(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】実装装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20220805BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
(21)【出願番号】P 2021562898
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 JP2020027600
(87)【国際公開番号】W WO2022013995
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】519294332
【氏名又は名称】株式会社新川
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャンギーロブ アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】瀬山 耕平
【審査官】篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-16544(JP,A)
【文献】特開2007-12641(JP,A)
【文献】国際公開第2009/128206(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/107395(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被実装体に配置された半導体チップを押圧する実装装置であって、
前記半導体チップが配置された前記被実装体を保持するボンディングステージと、
前記ボンディングステージを支える基台と、
前記被実装体に対して接離方向に移動して、前記半導体チップを前記被実装体に押圧する押圧ツールが先端に取付けられた実装ヘッドと、
前記基台に設けられ、カバーフィルムを前記ボンディングステージに沿って移動させて前記半導体チップと前記押圧ツールとの間に前記カバーフィルムを配置するフィルム配置機構と、を備え、
前記フィルム配置機構は、
前記カバーフィルムをガイドし、前記ボンディングステージに接触する接触部を有して前記カバーフィルムの前記ボンディングステージに対する高さを規定するフィルムガイドと、
弾性部材を介して前記フィルムガイドに接続され、前記フィルムガイドを前記ボンディングステージに対して昇降させる昇降機構と、を含むこと、
を特徴とする実装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の実装装置であって、
前記フィルムガイドと前記昇降機構とは、前記ボンディングステージを挟んで前記ボンディングステージの両側にそれぞれ設けられていること、
を特徴とする実装装置。
【請求項3】
請求項2に記載の実装装置であって、
前記フィルム配置機構は、前記ボンディングステージを挟んで前記ボンディングステージの両側にそれぞれ設けられた前記フィルムガイドの間を連結する連結部材を備えること、
を特徴とする実装装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の実装装置であって、
前記昇降機構は、
前記基台に設けられて上下方向に延びるガイドレールと、
前記ガイドレールにガイドされて上下方向に移動するスライダと、
一端が前記スライダに対して前記弾性部材を介して所定上下幅だけ上下方向に相対移動可能に取付けられ、他端に前記フィルムガイドが取付けられる接続部材と、を含み、
前記スライダは、前記フィルムガイドの前記接触部が前記ボンディングステージの上面に接した際に、前記弾性部材と前記接続部材とを介して前記フィルムガイドを前記ボンディングステージの上面に押圧すること、
を特徴とする実装装置。
【請求項5】
請求項4に記載の実装装置であって、
前記フィルム配置機構は、
前記ボンディングステージを挟んで前記ボンディングステージの両側の前記基台に設けられ、前記カバーフィルムが掛け渡される一対のローラを含み、順次、新たな前記カバーフィルムを送りだすフィルム送り出し機構を含み、
前記フィルム送り出し機構は、各前記ローラを支持する各ベースを含み、
前記昇降機構の各前記ガイドレールは各前記ベースに取付けられていること、
を特徴とする実装装置。
【請求項6】
請求項2に記載の実装装置であって、
前記フィルム配置機構は、
前記ボンディングステージの一方側に設けられた一方側フィルムガイド及び一方側昇降機構と、
前記ボンディングステージの他方側に設けられた他方側フィルムガイド及び他方側昇降機構と、を含み、
前記一方側昇降機構は、
一方側の前記基台に設けられて上下方向に延びる一方側ガイドレールと、
前記一方側ガイドレールにガイドされて上下方向に移動するスライダと、
一端が前記スライダに対して前記弾性部材を介して所定上下幅だけ上下方向に相対移動可能に取付けられ、他端に前記一方側フィルムガイドが取付けられる接続部材と、を含み、
前記他方側昇降機構は、
他方側の前記基台に設けられて上下方向に延びて前記他方側フィルムガイドを上下方向にガイドする他方側ガイドレールを含み、
前記フィルム配置機構は、前記一方側フィルムガイドと前記他方側フィルムガイドとを連結する連結部材を備え、
