(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】健康診断予約管理システム、健康診断管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20220805BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20220805BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2022015131
(22)【出願日】2022-02-02
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2021014837
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [ウェブサイトの掲載日] 令和2年8月5日 [ウェブサイトのアドレス] https://www.icare.jpn.com/news/20200805/
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515346385
【氏名又は名称】株式会社iCARE
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】山田 洋太
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-016994(JP,A)
【文献】特開2008-158981(JP,A)
【文献】特開2017-016440(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066276(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111785371(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-2005979(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 40/20
G06Q 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康診断予約管理システムであって、
読出ステップと、取得ステップと、提示ステップと、予約選択ステップとを実行するように構成され、
前記読出ステップでは、従業員が所属するグループごとに対応した受診機関に関する第1受診機関情報を読み出し、
前記取得ステップでは、前記従業員に含まれる対象者を示す対象者情報を取得し、
前記提示ステップでは、前記対象者情報と、前記第1受診機関情報とに基づいて、前記対象者が受診可能な受診機関を提示し、
前記予約選択ステップでは、入力された予約操作に基づいて、提示された受診機関の中から、前記対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択する、
健康診断予約管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
前記提示ステップでは、前記グループから任意のグループが選択されると、前記選択されたグループにおける従業員の健康診断の予約情報を提示する、
健康診断予約管理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
生成ステップを実行するように構成され、
前記第1受診機関情報は、任意の受診機関を選択可能に構成され、
前記生成ステップでは、前記第1受診機関情報から任意の受診機関が選択されると、前記選択された受診機関で健康診断の予約を実行可能な視覚情報を生成する、
健康診断予約管理システム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
前記読出ステップでは、市区町村ごとに対応した受診機関に関する第2受診機関情報であって任意の受診機関を選択可能に構成される第2受診機関情報を読み出す、
健康診断予約管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
登録ステップを実行するように構成され、
前記登録ステップでは、検査結果を評価する基準値を診断項目ごとに登録し、
前記提示ステップでは、前記基準値に基づいて前記検査結果を評価した評価結果を提示する、
健康診断予約管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
前記登録ステップでは、前記基準値を、前記従業員の区分ごとに登録し、
前記区分は、任意に指定可能である
健康診断予約管理システム。
【請求項7】
請求項4に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
生成ステップを実行するように構成され、
前記生成ステップでは、前記第2受診機関情報から任意の受診機関が選択されると、前記選択された受診機関で健康診断の予約を実行可能な視覚情報を生成する、
健康診断予約管理システム。
【請求項8】
請求項4~請求項7のいずれか1項に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
受付ステップを実行するように構成され、
前記受付ステップでは、前記対象者が健康診断を受診する場所を示す場所情報を受け付け、
前記読出ステップでは、前記場所情報に基づいて、前記第1受診機関情報と前記第2受診機関情報とのいずれかを読み出す、
健康診断予約管理システム。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
前記提示ステップでは、前記従業員のうち同一部署に属する所定割合以上の従業員の健康診断の日程が重複しないように前記健康診断の候補日を提示する、
健康診断予約管理システム。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
通知ステップを実行するように構成され、
前記通知ステップでは、前記健康診断の予約情報を変更した場合、管理者に通知する、
健康診断予約管理システム。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
通知ステップを実行するように構成され、
前記通知ステップでは、期限までに健康診断を予約しなかった場合、前記対象者に通知する、
健康診断予約管理システム。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
通知ステップを実行するように構成され、
前記通知ステップでは、期限までに健康診断を予約しなかった場合、管理者に通知する、
健康診断予約管理システム。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の健康診断予約管理システムにおいて、
通知ステップを実行するように構成され、
前記通知ステップでは、健康診断を受診しなかった場合、管理者に通知する、
健康診断予約管理システム。
【請求項14】
コンピュータが実行する健康診断予約管理方法であって、
読出ステップと、取得ステップと、提示ステップと、予約選択ステップとを備え、
