して、処理完了データ410を情報端末500に送信する。情報端末500が処理完了データ410を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820からの口座振替が完了した旨を表示する。
【0079】
また、処理完了データ410が第2サーバ200を経由する際、第2サーバ200の第2処理部210は、第2記憶部220から第3預金口座データ222を抽出する。続いて、第2処理部210は、第3預金口座データ222から第3残高情報を取得し、第3残高情報から指定金額を減算する。第3預金口座データ222の第3残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第3残高情報を含む第3預金口座データ222が第2記憶部220に記憶される。
【0080】
アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820からの口座振替が完了した旨を表示する際、第1預金口座810から第2預金口座820への振替を促す情報を表示することもできる。このような情報を、口座振替完了と併せて表示することで、顧客Aに対して、貯蓄口座である第2預金口座820に資金を集めるように促すことができる。また、顧客Aに対して、仮想口座900を用いて当面使用しない資金を管理するように促すことができる。
【0081】
[4.第2預金口座における仮想口座の生成]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、第2預金口座820に紐付けられた仮想口座900を新たに生成することができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、仮想口座900の生成のためのアイコンを表示する。顧客Aがアイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、仮想口座900の名称の入力画面を表示する。顧客Aは、仮想口座900の名称として、例えば、「海外旅行」、「国内旅行」、「保険」、または「老後」などのような貯蓄の目的を入力することができる。なお、仮想口座900の名称は貯蓄の目的に限らず、自由に入力することができる。顧客Aによる仮想口座900の名称の入力が完了すると、アプリケーションプログラム510は、指定金額の入力画面を表示する。顧客Aが指定金額の入力を完了すると、アプリケーションプログラム510は、仮想口座900の生成の処理プログラムを開始する。具体的には、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、仮想口座900の生成の処理プログラムを実行するように命令を送信する。
【0082】
図8は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10を用いた第1仮想口座910の生成の処理フロー図の一例である。仮想口座900は、貯蓄の目的に応じて、1個だけでなく複数個のフォルダを生成することができるが、ここでは、第1仮想口座910を生成するものとして説明する。第1仮想口座910の生成は業務取引処理でないため、第1サーバ100を必要としない。そのため、図8では、第1サーバ100を省略する。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データ222および第1仮想口座910の第1仮想口座データ225がデータベースとして記憶されている。
【0083】
第2預金口座820は、貯蓄目的だけでなく、当面使用しない資金を集約することもできる。そのため、仮想口座900は、貯蓄の目的だけでなく、集約した資金を管理する目的でフォルダを設定することもできる。
【0084】
情報端末500は、第1仮想口座910の設定に関する命令、ならびに名称および指定金額に関するデータを、インターネットを介して第2サーバ200に送信する。第2サーバ200が命令を受信した場合、第2処理部210は、少なくとも、第2預金口座820と紐付けられたことを示す識別情報、第1仮想口座910の名称、および指定金額を含む第1仮想口座残高情報に関する第1仮想口座データ225を生成する。なお、第1仮想口座データ225を第3預金口座データと紐付けることもできる。続いて、第2処理部210は、生成された第1仮想口座データ225をデータベースとして第2記憶部220に記憶させる。また、第2処理部210は、第2預金口座820に紐付けられた第1仮想口座910が生成されたことを示す処理完了データ420を生成する。第2サーバ200は、処理完了データ420を情報端末500に送信する。情報端末500が処理完了データ400を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第1仮想口座910が生成された旨を表示する。
【0085】
アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第1仮想口座910が生成されたことを表示する際、第1仮想口座910の名称に関連する情報を表示することもできる。このような情報を、第1仮想口座910の生成されたことと併せて表示することで、顧客Aの貯蓄目的に対する意識を高めることができる。また、顧客Aが集約した資金の運用を促すことができる。なお、第1仮想口座910の名称に関連する情報は、予めキーワードとともに登録しておき、第1仮想口座910の名称との類似判定により抽出して表示することができる。また、第1仮想口座910の名称をインターネットで検索し、類似度の高いサイトを抽出して表示することもできる。
【0086】
[5.第2預金口座から仮想口座への振替]
仮想口座900が既に生成されている場合、顧客Aは、第2預金口座820から仮想口座900への指定金額の振替を行うことができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、仮想口座900(例えば、第1仮想口座910および第2仮想口座920)のアイコンを表示する。顧客Aが第1仮想口座910アイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、指定金額の入力画面を表示することができる。顧客Aが指定金額の入力を完了すると、アプリケーションプログラム510は、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替の処理プログラムを開始する。具体的には、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替の処理プログラムを実行するように命令を送信する。
【0087】