前記スライダは、前記一方側フィルムガイドの前記接触部と前記他方側フィルムガイドの前記接触部とが前記ボンディングステージの上面に接した際に、前記弾性部材と前記接続部材とを介して前記一方側フィルムガイドの前記接触部を前記ボンディングステージの上面に押圧すると共に、前記連結部材を介して前記他方側フィルムガイドの前記接触部を前記ボンディングステージの上に押圧すること、
を特徴とする実装装置。
【請求項7】
請求項6に記載の実装装置であって、
前記フィルム配置機構は、
前記ボンディングステージを挟んで前記ボンディングステージの両側の前記基台に設けられ、前記カバーフィルムが掛け渡される一対のローラを含み、順次、新たな前記カバーフィルムを送りだすフィルム送り出し機構を含み、
前記フィルム送り出し機構は、各前記ローラを支持するベースをそれぞれ含み、
前記一方側ガイドレールは一方側の前記ベースに取付けられており、前記他方側ガイドレールは他方側の前記ベースに取付けられていること、
を特徴とする実装装置。
【請求項8】
請求項4から7のいずれか1項に記載の実装装置であって、
前記接続部材は、上フランジと、前記上フランジと対向する下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとの間を接続するウェブとで構成される溝形断面部材で、
前記上フランジと前記下フランジとの間で上下方向に延びるスライダガイドを備え、
前記スライダは、前記スライダガイドにガイドされて前記上フランジと前記下フランジとの間で前記接続部材に対して上下方向に相対移動可能であり、
前記弾性部材は、前記スライダの下端と前記下フランジの上面との間に設けられていること、
を特徴とする実装装置。
【請求項9】
請求項5または7に記載の実装装置であって、
前記フィルム配置機構は、前記フィルム送り出し機構を前記ボンディングステージに対して水平方向に移動させる移動機構を含むこと、
を特徴とする実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着材料を介して半導体チップを基板または他の半導体チップである被実装体に実装する実装装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体チップを、ワイヤを介することなく、基板または他の半導体チップである被実装体に実装するフリップチップボンダ技術が広く知られている。フリップチップボンダでは、予め、被実装体に熱硬化性樹脂からなる接着材料を塗布しておき、押圧ツールによって半導体チップを昇温及び押圧して電極上のはんだを溶融させると共に被実装体の上の接着材料を硬化させた後、押圧ツールを冷却してはんだを固化させて基板に半導体チップを接合する。この場合、押圧ツールで半導体チップを昇温および加圧する際に、半導体チップで押し出された接着材料が、上方に這い上がり、実装ヘッドに付着することがあった。
【0003】
こうした接着材料の押圧ツールへの付着を防止するために、押圧ツールの底面を、フィルム部材(カバーフィルム)で覆った実装装置が開示されている。例えば、特許文献1には、ボンディングステージの上に基板と半導体チップからなるワークを載置した後、樹脂フィルムを水平方向に移動させてワークと接合ツールとの間に樹脂フィルムを介在させ、その後、樹脂フィルムの上から接合ツールで半導体チップを押圧すると共に、加熱、超音波振動させてバンプと電極とを接合すると共に、接着材で半導体チップを基板の上に固定する装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された装置のように、押圧ツールと半導体チップとの間にカバーフィルムを介在させた状態で、樹脂フィルムの上から接合ツールで半導体チップを押圧、加熱する場合、ワークを吸着固定するボンディングステージとカバーフィルムとが平行に配置されていないと、接合ツールで半導体チップを押圧、加熱した際に、半導体チップで押し出された接着材料が、偏って這い上がることや、実装時に静電気が発生する場合がある。このため、このような装置では、ボンディングステージとカバーフィルムとの平行度が要求される。
【0006】
一方、ボンディングステージはヒータで加熱されることから、ボンディングステージの熱膨張によってボンディングステージとカバーフィルムの平行度が保てない場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、押圧ツールと半導体チップとの間にカバーフィルムを介在させて被実装体に半導体チップを押圧する実装装置において、ボンディングステージとカバーフィルムの平行度を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実装装置は被実装体に配置された半導体チップを押圧する実装装置であって、半導体チップが配置された被実装体を保持するボンディングステージと、ボンディングステージを支える基台と、被実装体に対して接離方向に移動して、半導体チップを被実装体に押圧する押圧ツールが先端に取付けられた実装ヘッドと、基台に設けられ、カバーフィルムをボンディングステージに沿って移動させて半導体チップと押圧ツールとの間にカバーフィルムを配置するフィルム配置機構と、を備え、フィルム配置機構は、カバーフィルムをガイドし、ボンディングステージに接触する接触部を有してカバーフィルムのボンディングステージに対する高さを規定するフィルムガイドと、弾性部材を介してフィルムガイドに接続され、フィルムガイドをボンディングステージに対して昇降させる昇降機構と、を含むこと、を特徴とする。
