IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィの特許一覧

特許7117430相互接続体と埋設されたコンポーネントとを含む3D印刷された形状の作製
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】相互接続体と埋設されたコンポーネントとを含む3D印刷された形状の作製
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/188 20170101AFI20220804BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20220804BHJP
   B29C 64/336 20170101ALI20220804BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220804BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220804BHJP
   B33Y 40/20 20200101ALI20220804BHJP
   H05K 3/10 20060101ALN20220804BHJP
【FI】
B29C64/188
B29C64/209
B29C64/336
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y40/20
H05K3/10 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021131447
(22)【出願日】2021-08-11
(62)【分割の表示】P 2017548271の分割
【原出願日】2016-03-01
(65)【公開番号】P2021185033
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】15159352.2
(32)【優先日】2015-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】タルゴルン エリス クラウド ヴァレンティン
(72)【発明者】
【氏名】リボン セバスティエン パウル レネ
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン エンデ ダアン アントン
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブス エグベルトゥス レイニエル
(72)【発明者】
【氏名】ビューモント デイヴ
(72)【発明者】
【氏名】チェルナーク クニグンデ ハデリンデ
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスタファ
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-64592(JP,A)
【文献】特開2000-330468(JP,A)
【文献】国際公開第2013/163585(WO,A1)
【文献】米国特許第5656230(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0186042(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dプリンタ装置によって3D印刷された物体を製造するための方法であって、前記方法は、(i)3D印刷段階を含み、前記3D印刷段階が、前記3Dプリンタ装置に含まれる3Dプリンタによって、3D印刷可能材料を3D印刷して、前記3D印刷された物体を提供することを含み、前記3D印刷段階が、3D印刷中に、構築中の前記3D印刷された物体内にトンネルを形成することをさらに含み、前記方法は、(ii)前記3D印刷された物体が完全に印刷された後に、前記3Dプリンタ装置に含まれる機能材料提供デバイスによって、機能材料を含む流動性材料により前記トンネルを充填することを含む充填段階をさらに含み、前記機能材料が、導電性の性質と、熱伝導性の性質と、光透過性の性質と、磁気的な性質とのうちの1つ又は複数を含み、前記充填段階が、前記機能材料を固定することを含む、方法。
【請求項2】
前記3D印刷段階は、前記3Dプリンタ装置に含まれる輸送ユニットによって、機能的コンポーネントを貯蔵位置から構築中の前記3D印刷された物体に輸送し、構築中の前記3D印刷された物体内に前記機能的コンポーネントを少なくとも部分的に組み込むことをさらに含み、前記充填段階は、前記流動性材料により前記トンネルを充填することにより、前記機能材料に前記機能的コンポーネントを機能的に接続することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機能的コンポーネントは、電気的コンポーネント、ソレノイド、アンテナ、容量結合構造物、及び電磁石のうちの1つ又は複数を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記機能的コンポーネントは光源を含み、前記機能材料は導電材料を含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記機能的コンポーネントは、前記3D印刷された物体内に完全に組み込まれる、請求項2、3又は4に記載の方法。
【請求項6】
(a)前記トンネルを閉鎖することと、(b)流動性材料を含む前記機能材料を硬化することとのうちの1つ又は複数により、前記機能材料が固定される、請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記流動性材料は硬化性材料を含み、前記方法は、前記流動性材料を硬化して、硬化された機能材料を提供することをさらに含む、請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記流動性材料は、20℃において2mPa・s以上の粘性をもつ、請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記流動性材料は、ポリマーを含む金属粒子を含む、請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記流動性材料は、50~400℃の範囲から選択される温度で融解する低融点はんだを含む、請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記充填段階は、前記3D印刷された物体を大気圧未満の圧力にさらし、続いて、前記流動性材料により前記トンネルを充填することを含む、請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記トンネルは分岐構造を含む、請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
3D印刷された物体を提供するための3Dプリンタ装置であって、前記3Dプリンタ装置が、(i)3D印刷可能材料を3D印刷して前記3D印刷された物体を提供する3Dプリンタを含み、前記3Dプリンタが、3D印刷中に、構築中の前記3D印刷された物体内にトンネルを形成し、前記3Dプリンタ装置が、(ii)前記3D印刷された物体内への機能的コンポーネントの少なくとも部分的な一体化のため貯蔵位置から構築中の3D印刷された物体に前記機能的コンポーネントを輸送する輸送ユニットと、(iii)前記3D印刷された物体が完全に印刷された後に、前記トンネルに機能材料を含む流動性材料を充填する機能材料提供デバイスとをさらに含む、3Dプリンタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、機能的コンポーネントを含む、3D印刷された物体の製造のための方法に関する。本発明は、また、例えば、このような方法により入手可能な物体自体に関する。本発明は、さらに、3Dプリンタに関し、3Dプリンタは、例えば、特に、機能的コンポーネントを含む、3D印刷された物体の製造のためのこのような方法において使用される。
【背景技術】
【0002】
このような技術により製造された物体に材料が組み込まれる付加技術が、本分野で知られている。例えば、米国特許出願公開第2013303002号は、マイクロ電子デバイスのための三次元相互接続構造物と、このような相互接続構造物を製造する方法とについて説明する。この方法は、付加積層製造工程を使用して骨格構造物が製造されるステップを含む。骨格構造物は、三次元被覆骨格と支持構造物とを備える。被覆骨格は、骨格構造物に導電性材料が付加された後、相互接続構造物の電気接点間における電気的な相互接続体を形成する層状自由形状骨格部品を備える。支持構造物は、層状自由形状骨格部品を支持する。支持構造物の部品が除去されて、電気的な相互接続体を分離及び/又は露出される。被覆骨格は、さらなる支持を提供するために絶縁材料により埋設される。とりわけ、被覆骨格部品は、電気的な相互接続体を形成するために管を通してめっき流体を流すことにより内面上を被覆された単一の接続された管を形成する。
【0003】
付加製造(AM:Additive manufacturing)は、材料加工における成長分野である。これは、迅速な試作品形成、カスタマイズ、後工程での設定、又は製造における小量物の作成に使用される。3D印刷された物体において新機能を生み出す多くの場合において、電力のための伝導ワイヤ又は経路(「トラック」)が必要とされる。例えば、LEDを封入するとき、LEDを駆動及びスイッチングするための伝導ワイヤが必要とされる。3D印刷された部品内にワイヤを取り付けることは、複雑な印刷形状を必要とし、印刷の自由度を制限する。加えて、印刷中にワイヤを付加することは、印刷工程と速度とを著しく遅らせる(例えば、ワイヤを挿入するために印刷が中断されなければならない)。さらに、曲がりくねった接続体は、弱点として残り得る。部品内に純金属の伝導路を印刷することは、従来の3D印刷技術では不可能である。さらに、金属を印刷することを可能にする技法(レーザー又は電子ビームに誘起される金属粒子の焼結/融解)は、別の材料との同時印刷をすることができない。例えば、熱溶融積層法(FDM:Fused Deposition Modelling)又はジェッティングなどの複数材料の印刷を可能にする技法は、まだ、導電金属の印刷ができない。この問題を解決するために、比較的良好な伝導性能を示す、金属ベースの印刷複合材料フィラメントが使用される。しかし、3D伝導チャネルを形成するために、これらのフィラメントが絶縁フィラメントと交互に配置される必要がある。