図9は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10を用いた第2預金口座820から第1仮想口座910への振替の処理フロー図の一例である。第2預金口座820と仮想口座900との間の振替は仮想取引処理である。すなわち、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替においては、第1サーバ100を必要としない。そのため、図9では、第1サーバ100を省略する。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データ222および第1仮想口座910の第1仮想口座データ225がデータベースとして記憶されている。
【0088】
情報端末500は、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替に関する命令および指定金額に関するデータを、インターネットを介して第2サーバ200に送信する。命令を受信した第2サーバ200において、第2処理部210は、第2記憶部220から第3預金口座データ222および第1仮想口座データ225を抽出する。続いて、第2処理部210は、第3預金口座データ222から第3残高情報を取得し、第3残高情報から指定金額を減算する。第3預金口座データ222の第3残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第3残高情報を含む第3預金口座データ222が第2記憶部220に記憶される。また、第2処理部210は、第1仮想口座データ225から第1仮想口座910の第1仮想口座残高情報を取得し、第1仮想口座残高情報に指定金額を加算する。第1仮想口座データ225の第1仮想口座残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第1仮想口座残高情報を含む第1仮想口座データ225がデータベースとして第2記憶部220に記憶される。
【0089】
さらに、第2処理部210は、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替が完了したことを示す処理完了データ430を生成する。第2サーバ200は、処理完了データ430を情報端末500に送信する。情報端末500が処理完了データ430を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替が完了した旨を表示する。
【0090】
上記説明では、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替について説明したが、第1仮想口座910から第2預金口座820への振替も行うことができる。この場合、第2サーバ200での演算処理において、第2処理部210は、第1仮想口座データ225の第1仮想口座残高情報から指定金額を減算し、第3預金口座データ222の第3残高情報に指定金額を加算する。
【0091】
アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替完了を表示する際、第1仮想口座910の名称に関連する情報を表示することもできる。このような情報を、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替完了と併せて表示することで、顧客Aの貯蓄目的に対する意識を高めることができる。また、顧客Aに対し、顧客Aが集約した資金の運用を促すことができる。
【0092】
[6.第1預金口座からの振替に伴う第2預金口座から仮想口座への自動振替]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、第1預金口座810から第2預金口座820の振替が行われた場合に、自動的に、第2預金口座820から仮想口座900に振替(自動振替)を行うように設定しておくことができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、仮想口座900(例えば、第1仮想口座910および第2仮想口座920)のアイコンを表示する。顧客Aが第1仮想口座910アイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、自動振替の選択画面を表示することができる。顧客Aは、自動振替の条件として、例えば、第1預金口座810から第2預金口座820への第1指定金額の振替が行われた場合に、第2預金口座820から第1仮想口座910に第2指定金額の振替を行うように設定する。アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、自動振替の上記条件を登録する。また、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替が完了した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替が完了したことを表示する。
【0093】
図10は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10を用いた第1預金口座810からの振替に伴う第2預金口座820から第1仮想口座910への自動振替の処理フロー図の一例である。第1サーバ100の第1記憶部120には、第1預金口座810の第1預金口座データ121および第2預金口座820の第2預金口座データ122が記憶されている。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データ222および第1仮想口座910の第1仮想口座データ225がデータベースとして記憶され、さらに自動設定データ227が記憶されている。なお、自動設定データ227は、少なくとも、振替先である第1仮想口座910および第2指定金額の情報を含む。また、自動設定データ227は、自動振替の条件として、処理完了データ400と紐付られた識別情報を含むこともできる。
【0094】
第1サーバ100が、第1預金口座810から第2預金口座820への振替の命令を受信した場合、第1処理部110は、第1記憶部120から第1預金口座データ121および第2預金口座データ122を抽出する。続いて、第1処理部110は、第1預金口座データ121から第1残高情報を取得し、第1残高情報から第1指定金額を減算する。第1預金口座データ121の第1残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第1残高情報を含む第1預金口座データ121が第1記憶部120に記憶される。また、第1処理部110は、第2預金口座データ122から第2残高情報を取得し、第2残高情報に第1指定金額を加算する。第2預金口座データ122の第2残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第2残高情報を含む第2預金口座データ122が第1記憶部120に記憶される。
