(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】食品ペプチド
(51)【国際特許分類】
C07K 14/435 20060101AFI20220805BHJP
C07K 7/06 20060101ALI20220805BHJP
C07K 7/08 20060101ALI20220805BHJP
A23L 33/18 20160101ALI20220805BHJP
A23G 4/14 20060101ALI20220805BHJP
A23C 9/152 20060101ALI20220805BHJP
A23C 9/13 20060101ALI20220805BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20220805BHJP
A23L 2/66 20060101ALI20220805BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220805BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220805BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220805BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20220805BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220805BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220805BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20220805BHJP
A61K 38/10 20060101ALI20220805BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220805BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220805BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20220805BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20220805BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20220805BHJP
A61K 9/68 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
C07K14/435 ZNA
C07K7/06
C07K7/08
A23L33/18
A23G4/14
A23C9/152
A23C9/13
A23L2/00 F
A23L2/66
A23L2/00 J
A61P3/04
A61P3/10
A61P9/10 101
A61P9/12
A61P1/16
A61P35/00
A61K38/08
A61K38/10
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/14
A61K9/06
A61K9/10
A61K9/68
(21)【出願番号】P 2018551497
(86)(22)【出願日】2016-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2016081572
(87)【国際公開番号】W WO2017103200
(87)【国際公開日】2017-06-22
【審査請求日】2019-12-06
(32)【優先日】2015-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518213569
【氏名又は名称】ダイエット4ライフ・アンパルトセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Diet4Life ApS
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ステイステズ
(72)【発明者】
【氏名】ジエホイ・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ランディ・イェッセン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・パルムフェルト
(72)【発明者】
【氏名】エリク・トアンゴー・ハンセン
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/074329(WO,A2)
【文献】国際公開第2008/001045(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0082265(US,A1)
【文献】Thomas E.Christos et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,1993年,Vol.3, No.6,p.1035-1040
【文献】Gary A. Cain et al.,Bioorganic & Medicinal Chemsitry Letters,1993年,Vol.3, No.8,p.1767-1772
【文献】Bernadette Cusack et al.,The Journal of Biological Chemistry,1995年,Vol.270, No.31,p.18359-18366
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸配列R1-AA1-AA2-AA3-K-P-Y-I-L-R2(式II;配列番号2)
からなる単離されたポリペプチドであって、ここでAA1はA、L、IおよびVから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA2はS、T、G、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA3はD、EおよびGから選択されるアミノ酸であり;R1はN末端(-NH2)または保護基を規定し;R2はC末端(-COOH)を規定する、単離されたポリペプチド。
【請求項2】
AA1がAである、および/または、AA2がSである、および/または、AA3がDである、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
アミノ酸配列が天然アミノ酸のみを含む、請求項1または2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
ASDKPYIL、SDKPYIL、DKPYIL、AADKPYIL、ATDKPYIL、ASEKPYIL、およびAGDKPYILから選択される配列を有する、請求項1-3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項5】
アミノ酸配列AA1-AA2-AA3-K-P-Y-I-Lを含む17-50アミノ酸のポリペプチドであって;ここで、AA1がA、L、I、およびVから選択される省略可能なアミノ酸である;AA2がS、T、G、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸である;およびAA3がD、E、およびGから選択されるアミノ酸である、ポリペプチド。
【請求項6】
ASDKPYIL、SDKPYIL、DKPYIL、AADKPYIL、ATDKPYIL、およびAGDKPYILから選択される配列を含む、17-50アミノ酸のポリペプチド。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に規定されるポリペプチドを含む組成物。
【請求項8】
対象における持続満腹感を促進するのに使用するための、請求項1~6のいずれか一項に規定されるポリペプチド。
【請求項9】
体重管理における使用のため、および/または対象における過体重および/または肥満の発生を予防または減少させるための、ならびに/または循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、脂肪肝、がんおよび/または糖尿病を予防または減少させるのに使用するための、請求項1~6のいずれかに規定されるポリペプチド。
【請求項10】
アミノ酸配列AA1-AA2-AA3-AA4-P-Y-I-L(式III、配列番号3)を含む、またはからなる、アミノ酸の直鎖配列であり、かつ50アミノ酸長以下であるポリペプチド、を含む経口組成物であって、
ここでAA1はA、L、IおよびVから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA2はS、T、G、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA3はD、R、K、EおよびGから選択され
るアミノ酸であり;AA4はアミノ酸Kであり、
前記組成物が前記ポリペプチドを少なくと
も5mgか
つ5g未満含む、経口組成物。
【請求項11】
対象における持続満腹感を促進するまたは食物摂取を減少させる方法における使用のための医薬組成物であって、請求項1-6のいずれか一項に記載のポリペプチドまたは請求項7もしくは10に記載の組成物を含む、医薬組成物。
【請求項12】
対象における肥満の発生を予防し、または減少させる方法における使用のための医薬組成物であって、請求項1-6のいずれか一項に記載のポリペプチドまたは請求項7もしくは10に記載の組成物を含む、医薬組成物。
【請求項13】
循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、脂肪肝、がんおよび/または糖尿病を減少させ、または処置する方法における使用のための、医薬組成物であって、請求項1-6のいずれか一項に記載のポリペプチドまたは請求項7もしくは10に記載の組成物を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタボリックシンドローム(過体重および肥満、循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、脂肪肝、糖尿病および/またはがんを含む)の発生を予防し、または減少させるための、新規ペプチド、栄養剤を含むそのようなペプチドを含む組成物、ならびに満腹感および持続満腹感を誘導する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、世界中の多数のヒトに影響を与える一般的な病状であり、循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、脂肪肝、がんおよび/または糖尿病などの病気が発生するリスクに関連し、このリスクを誘導し、または増加させる。
【0003】
いくつかの肥満の制御因子が同定されている。しかしながら、集中的な研究にもかかわらず、肥満の制御の理解は未だ不十分である。
【0004】
タンパク質は、炭水化物および脂肪よりも満腹感(satiating)があり、食物摂取に対するその効果は、そのエネルギー含量のみからなり得る効果よりも大きい。タンパク質が食物摂取の制御システムをトリガーする機構は不明である。しかしながら、タンパク質の摂取から生じる満腹信号は、タンパク質消化の際に消化管において始まっている可能性がある。
【0005】
したがって、食品タンパク質分解産物(ペプチドおよびアミノ酸)は、腸の腸内分泌細胞におけるシグナル伝達を誘導し、これは神経作用、局所作用(自己分泌およびパラクリン)および全身作用(内分泌)(
図2)を伴う様々な消化管ホルモン(例えば、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1);
図1)の分泌を導き、最終的に満腹感(食事として摂取した食物の量)および持続満腹感(食事間の時間の長さ)を導く。(いくつかの)腸内分泌細胞が遊離アミノ酸および低分子ペプチド(ジペプチドおよびトリペプチド)に応答することは周知であり、これらは腸細胞によって容易に取り込まれ、代謝され、かつ/または体循環に輸送される。消化の速度(すなわち、消化管の通過時間、消化酵素の分泌など)は、高度に調節されたプロセスであり、未消化タンパク質の細胞応答および/または消化管内のアミノ酸およびペプチドの増加は、消化管ホルモン(例えば、GLP-1、ペプチドチロシン-チロシン(PYY)、ニューロテンシン(NT))の分泌を導き、これは満腹感を誘導する。これらの信号が、長期の遅い放出のために消化管内で持続すると、持続満腹感が増強される。そのような機構の一つは回腸ブレーキであり、これは、部分的に消化された食物における未知の成分が遠位の小腸に到達し、消化管ホルモン(GLP-1、PYY、NT、およびおそらく、未知の他のホルモン)の分泌の形式で応答を呼び出す。しかし、回腸ブレーキの背後にある正確な機構は未知である。
【0006】
この持続満腹感を誘導する信号の原因となる具体的なペプチドのほとんどは未知であり、これらのペプチドのいずれかを同定できることは非常に重要である。
【0007】
本発明の目的
本発明の実施態様の目的は、対象に持続満腹感を誘導またはシグナル伝達する新規ポリペプチドを提供することである。
【0008】
本発明のポリペプチドは、体重管理における使用のために、および/または、過体重および/または肥満の発生の予防または減少のために、または循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、脂肪肝、がんおよび/または糖尿病の予防または減少のために、非常に多様な代謝疾患に関連する疾患を処置するのに使用され得る。
【発明の概要】
【0009】
食品タンパク質分解産物(ペプチドおよびアミノ酸)は、腸の腸内分泌細胞におけるシグナル伝達を誘導し、これは中枢性作用(CNS)、局所作用(自己分泌およびパラクリン)および全身作用(内分泌)(
図2)の全てを伴う様々な消化管ホルモン(例えば、GLP-1;
図1)の分泌を導き、最終的に満腹感および持続満腹感を導く。
【0010】
本発明者は、新規の食肉由来ポリペプチドが腸細胞株のシグナル伝達に優れており(
図3)、非常に限られたペプチドのみがシグナル伝達できる(
図4)ことを見出した。本発明の発明者は、タンパク質分解物中に存在するペプシン分解抵抗性のオクタペプチド(ASDKPYIL、配列番号6)を含むポリペプチド(
図5)を同定し、そのペンタペプチド(KPYIL、配列番号9)は重要な生理活性を有する最小の配列である(
図6)。オクタペプチド配列は、筋特異的アルファ-アクチニン-2タンパク質に特有であり、全ての動物種間で保存されている。このペプチドは新規だが、天然の栄養剤として適用でき、満腹感および持続満腹感を誘導する。
【0011】
したがって第1の態様において、本発明は、アミノ酸配列
AA1-AA2-AA3-K-AA5-AA6-AA7-AA8(式I、配列番号1)
を含む単離されたポリペプチドに関し、ここでAA1はA、L、IおよびVから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA2はS、T、G、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA3はD、EおよびGから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA5はP、N、S、D、A、T、KおよびGから選択され;AA6はY、N、I、WおよびFから選択され;AA7はI、L、RおよびVから選択され;AA8はL、I、V、S、MおよびTから選択され;ポリペプチドは50アミノ酸長以下であり;または少なくとも80%の配列同一性を有する、そのバリアントである。
【0012】
第2の態様において、本発明は、アミノ酸配列
R1-AA1-AA2-AA3-K-AA5-AA6-AA7-AA8-R2(式II、配列番号2)
