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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】電動家具
(51)【国際特許分類】
   A47C 21/00 20060101AFI20220805BHJP
   A61G 7/012 20060101ALI20220805BHJP
   A47C 19/04 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
A47C21/00
A61G7/012
A47C19/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018056634
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2019166122
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】松林 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】細川 雄史
(72)【発明者】
【氏名】下川 真人
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-144045(JP,A)
【文献】特開2011-010915(JP,A)
【文献】実開昭57-145417(JP,U)
【文献】特開平05-208036(JP,A)
【文献】特開2008-220603(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0259414(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0135570(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第107157675(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 21/00
A61G 7/012
A47C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚部の下端とボトムの上面との間の第1高さが可変のベッドと、
前記脚部の下に設けられるスペーサと、
前記ベッドと接続され、前記ベッドの高さを表示することが可能な表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記スペーサの第2高さを含む情報に基づいて、前記ベッドの前記高さを補正して表示可能な、電動家具。
【請求項2】
前記スペーサの第2高さを含む情報は、前記ベッドに備えられた記憶部に保持されている、請求項1記載の電動家具。
【請求項3】
前記スペーサの第2高さを含む情報は、前記スペーサに設けられた情報タグに格納されている、請求項1記載の電動家具。
【請求項4】
前記ベッドは、前記ベッドを制御する複数の操作ボタンを備える制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、操作受付部を備え、
前記複数の操作ボタンと前記操作受付部を同時に操作することで、
前記表示部が、前記スペーサの第2高さを含む情報に基づいて、前記ベッドの前記高さを補正して表示することができる、請求項1から3のいずれかに記載の電動家具。
【請求項5】
脚部の下端とボトムの上面との間の第1高さが可変のベッドと、
前記脚部の下に設けられるスペーサと、
前記ベッドと接続される表示部と、
を備え、
前記脚部及び前記スペーサの少なくともいずれかは、スイッチを含み、
前記スイッチの状態は、前記脚部に前記スペーサが設けられたときと設けられないときとで異なり、
前記表示部は、前記状態に基づいて、前記脚部に前記スペーサが設けられたときは前記ベッドの高さとして前記スペーサの第2高さを含む情報に基づいて、前記ベッドの前記高さを補正して表示可能であり、前記脚部に前記スペーサが設けられないときは前記ベッドの高さとして前記第1高さを表示可能な、電動家具。
【請求項6】
脚部の下端とボトムの上面との間の第1高さが可変のベッドと、
前記ボトムの上に置かれるマットレスと、
前記ベッドと接続される表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記マットレスの厚さを含む情報に基づいて、前記第1高さに前記マットレスの厚さを高さとして加えて表示可能な、電動家具。
【請求項7】
前記マットレスの厚さを含む情報は、前記マットレスに設けられた情報タグに格納されている、請求項6記載の電動家具。
【請求項8】
脚部の下端にスペーサを着脱可能なベッドと、
前記ベッドと接続される表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記脚部の下端に前記スペーサが設けられた状態と、前記脚部の下端に前記スペーサが設けられていない状態のそれぞれについて、電磁波を用いた距離計により測定された前記ベッドが置かれた床面と前記ベッドの上面との距離に基づいて前記ベッドの高さを表示可能な、電動家具。
【請求項9】
脚部の下端とボトムの上面との間の第1高さが可変のベッドと、
前記脚部の下に設けられるスペーサに関する第1情報及び前記ボトムの上に置かれるマットレスに関する第2情報の少なくともいずれかを含む第3情報を保持する記憶部と、
