(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】吊下げフック及びシート材の吊下げ構造
(51)【国際特許分類】
E04F 10/02 20060101AFI20220805BHJP
A47H 13/04 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
E04F10/02
A47H13/04
(21)【出願番号】P 2018237546
(22)【出願日】2018-12-19
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】598085180
【氏名又は名称】株式会社日本アルテック
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】鏡 由実
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】平井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岩本 昌也
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋一
(72)【発明者】
【氏名】松本 武真
(72)【発明者】
【氏名】中藪 康弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 篤史
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-182658(JP,A)
【文献】実開昭60-77486(JP,U)
【文献】実開昭59-60985(JP,U)
【文献】実開昭63-178585(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00-99/00
E04F 10/00-10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状の長尺材に板厚方向へ貫通するスリットを長手方向へ沿って形成されてなる凹溝型のレール部を有し、当該スリットを下方へ向けて建物の軒天井に固定されるレール材に、シート材を吊下げるための吊下げフックであって、
互いに間隔を空けて相対向し、前記レール部の凹溝内部に挿入されて当該レール部に係合する一対の係合片の下端同士を
、板材で形成された連結片で連結してなる係合部と、
前記係合部の下端から下方へ延出し、前記シート材の先端部に係止する輪形状の係止具を引掛ける側面視略J字形状のフック部と、を備え、
前記一対の係合片は、相対向する一対の板片と、それぞれの前記板片の上端部から対向する前記板片と反対の方向へ突出し、前記スリットの幅方向側の縁端を形成する前記レール部の縁端部の上面にスライド自在に係合する第1ヒレ片と、を具備
し、
前記フック部は、前記連結片の下端から下方へ延出し、先端部を略円形状に湾曲されるとともに先端を当該連結片と離間して形成される嵌合片と、当該嵌合片の先端から前記嵌合片の基端側へ突出する返し片と、当該返し片の上端から前記嵌合片の基端と反対の方向へ突出し、前記連結片との間に開口部を形成する突起片と、を有し、
前記連結片は、板材全体が上方へ開く側面視略V字形状に形成されており、且つ、上端部分が前記一対の板片のそれぞれの下端に連結され、
前記嵌合片は、前記連結片の下端から下方へ延びるとともに先端部を一方の板片へ向けて湾曲されることを特徴とする吊下げフック。
【請求項2】
前記一対の係合片は、前記第1ヒレ片よりも下方、且つ、前記第1ヒレ片と間隔を空けた位置に、それぞれの前記板片から対向する前記板片と反対の方向へ突出する第2ヒレ片を具備しており、
前記第1ヒレ片の下端面から前記第2ヒレ片の上端面までの距離は、前記レール部の前記縁端部の厚さ以上、且つ、前記板片の上端から前記凹溝の底面までの距離未満であることを特徴とする請求項1
に記載の吊下げフック。
【請求項3】
前記突起片は、平面視において、前記一方の板片よりも開口方向へ突出していることを特徴とする請求項
1又は請求項2に記載の吊下げフック。
【請求項4】
前記第1ヒレ片は、上端面を先端側の一端が下方となるように傾斜させていることを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれかに記載の吊下げフック。
【請求項5】
中空状の長尺材に板厚方向へ貫通するスリットを長手方向へ沿って形成されてなる凹溝型のレール部を有し、当該スリットを下方へ向けて建物の軒天井に固定されるレール材に、シート材を吊下げるための吊下げフックであって、
互いに間隔を空けて相対向し、前記レール部の凹溝内部に挿入されて当該レール部に係合する一対の係合片の下端同士を連結片で連結してなる係合部と、
前記係合部の下端から下方へ延出し、前記シート材の先端部に係止する輪形状の係止具を引掛ける側面視略J字形状のフック部と、を備え、