【0004】
3D電子回路を作製することを検討するとき、コンポーネント及び/又は電気回路を追加するために選択し得る様々な手法が存在する。すなわち、構築された基部上にすべてのコンポーネント(又は、電子回路)が位置し、それらの周囲及びそれらに重ねて3DP(3D印刷された(3D printed)又は3D印刷(3D printing))部品が印刷され、3DP工程全体を通じて複数の部品が様々な層の上に追加される。部品にわたってコンポーネントが分散され得、まず、3D部品が印刷され、次に、コンポーネントが表面に装着され、部品が印刷され、部品内にコンポーネントが引き込み/射出される(例えば、可撓性ストリップ又は他のデイジーチェーン)。もちろん、回路を形成するために、様々な電子部品が接続されなければならない。これらの選択肢のいくつかに関して、これは(比較的)単純と考えられ、従来の配線方法で接続が達成される。さらに、このような3D印刷された物体に相互接続体を追加することを試みる様々な方策が存在する。例示として、例えば、ジェッティング技術を使用して伝導トラックを3D形状に重ねて印刷すること、又は、例えば、複数のノズルを使用した複数材料FDM工程を使用して伝導トラックを印刷することなど、3D形状の表面上に相互接続体を付加することが方策として挙げられる。相互接続体を含む同様の3D形状、及び、それらの表面上の回路は、より従来の量産工程、例えば、モールド成形相互接続デバイス(MID:molded interconnect device)技術により達成される。さらに、3DP部品内部にコンポーネントを追加することが可能である。例えば、粉末の薄膜を堆積することにより、及び、レーザーを使用して、ソールド部品が形成されなければならない領域を融解することにより、層が構築される。例えば、粉末の薄膜を堆積すること、変更を加えられた真空設備を使用して粉末の空洞を吸引ことと、空洞内にコンポーネントを落とすことと、次に、印刷工程を続けることとを含む工程が使用される。
【0005】
埋設された電子部品を含む3DP試作品は、(したがって、)相互接続体(すなわち電気的な相互接続体)と、部品の外部におけるコンポーネントとを含む。これは、コンポーネントを機械的損傷にさらし、回路をより壊れやすくし、損傷を引き起こしやすくする。これは、さらに、トラックとコンポーネントパッドとを露出したままとするので、その結果、ユーザーの健康に関する危険性(例えば、感電死)と、製品の信頼性に関する危険性(例えば、水分により引き起こされる短絡及び腐食)をもたらす。縦方向に部品を接続することが可能である一技術は、伝導材料を印刷するために1つのノズルが使用される場合、上述の複数ノズルFDM工程である。この手法の欠点は、FDM対応伝導材料が、広く利用可能ではなく、さらに、一般的には(金属線と比較して確実に)電気的及び熱的に高い伝導性をもつわけではないことである。これは、コンポーネントを接続するために使用される3D印刷された伝導トラックが、比較的大きな抵抗をもち、大きな電流を伝導するためには使用されない場合があることを意味する。回路内でこれらの材料を使用することは、大きな損失、加熱、及び低効率につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、3D物体を印刷するための、好ましくは、さらに、上記の欠点のうちの1つ又は複数を少なくとも部分的に解消する代替的な方法を提供することが、本発明の一態様である。また、好ましくは、さらに、上記の欠点のうちの1つ又は複数を少なくとも部分的に解消する、特にこのような方法により入手可能な、代替的な印刷された3D物体を提供することが、本発明の一態様である。また、さらに、例えば、3D物体を印刷するためのこのような方法において使用するための、代替的な3Dプリンタを提供することが、本発明の一態様であり、これ(代替的な3Dプリンタ)は、好ましくは、さらに、上記の欠点のうちの1つ又は複数を少なくとも部分的に解消する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書において、本発明者らは、実質的に印刷工程(又は、その一部分)が終了した段階で、3DP部品の内部に伝導(又は、絶縁)トラックを追加する単純な手法を提案する。電気的コンポーネント(例えば、表面実装デバイス(SMD:surface mount device)、有機発光デバイス(OLED:organic light emitting device)、(小型)プリント基板(PCB:printed circuit board)、センサ、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)回路(例えば、これは、可撓性の箔上に印刷される))などの機能的コンポーネントは、印刷工程中、例えば、採取及び配置ツールを使用することにより、又は、ロールツーロール工程を使用して可撓性の回路を挿入することにより、様々な層内に埋設される。次の表は、使用され得るいくつかの3DP工程と、最適であり得る挿入方法とを示す。最後に、伝導トラックは、3DP部品内部に形成された中空トンネル内に液体(伝導性又は絶縁性)を注入することにより追加される(これは、代替的又は追加的に、液浴内にコンポーネントを浸すことによっても実行される)。液体は、例えば、チャネルの内部で硬化され、又は、チャネルが、内部に液体を維持するために封止される。
【0008】
【表1】
【0009】
したがって、第1の態様において、本発明は、3D印刷された物体(「物体」又は「3D物体」)の製造のための方法を提供し、本方法は、(i)3D印刷段階を含み、3D印刷段階が、3D印刷可能材料を3D印刷して、(少なくともこの印刷可能材料から)3D印刷された物体を提供することを含み、3D印刷段階が、3D印刷中に、(構築中の)3D印刷された物体内にチャネルを形成すること(すなわち、実際に3Dチャネルを印刷すること)をさらに含む、本方法は、(ii)流動性材料によりチャネルを充填することであって、流動性材料が、機能材料を含み、機能材料が、導電性の性質と、熱伝導性の性質と、放射線透過性の性質と、磁気的な性質とのうちの1つ又は複数を含む、充填することと、機能材料を固定することと、を含む充填段階をさらに含む。本明細書において、「放射線透過性の性質」という用語は、特に、UV放射線、可視放射線、及びIR放射線に対して透過性の材料を表し、本明細書において、さらに、「光透過性の性質」とも呼ばれる。
【0010】
このような方法により、例えば、(高)電気伝導トラックが形成される。さらに、このような方法により、3D印刷された物体内に完全に埋設された機能的コンポーネント(ただし、部分的に埋設されたものも選択肢となり得る)を含む3D印刷された物体を提供することが可能である。さらに、頑丈な電気伝導トラックが、比較的簡単な方法で提供される。例えば、電気めっきなどを含む従来技術の解決策を使用すると、流動性材料が漏れ、及び/又は、電気的なトラックが比較的弱くなることがある。さらに、本発明により提供される電気伝導トラックは、例えば、特定の導電ポリマーを使用したものなどの代替的な選択肢を使用して提供される電気伝導トラックよりはるかに高い導電性をもち得る。さらに、本発明によると、この時点で、3D構造物の内部の「厳密に」正しい場所に、より高い精度で相互接続構造物を(例えば、電気的に)配置することが可能である。例えば、外部トラックを付加するとき、これは、はるかに複雑であり、損傷を受けやすいものとなり得る。
【0011】
「3D印刷された物体」又は「3D物体」という用語は、高さと幅と長さとをもつ物体などの(付加製造工程である)3D印刷により得られる三次元物体を表す。3D(又は、3DP)物体は、原則として、3D印刷可能な任意の物体である。これは、使用上の機能をもつ物品であるか、又は、純粋に装飾的な物品である。これは、例えば、車、家、建物などの物品の拡縮モデルであってもよい。さらに、3D物体は、例えば、レンズ、鏡、反射体、窓、コリメータ、導波路、色変換素子(すなわち、発光材料を含む)、冷却要素、固定要素、導電要素、筐体、機械的支持要素、感知要素などの、別のデバイス又は装置において使用するための部品又は要素であってもよい。3D印刷された物体は、3D印刷された材料を含む。
【0012】
付加製造(AM)は、主に、付加工程を通して、3Dモデル又は他の電子データ源から三次元物体を製造する工程のグループである。したがって、「3D印刷」という用語は、「付加製造」又は「付加製造方法」と実質的に同じである。付加工程は、(焼結、融解、又は接着による)粒子の結合、又は、(層の連続的な堆積又は製造、例えば、重合による)材料の層の結合などを伴う。広く使用される付加製造技術は、熱溶融積層法(FDM)として知られている工程である。熱溶融積層法(FDM)は、モデリング、試作品形成、及び製造用途のために一般的に使用される付加製造技術である。FDMは、材料を層に拡げることにより「付加」原理上で働き、プラスチックフィラメント又は金属線がコイルからほどかれて材料を供給し、部品を形成する。場合によっては(例えば、熱可塑性樹脂の場合には)、フィラメントが融解され、押し出されてから配置される。FDMは、迅速な試作品形成技術である。FDMに対する別の用語は、「熱溶融フィラメント製法」(FFF:fused filament fabrication)である。本明細書において、FDM又はFFFと同じと考えられる「フィラメント3D印刷」(FDP:filament 3D printing)という用語が使用される。概して、FDM印刷機は、熱可塑性フィラメントを使用し、熱可塑性フィラメントは、その融点まで加熱されてから、層単位で(又は、実際にはフィラメント単位で)押し出し成型されて三次元物体を形成する。FDM印刷機は、複雑な物体を印刷するために使用される。したがって、一実施形態において本方法は、FDM 3D印刷により3D印刷された物体の製造を含む。