前記ベッドと接続される表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記第1高さを前記第3情報に基づいて補正して表示可能な、電動家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動家具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ベッド面の高さが可変の電動家具(例えば、電動ベッド)がある。このような電動家具において、より使い易いことが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-204846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、より使い易い電動家具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、電動家具は、高さが可変のベッドと、前記ベッドの脚部に接続されるスペーサと、前記ベッドと接続され、前記ベッドの高さを表示することが可能な表示部と、を含む。前記表示部は、前記スペーサの高さを含む情報に基づいて前記ベッドの前記高さに前記スペーサの高さを加えて表示可能である。
別の実施形態によれば、電動家具は、高さが可変のベッドと、前記ベッドの脚部に接続されるスペーサと、前記ベッドと接続される表示部と、を含む。前記脚部及びスペーサの少なくともいずれかは、スイッチを含む。前記スイッチの状態は、前記脚部に前記スペーサが接続されたときと接続されないときとで異なる。前記表示部は、前記状態に基づいて前記ベッドの前記高さを補正して表示可能である。
別の実施形態によれば、電動家具は、高さが可変のベッドと、前記ベッドの上に置かれるマットレスと、前記ベッドと接続される表示部と、を含む。前記表示部は、前記マットレスの厚さを含む情報に基づいて前記ベッドの前記高さを補正して表示可能である。
別の実施形態によれば、電動家具は、ベッドと、前記ベッドと接続される表示部と、を含む。前記表示部は、測定部により測定された結果に基づいて前記ベッドの高さを補正して表示可能である。
別の実施形態によれば、電動家具は、高さが可変のベッドと、前記ベッドの脚部に接続されるスペーサに関する第1情報及び前記ベッドの上に置かれるマットレスに関する第2情報の少なくともいずれかを含む第3情報を保持する記憶部と、前記ベッドと接続される表示部と、を含む。前記表示部は、前記第3情報に基づいて前記ベッドの前記高さを補正して表示可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、より使い易い電動家具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(a)~図1(c)は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図2】第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係る電動家具の一部を例示する模式図である。
図4図4(a)及び図4(b)は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図6】第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図7】第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図8】第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図9】第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図10】第2実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図11】第3実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図12】第3実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1(a)~図1(c)は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図1(a)に示すように、実施形態に係る電動家具310は、ベッド70を含む。ベッド70の高さは、可変である。ベッド70に、高さ変更部70d(例えばアクチュエータなど)が設けられる。高さ変更部70dの動作により、ベッド70の高さが変更可能である。電動家具310は、例えば、電動ベッドである。
【0010】
ベッド70に、脚部74、ベースフレーム73、フレーム73F、ボトム71及び制御回路43が設けられる。ベースフレーム73は、脚部74に支えられる。ベースフレーム73に高さ変更部70dが設けられる。高さ変更部70dの上にボトム71が設けられる。ボトム71の上に、マットレス76が設けられる。マットレス76の上に、ベッド70の使用者が横たわる。例えば、ボトム71の下に制御回路43が設けられる。制御回路43は、高さ変更部70dを制御可能である。
【0011】
