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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】迅速接続手段を有する酸素燃料トーチ
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/52 20060101AFI20220805BHJP
   F23K 5/00 20060101ALI20220805BHJP
   B23K 7/10 20060101ALI20220805BHJP
   F23D 14/22 20060101ALI20220805BHJP
   F23L 7/00 20060101ALI20220805BHJP
   F23L 1/00 20060101ALI20220805BHJP
   F16L 37/08 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
F23D14/52 B
F23K5/00 301A
B23K7/10 S
F23D14/22 C
F23L7/00 A
F23L1/00 B
F16L37/08
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018554357
(86)(22)【出願日】2017-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 EP2017060403
(87)【国際公開番号】W WO2017215827
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-04-24
(31)【優先権主張番号】16425058.1
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522008816
【氏名又は名称】リンカーン エレクトリック イタリア エッセエッレエッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ペッツォ イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ベンダッツォーリ シルヴァーノ
(72)【発明者】
【氏名】ジラルディ フェデリコ
【審査官】中野 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-253709(JP,A)
【文献】特開昭47-015358(JP,A)
【文献】実開昭48-103620(JP,U)
【文献】仏国特許発明第00645960(FR,A)
【文献】特開昭48-067152(JP,A)
【文献】登録実用新案第3072190(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/52
F23K 5/00
B23K 7/10
F23D 14/22
F23L 7/00
F23L 1/00
F16L 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素燃料トーチであって、
- 前記酸素燃料トーチが操作され得るハンドル、
- それぞれの入口ポートと出口ポートとの間で少なくとも燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れを送るために、前記ハンドルを通して配置された少なくとも2つのガス流路、および
- 各前記入口ポートと流体連通する入口コネクタであって、中間接続手段を介して前記各入口ポートを対応するガスホースに流体接続するように構成されている入口コネクタ、
を含む酸素燃料トーチにおいて、
前記入口コネクタは、ネジなしコネクタであり、かつそれぞれの各入口ポートに永久的に接続され、ネジは前記入口コネクタの内部にも外部にも設けられておらず、
前記中間接続手段は、迅速コネクタを含み、前記各入口コネクタは、雄型結合部分であって、各前記迅速コネクタの雌型ヘッド部分と協働して、前記入口コネクタおよび前記迅速コネクタを締結構成に保持するように構成された雄型結合部分を有し、
前記雄型結合部分は、チューブ状部材を含み、前記チューブ状部材は、少なくとも1つの円周突起であって、前記各迅速コネクタの前記雌型ヘッド部分の少なくとも1つの軸受を前記円周突起に係合させるために、前記チューブ状部材の自由端部から予め決められた距離に配置された少なくとも1つの円周突起を備え、
前記ハンドルは、前記出口ポートの側に位置する前面と、前記入口ポートの側に位置する背面との間で長手方向軸に対して平行に延在し、前記ハンドルは、前記各雄型結合部分の前記チューブ状部材の前記自由端部を越えて延在するとともに穴を画定する周辺壁を含み、前記入口コネクタは、完全に前記穴内に位置する、酸素燃料トーチ。
【請求項2】