からなる単離されたポリペプチドに関し、ここでAA1はA、L、IおよびVから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA2はS、T、G、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA3はD、EおよびGから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA5はP、N、S、D、A、T、KおよびGから選択され;AA6はY、N、I、WおよびFから選択され;AA7はI、L、RおよびVから選択され;AA8はL、I、V、S、MおよびTから選択され;R1はN末端(-NH2)または保護基を規定し;R2はC末端(-COOH)を規定する。
【0013】
第3の態様において、本発明は、ASDKPYIL(配列番号6)、SDKPYIL(配列番号7)、DKPYIL(配列番号8)、KPYIL(配列番号9)、AGDKNYIL(配列番号10)、AGDKNYIT(配列番号11)、AGDKSYIT(配列番号12)、ADGKPYIV(配列番号13)、AEDKDFIT(配列番号14)、AADKPYIL(配列番号15)、ATDKPYIL(配列番号16)、AGDKPYIT(配列番号17)、ASEKPYIL(配列番号18)、ADGKPYVT(配列番号19)、AGDKPYIL(配列番号20)、ASDKPNIL(配列番号21)、ASDKPYIT(配列番号22)、AADKPFIL(配列番号23)、ASDKAYIT(配列番号24)、AGDKAYIT(配列番号25)、ANGKPFIT(配列番号26)、AGDKNFIT(配列番号27)、ASDKSYIT(配列番号28)、ASDKTYIT(配列番号29)、ASDKNYIT(配列番号30)、AGDKKYIT(配列番号31)、AGDKNYIS(配列番号32)、AADKNYIT(配列番号33)、AGDKNYIM(配列番号34)、AADKNFIM(配列番号35)、AADKNFIT(配列番号36)、およびAGDKGIRS(配列番号37)から選択される配列を有し、または含むポリペプチドに関する。
【0014】
第4の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドを含む組成物に関する。
【0015】
さらなる態様において、本発明は、対象における持続満腹感を促進するのに使用するため、体重管理における使用のため、および/または対象における過体重および/または肥満の発生を予防または減少させるため、または循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、脂肪肝、がんおよび/または糖尿病を予防または減少させるための、本発明におけるポリペプチドに関する。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、対象における肥満の発生を予防し、または減少させる方法、および/または対象の持続満腹感を促進する方法、および/または循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、脂肪肝、がんおよび/または糖尿病を減少させ、または処置する方法に関し、この方法は、アミノ酸配列
AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-AA8(式III、配列番号3)
を含む、またはからなるポリペプチドを、それを必要とする対象に腸内投与することを含み、ここでAA1はA、L、IおよびVから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA2はS、T、G、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA3はD、R、K、EおよびGから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA4はKおよびRから選択されるアミノ酸であり;AA5はP、N、S、D、A、T、KおよびGから選択され;AA6はY、N、I、WおよびFから選択され;AA7はI、L、RおよびVから選択され;AA8はL、I、V、S、MおよびTから選択され;ポリペプチドは50アミノ酸長以下であり;または少なくとも80%の配列同一性を有する、そのバリアントである。
【0017】
さらなる態様において、本発明は、対象における持続満腹感を促進するのに使用するため、および/または体重管理における使用のため、および/または対象における肥満の発生を予防または減少させるため、および/または循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、循環器疾患、高血圧、がんおよび/または糖尿病を予防または減少させるのに使用するための、本発明における組成物に関する。
【0018】
さらなる態様において、本発明は、対象における持続満腹感を促進する方法、および/または対象における肥満の発生を予防または減少させる方法、および/または循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、循環器疾患、高血圧、がんおよび/または糖尿病を減少または処置する方法に関し、この方法は本発明における組成物をそれを必要とする対象に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】GLUTag細胞(白丸)またはGLP-1を産生しない対照細胞株(黒丸)からのGLP-1の放出に対する、タンパク質加水分解物の効果についての用量反応曲線。細胞(試料毎に約5x10^5個)を、種々の量(重量/体積)の食肉タンパク質加水分解物の非存在下または存在下において、5.56mMグルコースを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で最大で90分間インキュベートした。上清を0.45ミクロンのフィルターに通して濾過し、ELISAプロトコルに記述されるように、GLP-1の含量をアッセイした。データは、4通りの試料からの平均値+SEMである。
【0020】
【
図2】腸内分泌細胞における食物栄養素によるシグナル伝達。Horm Res Paediatr. 2015;83(1):1-10からの図。
【0021】
【
図3】3種の異なる腸細胞株における食肉タンパク質加水分解物(黒丸)または乳清タンパク質加水分解物(白丸)によるシグナル伝達(細胞内蛍光の増加として測定)の刺激:上段)マウス腸細胞株;中段)GLUTag細胞;下段)CaCo2細胞。
【0022】
【
図4】タンパク質加水分解物のサイズ排除分画および生理活性の試験。太い実線で示される280nmの吸光度、黒丸で示される分画の活性。
【0023】
【
図5】合成ペプチドによって同定された配列ASDKPYILの検証。食肉加水分解物、および精製した分画の配列決定によって同定された純粋な合成ペプチドの用量反応関係の比較。
【0024】
【
図6】マウス腸細胞(mIC)およびヒト腸細胞(hIC)におけるASDKPYILの最小の活性配列の同定。ASDKPYILのアミノ末端またはカルボキシ末端からの短縮化は異なる結果を有する。カルボキシ末端のロイシンの削除は、mIC細胞において効力を2桁を超えて減少させ、hICにおいて活性を消失させる。カルボキシ末端からのさらなる2、3または4個のアミノ酸の削除を伴うペプチドは活性を持たない。アミノ末端からの最初の3つのアミノ酸の削除は、活性に大きな影響を与えない。しかしながら、PYILはmICにおいて完全な配列と比較して2桁低い活性を有し、hICにおいて活性を有さないため、4つ目のアミノ酸であるリジンが非常に重要である。
【0025】
【
図7】ASDKPYILにおけるにおける非常に重要な残基の同定(d-Ala(A
D)スキャン)。ASDKPYILの全ての残基の、アラニンのd異性体への体系的な置換および対応する生理活性。結果は、1)最後の4つのアミノ酸(PYIL、配列番号4)が非常に重要であり、2)Kの置換は効力を30倍を超えて減少させ、3)アスパラギン酸残基の置換は効力を約10倍改善し、4)最初の2つの位置のアラニンおよびセリンは重要でないことを示した。
【0026】
【
図8】齧歯類の腸におけるペプチドの安定性。0.001mg/mlの表示されたペプチドを、齧歯類の腸の断片(マウスおよびラットの腸は類似の結果を与えた)と共に、37℃で最大で10分間インキュベートした。活性の回収率を、所定の通りに用量反応曲線で検定した。
【0027】
【
図9】齧歯類の腸におけるペプチドの安定性。種々のペプチドおよび種々のインキュベーション時間について、EC
50を
図8から計算し、回収された活性を時間の関数としてプロットした。
【0028】
【
図10】3種の既知の消化管ホルモンであるニューロテンシン、ニューロメジンN、およびXeninの配列と、DC7-2(ASDKPYIL)の配列との比較。PYIL配列は保存されているが、YはXeninにおいてWに置換されている。
【0029】
【
図11】a-アクチニン2(Hs:ヒトACTN1~4)のアイソフォームにおけるDC7-2の配列(aa891~898)の比較および種間(Dm:キイロショウジョウバエ;Ce:線虫(Caenorhabditis elegans);Dd:キイロタマホコリカビ;Sp:分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe);Dr:ゼブラフィッシュ)の保存。
【0030】
【
図12】10~11週齢で20~22gの24匹のBalb/c雌性マウスを、12時間の明暗周期(dark light cycle)に順応させ、一戸建ての代謝ケージ中に配置した。表示された用量のDC7-2を投与した後、飼料および水の摂取を6時間モニターした。
【0031】
【
図13】DC7-2の配列に基づくオクタペプチド、ヘプタペプチド、ヘキサペプチドおよびペンタペプチドにおけるN末端置換の細胞シグナル伝達活性の要約。20アミノ酸の1文字の略称を、対応するEC50を中心とするプロット上に示した。DC7-2における天然アミノ酸を、各ペプチドについて灰色の円で示す。
【0032】
【
図14】腸ホモジネートにおける、DC7-2ファミリーのペプチドの安定性。20アミノ酸の1文字の略称を、ペプチドの活性の半分を分解する腸ホモジネートの濃度に対して対数として表した、対応する安定性と共にプロット上に示す。全てのペプチドを、10
-5Mで小腸全体(20匹のマウス由来のプール)のホモジネートの様々な希釈液と共にインキュベートした。37℃で90分間のインキュベーション後、分解を1Mリン酸(終濃度0.4M、pH約1.2)の添加によって停止した。各ペプチドインキュベーション混合物をNaOHで中和し、即座に腸細胞における活性を検定した。各ペプチドは、分解なしの対照(すなわち、腸ホモジネートの添加前にリン酸を添加した)を含む。DC7-2の天然アミノ酸を、各ペプチドについて灰色の円で示す。
【0033】
【
図15】血清におけるDC7-2ファミリーのペプチドの安定性。
【0034】
【
図16】腸ホモジネートおよび血清におけるX-KPYILヘキサペプチドの安定性。
【0035】
【
図17】10~11週齢で20~22gの24匹のBalb/c雌性マウスを、12時間の明暗周期に順応させた。マウスを6匹毎に4つの群に分け、一戸建ての代謝ケージ中に配置した。次に、飼料および水の摂取を6時間モニターするために、マウスに賦形剤を単独で投与した(1日目)。3日目に、同一の群は表示された用量のDC7-2を受け、飼料および水の摂取を6時間モニターした。
【0036】
【
図18】25~30gのSwiss Webster雄性マウスを12時間の暗/明サイクルに順応させ、一戸建ての代謝ケージ中に配置した。暗サイクルの開始直前に賦形剤単独(1%のBSAを含む0.5mlのPBS)または賦形剤+DC7-2を投与した後、食物摂取を1時間毎に6時間(暗サイクルの間)モニターした。4回の実験(各実験は処理毎に6~8匹のマウスを含む)からの平均値およびSEM。データを直線回帰でフィットし(R2>0.99)、95%の信頼区間を灰色の線で示す。DC7-2を含む処置について蓄積した食物摂取は、これら4回の実験について、対照と比較して64%+/-5%であった。
【0037】
【
図19】25~30gのSwiss Webster雄性マウスを12時間の暗/明サイクルに順応させ、一戸建ての代謝ケージ中に配置した。暗サイクルの開始直前に賦形剤単独(1%のBSAを含む0.5mlのPBS)または賦形剤+DC7-2を投与した後、食物摂取を1時間毎に12時間(暗サイクルの間)モニターし、その後断続的に最大30時間までモニターした。
【0038】
【
図20】Swiss Webster雄性(25~30g)または雌性(20~25g)マウスを12時間の暗/明サイクルに順応させ、ケージ毎に6~8匹の群で配置した。賦形剤(1%のBSAを含む0.5mlのPBS)単独または賦形剤+DC7-2を毎日3回(08:00;16:00;24:00)投与し、食物摂取を毎日、1週間モニターした。データを直線回帰でフィットし(R2>0.99)、95%の信頼区間(灰色の線)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の発明者は、腸細胞のシグナル伝達を誘導するのに使用され得、結果的に持続満腹感を誘導し得る、新規ポリペプチドを見出した。特定のペプチドが筋特異的アルファ-アクチニン2タンパク質のタンパク質消化物から同定されたが、類似のポリペプチドが腸内の同様の受容体に結合し、同様の生理活性(すなわち、満腹感および持続満腹感を誘導するシグナル)を与えることが想定される。類似のペプチドは、例えば保存的置換または切断型を含み得る。本発明のポリペプチドを使用する理論的根拠は、相対的に短い長さのペプチドによるエネルギー含量が、持続満腹感に対する効果と比較して低いためである。
【0040】
定義
本開示において、「one」、「a」、「an」などの用語を使用する場合、これらは他の指示がない限り「少なくとも1つ」、または「1以上」を意味する。さらに用語「含む」は、「含有する」を意味することを意図しており、したがって明示的に記載された成分、特徴、条件または工程以外のそれらの存在を許容する。
【0041】
いくつかの特定の実施態様において、本発明におけるアミノ酸配列のN末端の最初の1、2または3番目のアミノ酸はD型である。N末端のトリミングおよびそれによるペプチドの分解は、これらのポリペプチドのN末端にD型のアミノ酸を有することによって、少し遅延する。あるいは、いくつかの実施態様において、本発明におけるアミノ酸配列のN末端の最初の1、2または3番目のアミノ酸はベータ型またはガンマ型のアミノ酸である。ベータアミノ酸は、20個の標準天然アミノ酸のようにアルファ炭素ではなく、ベータ炭素に結合しているアミノ基を有する。本明細書において、アミノ酸残基を表す文字の後の大文字の下付き文字Dは、D型に特定されたアミノ酸を指す(WDがD型のトリプトファンを指すなど)。本明細書において、アミノ酸残基を表す文字の後の大文字の下付き文字Lは、L型に特定されたアミノ酸を指す(WLがL型のトリプトファンを指すなど)。他の指示がない場合、アミノ酸は天然のL型である。
【0042】
あるいは、本発明におけるアミノ酸配列のN末端の最初の1、2または3番目のアミノ酸は、保護基(例えばフッ素)の取り込みによって修飾され得、あるいは環状アミノ酸または他の適切な非天然アミノ酸が使用される。
【0043】
ペプチドの「バリアント」または「類似体」は、基準のペプチド(典型的に天然または「親」のポリペプチド、または式IまたはIIのポリペプチド)と実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチドを指す。ペプチドバリアントは、天然アミノ酸配列中の特定の位置における1以上のアミノ酸置換、欠失および/または挿入を有し得る。この定義における「バリアント」は、未だ機能的活性を有する。いくつかの実施態様において、バリアントは基準のポリペプチドと少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、バリアントは基準のポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有する。他の実施態様において、バリアントは基準のポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有する。さらなる実施態様において、バリアントは基準のポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0044】
