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特許7117762冷却衣服用送風装置、冷却衣服用送風装置ユニット及び冷却衣服
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  • 特許-冷却衣服用送風装置、冷却衣服用送風装置ユニット及び冷却衣服 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】冷却衣服用送風装置、冷却衣服用送風装置ユニット及び冷却衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20220805BHJP
   A61L 9/04 20060101ALI20220805BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20220805BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A61L9/04
A61L9/01 H
F04D25/08 301Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018115510
(22)【出願日】2018-06-18
(65)【公開番号】P2019073840
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2017197820
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】593161375
【氏名又は名称】山真製鋸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/154961(WO,A1)
【文献】実開平01-148100(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00-13/12
A41D1/00
F04D1/00-35/00
A61L9/00-9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服に取り付けられるカバー部材と、前記カバー部材内に収容されたモーター及び前記モーターで回転するファンとを有し、前記ファンの回転で衣服の外部から内部へ空気を取り込んで衣服と身体との間に気流を形成する冷却衣服用送風装置において、
前記カバー部材よりも衣服の内部側に設けられた筒状部材と、前記筒状部材内に収容された揮発性の消臭及び芳香の機能性成分を含む固形剤とを有し、前記筒状部材は、前記ファンの回転による気流の一部を筒内に取り込んで筒外に流出させる形状を有して おり、
前記固形剤が素焼きのストーンにハッカ油を垂らしたもので構成されている ことを特徴とする冷却衣服用送風装置。
【請求項2】
請求項1に記載した冷却衣服用送風装置において、
前記筒状部材が前記固形剤を着脱可能に設けられていることを特徴とする冷却衣服用送風装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した冷却衣服用送風装置において、
前記筒状部材が前記カバー部材に対して着脱自在に設けられている ことを特徴とする冷却衣服用送風装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した冷却衣服用送風装置において、
前記筒状部材が前記ファンの回転軸心上に配置され、前記筒状部材の前記カバー部材側には周方向に間隔をおいて複数の空気流入口が形成され、前記筒状部材の前記カバー部材と反対側には少なくとも1つの空気流出口が形成されていることを特徴とする冷却衣服用送風装置
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した冷却衣服用送風装置と、前記モーターに電力を供給する電源と、前記モーターと前記電源とを電気的に接続する導線とを有することを特徴とする冷却衣服用送風装置ユニット
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載した冷却衣服用送風装置又は請求項5に記載した冷却衣服用送風装置ユニットを備えたことを特徴とする冷却衣服
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンの回転で衣服の外部から空気を取り込んで身体を冷却する冷却衣服用送風装置、冷却衣服用送風装置を含む冷却衣服用送風装置ユニット及び冷却衣服用送風装置又は冷却衣服用送風装置ユニットを備えた冷却衣服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の冷却衣服は、衣服に冷却衣服用送風装置を直接取り付けてファンの回転で外部の空気を内部に取り込み、身体と衣服との間に気流を形成することにより、身体の表面から出る汗を気化させて身体から熱を奪うことで冷却する原理に基づいている。工事現場等で働く作業員は安全性を考慮して厚手の作業服を着なければならず、夏場には大量の汗をかき易い。この場合、身体と衣服との間に熱が籠って熱中症になり易い。