ベッド70は、制御装置70r(例えばリモートコントローラなど)を含んでも良い。制御装置70rは、ケーブル70rcにより制御回路43と接続される。制御装置70rと制御回路43との間の接続は、有線及び無線の少なくともいずれかの任意の方法で行われても良い。制御装置70rの操作に基づく信号に基づいて、制御回路43から制御信号が、高さ変更部70dに供給される。高さ変更部70d(例えばアクチュエータ)の動作により、ベッド70の高さが変更される。
【0012】
制御装置70rに表示部70rDが設けられる。表示部70rDに各種の情報が表示されても良い。
【0013】
ベッド70の高さは、例えば、ベッド70が置かれる床面と、ボトム71の上面と、の間の距離(重力に沿う方向の距離)に対応する。
【0014】
実施形態において、ボトム71の一部が傾斜しても良い。例えば、「背上げ」及び「膝上げ」の少なくともいずれかが実施できても良い。
【0015】
実施形態において、ベッドサイド制御部47が設けられても良い。ベッドサイド制御部47に表示部47Dが設けられても良い。
【0016】
ベッド70に、表示部70Dが設けられる。表示部70Dは、例えば、制御装置70rに設けられる表示部70rDでも良い。表示部70Dは、ベッドサイド制御部47に設けられる表示部47Dでも良い。後述するように、例えば、これらの表示部70Dにベッド70の高さが表示される。
【0017】
図1(b)及び図1(c)は、制御装置70rを例示している。制御装置70rは、第1面10a及び第2面10bを含む。第2面10bは、第1面10aの反対側である。
【0018】
図1(b)に示すように、第1面10aに表示部70rDが設けられる。この他、第1面10aに操作ボタン20が設けられる。操作ボタン20は、操作を受け付ける。この例では、複数の操作ボタン20(例えば、第1~第10ボタン21a~21jなど)が設けられる。例えば、第1~第6ボタン21a~21fを操作することで、ボトム71の角度(傾斜)が変化する。第7ボタン21g及び第8ボタン21hを操作することで、ボトム71の高さ(ベッド70の高さ)が変化する。第9ボタン21i及び第10ボタン21jを操作することで、例えば、記憶された動作(例えば記憶された姿勢への移行)などが行われる。操作ボタン20は、機械式でも良くタッチ式でも良い。
【0019】
第2面10bには、操作受付部50が設けられる。操作受付部50の操作により、制御装置70r(またはベッド70)が設定モードに移行しても良い。
【0020】
図1(a)に示すように、この例では、脚部74の下に、スペーサ75が設けられている。スペーサ75は、脚部74に、着脱可能に設けられる。スペーサ75が設けられない場合、ベッド70の高さは低い。スペーサ75が設けられると、ベッド70の高さは、高くなる。例えば、ベッド70の使用者などの要望に応じて、スペーサ75が設けられる場合と、設けられない場合がある。複数種類のスペーサ75が用意されてもよい。複数種類のスペーサ75において、互いの高さが異なる。ベッド70の所望の高さになるように、スペーサ75の種類(高さ)が選ばれる。
【0021】
図2は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図2は、電動家具310の機能ブロック図である。電動家具310は、制御回路43、高さ変更部70d及び表示部70Dを含む。この例では、操作受付部50、操作ボタン20及び記憶部40が設けられている。既に説明したように、操作受付部50及び操作ボタン20は制御装置70rに設けられる。
【0022】
記憶部40は、制御装置70r、制御回路43、ベッドサイド制御部47、および、サーバの少なくともいずれかに設けられてもよい。記憶部40は、半導体メモリまたは磁気メモリなど任意のメモリを含む。記憶部40は、例えば、各種のデータを保存し、他の機器に提供できる。
【0023】
操作受付部50及び操作ボタン20などの操作により、制御回路43から制御信号が高さ変更部70dに供給され、高さ変更部70dが動作する。制御回路43から、表示に関するデータが表示部70Dに供給され、表示部70Dに種々のデータ(高さなど)が表示される。
【0024】
以下、スペーサ75の例について説明する。
図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係る電動家具の一部を例示する模式図である。
図3(a)は、脚部74とスペーサ75とを接続する前の状態に対応する。図3(b)は脚部74とスペーサ75とが接続された状態に対応する。例えば、脚部74及びスペーサ75には、互いにフィットする凹凸が設けられる。この例では、スペーサ75に凸部75p(弾性部分)が設けられる。脚部74に、凹部74d(この例では孔)が設けられる。凸部75p及び凹部74dがフィットする。実施形態において、スペーサ75に凹部が設けられ、脚部74に凸部が設けられてもよい。
【0025】
以下、スペーサ75が設けられない状態を第1状態とする。脚部74及びスペーサ75が接続された状態を第2状態とする。
【0026】
図4(a)及び図4(b)は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。 図4(a)は、第1状態ST1に対応する。第4(b)は、第2状態ST2に対応する。
【0027】
図4(a)に示すように、第1状態ST1において、床面78と、ボトム71の上面と、の間の距離を、ベッドの高さH1とする。図4(b)に示す第2状態ST2ではスペーサ75が設けられている。このため、第2状態ST2における高さH2は、第1状態ST1における高さH1よりも高くなる。