「保存的な」アミノ酸置換は、アミノ酸残基を、類似の物理化学的性質を持つ側鎖を有するアミノ酸残基に置換することである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当分野で公知であり、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。保存的アミノ酸置換の特定の形式は、遺伝暗号によりコードされた通常の20個のアミノ酸以外のアミノ酸への置換を含む。本発明の好ましい実施態様は合成ペプチドの使用を必要とするため、本明細書に開示されるペプチドにそのような「天然に存在しない」アミノ酸残基を与えることは問題とはならず、それにより、アミノ酸残基の側鎖における天然の飽和炭素鎖をより短いまたはより長い飽和炭素鎖に交換できる(例えば、リジンを側鎖-(CH2)nNH3を有するアミノ酸(nは4以外)に置換し得、アルギニンを側鎖(CH2)nNHC(=NH2)NH2を有するアミノ酸(nは3以外)に置換し得る、など)。同様に、酸性アミノ酸であるアスパラギン酸およびグルタミン酸は、側鎖-(CH2)nCOOHを有するアミノ酸残基(n>2)に置換され得る。
【0045】
本発明のポリペプチドは、いくつかの実施態様において、天然に存在するアミノ酸のみを含むポリペプチドよりも高い安定性を有することで利益を得る場合があり、その修飾(ポリペプチドのN末端の修飾など)ははるかに高い安定性を有することを可能にする。
【0046】
したがって、いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、N末端に保護基(アセチル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、ホルミル基、パルミトイル基、ミリスチル基、ステアリル基、およびポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択される保護基など)を持つ。
【0047】
活性ペプチドはまた、重要でないアミノ基または他の反応基を介した共役のために、例えば、種々の長さ(例えば10~100Å)および種々の機能性(例えばホモ官能性またはヘテロ官能性)のスペーサーを含む、適切な二価または多価の化学架橋剤(例えばスベリン酸ジサクシンイミジル)との架橋を介して、二量体化または多量体化し得る。あるいは、光活性化または酵素的架橋を用いて、インビボ(in vivo)における安定性および効力を増加させ得る。
【0048】
上述のペプチドの修飾は、本発明のペプチドの安定性を大きく増加させる。本明細書における用語「安定性」は、インビボにおける安定性(そのようなポリペプチドを受ける対象の腸における安定性など)を指す。上述の保護基は、ペプチドをインビボにおけるプロテアーゼの攻撃から保護する。
【0049】
本発明におけるポリペプチドは食肉のタンパク質消化物に由来し得、ペプシン分解抵抗性であり得る。したがって、いくつかの実施態様において、本発明におけるポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸のみを含み得る。
【0050】
他の実施態様において、本発明におけるポリペプチドは、対照ペプチドと比較して、消化管における分解に対してより安定である(例えば、本発明の実施例で記述される安定性アッセイにおいて測定される)。いくつかの実施態様において、本発明におけるポリペプチドは、配列RRPYIL(配列番号39)を含む対照ペプチドと比較して、消化管における分解に対してより安定である(例えば、本発明の実施例で記述される安定性アッセイにおいて測定される)。
【0051】
いくつかの実施態様において、本発明におけるポリペプチドは、腸におけるインビボまたはインビトロ(in vitro)の分解の半減期(T1/2)を有し(例えば、本発明の実施例2で記述される安定性アッセイにおいて測定される)、この半減期は2分より大きい(4分より大きいなど、6分より大きいなど、8分より大きいなど、10分より大きいなど、15分より大きいなど、20分より大きいなど、25分より大きいなど、30分より大きいなど、35分より大きいなど、40分より大きいなど、45分より大きいなど、50分より大きいなど、55分より大きいなど、60分より大きいなど)。
【0052】
2つのアミノ酸配列に関して、用語「実質的に同一」は、配列が最適に配列した場合(初期設定のギャップ重み(gap weight)を用いたGAPまたはBESTFITプログラムによってなど)に、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約98、または少なくとも約99パーセントの配列同一性を共有することを意味する。いくつかの実施態様において、2つの異なるペプチド配列間の配列同一性を測定する場合、1つまたは2つのアミノ酸のギャップは、2つのペプチド配列を配列同一性の値に対して何ら影響を与えずに配列した場合に許容される。いくつかの実施態様において、同一でない残基の位置は、保存的なアミノ酸置換によってのみ異なる。配列同一性は典型的に、配列分析ソフトウェアを用いて測定される。タンパク質分析ソフトウェアは、様々な置換、欠失および他の修飾(保存的なアミノ酸置換を含む)に割り当てられる類似度の測定を用いて、類似の配列を比べる。例えば、公開されているGCGソフトウェアは「Gap」および「BestFit」などのプログラムを含み、これらは初期設定のパラメータを用いて、密接に関連したポリペプチド(異なる種の生物由来の相同ポリペプチドなど)間、または野生型タンパク質とその変異タンパク質との間の配列相同性または配列同一性を決定できる。例えば、GCG Version6.1.参照。ポリペプチド配列はまた、FASTAまたはClustalWを用いて、初期設定または推奨のパラメータを適用して比較できる。GCG Version6.1.、FASTA(例えば、FASTA2およびFASTA3)におけるプログラムは、問い合わせ配列と検索配列との間の最良の重複領域の配列比較および配列同一性の割合を提供する(Pearson, Methods Enzymol. 1990; 183:63-98; Pearson, Methods Mol. Biol. 2000;132:185-219)。配列を様々な生物由来の多数の配列を含むデータベースと比較する場合、別の好ましいアルゴリズムは、初期設定のパラメータを用いたコンピュータープログラムBLAST(特にblastp)である。例えば、Altschul et al., J. Mol. Biol. 1990;215:403-410;Altschul et al., Nucleic Acids Res. 1997;25:3389-402 (1997)参照のこと;それぞれは参照によって本明細書に組み込まれる。2つの実質的に同一なアミノ酸配列における「対応する」アミノ酸の位置は、本明細書で言及されるいずれかのタンパク質分析ソフトウェアで、典型的に初期設定のパラメータを用いて配列された位置である。
【0053】
本明細書における用語「機能的活性」は、細胞内カルシウムの上昇または消化管ホルモンの細胞放出によって蛍光として測定される細胞のシグナル伝達(例えば、実施例に記述されるシグナル伝達アッセイにおいて測定される)を刺激するポリペプチドを指す。バリアントの機能的活性は、本明細書に記述されるアッセイで検査した場合、基準のポリペプチド(オクタペプチドASDKPYILなど)の特異的活性の少なくとも約25%(少なくとも約50%など、少なくとも約75%など、少なくとも約90%など)を示し得る。あるいは、バリアントの機能的活性は、本明細書に記述されるアッセイで検査した場合、基準のポリペプチド(オクタペプチドASDKPYILなど)よりも高い活性を示し得る。
【0054】
「単離された」分子は組成物中における支配的な種の分子であり、これはこの分子が属する分子の分類に関して見出される(すなわち、この分子は組成物中の分子種の少なくとも約5%を構成し、典型的に、組成物中の分子種(例えばペプチド)の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%またはそれ以上を構成する)。通常、特定のペプチド配列の組成物は、組成物中に存在する全てのペプチド種、または少なくとも提案されている使用に関して実質的に活性なペプチド種について、90~99%のペプチドの均一性を示し得る。合成的に作成する場合、特定のペプチド配列の組成物は、組成物中に存在する全てのペプチド種、または少なくとも提案されている使用に関して実質的に活性なペプチド種について、98%~99%またはそれよりも高く、100%に近いペプチドの均一性を示す。
【0055】
他の指示がない限り、本発明におけるポリペプチドは、アミノ酸の直鎖配列である。本明細書における用語「直鎖配列」は、標準的なN末端からC末端の方向に標準的なペプチド結合によって連結したアミノ酸の特定の配列を指す。ペプチドはペプチド結合のみを含み得る。しかしながら、いくつかの実施態様において、ペプチド配列の第2の部分が、アミノ酸配列の第1の部分における末端アミノ酸の側鎖に結合し、連続し得る。この用語はまた、配列中(AA1~AA8中など)のアミノ酸が、ペプチド配列中の遠位(AA1~AA8中の遠位など)にある別のアミノ酸と(例えば側鎖を介して)結合し得ることを除外しない。
【0056】
本発明に関して、「処置」または「処置する」は、文脈によって矛盾しない限り、疾患または障害の1以上の症状または臨床関連症状を予防、軽減、管理、治癒または減少させることを指す。例えば、疾患または障害の症状または臨床関連症状が同定されていない患者の「処置」は予防的または予防のための治療であり、一方、疾患または障害の症状または臨床関連症状が同定されている患者の「処置」は通常、予防的または予防のための治療を構成しない。
【0057】
用語「患者」および「対象」は、本発明の方法を用いて処置され得る任意のヒトまたは動物を指す。
【0058】
本発明の多くの態様は、対象の持続満腹感を促進するポリペプチドまたは組成物の使用に関する。本発明におけるポリペプチドまたは組成物で処置され得るメタボリックシンドロームまたは障害の根本的な原因は、持続満腹感を感じずに、カロリーを過剰摂取することである。対象における持続満腹感を誘導または促進することによって、そのようなカロリーの全量(脂肪および炭水化物に由来するカロリーを含む)を対象において減少させる。したがって本発明のポリペプチドおよび組成物は、メタボリックシンドロームまたは障害(肥満、インスリン欠乏またはインスリン抵抗性関連障害、糖尿病(例えば、2型糖尿病など)、耐糖能障害、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心臓病理学、脳卒中、非アルコール性脂肪肝疾患、高血糖、脂肪肝、脂質異常症、過体重および肥満に関連する免疫系の機能障害、循環器疾患、高コレステロール、トリグリセリドの上昇、喘息、睡眠時無呼吸、変形性関節症、神経変性、胆嚢疾患、シンドロームX、炎症性疾患、免疫異常、アテローム性脂質異常症(atherogenic dyslipidemia)、およびがんなど)を予防または減少させるのに使用され得る。
【0059】
本発明のポリペプチドの調製
本発明はまた、上述の本発明のポリペプチドを調製する方法に関する。その合成または調製方法は、限定されないが、組換え(cDNA、ゲノムDNA、合成DNAまたは核酸の他の形式のいずれかから作成される)、合成およびトランスジェニックな手法を含む。
【0060】
本明細書に記述される本発明のポリペプチドは、組換え核酸技術を用いて作成され得る。一般に、所望のポリペプチドをコードする核酸配列を発現ベクターに挿入し、これを次に宿主細胞に形質転換または遺伝子導入する。
【0061】
代替の好ましい選択肢として、本発明のポリペプチドは、合成手法によって(すなわちポリペプチド合成によって)作成される。いくつかの実施態様において、本発明は、全体で約5残基~約20残基の非天然アミノ酸を含む類似体を生産する方法に関する。いくつかの実施態様において、類似体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の非天然アミノ酸(以下の天然に存在しないアミノ酸残基のいずれかなど)を含む。
【0062】
本発明のポリペプチドはまた、天然に存在しないアミノ酸残基を含み得る。天然に存在しないアミノ酸は、限定されないが、ベータ-アラニン、デスアミノヒスチジン(desaminohistidine)、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノプロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシプロリン、N-メチルグリシン、アロスレオニン、メチルスレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3-および4-メチルプロリン、3,3-ジメチルプロリン、tert-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、および4-フルオロフェニルアラニンを含む。天然に存在しないアミノ酸残基をポリペプチドに組み込むいくつかの方法が当分野で公知である。例えば、インビトロにおける系が利用でき、ここでナンセンス変異は化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを用いて抑制される。アミノ酸を合成する方法およびtRNAをアミノアシル化する方法は、当分野で公知である。ナンセンス変異を含むプラスミドの転写および翻訳は、E.coli S30抽出物および市販の酵素ならびに他の試薬を含む無細胞系において実行される。ポリペプチドはクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Robertson et al., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman et al., Methods Enzymol. 202:301, 1991; Chung et al., Science 259:806-9, 1993;およびChung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145-9, 1993参照。第2の方法において、翻訳は、変異RNAおよび化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAのマイクロインジェクションによって、アフリカツメガエル卵母細胞において実行される(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271:19991-8, 1996)。第3の方法において、E.coli細胞は、置換される天然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の非存在下、および所望の天然に存在しないアミノ酸(例えば、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、または4-フルオロフェニルアラニン)の存在下において培養される。天然に存在しないアミノ酸は、その天然の対応物の代わりにポリペプチドに組み込まれる。Koide et al., Biochem. 33:7470-6, 1994参照。天然に存在するアミノ酸残基は、インビトロにおける化学修飾によって天然に存在しない種に変換され得る。化学修飾は、部位特異的変異誘発と組み合わされ得、置換の範囲をさらに拡張し得る(Wynn and Richards, Protein Sci. 2:395-403, 1993)。
【0063】
合成的な調製の別の代替として、本発明のポリペプチドは、実施例の節で記述される方法などによって、そのようなポリペプチドを含む任意の天然源(筋組織(アルファ-アクチニン2タンパク質を含む任意の供給源など)のタンパク質加水分解物など)から精製され得る。
【0064】
したがって、いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドの配列は、天然に見出される配列(アルファ-アクチニン2タンパク質のフラグメントなど)に由来する。
【0065】
