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特許7117365カメラ用レンズ駆動装置、カメラ及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】カメラ用レンズ駆動装置、カメラ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20220804BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20220804BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220804BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/04 E
H04N5/225 400
H04N5/232 480
H04N5/225 700
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020217862
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102860
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2021-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】520357958
【氏名又は名称】ジョウシュウシ レイテック オプトロニクス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】邱 敬中
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-166179(JP,A)
【文献】特開2015-121818(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103913925(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/04
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ駆動装置であって、収容空間を有するケースと、レンズモジュールと、支持部品と、電磁駆動装置と、回路板固定用台座と、磁性体とを含み、
前記収容空間には、レンズモジュールが収容され、
前記レンズモジュールは、レンズと、前記レンズを収容するレンホルダーとを有し、
前記支持部品は、前記レンズモジュールと前記回路板固定用台座とを支持し、
前記電磁駆動装置は、前記レンズホルダー及び前記回路板固定用台座にそれぞれ設置されると共に、前記レンズモジュールの重心位置の水平近傍に設置されており、
前記レンズモジュールは、平面内で異なる移動軸を持ち、前記回路板固定用台座に対して自在に回動させ
前記支持部品がシャフトピンであり、前記シャフトピンが少なくとも四つ設置され、
前記回路板固定用台座は、前記シャフトピンの方向を規制する溝を備え、前記シャフトピンが前記溝内で転がることによって、前記レンズモジュールが、前記レンズの光軸に直交する方向に基づく、規制された異なる回転光軸内で自在に回動可能であり、
前記磁性体は、前記支持部品に吸引規制することを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記電磁駆動装置は、磁石鋼と駆動コイルとを含み、前記磁石鋼は、前記レンズモジュールに固定され、前記駆動コイルは、前記回路板固定用台座に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記ケースは、固定用台座とカバーとを含み、
前記固定用台座と前記カバーは、前記収容空間を形成し、
前記固定用台座のうち、支持方向に吸引して位置を規制する第二の反発力磁石鋼が設けられ、
前記レンズモジュールは、光軸に直交する方向に沿って設けられる第一の反発力磁石鋼が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記レンズホルダーは、前記支持部品が固定されている穴を有し、
前記第一の反発力磁石鋼は、前記レンズホルダーに設けられていることを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
磁気ヨークと、磁気ヨーク支持フレームとを更に含み、
前記磁気ヨークは、前記磁気ヨーク支持フレームに取り付けられて前記電磁駆動装置に作用することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記駆動コイルは、前記磁石鋼の外側に設けられ、前記磁石鋼を光軸に対して挟み込んで電磁作用を発生させることを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項に記載のカメラを備えることを特徴とする携帯電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラ用レンズ駆動装置分野に関し、特に像ブレを防いで鮮明な画像を得るレンズ駆動装置、カメラ及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮影技術の急速な発展に伴い、写真品質への要望は今まで以上に高くなっており、特に夜景を撮る際などは、暗所での撮影品質を向上させるため、明るいレンズや像振れ防止機能の追加が必要となる、像振れ補正を用いたレンズ駆動装置は、数多くの撮影装置及び携帯式電子機器で広く応用されている。
【0003】