前記一対の係合片は、相対向する一対の板片と、それぞれの前記板片の上端部から対向する前記板片と反対の方向へ突出し、前記スリットの幅方向側の縁端を形成する前記レール部の縁端部の上面にスライド自在に係合する第1ヒレ片と、を具備し、
前記フック部は、前記連結片の下端から下方へ延出し、先端部を略円形状に湾曲されるとともに先端を当該連結片と離間して形成される嵌合片と、当該嵌合片の先端から前記嵌合片の基端側へ突出する返し片と、当該返し片の上端から前記嵌合片の基端と反対の方向へ突出し、前記連結片との間に開口部を形成する突起片と、を有し、
前記一対の板片は、一方の板片の下端が他方の板片の下端よりも下方に位置し、
前記嵌合片は、前記連結片の前記一方の係合片側の一端から下方へ延びるとともに、先端部を前記他方の係合片へ向けて湾曲されており、
前記突起片の基端から前記連結片の下面までの垂直距離よりも、前記突起片の先端から前記連結片の下面までの垂直距離の方が長いことを特徴とする
吊下げフック。
【請求項6】
請求項1から請求項
5までのいずれかに記載の吊下げフックを用いて、建物の軒天井に固定される前記レール材にシート材を吊下げるシート材の吊下げ構造であって、
前記レール材は、前記軒天井の天井面を形成する天井面材の軒先側の一端とその他の部材との境界を区切る見切部を有することを特徴とするシート材の吊下げ構造。
【請求項7】
前記レール部は、前記凹溝の底面を形成し、前記天井面材を天井懐側で支持する野縁に固定される底板部と、当該底板部の両端から略直角に同方向へ延出して前記凹溝の側面を形成する一対の側板部と、それぞれの当該側板部の先端から相対向する前記側板部へ向けて突出するとともに、先端同士を離間させて前記スリットの幅方向の縁端を形成する一対の前記縁端部と、を具備しており、
前記見切部は、一方の前記側板部の前記凹溝と反対側の側面の下端部に連結固定されていることを特徴とする請求項
6に記載のシート材の吊下げ構造。
【請求項8】
前記レール部は、長手方向の一端部又は両端部の前記縁端部を切欠いて切欠き部を形成されており、当該切欠き部を埋設するエンドキャップ材を着脱自在に装着されることを特徴とする請求項
6又は請求項
7に記載のシート材の吊下げ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日除け用のタープや簾などのシート材を建物の軒天井に吊下げるための吊下げフック及びその構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、日除けシートや簾、及びつる系植物を登坂させるグリーンカーテン用のネットなどのシート材を建物の軒先に吊下げるためのフックが設置されることがある。このフックは、軒天井面に固定されたレール材に複数装着されて使用されるが、フックにシート材を吊下げない場合は、レール材やフックが目立ってしまい、使用者に雑多な印象を与える軒天井となってしまうことが多い。そこで、軒天井の軒先に設置される見切材付近にフックを設置する構造や、フックをレール材から容易に着脱をすることができる構造が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の発明では、軒先に設置され、軒天ボードとの境界部分の見切材でもある鼻隠し材にシート材を掛けるための吊り具を設置させており、吊り具に形成されたC字形の受入れ部を軒天ボードの端部に嵌め込んで端部に沿ってスライドさせることにより、吊り具を所望する位置に移動させることができる。この発明では、吊り具の一部分を天井内に隠蔽させているため、フックにシート材を吊下げない場合であっても、雑多な印象を与えることなく軒天井の美観性を保持することができる。
【0004】
一方、特許文献2に記載の発明では、天井に設置される長尺な天井レールに絵画や写真などを吊るすためのフックを容易に着脱できる旨が開示されている。このフックは、天井レールに形成された下方へ開く開口部に係合する平面視細長な係合部と、絵画等を掛けるフック部と、から形成されており、係合部の長手方向と天井レールの長手方向とを合わせた状態で係合部を下方から開口部内に挿入し、そのまま90度回転させるだけで係合部を天井レールに係合させることができるため、フックの着脱を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-169607
【文献】特開平8-154794