本発明のポリペプチドは、当分野で公知の多様な手法(限定されないが、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシングおよびサイズ排除)、電気泳動法(例えば、分離用等電点電気泳動法(IEF))、溶解度差(例えば、硫安沈殿法)または抽出法を含む)によって精製され得る(例えば、Protein Purification, J.-C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989参照)。本発明のポリペプチドは、抗体カラム上でアフィニティークロマトグラフィーによって精製され得る。さらなる精製は、従来の化学的な精製手段(高速液体クロマトグラフィーなど)によって達成され得る。精製の他の方法(クエン酸バリウム沈殿法を含む)は当分野で公知であり、精製に適用され得る(例えば、Scopes, R., Protein Purification, Springer-Verlag, N.Y., 1982参照)。
【0066】
治療の目的を含む本発明の方法について、本発明の特定のペプチドを高純度で有することは重要ではない。しかしながら、本発明の特定のペプチドの濃度が高いほど、ポリペプチドの組成物を受けた対象によって摂取された全タンパク質の量および全カロリー量に対する、満腹感および持続満腹感の誘導に関する効果が高くなる。本発明の着想は、対象に大量のカロリーを投与することなく、満腹感および持続満腹感を誘導するポリペプチドを投与することであると理解されるはずである。
【0067】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドの組成物は実質的に純粋である。したがって、本発明のある実施態様において、本発明のポリペプチドは、少なくとも約90~95%の均一性、好ましくは少なくとも約98%の均一性に精製される。純度は、例えばHPLCおよびアミノ末端アミノ酸配列決定法によって評価され得る。
【0068】
投与および医薬組成物
本発明におけるポリペプチドの投与は、そのような処置を必要とする患者に、いくつかの投与経路(例えば、舌、舌下、頬側、口内、経口、胃腸内、経鼻、肺(例えば細気管支および肺胞またはそれらの組合せ)、表皮、真皮、経皮、膣、直腸、眼(例えば結膜)、尿管、および非経口)を介してなされ得る。
【0069】
これらの種類のポリペプチドは本来、口を通って腸粘膜に移動しなければならない供給源に由来するため、何らかの経口投与が好ましい。
【0070】
本発明の組成物は、数種の投与形式(例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、マイクロエマルション、多重エマルション、泡、膏薬、ペースト、硬膏、軟膏、錠剤、コーティング錠、リンス、カプセル(例えば、硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセル)、坐薬、レクタルカプセル、点滴薬、ゲル、粉末、噴霧剤、エアロゾル、吸入剤、点眼剤、眼軟膏、洗眼剤(ophthalmic rinse)、膣内ペッサリー、腟内リング、膣軟膏、注射液、インサイチュ変換溶液(in situ transforming solution)(例えばインサイチュゲル化、インサイチュ硬化、インサイチュ沈殿、インサイチュ結晶化)、輸液、および埋込剤として)で投与され得る。
【0071】
当業者は、組成物および医薬組成物の適切な用量が処置される個人および目的に応じて様々であり得ることを認識する。例えば、個々の患者の年齢、体重および病歴が治療効果に影響を与え得る。さらに、より低用量の組成物が、症状の一時的な休止を引き起こすのに必要であり得るが、より高用量が、疾患、障害または適応症に関連する症状の完全な休止を引き起こすのに必要であり得る。有能な医師はこれらの要素を考慮して投与計画を調整し、過度な実験なしに所望の治療結果を達成する用量を保証できる。また、臨床医および/または処置医は治療を個々の患者の応答と組み合わせて、いつ、およびどのように中断、調整および/または終結すべきかを知っていることを注記しておく。用量はまた、医薬組成物のために選択される本発明の特定のポリペプチドの強度に依存し得る。
【0072】
組成物または医薬組成物の用量は様々であり得る。組成物の投与は1日に1回であり得る。いくつかの実施態様において、1日に複数回の投与が対象になされ得る。いくつかの実施態様において、全投与量は少なくとも2つの投与周期で投与される。いくつかの実施態様において、この周期は1時間、1日、1年、1週間または2週間であり得る。本発明のさらなる実施態様において、全投与量は2以上の別々の投与周期または別々の投与量で投与される。
【0073】
いくつかの実施態様において、対象は組成物を投与され得、この組成物は、対象の体重に対して約0.0001mg/kg~約5000mg/kgの範囲の1日の投与量で提供される。対象に投与された投与量はまた、1日に投与される本発明のポリペプチドの全量に関して測定され得る。いくつかの実施態様において、対象は、1日に約0.001~約3000ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は1日に最大で約2000ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は1日に最大で約1800ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は1日に最大で約1600ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は1日に最大で約1400ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は1日に最大で約1200ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は1日に最大で約1000ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は1日に最大で約800ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に約0.001ミリグラム~約700ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に最大で約700ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に最大で約600ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に最大で約500ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に最大で約400ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に最大で約300ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に最大で約200ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に最大で約100ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。いくつかの実施態様において、対象は、投与毎に最大で約50ミリグラムの本発明のポリペプチドを投与される。
【0074】
本発明のポリペプチドが添加された組成物は、あらゆる食品組成、食品製品、または食品成分であり得る。ここで、用語「食物」は、広い意味で用いられ、ヒト用の食物および動物用の食物(すなわち飼料)を包含する。好ましい態様において、食物はヒトが摂取するための食物である。食物は溶液状または固体であり得、これは使用および/または適用方法および/または投与方法に依存する。
【0075】
食物(機能性食品など)として(またはその調製において)使用される場合、本発明の組成物は、栄養的に許容され得る担体、栄養的に許容され得る希釈剤、栄養的に許容され得る賦形剤、栄養的に許容され得るアジュバント、栄養的に有効な成分のうち1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0076】
本発明の組成物は食品成分として使用され得る。
【0077】
本明細書において、用語「食品成分」は、機能性食品または食料に栄養補助食品として添加される、または添加され得る製剤を含む。本明細書における用語「食品成分」はまた、粘度を増すことなく、ゲル化、テクスチャー化(texturising)、安定化、懸濁化、製膜化および構造化、みずみずしさの保持ならびに食感の改善を必要とする多様な製品において、低いレベルで使用され得る製剤を指す。
【0078】
食品成分は、溶液状または固体であり得、これは使用および/または適用方法および/または投与方法に依存する。
【0079】
本発明の組成物は栄養補助食品であり得、または栄養補助食品に添加され得る。
本発明の組成物は機能性食品であり得、または機能性食品に添加され得る。
【0080】
本明細書において、用語「機能性食品」は栄養学的効果および/または味覚の満足感を提供できるだけでなく、消費者にさらなる有利な効果を供給できる食物を意味する。
【0081】
したがって、機能性食品は通常の食品であり、食物に純粋な栄養学的効果以外の特定の機能性(例えば、医学的利益または生理学的利益)を与える、通常の食品に組み込まれる構成要素または成分(本明細書で記述される構成要素または成分など)を有する。
【0082】
機能性食品の法的な定義はないが、この分野の当事者のほとんどは機能性食品が特定の健康効果を有するものとして販売される食品であることに同意する。
【0083】
いくつかの機能性食品は栄養補助食品である。ここで、用語「栄養補助食品」は、栄養学的効果および/または味覚の満足感を提供できるだけでなく、消費者に治療効果(または他の有利な効果)を供給できる食物を意味する。栄養補助食品は、食物と医薬との間の従来の境界線を横切っている。
【0084】
調査は、消費者が心疾患に関連する機能性食品の要求に最も重点を置くことを示唆してきた。がんを予防することは、消費者が大きな関心を示す栄養学の別の態様であるが、興味深いことに、これは消費者が最低限の制御を発揮できると感じる分野である。実際に、世界保健機関によると、がんの原因の少なくとも35%は食生活関連である。さらに骨粗鬆症、消化管の健康、および肥満の効果に関する要求は、機能性食品の購入を刺激し、市場の発展を駆動する可能性のある重要な要素である。
【0085】
本発明の組成物は、食品(ジャム、マーマレード、ゼリー、乳製品(ミルクまたはチーズなど)、肉製品、鶏肉加工品、魚加工品、野菜ベースのスープ、およびベーカリー製品のうち1つ以上など)の調製において使用され得、または食品に添加され得る。
【0086】
例示の目的で、本発明の組成物は、ソフトドリンク、フルーツジュースまたは乳清タンパク質を含む飲料、健康茶、ココアドリンク、乳飲料および乳酸菌飲料、ヨーグルトおよび飲むヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、氷菓およびデザート、菓子類、ビスケットケーキおよびケーキの素、スナック菓子、朝食用シリアル、即席麺類およびカップ麺、即席スープおよびカップスープ、バランスのとれた食物および飲料、甘味料、食感を改善したスナックバー、線維バー(fibre bar)、ベーク安定フルーツフィリング(bake stable fruit filling)、ケアグレーズ(care glaze)、チョコレートベーカリーフィリング、チーズケーキ風味のフィリング、フルーツ風味のケーキフィリング、ケーキおよびドーナツアイシング(cake and doughnut icing)、熱安定ベーカリーフィリング、即席ベーカリーフィリングクリーム、クッキー用フィリング、既製のベーカリーフィリング、低カロリーフィリング、成人用栄養飲料、酸性化大豆/ジュース飲料、無菌性/レトルトチョコレート飲料、バーミックス(bar mix)、飲料粉末、カルシウム強化大豆/プレーン(plaim)およびチョコレートミルク、カルシウム強化コーヒー飲料の成分として使用され得る。
【0087】
本発明における組成物はさらに、食品(アメリカンチーズソース、粉チーズ&細切りチーズ用の固化防止剤、チップディップ、クリームチーズ、ドライブレンドホイップトッピング(dry blended whip topping)の無脂肪サワークリーム、冷凍/解凍生ホイッピングクリーム、冷凍/解凍安定ホイップトッピング、低脂肪&低カロリーのナチュラルチェダーチーズ、低脂肪スイススタイルヨーグルト、炭酸冷凍デザート、およびノベルティバー(novelty bar)、ハードパックアイスクリーム、ラベルフレンドリー(label friendly)、経済および耽溺を改善した(improved economics & indulgence)ハードパックアイスクリーム、低脂肪アイスクリーム:ソフトクリーム、バーベキューソース、チーズディップソース、コテージチーズドレッシング、ドライミックスアルフレッドソース、ミックスチーズソース、ドライミックストマトソースおよび他の食品など)の成分として使用され得る。
【0088】
特定の態様において、食料は好ましくは飲料である。
特定の態様において、食料は好ましくはベーカリー製品(パン、デニッシュペストリー、ビスケットまたはクッキーなど)である。
【0089】
本発明はまた、本発明におけるポリペプチドまたは本発明における組成物を別の食品成分と混合することを含む、食物または食品成分を調製する方法を提供する。
【0090】
本発明の特定の実施態様
本発明のある態様は、アミノ酸配列
AA1-AA2-AA3-K-AA5-AA6-AA7-AA8(式I、配列番号1)
を含む、単離したポリペプチドに関し、ここでAA1はA、L、IおよびVから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA2はS、T、G、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA3はD、EおよびGから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA5はP、N、S、D、A、T、KおよびGから選択され;AA6はY、N、I、WおよびFから選択され;AA7はI、L、RおよびVから選択され;AA8はL、I、V、S、MおよびTから選択され;ポリペプチドは50アミノ酸長以下であり;または少なくとも80%の配列同一性を有する、そのバリアントである。
【0091】
本発明の別の態様は、対象の持続満腹感を促進する方法、または対象における肥満の発生を予防し、または減少させる方法に関し、この方法は、アミノ酸配列
AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-AA8(式III、配列番号3)
を含む、またはからなるポリペプチドを、それを必要とする対象に腸内投与することを含み、ここでAA1はA、L、IおよびVから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA2はS、T、G、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA3はD、R、K、EおよびGから選択される省略可能なアミノ酸であり;AA4はKおよびRから選択されるアミノ酸であり;AA5はP、N、S、D、A、T、KおよびGから選択され;AA6はY、N、I、WおよびFから選択され;AA7はI、L、RおよびVから選択され;AA8はL、I、V、S、MおよびTから選択され;ポリペプチドは50アミノ酸長以下であり;または少なくとも80%の配列同一性を有する、そのバリアントである。
【0092】
以下において、AA1~AA8は、式I、IIまたはIIIのいずれかのアミノ酸を指し得る。
【0093】