通常の携帯式電子機器に適応されたレンズ駆動装置の駆動機構は、一般的にコイルと磁石鋼とによって形成され、コイルがレンズキャリアの外周に固定されている。コイルへ電流を印加するとき、電磁力の作用によって、コイルは、レンズキャリアを動かしてレンズの光軸方向に沿って移動さることによって焦点を合わせることができる。しかし、ユーザが手で電子機器を持ちながら撮影する際に、手振れによるレンズ駆動装置の振れが避けられない。そのため、レンズがレンズの光軸に直交する方向に絶えず移動してしまうことがある。このようにレンズ駆動装置では撮影画像の乱れを抑制せず、撮影された画像の品位が低下してしまう。
また通常の手振れを補正する装置ではレンズ駆動装置の底部、撮像センサー側に配置された電磁駆動装置の駆動用回路により、近接する撮像センサーへ駆動ノイズが発生することや、センサーサイズの発展に伴いレンズサイズも今まで以上に大きくなり、
一般的なワイア式手振れ補正装置では、消費電力が高くなる懸念や、支持部材における剛性不足での振れ補正性能が悪化懸念なども有り、光軸に直交する方向への振れを補正するためにより剛性が高い保持方法が必要な可能性があった。
【0004】
従って、以上の課題を解決できる新しいレンズ駆動装置を提供することが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-23760号公報
【文献】特開2017-142424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ユーザが電子機器や携帯端末用なカメラで撮影する時に生じた手振れによるレンズ駆動装置の振れによって、レンズがレンズの光軸に直交する方向に絶えず移動してしまう場合に撮影画像の乱れを抑制することや、駆動ノイズを低減できる課題を解決するために、新しいレンズ駆動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は以下のように実現された。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0008】
レンズ駆動装置であって、収容空間を有するケースを含み、
前記収容空間には、レンズモジュールが収容され、
前記レンズモジュールは、レンズと、前記レンズを収容するレンホルダーと、前記レンズホルダーを光軸方向に直交する方向に自在に回動させるための支持フレームと、支持部材と、電磁駆動装置と、回路板固定用台座とを有し、
前記電磁駆動装置は、前記レンズホルダー及び前記回路板固定用台座にそれぞれ設置されると共に、前記レンズモジュールの重心位置の水平近傍に設置されており、
前記レンズモジュールは、平面内で異なる移動軸を持ち、前記回路板固定用台座に対して自在に回動させる。
【0009】
前記支持部品がシャフトピンであり、前記シャフトピンが少なくとも四つ設置されることが好ましい。
【0010】
前記回路板固定用台座は、平面内で異なる移動軸に回動するための溝を有することが好ましい。
【0011】
前記電磁駆動装置は、磁石鋼と駆動コイルとを含み、前記磁石鋼は、前記レンズモジュールに固定され、前記駆動コイルは、前記回路板固定用台座に固定されていることが好ましい。
【0012】
前記ケースは、固定用台座とカバーとを含み、前記固定用台座と前記カバーは、前記収容空間を形成し、前記固定用台座のうち、支持方向に吸引して位置を規制する第二の反発力磁石鋼が設けられ、前記レンズモジュールは、光軸に直交する方向に沿って設けられる第一の反発力磁石鋼が設けられていることが好ましい。
【0013】
前記レンズホルダーは、前記支持部品が固定されている穴を有し、
前記第一の反発力磁石鋼は、前記レンズホルダーに設けられていることが好ましい。
【0014】
磁気ヨークと、磁気ヨーク支持フレームとを更に含み、前記磁気ヨークは、前記磁気ヨーク支持フレームに取り付けられて前記電磁駆動装置に作用することが好ましい。
【0015】
前記駆動コイルは、前記磁石鋼の外側に設けられ、前記磁石鋼を光軸に対して挟み込んで電磁作用を発生させることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、上記レンズ駆動装置を備えるカメラなどの撮像装置を含む。
【0017】
また、本発明は、上記カメラを備えるスマートフォンなどの携帯電子機器を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の利点として、本発明のレンズ駆動装置は、レンズの光軸の移動に対する調整及び回転の規制ができるため、振れ防止の目的が達成でき、撮像画像の品位が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のレンズ駆動装置の分解斜視図である。
図2】本発明のレンズ駆動装置の断面図1である。
図3】本発明のレンズ駆動装置の断面図2である。
図4】本発明のレンズ駆動装置の正面図である。
図5】本発明のレンズ駆動装置の左側面図である。
図6】本発明の回路板固定用台座と支持部材の分解斜視図である。
図7】本発明のレンズ駆動装置を備えた携帯電子機器(携帯情報端末)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明について詳しく説明する。
【0021】
図1図5は、本発明のレンズ駆動装置100を示す図面である。
【0022】
レンズ駆動装置100は、ケース10と、レンズモジュール30と、回路板固定用台座40と、支持部品41と、磁性体60と、駆動コイル70とを備える。
【0023】
ケース10には、収容空間13を有し、ケース10は、固定用台座11と、固定用台座
11に合わせて収容空間13を形成するためのカバー12と、回路板80を備える。
【0024】
回路板固定用台座40は、レンズモジュール30に設けられた支持部品41の方向を規制する溝42と、回路板固定用台座40に固定されている回路板80及び駆動コイル70を備える。
レンズモジュール30は、レンズ及びレンズホルダー32を備える。
【0025】