【0028】
ベッド70の使用者などに応じて、スペーサ75が用いられない場合と、スペーサ75が用いられる場合がある。
【0029】
例えば、表示部70D(例えば、表示部70rD及び表示部47Dなど)に、高さの値が表示される。この値は、例えば、高さ変更部70d(アクチュエータ)の動きに基づいている。従って、一般に、表示部70Dには、スペーサ75が用いられないときの高さが表示される。
【0030】
この場合、スペーサ75が用いられるときに表示される高さの値は、実際の高さとは異なる。このため、使用者及びその看護者などにおいて誤認識が生じやすい。例えば、病院などの施設においては、多くのベッド70が設けられる。複数のベッド70において、スペーサ75が用いられる場合と用いられない場合がある。このような場合に、特に、誤認識が生じやすい。
【0031】
ベッドの高さは、使用者にとって重要である。例えば、使用者が立ち上がるときの適切な高さは、使用者の身長や健康状態により異なる。例えば、使用者がベッド70から車いすなどに移乗する場合にも、適切な高さがあり、適切な高さは、使用者または車いすなどに応じて変化する。従って、実際の高さ(または実際に近い高さ)に対応する値が表示部70Dに表示されることが好ましい。
【0032】
実施形態においては、例えば、スペーサ75の有無、または、スペーサの種類(高さの種類)などに応じて、表示部70Dに表示される高さに対応する値を変更する。この動作は、任意のプロセッサ(制御装置70r、制御回路43、ベッドサイド制御部47、および、サーバの少なくともいずれか)で行われる。
【0033】
例えば、ベッド70を、スペーサ75を使用しない第1状態ST1からスペーサ75を使用する第2状態ST2に変更する場合に、以下の手順が実施される。
【0034】
例えば、ベッド70の電源がオフ状態のときに、操作受付部50と、複数の操作ボタン20と、を同時に操作する。これにより、制御装置70rは、「高さ設定モード」になる。この状態で、例えば、複数の操作ボタン20の少なくとも1つを操作する。これにより、例えば、スペーサ75が設けられるモードと、スペーサ75が設けられないモードと、が選択できる。複数の高さのスペーサ75が存在する場合に、複数の高さが選択できてもよい。
【0035】
スペーサ75に関するこれらの情報は、例えば、記憶部40に保持されている。「高さ設定モード」において、上記のように、複数の操作ボタン20の少なくとも1つを操作することで、記憶部40に保持されたスペーサ75に関する情報が、取り出される。この情報は、例えば、制御装置70r(または制御回路43、ベッドサイド制御部47、および、サーバなど)に保存される。
【0036】
例えば、操作受付部50などを操作することで、「高さ設定モード」から「動作モード」になる。動作モードにおいては、例えば、第7ボタン21g及び第8ボタン21hを操作することで、高さ変更部70dが動作し、ボトム71が昇降する。これにより、ボトム71の高さ(ベッド70の高さ)が変化する。
【0037】
例えば、表示部70D(例えば、表示部70rDまたは表示部47Dなど)は、スペーサ75に関する情報(スペーサ75の有無や高さなど)に基づいて、ベッド70の高さを補正して表示する。
【0038】
図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。 これらの図は、表示部70Dの表示の例である。図5(a)は、スペーサ75が設けられない第1状態ST1に対応する。図5(b)は、スペーサ75が設けられた第2状態ST2に対応する。この例では、スペーサ75の高さは、7cmである。
【0039】
第1状態ST1において、表示部70Dに1つの値(この例では、「34」cm)が表示される。この値は、高さ変更部70d(例えばアクチュエータ)の1つの状態に対応する。
【0040】
高さ変更部70d(例えばアクチュエータ)のこの1つの状態の場合、図5(b)に示すように、第2状態ST2においては、表示部70Dには、「41」cmが表示される。例えば、第1状態ST1における値と、スペーサ75の高さの値(この例では7cm)と、の和が、表示部70Dに表示される。これらの和の値は、補正された高さに対応する。この値は、実際の高さ(床面78と、ボトム71の上面と、の間の距離)に対応する。
【0041】
このように、実施形態に係る電動家具310は、高さが可変のベッド70と、ベッド70の脚部74に接続されるスペーサ75と、表示部70Dと、を含む。表示部70Dは、スペーサ75に対応する情報に基づいて、ベッド70の高さを補正して表示可能である。この情報は、例えば、スペーサ75の高さに関する情報を含む。
【0042】
実施形態によれば、実際の高さ(または実際に近い高さ)に対応する値を表示可能である。これにより、誤認識が抑制される。より使い易い電動家具を提供できる。
【0043】
電動家具310の例において、第1状態ST1のときに、高さ変更部70dを最も下降させたときに、表示部70Dには、「15」cmが表示される。第2状態ST2のときに、高さ変更部70dを最も下降させたときに、表示部70Dには、「22」cmが表示される。これらの値の差が、スペーサ75の高さに対応する。
【0044】
