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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】自立可能立て看板
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/18 20060101AFI20220805BHJP
   E01F 13/00 20060101ALI20220805BHJP
   E01F 9/604 20160101ALI20220805BHJP
【FI】
G09F7/18 Y
E01F13/00
E01F9/604
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019092685
(22)【出願日】2019-05-16
(65)【公開番号】P2020187289
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】391007563
【氏名又は名称】ユニット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076266
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 泉
(72)【発明者】
【氏名】黒田 雄一郎
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3183983(JP,U)
【文献】実公昭51-044344(JP,Y1)
【文献】特開平07-202534(JP,A)
【文献】特開2005-107075(JP,A)
【文献】特開2015-040998(JP,A)
【文献】特開2008-040148(JP,A)
【文献】特開2013-134380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00
9/00-15/14
G09F 7/00- 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、この本体に取り付けられた、可視情報を担持している可視情報担持板と、上端部を前記本体に、横方向に延びる回動軸を中心として、一定範囲内において回動可能に支持されている脚体とを有してなり、前記本体に対し前記脚体を開いた状態で自立させることも、前記本体に対し前記脚体を閉じることもできるようになっている自立可能立て看板において、
前記本体は、左右の本体縦枠と、前記左右の本体縦枠の上下方向中間部間に渡された本体横材とを有してなり、
前記本体横材は、帯状の板材からなり、前記可視情報担持板と平行な細長い面をなすようにして、前記左右の本体縦枠間を延びる中間部と、この中間部の両端部から前記可視情報担持板から離れる方向に折り曲げられており、かつそれぞれ前記左右の本体縦枠に取り付けられている左右の被取付片部とを有してなり、
前記脚体は、左右の脚体縦材と、これらの左右の脚体縦材間に渡された脚体横材とを有してなり、
前記脚体は、前記左右の脚体縦材が前記本体の前記左右の本体縦枠の間かつ前記本体横材の前記左右の被取付片部間に収容された状態で、前記本体に対し閉じられるようになっており、
さらに前記可視情報担持板とそれぞれ平行な面をなす前方片部および後方片部と、これらの前方片部および後方片部の間に位置し、前記前方片部および前記後方片部に対し実質的に直角に折れ曲がっており、かつ前記本体の前記左右の本体縦枠の上下方向中間部内側に取り付けられた被取付片部とをそれぞれ有する左右のストッパ具とを有し、
前記脚体の左右の脚体縦材の上端は該脚体縦材の長さ方向に対し斜めをなしており、
前記脚体を前記本体に対し開き方向に回動して行くと、前記左右の脚体縦材の上端が前記左右のストッパ具の前記前方片部に当接されることにより、前記脚体が前記本体に対しそれ以上開き方向に回動できなくなり、前記脚体が前記本体に対し最大開かれた状態となるようになっている自立可能立て看板。
【請求項2】
前記脚体を前記本体に対し開き方向に回動して行くと、前記左右の脚体縦材の上端が前記左右のストッパ具の前記前方片部に当接されると同時に前記左右の脚体縦材の後方面が前記左右のストッパ具の前記後方片部の下端に当接することによっても、前記脚体が前記本体に対しそれ以上開き方向に回動できなくなり、前記脚体が前記本体に対し最大開かれた状態となるようになっている請求項記載の自立可能立て看板。
【請求項3】