【0013】
3D印刷された物体は、特に、(少なくとも部分的に)、3D印刷可能材料(すなわち、3D印刷のために使用される材料)により形成される。
【0014】
概して、これらの(ポリマー)材料は、ガラス転移温度T及び/又は融解温度Tをもつ。3D印刷可能材料は、(例えば、FDMを想定した場合)ノズルを離れる前に3Dプリンタにより、少なくともガラス転移温度まで、及び、概して、少なくとも融解温度の温度まで加熱される。したがって、一実施形態において、3D印刷可能材料は、例えば、ガラス転移温度(T)及び/又は融点(T)をもつ熱可塑性ポリマーを含み、印刷機ヘッドの動作は、レシーバアイテムとレシーバアイテム上に堆積された3D印刷可能材料とのうちの1つ又は複数を、少なくともガラス転移温度の温度まで、特に、少なくとも融点の温度まで加熱することを含む。さらなる別の実施形態において、3D印刷可能材料は、融点(T)をもつ(熱可塑性)ポリマーを含み、印刷機ヘッドの動作は、レシーバアイテムとレシーバアイテム上に堆積された3D印刷可能材料とのうちの1つ又は複数を少なくとも融点の温度まで加熱することを含む。(本明細書において)使用され得る材料の特定の例は、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、リグニン、ゴムなどからなる群から選択される。
【0015】
上に示したように、例えば、インクジェット印刷、ステレオリソグラフィ、噴霧印刷、粉末床印刷などのFDM以外の技法も適用され得る。上に示したように、どのような印刷可能材料が使用されても、印刷可能材料は、特に、導電化学種又はその前駆体を含む。「印刷可能材料」という用語は、複数の異なる3D印刷可能材料をさらに表す。「印刷可能材料」という用語は、特に、印刷され得る材料を表す。例えば、FDMの場合、印刷可能材料は、流動性のある加熱されたポリマーを含み得る。印刷可能材料は、室温で固体であり得るが、加熱により、印刷可能になり(すなわち特に、流動性をもち)得る。この加熱は、特に、流動性又は印刷可能材料を提供することが意図される。ステレオリソグラフィの場合、印刷可能材料は、(レーザー放射などの光による)硬化性の液体材料などを含む。インクジェット印刷の場合、印刷可能材料は、(堆積後に気化し(され)得る)液体内に粒子を含む。粉末の結合の場合、印刷可能材料は、結合材(接着剤)により一体的に保持された粒子を含む。粉末の焼結又は融解の場合、印刷可能材料は、熱を印加することにより一体的に焼結又は融解される粒子を含む。
【0016】
上に示したように、本方法は3D印刷段階を含み、3D印刷段階は、3D印刷可能材料を3D印刷して、少なくとも印刷可能材料から3D印刷された物体を提供(すなわち、3D印刷された物体を製造)することを含む。「印刷された材料」という用語は、特に本明細書において、堆積又は印刷された印刷可能材料を表す。したがって、「印刷可能材料」という用語は、本明細書において特に、(まだ)堆積又は印刷されていない材料を表す。印刷段階は、とりわけ、硬化をさらに含む。例えば、印刷された材料は、印刷後に硬化され得、その後、さらに硬化され印刷された材料上にさらに印刷される。
【0017】
さらに、印刷段階は、印刷可能材料の3D印刷前、印刷可能材料の印刷中、及び印刷可能材料の印刷後に、機能的コンポーネントを提供することをさらに含む。印刷可能材料の印刷は、特に、段階的な工程(層単位の形成)であるので、例えば、印刷中、機能的コンポーネントは、構築中の3D印刷された物体に追加され得、その後さらに、印刷可能材料の印刷が続く。「構築中」という用語は、特に、3D印刷物体の最初の部分の印刷(t=0)から3D印刷された物体の最後の部分の印刷までの間の時間枠を示す。特に、t=0と最後の印刷動作との間に得られる製品も、本明細書において、3D物体として示される。しかし、この物体は、製造中である場合、「構築中の3D物体」又は同様の用語で表現される場合もある。例えば、この用語は、3D印刷工程中、特定の動作が実行されることを強調するために使用され得る。
【0018】
印刷段階は、3D印刷中に、(構築中の)3D印刷された物体内にチャネルを形成することをさらに含む。これは、一部分すなわちチャネルに、印刷された材料が存在しない状態を保つことにより、3D印刷された物体内に意図的にチャネルが形成されることを意味する。チャネルは、3D印刷中に提供される。3D印刷は、3D物体をもたらす。したがって、3D印刷段階は、3D印刷中に、構築中の3D印刷された物体内にチャネルを形成することを(さらに)含む。したがって、実際にチャネルが印刷されるのであり、すなわち、3D印刷中にチャネルが形成されるような手法で3D物体が印刷される。3D印刷中、一部分が、機能的に3D印刷可能材料が存在しない状態に残される(それにより、チャネルを形成する)。
【0019】
もちろん、3D物体は、複数のチャネルを含み得る。「チャネル」という用語は、複数のチャネルをさらに表し得る。例えば、電気的な用途の観点では、チャネルは、電気回路を提供するため、通常、2つのチャネルのセットとして提供される。チャネルは、任意の(機能的な)長さをもち得る。さらに、チャネルの断面は、円形、正方形、長方形などであってもよい。さらに、例えば、実施形態において、チャネルは、層様形状をもち得る。概して、等価直径(2×sqrt(面積/π)、式中、sqrtは、平方根の略語である)は、0.05~100mm、例えば、0.2~50mmの範囲内であり、3D物体の寸法に応じて決まる。上に示したように、この等価直径に適合する場合でも、断面の形状は、チャネル長にわたって変動し得る(しかし、依然として、実質的にチャネルの全長にわたって、示される範囲に実質的に適合する)。異なる種類のチャネルも形成され得る。
【0020】
チャネルの充填は、印刷中に行われる。例えば、チャネルの一部分が形成されるか、又は、チャネルの準備が整うと、次に、チャネルが流動性材料により充填された後、任意選択的な硬化が続き、さらなる3D印刷が続き、このさらなる3D印刷は、任意選択的に、チャネルの生成と流動性材料によるチャネルの充填とをさらに含んでもよい。しかし、さらなる別の一実施形態において、まず、物体が実質的に完全に3D印刷された後、チャネルの充填が続く。したがって、本方法は、(ii)流動性材料によりチャネルを充填することを含む充填段階をさらに含み得る。
【0021】
「印刷段階」及び「充填段階」という用語は、(実際に、本明細書において説明される方法の一実施形態である)3D印刷された物体の完全な印刷と、その後の充填することとを必ずしも含むとは限らないが、逐次的に適用される複数のこのような段階をさらに含み得る。しかし、一実施形態において、3D物体は、まず(完全に印刷された後)、流動性材料によるチャネルの充填が続く。
【0022】
上に示したように、流動性材料は、機能材料を含む。したがって、機能材料は、例えば、低融点はんだなどの流動性機能材料として(構築中の)3D印刷された物体内に導入される(後述の詳細を参照されたい)。代替的又は追加的に、機能材料は、(流動性及び硬化性)ポリマーを含む銀などの流動性担体により導入される(後述の詳細を参照されたい)。任意選択的に、流動性材料により充填する前、チャネルのチャネル壁が、例えば、流動性材料の導入をしやすくする被膜を使用して機能的にされ得る。例えば、水性の流動性材料が使用される場合など、疎水チャネル壁がより親水性にされ得る。このような機能化は、チャネルボリュームとチャネル等価直径とを(わずかに)小さくすることにつながり得る。
【0023】
概して、機能材料により充填されたチャネルを含む、印刷された材料の総ボリュームに対する(機能材料により充填された)チャネルの総チャネルボリューム(以下を参照されたい)は、0.05~20vol%、例えば、0.5~10vol%の範囲内である。さらに、概して、チャネルは、チャネルボリュームの少なくとも70vol%、例えば、少なくとも80vol%の範囲内、さらには特に、少なくとも90vol%を機能材料により充填され、例えば、実質的に完全に機能材料により充填される。したがって、一実施形態においてチャネルは、機能材料により少なくとも90vol%充填される。
【0024】
チャネルは、注射器を使用するなどして、例えば、流動性液体を注入することにより、液体(流動性材料)により充填される。しかし、3D印刷された物体は、例えば、さらに、流動性材料内に浸される(沈められる)。
【0025】
特に、流動性材料は、例えば、20℃において2mPa・s以上、例えば、5mPa・s以上、一例において、10mPa・s以上、例えば、50mPa・s以上、特に、100mPa・s以上、一例において、20℃において0.5Pa・s以上といった水より大きな粘性をもつ。しかし、特に、20℃における流動性材料の粘性は、100mPa・s以下、例えば、50mPa・s以下である。水より大きな比較的高い粘性をもつ、例えば、少なくとも2倍の粘性の流動性材料を使用することは、特に、粉末印刷又はフィラメント印刷された3D物体の観点で、有益と考えられる。本例において、機能材料を固定する前に粘性が現れる。追加的又は代替的に、真空が充填を補助し得る。したがって、さらなる一実施形態において、充填段階は、3D印刷された物体を大気圧未満の圧力にさらすことを含む、続いて、流動性材料によりチャネルを充填する。代替的又は追加的に、(構築中の)3D印刷された物体内の充填されるチャネルに接続された開口は、真空吸入口として使用される。したがって、実施形態において、流動性の観点から高温で流動性材料を提供することが必要とされる。これは、本分野で知られている。したがって、流動性という用語は、50~150℃の範囲内の温度まで加熱されたときに流動性又は液体であるなど、使用温度において流動性又は液体であることも表し得る。「チャネルを充填する」という語句は、特に、(流動性又は液体材料の使用温度における、すなわち、流動性材料又は液体材料により充填するときの)流動性材料又は液体材料の使用を意味する。「流動性材料」という用語は、複数の流動性材料又は液体材料も表し得る。それらは、同時に、又は逐次的にチャネル内に導入され得る。