【0009】
このように、昇降機構でフィルムガイドの高さを調節してボンディングステージとカバーフィルムとの平行度を確保することができる。
【0010】
本発明の実装装置において、フィルムガイドと昇降機構とは、ボンディングステージを挟んでボンディングステージの両側にそれぞれ設けられてもよい。
【0011】
このように、ボンディングステージの両側でボンディングステージに対するカバーフィルムの高さを調整するので、ボンディングステージとカバーフィルムとの平行度を確保することができる。
【0012】
本発明の実装装置において、フィルム配置機構は、ボンディングステージを挟んでボンディングステージの両側にそれぞれ設けられたフィルムガイドの間を連結する連結部材を備えてもよい。
【0013】
これにより、両側のフィルムガイドの高さのズレを無くし、ボンディングステージとカバーフィルムとの平行度を確保することができる。
【0014】
本発明の実装装置において、昇降機構は、基台に設けられて上下方向に延びるガイドレールと、ガイドレールにガイドされて上下方向に移動するスライダと、一端がスライダに対して弾性部材を介して所定上下幅だけ上下方向に相対移動可能に取付けられ、他端にフィルムガイドが取付けられる接続部材と、を含み、スライダは、フィルムガイドの接触部がボンディングステージの上面に接した際に、弾性部材と接続部材とを介してフィルムガイドをボンディングステージの上面に押圧してもよい。
【0015】
このように、弾性部材の付勢力でボンディングステージの上にフィルムガイドを押圧するので、ボンディングステージの表面に対するフィルムガイドの高さを一定にすることができ、ボンディングステージとカバーフィルムとの平行度を確保することができる。
【0016】
本発明の実装装置において、フィルム配置機構は、ボンディングステージを挟んでボンディングステージの両側の基台に設けられ、カバーフィルムが掛け渡される一対のローラを含み、順次、新たなカバーフィルムを送りだすフィルム送り出し機構を含み、フィルム送り出し機構は、各ローラを支持する各ベースを含み、昇降機構の各ガイドレールは各ベースに取付けられてもよい。
【0017】
このように、昇降機構がフィルム送り出し機構のベースに取付けられているので、昇降機構とフィルムガイドとがフィルム送り出し機構と共にボンディングステージに対して水平方向に移動することができる。
【0018】
本発明の実装装置において、フィルム配置機構は、ボンディングステージの一方側に設けられた一方側フィルムガイド及び一方側昇降機構と、ボンディングステージの他方側に設けられた他方側フィルムガイド及び他方側昇降機構と、を含み、一方側昇降機構は、一方側の基台に設けられて上下方向に延びる一方側ガイドレールと、一方側ガイドレールにガイドされて上下方向に移動するスライダと、一端がスライダに対して弾性部材を介して所定上下幅だけ上下方向に相対移動可能に取付けられ、他端に一方側フィルムガイドが取付けられる接続部材と、を含み、他方側昇降機構は、他方側の基台に設けられて上下方向に延びて他方側フィルムガイドを上下方向にガイドする他方側ガイドレールを含み、フィルム配置機構は、一方側フィルムガイドと他方側フィルムガイドとを連結する連結部材を備え、スライダは、一方側フィルムガイドの接触部と他方側フィルムガイドの接触部とがボンディングステージの上面に接した際に、弾性部材と接続部材とを介して一方側フィルムガイドの接触部をボンディングステージの上面に押圧すると共に、連結部材を介して他方側フィルムガイドの接触部をボンディングステージの上に押圧してもよい。
【0019】
このように、一方側に配置されたスライダによって一方側フィルムガイドと他方側フィルムガイドとを昇降させるので、簡便な構成でボンディングステージとカバーフィルムとの平行度を確保することができる。
【0020】
本発明の実装装置において、フィルム配置機構は、ボンディングステージを挟んでボンディングステージの両側の基台に設けられ、カバーフィルムが掛け渡される一対のローラを含み、順次、新たなカバーフィルムを送りだすフィルム送り出し機構を含み、フィルム送り出し機構は、各ローラを支持するベースをそれぞれ含み、一方側ガイドレールは一方側のベースに取付けられており、他方側ガイドレールは他方側のベースに取付けられてもよい。
【0021】
このように、昇降機構がフィルム送り出し機構のベースに取付けられているので、昇降機構とフィルムガイドとがフィルム送り出し機構と共にボンディングステージに対して水平方向に移動することができる。
【0022】
本発明の実装装置において、接続部材は、上フランジと、上フランジと対向する下フランジと、上フランジと下フランジとの間を接続するウェブとで構成される溝形断面部材で、上フランジと下フランジとの間で上下方向に延びるスライダガイドを備え、スライダは、スライダガイドにガイドされて上フランジと下フランジとの間で接続部材に対して上下方向に相対移動可能であり、弾性部材は、スライダの下端と下フランジの上面との間に設けられてもよい。
【0023】
これにより、簡便な構成でスライダが上昇する際にフィルムガイドはスライダと共に上昇し、スライダが下降してフィルムガイドがボンディングステージの上に接した際に弾性部材の付勢力でフィルムガイドをボンディングステージの上に押圧することができる。