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、鼻隠し材を設置する前に予め吊り具を軒天ボードの端部に設置しておく必要があり、鼻隠し材設置後に吊り具を着脱したい場合であっても容易に装着又は取り外しをすることができない。そして、特許文献2に記載の発明は、フックを容易に着脱できるものの、フック部及び係合部の周囲には複数の部材が外嵌されており、フック部と係合部との連結部分が目視確認できないため、連結部分に不具合を生じていたとしてもすぐに気づくことができない。また、フック部と係合部とを連結するための構成が複雑なため、フックの制作費用が嵩むことになる。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであって、建物の軒天井に容易にシート材を吊下げ、且つ、軒天井の美観性を損なわない吊下げフック及び吊下げフックを用いたシート材の吊下げ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の吊下げフックは、中空状の長尺材に板厚方向へ貫通するスリットを長手方向へ沿って形成されてなる凹溝型のレール部を有し、当該スリットを下方へ向けて建物の軒天井に固定されるレール材に、シート材を吊下げるための吊下げフックであって、互いに間隔を空けて相対向し、前記レール部の凹溝内部に挿入されて当該レール部に係合する一対の係合片の下端同士を、板材で形成された連結片で連結してなる係合部と、前記係合部の下端から下方へ延出し、前記シート材の先端部に係止する輪形状の係止具を引掛ける側面視略J字形状のフック部と、を備え、前記一対の係合片は、相対向する一対の板片と、それぞれの前記板片の上端部から対向する前記板片と反対の方向へ突出し、前記スリットの幅方向側の縁端を形成する前記レール部の縁端部の上面にスライド自在に係合する第1ヒレ片と、を具備し、前記フック部が、前記連結片の下端から下方へ延出し、先端部を略円形状に湾曲されるとともに先端を当該連結片と離間して形成される嵌合片と、当該嵌合片の先端から前記嵌合片の基端側へ突出する返し片と、当該返し片の上端から前記嵌合片の基端と反対の方向へ突出し、前記連結片との間に開口部を形成する突起片と、を有し、前記連結片は、板材全体が上方へ開く側面視略V字形状に形成されており、且つ、上端部分が前記一対の板片のそれぞれの下端に連結され、前記嵌合片は、前記連結片の下端から下方へ延びるとともに先端部を一方の板片へ向けて湾曲されることを特徴としている。
【0010】
本発明の第2の吊下げフックは、前記一対の係合片が、前記第1ヒレ片よりも下方、且つ、前記第1ヒレ片と間隔を空けた位置に、それぞれの前記板片から対向する前記板片と反対の方向へ突出する第2ヒレ片を具備しており、前記第1ヒレ片の下端面から前記第2ヒレ片の上端面までの距離は、前記レール部の前記縁端部の厚さ以上、且つ、前記板片の上端から前記凹溝の底面までの距離未満であることを特徴としている。
【0011】
本発明の第5の吊下げフックは、中空状の長尺材に板厚方向へ貫通するスリットを長手方向へ沿って形成されてなる凹溝型のレール部を有し、当該スリットを下方へ向けて建物の軒天井に固定されるレール材に、シート材を吊下げるための吊下げフックであって、互いに間隔を空けて相対向し、前記レール部の凹溝内部に挿入されて当該レール部に係合する一対の係合片の下端同士を連結片で連結してなる係合部と、前記係合部の下端から下方へ延出し、前記シート材の先端部に係止する輪形状の係止具を引掛ける側面視略J字形状のフック部と、を備え、前記一対の係合片は、相対向する一対の板片と、それぞれの前記板片の上端部から対向する前記板片と反対の方向へ突出し、前記スリットの幅方向側の縁端を形成する前記レール部の縁端部の上面にスライド自在に係合する第1ヒレ片と、を具備し、前記フック部が、前記連結片の下端から下方へ延出し、先端部を略円形状に湾曲されるとともに先端を当該連結片と離間して形成される嵌合片と、当該嵌合片の先端から前記嵌合片の基端側へ突出する返し片と、当該返し片の上端から前記嵌合片の基端と反対の方向へ突出し、前記連結片との間に開口部を形成する突起片と、を有し、前記一対の板片が、一方の板片の下端が他方の板片の下端よりも下方に位置し、前記嵌合片は、前記連結片の前記一方の係合片側の一端から下方へ延びるとともに、先端部を前記他方の係合片へ向けて湾曲されており、前記突起片の基端から前記連結片の下面までの垂直距離よりも、前記突起片の先端から前記連結片の下面までの垂直距離の方が長いことを特徴としている。
【0013】
本発明の第3の吊下げフックは、前記突出片が、平面視において、前記一方の板片よりも開口方向へ突出していることを特徴としている。
【0014】
本発明の第4の吊下げフックは、前記第1ヒレ片が、上端面を先端側の一端が下方となるように傾斜させていることを特徴としている。
【0015】
本発明の第1のシート材の吊下げ構造は、第1から第5までのいずれかに記載の吊下げフックを用いて、建物の軒天井に固定される前記レール材にシート材を吊下げるシート材の吊下げ構造であって、前記レール材は、前記軒天井の天井面を形成する天井面材の軒先側の一端とその他の部材との境界を区切る見切部を有することを特徴としている。
【0016】