【0095】
さらに、第1処理部110は、第1預金口座810から第2預金口座820への振替が完了したことを示す処理完了データ400を生成する。第1サーバ100は、第2サーバ200を経由して、処理完了データ400を情報端末500に送信する。
【0096】
処理完了データ400が第2サーバ200を経由する際、第2サーバ200の第2処理部210は、第2記憶部220から第3預金口座データ222を抽出する。続いて、第2処理部210は、第3預金口座データ222から第3残高情報を取得し、第3残高情報に指定金額を減算する。第3預金口座データ222の第3残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第2残高情報を含む第3預金口座データ222が第2記憶部220に記憶される。
【0097】
情報端末500が処理完了データ400を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、インターネットを介して第2サーバ200と接続し、処理完了データ400を条件とする自動振替、すなわち、第1預金口座810から第2預金口座820への振替を条件とした自動振替が設定されているか否かを判定する。自動振替が設定されている場合、アプリケーションプログラム510は、その自動振替に対応する処理プロブラムを開始する。ここでは、処理完了データ400を条件とする自動振替が設定されているため、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替の処理プログラムを実行するように命令を送信する。その後の処理は、上述した[5.第2預金口座から仮想口座への振替]と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0098】
また、変形例として、第1処理部110が処理完了データ400を生成し、第1サーバ100が処理完了データ400を第2サーバ200に送信した際に、第2サーバの第2処理部210が処理完了データ400を条件とする自動振替が設定されているか否かを判定することもできる。
【0099】
[7.第2預金口座の口座振替に伴う仮想口座から第2預金口座への自動振替]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、第2預金口座820から口座振替が行われた場合に、自動的に、仮想口座900から第2預金口座820に振替(自動振替)を行うように設定しておくことができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、仮想口座900(例えば、第1仮想口座910および第2仮想口座920)のアイコンを表示する。顧客Aが第1仮想口座910のアイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、自動振替の選択画面を表示することができる。顧客Aは、自動振替の条件として、例えば、第2預金口座820から第1指定金額の口座振替が行われた場合に、第1仮想口座910から第2預金口座820に第2指定金額の振替を行うように設定する。アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、自動振替の上記条件を登録する。また、第2預金口座820からの口座振替が完了した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第1仮想口座910から第2預金口座820への振替が完了したことを表示する。
【0100】
図11は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10を用いた第2預金口座820の口座振替に伴う第1仮想口座910から第2預金口座820への自動振替の処理フロー図の一例である。第1サーバ100の第1記憶部120には、第2預金口座820の第2預金口座データ122がデータベースとして記憶されている。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データ222および第1仮想口座910の第1仮想口座データ225がデータベースとして記憶され、さらに自動設定データ227が記憶されている。なお、自動設定データ228は、少なくとも、振替元である第1仮想口座910および第2指定金額の情報を含む。また、自動設定データ227は、自動設定の条件として、処理完了データ410と紐付られた識別情報を含むこともできる。
【0101】
第1サーバ100が、第2預金口座820からの口座振替の命令を受信した場合、第1処理部110は、第1記憶部120から第2預金口座データ122を抽出する。続いて、第1処理部110は、第2預金口座データ122から第2残高情報を取得し、第2残高情報から指定金額を減算する。第2預金口座データ122の第2残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第2残高情報を含む第2預金口座データが第1記憶部120に記憶される。
【0102】
さらに、第1処理部110は、第2預金口座820からの口座振替が完了したことを示す処理完了データ410を生成する。第1サーバ100は、第2サーバ200を経由して、処理完了データ410を情報端末500に送信する。
【0103】
また、処理完了データ410が第2サーバ200を経由する際、第2サーバ200の第2処理部210は、第2記憶部220から第3預金口座データ222を抽出する。続いて、第2処理部210は、第3預金口座データ222から第3残高情報を取得し、第3残高情報から指定金額を減算する。第3預金口座データ222の第3残高情報は、演算後の金額に書き換えられ、書き換えられた第3残高情報を含む第3預金口座データ222が第2記憶部220に記憶される。
【0104】
情報端末500が処理完了データ400を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、インターネットを介して第2サーバ200と接続し、処理完了データ410を条件とする自動振替、すなわち、第2預金口座820からの口座振替を条件とした自動振替が設定されているか否かを判定する。自動振替が設定されている場合、アプリケーションプログラム510は、その自動振替に対応する処理プロブラムを開始する。ここでは、処理完了データ410を条件とする自動振替が設定されているため、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、第1仮想口座910から第2預金口座820への振替の処理プログラムを実行するように命令を送信する。その後の処理は、上述した[5.第2預金口座から仮想口座への振替]と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0105】