前記左右のストッパ具の前記後方片部に巻き掛け体挿通孔が明けられており、前記本体に対し前記脚体が閉じられた状態において、当該自立可能立て看板の背面側を被取付体に当てるとともに前記左右のストッパ具の前記巻き掛け体挿通孔に巻き掛け体を挿通して前記被取付体に巻き掛けることにより、前記被取付体に対し当該自立可能立て看板を取り付けることができるようになっている請求項1または2記載の自立可能立て看板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体に対し脚体を開閉でき、脚体を開いて自立させることも、脚体を閉じた状態でバンドや針金等の巻き掛け体を使用して電柱、電信柱等に縛り付けることもできる、道路工事現場等で使用される自立可能立て看板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の自立可能立て看板は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
従来より、この種の自立可能立て看板は基本的に次のように構成されていた(なお、以下特許文献1に使用されている用語とは異なる用語を使用するので、特許文献1の参照を容易にするため、括弧内に特許文献1で使用されている用語および符号を示す)。文字、記号、絵、模様等の可視情報を表示する可視情報担持板(表面板5)を取り付けられる本体(表示パネル2)と、脚体(支持脚3)とを有してなり、脚体(支持脚3)の上端部は本体(表示パネル2)に、横方向に延びる回動軸(軸20)を中心として、一定範囲内において回動可能に支持されており、自立させるときは、特許文献1の図2のように、本体(表示パネル2)に対し脚体(支持脚3)を開いた状態で、本体(表示パネル2)および脚体(支持脚3)の下端部を接地することにより、設置面上に自立させることができる一方、収納時および運搬時等の不使用時並びに電柱、電信柱等にバンドや針金等の巻き掛け体で縛り付ける場合は、特許文献1の図3のように、本体(表示パネル2)に対し脚体(支持脚3)を閉じることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-237048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の自立可能立て看板においては、本体(表示パネル2)および脚体(支持脚3)の両方が同じ太さの横断面四角形状の角パイプ材を組み合わせて構成されていて、かつ本体(表示パネル2)の幅と脚体(支持脚3)の幅とが同じ大きさとされており、折り畳んだとき、特許文献1の図3に示されるように、本体(表示パネル2)および脚体(支持脚3)の両側端部が可視情報担持板(表面板5)に対し垂直な方向に互いに重なりあった状態となるようになっていたので、脚体(支持脚3)を閉じたときの看板の厚みは前記角パイプ材の太さの倍以上の厚みとなっていた。
【0006】
このため、トラック等の車両に積んで輸送する際、積み込める台数が少なく、仕入・出荷発送料等の輸送費の増大を招いていた。
【0007】
また、看板を保管する際も、保管場所の占有面積が大きくなり、保管場所の確保が大きな負担となっていた。
【0008】
また、輸送時や保管時に看板を横に倒した状態で積み重ねる場合、使用時における上端側は本体(表示パネル2)のみの厚さしかない一方、使用時における下端側は本体(表示パネル2)と脚体(支持脚3)とが重なった厚さとなっているので、各看板を全部同じ向きにして積み重ねると、不安定な積み重ね状態になってしまうため、看板の向きを1つ毎に逆にして積み重ねばならず、積み重ね作業に非常に手間が掛かっていた。
【0009】
さらに、脚体を閉じた状態でバンドや針金等の巻き掛け体を使用して電柱、電信柱等の被取付物に縛り付ける場合、設置する歩道や車道側帯などに被取付物から張り出す部分が大きくなっていた。特に、本体(表示パネル2)と脚体(支持脚3)とが重なっていることにより、看板を被取付物にきちんと密着して取り付けることが困難であったので、張り出し部分が余計に大きくなっており、安全上大きな問題となっていた。しかるに、公共の場における「安全」への社会の要請は年々厳しくなっており、早急な事態の改善が望まれていた。
【0010】
また、従来の自立可能立て看板においては、バンドや針金等の巻き掛け体を使用して電柱、電信柱等に縛り付ける際、作業に非常に手間が掛かるとともに、巻き掛け体以外の部品も別途必要になることが多いという問題もあった。
【0011】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、脚体を閉じた状態における厚さを薄くすることができる自立可能立て看板を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、バンドや針金等の巻き掛け体を使用して電柱、電信柱等に縛り付ける際、作業を容易かつ迅速に行うことができるとともに、巻き掛け体以外に別途部品が必要になることもない自立可能立て看板を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に係る発明による自立可能立て看板は、