前記読出ステップでは、従業員が所属するグループごとに対応した受診機関に関する第1受診機関情報を読み出し、
前記取得ステップでは、前記従業員に含まれる対象者を示す対象者情報を取得し、
前記提示ステップでは、前記対象者情報と、前記第1受診機関情報とに基づいて、前記対象者が受診可能な受診機関を提示し、
前記予約選択ステップでは、入力された予約操作に基づいて、提示された受診機関の中から、前記対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択する、
健康診断予約管理方法。
【請求項15】
プログラムであって、
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の健康診断予約管理システムにおける各ステップをコンピュータに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康診断予約管理システム、健康診断管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
健康診断を予約する機能を有する健康診断予約管理システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る技術は、所在地が異なる複数の事業所が存在する組織については対応していない。例えば、東京と大阪のそれぞれに事業所が存在する場合、東京に所属する従業員と大阪に所属する従業員とで健康診断を受診する受診機関が異なることになり、それぞれの事業所に対応する複数の受診機関とその事業所に所属する各従業員との間を適切にマッチングさせて予約する必要がある。一方で、健康診断の予約は従業員個人のスケジュールに応じて調整することが望まれるため、人事部門などの管理者が一括で調整し予約することは困難である。そうすると、健康診断を実施する複数の受診機関の中から各従業員が適切な受診機関を選択して健康診断の予約を行うことになるが、その組織の複数の事業所に対応する全ての受診機関を各従業員に提示してしまうと従業員が所属する事業所とは異なるエリアの受診機関も提示されてしまうことになり、適切な受診機関を選択する作業が煩雑となり、場合によっては誤った受診機関を選択して健康診断を予約してしまう恐れがあった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、所在地が異なる複数の事業所が存在する場合に各事業所の従業員が適切な受診機関を選択しやすくすることができ、また、誤った受診機関を選択する可能性を減少させる健康診断予約管理システムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、健康診断予約管理システムが提供される。この健康診断予約管理システムは、読出ステップと、取得ステップと、提示ステップと、予約選択ステップとを実行するように構成される。読出ステップでは、従業員が所属するグループごとに対応した受診機関に関する第1受診機関情報を読み出す。取得ステップでは、従業員に含まれる対象者を示す対象者情報を取得する。提示ステップでは、対象者情報と、第1受診機関情報とに基づいて、対象者が受診可能な受診機関を提示する。予約選択ステップでは、入力された予約操作に基づいて、提示された受診機関の中から、対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択する。
【0007】
上記の開示によれば、対象者情報と、第1受診機関情報とに基づいて、対象者が受診可能な受診機関が提示され、提示された受診機関の中から、対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択することになるため、各従業員が適切な受診機関を選択しやすくすることができ、また、誤った受診機関を選択する可能性を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】管理サーバ1000の構成を示すブロック図である。
【
図2】管理サーバ100の構成を示すブロック図である。
【
図3】管理サーバ100の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】事前準備作業としてのマスタ情報の登録の一例を示すアクティビティ図である。
【
図5】従業員情報に係るデータベースの一例を示す図である。
【
図6】マスタ受診機関情報に係るデータベースの一例を示す図である。
【
図7】年度情報に係るデータベースの一例を示す図である。
【
図8】制御部110の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図9】第1受診機関情報(又は第2受診機関情報)を読みだした結果の一例を示す図である。
【
図10】グループ内における健康診断の予約状況を管理する画面の一例を示す図である。
【
図11】健康診断の予約情報の一例を示す図である。
【
図12】健康診断の予約情報の一例を示す図である。
【
図13】健康診断の予約情報の一例を示す図である。
【
図14】基準値を登録する際の制御部110の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
<実施形態>
実施形態について説明する。
【0014】
1.健康診断予約管理システム1000の構成
図1は、健康診断予約管理システム1000の構成を示すブロック図である。健康診断予約管理システム1000は、管理サーバ100、管理者端末300及び対象者端末400を備え、会社内の従業員が受診する健康診断の予約を管理するシステムである。管理サーバ100、管理者端末300及び対象者端末400は、ネットワーク500を通じて接続されている。管理サーバ100は、受診機関等のマスタ情報を記憶するとともに、健康診断の予約処理を行う管理サーバである。ここで、マスタ情報とは、健康診断の予約を実施するために事前に必要な情報であり、対象企業の従業員に関する情報、健康診断を実施する受診機関に関するマスタ受診機関情報、第1受診機関情報、及び第2受診機関情報などが含まれる。管理サーバ100は、クラウドサービスとして提供されてもよい。管理サーバ100については後述する。管理者端末300は、受診機関等のマスタ情報を管理サーバ100に登録する端末である。また、管理者端末300は、従業員の健康診断の受診状況を確認するための端末である。ここで、管理者とは、従業員の健康診断を管理する者であり、例えば、人事労務を担当する部門の者などであり、会社全体の人事労務を統括する部門であってもよいし、会社内の事業所ごとに設けられた人事労務を担当する部門であってもよく、複数の者を設定してもよい。また、管理者端末300は、その管理者が操作する端末であり、事前に管理者権限が設定された端末である。対象者端末400は、健康診断の予約を実施する一般従業員の端末である。なお、管理者端末300と対象者端末400とは、ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット端末、スマートフォン等であってもよい。
【0015】
2.管理サーバ100の構成
