(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/24 20060101AFI20220805BHJP
E01F 13/02 20060101ALN20220805BHJP
【FI】
E02F9/24 A
E01F13/02 A
(21)【出願番号】P 2018174377
(22)【出願日】2018-09-19
【審査請求日】2021-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】507096984
【氏名又は名称】合名会社菊川商店
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】菊 川 裕 史
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-114971(JP,A)
【文献】実開昭55-154713(JP,U)
【文献】特開2014-105561(JP,A)
【文献】特開平08-078927(JP,A)
【文献】登録実用新案第3210497(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第103046493(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/24
E01F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無限軌道を有する建設機械の前記
無限軌道の四隅にそれぞれ目印体の水平底部に設けた磁石を介して前記目印体を複数立設するものであり、
前記
無限軌道の四隅は、前記
建設機械を背面から見て、右前隅部、左前隅部、右後隅部、左後隅部であり、
複数立設する前記目印体は、前記右前隅部に吸着する右前目印体、前記左前隅部に吸
着する左前目印体、前記右後隅部に吸着する右後目印体、前記左後隅部に吸着する左後目
印体である
ことを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に係り、特に、直線のみならず、曲面を有した載置部位でも立設することができる目印体を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
安全面の観点から、工事現場において、キャタピラを備えた建設機械の前記キャタピラの四隅近傍の地面にそれぞれ目印体を立設することが考えられる。
目印体は、例えば、道路や工事現場などの規制や区分けを目的として置かれる高さ約70cm前後の円錐形の保安器具で、三角コーン、ロードコーンと称されるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、風等により目印体が倒れてしまう場合があり、この場合、視認性による安全確認がしづらいという問題点が生じた。
【0004】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮してなされた建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の建設機械は、無限軌道を有する建設機械の前記無限軌道の四隅にそれぞれ目印体の水平底部に設けた磁石を介して前記目印体を複数立設するものであり、前記無限軌道の四隅は、前記建設機械を背面から見て、右前隅部、左前隅部、右後隅部、左後隅部であり、複数立設する前記目印体は、前記右前隅部に吸着する右前目印体、前記左前隅部に吸着する左前目印体、前記右後隅部に吸着する右後目印体、前記左後隅部に吸着する左後目印体である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の建設機械によれば、無限軌道の四隅に右前目印体、左前目印体、右後目印体、左後目印体が磁石を介して立設するため、場所も取らないで設置できると共に、風に飛ばされず立設状態を保持でき、しかも、建設機械を運転する際は、無限軌道の四隅に取り付けた四個の目印体を回収しながら、建設機械の無限軌道の四隅付近の安全確認をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の目印体をやや斜め方向から撮影した写真である。
【
図2】
図2は、
図1の目印体を底面斜め方向から撮影した写真である。
【
図3】
図3は、
図1の目印体を底面側から撮影した写真である。
【
図4】
図4は、
図1の目印体を水平な第1の磁性体に載置した状態を正面から撮影した写真である。
【
図5】
図5は、
図1の目印体を曲面を有する第2の磁性体に載置した状態を正面から撮影した写真である。
【
図6】
図6は、
図1の目印体が保持された建設機械を背面側から撮影した写真である。
【
図7】
図7は、
図6の建設機械と異なる建設機械に
図1の目印体が保持された状態を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施例の目印体を
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1に示す2は目印体で、目印体2は、例えば、道路や工事現場などの規制や区分けを目的として置かれる円錐形の保安器具で、三角コーン、ロードコーンと称されるものである。