実施形態において、スペーサ75は、キャスタ(車輪)などを含んでも良い。補正された「ベッド70の高さ」は、補正前の「ベッド70の高さ」よりも高い。補正は、値が増加する方向の補正である。実施形態において、補正された高さの代わりに、スペーサ75が用いられていることに対応する情報を提供しても良い。例えば、「表示の数値はスペーサがないときの値です」、または、「スペーサが入っています」などの情報が提供されても良い。この提供は、表示(発光なども含む)及び音声の少なくともいずれかにより行われても良い。
【0045】
図6は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
本実施形態に係る電動家具311においても、高さが可変のベッド70と、ベッド70の脚部74に接続されるスペーサ75と、表示部70Dと、が設けられる。図6は、電動家具311におけるスペーサ75を例示している。スペーサ75は、情報タグ75aを含む。情報タグ75aに、例えば、バーコード、二次元コード、電子チップ、または、磁気チップなどの任意のメモリ要素が用いられる。情報タグ75aには、スペーサ75に関する情報(例えばスペーサ75の高さなど)が格納されている。
【0046】
例えば、情報タグ75aを読み取ることで、スペーサ75に関する情報が取り出される。表示部70Dは、取り出された、スペーサ75の高さに対応する情報に基づいて、ベッド70の高さを補正して表示可能である。
【0047】
電動家具311においても、実際の高さ(または実際に近い高さ)に対応する値を表示可能である。これにより、誤認識が抑制される。より使い易い電動家具を提供できる。
【0048】
図7は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図7に示すように、電動家具311においては、入手部70Aが設けられる。入手部70A(例えば、検出部)は、情報タグ75aに設けられた情報を入手可能である。入手部70Aは、例えば、制御装置70rに設けられる。入手部70Aとして、例えば、スマートフォンなどの電子機器が用いられても良い。電子機器により、情報タグ75aに設けられた情報を入手しても良い。
【0049】
図8は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
本実施形態に係る電動家具312においても、高さが可変のベッド70と、ベッド70の脚部74に接続されるスペーサ75と、表示部70Dと、が設けられる。図8は、電動家具312における脚部74及びスペーサ75を例示している。
【0050】
電動家具312においては、脚部74及びスペーサ75の少なくともいずれかは、スイッチを含む。この例では、スペーサ75にスイッチ75Sが設けられている。
【0051】
スイッチ75Sの状態は、脚部74にスペーサ75が接続されたときと、接続されないときと、で異なる。例えば、スイッチ75Sは、脚部74にスペーサ75が接続されたときにオンになり、接続されないときにオフになる。または、例えば、スイッチ75Sは、脚部74にスペーサ75が接続されたときにオフになり、接続されないときにオンになっても良い。
【0052】
例えば、脚部74にスペーサ75が接続されると、スイッチ75Sが押されてオンになる。脚部74にスペーサ75が接続されないと、スイッチ75Sが押されず、オフになる。
【0053】
スイッチ75Sの状態(例えば、オンまたはオフ)に関する信号は、制御回路43に提供される。提供は、通信経路75Cにより行われる。通信経路75Cは、有線または無線の任意の方法が適用できる。制御回路43は、この信号に基づく情報を、表示部70Dに提供する。表示部70Dは、スイッチ75Sの状態に基づいて、ベッド70の高さを補正して表示可能である。
【0054】
電動家具312においても、実際の高さ(または実際に近い高さ)に対応する値を表示可能である。これにより、誤認識が抑制される。より使い易い電動家具を提供できる。
【0055】
図9は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図9に示すように、電動家具312においては、スイッチ75Sが設けられる。スイッチ75Sは、脚部74及びスペーサ75の少なくともいずれかに設けられる。スイッチ75Sの状態は、脚部74にスペーサ75が接続された第1状態ST1と、接続されない第2状態ST2と、で異なる。スイッチ75Sは、例えば、機械的、電気的、磁気的または光学的に、第1状態ST1と第2状態ST2とを認識できる。
【0056】
(第2実施形態)
第2実施形態においては、マットレス76の高さ(厚さ)に応じて、表示部70Dの表示が変化する。
【0057】
図10は、第2実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図10に示すように、本実施形態に係る電動家具320は、ベッド70、マットレス76及び入手部70Aを含む。この例では、入手部70Aは、制御装置70rに設けられている。
【0058】
マットレス76には、例えば、情報タグ76aが設けられる。情報タグ76aには、例えば、バーコード、二次元コード、電子チップ、または、磁気チップなどの任意のメモリ要素が用いられる。情報タグ76aには、マットレス76に関する情報(例えば、マットレス76の厚さなど)が格納されている。
【0059】
例えば、入手部70Aにより情報タグ76aを読み取ることで、マットレス76に関する情報が取り出される。表示部70Dは、取り出された、マットレス76に対応する情報に基づいて、ベッド70の高さを補正して表示可能である。この情報は、例えば、マットレス76の厚さに関する情報を含む。
【0060】