[8.第2預金口座の残高不足に伴う仮想口座の削除]
第2預金口座820から第1預金口座810への振替、第2預金口座820からの口座振替において、第2サーバ200で管理する第2預金口座820の第3預金口座データ222の第3残高情報の金額以上の指定金額が設定された場合、アプリケーションプログラム510は、仮想口座900の一部または全部を削除する旨を通知することができる。その場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、仮想口座900の選択画面を表示することができる。顧客Aが、選択画面から削除する第1仮想口座910を選ぶと、アプリケーションプログラム510は、第1仮想口座910の削除の処理プログラムを開始する。具体的には、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、第1仮想口座910の削除の処理プログラムを実行するように命令を送信する。
【0106】
図12は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10を用いた第2預金口座820の残高不足に伴う第1仮想口座910の削除の処理フロー図の一例である。第1仮想口座910の管理は第2サーバ200で行われるため、第1仮想口座910の削除においては、第1サーバ100を必要としない。そのため、図12では、第1サーバ100を省略する。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データ222および第1仮想口座910の第1仮想口座データ225がデータベースとして記憶されている。
【0107】
第2サーバ200は、第1サーバ100から処理完了データ400または処理完了データ410を受信し、第2サーバ200の第2処理部210は、第2記憶部220から第3預金口座データ222を抽出する。第2処理部210は、第3預金口座データ222の第3残高情報から指定金額を減算して負の値が得られた場合、負残高情報データ450を生成する。第2サーバ200は、負残高情報データ450を情報端末500に送信する。情報端末500が負残高情報データ450を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、仮想口座900の削除をするか否かの選択画面を表示する。顧客Aによる第1仮想口座910の削除が選択された場合、アプリケーションプログラム510は、第1仮想口座910の削除に関する命令を、インターネットを介して第2サーバ200に送信する。第2サーバ200が命令を受信した場合、第2処理部210は、第2記憶部220のデータベースから第1仮想口座データ225を削除する。また、第2処理部210は、第1仮想口座910の削除が完了したことを示す処理完了データ440を生成する。第2サーバ200は、処理完了データ440を情報端末500に送信する。情報端末500が処理完了データ440を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820から第1仮想口座910の削除が完了した旨を表示する。
【0108】
本実施形態に係る口座管理システム10によれば、顧客Aが、情報端末500のアプリケーションプログラム510を用いて第2預金口座820を管理することで、顧客Aは、第2預金口座820を用いた計画的な貯蓄または資金の運用をすることができる。また、第2預金口座820は、仮想口座900を設定することができるため、貯蓄または資金運用の目的を明確にすることができる。しかも、第2預金口座820は、第1預金口座810と紐付けられている。そのため、顧客Aが現金を必要とする場合は、第2預金口座820から第1預金口座810へ資金を移動させ、第1預金口座810から出金することができる。したがって、キャッシュレス預金口座として第2預金口座820を使用することもできる。
【0109】
以上、第1実施形態では、銀行の預金口座を利用する口座管理システム10について説明したが、本発明の一実施形態に係る口座管理システムは、銀行の預金口座以外でも利用することができる。例えば、証券会社の証券口座を利用する口座管理システムでは、仮想口座として株式の銘柄を設定し、それぞれの仮想口座の残高を上限として株の売買を行うことができる。その際、第1証券口座に紐付けられた第2証券口座を管理することで、顧客Aは、第1証券口座で資産を保護しながら、第2証券口座の残高の範囲内で株の売買を行うことができる。
【0110】
<第2実施形態>
図13図16を用いて、第1実施形態と異なる本発明の一実施形態に係る口座管理システムについて説明する。第1実施形態では、預金口座の残高情報を利用する構成について説明したが、本実施形態では、預金口座の明細情報を利用する構成について説明する。
【0111】
[1.第2預金口座の明細照会]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、第2預金口座820の明細照会をすることができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820の明細照会のためのアイコンを表示する。顧客Aがアイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、第2預金口座820の明細照会の処理プログラムを開始する。具体的には、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム20に、第2預金口座820の明細照会の処理プログラムを実行するように命令を送信する。
【0112】
図13は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20を用いた第2預金口座820の明細照会の処理フロー図の一例である。なお、以下では、口座管理システム10と同様の構成については説明を省略し、主に、口座管理システム10と異なる構成について説明する。
【0113】
口座管理システム20は、インターネットを通じて、顧客Aの情報端末500と接続することができる。また、口座管理システム20は、インターネットを通じて、第2預金口座820の明細情報のPFMサービスを提供するPFMサーバ700と接続することができる。
【0114】
口座管理システム20は、第2サーバ200を含む。なお、図示しないが、口座管理システム20は、第1サーバ100を含むこともできる。第2サーバ200は、第2処理部210、第2記憶部220、および第1取得部230を含む。第2記憶部220には、第2預金口座820の第1明細データ231が記憶されている。
【0115】