前記各入口コネクタは、ろう付けによって前記各入口ポートに接合される、請求項1に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項3】
前記周辺壁は、前記ハンドルと一体的に作製される、請求項1又は2に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項4】
前記長手方向軸に対して平行に測定された前記周辺壁の長さは、50~300mmの間である、請求項1~3のいずれか1項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項5】
前記長手方向軸に対して平行に測定された前記周辺壁の長さは、100~250mmの間である、請求項1~4のいずれか1項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項6】
前記長手方向軸に対して垂直に測定された前記周辺壁の外側の幅は、30~70mmの間である、請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項7】
前記長手方向軸に対して垂直に測定された前記周辺壁の外側の幅は、40~60mmの間に含まれる、請求項1~6のいずれか一項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項8】
前記ハンドルの前記前面に取り付けられた本体と、前記酸素燃料トーチを動作させるときに前記出口ポートによって送給される前記燃料ガスの前記流れおよび/または前記酸化性ガスの前記流れを調節するために、前記出口ポートとそれぞれ流体連通して前記本体に装着されている流れ調節手段とを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項9】
前記酸素燃料トーチは、切断酸化性ガスの追加的な流れを調節するために前記本体に装着された追加的な流れ調節手段を含む切断トーチである、請求項8に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項10】
酸素燃料トーチであって、
- 前記酸素燃料トーチが操作され得るハンドル、
- それぞれの入口ポートと出口ポートとの間で少なくとも燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れを送るために、前記ハンドルを通して配置された少なくとも2つのガス流路、および
- 各前記入口ポートと流体連通する入口コネクタであって、中間コネクタを介して前記各入口ポートを対応するガスホースに流体接続するように構成されている入口コネクタ、
を含む酸素燃料トーチにおいて、
前記入口コネクタは、ネジなしコネクタであり、かつそれぞれの前記各入口ポートに永久的に接続され、ネジは前記入口コネクタの内部にも外部にも設けられておらず、
前記中間コネクタは、迅速コネクタを含み、前記各入口コネクタは、雄型結合部分であって、各前記迅速コネクタの雌型ヘッド部分と協働して、前記入口コネクタおよび前記迅速コネクタを締結構成に保持するように構成された雄型結合部分を有し、
前記雄型結合部分は、チューブ状部材を含み、前記チューブ状部材は、少なくとも1つの突起であって、前記各迅速コネクタの前記雌型ヘッド部分の少なくとも1つの軸受を前記突起に係合させるために、前記チューブ状部材の自由端部からある距離で離間された少なくとも1つの突起を備え、
前記ハンドルは、前記出口ポートの側に位置する前面と、前記入口ポートの側に位置する背面との間で長手方向軸に対して平行に延在し、前記ハンドルは、前記各雄型結合部分の前記チューブ状部材の前記自由端部を越えて延在するとともに穴を画定する周辺壁を含み、前記入口コネクタは、完全に前記穴内に位置する、酸素燃料トーチ。
【請求項11】
前記各入口コネクタは、ろう付けによって前記各入口ポートに接合される、請求項10に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項12】
前記周辺壁は、前記ハンドルと一体的に作製される、請求項10又は11に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項13】
前記長手方向軸に対して平行に測定された前記周辺壁の長さは、50~300mmの間である、請求項10~12のいずれか1項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項14】
前記長手方向軸に対して平行に測定された前記周辺壁の長さは、100~250mmの間である、請求項10~13のいずれか1項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項15】
前記長手方向軸に対して垂直に測定された前記周辺壁の外側の幅は、30~70mmの間である、請求項10~14のいずれか一項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項16】