【0026】
さらに、分岐の使用は、流動性材料によりチャネルを充填することを補助する。分岐構造を含むことで、チャネルは、2つ又は3つ(「交差する」)又はそれ以上のチャネルに分割(「純粋に分岐」)し得る。したがって、一実施形態において、チャネルは、分岐構造を備える。特に、分岐は、2つ以上の出口(又は、入口)を提供する。
【0027】
チャネルを充填した後、機能材料が固定される。一実施形態において、(a)チャネルを閉鎖することと、(b)流動性材料を含む機能材料を硬化することとのうちの1つ又は複数により、機能材料が固定される。上述の実施形態において、流動性材料は、その流動性の性質を維持し得るが、チャネルの閉鎖により流れが実質的に抑制される。したがって、特に、このような実施形態において、流動性材料により充填されたチャネルは、少なくとも90vol%、さらには特に、少なくとも95vol%、例えば特に、少なくとも98vol%である。これは、後者の実施形態についても当てはまり得るが、硬化することにより、流動性材料は、もはや流れることが不可能であり得る材料に変換される。しかし、さらに、本実施形態において、チャネルは、少なくとも90vol%、さらには特に、少なくとも95vol%、例えば特に、少なくとも98vol%、流動性材料により充填される。さらに、本実施形態においても、充填後、例えば、美観上及び/又は安全上の理由から、チャネルが閉鎖され得る。したがって、固定化は、とりわけ、例えば、少なくとも90vol%ぶん(実質的に完全に)チャネルを充填することと、チャネルを閉鎖することとにより達成される。代替的又は追加的に、固定化は、とりわけ、流動性材料によりチャネルを充填することと、流動性材料を硬化することとにより達成される。したがって、流動性材料は、硬化性材料を含み得る。任意選択的に、機能材料は、硬化性の材料群を含むが、代替的又は追加的に、流動性材料は、(機能材料に加えて)硬化性材料を含む。
【0028】
流動性材料は、特に、(硬化時)低収縮(典型的には、数ボリューム%未満)であり得、熱膨張係数は、特に、工程によりもたらされる残留応力を小さくするため、印刷されたデバイスのとり得る動作温度の範囲内で、3D印刷された材料(の熱膨張)に近くなければならない。したがって、特に印刷された材料の熱膨張と(硬化された)流動性材料の熱膨張との比は、特に、0.6~1.4、一例において、0.7~1.3、例えば、0.8~1.2、一例において、0.9~1.1の範囲内である。
【0029】
上に示したように、流動性材料は、一実施形態において、硬化性材料を含む。本分野で知られるように、硬化は、例えば、1つ又は複数の光及び熱により実行される。3D物体がUV放射線と可視放射線とIR放射線とのうちの1つ又は複数に対して透過性である材料などの放射線透過性材料を含む場合、さらに光/放射により硬化することも適用される。代替的又は追加的に、熱が適用され得る。したがって、特に、硬化性材料は、熱硬化性材料である。したがって、一実施形態において、硬化性材料が熱硬化性材料を含み、本方法は、3D印刷された物体の少なくとも一部分を熱にさらすこと(硬化性材料を硬化すること)をさらに含む。したがって、3D物体は、例えば、熱により、構築中及び/又は終了後に硬化される。したがって、本方法の一実施形態において、流動性材料は、硬化性材料を含み、本方法は、流動性材料を硬化させて、硬化された流動性(機能)材料を提供することをさらに含む。さらなる特定の実施形態において、流動性材料が熱硬化性材料を含み、本方法は、(構築中の)3D印刷された物体の少なくとも一部分を熱にさらす(ことにより熱硬化性材料を硬化する)ことをさらに含む。代替的又は追加的に、本方法の一実施形態において、流動性材料が重合可能材料を含み、本方法は、流動性材料を重合して、重合した流動性(機能)材料を提供することをさらに含む。したがって、これも、機能材料を固定するための選択肢となり得る。異なる固定化方法が組み合わされ得る。
【0030】
流動性材料がチャネル内に導入されて、機能材料を含む3D物体が提供される。この機能材料は、機能要素に機能的に接続される(後述の詳細を参照されたい)。
【0031】
特に、機能材料は、導電性の性質と、熱伝導性の性質と、放射線透過性の性質と、磁気的な性質とのうちの1つ又は複数をもつ。上に示したように、(3D印刷された物体内に)このような機能材料が固定される。「導電性の性質」という用語及び同様の用語は、材料が導電性であることを意味し、これは、本明細書において示される機能材料の他の機能的な性質にも同様に適用される。
【0032】
特定の実施形態において、機能材料は、導電性の性質をもち、チャネルは、電気伝導トラック又はワイヤとして使用される。したがって、一実施形態において、流動性材料は、ポリマーを含む銀粒子などの、ポリマーを含む金属粒子を含む。このようなポリマーは、例えば、WO2013191760において説明され、同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、一実施形態において、流動性材料は、銀含有ポリマー複合材料を含む。銀充填シリコーン粒子を含む銀の凝固に対する安定性をもち、特に、銀の充填量を銀充填シリコーン粒子の総量の約0.1から約70wt%の範囲内とし、銀充填シリコーン粒子は、特に、ポリマーの調合物の約0.01から約50wt%の範囲内でポリマー、ポリマー混合物、又はポリマー複合材料のうちの1つ又は複数を含むポリマーの調合物内に充填される。さらに、特に、銀充填シリコーン粒子は、銀の充填量を銀充填シリコーン粒子の総量の約0.1から約50wt%の範囲内とする。特に、ポリマーを含む銀粒子などのポリマーを含む金属粒子は、硬化性である。このように、導電チャネルが提供される。別の一実施形態において、流動性材料は、50~400℃の範囲から選択される温度で融解する低融点はんだを含む。例えば、流動性材料は、例えば、SnBi、SnBiAg、SnBiCu、SnInなどの低温Snベースのはんだ合金などの、任意の伝導性液体又は溶融合金を含む。さらに別の一実施形態において、流動性材料は、プリント基板産業において広く使用される導電インク(例えば、ICA(isotropically conductive adhesive)(等方性導電接着剤))を含む。安価なイオン伝導性液体、例えば、水道水を使用してコスト削減を実現することも可能である。したがって、(このような実施形態における)印刷可能材料、又は、少なくとも結果的に得られる印刷された材料は、電気絶縁性の性質をもつ。
【0033】
3D印刷された物体が実質的に印刷され(さらに、任意選択的な硬化が実行され)たとき、最後の(3D印刷)動作が実行され得、例えば、閉鎖層を提供してチャネルの開口を閉鎖する。したがって、一実施形態において、本方法は、(iii)充填段階の後に仕上げ段階をさらに含み、仕上げ段階は、さらに任意選択的な3D印刷により、チャネル開口を閉鎖することを含む。この仕上げ段階、又は、より正確には、チャネルの閉鎖は、常に必要というわけではないことに留意されたい。例えば、硬化された材料は、3D物体の外面におけるチャネルの端部において視認可能であるという事実が認められる。仕上げ段階が、任意選択的に、(a)3D物体の外側の層の少なくとも一部分において(レーザー及び/又は炎などにより)加熱することと、(b)3D物体の外側の層の少なくとも一部分を溶剤で溶解することと、(c)3D物体の外側の層の少なくとも一部分を被覆することとのうちの1つ又は複数をさらに含み得ることに留意されたい。代替的に、仕上げ段階は、充填の後であるが硬化の前であってもよい。したがって、任意選択的に、硬化は、3D印刷された物体が完全に印刷された後にのみ実行される。したがって、任意選択的に、充填段階と仕上げ段階とは、少なくとも部分的に重なり得る。
【0034】
上に示したように、機能材料の包含は、特に、3D物体に関係した機能的コンポーネントの観点から実行される。この関係は、印刷前(機能的コンポーネントはレシーバアイテム上に提供され得、レシーバアイテム上に3D印刷された物体が印刷される)、印刷段階中、及び印刷段階後に実行され得る。したがって、一実施形態において、印刷段階は、構築中の3D印刷された物体内に機能的コンポーネントを少なくとも部分的に組み込むことをさらに含み、充填段階は、流動性材料によりチャネルを充填することにより、機能材料に機能的コンポーネントを機能的に接続することをさらに含む。したがって、チャネルと機能的コンポーネントとは、機能的な構成で構成される。例えば、電気的コンポーネントを想定した場合、部品は、電源により(後で)給電するための、2つの異なるチャネル内に延びた2つのコネクタを含む。流動性材料によりチャネルを充填することにより、この例では特に導電材料でもある機能材料が、それぞれ、2つのコネクタに接触する。したがって、任意選択的に、本方法は、硬化することなど、流動性材料をさらに処理することを含み得る。その結果としてチャネル内に得られる機能材料は、電気的コンポーネントに給電する電気的ワイヤとして使用される。1つを上回るチャネルが存在する場合、チャネルが同時に又は逐次的に充填され得ることに留意されたい。
【0035】