第1取得部230は、第2処理部210と同様に、処理に必要なプログラムを読み出し、実行することができるが、さらに、PFMサーバ700へのアクセスに必要な情報の送受信を行い、PFMサーバ700から第2預金口座820の明細情報を受信することができる。
【0116】
情報端末500は、第2預金口座820の明細情報の取得に関する命令を、インターネットを介して第2サーバ200に送信する。命令を受信した第2サーバ200は、インターネットを介してPFMサーバ700と接続する。
【0117】
アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、PFMサーバ700へのアクセス情報を入力する画面を表示する。顧客Aによるアクセス情報の入力により、第2サーバ200はPFMサーバ700へのアクセスが可能となり、第2サーバ200の第1取得部230は、PFMサーバ700から、第2預金口座820の明細情報を取得し、第2預金口座820の明細情報を第1明細データ231として第2記憶部220に記憶する。なお、第1取得部230は、PFMサーバ700から第2預金口座820の明細情報を取得するが、第2処理部210で必要な明細情報を抽出し、抽出された明細情報を第1明細データ231として第2記憶部220に記憶することもできる。
【0118】
PFMサーバ700へのアクセスに関しては、アプリケーションプログラム510に予めアクセス情報を登録しておき、顧客Aによるアクセス情報の入力を省略することもできる。この場合、第2サーバ200が、定期的にPFMサーバ700にアクセスして第2預金口座820の明細情報を抽出し、第2記憶部220に第1明細データ231を記憶することもできる。
【0119】
続いて、第2サーバ200は、第1明細データ231を、情報端末500に送信する。アプリケーションプログラム510は、第1明細データ231を、第2預金口座820の明細情報として情報端末500に表示する。また、第1明細データ231から必要な情報(例えば、日付、買物店舗、または金額など)を抽出し、その情報を第2預金口座820の明細情報として情報端末500に表示することもできる。
【0120】
アプリケーションプログラム510での明細照会は、第2預金口座820に限られない。顧客AがPFMサービスに登録している預金口座であれば、アプリケーションプログラム510を利用した明細照会をすることができる。例えば、X銀行の第1預金口座810および第2預金口座820だけでなく、他の銀行の預金口座の明細照会もすることができる。
【0121】
さらに、アプリケーションプログラム510を利用した明細照会は、預金口座の口座明細だけでなく、クレジットカードやポイントサービスの利用明細に対しても適用することができる。
【0122】
アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、明細照会に付随して、顧客Aが興味のある情報を表示することもできる。顧客Aが興味のある情報は、明細情報から取得することができる。例えば、明細情報から商品の購入履歴を取得し、購入した商品に関連する情報を顧客Aに提供することができる。また、第2預金口座820を含むPFMサービスを受けられる預金口座の明細情報から共通した項目を取得し、その項目に関連する情報を顧客Aに提供することができる。さらに、ポイントサービスが受けられる商品情報などを顧客Aに提供してもよい。このように、明細照会に付随した情報を顧客Aに提供することにより、顧客Aの貯蓄に対する意識を高めるとともに、顧客Aに対して資金の運用を促すことができる。
【0123】
なお、口座管理システム20の明細照会は、第2預金口座820の明細情報に限られない。以下では、一例として、第2預金口座820の明細情報に基づいた関連情報の取得について説明する。
【0124】
[2.第2預金口座の明細情報に基づく関連情報の取得]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、第2預金口座820の明細情報を取得し、明細情報に関連する情報を取得することができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820の明細照会のためのアイコンを表示する。顧客Aがアイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、第2預金口座820の明細照会の処理プログラムを開始する。具体的には、アプリケーションプログラム510は、口座管理システム20に、第2預金口座820の明細照会の処理プログラムを実行するように命令を送信する。
【0125】
図14は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20を用いた第2預金口座820の明細照会の処理フロー図の一例である。情報端末500は、第2預金口座820の明細情報の取得に関する命令を、インターネットを介して第2サーバ200に送信する。命令を受信した第2サーバ200は、インターネットを介してPFMサーバ700と接続する。第2サーバ200の第1取得部230は、PFMサーバ700から、第2預金口座820の明細情報を取得し、第2預金口座820の明細情報を第1明細データ231として第2記憶部220に記憶させる。
【0126】
一方、第2記憶部220には、第1分類データ241が記憶されている。第1分類データ241は、1つまたは複数のキーワードと、そのキーワードに関連したキーワード関連情報を含む。また、キーワード関連情報は、キーワードと紐付けられて登録されている。すなわち、キーワードが選択されれば、キーワード関連情報を取得することができる。
【0127】
第2処理部210は、第2記憶部220から第1明細データ231と第1分類データ241を抽出し、第1明細データ231の中に、第1分類データ241に登録されているキーワードが含まれているかどうかを判定する。第1明細データ231の中にキーワードが含まれている場合、第2処理部210は、含まれているキーワードと、キーワード関連情報とを含む検索結果データ460を生成する。第2サーバ200は、検索結果データ460を情報端末500に送信する。情報端末500が検索結果データ460を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820の明細情報を表示するが、検索結果データ460が生成された場合には、キーワード関連情報も併せて表示することができる。
【0128】
アプリケーションプログラム510での関連情報の取得は、第2預金口座820に限られない。顧客AがPFMサービスに登録している預金口座であれば、アプリケーションプログラム510を利用して、登録された預金口座の明細情報の関連情報を取得することができる。例えば、X銀行の第1預金口座810および第2預金口座820だけでなく、他の銀行の預金口座の明細情報の関連情報を取得することもできる。なお、他の銀行の預金口座であっても、上記と同様の方法で、預金口座の明細情報の関連情報を取得することができる。