このような問題を解消するために冷却衣服が開発され、その実用性の高さから広く普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-132040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工事現場等での作業は発汗量が多くなり、汗をかくと皮膚が高温多湿な状態になる。このため、細菌による汚れの分解臭が強くなって、体臭と相まって臭いが強くなる。上記のように、この種の冷却衣服では本来の目的である冷却機能は満足できるレベルに達しているが、臭いについての対策はこれまで考慮されていなかった。汗をかけばかくほど臭いは強くなるが、ファンによる気流で臭いも体外に強制的に排出されるため、特に閉鎖的な環境で冷却衣服を使用する場合には、臭い対策が望まれていた。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、冷却機能が得られると共に臭い問題も抑制できる冷却衣服用送風装置、冷却衣服用送風装置ユニット及び冷却衣服用送風装置又は冷却衣服用送風装置ユニットを備えた冷却衣服の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために為されたものであり、請求項1の発明は、 衣服に取り付けられるカバー部材と、前記カバー部材内に収容されたモーター及び前記モーターで回転するファンとを有し、前記ファンの回転で衣服の外部から内部へ空気を取り込んで衣服と身体との間に気流を形成する冷却衣服用送風装置において、前記カバー部材よりも衣服の内部側に設けられた筒状部材と、前記筒状部材内に収容された揮発性の消臭及び芳香の機能性成分を含む固形剤とを有し、前記筒状部材は、前記ファンの回転による気流の一部を筒内に取り込んで筒外に流出させる形状を有しており、前記固形剤が素焼きのストーンにハッカ油を垂らしたもので構成されていることを特徴とする冷却衣服用送風装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した冷却衣服用送風装置において、
前記筒状部材が前記固形剤を着脱可能に設けられていることを特徴とする冷却衣服用送風装置である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した冷却衣服用送風装置において、
前記筒状部材が前記カバー部材に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする冷却衣服用送風装置である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した冷却衣服用送風装置において、前記筒状部材が前記ファンの回転軸心上に配置され、前記筒状部材の前記カバー部材側には周方向に間隔をおいて複数の空気流入口が形成され、前記筒状部材の前記カバー部材と反対側には少なくとも1つの空気流出口が形成されていることを特徴とする冷却衣服用送風装置である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した冷却衣服用送風装置と、前記モーターに電力を供給する電源と、前記モーターと前記電源とを電気的に接続する導線とを有することを特徴とする冷却衣服用送風装置ユニットである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した冷却衣服用送風装置又は請求項5に記載した冷却衣服用送風装置ユニットを備えたことを特徴とする冷却衣服である。

【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、冷却機能が得られると共に臭い問題にも効果的に対応できる冷却衣服用送風装置、冷却衣服用送風装置ユニット及び冷却衣服用送風装置又は冷却衣服用送風装置ユニットを備えた冷却衣服を提供することができ、臭いによる作業環境の悪化の改善に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る冷却衣服の使用状態を示す概要背面図である。
図2図1の冷却衣服における冷却衣服用送風装置の分解斜視図である。
図3図1の冷却衣服における冷却衣服用送風装置の内側カバー部材に対するキャップ部材の着脱構成を示す斜視図である。
図4図1の冷却衣服における冷却衣服用送風装置のキャップ部材を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のX-X線での断面図である。
図5図1の冷却衣服における冷却衣服用送風装置の衣服への取り付け状態を示す断面図である。
図6図2の固形剤の説明図である。