したがって、一実施形態において、機能的コンポーネントは、電気的コンポーネントと、ソレノイドと、アンテナと、容量結合構造物と、電磁石とのうちの1つ又は複数を備える。特定の実施形態において、機能的コンポーネントは、(電気的コンポーネントとして)光源を備える。したがって、実施形態において、機能材料は、特に、導電材料を含む。機能的コンポーネントの他の例が、さらに上述される。機能的コンポーネントのさらなる例は、例えば、(電気)コネクタ、光検出器、抵抗器、スイッチ、変換器、半導体(ダイオード、トランジスタ、集積回路(IC:integrated circuit)、オプトエレクトロニクスコンポーネント、表示装置など)、センサ、検出器、RFIDチップ、アンテナ、共振器、圧電デバイス、保護デバイス(サージ又はヒューズなど)などのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0036】
したがって、特に、機能的コンポーネント及び機能材料は、機能的な関係により構成される。したがって、機能的コンポーネントは、特に、導電性の性質と、熱伝導性の性質と、放射線透過性の性質と、磁気的な性質とのうちの1つ又は複数をさらに含み得る。容量結合構造物又はコンデンサは、電気絶縁性材料(又は、電気絶縁性ガス)により絶縁された2つの導電要素を含み得る。例えば、このようなコンデンサは、3D印刷された物体が備える機能的コンポーネントを電気的に充電又は給電するために使用される。
【0037】
機能的コンポーネントは、3D印刷された物体により部分的に囲まれ得る。したがって、任意選択的に、機能的コンポーネントの一部分が、3D物体のユーザーにより視認可能である。しかし、別の一実施形態において機能的コンポーネントは、3D印刷された物体内に完全に組み込まれる。したがって、機能的コンポーネントは、3D印刷された物体により完全に封入され得る。光透過性の母材、又は、母材の少なくとも一部分が光透過性であることを想定した場合、さらに、光源が3D印刷された物体内に完全に組み込まれ得る。「機能的コンポーネント」という用語は、複数の機能的コンポーネントにも関係し得る。
【0038】
さらなる一態様において、本発明は、本明細書において説明される方法により入手可能な3D物体をさらに提供する。特に、本発明は、(i)3D印刷された物体内に少なくとも部分的に組み込まれた機能的コンポーネントを任意選択的に備える(特に、本明細書において説明される方法により入手可能な)3D印刷された物体を提供し、3D印刷された物体が、少なくとも(ii)3D印刷された物体内に一体化されたチャネルを備え、チャネルが、固定された機能材料を含み、機能材料が、導電性の性質、熱伝導性の性質、放射線透過性(可視光に対する透過性など)の性質、及び磁気的な性質のうちの1つ又は複数を含む。上に示したように、このような3D印刷された物体は、特に、機能的コンポーネントを含み、機能的コンポーネントは、実施形態において、電気的コンポーネント、ソレノイド、アンテナ、容量結合構造物、及び電磁石のうちの1つ又は複数を備え得、機能的コンポーネントと機能材料とが機能的に結合される。
【0039】
一実施形態において、機能材料は、導電材料である。したがって、特に、このような機能材料の導電性は、周辺にある3D印刷された材料の導電性より大きく、例えば、少なくとも1000倍大きい。特に、導電材料は、少なくとも0.01S/cm、特に、少なくとも0.1S/cm、例えば、少なくとも1S/cm、一例において、1~1000S/cmの範囲内などの導電率をもつ。特に、(周辺にある)印刷された材料は、最大1.10-5S/cm、さらには特に、最大1.10-6S/cmの導電率をもつ。したがって、「非導電性」又は「電気絶縁性」という用語は、特に、最大1.10-5S/cmの導電率を示し、「導電性」という用語は、特に、少なくとも0.01S/cmの導電率を示す。導電チャネルは、例えば、光源などの電気的コンポーネントに電力を提供するために使用される。したがって、機能的コンポーネントは、一実施形態において、LEDなど(OLEDなどの)の光源を備える。したがって、印刷可能材料、又は、特に、(結果的に得られる)印刷された材料は、実施形態において電気絶縁性であり、機能材料は導電性である。
【0040】
機能材料は、温度管理のためにも使用される。したがって、機能材料は、熱伝導性の性質をもち得る。したがって、特に、このような機能材料の熱伝導率は、周辺にある3D印刷された材料の熱伝導率より大きく、例えば、少なくとも5倍大きい。特に、熱伝導性材料は、少なくとも0.5W/(m・K)、例えば、少なくとも0.5W/(m・K)の熱伝導率をもつ。特に、(周辺にある)印刷された材料は、少なくとも5分の1倍以下、例えば、最大0.1W/(m・K)の熱伝導率をもつ。温度管理は、昇温する機能的コンポーネントを含む3D印刷された物体に関連し得る。PCB回路などの電気的インターフェースは、多くの場合、電気的な機能と熱的な機能とを組み合わせる。非常に多くの場合、コンポーネントの近くの金属領域は、熱の拡散を可能にするように延びる。さらに、さらなる熱の拡散、隣の熱界面へのより良好な熱伝達、又は、さらには、直接的な放熱のため、コンポーネントの下方及び周囲に金属が付加される。これらの態様のすべてが、特別な取り扱いと追加的なコストとを必要とする。さらに、典型的には2Dの性質をもつそれらの層が、システムに追加されるので、コンポーネントの周囲における占有領域が増える。それらの3D形状が実際に制御されるわけではない。コンポーネントの近く又は周囲に熱的構造物を注入することにより、必要な温度管理、さらには一体化の他の態様との関係において、例えば、製品の寸法/形状との関係において、所望の形状の最善の3D妥協案をもたらす形態学的構造が作成される。コンポーネントからヒートシンクに複雑な構造物を通して熱を伝達する熱(熱伝導)チャネルも使用可能であり、その結果、それらを互いに遠く離すことが可能であり、さらには位置合わせを不要にする。間に広がる構造物は、コンポーネントを結合又は分離して、互いに遠く離し、又は互いに近づけることをさらに可能にする。この問題の一例が、複数色LEDデバイスに見られる。異なる色のLEDは、異なる量の熱を生成し、異なる温度感覚をもつ。これらの差及び不完全さを、正確に均衡させ/補償する。
【0041】
またさらなる実施形態において、機能材料は、磁性材料を含み得る。例えば、チャネル構造物は、導電材料を含むチャネルと、磁性材料を含むチャネルとからソレノイドを生成するためにも使用され得る。このように、例えば、変圧器を3D印刷された物体内に一体化することが可能である。例えば、機能材料は、強磁性流体及び/又は強磁性ペースト(いずれもナノ強磁性又はフェリ磁性粒子を含有し得る)、磁気粘性(rheonetic)材料、金属ベースの磁性ペースト(例えば、Fe、Co、Ni及びCrOのうちの1つ又は複数を含む)、分子ベースの磁性ペースト(一般に、極低温度においてのみ作用する)、及び磁気抵抗材料を含み得る。
【0042】
特定の実施形態において、機能材料は、導電材料を含み、機能材料は、(i)ポリマーを含む銀粒子などの、ポリマーを含む金属粒子と、(ii)50~400℃の範囲から選択される温度で融解する低融点はんだとからなる群から選択された1つ又は複数を含む。また別の一実施形態において、機能材料は、グラフェンとグラファイトとのうちの1つ又は複数を含み得る。このような例において、流動性材料は、特に、パーコレーション限界を上回る機能材料を含み得る(すなわち、流動性材料は(さらに)導電性である(及び、固定された流動性材料も導電性である))。
【0043】
またさらなる実施形態において、機能材料は、放射線透過性の性質をもつ、すなわち、特に、機能材料は、特に、UV放射とVIS放射とIR放射とのうちの1つ又は複数、特に、UV(特に、180~380nm)とVIS(380~780nm)とのうちの1つ又は複数の放射に対して透過性である。「透過性」という用語は、本明細書において特に、放射の一部分が放射線透過性材料内にカップリングされたとき、さらに、インカップリングされた光の一部分、例えば、示される波長範囲内のうちの1つ又は複数の波長において少なくとも10%が、再度、カップルアウトすることを示す。
【0044】
またさらなる実施形態において、機能は、摩擦の改善を提供することなどの機械的性質を含み得る。また別の一実施形態において、機能材料は、例えば、3D印刷された物体(又は、その一部)の共振を調整する音響的な性質をもち得る。また、機能材料は、例えば、特定の条件において、及び/又は、活性物質の放出のため溶解し得るチャネルを提供する化学的な性質をさらにもち得る。
【0045】
またさらなる一態様において、本発明は、3D印刷された物体を提供するための3Dプリンタ装置をさらに提供し、3Dプリンタ装置が、(i)印刷可能材料を提供して3D印刷された物体を提供するように構成された3Dプリンタを備え、3Dプリンタ装置が、(ii)3D印刷された物体のチャネルに機能材料を含む流動性材料を提供するように構成された機能材料提供デバイス(3Dプリンタなど)と、(iii)3D印刷された物体内への機能的コンポーネントの少なくとも部分的な一体化のため貯蔵位置から構築中の3D印刷された物体に機能的コンポーネントを輸送するように構成された輸送ユニットとをさらに備える。このような印刷機を使用して、例えば、本明細書において説明されるような方法が適用され得る。特定の実施形態において、印刷機は、FDM印刷機,ステレオリソグラフィ印刷機、又はインクジェット印刷機を備える。したがって、さらなる特定の実施形態において、本発明は、3D印刷された物体を提供するための3Dプリンタを提供し、3Dプリンタは、レシーバアイテムに3D印刷可能材料を印刷するための第1のノズルを備える印刷機ヘッドを備え、3Dプリンタは、機能材料を含む流動性材料を提供するための第2の印刷機ノズルをさらに備え、3Dプリンタは、3D印刷された物体内への機能的コンポーネントの少なくとも部分的な一体化のため貯蔵位置から構築中の3D印刷された物体に機能的コンポーネントを輸送するように構成された輸送ユニットをさらに備える。
【0046】