【0024】
本発明の実装装置において、フィルム配置機構は、フィルム送り出し機構をボンディングステージに対して水平方向に移動させる移動機構を含んでもよい。
【0025】
これにより、フィルム送り出し機構と昇降機構とフィルムガイドとを一体にしてボンディングステージに対して水平方向に移動させることができる。
【発明の効果】
【0026】
押圧ツールと半導体チップとの間にカバーフィルムを介在させて被実装体に半導体チップを押圧する実装装置において、ボンディングステージとカバーフィルムの平行度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態の実装装置の構成を示す概略立面図である。
【
図2】実施形態の実装装置の構成を示す概略平面図である。
【
図3】実施形態の実装装置の一方側の構成を示す立面図で、
図2に示すA-A矢視である。
【
図4】実施形態の実装装置の一方側の構成を示す平面図である。
【
図5】実施形態の実装装置の昇降機構でフィルムガイドを下降させてボンディングステージの上面に当接させた状態を示す立面図で、
図2に示すA-A矢視である。
【
図6】
図5に示す状態で実装ヘッドを下降させて半導体チップを基板に実装している状態を示す立面図で、
図2に示すA-A矢視である。
【
図7】他の実施形態の実装装置の構成を示す立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら実施形態の実装装置10について説明する。実装装置10は、被実装体である基板104の上に複数の半導体チップ100を実装することで半導体装置を製造する装置である。
【0029】
図1、
図2に示す様に、実装装置10は、ボンディングステージ20と、基台21と、実装ヘッド17と、フィルム配置機構30と、これら各部の移動を制御する制御部80と、を有している。以下の説明では、カバーフィルム110の延びる方向をX方向、水平面でX方向と直角方向をY方向、上下方向をZ方向として説明する。また、後で説明する巻き取りローラ63bが設けられている側を一方側、送り出しローラ63aが設けられている側を他方側として説明する。
【0030】
ボンディングステージ20は、上面に基板104を保持するステージである。このボンディングステージ20には、例えば、基板104を吸引保持する吸引孔(図示せず)や、基板104を加熱するためのヒータ(図示せず)などが設けられている。このボンディングステージ20は、基台21によって支えられている。
【0031】
実装ヘッド17は、ボンディングステージ20と対向して設けられており、本体11と、本体11の下側に取付けられた断熱ブロック12と、断熱ブロック12の下側に取付けらたれヒータ14と、ヒータ14の下側に取付けらたれ押圧ツール16とで構成されている。
【0032】
本体11は、内部に設けられた駆動機構によりボンディングステージ20の上に吸着された基板104に対する接離方向である上下方向に移動可能であると共に、基板104に対して水平方向にも移動可能となっている。
【0033】
断熱ブロック12は、本体11とヒータ14との間に挟まれて、ヒータ14の熱が本体11に伝わるのを防止するセラミックス製の板状部材である。ヒータ14は、窒化アルミ等のセラミックスの内部に白金或いはタングステン等で構成された発熱抵抗体を埋め込んだものである。
【0034】
ヒータ14の上面には、
図1の紙面に垂直方向に延びる2つの冷却溝15が設けられている。また、断熱ブロック12には、側面からL字型に延びて側面とヒータ14に設けられた冷却溝15とを連通する空気流路13が設けられている。ヒータ14は、制御部80から電力が入力されると発熱抵抗体が発熱して温度が上昇し、ヒータ14の下側に取付けられている押圧ツール16を加熱する。また、ファン19からの空気を断熱ブロック12の空気流路13に流すとヒータ14が冷却され、これにより、押圧ツール16が冷却される。
【0035】
押圧ツール16は、上面の大きさがヒータ14と略同一の大きさで、下側に半導体チップ100の吸着及び押圧を行う突部16aが設けられている。突部16aの大きさは半導体チップ100の大きさと略同一である。押圧ツール16はセラミックス製である。押圧ツール16には、半導体チップ100を吸引保持するための吸引孔18が形成されている。この吸引孔18は、ヒータ14、断熱ブロック12を貫通して本体11から図示しない吸引ポンプに連通されており、当該吸引ポンプによって発生する負圧により、半導体チップ100が、押圧ツール16の突部16aの下面に吸引保持される。
【0036】
実装装置10の基台21には、半導体チップ100を実装する際に、半導体チップ100と押圧ツール16との間にカバーフィルム110を介在させるフィルム配置機構30が設置されている。カバーフィルム110の素材としては、耐熱性に優れ、接着材料108の剥離性が高い素材が適している。したがって、カバーフィルム110の素材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂を用いることができる。
【0037】
フィルム配置機構30は、フィルムガイド40と、連結部材46と、昇降機構50と、フィルム送り出し機構60と、移動機構70と、を含んでいる。
【0038】