図2は、管理サーバ100の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ100は、制御部110、記憶部120、表示情報生成部130、入力受付部140及び通信部150を備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等であって、管理サーバ100の全体を制御する。記憶部120は、種々のプログラム及びデータを記憶するものであり、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。
【0016】
また、記憶部120は、制御部110がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。そして、記憶部120に記憶されているプログラムに基づいて制御部110が処理を実行することにより、後述する各種処理が実現される。すなわち、当該プログラムは、管理サーバ100における各部をコンピュータに実行させる。なお、記憶部120に関して、少なくとも一部の情報が記憶部120以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0017】
表示情報生成部130は、テキスト、画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、管理者端末300、対象者端末400等のディスプレイに表示する情報を生成する。入力受付部140は、管理サーバ100に種々の情報を入力するものであり、管理者端末300、対象者端末400等から入力される信号を受け付ける。通信部150は、NIC(Network Interface Card)等であって、管理サーバ100をネットワークに接続し、有線接続又は無線接続により他の装置又は構成要素とデータ通信可能に構成される。なお、管理サーバ100は、ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット端末、スマートフォン等であってもよい。
【0018】
3.管理サーバ100の機能構成
図3は、管理サーバ100の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部110は、読出部111と、取得部112と、提示部113と、予約選択部114とを備える。読出部111は、ソフトウェア(記憶部120に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部110)によって具体的に実現されているものである。読出部111は、読出ステップを実行するように構成される。読出ステップは、従業員が所属するグループごとに対応した受診機関に関する第1受診機関情報を読み出すステップである。
【0019】
ここで従業員が所属するグループとは、会社内における事業所、営業所等を示しうるものであり、対象企業の組織体制に応じて任意に設定されるものである。例を挙げると、東京事業所、大阪営業所、北海道本社、福岡支社等が該当する。ただし、対象企業の組織体制によっては、同一の地区であっても異なる複数の組織や部門が存在することもあるため、必ずしも一つの地区に一つの組織や部門しか存在しないわけではない。そして、一つの地区に複数の組織や部門が存在する場合、対象企業の管理体制に応じて、特定の管理部門が当該地区の健康診断を一括で管理する場合や同じ地区であっても組織や部門ごとに従業員の健康診断を管理する場合がある。そのため、各企業の体制に応じて、適切なグループを設定することが重要であり、対象企業の組織体制によってグループの割当も異なってくる。ここで第1受診機関情報とは、事業所、営業所等の所在地近辺に存在する受診機関の情報である。第1受診機関情報は、予め第1受診機関として登録されてもよいし、全ての受診機関から、グループの情報に基づいて選択されたものであってもよい。第1受診機関情報の例を挙げると、受診機関ID、都道府県、法人格(社団医療法人、財団医療法人等)、受診機関名、施設名、電話番号、URL、住所等であって、グループの情報(後述するグループID)と対応付けられた情報が該当する。第1受診機関情報は、任意の受診機関を選択可能に構成されてもよい。なお、第1受診機関情報の設定方法については後述する。
【0020】
また、読出ステップは、市区町村ごとに対応した受診機関に関する第2受診機関情報であって任意の受診機関を選択可能に構成される第2受診機関情報を読み出してもよい。ここで第2受診機関情報とは、例えば、テレワークの推進によって必ずしも出勤する必要がない場合に、事業所から離れた場所で仕事をしている従業員の仕事場所近辺に存在する受診機関の情報である。また、市区町村ごとに対応した受診機関とは、必ずしも対応する市区町村に存在する受診機関のみではなく、対応する市区町村の周辺に存在する受診機関も含むものである。例えば、東京都渋谷区に対応した受診機関とは必ずしも東京都渋谷区に存在する受診機関のみではなく、渋谷区ではないが渋谷区周辺に存在する受診機関が設定されてもよい。第2受診機関情報は、予め第2受診機関として登録されてもよいし、全ての受診機関から、対象者個人の情報に基づいて選択されたものであってもよい。第2受診機関情報の例を挙げると、第1受診機関情報と同様に、受診機関ID、都道府県、法人格(社団医療法人、財団医療法人等)、受診機関名、施設名、電話番号、URL、住所等であって、対象者個人の情報(後述する個人ID)と対応付けられた情報が該当する。なお、第2受診機関情報の設定方法についても後述する。
【0021】
ここで読み出すとは、例えば、通信部150を経由して外部装置から第1受診機関情報を受信し、当該第1受診機関情報を読み出すことで記憶部120(例えばRAM)に書き出すことを示しうる。また、読み出すとは、予め記憶部120(例えばHDD)に記憶された第1受診機関情報を、予約実行者による入力受付部140の操作に応じて読み出し、記憶部120(例えばRAM)に書き出すことを示しうる。さらに、読み出すとは、任意の端末からクラウドに送信され、サーバの記憶装置(例えばHDD)に保存された第1受診機関情報について、サーバの制御装置(例えばCPU)がサーバの記憶装置(例えばRAM)に書き出すことを示しうる。もちろんあくまでも例示でありこの限りではない。
【0022】
取得部112は、ソフトウェア(記憶部120に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部110)によって具体的に実現されているものである。取得部112は、取得ステップを実行するように構成される。取得ステップは、従業員に含まれる対象者を示す対象者情報を取得するステップである。ここで対象者とは、健康診断を受診する従業員のことを示す。またここで対象者情報とは、対象者である従業員の個人ID、対象者が所属するグループのグループID、対象者が仕事をしている場所、すなわち、対象者が所属する事業所の所在地、対象者がテレワークをしている場合はその場所(例えば自宅)に係る市区町村、のことを示す。つまり、対象者は、いずれかの事業所に所属していても、テレワークをしている場合がある。したがって、対象者がテレワークをしている場合には、対象者個人の情報と対応付けられた第2受診機関情報を利用することができる。一方、対象者がテレワークをしていない場合には、対象者が所属するグループの情報と対応付けられた第1受診機関情報を利用することができる。