前記長手方向軸に対して垂直に測定された前記周辺壁の外側の幅は、40~60mmの間である、請求項10~15のいずれか一項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項17】
前記ハンドルの前記前面に取り付けられた本体と、前記酸素燃料トーチを動作させるときに前記出口ポートによって送給される前記燃料ガスの前記流れおよび/または前記酸化性ガスの前記流れを調節するために、前記出口ポートとそれぞれ流体連通して前記本体に装着されている流れ調節手段とを含む、請求項10~16のいずれか一項に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項18】
酸素燃料トーチであって、
- 前記酸素燃料トーチが操作され得るハンドル、
- それぞれの入口ポートと出口ポートとの間で少なくとも燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れを送るために、前記ハンドルを通して配置された少なくとも2つのガス流路、および
- 各前記入口ポートと流体連通する入口コネクタであって、中間コネクタを介して前記各入口ポートを対応するガスホースに流体接続するように構成されている入口コネクタ、
を含む酸素燃料トーチにおいて、
前記入口コネクタは、ネジなしコネクタであり、かつそれぞれの前記各入口ポートに永久的に接続され、ネジは前記入口コネクタの内部にも外部にも設けられておらず、
前記中間コネクタは、迅速コネクタを含み、前記各入口コネクタは、第1の結合部分であって、各前記迅速コネクタの第2の結合部分と協働して、前記入口コネクタおよび前記迅速コネクタを締結構成に保持するように構成された第1の結合部分を有し、
前記第1の結合部分は、自由端部で終端するチューブ状部材を含み、前記ハンドルは、前記出口ポートの側に位置する前面と、前記入口ポートの側に位置する背面との間で長手方向軸に対して平行に延在し、前記ハンドルは、前記各第1の結合部分の前記チューブ状部材の前記自由端部を越えて延在するとともに穴を画定する周辺壁を含み、前記入口コネクタは、完全に前記穴内に位置する、酸素燃料トーチ。
【請求項19】
前記長手方向軸に対して垂直に測定された前記周辺壁の外側の幅は、30~70mmの間である、請求項18に記載の酸素燃料トーチ。
【請求項20】
前記長手方向軸に対して垂直に測定された前記周辺壁の外側の幅は、40~60mmの間である、請求項18または19に記載の酸素燃料トーチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素燃料トーチ(oxy-fuel torch)に関し、特に酸素燃料切断トーチ、そのようなトーチを含む酸素燃料アセンブリ、および本発明によるアセンブリを使用して、少なくとも金属工作物で切断、溶接、ろう付けまたは加熱を行うための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素燃料溶接および酸素燃料切断は、金属を溶接および切断するために燃料ガスおよび酸素を使用する処理である。それ自体公知である方法では、酸素燃料装置は、基本的に、少なくとも純酸素または空気などの酸素含有ガスなどの酸化性ガス源と、一般にアセチレンの燃料ガス源と、各供給源に接続された少なくとも2つの可撓性ガスホースと、液密接続手段を介して前記ホースに流体接続される、ブローパイプまたはブロートーチとも呼ばれるトーチとを含む。トーチは、使用者が掴むためのハンドルと、トーチの先端部で火炎を形成するように燃料ガスと酸素とが混合される混合室とを有する。
【0003】
より正確には、少なくとも2つのガス流路が、トーチのハンドルを通して延在して、少なくとも燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れをそれぞれ入口ポートと出口ポートとの間で送る。
【0004】
概して、各入口ポートは、ネジ付き入口コネクタを備える。カップリングナットをネジ部品として使用して、入口コネクタを、各ホースの端部に装着されるネジ付きホーステールと接合する。あるいは、迅速接続ニップルがネジ付きナットを介して各入口に螺合され得る。
【0005】
しかし、液密接続手段のネジ設計は、いくつかの課題を生じる。
【0006】
実際、ガスホースのためのネジ接続の特徴は、特に直径およびネジピッチの点でガスのタイプによって基準化される。しかし、これらの基準は、使用する国によって異なる。従って、国によって異なるタイプの酸素燃料トーチを製造する必要があり、これらのトーチの違いは入口コネクタのネジ部のみである。
【0007】
さらに、従来の入口コネクタは、それらのネジ設計に起因して脆弱でありかつ塵埃の影響を受けやすい。
【0008】