フィルム送り出し機構60は、帯状のカバーフィルム110を順次、基板104の上方に送り出しする。ボンディングステージ20の他方側に設けられた送り出しローラ63aおよび一方側に設けられた巻き取りローラ63b(以下、送り出しローラ63a/巻き取りローラ63bを区別しない場合は、単に「フィードローラ63」と呼ぶ)を有している。カバーフィルム110は、この一対のフィードローラ63の間に掛け渡されている。送り出しローラ63aが、所定の送り出し方向(
図1における矢印91の方向)に回転することで、新たなカバーフィルム110が、順次、送り出しされる。また、送り出しローラ63aと連動して巻き取りローラ63bが、送り出しローラ63aと同方向に回転することで、使用済みのカバーフィルム110が、巻き取りローラ63bに巻き取られて回収される。送り出しローラ63aと巻き取りローラ63bとはそれぞれ図示しない駆動モータで駆動される。なお、送り出しローラ63aはモータで駆動されず巻き取りローラ63bの回転に伴い従動する従動ローラであってもよい。
【0039】
送り出しローラ63aと、巻き取りローラ63bとの支持構造65は同一で、両者はボンディングステージ20を挟んで対称になっている点のみが異なっている。また、昇降機構50と、フィルムガイド40と、移動機構70とは、ボンディングステージ20の一方側と他方側とにそれぞれ設けられており、両者は、ボンディングステージ20を挟んで対称になっている点のみが異なっている。そこで、以下、ボンディングステージ20の一方側に配置された巻き取りローラ63bの支持構造65と、昇降機構50と、フィルムガイド40と、移動機構70と、について説明する。
【0040】
図3、
図4に示す様に、巻き取りローラ63bの支持構造65は、ベース61と、フレーム62とで構成されている。ベース61は、ボンディングステージ20の一方側の基台21の上面に設けられてY方向に延びるレール71の上にY方向に移動可能に取付けられている。フレーム62は、ベース61の上に取付けられた4本の柱と各柱の上部を接続する4本の梁で構成されている。X方向に延びる対向する2本の梁には、巻き取りローラ63bのシャフト64が回転自在に取付けられている。
【0041】
フィルム送り出し機構60の巻き取りローラ63bを支持するベース61には、昇降機構50が取付けられており、昇降機構50にはフィルムガイド40が接続されている。フィルムガイド40は、カバーフィルム110のボンディングステージ20に対する高さを規定し、昇降機構50は、フィルムガイド40をボンディングステージ20に対して昇降させる。
【0042】
昇降機構50は、ガイドレール51と、スライダ54と、接続部材55と、スプリング56と、Z方向アクチュエータ58とで構成されている。スプリング56は、弾性部材の一例であるがこれに限らず板バネ、ゴム、スポンジ等の弾性部材を用いることができる。
【0043】
ガイドレール51は、フィルム送り出し機構60のベース61の上面に上下方向に延びるように取り付けられている。スライダ54は、本体部52と、アーム部53とで構成されている。本体部52は、中央に設けられた穴52aがガイドレール51に嵌まり込み、ガイドレール51に沿って上下方向に移動可能である。また、本体部52の下端には、ベース61の上に取付けられたZ方向アクチュエータ58の先端が接続されており、本体部52はZ方向アクチュエータ58によって上下方向に駆動される。アーム部53は、一端が本体部52に接続され、他端に設けられた穴53aが後で説明する接続部材55のスライダガイド57に嵌まり込み、スライダガイド57に対して上下方向に移動可能に接続されている。
【0044】
接続部材55は、板状の上フランジ55aと、上フランジ55aと対向する板状の下フランジ55bと、上フランジ55aと下フランジ55bとの間を上下方向に接続する板状のウェブ55cとで構成される溝形断面部材である。上フランジ55aと下フランジ55bとの間には、上下方向に延びるスライダガイド57が設けられている。スライダ54のアーム部53は、穴53aがスライダガイド57に嵌まり込み、スライダガイド57にガイドされて上フランジ55aと下フランジ55bとの間で接続部材55に対して上下方向に相対移動可能に接続されている。
【0045】
つまり、スライダ54のアーム部53は、接続部材55の上フランジ55aの下面と下フランジ55bの上面との間の所定上下幅だけ接続部材55に対して上下方向に相対移動可能に取付けられている。換言すれば、接続部材55は、上フランジ55aの下面と下フランジ55bの上面との間の所定上下幅だけスライダ54のアーム部53に対して上下方向に相対移動可能に取付けられている。
【0046】
接続部材55の下フランジ55bの上面とスライダ54のアーム部53の下面との間には、スプリング56が取付けられている。スプリング56は、スライダ54のアーム部53の上面が上フランジ55aの下面に接するようにアーム部53を上方向に向かって付勢する。
【0047】
フィルムガイド40は、接続部材55のウェブ55cのボンディングステージ20の側の面に接続されている。フィルムガイド40は、基体部41と、下ガイドローラ42と、上ガイドローラ43と、ストッパ44とで構成されている。
【0048】