【0023】
ここで取得するとは、例えば、記憶部120(例えばRAMやHDD)に記憶されている対象者情報を読み出すこと、又は、対象者情報を、通信部150を経由して管理者端末300、対象者端末400等に送信し、当該端末で一時記憶すること等、を示しうる。もちろんあくまでも例示でありこの限りではない。
【0024】
提示部113は、ソフトウェア(記憶部120に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部110)によって具体的に実現されているものである。提示部113は、提示ステップを実行するように構成される。提示ステップは、対象者情報と、第1受診機関情報とに基づいて、対象者が受診可能な受診機関を対象者端末400に提示するステップである。すなわち、提示ステップは、対象者情報から特定される対象者が所属するグループ(事業所)を用いて、第1受診機関情報の中から対象者の所属するグループに対応する受診機関に関する情報を特定することで、適切な受診機関を提示するステップである。
【0025】
ここで、提示について具体例を用いてさらに説明する。従業員Aが所属する会社の事業所が東京及び大阪にある場合において、従業員Aが東京事業所に所属している場合、対象者情報から従業員Aの所属である東京事業所を示すグループIDを取得する。そして、第1受診機関情報から、東京事業所を示すグループIDと対応付けられた東京事業所近辺の受診機関に関する情報が提示される。また、従業員Aが東京事業所と大阪事業所との両方に所属している場合、東京事業所近辺の受診機関に関する情報と大阪事業所近辺の受診機関に関する情報との両方の情報が提示されてもよいし、どちらか一方の情報のみ提示されてもよい。なお、健康保険組合は多数存在するため、会社が所属する健康保険組合に対応した受診機関を提示すると好ましい。
【0026】
また、提示ステップは、対象者がテレワークのため事業所ではなく自宅である東京都港区で勤務している場合には第2受診機関情報を利用して提示処理を実施する。具体的には、対象者情報から、対象者の個人IDを取得し、第2受診機関情報から、当該個人IDと対応付けられた対象者の住所である東京都港区周辺の受診機関に関する情報を提示する。
【0027】
また、提示ステップは、従業員が所属するグループから任意のグループが選択されると、選択されたグループにおける従業員の健康診断の予約情報を提示してもよい。これにより、労務等の管理監督者は、従業員の健康診断の予約情報をグループ(事業所)ごとに管理することができる。さらに、提示ステップは、同一部署内の従業員のうち所定割合以上の従業員の健康診断の日程が重複しないように健康診断の候補日を提示してもよい。具体例を用いて説明すると、例えば第1営業部に10人の従業員が所属している場合において、全員又はほとんどの従業員の健康診断の日程が同日の場合、第1営業部の仕事が回らない可能性が高い。そこで、例えば6人以上の従業員の健康診断の日程が重複しないように候補日を提示することで、第1営業部の仕事が滞ることを防止することができる。
【0028】
この場合、例えば、同一部署内の従業員を複数のグループに分け、グループごとに異なる候補日を提示することで実現することができる。より詳細には、10名からなる部署内の従業員に対して、提示部113は、所定の5人の従業員に対して月曜日、水曜日、金曜日の候補日を提示し、他の5人の従業員に対して火曜日、木曜日の候補日を提示することで、6人以上の従業員の健康診断の日程が重複しないようにすることができる。また、別の例として、提示部113は、日時ごとに定員数を決めておき(例えば2020年12月1日午前中の定員数5人)、定員に達したらその日時を提示しないようにすることで、6人以上の従業員の健康診断の日程が重複しないようにすることができる。
【0029】
ここで提示するとは、例えば、記憶部120(例えばRAMやHDD)に記憶された、対象者が受診可能な受診機関の情報について、対象者端末400等のディスプレイに表示させる際における画面、画像、レンダリング情報等の視覚情報を表示情報生成部130を介して提示すること、又は、他の端末に一時記憶された、対象者が受診可能な受診機関の情報を、通信部150を経由して受信し、これらを表示情報生成部130を介して任意のディスプレイに表示すること等、を示しうる。もちろんあくまでも例示でありこの限りではない。
【0030】
また、提示ステップでは、対象者に対して、健康診断結果を提示するようにしてもよい。健康診断結果は、受診後に一定期間が経過してから提示可能となるが、過去の健康診断結果に関しては、対象者の要求に応じて随時提示することが好ましい。なお、健康診断結果とは、健康診断の診断項目ごとの検査結果と、診断項目ごとに登録された基準値に基づいて検査結果を評価した評価結果とを含むものである。例えば、検査結果とは対象者の血圧値であり、評価結果は対象者の血圧値を基準値に基づいて評価した評価結果であり、血圧値以外にもγGTP値、中性脂肪値、コレステロール値など各種の診断項目ごとに検査結果と評価結果が存在する。
【0031】
予約選択部114は、ソフトウェア(記憶部120に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部110)によって具体的に実現されているものである。予約選択部114は、予約選択ステップを実行するように構成される。予約選択ステップは、入力された予約操作に基づいて、提示された受診機関の中から、対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択するステップである。すなわち、予約選択ステップは、ある従業員(対象者と同一でもよい)が対象者について健康診断の予約操作を行う場合に、受診日時、検査項目(例えば一般健康診断の項目+肺CT)等の予約項目に対応した受診機関を選択する。
【0032】
ここで選択するとは、例えば、管理者端末300、対象者端末400等から情報を入力することで制御部110によって提示された受診機関の中から任意の受診機関を選択することを示しうる。もちろんあくまでも例示でありこの限りではない。
【0033】
制御部110は、生成部115を備えてもよい。生成部115は、ソフトウェア(記憶部120に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部110)によって具体的に実現されているものである。生成部115は、生成ステップを実行するように構成される。生成ステップは、第1受診機関情報から任意の受診機関が選択されると、選択された受診機関で健康診断の予約を実行可能な視覚情報を生成してもよい。また、生成ステップは、第2受診機関情報から任意の受診機関が選択されると、選択された受診機関で健康診断の予約を実行可能な視覚情報を生成してもよい。ここで、健康診断の予約を実行可能な視覚情報とは、受診機関の健診予約が可能な候補日を示す情報や、入力フォームのような候補日から予約する日を選択させるための情報を示しうる。このような視覚情報を生成することにより、複雑な健康診断の予約操作を容易にすることができる。
【0034】
ここで生成するとは、例えば、記憶部120(例えばRAMやHDD)に記憶されている健康診断の予約を実行可能な入力フォームについて、管理者端末300、対象者端末400等に表示させる際における画面、画像、レンダリング情報等の視覚情報を生成することを示しうる。もちろんあくまでも例示でありこの限りではない。