本体と、この本体に取り付けられた、可視情報を担持している可視情報担持板と、上端部を前記本体に、横方向に延びる回動軸を中心として、一定範囲内において回動可能に支持されている脚体とを有してなり、前記本体に対し前記脚体を開いた状態で自立させることも、前記本体に対し前記脚体を閉じることもできるようになっている自立可能立て看板において、
前記本体は、左右の本体縦枠と、前記左右の本体縦枠の上下方向中間部間に渡された本体横材と、
前記本体横材は、帯状の板材からなり、前記可視情報担持板と平行な細長い面をなすようにして、前記左右の本体縦枠間を延びる中間部と、この中間部の両端部から前記可視情報担持板から離れる方向に折り曲げられており、かつそれぞれ前記左右の本体縦枠に取り付けられている左右の被取付片部とを有してなり、
前記脚体は、左右の脚体縦材と、これらの左右の脚体縦材間に渡された脚体横材とを有してなり、
前記脚体は、前記左右の脚体縦材が前記本体の前記左右の本体縦枠の間かつ前記本体横材の前記左右の被取付片部間に収容された状態で、前記本体に対し閉じられるようになっており、
さらに前記可視情報担持板とそれぞれ平行な面をなす前方片部および後方片部と、これらの前方片部および後方片部の間に位置し、前記前方片部および前記後方片部に対し実質的に直角に折れ曲がっており、かつ前記本体の前記左右の本体縦枠の上下方向中間部内側に取り付けられた被取付片部とをそれぞれ有する左右のストッパ具とを有し、
前記脚体の左右の脚体縦材の上端は該脚体縦材の長さ方向に対し斜めをなしており、
前記脚体を前記本体に対し開き方向に回動して行くと、前記左右の脚体縦材の上端が前記左右のストッパ具の前記前方片部に当接されることにより、前記脚体が前記本体に対しそれ以上開き方向に回動できなくなり、前記脚体が前記本体に対し最大開かれた状態となるようになっているものである。
【0015】
この請求項1に係る本発明によれば、本体に対し脚体を閉じたとき、脚体が本体の左右の本体縦枠の内側に収容されるので、脚体を閉じた状態の看板の厚さは本体の厚みのみとなるため、折り畳み時の看板の厚さを従来より大幅に薄くすることができる。
【0016】
このため、トラック等の車両に積んで輸送する際、積み込める台数が大幅に多くなり、輸送費を大幅に低減することができる。
【0017】
また、看板を保管する際も、保管場所の占有面積を大幅に小さくすることができ、保管場所の確保が非常に容易となる。
【0018】
また、脚体を閉じた状態では看板は上端から下端まで同じ厚さになるので、看板を横に倒した状態で積み重ねる際、各看板を全部同じ向きにして積み重ねても、安定に積み重ねることができる。したがって、積み重ね作業を迅速に行うことができるようになる。
【0019】
さらに、脚体を閉じた状態で、バンドや針金等の巻き掛け体を使用して電柱、電信柱等の被取付物に縛り付ける場合、折り畳み時の看板の厚さは本体の厚みのみとなるため、設置する歩道や車道側帯などに被取付物から張り出す部分を小さくすることができる。さらに、可視情報担持板に対し垂直な方向に関し本体と脚体とが重なっていないので、看板を被取付物にきちんと密着して取り付けることが容易になり、これによっても張り出し部分を小さくすることができる。
【0021】
また、従来の自立可能立て看板においては、脚体を本体に対し開き方向に回動して行くと、斜めに切断されている脚体の左右の脚体縦材(枠材18)の上端が本体(表示パネル2)の左右の本体縦枠(縦枠材10)に当接することにより、脚体が本体に対しそれ以上開き方向に回動できなくなり、脚体が本体に対し最大開かれた状態となるようになっていた。本発明においては、本体の幅と脚体の幅が異なるので、そのような従来の構成を取ることはできない。
【0022】
発明によれば、発明の構成を採用しつつ、本体に対する脚体の回動角度を制限することができる。また、脚体を本体に対し開き方向に回動したときに、脚体縦材の上端がストッパ具の前方辺部に当接されるので、可視情報担持板が脚体縦材の上端に押されて変形しないようにすることができる。
【0023】
請求項に係る本発明による自立可能立て看板は、請求項に係る本発明において、
前記脚体を前記本体に対し開き方向に回動して行くと、前記左右の脚体縦材の上端が前記左右のストッパ具の前記前方片部に当接されると同時に前記左右の脚体縦材の後方面が前記左右のストッパ具の前記後方片部の下端に当接することによっても、前記脚体が前記本体に対しそれ以上開き方向に回動できなくなり、前記脚体が前記本体に対し最大開かれた状態となるようになっているものである。