基体部41は、ウェブ55cに接続されてボンディングステージ20の上面でカバーフィルム110の側端に沿ってボンディングステージ20に向かって延びる長手部材である。下ガイドローラ42は、基体部41のボンディングステージ20の側の先端部の側面に取付けられて、基体部41からカバーフィルム110の延びる方向と直角方向にカバーフィルム110に向かって延び、下側にカバーフィルム110が巻きかけられる円柱状の回転体である。上ガイドローラ43は、下ガイドローラ42の一方側に配置されている。上ガイドローラ43は、基体部41の側面に取付けられて基体部41からカバーフィルム110の延びる方向と直角方向にカバーフィルム110に向かって延び、上側にカバーフィルム110が巻きかけられる円柱状の回転体である。
【0049】
ストッパ44は、基体部41の下端面に取付けられて基体部41からY方向マイナス側に向かって延びる板状部材である。ストッパ44は、下端がボンディングステージ20の一方側の上面に当接する位置に配置されており、ボンディングステージ20の上面に接触する接触部を構成する。ストッパ44の高さは、ストッパ44の下端がボンディングステージ20の上面に当接した際に、カバーフィルム110の下面の高さが基板104の上に仮圧着された半導体チップ100の上面に接する高さとなっている。
【0050】
一方側のフィルムガイド40の基体部41の先端と、他方側のフィルムガイド40の基体部41の先端とは、連結部材46で接続されている。連結部材46は、ボンディングステージ20の上面でカバーフィルム110の側端に沿ってX方向に延びる長手部材である。なお、他方側のフィルムガイド40は一方側のフィルムガイド40とボンディングステージ20に対して対称形状となっている点以外は一方側と同一構造である。
【0051】
図1,2に示す様に、一方側のフィルムガイド40の上ガイドローラ43に巻きかけられたカバーフィルム110は、一方側に配置された巻き取りローラ63bに向かって延び、巻き取りローラ63bに巻き取られる。また、一方側のフィルムガイド40の下ガイドローラ42に巻きかけられたカバーフィルム110は、他方側に延び、他方側に配置されたフィルムガイド40の下ガイドローラ42の下側に巻きかけられた後、他方側に配置されたフィルムガイド40の上ガイドローラ43の上側に巻きかけられて送り出しローラ63aに向かって延びる。
【0052】
このように、他方側の送り出しローラ63aと一方側の巻き取りローラ63bとの間に掛け渡されたカバーフィルム110は、ボンディングステージ20の両側に配置された2つのフィルムガイド40の下ガイドローラ42と上ガイドローラ43とにそれぞれ巻きかけられている。そして、カバーフィルム110は、両側の下ガイドローラ42によってボンディングステージ20からの高さが規定されている。
【0053】
図3に戻って、移動機構70は、ボンディングステージ20の一方側の基台21の上面に設けられたレール71と、基台21の上に設けられてレール71にガイドされるフィルム送り出し機構60のベース61をY方向に駆動するY方向アクチュエータ72とで構成されている。Y方向アクチュエータ72は、フィルム送り出し機構60の巻き取りローラ63bと、昇降機構50とが接続されたベース61をY方向(
図2における矢印92の方向)に移動させるので、フィルム送り出し機構60の巻き取りローラ63bと、昇降機構50と、昇降機構50に接続されたフィルムガイド40と、を一体にしてY方向に移動する。
【0054】
以上、ボンディングステージ20の一方側に配置された巻き取りローラ63bの支持構造65と、昇降機構50と、フィルムガイド40と、移動機構70と、について説明した。ボンディングステージ20の他方側に配置される送り出しローラ63aの支持構造65と、巻き取りローラ63bの支持構造65と、昇降機構50と、フィルムガイド40と、移動機構70とは、ボンディングステージ20に対して対称形状となっている点以外は、一方側と同一構造なので、説明は省略する。
【0055】
制御部80は、実装ヘッド17の本体11と、ヒータ14と、ファン19と、昇降機構50のZ方向アクチュエータ58と、フィルム送り出し機構60の図示しない駆動モータと、移動機構70のY方向アクチュエータ72と、ボンディングステージ20とに接続されて、実装ヘッド17の移動と、昇降機構50のスライダ54のZ方向の移動と、フィードローラ63の回転と、ベース61のY方向の移動とを制御すると共に、ヒータ14とファン19によって押圧ツール16の温度を制御する。制御部80は、例えば、各種演算を行うCPUと、各種データおよびプログラムを記憶するメモリと、を備えている。制御部80には、各種センサでの検知結果が入力されており、制御部80は、この検知結果に応じて、各部の駆動制御及び温度制御を行う。
【0056】
次に、次に
図3から
図6を参照して実施形態の実装装置10の動作について説明する。実装装置10は、フリップチップボンダ技術で、基板104に半導体チップ100を実装する。具体的には、実装装置10は、
図1に示すように、半導体チップ100の底面に形成されたバンプ102と呼ばれる導電性材料からなる突起を基板104の表面に形成された電極105に接合することで、半導体チップ100を基板104に電気的に接続する。
【0057】
図2に示す様に、基板104には、半導体チップ100のバンプ102と電気的に接続される電極105が複数形成されて半導体チップ100が実装される実装区画106が規定されている。各実装区画106には、あらかじめ、絶縁性の熱硬化性樹脂である接着材料108が塗布されている。