いくつかの実施態様において、AA1は存在しない。いくつかの実施態様において、AA1は、Y、W、V、T、S、R、Q、P、N、M、L、K、I、H、G、F、E、D、C、およびAから選択されるいずれか1つの天然アミノ酸である。いくつかの実施態様において、AA2は存在しない。いくつかの実施態様において、AA2はY、W、V、T、S、R、Q、P、N、M、L、K、I、H、G、F、E、D、C、およびAから選択されるいずれか1つの天然アミノ酸である。いくつかの実施態様において、AA3は存在しない。いくつかの実施態様において、AA1は存在する。いくつかの実施態様において、AA2は存在する。いくつかの実施態様において、AA3は存在する。いくつかの実施態様においてAA1はAである。いくつかの実施態様において、AA2はSである。いくつかの実施態様において、AA3はDである。いくつかの実施態様において、AA3はC、D、E、N、PおよびQのいずれか1つのアミノ酸から選択される。いくつかの実施態様において、AA3はEおよびGから選択される。いくつかの実施態様において、AA3はPである。いくつかの実施態様において、AA3はCである。いくつかの実施態様において、AA4はKである。いくつかの実施態様において、AA6はYである。いくつかの実施態様において、AA7はIである。いくつかの実施態様において、AA8はLである。いくつかの実施態様において、アミノ酸配列は天然に見出されない。いくつかの実施態様において、AA8はC末端アミノ酸である。いくつかの実施態様において、AA5はPである。いくつかの実施態様において、AA6はYおよびWから選択される。いくつかの実施態様において、AA7はIおよびLから選択される。
【0094】
いくつかの実施態様において、AA2はS、T、A、N、EおよびDから選択される省略可能なアミノ酸である。いくつかの実施態様において、AA5は、P、S、D、A、T、KおよびGから選択される。いくつかの実施態様において、AA6はY、N、IおよびWから選択される。いくつかの実施態様において、AA8はL、I、V、SおよびMから選択される。
【0095】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列AVTEKKYILYDFSVTS(配列番号5)、PRRPYIL(配列番号38)、RRPYIL(配列番号39)、RPYIL(配列番号40)、RRPWIL(配列番号41)、KRPYIL(配列番号42)、KKPYIL(配列番号43)、アダマントイル(Adamantoyl)-KPYIL(配列番号9)、H-Lys-psi(CH2NH)Lys-Pro-Tyr-Ile-Leu-OH(配列番号44)のいずれも含まない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、Lysの誘導体を含まない。
【0096】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列AVTEKKYILYDFSVTS、PRRPYIL、RRPYIL、RPYIL、RRPWIL、KRPYIL、KKPYIL、アダマントイル-KPYIL、H-Lys-psi(CH2NH)Lys-Pro-Tyr-Ile-Leu-OHのいずれか1つからなることはない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドはKPYILの誘導体ではない。
【0097】
いくつかの実施態様において、アミノ酸配列は天然アミノ酸のみを含む。
【0098】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、5~50(5~50、5~49、5~48、5~47、5~46、5~45、5~44、5~43、5~42、5~41、5~40、5~39、5~38、5~37、5~36、5~35、5~34、5~33、5~32、5~31、5~30、5~29、5~28、5~27、5~26、5~25、5~24、5~23、5~22、5~21、5~20、5~19、5~18など、5~17など、5~16など、5~15など、5~14など、5~13など、5~12など、5~11など、5~10など、5~9など、5~8など、5~7など、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50など)アミノ酸長である。
【0099】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18など、17など、16など、15など、14など、13など、12など、11など、10など、9など、8など、7などのアミノ酸長未満である
【0100】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、5~50(6~50など、7~50など、8~50など、9~50など、10~50など、11~50など、12~50など、13~50など、14~50など、15~50など、16~50など、17~50など、18~50など、19~50など、20~50など、21~50など、22~50など、23~50など、24~50など、25~50など、26~50など、27~50など、28~50など、29~50など、30~50など、31~50など、32~50など、33~50など、34~50など、35~50など、36~50など、37~50など、38~50など、39~50など、40~50など、41~50など、42~50など、43~50など、44~50など、45~50など、46~50など、47~50など、48~50など、49~50など)アミノ酸長である。
【0101】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、5(6など、7など、8など、9など、10など、11など、12など、13など、14など、15など、16など、17など、18など、19など、20など、21など、22など、23など、24など、25など、26など、27など、28など、29など、30など、31など、32など、33など、34など、35など、36など、37など、38など、39など、40など、41など、42など、43など、44など、45など、46など、47など、48など、49よりも大きいなど)アミノ酸長よりも大きい。
【0102】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、オクタペプチドまたはヘプタペプチドである。
【0103】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、ASDKPYIL、SDKPYIL、DKPYIL、およびKPYILから選択される配列を有し、または含む。
【0104】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、ASDKPYIL、AGDKNYIL、AGDKNYIT、AGDKSYIT、ADGKPYIV、AEDKDFIT、AADKPYIL、ATDKPYIL、AGDKPYIT、ASEKPYIL、ADGKPYVT、AGDKPYIL、ASDKPNIL、ASDKPYIT、AADKPFIL、ASDKAYIT、AGDKAYIT、ANGKPFIT、AGDKNFIT、ASDKSYIT、ASDKTYIT、ASDKNYIT、AGDKKYIT、AGDKNYIS、AADKNYIT、AGDKNYIM、AADKNFIM、AADKNFIT、およびAGDKGIRSから選択される配列からなり、または、を含む。
【0105】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは単離されたポリペプチドである。
【0106】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは合成的に作成される。
【0107】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは精製されたフラグメントである。
【0108】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは動物源から精製される。
【0109】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは動物源由来のタンパク質の酵素的処理によって作製される。
【0110】
いくつかの実施態様において、本発明のポリペプチドは、保護基を導入するために、N末端のアセチル化または他の化学修飾によって修飾されている。
【0111】
いくつかの特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、KPYIL、KPYII(配列番号45)、KPYIV(配列番号46)、KPYLL(配列番号47)、KPYLI(配列番号48)、KPYLV(配列番号49)、KPYVL(配列番号50)、KPYVI(配列番号51)、KPYVV(配列番号52)、KPWIL(配列番号53)、KPWII(配列番号54)、KPWIV(配列番号55)、KPWLL(配列番号56)、KPWLI(配列番号57)、KPWLV(配列番号58)、KPWVL(配列番号59)、KPWVI(配列番号60)、KPWVV(配列番号61)、RPYIL(配列番号40)、RPYII(配列番号62)、RPYIV(配列番号63)、RPYLL(配列番号64)、RPYLI(配列番号65)、RPYLV(配列番号66)、RPYVL(配列番号67)、RPYVI(配列番号68)、RPYVV(配列番号69)、RPWIL(配列番号70)、RPWII(配列番号71)、RPWIV(配列番号72)、RPWLL(配列番号73)、RPWLI(配列番号74)、RPWLV(配列番号75)、RPWVL(配列番号76)、RPWVI(配列番号77)、およびRPWVV(配列番号78)からなる群から選択されるアミノ酸配列からなり、または、を含む。
【0112】
いくつかの特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、DKPYIL(配列番号8)、DKPYII(配列番号79)、DKPYIV(配列番号80)、DKPYLL(配列番号81)、DKPYLI(配列番号82)、DKPYLV(配列番号83)、DKPYVL(配列番号84)、DKPYVI(配列番号85)、DKPYVV(配列番号86)、DKPWIL(配列番号87)、DKPWII(配列番号88)、DKPWIV(配列番号89)、DKPWLL(配列番号90)、DKPWLI(配列番号91)、DKPWLV(配列番号92)、DKPWVL(配列番号93)、DKPWVI(配列番号94)、DKPWVV(配列番号95)、DRPYIL(配列番号96)、DRPYII(配列番号97)、DRPYIV(配列番号98)、DRPYLL(配列番号99)、DRPYLI(配列番号100)、DRPYLV(配列番号101)、DRPYVL(配列番号102)、DRPYVI(配列番号103)、DRPYVV(配列番号104)、DRPWIL(配列番号105)、DRPWII(配列番号106)、DRPWIV(配列番号107)、DRPWLL(配列番号108)、DRPWLI(配列番号109)、DRPWLV(配列番号110)、DRPWVL(配列番号111)、DRPWVI(配列番号112)、DRPWVV(配列番号113)、EKPYIL(配列番号114)、EKPYII(配列番号115)、EKPYIV(配列番号116)、EKPYLL(配列番号117)、EKPYLI(配列番号118)、EKPYLV(配列番号119)、EKPYVL(配列番号120)、EKPYVI(配列番号121)、EKPYVV(配列番号122)、EKPWIL(配列番号123)、EKPWII(配列番号124)、EKPWIV(配列番号125)、EKPWLL(配列番号126)、EKPWLI(配列番号127)、EKPWLV(配列番号128)、EKPWVL(配列番号129)、EKPWVI(配列番号130)、EKPWVV(配列番号131)、ERPYIL(配列番号132)、ERPYII(配列番号133)、ERPYIV(配列番号134)、ERPYLL(配列番号135)、ERPYLI(配列番号136)、ERPYLV(配列番号137)、ERPYVL(配列番号138)、ERPYVI(配列番号139)、ERPYVV(配列番号140)、ERPWIL(配列番号141)、ERPWII(配列番号142)、ERPWIV(配列番号143)、ERPWLL(配列番号144)、ERPWLI(配列番号145)、ERPWLV(配列番号146)、ERPWVL(配列番号147)、ERPWVI(配列番号148)、ERPWVV(配列番号149)、RKPYIL(配列番号150)、RKPYII(配列番号151)、RKPYIV(配列番号152)、RKPYLL(配列番号153)、RKPYLI(配列番号154)、RKPYLV(配列番号155)、RKPYVL(配列番号156)、RKPYVI(配列番号157)、RKPYVV(配列番号158)、RKPWIL(配列番号159)、RKPWII(配列番号160)、RKPWIV(配列番号161)、RKPWLL(配列番号162)、RKPWLI(配列番号163)、RKPWLV(配列番号164)、RKPWVL(配列番号165)、RKPWVI(配列番号166)、RKPWVV(配列番号167)、RRPYIL(配列番号39)、RRPYII(配列番号168)、RRPYIV(配列番号169)、RRPYLL(配列番号170)、RRPYLI(配列番号171)、RRPYLV(配列番号172)、RRPYVL(配列番号173)、RRPYVI(配列番号174)、RRPYVV(配列番号175)、RRPWIL(配列番号41)、RRPWII(配列番号176)、RRPWIV(配列番号177)、RRPWLL(配列番号178)、RRPWLI(配列番号179)、RRPWLV(配列番号180)、RRPWVL(配列番号181)、RRPWVI(配列番号182)、RRPWVV(配列番号183)、GKPYIL(配列番号184)、GKPYII(配列番号185)、GKPYIV(配列番号186)、GKPYLL(配列番号187)、GKPYLI(配列番号188)、GKPYLV(配列番号189)、GKPYVL(配列番号190)、GKPYVI(配列番号191)、GKPYVV(配列番号192)、GKPWIL(配列番号193)、GKPWII(配列番号194)、GKPWIV(配列番号195)、GKPWLL(配列番号196)、GKPWLI(配列番号197)、GKPWLV(配列番号198)、GKPWVL(配列番号199)、GKPWVI(配列番号200)、GKPWVV(配列番号201)、GRPYIL(配列番号202)、GRPYII(配列番号203)、GRPYIV(配列番号204)、GRPYLL(配列番号205)、GRPYLI(配列番号206)、GRPYLV(配列番号207)、GRPYVL(配列番号208)、GRPYVI(配列番号209)、GRPYVV(配列番号210)、GRPWIL(配列番号211)、GRPWII(配列番号212)、GRPWIV(配列番号213)、GRPWLL(配列番号214)、GRPWLI(配列番号215)、GRPWLV(配列番号216)、GRPWVL(配列番号217)、GRPWVI(配列番号218)、およびGRPWVV(配列番号219)からなる群から選択されるアミノ酸配列からなり、または、を含む。
【0113】