従来の入口コネクタの別の欠陥は、一般的にトーチに装着されるため、トーチハンドルを越えて突出することである。そのため、コネクタは、環境に直接曝され、かつトーチの輸送および手渡しの際に損傷され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、上述の従来技術の欠点のいくつかまたは全てを克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、本発明による解決法は、酸素燃料トーチであって、
- トーチが操作され得るハンドル、
- それぞれの入口ポートと出口ポートとの間で少なくとも燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れを送るために、前記ハンドルを通して配置された少なくとも2つのガス流路、および
- 各入口ポートと流体連通する入口コネクタであって、中間接続手段を介して各入口ポートを対応するガスホースに流体接続するように構成されている入口コネクタ
を含む酸素燃料トーチにおいて、
各入口コネクタは、ネジなしコネクタであり、かつそれぞれの各入口ポートと永久的に接続されることを特徴とする、酸素燃料トーチである。
【0011】
さらに、本発明の他の実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含み得る:
- 各入口コネクタは、ろう付けによって各入口ポートに接合される。
- 中間接続手段は、迅速コネクタを含み、各入口コネクタは、雄型結合部分であって、各迅速コネクタの雌型ヘッド部分と協働して、前記入口コネクタおよび前記迅速コネクタを締結構成に保持するように構成された雄型結合部分を有する。
- 各雄型結合部分は、少なくとも1つの浮き彫り要素であって、各迅速コネクタの雌型ヘッド部分の対応する浮き彫り要素と協働して、記浮き彫り要素を嵌合構成に保持するように適応された少なくとも1つの浮き彫り要素を備える。
- 各雄型結合部分は、チューブ状部材を含み、チューブ状部材は、少なくとも1つの円周突起であって、各迅速コネクタの雌型ヘッド部分の少なくとも1つの軸受を前記突起に係合させるために、チューブ状部材の自由端部から予め決められた距離に配置された少なくとも1つの円周突起を備える。
- ハンドルは、出口ポートの側に位置する前面と、入口ポートの側に位置する背面との間で長手方向軸X-Xに対して全体的に平行に延在し、ハンドルは、その背面から長手方向軸X-Xに対して全体的に平行に延在する周辺壁を含み、それにより、入口コネクタは、完全に収容される穴を画定する。
- 周辺壁は、ハンドルと一体的に作製される。
- 長手方向軸X-Xに対して平行に測定された周辺壁の長さは、50~300mm、好ましくは100~250mmに含まれる。
- 長手方向軸X-Xに対して垂直に測定された周辺壁の外側の幅は、30~70mm、好ましくは40~60mmに含まれる。
- トーチは、ハンドルの前面に取り付けられた本体と、トーチを動作させるときに出口ポートによって送給される燃料ガスの流れおよび/または酸化性ガスの流れを調節するために、出口ポートとそれぞれ流体連通して本体に装着されている流れ調節手段とを含む。
- トーチは、切断酸化性ガスの追加的な流れを調整するために本体に装着された追加的な流れ調節手段を含む切断トーチである。
【0012】
別の態様によれば、本発明は、先の請求項のいずれか一項に記載の酸素燃料トーチと、各入口コネクタを対応するガスホースに流体接続するように構成された中間接続手段とを含む酸素燃料アセンブリに関する。
【0013】
好ましくは、中間接続手段は、迅速コネクタを含み、各迅速コネクタは、各入口コネクタの雄型結合部分とかみ合うように構成された雌型ヘッド部分と、ガスホースに取り付けられるホースコネクタに接続されるように構成された末端部分とを有する。
【0014】
さらに、本発明は、本発明によるアセンブリを使用して、少なくとも金属工作物で切断、溶接、ろう付けまたは加熱を行うための方法であって、各入口コネクタは、中間接続手段を介して対応するガスホースに流体接続され、少なくとも酸化性ガス、特に酸素または酸素含有ガスの流れおよび燃料ガス、特にアセチレンまたは炭化水素含有ガスの流れは、前記対応するホースに分配される、方法に関する。
【0015】
本発明は、上述または下記の特徴のいずれかの組み合わせを含む任意の機器または代替的なプロセスにも関し得る。
【0016】
他の特徴および利点は、図面を参照して以下の説明を読むと明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来技術による酸素燃料トーチを示す。
図2A-2B】図1のトーチを従来技術によるガスホースに流体接続するための接続手段を示す。
図3A】本発明の一実施形態による酸素燃料トーチを示す。
図3B図3Aのトーチに接続されることを意図された接続手段を示す。
図4図3Aに示すトーチのハンドルの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、従来の酸素燃料トーチ100は、ハンドル109を含み、このハンドルは、ハンドル109内に位置する少なくとも2つの入口ポート104、105と少なくとも2つの出口ポート114、115との間に、少なくとも2種類のガス流を送給するための少なくとも2つのガス流路(図示せず)を組み込んでいる。