本発明の第2のシート材の吊下げ構造は、前記レール部が、前記凹溝の底面を形成し、前記天井面材を天井懐側で支持する野縁に固定される底板部と、当該底板部の両端から略直角に同方向へ延出して前記凹溝の側面を形成する一対の側板部と、それぞれの当該側板部の先端から相対向する前記側板部へ向けて突出するとともに、先端同士を離間させて前記スリットの幅方向の縁端を形成する一対の前記縁端部と、を具備しており、前記見切部は、一方の前記側板部の前記凹溝と反対側の側面の下端部に連結固定されていることを特徴としている。
【0017】
本発明の第3のシート材の吊下げ構造は、前記レール部が、長手方向の一端部又は両端部の前記縁端部を切欠いて切欠き部を形成されており、当該切欠き部を埋設するエンドキャップ材を着脱自在に装着されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の吊下げフックによると、レール材のレール部に係合する係合片が一対となっているので、係合片の板片同士を指で互いに近接する方向へ撓ませた状態で係合片をスリットの下方からレール部の内部に押し込み手を離すと、係合片がバネの力で元の位置に戻り、板片の先端部に形成された第1ヒレ片がレール部の縁端部に係合して吊下げフックをレール材に容易に装着することができる。また、レール材に装着された吊下げフックの板片同士を指で互いに近接する方向へ撓ませ、スリットから係合片を下方へ引き降ろすだけで吊下げフックをレール材から外すことができる。したがって、単純な構成でありながらも容易に着脱可能なフックとすることがきるので、利便性を向上させることができ、また、シート材を吊下げない場合は、吊下げフックを取外しておくことにより、すっきりとした印象の軒天井とすることができる。そして、フック部は、嵌合片の先端から嵌合片の基端側へ突出する返し片を有しているので、嵌合片に嵌め込まれた係止具が風などに煽られて浮き上がると、返し片に当接して下方へ押し戻されるので、吊下げフックから簡単に外れることを防止することができる。またフック部は、返し片の上端から嵌合片の基端と反対の方向へ突出する突起片を有しているので、開口部からシート材の係止具を挿入する際に、突起片がガイドとなって容易に係止具を嵌合片へ嵌め込むことができる。さらに、連結片は上方へ開く側面視略V字形状に形成されて上端部分を一対の板片のそれぞれの下端に連結されているので、係合部に水平方向からの風が当たった場合、水平方向の力に対して傾斜する連結片が力を受け流して係合部に作用する水平力を緩和し、係合部のレール部からの脱落を効果的に防止することができる。
【0020】
本発明の第2の吊下げフックによると、一対の係合片は、第1ヒレ片よりも下方にそれぞれの板片から対向する板片と反対の方向へ突出する第2ヒレ片を形成されているため、係合片を凹溝内部に押し込んで第1ヒレ片を縁端部に係合させると、第1ヒレ片と第2ヒレ片との間にレール部の縁端部を挟むことになり、風や振動による係合片の浮き上がりを抑制してガタツキの発生を低減することができる。また、第1ヒレ片の下端面から第2ヒレ片の上端面までの距離は、レール部の縁端部の厚さ以上、且つ、板片の上端から凹溝の底面までの距離未満であるので、係合片が浮き上がっても板片の先端が凹溝の底面に衝突することがなく吊下げフックやレール材の破損を防止することができる。
【0021】
本発明の第5の吊下げフックによると、突起片は、基端から連結片の下端面までの垂直距離よりも先端から連結片の下端面までの垂直距離の方が長いので、突起片が開口方向に向けて開く形となり、シート材の係止具を突起片に引掛けやすく、容易に嵌合片に挿入させることができる。
【0023】
本発明の第3の吊下げフックによると、突起片は、平面視において一方の板片よりも開口方向へ突出しているので、シート材の係止具を突起片に引掛けやすく、容易に嵌合片に挿入させることができる。
【0024】
本発明の第4の吊下げフックによると、第1ヒレ片は、上端面を先端側の一端が下方となるように傾斜させているので、スリットから凹溝内部に係合片を挿入する際に、第1ヒレ片の上端面がガイドとなって容易に係合片を凹溝内部に挿入することができる。
【0025】
本発明の第1のシート材の吊下げ構造によると、レール材は、軒天井の天井面を形成する天井面材の軒先側の一端とその他の部材との境界を区切る見切部を有しているので、レール材のみを別途軒天井に設置する必要がなく、また、軒天井をすっきりとした印象の天井とすることができ、軒天井の美観性を向上させることができる。
【0026】
本発明の第2のシート材の吊下げ構造によると、見切部は、レール部の一方の側板部の凹溝と反対側の側面の下端部に連結固定されているので、レール部の底板部を天井面材よりも天井懐側に位置する野縁に固定すると、レール部が見切部よりも天井面から下方へ露出することがなく、軒天井をよりすっきりとした印象の天井とすることができる。
【0027】