【0129】
顧客Aは、預金口座の明細情報から関連情報を取得することができるため、顧客Aの貯蓄目的に対する意識を高めるとともに、顧客Aに対して資金の運用を促すことができる。
【0130】
[3.第2預金口座の明細情報に基づく分類カテゴリーの取得]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、複数の預金口座の明細情報を取得し、明細情報をカテゴリー別に分類することができる。上述した[1.第2預金口座の明細照会]で説明したように、第2預金口座820の明細情報を取得する。また、同様にして、第1預金口座810の明細情報も取得することができる。口座管理システム20の第2記憶部220には、第1預金口座810の明細情報を含む第1明細データ231、第2預金口座820の明細情報を含む第2明細データ232が記憶されている。
【0131】
また、第2記憶部220には、第2分類データ242も記憶されている。第2分類データ242には、キーワードとカテゴリーとが紐付けられて登録されている。すなわち、キーワードを判定してカテゴリーを決定することができる。
【0132】
第2処理部210は、第2記憶部220から第1明細データ231と第2分類データ242を抽出し、第1明細データ231の中に、第1分類データ241に登録されているキーワードが含まれているかどうかを判定する。第1明細データ231の中にキーワードが含まれている場合、第2処理部210は、含まれているキーワードと、そのキーワードに紐付られたカテゴリーとを含む第1検索結果データ470を生成する。また、同様にして、第2明細データ232と第2分類データ242とから第2検索結果データ480を生成する。第2サーバ200は、第1検索結果データ470および第2検索結果データ480を情報端末500に送信する。情報端末500が検索結果データ460を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、第1検索結果データ470および第2検索結果データ480を基にカテゴリー別に分類した明細情報を生成し、情報端末500に表示する。なお、カテゴリー別の明細情報の生成は、第2処理部210で行うこともできる。
【0133】
[4.第2預金口座の明細情報を利用した仮想口座への自動振替]
顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を利用して、第2預金口座820の明細情報が取得された場合に、自動的に、第2預金口座820から仮想口座900に振替(自動振替)を行うように設定しておくことができる。アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、仮想口座900(例えば、第1仮想口座910および第2仮想口座920)のアイコンを表示する。顧客Aが第1仮想口座910アイコンをタッチすると、アプリケーションプログラム510は、自動振替の選択画面を表示することができる。顧客Aは、自動振替の条件として、例えば、第2預金口座820の明細情報が取得され、明細情報の中に特定のキーワードが含まれる場合に、第2預金口座820から第1仮想口座910に指定金額の振替を行うように設定する。アプリケーションプログラム510は、口座管理システム10に、自動振替の上記条件を登録する。また、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替が完了した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替が完了したことを表示する。
【0134】
図16は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20を用いた第2預金口座820の明細情報が取得に伴う第2預金口座820から第1仮想口座910への自動振替の処理フロー図の一例である。第2サーバ200の第2記憶部220には、第2預金口座820の第3預金口座データ222および第1仮想口座910の第1仮想口座データ225がデータベースとして登録され、さらに自動設定データ227および第1明細データ231が記憶されている。なお、自動設定データ227は、少なくとも、振替先である第1仮想口座910、指定金額、およびキーワードの情報を含む。
【0135】
情報端末500は、第2預金口座820の明細情報の取得に関する命令を、インターネットを介して第2サーバ200に送信する。命令を受信した第2サーバ200は、インターネットを介してPFMサーバ700と接続する。第2サーバ200の第1取得部230は、PFMサーバ700から、第2預金口座820の明細情報を取得し、第2預金口座820の明細情報を第1明細データ231として第2記憶部220に記憶する。
【0136】
第2処理部210は、第2記憶部220から第1明細データ231と自動設定データ227を抽出し、第1明細データ231の中に、自動設定データ227に登録されているキーワードが含まれているかどうかを判定する。第1明細データ231の中にキーワードが含まれている場合、第2処理部210は、上述した第1実施形態の[5.第2預金口座から仮想口座への振替]で説明した処理プログラムを実行する。すなわち、第2預金口座820の第3預金口座データ222と第1仮想口座910の第1仮想口座データ225を用いた振替処理を行う。また、第2処理部210は、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替が完了したことを示す処理完了データ430を生成する。第2サーバ200は、処理完了データ430を情報端末500に送信する。情報端末500が処理完了データ430を受信した場合、アプリケーションプログラム510は、情報端末500に、第2預金口座820から第1仮想口座910への振替が完了した旨を表示する。
【0137】
[5.変形例]
図17は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム30の構成を示す。図17に示すように、口座管理システム30は、第2サーバ200および第3サーバ300を含む。第2サーバ200は、第2処理部210および第2記憶部220を含む。第3サーバ300は、第3処理部310および第3記憶部320を含む。
【0138】
第2サーバ200は、第1実施形態で説明したように、顧客Aの情報端末500のアプリケーションプログラム510からの命令を受信して、主に、第2預金口座820の仮想取引処理を実行することができる。
【0139】