【0019】
2つの入口コネクタ107、108は、それぞれ入口ポート104、105に流体接続される。トーチは、それぞれ軸方向穴(図示せず)およびネジ付き外表面部分107a、107bを有するネジ付きコネクタ107、108を備える。概して、入口コネクタは、例えば、ハンドルまたはハンドルの一部に溶接することによってハンドル109に固定される。
【0020】
入口コネクタ107、108は、中間接続手段を介して各入口ポート104、105を対応するガスホースに流体接続することを意図されている。
【0021】
少なくとも1つのガスホースは、一方の端部で燃料ガスボンベにおよび他方のホース端部で入口コネクタ107に流体接続されるため、燃料ガスの流れは、トーチを動作させるときに入口ポート104に分配される。
【0022】
少なくとも1つの他方のガスホースは、一方の端部で酸化性ガスボンベにおよび他方の端部で入口コネクタ108に流体接続されるため、酸化性ガスの流れは、トーチを動作させるときに入口ポート105に分配され得る。
【0023】
図2Aおよび図2Bは、従来、酸素燃料トーチにおいて使用される中間接続手段の例を示す。カップリングナット130、131は、雄ネジ付き入口コネクタ107、108をホーステール132、133に接合するためのネジ部品として使用され得る。ナット130、131は、雄ネジ付き入口コネクタ107、108に適合する雌ネジを有する。ホーステール132、133は、対応するガスホースの端部内で摺動されることを意図され、かつクリンプされたフェルールによって適所に保持される。ナットは、トーチ上でナットを締めるために、手でまたはレンチで回され得る。別の解決法は、ネジ付きナット130、131を介して各入口コネクタ107、108に螺合される迅速接続ニップル134、135に基づく。
【0024】
ここで、図3Aおよび図3Bを参照すると、本発明の一実施形態による酸素燃料トーチ10は、ハンドル9内またはその上に配置されたそれぞれの入口ポート4、5と出口ポート14、15との間で少なくとも燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れを送るための、ハンドル9を通して延在する少なくとも2つのガス流路を含む。
【0025】
本発明に関して、入口ポートまたは出口ポートは、流体の流れを分配するかまたは受け入れるように適応された、任意のオリフィスまたはオリフィスを含む任意の機器もしくは部材であると理解され得る。
【0026】
入口コネクタ7、8は、ハンドル9に装着され、かつ各入口4、5と流体連通している。入口コネクタ7、8は、中間接続手段20、21を介して各入口ポート4、5を対応するガスホースに流体接続するように構成される。
【0027】
本発明によれば、各入口コネクタ7、8は、ネジなしコネクタであり、かつトーチ10の各入口ポート4、5に永久的に接続される。
【0028】
用語「ネジなし」は、入口コネクタの外部または内部にネジが設けられていないことを意味する。
【0029】
永久接続は、接合が、ナットまたはスクリューなどの取り外し可能な締結具に基づかないことを意味する。このタイプの締結は、取り外されることになっておらず、取り外される場合、接続された部品の基材に影響を及ぼし得る。
【0030】
本発明に起因して、全ての国に対して好適である所与のタイプの入口コネクタを有する単一のタイプの酸素燃料トーチを製造することが可能である。中間接続手段20、21は、トーチとは別に供給され、かつガスホースコネクタの国の基準に適応される特徴を有し得る。これにより、従来技術の機器と比較して、ネジ接続インターフェース数が削減されるために製造コストが削減され、かつ機器がより信頼性の高いものになる。
【0031】
各入口コネクタ7、8は、融接、はんだ付け、接着結合、螺合などの適切な接合プロセスにより、その対応する入口ポート4、5に接合され得る。
【0032】
好ましくは、入口コネクタ7、8は、少なくとも部分的に、銅、銅合金、表面処理された銅合金、ステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛合金から選択され得る金属材料で作製される。入口ポート4、5は、少なくとも部分的に、銅合金、表面処理された銅合金、ステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛合金から選択され得る金属材料で作製され得る。ハンドルは、金属材料またはプラスチック材料であり得る。
【0033】
有利には、各入口コネクタ7、8は、ろう付けにより、対応する入口ポート4、5に接合される。ろう付け接合は、接合される基材と同程度の強度であるという利点を提供する。ろう付けは、異なる金属の接合にも効果的である。ろう材は、銅合金、銀合金、すず合金、亜鉛合金から選択され得る。
【0034】