いくつかの特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、SDKPYIL(配列番号220)、SDKPYII(配列番号221)、SDKPYIV(配列番号222)、SDKPYLL(配列番号223)、SDKPYLI(配列番号224)、SDKPYLV(配列番号225)、SDKPYVL(配列番号226)、SDKPYVI(配列番号227)、SDKPYVV(配列番号228)、SDKPWIL(配列番号229)、SDKPWII(配列番号230)、SDKPWIV(配列番号231)、SDKPWLL(配列番号232)、SDKPWLI(配列番号233)、SDKPWLV(配列番号234)、SDKPWVL(配列番号235)、SDKPWVI(配列番号236)、SDKPWVV(配列番号237)、SDRPYIL(配列番号238)、SDRPYII(配列番号239)、SDRPYIV(配列番号240)、SDRPYLL(配列番号241)、SDRPYLI(配列番号242)、SDRPYLV(配列番号243)、SDRPYVL(配列番号244)、SDRPYVI(配列番号245)、SDRPYVV(配列番号246)、SDRPWIL(配列番号247)、SDRPWII(配列番号248)、SDRPWIV(配列番号249)、SDRPWLL(配列番号250)、SDRPWLI(配列番号251)、SDRPWLV(配列番号252)、SDRPWVL(配列番号253)、SDRPWVI(配列番号254)、SDRPWVV(配列番号255)、SEKPYIL(配列番号256)、SEKPYII(配列番号257)、SEKPYIV(配列番号258)、SEKPYLL(配列番号259)、SEKPYLI(配列番号260)、SEKPYLV(配列番号261)、SEKPYVL(配列番号262)、SEKPYVI(配列番号263)、SEKPYVV(配列番号264)、SEKPWIL(配列番号265)、SEKPWII(配列番号266)、SEKPWIV(配列番号267)、SEKPWLL(配列番号268)、SEKPWLI(配列番号269)、SEKPWLV(配列番号270)、SEKPWVL(配列番号271)、SEKPWVI(配列番号272)、SEKPWVV(配列番号273)、SERPYIL(配列番号274)、SERPYII(配列番号275)、SERPYIV(配列番号276)、SERPYLL(配列番号277)、SERPYLI(配列番号278)、SERPYLV(配列番号279)、SERPYVL(配列番号280)、SERPYVI(配列番号281)、SERPYVV(配列番号282)、SERPWIL(配列番号283)、SERPWII(配列番号284)、SERPWIV(配列番号285)、SERPWLL(配列番号286)、SERPWLI(配列番号287)、SERPWLV(配列番号288)、SERPWVL(配列番号289)、SERPWVI(配列番号290)、SERPWVV(配列番号291)、TDKPYIL(配列番号292)、TDKPYII(配列番号293)、TDKPYIV(配列番号294)、TDKPYLL(配列番号295)、TDKPYLI(配列番号296)、TDKPYLV(配列番号297)、TDKPYVL(配列番号298)、TDKPYVI(配列番号299)、TDKPYVV(配列番号300)、TDKPWIL(配列番号301)、TDKPWII(配列番号302)、TDKPWIV(配列番号303)、TDKPWLL(配列番号304)、TDKPWLI(配列番号305)、TDKPWLV(配列番号306)、TDKPWVL(配列番号307)、TDKPWVI(配列番号308)、TDKPWVV(配列番号309)、TDRPYIL(配列番号310)、TDRPYII(配列番号311)、TDRPYIV(配列番号312)、TDRPYLL(配列番号313)、TDRPYLI(配列番号314)、TDRPYLV(配列番号315)、TDRPYVL(配列番号316)、TDRPYVI(配列番号317)、TDRPYVV(配列番号318)、TDRPWIL(配列番号319)、TDRPWII(配列番号320)、TDRPWIV(配列番号321)、TDRPWLL(配列番号322)、TDRPWLI(配列番号323)、TDRPWLV(配列番号324)、TDRPWVL(配列番号325)、TDRPWVI(配列番号326)、TDRPWVV(配列番号327)、TEKPYIL(配列番号328)、TEKPYII(配列番号329)、TEKPYIV(配列番号330)、TEKPYLL(配列番号331)、TEKPYLI(配列番号332)、TEKPYLV(配列番号333)、TEKPYVL(配列番号334)、TEKPYVI(配列番号335)、TEKPYVV(配列番号336)、TEKPWIL(配列番号337)、TEKPWII(配列番号338)、TEKPWIV(配列番号339)、TEKPWLL(配列番号340)、TEKPWLI(配列番号341)、TEKPWLV(配列番号342)、TEKPWVL(配列番号343)、TEKPWVI(配列番号344)、TEKPWVV(配列番号345)、TERPYIL(配列番号346)、TERPYII(配列番号347)、TERPYIV(配列番号348)、TERPYLL(配列番号349)、TERPYLI(配列番号350)、TERPYLV(配列番号351)、TERPYVL(配列番号352)、TERPYVI(配列番号353)、TERPYVV(配列番号354)、TERPWIL(配列番号355)、TERPWII(配列番号356)、TERPWIV(配列番号357)、TERPWLL(配列番号358)、TERPWLI(配列番号359)、TERPWLV(配列番号360)、TERPWVL(配列番号361)、TERPWVI(配列番号362)、およびTERPWVV(配列番号363)からなる群から選択されるアミノ酸配列からなり、または、を含む。
【0114】
いくつかの特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、ASDKPYII(配列番号364)、ASDKPYIV(配列番号365)、ASDKPYLL(配列番号366)、ASDKPYLI(配列番号367)、ASDKPYLV(配列番号368)、ASDKPYVL(配列番号369)、ASDKPYVI(配列番号370)、ASDKPYVV(配列番号371)、ASDKPWIL(配列番号372)、ASDKPWII(配列番号373)、ASDKPWIV(配列番号374)、ASDKPWLL(配列番号375)、ASDKPWLI(配列番号376)、ASDKPWLV(配列番号377)、ASDKPWVL(配列番号378)、ASDKPWVI(配列番号379)、ASDKPWVV(配列番号380)、ASDRPYIL(配列番号381)、ASDRPYII(配列番号382)、ASDRPYIV(配列番号383)、ASDRPYLL(配列番号384)、ASDRPYLI(配列番号385)、ASDRPYLV(配列番号386)、ASDRPYVL(配列番号387)、ASDRPYVI(配列番号388)、ASDRPYVV(配列番号389)、ASDRPWIL(配列番号390)、ASDRPWII(配列番号391)、ASDRPWIV(配列番号392)、ASDRPWLL(配列番号393)、ASDRPWLI(配列番号394)、ASDRPWLV(配列番号395)、ASDRPWVL(配列番号396)、ASDRPWVI(配列番号397)、ASDRPWVV(配列番号398)、ASEKPYIL(配列番号399)、ASEKPYII(配列番号400)、ASEKPYIV(配列番号401)、ASEKPYLL(配列番号402)、ASEKPYLI(配列番号403)、ASEKPYLV(配列番号404)、ASEKPYVL(配列番号405)、ASEKPYVI(配列番号406)、ASEKPYVV(配列番号407)、ASEKPWIL(配列番号408)、ASEKPWII(配列番号409)、ASEKPWIV(配列番号410)、ASEKPWLL(配列番号411)、ASEKPWLI(配列番号412)、ASEKPWLV(配列番号413)、ASEKPWVL(配列番号414)、ASEKPWVI(配列番号415)、ASEKPWVV(配列番号416)、ASERPYIL(配列番号417)、ASERPYII(配列番号418)、ASERPYIV(配列番号419)、ASERPYLL(配列番号420)、ASERPYLI(配列番号421)、ASERPYLV(配列番号422)、ASERPYVL(配列番号423)、ASERPYVI(配列番号424)、ASERPYVV(配列番号425)、ASERPWIL(配列番号426)、ASERPWII(配列番号427)、ASERPWIV(配列番号428)、ASERPWLL(配列番号429)、ASERPWLI(配列番号430)、ASERPWLV(配列番号431)、ASERPWVL(配列番号432)、ASERPWVI(配列番号433)、ASERPWVV(配列番号434)、ATDKPYIL(配列番号435)、ATDKPYII(配列番号436)、ATDKPYIV(配列番号437)、ATDKPYLL(配列番号438)、ATDKPYLI(配列番号439)、ATDKPYLV(配列番号440)、ATDKPYVL(配列番号441)、ATDKPYVI(配列番号442)、ATDKPYVV(配列番号443)、ATDKPWIL(配列番号444)、ATDKPWII(配列番号445)、ATDKPWIV(配列番号446)、ATDKPWLL(配列番号447)、ATDKPWLI(配列番号448)、ATDKPWLV(配列番号449)、ATDKPWVL(配列番号450)、ATDKPWVI(配列番号451)、ATDKPWVV(配列番号452)、ATDRPYIL(配列番号453)、ATDRPYII(配列番号454)、ATDRPYIV(配列番号455)、ATDRPYLL(配列番号456)、ATDRPYLI(配列番号457)、ATDRPYLV(配列番号458)、ATDRPYVL(配列番号459)、ATDRPYVI(配列番号460)、ATDRPYVV(配列番号461)、ATDRPWIL(配列番号462)、ATDRPWII(配列番号463)、ATDRPWIV(配列番号464)、ATDRPWLL(配列番号465)、ATDRPWLI(配列番号466)、ATDRPWLV(配列番号467)、ATDRPWVL(配列番号468)、ATDRPWVI(配列番号469)、ATDRPWVV(配列番号470)、ATEKPYIL(配列番号471)、ATEKPYII(配列番号472)、ATEKPYIV(配列番号473)、ATEKPYLL(配列番号474)、ATEKPYLI(配列番号475)、ATEKPYLV(配列番号476)、ATEKPYVL(配列番号477)、ATEKPYVI(配列番号478)、ATEKPYVV(配列番号479)、ATEKPWIL(配列番号480)、ATEKPWII(配列番号481)、ATEKPWIV(配列番号482)、ATEKPWLL(配列番号483)、ATEKPWLI(配列番号484)、ATEKPWLV(配列番号485)、ATEKPWVL(配列番号486)、ATEKPWVI(配列番号487)、ATEKPWVV(配列番号488)、ATERPYIL(配列番号489)、ATERPYII(配列番号490)、ATERPYIV(配列番号491)、ATERPYLL(配列番号492)、ATERPYLI(配列番号493)、ATERPYLV(配列番号494)、ATERPYVL(配列番号495)、ATERPYVI(配列番号496)、ATERPYVV(配列番号497)、ATERPWIL(配列番号498)、ATERPWII(配列番号499)、ATERPWIV(配列番号500)、ATERPWLL(配列番号501)、ATERPWLI(配列番号502)、ATERPWLV(配列番号503)、ATERPWVL(配列番号504)、ATERPWVI(配列番号505)、ATERPWVV(配列番号506)、LSDKPYIL(配列番号507)、LSDKPYII(配列番号508)、LSDKPYIV(配列番号509)、LSDKPYLL(配列番号510)、LSDKPYLI(配列番号511)、LSDKPYLV(配列番号512)、LSDKPYVL(配列番号513)、LSDKPYVI(配列番号514)、LSDKPYVV(配列番号515)、LSDKPWIL(配列番号516)、LSDKPWII(配列番号517)、LSDKPWIV(配列番号518)、LSDKPWLL(配列番号519)、LSDKPWLI(配列番号520)、LSDKPWLV(配列番号521)、LSDKPWVL(配列番号522)、LSDKPWVI(配列番号523)、LSDKPWVV(配列番号524)、LSDRPYIL(配列番号525)、LSDRPYII(配列番号526)、LSDRPYIV(配列番号527)、LSDRPYLL(配列番号528)、LSDRPYLI(配列番号529)、LSDRPYLV(配列番号530)、LSDRPYVL(配列番号531)、LSDRPYVI(配列番号532)、LSDRPYVV(配列番号533)、LSDRPWIL(配列番号534)、LSDRPWII(配列番号535)、LSDRPWIV(配列番号536)、LSDRPWLL(配列番号537)、LSDRPWLI(配列番号538)、LSDRPWLV(配列番号539)、LSDRPWVL(配列番号540)、LSDRPWVI(配列番号541)、LSDRPWVV(配列番号542)、LSEKPYIL(配列番号543)、LSEKPYII(配列番号544)、LSEKPYIV(配列番号545)、LSEKPYLL(配列番号546)、LSEKPYLI(配列番号547)、LSEKPYLV(配列番号548)、LSEKPYVL(配列番号549)、LSEKPYVI(配列番号550)、LSEKPYVV(配列番号551)、LSEKPWIL(配列番号552)、LSEKPWII(配列番号553)、LSEKPWIV(配列番号554)、LSEKPWLL(配列番号555)、LSEKPWLI(配列番号556)、LSEKPWLV(配列番号557)、LSEKPWVL(配列番号558)、LSEKPWVI(配列番号559)、LSEKPWVV(配列番号560)、LSERPYIL(配列番号561)、LSERPYII(配列番号562)、LSERPYIV(配列番号563)、LSERPYLL(配列番号564)、LSERPYLI(配列番号565)、LSERPYLV(配列番号566)、LSERPYVL(配列番号567)、LSERPYVI(配列番号568)、LSERPYVV(配列番号569)、LSERPWIL(配列番号570)、LSERPWII(配列番号571)、LSERPWIV(配列番号572)、LSERPWLL(配列番号573)、LSERPWLI(配列番号574)、LSERPWLV(配列番号575)、LSERPWVL(配列番号576)、LSERPWVI(配列番号577)、LSERPWVV(配列番号578)、LTDKPYIL(配列番号579)、LTDKPYII(配列番号580)、LTDKPYIV(配列番号581)、LTDKPYLL(配列番号582)、LTDKPYLI(配列番号583)、LTDKPYLV(配列番号584)、LTDKPYVL(配列番号585)、LTDKPYVI(配列番号586)、LTDKPYVV(配列番号587)、LTDKPWIL(配列番号588)、LTDKPWII(配列番号589)、LTDKPWIV(配列番号590)、LTDKPWLL(配列番号591)、LTDKPWLI(配列番号592)、LTDKPWLV(配列番号593)、LTDKPWVL(配列番号594)、LTDKPWVI(配列番号595)、LTDKPWVV(配列番号596)、LTDRPYIL(配列番号597)、LTDRPYII(配列番号598)、LTDRPYIV(配列番号599)、LTDRPYLL(配列番号600)、LTDRPYLI(配列番号601)、LTDRPYLV(配列番号602)、LTDRPYVL(配列番号603)、LTDRPYVI(配列番号604)、LTDRPYVV(配列番号605)、LTDRPWIL(配列番号606)、LTDRPWII(配列番号607)、LTDRPWIV(配列番号608)、LTDRPWLL(配列番号609)、LTDRPWLI(配列番号610)、LTDRPWLV(配列番号611)、LTDRPWVL(配列番号612)、LTDRPWVI(配列番号613)、LTDRPWVV(配列番号614)、LTEKPYIL(配列番号615)、LTEKPYII(配列番号616)、LTEKPYIV(配列番号617)、LTEKPYLL(配列番号618)、LTEKPYLI(配列番号619)、LTEKPYLV(配列番号620)、LTEKPYVL(配列番号621)、LTEKPYVI(配列番号622)、LTEKPYVV(配列番号623)、LTEKPWIL(配列番号624)、LTEKPWII(配列番号625)、LTEKPWIV(配列番号626)、LTEKPWLL(配列番号627)、LTEKPWLI(配列番号628)、LTEKPWLV(配列番号629)、LTEKPWVL(配列番号630)、LTEKPWVI(配列番号631)、LTEKPWVV(配列番号632)、LTERPYIL(配列番号633)、LTERPYII(配列番号634)、LTERPYIV(配列番号635)、LTERPYLL(配列番号636)、LTERPYLI(配列番号637)、LTERPYLV(配列番号638)、LTERPYVL(配列番号639)、LTERPYVI(配列番号640)、LTERPYVV(配列番号641)、LTERPWIL(配列番号642)、LTERPWII(配列番号643)、LTERPWIV(配列番号644)、LTERPWLL(配列番号645)、