本発明の第3のシート材の吊下げ構造によると、レール部は、長手方向の一端部又は両端部の縁端部を切欠いて切欠き部を形成されており、切欠き部を埋設するエンドキャップ材を着脱自在に装着されるので、レール部に吊下げフックを設置した後にエンドキャップを装着することで吊下げフックがレール材から脱落することを防止でき、また、エンドキャップを外せば切欠き部から吊下げフックを自由に着脱することができる。したがって、吊下げフックをスリットの下方から凹溝内部に押し込む場合と比較して第1ヒレ片の破損や磨耗を防ぐとことができ、経済的に優れた吊下げ構造を構築することができる。そして、吊下げフックのレール材への設置方法を複数有することにより、使用者は状況に応じて設置方法を選択することができ利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図5】連結片を側面視略V字形状に形成した吊下げフックを使用するシート材の吊下げ構造を示す断面図。
【
図7】レール材及びエンドキャップ材を示す斜視図。
【
図8】吊下げフックの切欠き部からの着脱状況を示す斜視図。
【
図10】(a)レール材の軒天井への設置状況を示す断面図、(b)吊下げフックのレール材への装着状況を示す断面図。
【
図11】(a)係止具のフック部への嵌め込み状況を示す断面図、(b)係止具の浮き上がった状態を示す拡大断面図。
【
図12】(a)一対の係合片を互いに近接する方向へ撓ませた状態を示す断面図、(b)吊下げフックをレール材から外した状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る吊下げフックの最良の実施形態について各図を参照しつつ説明する。本願の吊下げフック1は、
図1に示すように、建物Aの軒天井Bに固定されるレール材2に日除け用のタープや簾などのシート材3を吊下げるためのフックで、
図2及び
図3に示すように、長尺なレール材2に係合する係合部11と、係合部11の下端から下方へ延出し、シート材3の先端部に係止する輪形状の係止具31を引掛ける側面視略J字形状のフック部12と、を備えている。
【0030】
図2及び
図3に示すように、係合部11に係合されるレール材2は、中空状の長尺材に板厚方向へ貫通するスリット2aを長手方向へ沿って形成されてなる凹溝型のレール部21を有しており、スリット2aを下方へ向けて軒天井Bに固定される。吊下げフック1の係合部11は、
図2及び
図4に示すように、レール部21の凹溝である第1凹溝2b内部に挿入されてスリット2aの幅方向側の縁端を形成するレール部21の縁端部21aに係合し、互いに相対向する一対の係合片111と、一対の係合片111の下端同士を連結する板状の連結片112と、によって形成されている。係合片111は、相対向する板状の一対の板片である第1板片11aと、第2板片11bと、一対の板片11a、11bのそれぞれの上端部から対向する板片と反対の方向へ突出し、レール材2の縁端部21aの上面にスライド自在に係合する第1ヒレ片11cと、第1ヒレ片11cよりも下方、且つ、第1ヒレ片11cと間隔を空けた位置に、それぞれの板片11a、11bから対向する板片と反対の方向へ突出する第2ヒレ片11dと、から構成されている。
【0031】
第1板片11a及び第2板片11bは、
図4に示す相対向する面と反対側の面である外側面11e同士の第1距離L1が
図7に示すスリット2aの幅W1と略同一となるように形成されており、一対の係合片111をスリット2aの下方から第1凹溝2b内部へ押し込むことで、
図2に示すように、第1ヒレ片11cと第2ヒレ片11dとの間にレール部21の縁端部21aを挟んで風や振動による係合片111の浮き上がりを抑制し、ガタツキの発生を低減することができる。
【0032】
第1ヒレ片11cは、
図2及び
図4に示すように、係合片111をスリット2aの下方から第1凹溝2b内部へ押し込み易くするため、上端面11fを先端側の一端が下方となるように傾斜させて形成されている。また、第1ヒレ片11cの下端面から第2ヒレ片11dの上端面までの第2距離L2は、
図2に示すレール部21の縁端部21aの厚さt1以上、且つ、一対の板片11a、11bの上端からレール材2の第1凹溝2bの底面2cまでの第3距離L3未満となるように形成されている。このような距離関係とすることによって、係合片111が風や振動によって浮き上がっても板片11a、11bの先端が第1凹溝2bの底面2cへ衝突することがなく、吊下げフック1やレール材2の破損を効果的に防止することができる。
【0033】
また、
図4に示すように、第1板片11aの下端は、第2板片11bの下端よりも下方へ延出しており、連結片112は、第1板片11a側の一端が下方となるように傾斜して第1板片11a及び第2板片11bの下端同士を連結している。そして、フック部12は、
図2及び
図4に示すように、連結片112の第1板片11a側の一端から下方へ延出し、先端部を略円形状に湾曲して係止具31を嵌め込む嵌合溝12aを形成されるとともに先端を連結片112と離間して形成される嵌合片121と、嵌合片121の先端から嵌合片121の基端側へ突出する返し片122と、返し片122の上端から嵌合片121の基端と反対の方向へ突出する突起片123と、を有しており、