好ましくは、中間接続手段20、21は、一方の端部で入口コネクタに機械的に締結されるように構成され、および別の端部でガスホースコネクタに機械的に締結されるように構成される。これらの締結は、取り外し可能である。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、中間接続手段20、21は、迅速コネクタ20、21を含み、各入口コネクタ7、8は、雄型結合部分7a、8aであって、各迅速コネクタ20、21の雌型ヘッド部分20a、21aと協働して、前記入口コネクタ7、8および前記迅速コネクタ20、21を締結構成に保持するように構成された雄型結合部分7a、8aを有する。
【0036】
有利には、対応する雄型結合部分7a、8aおよび雌型ヘッド部分20a、21aは、互いに軸方向に嵌合するように適応される。
【0037】
図3Aに示す特定の実施形態では、各雄型結合部分7a、8aは、浮き彫り要素7a、7bであって、各迅速コネクタ20、21の雌型ヘッド部分20a、21aの対応する浮き彫り要素(図3Bには示さない)と協働して、前記浮き彫り要素を嵌合構成に保持するように適応された浮き彫り要素7a、7bを備える。
【0038】
一層好ましくは、各雄型結合部分7a、8aは、円周突起7a、7b、好ましくは外部突起7a、7bを備えるチューブ状部材を含み得る。前記突起7a、7bは、雌型ヘッド部分20a、21aの少なくとも1つの軸受または凹部に係合するために、チューブ状部材の自由端部から予め決められた距離dに配置される。予め決められた距離dは、5~25mmに含まれ得る。チューブ状部材は、5~25mmに含まれる外径を有する。
【0039】
それ自体が公知の方法では、迅速コネクタ20、21は、迅速接続の押込式または引寄式継手であり得る。
【0040】
有利には、迅速コネクタ20、21は、対応するガスホースに取り付けられるホースコネクタまたはホーステール(図示せず)に接続されるように構成された末端部分20b、21bを含む。好ましくは、末端部分20b、21bは、ネジ部分を含み、これらのネジ部分は、ガスホースの各端部に装着された対応するネジホースコネクタに接続されることを意図されている。
【0041】
有利には、末端部分20b、21b上のネジ部分は、ガスホースの危険な誤接続を回避するように手渡される。好ましくは、酸化性ガスホースのコネクタを受け入れることを意図された末端部分21b上のネジ部は、右ネジ山であるが、燃料ガスホースのコネクタを受け入れることを意図された末端部分20bは、左ネジ山を有する。
【0042】
有利には、入口コネクタ7、8および/または中間接続手段20、21は、それらの外表面に切り込まれた識別溝などの可視的な際立った特徴を有し得る。これにより、酸化性ガス輸送システムへの燃料ガス供給部の偶発的な接続の防止を改善し、またはその逆も同様である。
【0043】
図3Aおよび図4は、本発明による入口コネクタ7、8を組み込むトーチハンドル9の好ましい実施形態を示す。
【0044】
ハンドル9は、出口ポート14、15の側に位置する前面と、入口ポート4、5の側に位置する背面との間で長手方向軸X-Xに対して全体的に平行に延在する。
【0045】
有利には、ハンドル9は、その背面から長手方向軸X-Xに対して全体的に平行に延在する周辺壁9aを含み、それにより、図4に示すように、入口コネクタ7、8が完全に収容される穴を画定する。
【0046】
換言すると、図3Aに示す実施形態を考慮して、周辺壁9aは、入口コネクタ7、8の部分7a、7bの末端部を少なくとも越えて延在する。
【0047】
これにより、トーチの取扱、輸送または落下時に発生し得る損傷に対する入口コネクタ7、8の保護の改善をもたらす。
【0048】
周辺壁9aは、全体的に長円形(oblong)の横断面を有し得る。
【0049】
好ましくは、周辺壁9aは、ハンドル9と一体的に作製され得る。これにより、ハンドル9をよりロバストにする。
【0050】
長手方向軸X-Xに対して平行して測定された周辺壁9aの長さは、50~300mm、好ましくは100~250mmに含まれ得る。長手方向軸X-Xに対して垂直に測定された周辺壁9aの外側の幅は、30~70mm、好ましくは40~60mmに含まれ得る。
【0051】
本発明は、有利には、酸素燃料切断トーチに適用される。出口ポート14、15によって送給される燃料ガスの流れおよび/または酸化性ガスの流れを調節するためにトーチの本体11に装着された流れ調節手段12、13に加えて、トーチは、切断酸化性ガスの追加的なストリームを調節するために本体11に配置された追加的な流れ調節手段16を含む。
【0052】
前記追加的な調節手段は、追加的な弁(図示せず)と協働するように構成されたレバー16を含んでもよく、前記レバー16は、切断ガスが本体11から流出することを前記弁が防止する静止位置と、切断ガスが本体11から流出することを少なくとも弁が可能にする動作位置との間で変位可能である。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4