LTERPWLI(配列番号646)、LTERPWLV(配列番号647)、LTERPWVL(配列番号648)、LTERPWVI(配列番号649)、LTERPWVV(配列番号650)、ISDKPYIL(配列番号651)、ISDKPYII(配列番号652)、ISDKPYIV(配列番号653)、ISDKPYLL(配列番号654)、ISDKPYLI(配列番号655)、ISDKPYLV(配列番号656)、ISDKPYVL(配列番号657)、ISDKPYVI(配列番号658)、ISDKPYVV(配列番号659)、ISDKPWIL(配列番号660)、ISDKPWII(配列番号661)、ISDKPWIV(配列番号662)、ISDKPWLL(配列番号663)、ISDKPWLI(配列番号664)、ISDKPWLV(配列番号665)、ISDKPWVL(配列番号666)、ISDKPWVI(配列番号667)、ISDKPWVV(配列番号668)、ISDRPYIL(配列番号669)、ISDRPYII(配列番号670)、ISDRPYIV(配列番号671)、ISDRPYLL(配列番号672)、ISDRPYLI(配列番号673)、ISDRPYLV(配列番号674)、ISDRPYVL(配列番号675)、ISDRPYVI(配列番号676)、ISDRPYVV(配列番号677)、ISDRPWIL(配列番号678)、ISDRPWII(配列番号679)、ISDRPWIV(配列番号680)、ISDRPWLL(配列番号681)、ISDRPWLI(配列番号682)、ISDRPWLV(配列番号683)、ISDRPWVL(配列番号684)、ISDRPWVI(配列番号685)、ISDRPWVV(配列番号686)、ISEKPYIL(配列番号687)、ISEKPYII(配列番号688)、ISEKPYIV(配列番号689)、ISEKPYLL(配列番号690)、ISEKPYLI(配列番号691)、ISEKPYLV(配列番号692)、ISEKPYVL(配列番号693)、ISEKPYVI(配列番号694)、ISEKPYVV(配列番号695)、ISEKPWIL(配列番号696)、ISEKPWII(配列番号697)、ISEKPWIV(配列番号698)、ISEKPWLL(配列番号699)、ISEKPWLI(配列番号700)、ISEKPWLV(配列番号701)、ISEKPWVL(配列番号702)、ISEKPWVI(配列番号703)、ISEKPWVV(配列番号704)、ISERPYIL(配列番号705)、ISERPYII(配列番号706)、ISERPYIV(配列番号707)、ISERPYLL(配列番号708)、ISERPYLI(配列番号709)、ISERPYLV(配列番号710)、ISERPYVL(配列番号711)、ISERPYVI(配列番号712)、ISERPYVV(配列番号713)、ISERPWIL(配列番号714)、ISERPWII(配列番号715)、ISERPWIV(配列番号716)、ISERPWLL(配列番号717)、ISERPWLI(配列番号718)、ISERPWLV(配列番号719)、ISERPWVL(配列番号720)、ISERPWVI(配列番号721)、ISERPWVV(配列番号722)、ITDKPYIL(配列番号723)、ITDKPYII(配列番号724)、ITDKPYIV(配列番号725)、ITDKPYLL(配列番号726)、ITDKPYLI(配列番号727)、ITDKPYLV(配列番号728)、ITDKPYVL(配列番号729)、ITDKPYVI(配列番号730)、ITDKPYVV(配列番号731)、ITDKPWIL(配列番号732)、ITDKPWII(配列番号733)、ITDKPWIV(配列番号734)、ITDKPWLL(配列番号735)、ITDKPWLI(配列番号736)、ITDKPWLV(配列番号737)、ITDKPWVL(配列番号738)、ITDKPWVI(配列番号739)、ITDKPWVV(配列番号740)、ITDRPYIL(配列番号741)、ITDRPYII(配列番号742)、ITDRPYIV(配列番号743)、ITDRPYLL(配列番号744)、ITDRPYLI(配列番号745)、ITDRPYLV(配列番号746)、ITDRPYVL(配列番号747)、ITDRPYVI(配列番号748)、ITDRPYVV(配列番号749)、ITDRPWIL(配列番号750)、ITDRPWII(配列番号751)、ITDRPWIV(配列番号752)、ITDRPWLL(配列番号753)、ITDRPWLI(配列番号754)、ITDRPWLV(配列番号755)、ITDRPWVL(配列番号756)、ITDRPWVI(配列番号757)、ITDRPWVV(配列番号758)、ITEKPYIL(配列番号759)、ITEKPYII(配列番号760)、ITEKPYIV(配列番号761)、ITEKPYLL(配列番号762)、ITEKPYLI(配列番号763)、ITEKPYLV(配列番号764)、ITEKPYVL(配列番号765)、ITEKPYVI(配列番号766)、ITEKPYVV(配列番号767)、ITEKPWIL(配列番号768)、ITEKPWII(配列番号769)、ITEKPWIV(配列番号770)、ITEKPWLL(配列番号771)、ITEKPWLI(配列番号772)、ITEKPWLV(配列番号773)、ITEKPWVL(配列番号774)、ITEKPWVI(配列番号775)、ITEKPWVV(配列番号776)、ITERPYIL(配列番号777)、ITERPYII(配列番号778)、ITERPYIV(配列番号779)、ITERPYLL(配列番号780)、ITERPYLI(配列番号781)、ITERPYLV(配列番号782)、ITERPYVL(配列番号783)、ITERPYVI(配列番号784)、ITERPYVV(配列番号785)、ITERPWIL(配列番号786)、ITERPWII(配列番号787)、ITERPWIV(配列番号788)、ITERPWLL(配列番号789)、ITERPWLI(配列番号790)、ITERPWLV(配列番号791)、ITERPWVL(配列番号792)、ITERPWVI(配列番号793)、ITERPWVV(配列番号794)、VSDKPYIL(配列番号795)、VSDKPYII(配列番号796)、VSDKPYIV(配列番号797)、VSDKPYLL(配列番号798)、VSDKPYLI(配列番号799)、VSDKPYLV(配列番号800)、VSDKPYVL(配列番号801)、VSDKPYVI(配列番号802)、VSDKPYVV(配列番号803)、VSDKPWIL(配列番号804)、VSDKPWII(配列番号805)、VSDKPWIV(配列番号806)、VSDKPWLL(配列番号807)、VSDKPWLI(配列番号808)、VSDKPWLV(配列番号809)、VSDKPWVL(配列番号810)、VSDKPWVI(配列番号811)、VSDKPWVV(配列番号812)、VSDRPYIL(配列番号813)、VSDRPYII(配列番号814)、VSDRPYIV(配列番号815)、VSDRPYLL(配列番号816)、VSDRPYLI(配列番号817)、VSDRPYLV(配列番号818)、VSDRPYVL(配列番号819)、VSDRPYVI(配列番号820)、VSDRPYVV(配列番号821)、VSDRPWIL(配列番号822)、VSDRPWII(配列番号823)、VSDRPWIV(配列番号824)、VSDRPWLL(配列番号825)、VSDRPWLI(配列番号826)、VSDRPWLV(配列番号827)、VSDRPWVL(配列番号828)、VSDRPWVI(配列番号829)、VSDRPWVV(配列番号830)、VSEKPYIL(配列番号831)、VSEKPYII(配列番号832)、VSEKPYIV(配列番号833)、VSEKPYLL(配列番号834)、VSEKPYLI(配列番号835)、VSEKPYLV(配列番号836)、VSEKPYVL(配列番号837)、VSEKPYVI(配列番号838)、VSEKPYVV(配列番号839)、VSEKPWIL(配列番号840)、VSEKPWII(配列番号841)、VSEKPWIV(配列番号842)、VSEKPWLL(配列番号843)、VSEKPWLI(配列番号844)、VSEKPWLV(配列番号845)、VSEKPWVL(配列番号846)、VSEKPWVI(配列番号847)、VSEKPWVV(配列番号848)、VSERPYIL(配列番号849)、VSERPYII(配列番号850)、VSERPYIV(配列番号851)、VSERPYLL(配列番号852)、VSERPYLI(配列番号853)、VSERPYLV(配列番号854)、VSERPYVL(配列番号855)、VSERPYVI(配列番号856)、VSERPYVV(配列番号857)、VSERPWIL(配列番号858)、VSERPWII(配列番号859)、VSERPWIV(配列番号860)、VSERPWLL(配列番号861)、VSERPWLI(配列番号862)、VSERPWLV(配列番号863)、VSERPWVL(配列番号864)、VSERPWVI(配列番号865)、VSERPWVV(配列番号866)、VTDKPYIL(配列番号867)、VTDKPYII(配列番号868)、VTDKPYIV(配列番号869)、VTDKPYLL(配列番号870)、VTDKPYLI(配列番号871)、VTDKPYLV(配列番号872)、VTDKPYVL(配列番号873)、VTDKPYVI(配列番号874)、VTDKPYVV(配列番号875)、VTDKPWIL(配列番号876)、VTDKPWII(配列番号877)、VTDKPWIV(配列番号878)、VTDKPWLL(配列番号879)、VTDKPWLI(配列番号880)、VTDKPWLV(配列番号881)、VTDKPWVL(配列番号882)、VTDKPWVI(配列番号883)、VTDKPWVV(配列番号884)、VTDRPYIL(配列番号885)、VTDRPYII(配列番号886)、VTDRPYIV(配列番号887)、VTDRPYLL(配列番号888)、VTDRPYLI(配列番号889)、VTDRPYLV(配列番号890)、VTDRPYVL(配列番号891)、VTDRPYVI(配列番号892)、VTDRPYVV(配列番号893)、VTDRPWIL(配列番号894)、VTDRPWII(配列番号895)、VTDRPWIV(配列番号896)、VTDRPWLL(配列番号897)、VTDRPWLI(配列番号898)、VTDRPWLV(配列番号899)、VTDRPWVL(配列番号900)、VTDRPWVI(配列番号901)、VTDRPWVV(配列番号902)、VTEKPYIL(配列番号903)、VTEKPYII(配列番号904)、VTEKPYIV(配列番号905)、VTEKPYLL(配列番号906)、VTEKPYLI(配列番号907)、VTEKPYLV(配列番号908)、VTEKPYVL(配列番号909)、VTEKPYVI(配列番号910)、VTEKPYVV(配列番号911)、VTEKPWIL(配列番号912)、VTEKPWII(配列番号913)、VTEKPWIV(配列番号914)、VTEKPWLL(配列番号915)、VTEKPWLI(配列番号916)、VTEKPWLV(配列番号917)、VTEKPWVL(配列番号918)、VTEKPWVI(配列番号919)、VTEKPWVV(配列番号920)、VTERPYIL(配列番号921)、VTERPYII(配列番号922)、VTERPYIV(配列番号923)、VTERPYLL(配列番号924)、VTERPYLI(配列番号925)、VTERPYLV(配列番号926)、VTERPYVL(配列番号927)、VTERPYVI(配列番号928)、VTERPYVV(配列番号929)、
VTERPWIL(配列番号930)、VTERPWII(配列番号931)、VTERPWIV(配列番号932)、VTERPWLL(配列番号933)、VTERPWLI(配列番号934)、VTERPWLV(配列番号935)、VTERPWVL(配列番号936)、VTERPWVI(配列番号937)、およびVTERPWVV(配列番号938)からなる群から選択されるアミノ酸配列からなり、または、を含む。
【0115】
いくつかの特定の実施態様において、本発明のポリペプチドはアルファ-アクチニン1由来のアミノ酸配列(ASDKPYIL、AGDKNYIL、AGDKNYIT、AGDKSYIT、ADGKPYIV、およびAEDKDFITから選択される配列など)からなり、または、を含む。
【0116】
いくつかの特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、アルファ-アクチニン2由来のアミノ酸配列(ASDKPYIL、AADKPYIL、AGDKNYIT、ATDKPYIL、AGDKPYIT、ASEKPYIL、ADGKPYVT、AGDKPYIL、ASDKPNIL、ASDKPYIT、AADKPFIL、ASDKAYIT、AGDKAYIT、ANGKPFIT、およびAGDKNFITから選択される配列など)からなり、または、を含む。
【0117】
いくつかの特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、アルファ-アクチニン3由来のアミノ酸配列(ASDKPYIL、AADKPYIL、ASDKAYIT、ASDKSYIT、ASDKTYIT、ASDKNYIT、AGDKNYIL、AGDKSYIT、AGDKNYIT、AGDKKYIT、およびAGDKNYISから選択される配列など)からなり、または、を含む。
【0118】
いくつかの特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、アルファ-アクチニン4由来のアミノ酸配列(ASDKPYIL、AGDKPYIL、AADKNYIT、AGDKNYIM、AGDKNYIT、AADKNFIM、AADKNFIT、AGDKGIRS、およびAGDKNFITから選択される配列など)からなり、または、を含む。
【0119】
本発明はさらに、本発明のポリペプチドを含む組成物に関する。いくつかの実施態様において、本発明の組成物は摂取により対象の持続満腹感を促進できる。
【0120】
いくつかの実施態様において、本発明の組成物中の前記ポリペプチドの量は、約10g未満(9g、8g、7g、6g、5g、4g、3g、2g、1g、900mg、800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、300mg、200mg、150mg、100mg、90mg、80mg、70mg、60mg、50mg、40mg、30mg、25mg、20mg、15mg、10mg、または5mg未満など)である。
【0121】
いくつかの実施態様において、本発明の組成物中の前記ポリペプチドの量は、少なくとも約5mg(少なくとも約10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、150mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、または10gなど)である。
【0122】
いくつかの実施態様において、本発明の組成物における細胞呼吸の過程に由来するエネルギー含量は、50キロジュール(kJ)未満(40kJ未満など、30kJ未満など、20kJ未満など、10kJ未満など、5000ジュール(J)未満など、1000J未満など、900J未満など、800J未満など、700J未満など、600J未満など、500J未満など、400J未満など、300J未満など、200J未満など、100J未満など、50J未満など)である。
【0123】
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は食品組成物である。
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は発酵組成物である。
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は乳製品である。
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は医薬組成物である。
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は栄養組成物である。
【0124】
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は経口投与用の形状である。いくつかの実施態様において、経口投与用の形状は、錠剤、カプセル剤、カプレット、スラリー、小袋、懸濁液、チューインガム、および液体に溶解し得る粉末製剤を含む群から選択される。いくつかの実施態様において、経口投与用の形状は懸濁液である。いくつかの実施態様において、経口投与用の形状は、液体に溶解し得る粉末製剤である。いくつかの実施態様において、液体は水、ミルク、ジュースまたはヨーグルトである。
【実施例】
【0125】
実施例1
アッセイ:
Ca2+流動アッセイ:
細胞内カルシウムレベルの上昇を、蛍光カルシウムキレート色素Fluo-4 AM(ThermoFischer Scientific, Denmark)を用いて測定した。簡潔に述べると、細胞を、96ウェル組織培養プレート(Sarstedt, Germany)において、細胞培養の節で記述する適切な増殖培地中で、単層としてコンフルエンス付近まで増殖させた。アッセイの開始前に、細胞を、25mM HEPES(pH7.4)、1%BSA(Sigma-Aldrich, Denmark)、2%インク(Soluro GMBH, Germany)、0.01%プルロニックF-127(Sigma-Aldrich, Denmark)および1mMプロベネシド(Probenecide)(Sigma-Aldrich)を含むハンクス平衡塩溶液(HBSS、ThermoFischer Scientific, Denmark)を1:1で混合した完全培養培地中で、1.5μM Fluo-4 AMと共に、37℃で60分間インキュベートした。
【0126】
全てのテスト化合物を水に溶解し、25mM HEPES(pH7.4)、1%BSAおよび2%インクを含む1xHBSS中に希釈した。過剰なFluo-4 AMを何ら除去せず、テスト化合物をウェル中に直接加え、蛍光をマイクロタイタープレートリーダー(SpectraMax M5, Molecular Devices, USA)において488nmの励起および525nmの発光の装置設定を用いて測定した。
【0127】
細胞培養:
細胞培養培地、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4(DPBS)、グルタミン、トリプシン-EDTAおよび抗生物質を、ThermoFischer Scientific (Denmark)から得た。ウシ胎児血清および他の全ての化学物質は、他に記述がない限り、Sigma-Aldrich (Denmark)から購入した。
【0128】
インビトロにおいてプログルカゴン遺伝子を発現し、GLP-1を分泌するマウス腸内分泌L細胞株を用いた。細胞を、1g/L D-グルコース、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/ネオマイシンを含むDMEM中で増殖させ、加湿インキュベーター中で95%空気および5%CO2、37℃で培養した。
【0129】
他のマウス腸細胞株を、2mMグルタミン、2.5g/Lグルコース、20mM HEPES、60nM亜セレン酸ナトリウム、5μg/mlトランスフェリン、5μg/mlインスリン、50nMデキサメタゾン、10nM EGF、1nMトリヨードチロニン、2%ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン/ネオマイシンを添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で、5%CO2-95%空気雰囲気下、37℃で培養した。
【0130】
ヒト腸細胞株を、10%ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン/ネオマイシンを添加したマッコイ改変5A培地中で、加湿インキュベーターにおいて5%CO2、37℃で培養した。
【0131】
細胞を、通常の方法で1:3で継代培養し、新たな培地を2日毎に与えた。
【0132】
GLP-1レベルの決定:
GLP-1レベルを、サンドウィッチ酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて決定した。GLP-1に対する一次抗体(0.05M重炭酸/炭酸緩衝液中の2.5μg/mlマウスモノクローナル(HYB 147-06);BioPorto Diagnostics A/S, Gentofte, Denmark)を、平底96ウェルプレート(Sarstedt, Numbrecht, Germany)上に、4℃で少なくとも24時間被覆した。この一次抗体はペプチドのアミド化したC末端に特異的であり、GLP-1(7-36)、GLP-1(9-36)およびGLP-1(1-36)と反応するが、GLP-1(7-37)とは反応しない。プレートを4% w/v BSA(Sigma-Aldrich, Denmark)および0.1% v/v Tween20(Sigma-Aldrich)を含むPBS緩衝液を用いて1時間室温でブロックした後、プレートを0.1% v/v Tween20を含むPBS緩衝液で4回洗浄した。0pg/ml~1000pg/mlの範囲のGLP-1ペプチド(ヒトGLP-1(7-36)、Sigma-Aldrich, Denmark)濃度での検量線を、0.5%BSAおよび0.05%Tween20を含むPBS緩衝液において作成し、試料を必要に応じて希釈した。試料および基準をマイクロタイタープレートに加え、一次抗体と共に室温で2時間インキュベートした。次いで、プレートを4回洗浄し、ウェルをGLP-1に対するビオチン化した二次抗体(1μg/ml;マウスモノクローナル(ABS 033-01)、BioPorto Diagnostics A/S, Gentofte, Denmark)と共に室温で2時間インキュベートした。さらなる洗浄の工程後、試料をストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼ(1:200、Dako A/S, Denmark)と共に45分間インキュベートし、次いでTMB溶液(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジンおよびH2O2を含む、SMS-gruppen, Denmark)と共にインキュベートした。反応をH2SO4(0.2M)を加えることで停止し、黄色の最終生成物の吸光度をマイクロタイタープレート分光光度計(SpectraMax M5, Molecular Devices, USA)上で450nmにおいて測定した。試料濃度を、基準溶液の濃度に対する内挿によって決定した。
【0133】
細胞(試料毎に約5x10^5個)を、種々の量(重量/体積)のタンパク質加水分解物(ブタの心臓)存在下または非存在下において、5.56mMグルコースを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で最大で90分間インキュベートした。上清を0.45ミクロンのフィルターに通して濾過し、ELISAプロトコルに記述されるようにGLP-1の含量をアッセイした。データは4通りの試料からの平均値+SEMである。
【0134】
肉の酵素消化による生理活性ペプチドの調製
ミンチした肉を蒸留水で1~10倍希釈し、塩酸でpHを1~3に調製し、0.01~10%ペプシン(w/w)と共に、4~40℃で30分~12時間、適切に混合しながらインキュベートした。不溶性物質を100~1000xgで3~30分遠心することによって除去し、上清をNaOHで中和した。無菌条件を用いて、上清中の低分子量ペプチドを4~40℃で30分~12時間のタンジェンシャル超遠心(tangential ultrafiltration)によって回収し、過剰量の水を25~50℃で最大で12時間蒸発させた。濃縮した透析液を細胞での生理活性についてテストし、HPLCによるさらなる精製のために使用した。
【0135】
生理活性ペプチドASDKPYILの精製および同定
濃縮した透析液を、緩衝液B(20mMリン酸緩衝液pH8.25/10%ACN)および緩衝液A(同一の緩衝液における60%ACN)の0~40%の勾配を用いて調整用C18カラム上で分画した。分画を生理活性についてテストし、等張の0.1%FA中の4.5%ACNを含むEVO C18カラムを用いて、30分間の定組成溶離によってさらに精製した。分画にMSの特徴付けを行い、m/z453.75(+2)での支配的なピークが観察された。抽出したイオンクロマトグラムは、このピークが全ての活性分画に存在することを示す。453.75のピークのデノボシーケンス(de novo sequencing)は、[A]SDKPY[I,L][I,L]を与える。N末端のAは親イオン-A7から計算される。IおよびLは等分子量のため、MSでは分離されない。タンパク質配列の検索はマッチとしてASDKPYILのみを与える。ASDKPYILは、主要な筋タンパク質であるアルファ-アクチニン2においてのみ発見される。
【0136】
エクスビボ(ex vivo)におけるペプチドの安定性
ペプチドは消化管におけるプロテアーゼによって分解される。しかしながら、この分解の速度はペプチドの配列に依存する。ASDKPYILペプチドシリーズの安定性を測定し、例えばRRKPYILと比較するために、10または50mg(湿重量)のマウスまたはラットの腸組織(回腸遠位部)を、V底24ウェルプレートにおいて800μl HBSS、25mM HEPES、pH7.4中、37℃で、350rpmで振盪しながら平衡化した。同一量の種々のペプチド(1μg/mlの終濃度)を腸の断片に添加し、インキュベーションを継続した。種々の時点において、100μlのアリコートを取り出し、プロテアーゼ活性と非特異的に競合する乳清タンパク質加水分解物(10mg/mlの終濃度)中に希釈した。次いで、ペプチド溶液を希釈し、生理活性をテストした(
図8)。同一の条件であるが腸の非存在下でインキュベートされたペプチドは、対照(分解なし)として役立つ。組織による単純な不活化を仮定すると、細胞の刺激についてのEC50の決定は、回収されたペプチドの計算(
図9)を可能にする。
【0137】
実施例2
1)構造-活性相関および安定性(SAR)
a.伸長型
b.置換型
2)マウスにおけるインビボ研究
c.飼料摂取に対する急性効果(持続満腹感)
d.体重に対する長期効果が決定され得る
【0138】
DC7-2およびNTR-1の相互作用の構造モデリング研究に基づいて、結合の増加による効力の増加を示すオクタペプチド、ヘプタペプチド、ヘキサペプチドまたはペンタペプチドのペプチドを予測し得る。
【0139】
合成ペプチドを用いたSAR研究の比較、効力および安定性が増加したペプチドが予測され、かつ観察され得る。
【0140】
アッセイ:
合成ペプチド:
天然ホルモンニューロテンシン(QLYENKPRRPYIL)、生理活性のニューロテンシンフラグメントNT(8-13)(RRPYIL)および同定された生理活性オクタペプチドDC7-2(ASDKPYIL)の配列に基づいて、オクタペプチド(X-SDKPYIL)、ヘプタペプチド(X-DKPYIL)、ヘキサペプチド(X-KPYIL)およびペンタペプチド(X-PYIL)のN末端アミノ酸の体系的な置換を伴う合成ペプチドを標準的な技術(Schafer-N, Denmark)を用いて合成した。全てのペプチドを、HPLCグレードの純水に溶解し、-20℃で保存した。
【0141】
ペプチドの安定性:
濃度決定:
合成ペプチド(Schafer-N, Denmark)、NT(Sigma-Aldrich, Denmark)、NT(8-13)(Sigma-Aldrich, Denmark)のタンパク質濃度を、Costar(登録商標)96ウェルUV透過性プレート(Corning, Sigma-Aldrich, Denmark)において280nmの吸光度を測定することによって決定した。各ペプチドを、25mM HEPES(pH7.4)(Sigma-Aldrich, Denmark)を含むハンクス平衡塩溶液(HBSS、ThermoFischer Scientific, Denmark)中への希釈による4種の濃度において測定した。安定性アッセイのために、全てのペプチドを、HBSS;25mM HEPES(Ph7.4)中において3x10-5Mに希釈し、+4℃で保存した。
【0142】
腸ホモジネート:
20匹の雄性Swiss Webster由来の小腸を、スピードを5に設定したIKA(登録商標)ベーシック18Ultra-Turrax組織ホモジナイザーを用いて、350mlのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.4)(ThermoFischer Scientific, Denmark)中でホモジナイズし、次いで100μmのナイロンメッシュフィルターを用いて濾過した。タンパク質濃度を、ビシンコニン酸アッセイ(ThermoFischer Scientific, Denmark)および基準としてウシ血清アルブミンを用いて6mg/mlとした。腸ホモジネートを25mM HEPES(pH7.4)を含むHBSSで10倍希釈し、ペプチドと共にインキュベートする前に、さらに30X、90X、270X、810Xまたは2430X希釈した。全ての溶液を、ペプチド溶液と混合する前に37℃まで予熱した。
【0143】
ペプチドを10-5Mで、小腸ホモジネートの希釈液と共に37℃で90分間振盪しながらインキュベートした。反応を1Mリン酸の添加(終濃度0.4M、pH約1.2)によって停止した。次いで、各ペプチドのインキュベーション混合物をpH7.2~7.4までNaOHで中和し、腸細胞における活性について即座にテストした。各ペプチドは分解なしの対照(すなわち、腸ホモジネートの添加の前に1Mリン酸の添加)を含んでいた。
【0144】
ウシ胎児血清:
全てのペプチドを10-5Mで、ウシ胎児血清(FBA;66.7%の終濃度)(Sigma Aldrich, Denmark)と共に37℃で3時間インキュベートした。ペプチド分解を1Mリン酸(終濃度0.4M、pH約1.2)を用いて終結させ、腸細胞における活性をテストする前に、pH7.2~7.4までNaOHで中和した。小腸ホモジネートに関して、各ペプチドは分解なしの対照を含んでいた。
【0145】
選択されたペプチドの動態研究:
DC7-2、NT、DKPYILおよびNT-(8-13)(10-6Mの終濃度)を、FBSまたは270X希釈した腸ホモジネートのいずれかと共に37℃で種々の時間、振盪しながらインキュベートした。分解を1Mリン酸で停止し、次いで試料を中和し、上述の腸細胞を用いて即座にテストした。各ペプチドは上述のように分解なしの対照を含んでいた。
【0146】
ヘキサペプチドの研究:
体系的なN末端置換(X-KPYIL)(Schafer-N, Denmark)およびNT(8-13)を含む20種のヘキサペプチドを10-6Mで、FBSと共に10分間、または270X希釈した腸ホモジネートと共に30分間のいずれかにおいて、37℃で振盪しながらインキュベートした。分解を1Mリン酸で停止した。ペプチド溶液をNaOHで中和(pH7.2~7.4)し、希釈し、マウス腸細胞を用いて生理活性について即座にテストした。細胞の刺激についてのEC50の決定は回収したペプチドの計算を可能にした。
【0147】
オクタペプチドASDKPYILにおけるN末端アミノ酸の体系的な置換ならびに活性および安定性についてのその重要性。DC7-2の配列、活性および安定性を灰色で示す。
【表1】
【0148】
表の注釈1)血清での安定性は、実施例に記述されるように、未消化の試料と比較して、血清中での37℃、10分のインキュベーション後に残ったペプチド活性の割合として表される。2)腸での安定性は、実施例に記述されるように、腸ホモジネート中での37℃、30分のインキュベーション後に残った%活性として表される。
【0149】
ヘプタペプチドSDKPYILにおけるN末端アミノ酸の体系的な置換ならびに活性および安定性についてのその重要性。DC7-2中に含まれるペプチドの配列、活性および安定性を灰色で示す。
【表2】
【0150】
ヘキサペプチドDKPYILにおけるN末端アミノ酸の体系的な置換ならびに活性および安定性についてのその重要性。DC7-2中に含まれるペプチドの配列、活性および安定性を灰色で示す。
【表3】
【0151】
ペンタペプチドKPYILにおけるN末端アミノ酸の体系的な置換ならびに活性および安定性についてのその重要性。DC7-2中に含まれるペプチドの配列、活性および安定性を灰色で示す。
【表4】
【0152】
結論として、この結果は、オクタペプチドおよびヘプタペプチドがより安定であり、ヘキサペプチドのN末端のaaが安定性に対して重要な意味を持つことを明示する。
【0153】
天然ホルモンのヘキサペプチドであるニューロテンシン(8-13)(配列RRPYILを含むNT)と比較すると、本発明のある特定のペプチドDKPYILは血清中でほぼ100倍安定であり、腸ホモジネート中で約100~1000x安定である。
【0154】
インビボ研究
持続満腹感に対するDC7-2の急性効果を
図12、17~20に示す。
【配列表】