図7図2とは別の固形剤を用いる場合の、図1の冷却衣服における冷却衣服用送風装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る冷却衣服用送風装置、冷却衣服用送風装置ユニット及び冷却衣服を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、作業者の上着である冷却衣服1は、衣服3と、衣服3の背中におけるベルト位置近傍に取り付けられた1つ以上(ここでは2つ)の冷却衣服用送風装置5、7と、これらの冷却衣服用送風装置5、7の不図示のモーターに電力を供給する電源としての二次電池9と、スイッチ11を介して二次電池9と各冷却衣服用送風装置5、7のモーターとを電気的に接続する導線13、15等とを備えている。二次電池9は衣服3に面状ファスナー等の手段で着脱自在に取り付けられた不図示のホルダケースに出し入れ自在に設けられており、衣服3と分離して充電可能となっている。冷却衣服用送風装置5、7、二次電池9、スイッチ11、導線13及び15により冷却衣服用送風装置ユニット17が構成されている。
【0016】
冷却衣服用送風装置5及び7のファン(後述)の回転により衣服3の外部から取り込まれた空気は、身体と衣服3との間を流れ、裾口や首元から外部に吹き出される。気流が身体と衣服3との間を流通する過程で汗が蒸発し、その気化熱で身体が冷却される。スイッチ11のON・OFF操作で空冷のON・OFFができるようになっている。選択的なスイッチ操作でファンの回転数の強さ、即ち空冷の強さを可変できるようにしてもよい。
【0017】
図2に示すように、冷却衣服用送風装置5、7は、ファン19及びファン19を回転駆動する駆動源としての不図示のモーターを収容した内側カバー部材21と、この内側カバー部材21と一体に連結される外側カバー部材23と、内側カバー部材21の内方側(矢印I側)の先端に配置される比較的扁平な円盤状の固形剤25と、この固形剤25を覆う筒状部材としての円筒状のキャップ部材27とを有している。キャップ部材27はファン19の回転軸心CL上に配置されている。
【0018】
内側カバー部材21は、図3に示すように、環状壁部21aと、内側にモーターが固定される円形の台座21bと、環状壁部21aの内方端と台座21bとの間に放射状に配置され、環状壁部21aと台座21bとを連結する複数の円弧状リブ21cと、環状壁部21aの外方端に形成されたフランジ21eと、環状壁部21aの内周面に形成された雌ネジ部21f(図2参照)とを有している。円弧状リブ21cは気流を通過させる椀状で且つ網目状の骨組みを形成し、ファン19の回転による衣服3の内方への空気の吹き出しが可能となっている。
【0019】
図2に示すように、外側カバー部材23は、環状壁部21aよりも径の小さい環状壁部23aと、円形の中心プレート23bと、環状壁部23aの外方端と中心プレート23bとの間に放射状に配置され、環状壁部23aと中心プレート23bとを連結する複数の円弧状リブ23cと、環状壁部23aの外方端に形成されたフランジ23eと、環状壁部23aの外周面に形成され、内側カバー部材21の雌ネジ部21fに嵌合する雄ネジ部23fとを有している。円弧状リブ23cは気流を通過させる骨組みを形成し、ファン19の回転による衣服3の外部から内方への空気の取り込みが可能となっている。
【0020】
図3に示すように、台座21bには、周方向に略等間隔に3つの開口部21gが形成されている。これらの開口部21gはキャップ部材27を内側カバー部材21に固定するためのもので、幅広部21g-1と、この幅広部21g-1に連通する幅狭部21g-2とからなっている。キャップ部材27の外方端には周方向に略等間隔に断面がL字状の固定用凸部27aが各開口部21gに対応して3つ形成されている。固定用凸部27aを開口部21gの幅広部21g-1に挿入した後矢印方向(時計回り方向)にキャップ部材27を回転させると、固定用凸部27aが開口部21gの幅狭部21g-2に密接に入り込み、抜け止めされる。これにより内側カバー部材21に対するキャップ部材27の取り付けがなされる。キャップ部材27の開口側(台座21b側)には、周方向に略等間隔に空気流入口27bが3箇所に形成されている。また、キャップ部材27の天板側(台座21bと反対側)には円形の空気流出口27cが形成されている。
【0021】
キャップ部材27の中に固形剤25を入れてキャップ部材27を台座21bに固定することにより、固形剤25を内側カバー部材21に装着することができる。内側カバー部材21を台座21bが水平になるように置き、台座21b上に固形剤25を載置した後キャップ部材27を台座21bに固定してもよい。図4に示すように、キャップ部材27の内面には固形剤25を保持するリブ27dが軸方向に延びるように且つ周方向に等間隔で複数(ここでは6つ)形成されている。図4(b)に示すように、キャップ部材27の軸方向における内部空間と未使用状態の固形剤25との間には隙間Gが存在するようにキャップ部材27の寸法が設定されており、空気流出口27cが固形剤25で塞がれないようになっている。
【0022】
固形剤25は、揮発性の機能性成分を含むものであり、臭い対策用に備えられている。なお、この実施の形態では、固形剤25になっているが、ゲル状等の半固形剤であってもよい。すなわち、最初は内側カバー部材21に装着できるような保形性を有するものであればよい。