本発明の実施形態が、添付の概略図を参照しながら例示としてのみ以下で説明され、図中、対応する参照符号は対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図1B】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図1C】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図1D】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図1E】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図1F】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図1G】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図1H】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図1I】本明細書において説明される方法と3D印刷された物体との一実施形態の態様を概略的に示す図である。
図2A】本方法と3D印刷された物体との一実施形態の段階と態様とを非常に概略的に示す図である。
図2B】本方法と3D印刷された物体との一実施形態の段階と態様とを非常に概略的に示す図である。
図2C】本方法と3D印刷された物体との一実施形態の段階と態様とを非常に概略的に示す図である。
図2D】本方法と3D印刷された物体との一実施形態の段階と態様とを非常に概略的に示す図である。
図3】3Dプリンタ(又は、AM印刷機)の一実施形態を概略的に示す図である。
図4A】チャネルと充填の態様とを概略的に示す図である。
図4B】チャネルと充填の態様とを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
概略図は、必ずしも一定の縮尺とは限らない。
【0049】
図1a~図1iに、3D印刷された部品(又は、3D印刷された物体100)の底部における、及び、3D印刷された部品内に埋設された機能的コンポーネントを含む一例が概略的に示される。この例において、本発明者らは、3つの電気的コンポーネントを含む3DP部品を示す。工程は、3つの電気的コンポーネントのこの例に限定されず、複数の電気的コンポーネントが、同様に追加され得る。図1aに、工程ステップ又は段階が示され、電気的コンポーネント400が、まず、構築された基部上に位置し、いくつかの層を重ねて印刷される(印刷された材料120により示される)。部品の印刷が開始され、トンネル(又は、チャネル)が形成されることになる隙間を残す。符号2120は、電気的に絶縁する印刷された材料を示す。図1bを参照すると、次の段階において、第2の電気的コンポーネントが追加される。第1の電気的コンポーネント上の伝導パッドから上方へと延びる所望のトンネルの上方に伝導パッドがあるように、第2の電気的コンポーネントが位置合わせされる。3D印刷が継続され得、トンネル(又は、チャネル)が形成されることになる隙間を残す(図1c)。さらに、例示として、第3の電気的コンポーネントが追加される(図1d)。第1の電気的コンポーネントと第2の電気的コンポーネントとの伝導パッドから上方へと延びる所望のトンネルの上方に伝導パッドがあるように、第3の電気的コンポーネントが位置合わせされる。さらなる段階において、3D印刷された部品が完成される(図1e)。この時点において、充填段階が開始し得(図1f)、(1)注入、又は(2)液浴槽内に部品を浸すことにより、伝導性液体がトンネル又はチャネル内に挿入される。この段階において、各トンネル又はチャネルは、少なくとも1つの入口を含み、入口を通して液体が提供される。液体は、例えば、銀インク、又は、水などのイオン液体、若しくは、溶融金属であり得る。これにより、回路が完成する。さらに、可能であれば液体が硬化し得、及び/又は、トンネルが封止される(図1g)。機能的コンポーネント400は、例えば、光源、制御ユニット及びセンサ、電源などの、異なる種類の機能的コンポーネントであってよい。示されるように、このように、相互接続体が形成される。
【0050】
任意選択的に、電気的な接続は、意図的に破壊又は遮断され得る(図1h)。選択的に印刷された材料の溶解により接続トラックが露出され得る(図1i参照)。これは、例えば、(一方が溶解に耐え、他方が溶解する)2種類の材料を「同時に」印刷することと、導体を注入すること(及び、それらを硬化すること)の後、外部接続構造物として使用することを所望される導体の周囲の材料を溶解することとにより達成される。
【0051】
さらに、任意選択的に、水中に回路を浸すことにより、回路が完成し得る(水がスイッチとして機能する)。したがって、さらなる一実施形態において、導電性液体、又は、導電被膜又は充填材料の前駆体内に3D物体を沈めることにより、電気的な接続のために必要な第2の導電パッドが提供される。したがって、例えば、1つのパッドが、チャネルを充填することにより提供され、他方のパッドが、コンポーネントの表に現れた部分に接触した導電性材料で、3D印刷された物体の全体を埋設/めっきすることにより提供される。したがって、実施形態において、液体は、チャネル200に浸透及びチャネル200を充填するために使用される導電性液体であってもよい。チャネル200を閉鎖した後、(固定された)導電パッドが利用可能である。
【0052】
上述の図面は、非常に概略的である。明確であるように、電気的コンポーネントの場合に一般的な2重トラックは描かれない。
【0053】
図2aは、本明細書で説明されるような方法の概括的な実施形態を概略的に示す。印刷すること(I)から開始され得る。印刷が終了したとき、又は、一部分が終了したとき、3D印刷が完全に準備完了状態であるか(Y)、又は、機能的コンポーネントを含める(C)など、さらに印刷が実行されなければならないか(N)が判断される。機能的コンポーネントを追加した後、3D印刷が開始される(I)。これは、3D物体が準備完了状態となるまで繰り返される。その後、チャネルが流動性すなわち液体の材料により充填され得(II)、例えば、流動性材料が硬化され得、及び/又は、例えば、チャネルが封止される(III)。上述のように、1つ又は複数の機能的コンポーネントから開始すること、又は、中間充填すること(任意選択的に、中間封止及び/又は硬化することを含む)などの、代替的な実施形態もあり得る。
【0054】
図2bは、非常に概略的に、一実施形態のいくつかの段階と態様とを示す。本方法は、(i)3D印刷可能材料110を3D印刷して、印刷された材料120の3D印刷された物体100を提供することを含み得る、符号Iにより示される3D印刷段階を含み、3D印刷段階は、3D印刷中に、構築中の3D印刷された物体100内にチャネル200を形成することをさらに含み、本方法は、(ii)機能材料140aを含む流動性すなわち液体の材料140によりチャネル200を充填することと、任意選択的に、硬化性材料140を硬化させて、機能材料140aを含むチャネル200を提供することとを含む、符号IIにより示される充填段階をさらに含む。符号150は、硬化された機能/流動性材料を示す。したがって、例示として、この段階で、流動性材料140が硬化された。流動性材料がチャネル200内で重合された場合、符号150は、追加的又は代替的に、重合材料をさらに示し得る。
【0055】
任意選択的に、本方法は、(iii)充填段階IIの後、符号IIIにより示される仕上げ段階をさらに含み得、仕上げ段階は、任意選択的に、必ずというわけではないが3D印刷により、チャネル開口207を閉じることを含み得る。チャネルを充填する段階と材料を硬化する段階とは、実質的に独立し得ることに留意されたい。硬化することは、各充填段階の後に実行される必要はなく、印刷された、及び硬化性材料の性質、及び、硬化の原理に応じて、特定の数の充填段階の後に実行され得るか、又は、最後に一回のみであり得る。代替的に、周囲温度が十分に高い場合、この高温において経時的に材料が硬化するので、すなわち、硬化段階が自然と含まれ得るので、明確な硬化処理が不要となり得る。しかし、特に、印刷された材料は周囲温度を上回る温度にさらされる。上に示したように、硬化は、さらに、例えば、仕上げ段階、例えば、チャネル200を閉鎖することを含む仕上げ段階の少なくとも一部分の後に行われてもよい。
【0056】
図2cは、3D印刷された物体100を概略的に示す。上に示したように、一実施形態において、3D印刷された物体100は、導電性の性質をもつ第1の種類の材料又は機能材料140a、本例では導電材料1120と、電気絶縁性の性質をもつ第2の種類の(印刷された)材料120を含む。例として、この物体100は、電気的コンポーネント420の一例として一体化された光源410をさらに含み、光源410は、導電材料1120、本例では電気伝導トラック1127に機能的に接続される。さらに、コネクタ1128が、例えば、電源(図示されない)との機能的な接続のため、これらのトラック1127に機能的に接続される。したがって、電気伝導トラック1127は、導電性の性質をもつ機能材料140aを備え得る。
【0057】
図2dは、導電材料を含む、鉄又はフェライト材料を含む第1のチャネル120aと、第2のチャネル200bとの2つの異なるチャネル200を含み、間に(したがって、特に、導電性ではない)印刷された材料120を含む3D印刷された物体100を概略的に示す。第1のチャネル200aは、コアとして構成され、第2のチャネル200bは、コイルとして構成される。このように、インダクタが作製される。例えば、このような構造物は、ソレノイド又は電磁石を作製するために使用される。
【0058】