【0035】
制御部110は、通知部116を備えてもよい。通知部116は、ソフトウェア(記憶部120に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部110)によって具体的に実現されているものである。通知部116は、通知ステップを実行するように構成される。通知ステップは、健康診断の予約情報を変更した場合、管理者に通知する。ここで管理者とは、例えば、対象者の上司、労務等の管理監督者等のことを示しうる。また、当該通知の頻度は適宜設定可能であり、予約情報を変更する度に通知してもよいし、1日の終業時間にまとめて通知してもよい。このように、健康診断の予約情報を変更した場合に管理者に通知することにより、対象者が健康診断をリスケジュールすることを防止することができる。
【0036】
また、通知ステップは、期限までに健康診断を予約しなかった場合、対象者に通知する。さらに、通知ステップは、期限までに健康診断を予約しなかった場合、管理者に通知する。このような通知により、期限までに健康診断を予約することの動機付けとすることができる。また、通知ステップは、健康診断を受診しなかった場合、管理者に通知する。管理者は、受診機関からの連絡、受診機関のシステムとの連携、勤怠管理システム等から、対象者が健康診断を受診したか否かを確認することができる。このような通知により、対象者に健康診断をより確実に受診させることができる。
【0037】
ここで通知するとは、例えば、表示情報生成部130によって生成された情報を通信部150を経由して管理者端末300、対象者端末400等に送信し、当該端末の制御部(例えばCPU)が当該通知先の端末に接続されたディスプレイに表示することを示しうる。もちろんあくまでも例示でありこの限りではない。
【0038】
制御部110は、受付部117を備えてもよい。受付部117は、ソフトウェア(記憶部120に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部110)によって具体的に実現されているものである。受付部117は、受付ステップを実行するように構成される。受付ステップは、対象者が健康診断を受診する場所を示す場所情報を受け付ける。受付ステップは、予約実行者(対象者と同一でもよい)から当該場所情報を受け付ける。後述のように、受付ステップが実行された後、読出ステップが実行される。
【0039】
ここで受け付けるとは、例えば、入力受付部140にて受け付けた情報を記憶部120(例えばRAMやHDD)に書き出すことを示しうる。もちろんあくまでも例示でありこの限りではない。
【0040】
また、制御部110は、登録部118を備えてもよい。登録部118は、ソフトウェア(記憶部120に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部110)によって具体的に実現されているものである。登録部118は、登録ステップを実行するように構成される。登録ステップは、検査結果を評価する基準値を診断項目ごとに登録する。基準値は、検査結果が正常であるか否かのしきい値となるもので、この基準値に基づいて、検査結果が「異常なし」であるか、「異常あり」であるかを評価する。基準値は、1つの値でもよく、正常値又は異常値の範囲を示すものでもよい。また、基準値は、複数の値を登録してもよく、この場合、複数の値によって、「異常なし」、「要再検査」、「要治療」等とする評価を行う。評価に際しては、複数の診断項目の論理和や論理積を利用するようにしてもよい。この場合、例えば、項目Aがa以上で、かつ、項目Bがb以上の場合は、異常であると評価する。基準値の登録は、管理者が管理者端末300を操作することで行うが、指定された管理者や産業医等に限定するようにしてもよい。
【0041】
また、この登録ステップでは、基準値を、従業員の区分ごとに登録する。従業員の区分とは、会社等の所属する組織、全従業員、年齢、性別、勤務場所、職種(特殊健診対象者であるか否かを含む)等であり、区分は、任意に指定可能である。この区分は、組み合わせが可能であり、例えば、管理者が所属する会社の全従業員の男性と管理者が所属する会社の全従業員の女性とを区分とし、その区分毎に基準値を設定することができる。もちろん、グループと区分が一致するようにすることも可能である。基準値の登録は、登録する管理者等の権限の範囲で行われるもので、例えば、複数の会社で構成される企業グループの全ての会社に対して権限を有する管理者であれば、その全ての会社を対象とすることができる。この場合、企業グループ全体を区分としてもよく、企業グループに属する各会社を区分の単位としてもよい。同様に、管理者が所属する会社に対して権限を有する管理者であれば、その所属会社を区分としてもよく、所属会社の各支社を区分とすることもできる。なお、登録ステップを実行した場合には、提示部113が実行する提示ステップでは、基準値に基づいて検査結果を評価した健康診断結果を提示する。
【0042】
4.情報処理
図4は、マスタ情報として、第1受診機関情報及び第2受診機関情報の事前登録の一例を示すアクティビティ図である。管理者端末300は、管理者の操作に応じて、従業員情報を管理サーバ100に登録する(A210)。従業員情報は、
図5に示すように、例えば、個人ID、年齢、性別、生年月日及び登録グループIDから構成される。
図5では、従業員情報として、登録グループID「02」に属する1979年9月22日生まれの41歳男性が個人ID「0001」として登録されている。同様に、個人ID「0002」、「0003」、・・・、に対応する従業員情報が登録されている。従業員情報の登録にあたっては、例えば、
図5示すような従業員情報を予めCSVファイルとして作成しておき、管理者端末300からCSVをアップロードすることで登録することが可能である。
【0043】
次に、管理者端末300は、登録グループIDを管理サーバ100に登録する(A220)。なお、従業員情報に含まれる登録グループIDは、例えば、東京都にある事業所は「01」、大阪府にある事業所は「02」、茨城県にある事業所は「03」のように、会社内の事業所単位で割り当てられる。
【0044】
次に、管理者端末300は、第1受診機関情報及び第2受診機関情報を含む情報を管理サーバ100に登録する(A230)。登録にあたって、管理サーバ100は、マスタ受診機関情報を予め記憶しておき、管理者端末300から第1受診機関情報及び第2受診機関情報の登録のためのアクセスがあった際に記憶しておいたマスタ受診機関情報を提示する。マスタ受診機関情報は、健康診断を実施可能な受診機関に関するマスタ情報であり、
図6に示すように、受診機関ID、受診機関名、電話番号、住所等から構成される。また、マスタ受診機関情報は、都道府県、法人格(社団医療法人、財団医療法人等)、施設名、URL等からさらに構成されてもよい。
【0045】