既に説明したように、マットレス76の上に、使用者が横たわる。このため、使用者の高さ位置は、マットレス76の上面の高さ位置に対応する。厚いマットレス76と、薄いマットレス76と、では、使用者の高さが異なる。このため、マットレス76の厚さを用いて補正して表示することで、実際の高さ(または実際に近い高さ)に対応する値が表示できる。
【0061】
電動家具320は、例えば、図7に例示した構成を有しても良い。
【0062】
電動家具320においても、誤認識が抑制される。より使い易い電動家具を提供できる。
【0063】
このように、本実施形態においては、入手部70Aは、マットレス76の厚さを含む情報を入手可能である。表示部70Dは、この情報に基づいてベッド70の高さを補正して表示可能である。この情報(例えば情報タグ76a)は、マットレス76に設けられることが好ましい。複数のマットレス76のそれぞれに、情報(例えば情報タグ76a)が設けられてもよい。これにより、目的とするマットレス76に対応する情報を効率的に入手できる。
【0064】
実施形態に係る電動ベッド(例えば、電動ベッド310~312、または320)は、例えば、高さが可変のベッド70と、記憶部40と、表示部70Dと、を含む(図2図7図9などを参照)。記憶部40は、以下の第3情報を保持する。第3情報は、ベッド70の脚部74に接続されるスペーサ75に関する第1情報、及び、ベッド70の上に置かれるマットレス76に関する第2情報の少なくともいずれかを含む。表示部70Dは、第3情報に基づいて、ベッド70の高さを補正して表示可能である。
【0065】
例えば、制御装置70rの操作ボタンなどを操作して、マットレス76の厚さの値などを入力して、高さを補正する参考例がある。この参考例においては、高さの値を入力するため、操作が煩雑である。これに対して、この実施形態においては、記憶部40に保存された情報を取り出して表示を補正する。このため、操作がより簡単である。
【0066】
(第3実施形態)
第3実施形態においては、ベッド70の高さが測定部により測定され、その結果に基づいて、ベッド70の高さが補正される。
【0067】
図11及び図12は、第3実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図11及び図12に示すように、本実施形態に係る電動家具330において、測定部70Bによりベッド70の高さが測定される。測定部70Bは、例えば、カメラである。例えば、ベッド70の高さ(ボトム71の高さ)を最も低くした状態で、カメラにより、ベッド70及び床面78の像を取得する。カメラにより得られた画像を解析することで、その状態におけるマットレス76の上面の高さに関する状態が得られる。この方法の場合、マットレス76の厚さ、及び、スペーサ75の有無に関係なく、高さを測定したときのマットレス76の上面の高さに関する情報が得られる。
【0068】
電動家具330においては、表示部70Dは、測定部70Bにより測定された結果に基づいて、ベッド70の高さを補正して表示可能である。電動家具330においても、実際の高さ(または実際に近い高さ)に対応する値が表示できる。より使い易い電動家具を提供できる。測定部70Bは、例えば、電磁波(例えば、赤外線またはレーザなど)を用いた距離計を含んでも良い。
【0069】
実施形態において、表示部70Dは、音声入力の結果に基づいて、ベッド面の高さを補正して表示しても良い。
【0070】
実施形態によればより使い易い電動家具が提供できる。
【0071】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、電動家具に含まれるベッド、制御装置、制御回路、記憶部、入手部及び測定部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0072】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0073】
その他、本発明の実施形態として上述した電動家具を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての電動家具も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0074】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0075】
10a、10b…第1、第2面、 20…操作ボタン、 21a~21j…第1~第10ボタン、 40…記憶部、 43…制御回路、 47…ベッドサイド制御部、 47D…表示部、 50…操作受付部、 70…ベッド、 70A…入手部、 70B…測定部、 70D…表示部、 70d…高さ変更部、 70r…制御装置、 70rD…表示部、 70rc…ケーブル、 71…ボトム、 73…ベースフレーム、 73F…フレーム、 74…脚部、 74d…凹部、 75…スペーサ、 75C…通信経路、 75S…スイッチ、 75a…情報タグ、 75p…凸部、 76…マットレス、 76a…情報タグ、 78…床面、 310~312、320、330…電動家具、 H1、H2…高さ、 ST1、ST2…第1、第2状態
図1
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図7
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