【0058】
実装装置10の制御部80は、実装ヘッド17の先端の押圧ツール16に半導体チップ100を吸着保持させ、実装ヘッド17を下降させて実装区画106の接着材料108の上に押しあてて、接着材料108の上に半導体チップ100を仮圧着する。仮圧着の際、カバーフィルム110は、移動機構70により実装区画106から水平方向に離間した位置に退避している。
【0059】
仮圧着の後、制御部80は、移動機構70を駆動して、カバーフィルム110を水平方向に移動させ、
図3に示すように、仮圧着した半導体チップ100の真上であって、当該半導体チップ100と押圧ツール16との間の位置にカバーフィルム110を移動させる。この際、カバーフィルム110の高さは、フィルムガイド40の下ガイドローラ42によって規定されている。カバーフィルム110の高さは、半導体チップ100の上面と押圧ツール16との中間となっている。
【0060】
この際、
図3に示す様にフィルムガイド40のストッパ44の下端とボンディングステージ20の上面との間には、高さΔh1のすき間が開いている。また、昇降機構50のスライダ54のアーム部53は、スプリング56に付勢されて、接続部材55の上フランジ55aの下面に接しており、アーム部53の下面と接続部材55の下フランジ55bとの間には高さΔh0のすき間が開いている。また、スプリング56の長さは、Δh0となっている。
【0061】
図5に示す様に、制御部80は、昇降機構50のZ方向アクチュエータ58を動作させてスライダ54の本体部52を矢印93のように下降させる。すると、それにつれてアーム部53とフィルムガイド40も
図5の矢印94のように下降する。そして、
図3に示す状態からスライダ54が高さΔh1だけ下降すると
図5に示す様にフィルムガイド40のストッパ44の下端がボンディングステージ20に当接する。この際、カバーフィルム110の下面は、仮圧着した半導体チップ100の上面に接する高さとなっている。
【0062】
その後、制御部80は、Z方向アクチュエータ58によりスライダ54を更に高さΔh2だけ下降させる。これにより、スプリング56が高さΔh2だけ圧縮され、スライダ54のアーム部53の上面と接続部材55の上フランジ55aの下面との間には、高さΔh2のすき間ができる。そして、スプリング56が圧縮されることによる反力により、フィルムガイド40のストッパ44はボンディングステージ20の上に押圧される。この押圧力によりフィルムガイド40のボンディングステージ20に対する高さが一定に保持される。
【0063】
制御部80は、他方側に配置された昇降機構50のZ方向アクチュエータ58も一方側に配置された昇降機構50のZ方向アクチュエータ58と同様に動作させ、他方側のフィルムガイド40のストッパ44をボンディングステージ20の上面に押圧する。これにより、他方側のフィルムガイド40のボンディングステージ20に対する高さは一方側のフィルムガイド40のボンディングステージ20に対する高さと同一となる。これにより、カバーフィルム110とボンディングステージ20との平行度を確保することができる。このため、
図2に示す様に、カバーフィルム110が長手方向にわたって複数の半導体チップ100の上面に被さる場合でも、各半導体チップ100の上面にぴったりと接するようにすることができる。
【0064】
次に、
図6の矢印97に示すように、制御部80は、実装ヘッド17を下降させて先端の押圧ツール16の突部16aでカバーフィルム110の上側から半導体チップ100を押圧する。押圧により、接着材料108は、半導体チップ100の周囲にはみ出し、一部の接着材料108は半導体チップ100の側面を這い上がり、カバーフィルム110の下面に達する。また、押圧により、半導体チップ100に形成されたバンプ102が基板104の電極105に接する。先に述べたように、カバーフィルム110とボンディングステージ20の上面との平行度が確保されているので、カバーフィルム110が半導体チップ100の上面にぴったりと接しており、半導体チップ100で押し出された接着材料108が、偏って這い上がることや、実装時に静電気が発生することを抑制できる。
【0065】
そして、制御部80は、ヒータ14への電力の供給を開始してヒータ14により押圧ツール16を昇温させる。押圧ツール16の温度が上昇すると、熱により半導体チップ100が加熱され、接着材料108が軟化する。更に温度を上昇させてバンプ102の溶融温度以上となると半導体チップ100のバンプ102が溶融する。そして、温度が接着材料108の硬化温度まで上昇すると接着材料108が熱硬化を開始する。
【0066】
その後、制御部80は、
図1に示すファン19を始動して断熱ブロック12の空気流路13に冷却空気を流して押圧ツール16を冷却する。これにより、溶融していたバンプ102が硬化し、基板104の電極105との接合が完了する。また、熱硬化した接着材料108の温度も低下し、
図6に示す状態となって実装が終了する。実装が終了したら制御部80は実装ヘッド17を上昇させる。
【0067】
制御部80は、実装ヘッド17を上昇させたら、一方側と他方側との昇降機構50のZ方向アクチュエータ58によりスライダ54を上昇させる。スライダ54が