第1受診機関情報を登録するため、管理者は、管理者端末300に表示されたマスタ受診機関情報から、その年度に従業員が健康診断を受診する受診機関をグループごとに選定し、グループごとに対応付けがされた受診機関を示す第1受診機関情報として登録する。登録にあたっては、自社が所属する健康保険組合の情報や、各事業所の場所を考慮して設定すればよく、例えば、東京都にある事業所に対してはその事業所の住所の近辺にある受診機関であって、かつ、加入している健康保険組合に対応した受診機関を管理者が任意で選択すればよく、事業所の規模などによっては複数の受診機関を選択することとしてもよい。そして、この受診機関の選定を登録グループIDごと(各事業所単位)で実施することで第1受診機関情報を作成することができる。また、管理者が事業所ごとに指定されている場合には、事業所ごとの管理者が第1受診機関情報を作成することとなる。
【0046】
次に、第2受診機関情報を登録するため、管理者は、管理者端末300に表示されたマスタ受診機関情報から、自身が管理する部門に所属する従業員が健康診断を受診する受診機関をそれぞれの従業員ごとに選定し、従業員ごとに対応付けがされた受診機関を示す第2受診機関情報として登録する。登録にあたっては、各従業員が事業所ではなくテレワークで自宅にて業務を行うことを想定して、自社が所属する健康保険組合の情報や、各従業員の住所を考慮して設定すればよく、例えば、住所が東京都渋谷区の従業員に対しては渋谷区又はその近辺にある受診機関であって、かつ、加入している健康保険組合に対応した受診機関を管理者が任意で選択すればよく、複数の受診機関を選択することとしてもよい。そして、この受診機関の選定を個人IDごと(各従業員単位)で実施することで第2受診機関情報を作成することができる。また、管理者が事業所ごとに指定されている場合には、事業所ごとの管理者が自身の管轄の事業所に所属する従業員に関する第2受診機関情報を作成することとなる。さらに、管理者がそれぞれの従業員の受診機関を選定するのではなく、従業員自身が自身の住所から受診機関を選定することとしてもよい。
【0047】
また、受診機関の選定に合わせて、設定を行う年度における健康診断の実施期間(健康診断の開始時期と終了時期)を入力することとしてもよい。健康診断の実施期間についても、事業所ごとの事情を考慮する必要が生じ得るため、事業所単位で任意の期間を設定できることが望ましい。
【0048】
上記作業によって作成される第1受診機関情報のデータベースの一例として、例えば、
図7に示すように、年度情報ID、登録グループID、受診機関ID、健康診断実施期間、及び補足情報を対応付けたデータベースを構築しておく。なお、第2受診機関情報についても、図示省略するが、同様に個人ID、受診機関ID、年度情報IDなどと対応付けたデータベースを構築しておく。
【0049】
年度情報IDは、健康診断を実施する年度ごとに割り当てられたIDである。健康診断は年度ごとに実施することになるため、年度ごとに管理するため年度情報IDを設定することが望ましい。
図7では、年度情報IDに対応付けられた登録グループID等の情報によって、年度情報IDを、・・・、「2019」、「2020」、・・・、と割り当てている。ここでは、それぞれの年度情報IDについて、登録グループID「01」に対応付けられた、受診機関ID、健康診断実施期間及び補足情報を示す。
【0050】
登録グループIDは、会社内の所定のグループごとに割り当てられたIDであり、上述した通り、所在の異なる複数の事業所ごとなど、対象企業の組織体制に応じて割り当てられるものである。
【0051】
受診機関IDは、受診機関ごとに割り当てられたIDであり、受診機関を識別するためのものである。
【0052】
健康診断実施期間は、登録グループIDごとに設定された健康診断の実施期間であり、健康診断の予約はこの期間内で実施されることになる。
【0053】
補足情報は、健康診断に関する補足の情報であり、例えば受診券などの健康診断を受診する際に必要なものなど受診にあたっての注意点に関する情報を登録しておくことができるものである。
【0054】
図8は、制御部110の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、管理サーバ100は、対象者が健康診断を会社の近くで受診するか、又は自宅の近くで受診するかを予約実行者から受け付ける(A105)。すなわち、受付部117は、対象者が健康診断を受診する場所を示す場所情報を受け付ける。そして、読出部111は、当該場所情報に基づいて、第1受診機関情報と第2受診機関情報とのいずれかを読み出す。対象者が健康診断を会社の近くで受診する場合、読出部111は、第1受診機関情報を読み出す(A110)。一方、対象者が健康診断を自宅の近くで受診する場合、読出部111は、第2受診機関情報を読み出す(A115)。なお、第1受診機関情報又は第2受診機関情報のいずれかのみに基づいて予約する構成としても構わない。かかる場合には、A105は省略し、A115又はA110のいずれかを実行することとすればよい。
【0055】
次に、取得部112は、対象者情報を取得する(A120)。対象者情報の取得にあたっては、例えば、健康診断の予約を行う従業員(対象者)が対象者端末400からシステムにログインすることとしておき、ログインIDとしてA210にて事前に登録しておいた従業員情報の一つである個人IDを設定しておく。そして、ログインの際に入力された個人IDから対象者の従業員情報を特定することで対象者情報を取得することが可能となる。
【0056】
次に、提示部113は、対象者情報と、第1受診機関情報(又は第2受診機関情報)とに基づいて、対象者が受診可能な受診機関を提示する(A130)。第1受診機関情報を利用する場合は、A120で取得した対象者情報のうち登録グループIDを特定し、第1受診機関情報から特定した登録グループIDに対応付けられた受診機関IDを当該対象者が受診可能な受診機関として特定する。そして、予め記憶されたマスタ受診機関情報(
図6)に基づいて、対象者が受診可能な受診機関に関する情報を読み出し、必要な情報を対象者端末400に提示する。第2受診機関情報を利用する場合は、A120で取得した対象者情報のうち個人IDを特定し、第2受診機関情報から特定した個人IDに対応付けられた受診機関IDを当該対象者が受診可能な受診機関として特定する。そして、予め記憶されたマスタ受診機関情報に基づいて、対象者が受診可能な受診機関に関する情報を読み出し、必要な情報を対象者端末400に提示する。
【0057】
第1受診機関情報(又は第2受診機関情報)の中から実際に対象者が受診可能な受診機関に関する情報を読みだした結果は、一例として、
図9に示すものが該当する。次に、予約選択部114は、入力された予約操作に基づいて、提示された受診機関の中から、対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択する(A140)。受診機関の選択にあたっては、対象者端末400にて対象者から健康診断の予約を行う受診機関の選択操作を受け付けて行う。
【0058】
次に、生成部115は、第1受診機関情報(又は第2受診機関情報)から任意の受診機関が選択された場合、選択された受診機関で健康診断の予約を実行可能な視覚情報を生成し、対象者端末400に提示する(A150)。視覚情報としては、対象者の登録グループIDに対応付けられた健康診断実施期間の中から選択された受診機関の健診予約が可能な候補日を示す情報や、候補日から予約する日を選択させるための情報である。健康診断の予約が可能な候補日に関しては、予め各受診機関にて対応する登録グループIDの健康診断実施期間の中から健康診断の受け入れ可能な日を受け付けておき、管理サーバ100にて受診機関ごとに記憶しておくこととすればよい。候補日から予約する日を選択させるための情報は、例えば、候補日の中から対象者が希望する予約日を入力するための入力フォームに関する表示画面の情報や、候補日を選択可能な態様で表示させ選択されたものを希望する予約日とする表示画面の情報とすることができる。