機能性として期待されているものは、悪臭を感じさせなくするものである。消臭は、臭い成分を化学反応を利用して中和し、脱臭は、臭い成分を吸着して、いずれも悪臭を除去する。また、芳香は、香り成分を放出して、悪臭が消えたように感じさせる。これらの機能性を単独でも複数でも備えたものは、いずれも固形剤乃至半固形剤として市販されており、本発明でも使用可能ではあるが、本発明では、図6に詳細に示すように、素焼きのストーン25aにハッカ油25bを垂らしたものを使用することが推奨される。
【0023】
素焼きストーン25aは、固形剤25の本体をなしており、粘土を焼成したもので構成されている。粘土の種類は、特に限定されないが、珪藻土が好ましい。その細孔部位に湿気が適度に吸着されるので、湿気に溶けていた臭い成分も一緒に効率良く吸着されて、好ましい消臭効果が期待できる。
ハッカ油25bは、精油の一種であり、ミントから抽出されたものである。このハッカ油25bが揮発すると、ミント特有のスーッとした爽快感が楽しめる。しかも、天然成分なので口から吸いこんでしまっても健康上問題がない。
このハッカ油25bを素焼きストーン25aに数滴垂らすと、その細孔に吸着させた状態となる。
【0024】
ファン19の回転により強制的に気流が形成されるので、衣服3の外部から外側カバー部材23を通って内部へ流入する空気は内側カバー部材21から吹き出されるが、その一部はファン19の回転軸心CL上に位置するキャップ部材27の周面に沿って流れるため、キャップ部材27の空気流入口27bから内部に入り込み、固形剤25に接触して空気流出口27cからキャップ部材27の外部、即ち衣服3と身体との間に流出する。これによって素焼きストーン25aに臭い成分が吸着されて消臭される。また、ハッカ油25bの揮発分が汗に混ざり合うので、その汗が上記したように気化して身体が冷却されたときに通常よりも強い爽快冷え感が感じられるようになる。
【0025】
気密性の高い空間(環境)で作業を行う場合、臭い対策を講じないでいると作業環境が悪化するが、上記のように構成することでこの臭い問題を消臭で解決するだけでなく、身体に心地良さも与えることができる。
また、本来の目的である空冷のための気流を利用できるので、簡単な構成で効率的に上記効果を得ることができる。
【0026】
冷却衣服用送風装置5、7を衣服3に取り付ける場合には、図5に示すように、衣服3に外側カバー部材23の環状壁部23aを挿通可能な穴29を開け、穴29と略同じ径の穴31aを開けた補強部材31を衣服3の穴29の内側に宛がい、穴29と穴31aとが一致した状態で補強部材31をアイロン等の加熱手段で加熱して衣服3に溶着(熱接着)して固定する。次いで、衣服3の外側から外側カバー部材23の環状壁部23aを穴29及び穴31aへ通して環状壁部23aを衣服3の内部に突出させる。次いで内側カバー部材21をその雌ネジ部21fを外側カバー部材23の雄ネジ部23fに嵌合させて外側カバー部材23と内側カバー部材21とを一体化する。これにより、冷却衣服用送風装置5、7の衣服3への取り付けが完了する。本実施形態では補強部材31を用いて衣服3の穴29の周辺を補強する構成としたが、衣服3のみで冷却衣服用送風装置5、7の固定が十分に得られる場合には補強部材31は必ずしも必要ではない。
【0027】
固形剤25のハッカ油25bは使用時間又は放置時間が経過するに伴い減っていく。従って、時間の経過により効果が減じた段階で、ハッカ油25bを追加的に垂らすか、新しい固形剤25に交換する。いずれの場合でも、内側カバー部材21からキャップ部材27を取り外し、ハッカ油25bを垂らし終えた固形剤25または新しい固形剤25を入れてキャップ部材27を固定すればよい。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、固形剤の形状は上記で例示した形状に限らず、円柱状、角柱状、球状又はビーズ状、顆粒状、ブロック状、チップ状などであってもよい。図7は、円柱状の固形剤25’をキャップ部材27の中に入れてキャップ部材27を台座21bに固定することにより、固形剤25’を内側カバー部材21に装着した例が示されている。
また、ファンを駆動する電源として二次電池を例示したが、乾電池でもよい。
【0029】
また、固形剤が市販の消臭剤等のように使用時間又は放置時間が経過するに伴い成分が減って小さくなっていく場合には、固形剤が小さくなった段階で空気流入口27bや空気流出口27cから外部に脱落しないように、空気流入口27bや空気流出口27cにメッシュ部材を設けてもよい。空気流入口27bや空気流出口27cのサイズや形状は上記に限定されない。要するに、ファン19の回転によって生じる内側カバー部材21からの吹き出し気流をキャップ部材27の内部に取り込んで固形剤25から放出された機能性成分をキャップ部材27の外部に流出させることができればよく、開口形状や寸法及び個数は適宜に設定することができる。
【符号の説明】
【0030】
1…冷却衣服 3…衣服 5、7…冷却衣服用送風装置
9…電源としての二次電池 13、15…導線 17…冷却衣服用送風装置ユニット
19…ファン 21…カバー部材としての内側カバー部材
23…カバー部材としての外側カバー部材 25…固形剤
25a…素焼きストーン 25b…ハッカ油 27…筒状部材としてのキャップ部材
27b…空気流入口 27c…空気流出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7