一方、第3サーバ300は、顧客Aの第1預金口座810、第2預金口座820、および第3預金口座830の明細情報を取得する処理を行うことができる。第3サーバ300において、第3記憶部320は、第1預金口座810の明細情報に関する第1明細データ321、第2預金口座820の明細情報に関する第2明細データ322、および第3預金口座830の明細情報に関する第3明細データ323を含む。
【0140】
すなわち、口座管理システム30は、明細情報を第3サーバ300で取得し、明細情報または残高情報を用いる処理を第2サーバ200で行うものである。
【0141】
本発明の一実施形態に係る口座管理システム20または30によれば、顧客Aは、情報端末500のアプリケーションプログラム510を用いて、預金口座の明細情報もしくはクレジットカードまたはポイントサービスの利用明細情報を取得することができる。また、顧客Aは、明細情報だけでなく、明細情報に関連する関連情報も取得することができる。顧客Aは、取得した明細情報に基づいて第2預金口座820の管理を行うことができるため、第2預金口座820を用いて計画的な貯蓄をすることができるとともに、集約した資金を適切に管理し、運用することができる。
【0142】
<第3実施形態>
本発明の一実施形態に係る情報提供システム(またはレコメンドサービスシステム)について説明する。情報提供システムは、顧客Aによる貯蓄目的または資金運用の管理において、有意義な情報を顧客Aに提供することができる。情報提供システムは、第2預金口座820に限られることなく、PFMサービスによって取得した情報を解析して得られた情報を提供することができる。そのため、情報提供システムで提供することができるレコメンドサービスとして、例えば、効率的な貯蓄の方法、管理、または運用に関する情報、もしくは購入を検討している商品またはサービスに関する情報などを提供することができる。
【0143】
以下では、顧客Aが、貯蓄または資金運用の管理を第2預金口座820で行っている場合における、情報提供システムを用いたレコメンド情報の提供について説明する。
【0144】
情報提供システムは、第2サーバ200を利用する。すなわち、第2サーバ200は、さらに解析部を含み、情報提供システムは、第2サーバ200に含まれる解析部によってレコメンド情報を生成することができる。
【0145】
解析部は、顧客Aの第2預金口座820に関連した情報を取得する。例えば、解析部は、第2記憶部220から第2預金口座820の第1明細データ231を取得することができる。また、解析部は、PFMサーバ700へアクセスするときに、第2預金口座820の明細情報を取得することもできる。
【0146】
解析部は、取得した第1明細データ231(第2預金口座820の明細情報)から、購入頻度の高い商品を抽出し、抽出した商品またはそれに類似する商品に関するコンテンツが含まれたレコメンド情報を生成する。なお、第1明細データ231から抽出される商品は購入頻度の高いものに限られず、例えば、最近購入した商品を抽出することもできる。また、抽出するものは商品に限られず、例えば、国や都市であってもよい。
【0147】
また、抽出した情報またはレコメンド情報の履歴などは、顧客Aの情報として、第2記憶部220に記憶しておくこともできる。
【0148】
さらに、レコメンド情報は、仮想口座900の名称に関連するコンテンツを含むように生成することもできる。例えば、仮想口座900の名称が「海外旅行」または「国内旅行」を含む場合、解析部は、旅行に関するコンテンツをレコメンド情報として生成することができる。また、例えば、仮想口座900の名称が「老後」を含む場合、解析部は、老後資金を準備するための資産運用に関するコンテンツをレコメンド情報として生成することができる。すなわち、解析部は、第2預金口座820の残高の運用に関連する情報を生成することができる。なお、解析部は、所定のキーワードと照合し、キーワードに紐付けられたレコメンド情報を生成してもよい。
【0149】
生成されたレコメンド情報は、顧客Aの情報端末500に送信され、顧客Aは、レコメンド情報を閲覧することができる。なお、情報端末500におけるレコメンド情報の表示は、メッセージのような表示だけでなく、メール配信または広告配信などによる表示であってもよい。
【0150】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムによれば、顧客Aに対して、顧客Aの貯蓄または資金運用の管理に基づいたレコメンド情報を提供することができる。例えば、顧客Aが貯蓄または資金運用の管理を第2預金口座820で行っている場合、情報提供システムは、第2預金口座820に関連した情報(明細情報または仮想口座900の情報)を解析することで、顧客Aの貯蓄または資金運用の管理に関連するレコメンド情報を提供することができる。そのため、情報提供システムは、顧客Aの意向に沿ったレコメンドサービスが可能である。
【0151】
<第4実施形態>
第3実施形態とは異なる、本発明の一実施形態に係る別の情報提供システム(またはレコメンドサービスシステム)について説明する。情報提供システム50は、顧客Aの預金口座の将来の残高を予測し、予測した預金口座の残高に基づいた情報を顧客Aに提供することができる。具体的には、情報提供システム50は、予測した預金口座の残高が不足する場合には、X銀行の金融融資情報を顧客Aに提供することができる。また、予測した預金口座の残高が一定の貯蓄額に達する場合には、投資信託などのX銀行の金融商品情報を顧客Aに提供することができる。なお、本実施形態に係る情報提供システム50も、PFMサービスによって取得した情報を利用することにより、第2預金口座820に限られることなく、顧客Aの預金口座を基にレコメンドサービスを行うことができる。
【0152】
以下では、顧客Aの予測した預金口座の残高が不足する場合における、情報提供システム50を用いたレコメンド情報の提供について説明する。
【0153】
情報提供システム50では、PFMサーバ700から顧客Aの預金口座の残高情報を取得し、蓄積された過去の預金口座の残高情報の推移パターンを作成する。また、PFMサーバ700から顧客Aの預金口座の明細情報を取得し、確定された口座振替の金額を合計する。預金口座の残高情報および確定された口座振替の合計金額を基に、預金口座の将来の残高を算出するが、その際、作成された残高情報の推移パターンの規則性を考慮した修正を行う。推移パターンの規則性としては、例えば、口座振替以外の定期的な収入、または特定月での残高の変動額などである。残高情報の推移パターンの規則性に基づく修正を行うことで、預金口座の残高の予測の精度を向上させる。
【0154】
さらに、本実施形態に係る情報提供システム50は、機械学習を用いて、預金口座の残高の予測を行うこともできる。以下では、図18を参照して、機械学習を用いた情報提供システム50について説明する。
【0155】