図2に示すように、連結片112と突起片123との間に形成される開口部12bからシート材3の係止具31を挿入して嵌合片121の嵌合溝12aに嵌め込むことができる。
【0034】
返し片122は、
図2に示す嵌合溝12aに嵌め込んだ係止具31が風や振動などにより上方に浮き上がった際に、係止具31を嵌合溝12aの底側へ押さえつけて嵌合片121からの脱落を抑制するための部材で、
図4に示す返し片122の下端面から嵌合溝12aの底までの垂直距離である第4距離L4は、係止具31の太さt2と略同一とすることが望ましく、このような長さとすることにより、嵌め込まれた係止具31が浮き上がっても上端部を押圧して嵌合片121から脱落することをより効果的に抑制することができる。
【0035】
そして突起片123は、
図4に示すように、基端から連結片112の下端面までの垂直距離である第5距離L5よりも、先端12cから連結片112の下端面までの垂直距離である第6距離L6を長く形成されて開口方向側へより開く形状となっているので、係止具31を開口部12bから突起片123に容易に引掛けることができる。また、突起片123は、基端が先端12cよりも下方となるように傾斜しているので、係止具31を突起片123に引掛けると傾斜に沿って下方へ滑り落ち、そのまま嵌合溝12aに嵌め込むことができる。このように、フック部12に返し片122及び突起片123を形成することにより、係止具31をフック部12に嵌め込みやすく、且つ、外れ難くすることができる。
【0036】
なお、
図4等では、係合部11の一対の板片11a、11bの長さを異ならせて連結片112を第1板片11a側の一端が下方となるように傾斜させているが、
図5に示すように、連結片112を側面視略V字形状に形成し、連結片112のそれぞれの上端部分を一対の板片11a、11bのそれぞれの下端に連結させた形状としてもよい。このような形状とすることによって、係合部11に水平方向からの風が当たった場合、水平方向の力に対して傾斜する連結片112が力を受け流して係合部11に作用する水平力を緩和することができるので、係合部11のレール部21からの脱落を効果的に防止することができる。また、連結片112をこのような形状とすると、
図6に示すように平面視において突起片123の先端12cが第2板片11bよりも開口方向側へ突出するので、係止具31を突起片123により容易に引掛けることができる。
【0037】
図2等に示す吊下げフック1の全高は、35mm~40mm程度であり、38mm程度とすることが好ましく、また、第2ヒレ片11dの下端面から嵌合片121の下端面までの距離を25mm~30mm程度とすることが望ましい。このような大きさであれば、吊下げフック1をレール材2に装着した際に、吊下げフック1のレール材2から露出する部分が目立ち難く、軒天井Bの美観性を損なうことがない。そして、嵌合片121の円形状の嵌合溝12aの直径は、5mm~7mm程度とすることが好ましく、返し片122は嵌合片121の基端側へ0.8mm~1mm程度突出させることが望ましい。なお、吊下げフック1の厚みは、1mm~1.8mm程度とすることが望ましく、このような厚みであれば、強度を保ちつつ第1板片11a及び第2板片11bを互いに近接する方向へ撓ませてレール材2へ着脱することができる。
【0038】
吊下げフック1の材質は特に限定されないが、アルミニウムを押出したアルミ形材が好適である。このような材質とすることにより、切断精度が高く、また、製作費用を抑え経済性に優れた部材とすることができ、さらに、耐候性に優れているため屋外で使用しても日射を受けて簡単に劣化することはなく一定期間使用することができる。
【0039】
続いて、吊下げフック1を用いたシート材の吊下げ構造4について説明する。
図1に示す軒天井Bは、建物Aのベランダやバルコニ、及びテラスなど屋外に設けられる天井で、建物Aの梁などの躯体(図示せず)に吊下げられる吊り金具51の下部に、水平方向に延びる長尺な野縁52を設置し、野縁52の下端に軒天井Bの天井面を形成する天井面材53を固定してなるものである。また、軒天井Bの軒先側にはまぐさパネルや外壁パネルなどのL型の外装材Cが天井面材53の軒先側の一端と離間して設置されており、レール材2は、天井面材53と外装材Cとの間に位置する野縁52の下端面に固定される。
【0040】
レール材2は、軒天井Bの軒先部分に設置される見切材の機能に吊下げフック1を吊下げるためのレール機能を付加した部材であり、
図2及び
図7に示すように、中空状の長尺材に板厚方向へ貫通するスリット2aを形成してなる凹溝型のレール部21と、天井面材53と外装材Cとの境界部分を区切る見切部22と、を有している。レール部21は、第1凹溝2bの底面2cを形成し、野縁52に固定される第1底板部21bと、第1底板部21bの両端から略直角に同方向へ延出して第1凹溝2bの側面を形成する一対の第1側板部21cと、第1側板部21cの先端から相対向する第1側板部21cへ向けて突出するとともに、先端同士を離間させてスリット2aの幅方向の縁端を形成する一対の縁端部21aと、から構成されており、第1底板部21bの底面2cと反対側の面には、第1底板部21bの長手方向へ沿って第1側板部21dと反対の方向へ突出する一対の第1補強片21eが形成されている。