目印体2は、外形が略四角形の水平底部21と、この水平底部21より上方に延びる中空体22と、水平底部21の四隅に設けた磁石4を備えている。3は、目印体2に取り付けられている反射テープである。
【0013】
磁石4は、水平底部21を底面から見て、
図3に示すように、右前磁石41、左前磁石42、右後磁石43、左後磁石44である。
そして、目印体2の水平底部21が水平な第1の磁性体Xに載置された時、磁石4により水平底部21は第1の磁性体Xに沿って平行に保持される(
図4参照)。
また、目印体2の水平底部21が曲面を有する第2の磁性体Yに載置された時、磁石4により水平底部21は水平底部21は変形して第2の磁性体Yの前記曲面に保持される(
図5参照)。
つまり、目印体2は、水平底部21と、この水平底部21に設けた複数の磁石41、42、43、44とを備えた目印体2であって、目印体2の水平底部21が水平な第1の磁性体Xに載置された時、複数の磁石41、42、43、44により水平底部21は第1の磁性体Xに沿って平行に保持され、目印体2の水平底部21が曲面を有する第2の磁性体Yに載置された時、複数の磁石41、42、43、44により水平底部21は変形して第2の磁性体Yの前記曲面に保持されるものである。
【0014】
従って、上述した目印体2によれば、略四角形の水平底部21と、この水平底部21より上方に延びる中空体22と、水平底部21の四隅に設けた磁石4とを備えた目印体2であって、磁石4は、水平底部21を底面から見て、右前磁石41、左前磁石42、右後磁石43、左後磁石44であり、目印体2の水平底部21が水平な第1の磁性体Xに載置された時、磁石4により水平底部21は第1の磁性体Xに沿って平行に保持され、目印体2の水平底部21が曲面を有する第2の磁性体Yに載置された時、磁石4により水平底部21は第2の磁性体Yの前記曲面に沿って保持されるため、水平な第1の磁性体Xのみならず、曲面を有する第2の磁性体Yにも、風に飛ばされず磁石4を介して、立設状態を保持することができる。
【0015】
次の実施例は、上記した目印体を備えた建設機械について、
図6及び
図7を参照して説明する。
図6に示す1はキャタピラ11を有する建設機械で、建設機械1は、例えば、バックホーである。
【0016】
本発明は、
図6に示すように、キャタピラ11を備えた建設機械1のキャタピラ11の四隅にそれぞれ目印体2の水平底部21に設けた磁石4を介して目印体2を複数立設するものである。
水平底部21の四隅部、即ち、右前目印体2A、左前隅部11Bに吸着する左前目印体2B、右後隅部(図示せず)に吸着する右後目印体(図示せず)、左後隅部11Dに吸着する左後目印体2Dである。
【0017】
キャタピラ11の四隅は、建設機械1を背面から見て、右前隅部11A、左前隅部11B、右後隅部(図示せず)、左後隅部11Dである。
そして、複数立設する目印体2は、右前隅部11Aに吸着する右前目印体2A、左前隅部11Bに吸着する左前目印体2B、右後隅部(図示せず)に吸着する右後目印体(図示せず)、左後隅部11Dに吸着する左後目印体2Dである。
【0018】
従って、上述した建設機械1によれば、キャタピラ11の四隅に右前目印体2A、左前目印体2B、右後目印体(図示せず)、左後目印体2Dが磁石4を介して立設するため、場所も取らないで設置できると共に、風に飛ばされず立設状態を保持でき、しかも、建設機械1を運転する際は、キャタピラ11の四隅に取り付けた四個の目印体2、2、2、2を回収しながら、重機1のキャタピラ11の四隅付近の安全確認をも図ることができる。
また、目印体2に反射テープ3が取り付けられているため、視認性を高めて安全性を確保することができる。
【0019】
本実施例においては、建設機械1をバックホーとして説明したが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、図示しないドリルジャンボでも良い。
また、上述した実施例においては、キャタピラ11を有する建設機械1について説明したが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、
図7に示すように、外表面3’、4’に磁性体を有する建設機械1であって、磁性体の外表面3’、4’に目印体2の水平底部21に設けた磁石4を介して目印体2を付着させるようにしても良い。
【0020】
この
図7記載の外表面3、4に磁性体を有する建設機械1にあっても、磁性体の外表面3’、4’に三角コーン2、2の水平底部21に設けた磁石4を介して目印体2を付着させるものであるため、場所も取らないで設置できると共に、風に飛ばされず付着状態を保持でき、しかも、建設機械1を運転する際は、外表面3’、4’に取り付けた目印体2、2を回収しながら、建設機械1の安全確認をも図ることができる。
【符号の説明】
【0021】
2 目印体
21 水平底部
22 中空体
2A 右前目印体
2B 左前目印体
2D 左後目印体
4 磁石
11 キャタピラ
11A 右前隅部
11B 左前隅部
11D 左後隅部
41 右前磁石
42 左前磁石
43 右後磁石
44 左後磁石
X 第1の磁性体
Y 第2の磁性体