【0059】
また、候補日の他にも選択された受診機関に関する情報として、所在地、最寄り駅、受診可能な健康診断のオプションに関する情報などを視覚情報に含めることとしてもよい。対象者は、対象者端末400に表示された視覚情報から、少なくとも健康診断の予約日を選択する操作を行うこととし、その他健康診断のオプションの選択などを行うこととしてもよい。管理サーバ100は、対象者端末400から、選択された受診機関情報、健診予約日、及びオプション情報を取得すると、該当する受診機関(図示しない)に健診予約の情報を送信し、健診予約の処理を完了する。
【0060】
なお、健康診断の予約処理の完了にあたっては、受診機関にて受診者が選択した候補日で健診予約を受け付けていいか確認を行い、確認結果を再度管理サーバ100に送信することで、健診予約を完了することとしてもよい。これにより、複数の従業員が所定の候補日に重複して予約したことで受け入れ可能な人数を超える予約をしてしまうことを抑制することができる。
【0061】
さらに、対象者に複数の予約希望を選択させ、受診機関側で対象者の最終的な予約日を決定する構成とすることとしてもよい。これにより、受診機関側で健康診断受診者の希望日に応じて柔軟に健康診断の日程を調整することが可能となる。
【0062】
5.健康診断の予約情報
図10は、グループ内における健康診断の予約状況及び健康診断の結果を管理する画面の一例を示す図である。
図10では、大阪本社における健康診断の予約状況を示している。当該予約状況及び図示しない健康診断の結果の項目は、例えば、受診対象者、予約確定、受診未報告、受診完了、受診日変更申請中、健診結果アップ済み、有所見数、保健指導送付数、再検査対象者、及び要面談者数から構成され、大阪本社に所属する従業員の健康診断予約状況及び健康診断の結果から集計して算出されている。ここで、健康診断の結果を集計する方法について説明する。第1の例として、まず、受診機関は、対象者の健康診断の結果をCSVファイルとして作成して管理者に送付する。次に、管理者は、受け取ったCSVファイルを管理サーバ100にアップロードする。第2の例として、受診機関は、対象者の健康診断の結果をCSVファイルとして作成し、このCSVファイルを管理サーバ100にアップロードする。
【0063】
また、
図10では、大阪本社に所属する各従業員のステータス等を確認できるように構成されている。当該管理画面では、グループ選択部310がクリック(タップ)されると、他のグループ(例えば東京本社)に係る予約状況を確認することができる。なお、このようなグループ内の健康診断の予約状況や健康診断の結果は、管理者端末300のみで確認可能とする。そのため、グループ内のおける健康診断の予約状況及び健康診断の結果を管理する画面を表示する際には、管理者端末300から管理者がログインする際のログイン情報などから当該管理者が所属する登録グループIDを取得し、その登録グループIDを示すグループ内の情報のみを表示させることとすればよい。
【0064】
図11は、対象者個人に係る健康診断の予約情報の一例を示す図である。健康診断の予約情報は、対象者、対象者の上司、労務等の管理監督者、システム管理者等に表示可能に設定してもよい。
図11では、今年度(2020年度)の健康診断の予約をまだしていない状態を示している。通知部116は、健康診断の予約期限が近づいても健康診断を予約していない場合、健康診断の予約期限当日になっても健康診断を予約していない場合、及び健康診断の予約期限が過ぎても健康診断を予約していない場合のそれぞれにおいて、対象者端末400に対して所定のアラートを表示、メールにて通知等するように設定してもよい。
【0065】
図12は、対象者個人に係る健康診断の予約情報の一例を示す図である。
図12では、今年度の健康診断の予約をした状態を示している。健康診断の予約をすると、受診機関名と健康診断の予定日とが新たに表示される。ここで、予約情報変更ボタン210をクリック(タップ)すると、受診機関及び健康診断の予定日、並びに図示しない検査項目をそれぞれ変更することができる。また、検査項目確認ボタン220をクリック(タップ)すると、現時点で予約している検査項目が表示される。ここで検査項目を確認して、必要であれば、予約情報変更ボタン210からオプションの検査項目を追加することができる。
【0066】
図13は、対象者個人に係る健康診断の予約情報の一例を示す図である。
図13では、今年度の健康診断を受診した状態を示している。ここでは、「健康診断受診済み?」の項目に「受診済み」と表示されている。この表示内容により、対象者、対象者の上司、労務等の管理監督者、システム管理者等は、対象者が健康診断を受診したことを確認することができる。また、検査項目確認ボタン220をクリック(タップ)すると、対象者が実際に受診した検査項目を確認することができる。
【0067】
5.基準値の登録
図14は、基準値を登録する際の制御部110の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、管理サーバ100は、管理者端末300から基準値を登録する従業員の区分の指定を受け付ける(A305)。区分の指定は、受付部117が受け付ける。そして、指定された区分が、区分の新規作成であれば、登録部118は、新たに区分を作成する(A310)。このとき、登録部118は、必要に応じて、既存の区分を変更する。例えば、既存の区分として、「全従業員男性」と「全従業員女性」が存在していた場合に、「東京事業所男性」を作成すると、「全従業員男性」は、「全従業員(東京事業所を除く)男性」に変更される。また、指定された区分が既存の区分であれば、登録部118は、指定された既存の区分を受け付ける(A315)。
【0068】
続いて、提示部113が、指定された区分に登録されている基準値を管理者端末300に提示する(A320)。
図15は、基準値の提示例を示した図である。同図に示すように、基準値は、健康診断の項目毎に提示される。なお、区分を新規に作成した場合には、基準値として予め定めた標準値等を提示する。
【0069】
そして、登録部118は、基準値の変更が指示されると(A325)、基準値の変更を受け付ける(A330)。管理者等による基準値の指定は、例えば、
図15に示した基準値の欄を指定することで行われ、図示しない数値入力欄等から数値を入力することで行われる。なお、
図15は、「正常」と判定される基準値を示したものであるが、「異常」、「再検査」と判定される基準値を示すようにしてもよい。なお、登録部118は、受け付けた変更値が許容範囲内であるか否かを確認し(A335)、許容範囲外であれば、エラーを提示する(A340)。変更値の許容範囲とは、医学的根拠や医師の判断に基づいて予め定められたものであり、例えば、収縮期血圧の基準値を200に変更しようとした場合に、エラーが提示されることとなる。