【0041】
またレール部21は、
図7及び
図8に示すように、長手方向の一端部の縁端部21aを切り欠いて切欠き部2gを形成されており、この切欠き部2gから吊下げフック1を着脱することができる。すなわち、吊下げフック1をレール部21から取外す際は、吊下げフック1を切欠き部2gまで水平方向へスライド移動させてから下方へ引降ろせばよく、反対に吊下げフック1をレール部21に装着する場合は、切欠き部2gから第1凹溝2b内に係合片111を挿入し、第1ヒレ片11cを水平方向から縁端部21aに係止させて所望する位置へ吊下げフック1をスライド移動させればよい。このように、切欠き部2gから吊下げフック1を着脱することにより、第1ヒレ片11cに負荷をかけることなく吊下げフック1を容易にレール材2に装着することができ、吊下げフック1をスリット2aの下方から押し込んでレール材2に装着する場合と比較して、吊下げフック1やレール部21の磨耗や破損を遅延することができる。また、吊下げフック1の設置方法を複数持つことにより使用者は状況に応じて設置方法を選択することができ、利便性を向上させることができる。なお、図示例では切欠き部2gをレール部21の長手方向の一端部のみに設けているが、長手方向の両端部に形成してもよい。
【0042】
また
図7に示すように、切欠き部2gには、通常時、第1凹溝2bの底面2cから第1側板部21cの下端までの高さを有するアルミ形材などで構成されたエンドキャップ材6を嵌め込むことができる。このエンドキャップ材6は、レール部21に装着された吊下げフック1が切欠き部2gから落下することを防止するための中空状の部材で、ビスなどの固定具Dで第1底板部21bを挟んで軒天井Bの野縁52に固定されている。そして、エンドキャップ材6を固定する固定具Dを電動ドライバーなどで取外してエンドキャップ材6をレール部21から取外すことにより、吊下げフック1を自由に着脱することができる。なお、エンドキャップ材6は、吊下げフック1のレール材2からの落下を防止できるものであればよく、形状や材質は特に限定されない。
【0043】
図2及び
図7に示すように、見切部22は、レール部21の第1凹溝2bと反対方向へ開く略凹溝型の長尺な部材で、天井面材53の軒先側の一端と、外装材Cとの境界部分を区切る見切材である。見切部22は、凹溝である第2凹溝2eの底面2fを形成する第2底板部22a、第2底板部22aの幅方向の両端部から略直角に同方向へ突出し、第2凹溝2eの側面を形成する一対の第2側板部22b、第2側板部22bの第2凹溝2e側の側面から相対向する第2側板部22bへ向けて突出する第2補強片22cと、から構成されており、第2凹溝2eの底面2fを上方へ向けた状態で、一方の第2側板部22bを、レール部21の一方の第1側板部21cの第1凹溝2bと反対側の側面の下端部に連結固定されている。また、第1側板部21cに連結されていない他方の第2側板部22bは、第1底板部21bを野縁52の下端面に固定した際に、先端が天井面材53の下端面に当接する高さで形成されている。
【0044】
シート材3は、
図9に示すように、日除けに使用するタープや簾、虫除け用の蚊帳、ツル系植物を登坂させるためのネット等のシート状の面材であり、上端部に掛け紐などの輪形状の係止具31を係止させ、この係止具31を吊下げフック1に引掛けることでレール材2に吊るすことができる。これらのシート材3は、例えば、春~夏にかけては日除け用のタープ、蚊帳、及び簾とすることで、虫や日射しを遮ってテラスやバルコニで快適に寛ぐことができ、また、肌寒くなる秋~冬にかけては、シート材3をビニールカーテンなど透光性を有する材質とすることで日射しを取り入れつつ、冷たい外気を遮断し、テラスやバルコニを温室のように利用することもできる。
【0045】
次に、レール材の吊下げ構造4の施工方法について説明する。なお、ここでは吊下げフック1をスリット2aから着脱する場合について説明する。まず、
図10(a)に示すように、レール材2のレール部21のスリット2aを下方へ向けるとともに、見切部22をレール部21よりも天井面材53側へ配設した状態で第1補強片21eの上端面を天井面材53と外装材Cの間に位置する野縁52の下端面に当接させる。そして、第1側板部21cに連結されていない他方の第2側板部22bの上端が天井面材53の下端面に当接するようにレール材2の位置を微調整し、スリット2aの下方からビスなどの固定具Dを第1底板部21b及び野縁52に打ち込んでレール材2を軒天井Bに固定する。このとき、見切部22の一方の第2側板部22bは、レール部21の一方の第1側板部21cの下端部で連結されているので、レール部21は、見切部22よりも天井懐側へ飲み込まれて固定されることとなり、見切部22よりも天井面から下方へ露出することはない。また、見切部22の天井面材53側の第2側板部22bの先端は、天井面材53の下端面に当接しているので、軒天井Bを見渡した際に、レール部21が視界に入ることはほとんどなく、軒天井Bの意匠性を損なうことがない。