固定用台座11は、固定用台座11に設けられた光軸に直交する方向への第二の反発力磁石鋼63を備え、ケース10の収容空間13の内部に収容され、レンズモジュール30は光軸に直交する方向への第一の反発力磁石鋼62を備え、回路板固定用台座40の内に収容され、レンズモジュール30は、レンズ(図示しない)を含む。同様にケース10の収容空間13の内部に収容される。
【0026】
支持部品41は、レンズモジュール30がレンズの光軸に直交する方向に沿って固定用台座11に対して自在に回動できるように、レンズモジュール30と回路板固定用台座40とを支持する。
【0027】
支持部品41は、シャフトピンであってもよい。シャフトピンである支持部品41は、少なくとも四つ設置されることに対して、回路板固定用台座40及びレンズモジュール30上に設けられた、回路板固定用台座に設けられた支持部品の方向を規制する溝42によって、回動する軸を規制しており、シャフトピン41の転がりによって、レンズモジュール30はレンズの光軸に直交する方向に基づく、規制された第一回転光軸方向43及び規制された第二回転光軸44内で自在に回動できる。
また光軸方向に対して、回路板固定用台座40、四つの支持部品41、レンズモジュール30、固定用台座11の順番で組み上げられ、レンズモジュール30に設けられた支持部品41と、回路板固定用台座40に設けられた支持部品に吸引規制する磁性体60の磁気作用によってこれらの部材はどの方向に向けられても外れない様光軸方向に吸着される。
【0028】
磁石鋼61は、レンズモジュール30に取り付けられて固定されている。
【0029】
第一の反発力磁石鋼62は、レンズモジュール30に取り付けられて固定されている。
【0030】
第二の反発力磁石鋼63は、固定用台座11に取り付けられて固定されている。
【0031】
レンズ駆動装置100は、磁気ヨーク90が設けられており、磁気ヨーク90は、磁気ヨーク支持フレーム20に取り付けられて固定されていると共に磁石鋼61を光軸方向垂直方向へレンズモジュールが回動した際に光軸中心に引き寄せる機能を備えている。
または、レンズモジュール30に設けられた第一の反発力磁石鋼62と、固定用台座11に設けられた第二の反発力磁石鋼63の磁気作用によって回動した際に光軸中心に押し寄せる反作用力を備えている。
【0032】
駆動コイル70は、回路板固定用台座40に固定される回路板80に設置されており、且つ磁石鋼61の外側にそれぞれ対応して設置されている。
【0033】
駆動コイル70は、回路板固定用台座40上に取り付けられて固定されている回路板80と一体化するコイル巻き線であっても良く、直接に回路板80上に形成されている導電性パターンであっても良い。駆動コイル70と磁石鋼61の間の電磁作用によって、磁気ヨーク支持フレーム20は、レンズの光軸に直交する方向に沿って回路板固定用台座40に対して回し移動することができるため、レンズの光軸の回し移動に関する調整が実現された。
【0034】
レンズ駆動装置100には、さらに回路板80が設置されている。
【0035】
回路板80は、駆動コイル70と接続されている。
【0036】
駆動コイル70と対応して、磁石鋼61は、四つが設置され、且つ、共にレンズの光軸に関して中心対称、すなわち中心線に対して対称的となる位置に配置されている。
【0037】
駆動コイル70は、固定用台座11に設けられた外部との接続端子14に接続されるが、駆動用回路を持つ磁気検出素子81に接続されても良く、第二の駆動用回路を持つ磁気検出素子81は一例であり、磁気検出を兼ねる駆動ICであっても良い。第二の駆動用回路を持つ磁気検出素子81は磁石鋼61と対向される位置にあり、レンズモジュール30と共に動く磁石鋼61の位置を検出することが出来る。
【0038】
レンズの光軸は、手振れによって移動した場合、あるいは、移動の傾向がある場合、レンズモジュールの重心位置31の水平近傍に設置されている駆動コイル70に電流を流入させることができ、駆動コイル70が固定されているため、作用力及び反作用力の原理に基づき、レンズモジュール30は移動物の重心に対して効率よく均衡を保ちながらレンズの光軸に直交する方向に沿って回路板固定用台座40に対して回し移動することが実現でき、または、レンズの光軸の移動傾向を抑制できる。従って、レンズの光軸の移動に対して調整することができる。
【0039】
上述したレンズ駆動装置100は、たとえば図7に示すいわゆるスマートフォン、いわゆるフィーチャーフォン、またはタブレット機器などの携帯情報機器200用の撮像装置300に用いられてもよい。
【0040】
本発明のレンズ駆動装置100によって、レンズの光軸の移動に対する調整が実現できるため、振れ防止の目的が達成でき、撮像画像の品位を向上させることができる。
【0041】
以上は、ただ本発明の好ましい実施形態に過ぎなく、本発明の保護範囲は、上記実施形
態に限定されたものではなく、本領域の技術者が本発明に開示された内容に基づき作られ
た同等の修正または変形は、すべて本願の特許請求の範囲に記載された本発明に含まれて
いる。
【符号の説明】
【0042】
10 … ケース
11 … 固定用台座
12 … カバー
13 … 収容空間
14 … 回路板固定用台座に設けられた外部との接続端子
20 … 磁気ヨーク支持フレーム
30 … レンズモジュール
31 … レンズモジュールの重心位置
32 … レンズホルダー
40 … 回路板固定用台座
41 … 支持部品
42 … 支持フレームに設けられた指示部品の方向を規制する溝
43 … 規制された第一回転光軸方向
44 … 規制された第二回転光軸方向
60 … 支持部品に吸引規制する磁性体
61 … 磁石鋼
62 … 第一の反発力磁石鋼
63 … 第二の反発力磁石鋼
70 … 駆動コイル
80 … 回路板
81 … 駆動用回路を持つ磁気検出素子
90 … 磁気ヨーク
100 … レンズ駆動装置
200 … 携帯情報機器
300 … 撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7