図18は、本発明の一実施形態に係る情報提供システム50を用いた処理フロー図の一例である。図18に示すように、情報提供システム50は、サーバ1000を含む。サーバ1000は、取得部1010、学習部1020、および処理部1030を含む。
【0156】
なお、情報提供システム50のサーバは、学習部1020を含んでいればよく、第2サーバ200または第3サーバ300であってもよい。
【0157】
取得部1010は、学習部1020で学習させるために必要な情報を取得することができる。例えば、取得部1010は、PFMサーバ700から顧客Aの預金口座の残高情報および明細情報を取得することができる。明細情報は、項目ごとに、日付、収入または支出に関連する明細内容、収入または支出の金額を含む。
【0158】
学習部1020では、取得部1010で取得された明細情報を基に、第1学習モデル1021、第2学習モデル1022、および第3学習モデル1023を構築し、学習する。
【0159】
第1学習モデル1021では、明細情報の項目を分類することができる。具体的には、第1学習モデル1021では、明細情報の各項目を、定期的な収入または支出である定期情報と、それ以外の非定期情報とに判定し、出力する。学習部1020は、明細情報の収入または支出に関連する明細内容の類似性を学習する。学習部1020は、学習された類似パターンを基に、明細情報の項目の類似性を判定する。また、学習部1020は、類似と判定された明細情報の項目について、日付の間隔の推移を示す第1推移パターンを作成する。学習部1020は、第1推移パターンを所定の期間(例えば、6月または1年など)ごとに分割した第1分割パターンを作成し、第1分割パターンを学習する。学習部1020は、第1分割パターンの類似判定を行い、類似と判定した項目は定期情報として、非類似と判定した項目は非定期情報として出力する。
【0160】
第2学習モデル1022では、第1学習モデル1021で分類された定期情報の項目の金額を予測することができる。学習部1020は、項目ごとに金額の推移を示す第2推移パターンを作成する。また、学習部1020は、第2推移パターンを所定の期間(例えば、6月または1年など)ごとに分割した第2分割パターンを作成し、第2分割パターンを学習する。学習部1020は、第1分割パターンの類似性に基づき、定期情報の各項目における将来の金額を予測し、出力する。
【0161】
第3学習モデル1023では、第1学習モデル1021で分類された非定期情報の項目の金額を予測することができる。学習部1020は、所定の期間(例えば、1月など)ごとに非定期情報と分類された項目の収入および支出を合計し、合計した収入および支出の推移を示す第3推移パターンを作成する。また、学習部1020は、第3推移パターンを所定の期間(例えば、6月または1年など)ごとに分割した第3分割パターンを作成し、第3分割パターンを学習する。学習部1020は、分割パターンの類似性に基づき、非定期情報の項目における将来の収入および支出の金額を予測し、出力する。なお、第3分割パターンにおいて、突発的な収入および支出の項目が含まれていると判断できる場合、その項目を除去して学習することができ、その際、教師データを用いて学習してもよい。
【0162】
処理部1030では、取得部1010で取得した残高情報、第2学習モデル1022で出力された定期情報の各項目における将来の金額、および第3学習モデル1023で出力された非定期情報の項目における将来の金額に基づき、預金口座の将来の残高を算出する。その結果、預金口座の残高が不足していると判定できた場合には、処理部1030は、残高不足データおよび残高不足を解消するレコメンド情報を生成する。残高不足を解消するレコメンド情報としては、例えば、X銀行の融資情報である。
【0163】
生成された残高不足データおよびレコメンド情報は、顧客Aの情報端末500に送信され、顧客Aは、預金口座の将来の残高およびレコメンド情報を閲覧することができる。
【0164】
PFMサーバ700に、顧客Aの複数の預金口座が登録されている場合、複数の口座に対して情報提供システム50を適用することができる。
【0165】
なお、情報提供システム50は、分類、判定、および予測の全てに機械学習を適用してもよく、分類、判定、および予測の一部に機械学習を適用してもよい。
【0166】
本発明の一実施形態に係る情報提供システム50によれば、顧客Aの預金口座の将来の残高を予測し、顧客Aに対して、預金口座の将来の残高に基づいたレコメンド情報を提供することができる。例えば、顧客Aの預金口座の残高が不足することを予測し、顧客Aに対して、預金口座の残高不足を解消するレコメンド情報を提供することができる。そのため、顧客Aは、預金口座の残高不足を事前に解消することができ、安定して預金口座を管理することができる。また、顧客Aの預金口座の将来の残高が一定の金額に達する場合には、顧客Aに対して、金融商品情報を提供することができる。そのため、顧客Aは、預金口座の残高を管理して計画的な貯蓄をすることができるとともに、貯蓄を運用することができる。
【0167】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0168】
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0169】
10、20、30:口座管理システム、 50:情報提供システム、 100:第1サーバ、 110:第1処理部、 120:第1記憶部、121:第1預金口座データ、 122:第2預金口座データ、 200:第2サーバ、 210:第2処理部、 220:第2記憶部、 222:第3預金口座データ、 225:第1仮想口座データ、 227、228:自動設定データ、 230:第1取得部、 231:第1明細データ、 241:第1分類データ、 242:第2分類データ、 300:第3サーバ、 310:第3処理部、 320:第3記憶部、 321:第1明細データ、 322:第2明細データ、 323:第3明細データ、 400、410、420、430、440:処理完了データ、450:負残高情報データ、 460:検索結果データ、 470:第1検索結果データ、 480:第2検索結果データ、 500:情報端末、 510:アプリケーションプログラム、 600:サーバ、 700:PFMサーバ、 810:第1預金口座、 820:第2預金口座、 830:第3預金口座、 850:X銀行の他人名義の預金口座、 860:X銀行の自己名義の預金口座、 870:X銀行以外の銀行の預金口座、 900:仮想口座、 910:第1仮想口座、 920:第2仮想口座、 1000:サーバ、 1010:取得部、 1020:学習部、 1021:第1学習モデル、 1022:第2学習モデル、 1023:第3学習モデル、 処理部:1030
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