【0046】
続いて、
図10(b)に示すように、吊下げフック1の相対向する第1板片11a及び第2板片11bを指で摘まみ、互いに近接する方向へ若干撓ませながら一対の第1ヒレ片11cを第1凹溝2b内へ押し込む。このとき、先述したように第1ヒレ片11cの上端面11fが傾斜しているため、上端面11fがガイドとなって第1ヒレ片11cを容易に第1凹溝2b内へ挿入することができる。第1ヒレ片11cを下端まで第1凹溝2b内へ挿入させて指を離すと、
図11(a)に示すように、係合片111が元の位置に戻り第1ヒレ片11cと第2ヒレ片11dとの間でレール材2の縁端部21aを挟んで吊下げフック1をレール材2へ装着することができる。
【0047】
そして、
図11(a)に示すように、シート材3に係止する係止具31をフック部12の開口部12bから突起片123に引掛けて嵌合溝12aへ嵌め込み、シート材3を吊下げる。このとき、突起片123は、先述したように開口方向側へ開く形状となっているため、係止具31を容易に嵌合溝12aへ挿入することができる。また、シート材3をフック部12に引掛けることにより、
図2に示すように、シート材3の重みで吊下げフック1全体が下方へ下り、第1ヒレ片11cの下端面が縁端部21aの上面に当接するので、吊下げフック1が浮き上がってガタつくことはない。また、
図11(b)に示すように、吊下げフック1に引掛けられたシート材3の係止具31が強い風や振動によって揺れ動き上方向へ浮き上がろうとすると、フック部12の返し片122に当接して嵌合溝12aの底側へ押し戻されるので、シート材3が容易に吊下げフック1から外れることを効果的に防止することができる。なお、
図11(a)に示すように、レール材2と外装材Cとの間の隙間には、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などの弾性を有する緩衝材7が設置される。
【0048】
シート材3の係止具31を吊下げフック1から取外す場合は、シート材3の係止具31を把持して上方へ強く引張り上げ、返し片122の押圧力に抗してフック部12から取外すだけでよい。また、吊下げフック1をレール材2からの取外す際は、
図12(a)に示すように、係合部11の第1板片11a及び第2板片11bを指で摘まんで互いに近接する方向へ撓ませ、第1ヒレ片11cの先端同士の距離を
図7に示すスリット2aの幅Wよりも縮めたら、係合部11を下方へ引降ろし、吊下げフック1をレール材2から取り外す。
【0049】
このように、吊下げフック1は、一対の板片11a、11bを撓ませてスリット2aから抜差しするだけで所望する位置に必要な個数分だけ容易にレール材2へ装着することができるので、利便性のよい吊下げ構造を構築することができる。またレール材2は、吊下げフック1を装着するレール部21と、軒天井Bと外装材Cとを区切る見切部22と、を一体的に有しているので、従来のように単体でレール材を別途軒天井Bに設置する必要がなく、また、軒天井をすっきりとした印象の意匠とすることができ、美観性を向上させることができる。
【0050】
なお、本実施形態では、吊下げフック1をスリット2aから着脱する場合について説明をしたが、先述したように、切欠き部2gから吊下げフック1を着脱してもよい。
【0051】
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る吊下げフック1及びシート材の吊下げ構造4は、住宅などの軒天井を有するバルコニやベランダ、テラスなどに日除け用のタープなどを吊下げる際に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 吊下げフック
11 係合部
111 係合片
11a 第1板片(一方の板片)
11b 第2板片(他方の板片)
11c 第1ヒレ片
11d 第2ヒレ片
11f 第1ヒレ片の上端面
112 連結片
12 フック部
121 嵌合片
12a 嵌合溝
122 返し片
123 突起片
2 レール材
21 レール部
21a 縁端部
21b 第1底板部(底板部)
21c 第1側板部(側板部)
22 見切部
2a スリット
2b 第1凹溝(凹溝)
2g 切欠き部
3 シート材
31 係止具
4 シート材の吊下げ構造
52 野縁
53 天井面材
6 エンドキャップ材
A 建物
B 軒天井
L3 第3距離(第1ヒレ片の下端面から第2ヒレ片の上端面までの距離)
t1 レール部の縁端部の厚さ
L5 第5距離(突起片の基端から連結片の下端面までの垂直距離)
L6 第6距離(突起片の先端から連結片の下端面までの垂直距離)