図3は、3D印刷された物体100を提供するための3Dプリンタ装置5000を概略的に示し、3Dプリンタ装置5000は、印刷可能材料110を提供して、3D印刷された物体100を提供するように構成された3Dプリンタ500を備える。3Dプリンタ装置5000は、3D印刷された物体100のチャネル(図示されない)に、機能材料140aを含む流動性すなわち液体の材料140を提供するように構成された機能材料提供デバイス5502を備える。さらに、3Dプリンタ装置5000は、3D印刷された物体(100)内における機能的コンポーネント400の少なくとも部分的な一体化のため、貯蔵位置1500から構築中の3D印刷された物体100に機能的コンポーネント400を輸送するように構成された輸送ユニット1100を備える。図3は、特に、例えば、本明細書で説明されたようなAM方法のために使用され得る3Dプリンタの一実施形態を概略的に示す。この図3は、レシーバアイテム550に3D印刷可能材料110を印刷するための第1のノズル502を備える印刷機ヘッド501を備える3Dプリンタ500(又は、装置5000)を示し、3Dプリンタ500は、機能材料140aを含む流動性材料140を提供するための(例えば、別の印刷機ヘッド1501からの)第2の印刷機ノズル1502をさらに備え、3Dプリンタ500(又は、装置5000)は、貯蔵位置1500から(構築中の)3D印刷された物体100に機能的コンポーネント400を輸送するように構成された輸送ユニット1100をさらに備える。破線の矢印は、光源410といった電気的コンポーネント420などの機能的コンポーネント400が、貯蔵位置から3D印刷された物体100に輸送され得る経路を例として示す。輸送ユニットは、例えば、ロールツーロール工程を使用して、例えば、機能的コンポーネントを採取及び配置するために、及び/又は、可撓性の回路又は他の機能的コンポーネントを挿入することにより使用される。符号500は、3Dプリンタを示す。符号530は、3D印刷、特に、FDM 3D印刷するように構成された機能ユニットを示し、この符号は、3D印刷段階ユニットも示し得る。本例では、FDM 3Dプリンタヘッドなどの3D印刷された材料を提供するための印刷機ヘッドのみが、概略的に描かれる。符号501は、印刷機ヘッドを示す。本発明の3Dプリンタは、特に、複数の印刷機ヘッドを含み得るが、他の実施形態もあり得る。符号502は、印刷機ノズルを示す。本発明の3Dプリンタは、特に、複数の印刷機ノズルを含み得るが、他の実施形態もあり得る。符号320は、(上に示したような)印刷可能な3D印刷可能材料のフィラメントを示す。明確であるように、3Dプリンタのすべての特徴が描かれるわけではなく、本発明に特に関連する特徴のみが描かれる。3Dプリンタ500は、レシーバアイテム550上に複数のフィラメント320を堆積することにより3D物品10を生成するように構成され、各フィラメント20は、融点Tなどをもつ3D印刷可能材料を含む。3Dプリンタ500は、印刷機ノズル502の上流においてフィラメント材料を加熱するように構成される。これは、例えば、押し出し及び/又は加熱機能のうちの1つ又は複数を備えるデバイスを使用して行われる。このようなデバイスは、符号573により示され、印刷機ノズル502より上流(すなわち、フィラメント材料が印刷機ノズル502を離れる前の時点)に配置される。符号572は、特に、ワイヤの形態で材料を含む筒状体を示す。3Dプリンタ500は、これをフィラメント又は繊維320に変換する。フィラメント単位で隣接させて配置することと、フィラメント単位で重ねて配置することとにより、3D物品10が形成される。本明細書で使用される3D印刷技法は、しかし、FDMに限定されない(上記の内容も参照されたい)。
【0059】
本発明のこの方法は、3D印刷された形状内に伝導/絶縁材料を注入して、電子部品及び回路を接続することを含み得る。実施形態において、3D印刷は、層単位の技術であり、チャネルの内部に小さなリブを形成し得る。それらのチャネルを充填するためにどのような材料が使用されるかにかかわらず、これが、特に、これらの構造物の欠点を複製し得、3D印刷によるチャネルの形成後に液相においてそれが追加されたことを表す。
【0060】
本発明は、相互接続体が必要とされるチャネルのみを設計及び形成することができる方法をさらに提供し、そのチャネルに、後で、導電性材料が提供されて、適切な導体へと硬化する。導電性材料がチャネルに沿うということに起因して、3D印刷された部品の本体の内部に全体的な3Dの設計自由度が生まれる。大きな利点は、基板とコンポーネントとに接触するために同じ相互接続体材料が使用され得ることにより、組み立てコストが下がることである。別の利点は、その後に(例えば、銀充填ポリマーの場合)1つの硬化ステップしか必要とされないことと、相互接続体チャネルが真に3Dで製造され得ることとである。さらに、複数のチャネルへのチャネルの再分割が可能である。チャネルを充填するために使用可能な特定の材料は、例えば、銀充填ポリマー(等方性導電接着剤、銀インク)、又は低融点はんだから選択される。いずれも、特定のサーマルバジェットのポリマー担体を必要とするので、低T材料は関連性が小さくなり得る。したがって、本明細書で-3D印刷のために-使用されるポリマーは、特に、70℃以上、例えば、100℃以上、例えば、120℃を上回るTをもち得る。例えば、80~90℃において硬化し、さらに、妥当な導電率を提供し得る、使用可能な銀充填ポリマーが存在する。低融解温度はんだは、最善の導電率を提供し、チャネルを充填することのより良い(及び、より安価な)代替的な方法であり得る。低融点はんだは、特に、約120℃未満で融解し得る。
【0061】
本発明で重要なことは、3D印刷された部品の本体内におけるチャネルの形成である。これは、デジタルで設計された3D自由形状の相互接続体を可能にし、その後、これに、注入(モールド成形)が適用され得る。
【0062】
チャネルを含めることを含む3D製品を設計することから始まり、いくつかの例が作られた。この場合、設計されたチャネルは、直径1.5mmであった。本体には、印刷物を通って延びた接触部の中央に孔をもつ、特別に用意されたLEDエンジン/モジュールが提供される。設計により、これらの孔はチャネルの上方に正確に位置し、直接的な接触を可能にする。設計後、本体を通って延びる1.5mmのチャネルを含むように本体が印刷された。使用される材料は、PLA(ポリ乳酸)であったが、PLAのTは約60℃であり、ABSのTが約105℃であり、このことが、機能材料を含む流動性材料の熱硬化に耐えるために有益であり得るので、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)も適切な選択肢であり得る。ABSを使用して、さらに実験が実行された。次のステップにおいて、印刷されたチャネルは、流動性すなわち液体の導体材料により充填された。この材料は、ソケットから、設計された照明器具の光出力側におけるLED基板に電力を伝達する。上述と同様に、これは、(硬化ステップを必要とする)銀充填ポリマーを使用して、又は、低融解温度はんだを使用して行われ得る。以下、両方について説明される。
【0063】
銀充填ポリマーは、この場合、125℃において5分間の硬化を必要とする等方性導電接着剤である。充填は、製品の底部からチャネル内に押し込まれる圧力シリンジにより実行される。シリンジ上に圧力を加えることが、チャネルの充填をもたらす。これが、チャネルの上側に材料が飛び出すまで実行された後、第2のチャネルが充填される。
【0064】
チャネルを充填することは、さらに、Sn/Bi/Cuはんだを使用して、加熱された注入ツールを使用してはんだを挿入することにより実行された。材料は、非常に良好にチャネル内に流れ、凝固後に適切な導体となる。製品の上側に既に提供されたLED基板に接触することも検討される。続いて、基板とワイヤとが組み立てられた。製品の上側に、LEDエンジンが配置され、接触部上にICA(等方性導電接着剤)を付与することにより、充填されたチャネルへの接触部が形成された。底部において、チャネルの最初の5mm内にワイヤが配置され、電源への接触部が形成された。次に、チャネル内の銀充填ポリマーを硬化させた。このステップにおいて、80℃の対流炉内に製品全体が2時間配置されて、銀充填ポリマーが硬化して適切な導体になることを可能にした。PLA本体は、この温度に実質的に耐えることができないが、3D印刷もされ得るABSから本体が作られる場合、本体は、この温度に耐えることが可能である。さらに、IC産業においてICAボールを硬化することにおいて一般的な可変周波数マイクロ波硬化などの、代替的な硬化方法が考えられる。この方法の利点は、ICA自体が硬化点まで加熱される間、本体全体が加熱されるわけではないことである。したがって、本体への熱負荷は、チャネルのすぐ外部の領域のみまで小さくなる。これらのステップの後、製品が完成する。チャネルのオーミック抵抗を測定すると、直径1.5mmの10cmのチャネルにわたって1.2オームであった。
【0065】
(例えば、複数の基板又は埋設された駆動電子部品を接続するため)より複雑な相互接続構造物を可能にするために、1つの製品内に複数のチャネルを設計することも可能である。これは、さらに、充填工程の複雑さを高める。したがって、さらなる一態様において、本発明は、分岐構造206を提供する。チャネルを充填する最も効果的な手法は、すべてのチャネルが集まった側部からである。上部から充填された場合、第2のチャネルの充填中、チャネルのうち結合された部分が空気により充填される。空気は押し出される必要があり、その結果、多くの利用できない材料をもたらす。しかし、結合されたチャネルから充填することにおける問題は、充填中、トラック内の流体抵抗に差が存在し得、その結果、1つの充填されたチャネルがあると同時に、(より高い流体抵抗をもつ)その他のチャネルが空のまま残ることである。この問題は、空気が逃げることだけを可能にする、チャネルの端部における絞り(例えば、チャネルの直径又は寸法の低減)を使用することにより解決され得る。第1のチャネルが充填されて結合されたチャネルを形成するとき、再分割されたチャネルの絞りを通って空気が逃げる。充填材料が絞りに衝突すると、絞りを抜けることができないので圧力が高まり、第2の再分割されたチャネルが充填される。これは、すべてのチャネルが充填されて、チャネル内にもう充填材料が入らなくなるまで進行する。金属管が絞り機能を提供する場合、絞りが、さらに、LEDエンジン/モジュール又は他の電子部品に対する接触を実現し得る。これは、図4aに示すように、絞りに対する電気的な機能の追加を可能にする(図4aにおいて、左の図は、結合されたチャネルの充填を示し、左から2番目の図は、最低流体抵抗をもつチャネルの充填を示し、残りの2つのチャネルが続く)。図4aは、さらに、考え得る絞りユニットの一実施形態を示し、絞りユニットは、符号700により示される。符号710は、ガスが逃げることを可能にする絞り705を含む管を示す。符号715は、例えば、PCBを示し、符号712は、絞りユニット700をPCBと接続するためのはんだを示す。