図6に示す高さΔh2だけ上昇するとスライダ54のアーム部53の上面が接続部材55の上フランジ55aの下面に当接する。そして、更にスライダ54を上昇させると、接続部材55とフィルムガイド40とはスライダ54の上昇と共に上昇し、これに伴ってカバーフィルム110も上昇し、
図3に示す高さに戻る。制御部80は、カバーフィルム110を
図3に示す高さまで上昇させたら移動機構70によってカバーフィルム110を次に半導体チップ100が仮圧着される次の実装区画106から水平方向に離間した位置に退避させる。
【0068】
以上、説明したように、実施形態の実装装置10は、ボンディングステージ20の両側にそれぞれ配置した各昇降機構50で両側のフィルムガイド40の高さを調節してボンディングステージ20とカバーフィルム110との平行度を確保することができ、カバーフィルム110を半導体チップ100の上面にぴったりと接しさせることができる。このため、半導体チップ100を実装する際に、半導体チップ100で押し出された接着材料108が、偏って這い上がることや、実装時に静電気が発生することを抑制することができる。
【0069】
また、実施形態の実装装置10では、両側のフィルムガイド40を連結部材46で接続しているので、両側のフィルムガイド40の高さのズレを無くし、ボンディングステージ20とカバーフィルム110との平行度を確保することができる。更に、実施形態の実装装置10は、スプリング56の力でボンディングステージ20の上にフィルムガイド40を押圧するので、ボンディングステージ20の表面に対するフィルムガイド40の高さを一定にすることができ、ボンディングステージ20とカバーフィルム110との平行度を確保することができる。
【0070】
次に
図7を参照しながら他の実施形態の実装装置200について説明する。実装装置200のフィルム配置機構230は、一方側に設けられるフィルムガイド40と、昇降機構50と、移動機構70と、他方側の送り出しローラ63aと一方側の巻き取りローラ63bとを含むフィルム送り出し機構60と、他方側に設けられる他方側昇降機構350と、他方側フィルムガイド340とで構成されている。フィルム送り出し機構60と、一方側に設けられるフィルムガイド40と、昇降機構50と、移動機構70との構成は、先に
図1から
図6を参照して説明した実装装置10と同一であるから説明は省略する。
【0071】
他方側に設けられている他方側昇降機構350は、Z方向アクチュエータ58とスライダ54と接続部材55とを含まず、他方側ガイドレール351のみで構成される。他方側ガイドレール351は他方側のベース61の上に取付けられて上下方向に延びて他方側フィルムガイド340を上下方向にガイドする。他方側フィルムガイド340は、連結部材46で一方側のフィルムガイド40と接続されており、一方側のフィルムガイド40に従動して上下方向に移動する。また、他方側フィルムガイド340は、一方側のフィルムガイド40と同様、基体部341と、下ガイドローラ342と、上ガイドローラ343と、ストッパ344とを含んでいる。基体部341は、他方側の端部に他方側ガイドレール351に嵌まり込む穴が設けられている点と、X方向の長さが長い点を除いて一方側のフィルムガイド40と同一の構造であり、下ガイドローラ342と、上ガイドローラ343と、ストッパ344とは、それぞれ一方側の下ガイドローラ42と、上ガイドローラ43と、ストッパ44と同一構造である。
【0072】
図7に示す実装装置200は、一方側の昇降機構50に取付けられたZ方向アクチュエータ58により、一方側のフィルムガイド40と他方側フィルムガイド340の両方を上下に駆動するので、構造を簡便にすることができる。
【0073】
実装装置200は、ボンディングステージ20の両側に配置したフィルムガイド40の高さを調節してボンディングステージ20とカバーフィルム110との平行度を確保することができる。
【0074】
以上の説明では、実装装置10,200は、基板104の上に半導体チップ100を実装するとして説明したが、これに限らず、他の半導体チップ100の上に半導体チップ100を実装することもできる。この場合、他の半導体チップ100は、基板104と同様、被実装体を構成する。
【符号の説明】
【0075】
10,200 実装装置、11 本体、12 断熱ブロック、13 空気流路、14 ヒータ、15 冷却溝、16 押圧ツール、16a 突部、17 実装ヘッド、18 吸引孔、19 ファン、20 ボンディングステージ、21 基台、30,230 フィルム配置機構、40 フィルムガイド、41,341 基体部、42,342 下ガイドローラ、43,343 上ガイドローラ、44,344 ストッパ、46 連結部材、50 昇降機構、51 ガイドレール、52 本体部、52a,53a 穴、53 アーム部、54 スライダ、55 接続部材、55a 上フランジ、55b 下フランジ、55c ウェブ、56 スプリング、57 スライダガイド、58 Z方向アクチュエータ、60 フィルム送り出し機構、61 ベース、62 フレーム、63 フィードローラ、63a 送り出しローラ、63b 巻き取りローラ、64 シャフト、65 支持構造、70 移動機構、71 レール、72 Y方向アクチュエータ、80 制御部、100 半導体チップ、102 バンプ、104 基板、105 電極、106 実装区画、108 接着材料、110 カバーフィルム、340 他方側フィルムガイド、341 基体部、350 他方側昇降機構、351 他方側ガイドレール。