【0070】
その後、同様に変更値の指定を受け付け、管理者等により終了が指示されると(A325)、制御部110は、登録ステップを終了する。
6.その他
【0071】
以上をまとめると、健康診断予約管理方法は、コンピュータが実行する健康診断予約管理方法である。健康診断予約管理方法は、読出ステップと、取得ステップと、提示ステップと、予約選択ステップとを備える。読出ステップでは、従業員が所属するグループごとに対応した受診機関に関する第1受診機関情報を読み出す。取得ステップでは、従業員に含まれる対象者を示す対象者情報を取得する。提示ステップでは、対象者情報と、第1受診機関情報とに基づいて、対象者が受診可能な受診機関を提示する。予約選択ステップでは、入力された予約操作に基づいて、提示された受診機関の中から、対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択する。
【0072】
本実施形態によれば、健康診断を受診する従業員と労務等の管理監督者との健康診断の予約に係るやり取りを減らすことができる。また、容易な操作で健康診断の予約を行う受診機関を選択できるため、健康診断の予約をスムーズに行うことができる。
【0073】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記健康診断予約管理システムにおいて、前記提示ステップでは、前記グループから任意のグループが選択されると、前記選択されたグループにおける従業員の健康診断の予約情報を提示する、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、生成ステップを実行するように構成され、前記第1受診機関情報は、任意の受診機関を選択可能に構成され、前記生成ステップでは、前記第1受診機関情報から任意の受診機関が選択されると、前記選択された受診機関で健康診断の予約を実行可能な視覚情報を生成する、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、前記読出ステップでは、市区町村ごとに対応した受診機関に関する第2受診機関情報であって任意の受診機関を選択可能に構成される第2受診機関情報を読み出す、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、登録ステップを実行するように構成され、前記登録ステップでは、検査結果を評価する基準値を診断項目ごとに登録し、前記提示ステップでは、前記基準値に基づいて前記検査結果を評価した評価結果を提示する、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、前記登録ステップでは、前記基準値を、前記従業員の区分ごとに登録し、前記区分は、任意に指定可能である健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、生成ステップを実行するように構成され、前記生成ステップでは、前記第2受診機関情報から任意の受診機関が選択されると、前記選択された受診機関で健康診断の予約を実行可能な視覚情報を生成する、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、受付ステップを実行するように構成され、前記受付ステップでは、前記対象者が健康診断を受診する場所を示す場所情報を受け付け、前記読出ステップでは、前記場所情報に基づいて、前記第1受診機関情報と前記第2受診機関情報とのいずれかを読み出す、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、前記提示ステップでは、前記従業員のうち同一部署に属する所定割合以上の従業員の健康診断の日程が重複しないように前記健康診断の候補日を提示する、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、通知ステップを実行するように構成され、前記通知ステップでは、前記健康診断の予約情報を変更した場合、管理者に通知する、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、通知ステップを実行するように構成され、前記通知ステップでは、期限までに健康診断を予約しなかった場合、前記対象者に通知する、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、通知ステップを実行するように構成され、前記通知ステップでは、期限までに健康診断を予約しなかった場合、管理者に通知する、健康診断予約管理システム。
前記健康診断予約管理システムにおいて、通知ステップを実行するように構成され、前記通知ステップでは、健康診断を受診しなかった場合、管理者に通知する、健康診断予約管理システム。
コンピュータが実行する健康診断予約管理方法であって、読出ステップと、取得ステップと、提示ステップと、予約選択ステップとを備え、前記読出ステップでは、従業員が所属するグループごとに対応した受診機関に関する第1受診機関情報を読み出し、前記取得ステップでは、前記従業員に含まれる対象者を示す対象者情報を取得し、前記提示ステップでは、前記対象者情報と、前記第1受診機関情報とに基づいて、前記対象者が受診可能な受診機関を提示し、前記予約選択ステップでは、入力された予約操作に基づいて、提示された受診機関の中から、前記対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択する、健康診断予約管理方法。
プログラムであって、前記健康診断予約管理システムにおける各ステップをコンピュータに実行させるための、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0074】
100 :管理サーバ
110 :制御部
111 :読出部
112 :取得部
113 :提示部
114 :予約選択部
115 :生成部
116 :通知部
120 :記憶部
130 :表示情報生成部
140 :入力受付部
150 :通信部
210 :予約情報変更ボタン
220 :検査項目確認ボタン
300 :管理者端末
310 :グループ選択部
400 :対象者端末
500 :ネットワーク
1000 :健康診断予約管理システム
【要約】
【課題】所在地が異なる複数の事業所が存在する場合に各事業所の従業員が適切な受診機関を選択しやすくすることができ、また、誤った受診機関を選択する可能性を減少させる健康診断予約管理システムを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、健康診断予約管理システムが提供される。この健康診断予約管理システムは、読出ステップと、取得ステップと、提示ステップと、予約選択ステップとを実行するように構成される。読出ステップでは、従業員が所属するグループごとに対応した受診機関に関する第1受診機関情報を読み出す。取得ステップでは、従業員に含まれる対象者を示す対象者情報を取得する。提示ステップでは、対象者情報と、第1受診機関情報とに基づいて、対象者が受診可能な受診機関を提示する。予約選択ステップでは、入力された予約操作に基づいて、提示された受診機関の中から、対象者の健康診断の予約を行う受診機関を選択する。
【選択図】
図1