【0066】
さらに、注入のためのコネクタは、例えばチャネルの入口側に取り付けられる。本体及びチャネルへの良好で強固な封止された接触部を含むことにより、空気漏れ又は材料の流出を防ぐことが、(はんだであるか銀充填ポリマーであるかによらず)充填ステップにおいて有益である。外部に対して何らかの形態の機械的及び電気的な接続が必要とされる多くの場合と同様に、充填工程のため、照明器具/脚への機械的な装着のため、及び/又は、電気的な接続のためのコネクタを含むことが考えられる。図4bに、このようなソケット/コネクタの一例が描かれる。符号750は、バイオネットに類似した取り付け部などの金属取り付け部を示す。この取り付け部750は、チャネル(開口)内に配置され、又は、チャネル(開口)の一部分として構成され得る。
【0067】
本発明は、例えば、製品の内部に密接して電子部品を埋設するために使用され得る。例えば、LEDは、照明器具形状内に密接して埋設され、このように、従来の電球を使用することが必要とされない場合がある。これは、一般的なLED化の傾向に適合する。使用可能なランプの多くは、高級なデザイナーによる照明器具である。本発明は、さらに、例えば、製品の内部の壊れやすいデバイス、例えば、部品の内部に深く埋設されるが、さらに、検出される物質がセンサに達することを可能にする外部へのトンネル接続体を含む湿気/ガスセンサを外部から隔離することにより保護するために使用され得る。本発明は、さらに、例えば、体への特別な適合を必要とする個人に合わせた電子機器及び装着型装置のために使用される。本発明は、例えば、さらに、製品データ保護及び追跡のため、すなわち、簡単に除去することができない(及び、外部から完全に視認不能であり得る)特殊な特徴又は製品情報のデバイス内への埋設のために使用される。本発明は、例えば、さらに、触れても安全なPCBを使用しないシステム、2D平面外にコネクタ/コンポーネントを含む複雑なシステム、温度管理との関係において形態学的に調和したシステム、直接印刷されたコネクタ構造物などのために使用される。したがって、本発明では、コンポーネント、接合体、接続体の数が少なくなり得、それにより、組み立てを簡略化し、外観と印象とを改善する。
【0068】
金属3DP部品の内部に回路を提供することも可能である。概して、非伝導性の3D印刷された部品に伝導トラックを追加することに関与する電子回路を備えた3DP部品を作製し得る。しかし、金属部品を作製するために使用される多くの3DP方法が存在する。金属印刷は、例えば、航空宇宙産業において、試作品だけでなく実際の部品を作製するために使用される、より成熟した3D印刷方法の1つである。金属の3D印刷された部品の内部に回路を形成することが所望される場合、現在のところ使用される手法は、解決策を提供しない。この場合、主に伝導部品の内部に非伝導領域又はトラックを形成することが望ましい。本明細書において本発明者らが提案する方法は、さらに、それ自体が、印刷後、3DP部品の内部に非伝導材料を追加することに役立ち、したがって、金属3DP部品の内部の伝導領域を絶縁するために使用され得る。この場合、絶縁領域を形成することが望まれる場所にトンネルが位置するので、この工程は、全体的に、前述の工程を反対にしたもの、すなわち逆である。注入される液体は、非伝導性である。この場合の課題は、パッドが適正に接続され、必要な場合に金属3DP構造物から絶縁されるように、電気回路を設計することである。したがって、さらなる一態様において、本発明は、3D印刷された物体の製造のための方法を提供し、本方法は、(i)3D印刷段階を含み、3D印刷段階は、3D印刷可能材料を3D印刷して、3D印刷された物体を提供することを含み、印刷可能材料は、導電材料又は導電材料の前駆体を含み、3D印刷段階は、3D印刷中に、構築中の3D印刷された物体内にチャネルを形成することをさらに含み、本方法は、(ii)流動性(又は、液体)材料によりチャネルを充填することを含む充填段階をさらに含み、流動性材料は、機能材料又は機能材料の前駆体を含み、機能材料は、電気絶縁性の性質をもつ。またさらなる一態様において、本発明は、(i)3D印刷された物体内に少なくとも部分的に組み込まれた機能的コンポーネントと、(ii)3D印刷された物体内に一体化されたチャネルとを備え、3D印刷された物体が、導電材料を含み、チャネルが、固定された機能材料を含み、機能材料が、電気絶縁性材料を備え、機能的コンポーネントが、電気的コンポーネントと、ソレノイドと、アンテナと、容量結合構造物と、電磁石とのうちの1つ又は複数を備え、機能的コンポーネントと導電材料とが機能的に結合された、3D印刷された物体をさらに提供する。特に、本例では、「チャネル」という用語は、1つの層又は複数の層も表し得る。さらに、このような方法は、導電性であるが互いに電気的に接触してはならない部品が(例えば、層(の一部分)を除去することにより)断絶される断絶段階をさらに含み得る。
【0069】
本明細書における、例えば、「実質的に、~からなる(substantially consists)」における「実質的に(substantially)」という用語は、当業者により理解されるであろう。「実質的に(substantially)」という用語は、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「すべての(all)」などを使用した実施形態をも含み得る。したがって、実施形態において、さらに、実質的にという形容詞が除去され得る。適用可能な場合、「実質的に(substantially)」という用語は、90%以上、例えば、95%以上、特に、99%以上、さらには特に、99.5%以上にも関係し得、100%を含む。「備える(comprise)」という用語は、「備える(comprises)」という用語が「からなる(consists of)」を意味する実施形態をさらに含む。「及び/又は(and/or)」という用語は、特に、「及び/又は(and/or)」の前と後とにおいて言及される項目のうちの1つ又は複数に関する。例えば、「項目1及び/又は項目2(item 1 and/or item 2)」という語句、及び、同様の語句は、項目1と項目2とのうちの1つ又は複数に関係し得る。「備える(comprising)」という用語は、一実施形態においては、「からなる(consisting of)」を表し得るが、別の一実施形態において、「少なくとも規定の化学種を含有し、任意選択的に1つ又は複数の他の化学種を含有すること」をさらに表し得る。
【0070】
さらに、本説明における、及び特許請求の範囲における第1の、第2の、第3のといった用語は、類似の要素の間で区別するために使用され、必ずしも、逐次的又は経時的な順序を説明するためとは限らない。そのように使用される用語が適切な状況において互いに置換可能であることと、本明細書において説明される本発明の実施形態が、本明細書において説明又は例示される順序とは異なる他の順序での動作が可能であることとが理解されるべきである。
【0071】
本明細書におけるデバイスは、とりわけ、動作中について説明される。当業者には明らかであるように、本発明は、動作の方法又は動作中のデバイスに限定されない。
【0072】
上述の実施形態が、本発明を限定するのではなく例示することと、当業者が、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替的な実施形態を設計することができることとに留意するべきである。特許請求の範囲において、括弧の間に位置するすべての参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。「備える(to comprise)」という動詞とその活用形との使用は、特許請求の範囲に記載された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除しない。要素に先行する「a」又は「an」という冠詞は、複数のこのような要素の存在を排除しない。本発明は、いくつかの別々の要素を備えるハードウェアと、適切にプログラムされたコンピュータとにより実施され得る。いくつかの手段を列挙したデバイスの請求項において、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの同じ1つの物品により具現化されてもよい。単に、相互に異なる従属請求項に特定の測定値が記載されているという事実は、利点を得るためにこれらの測定値の組み合わせが使用され得ないということを示すわけではない。
【0073】
本発明は、本説明において説明される、及び/又は、添付図面に示される特徴的な機能のうちの1つ又は複数を備えるデバイスにさらに適用される。本発明は、本説明において説明される、及び/又は、添付図面に示される特徴的な機能のうちの1つ又は複数を含む方法又は工程にさらに関連する。
【0074】
この特許において論じられる様々な態様は、追加の利点を提供するために組み合わされてもよい。さらに、いくつかの特徴は、1つ又は複数の分割出願のための基礎を形成し得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B