【0024】
この請求項に係る本発明によれば、脚体を本体に対し開き方向に回動して行くと、左右の脚体縦材の上端が左右のストッパ具の前方片部に当接されるのみならず、同時に左右の脚体縦材の後方面が左右のストッパ具の後方片部の下端にも当接するので、より強固に脚体を所定角度開いた状態に維持することができる。
【0025】
請求項に係る本発明による自立可能立て看板は、請求項またはに係る本発明において、
前記左右のストッパ具の前記後方片部に巻き掛け体挿通孔が明けられており、前記本体に対し前記脚体が閉じられた状態において、当該自立可能立て看板の背面側を被取付体に当てるとともに前記左右のストッパ具の前記巻き掛け体挿通孔に巻き掛け体を挿通して前記被取付体に巻き掛けることにより、前記被取付体に対し当該自立可能立て看板を取り付けることができるようになっているものである。
【0026】
この請求項に係る本発明によれば、簡単かつ迅速に電柱、電信柱等の被取付体に看板を取り付けることができる。また、巻き掛け体以外に別途部品が必要になることもない。
【発明の効果】
【0027】
本発明の自立可能立て看板は、
(イ)本体に対し脚体を閉じたときの看板の厚さは、本体の厚みのみとなるため、従来より大幅に薄くすることができる、
(ロ)このため、トラック等の車両に積んで輸送する際、積み込める台数が大幅に多くなり、輸送費を大幅に低減することができる、
(ハ)看板を保管する際も、保管場所の占有面積を大幅に小さくすることができ、保管場所の確保が非常に容易となる、
(ニ)脚体を閉じた状態では、看板は上端から下端まで同じ厚さになるので、横に倒した状態で積み重ねる際、各看板を全部同じ向きにして積み重ねても安定に積み重ねることができ、したがって、積み重ね作業を迅速に行うことができるようになる、
(ホ)さらに、脚体を閉じた状態で、バンドや針金等の巻き掛け体を使用して電柱、電信柱等の被取付物に縛り付ける場合、設置する歩道や車道側帯などに被取付物から張り出す部分を小さくすることができる。特に、可視情報担持板に対し垂直な方向に関し本体と脚体とが重なっていないので、看板を被取付物にきちんと密着して取り付けることが容易になり、これによっても張り出し部分を小さくすることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の自立可能立て看板の一実施例を閉じた状態において示す正面図である。
図2】前記実施例を閉じた状態において示す背面図である。
図3】前記実施例を閉じた状態において示す側面図である。
図4】前記実施例を閉じた状態において示す拡大平面図である。
図5図4のV-V部分拡大図である。
図6】前記実施例を示す拡大底面図である。
図7図6のVII-VII部分拡大図である。
図8図2のVIII-VIII線における拡大断面図である。
図9】前記実施例における中間横材を示す拡大斜視図である。
図10】前記実施例におけるストッパ具を示す拡大斜視図である。
図11】前記実施例におけるストッパ具を示す拡大側面図である。
図12】前記実施例を脚部を開いた状態において示す側面図である。
図13】前記実施例を脚部を開いた状態において示す前方斜視図である。
図14】前記実施例を脚部を開いた状態において示す後方斜視図である。
図15図14のA方向矢視図である。
図16】ストッパ具の巻き掛け体挿通孔に巻き掛け体を挿通して被取付体に巻き掛け、被取付体に前記実施例を縛り付けた状態を示す水平断面図である。
図17図16の一部を拡大して示す拡大断面図である。
図18】前記実施例の本体の下側の中間横材と枠体の下側の脚体横材とにウェイト台を介してウェイトを載せた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例
【0030】
図1~18は、本発明の一実施例を示す。図1~4は本実施例の自立可能立て看板1を閉じた状態で示した全体図である一方、図12~14は本実施例の自立可能立て看板1を開いた状態で示した全体図である。
【0031】
図2,13および14によく示されているように、前記立て看板1は、本体2と、この本体2に取り付けられた可視情報担持板3と、脚体4とを有してなる。
【0032】
前記本体2は、図2および14によく示されているように、それぞれ金属製の角パイプ材からなる左右の本体縦枠5と、これらの左右の本体縦枠5の上端間に渡された本体縦枠5と同じ太さの金属製の角パイプ材からなる本体上端横枠6と、図14によく示されているように前記左右の本体縦枠5の上下方向中間部間に渡された金属製の帯状材からなる2本の本体横材7とを有してなる。
【0033】
前記2本の本体横材7は、図8,9および14によく示されているように、次に詳しく説明する可視情報担持板3と実質的に平行な細長い面をなすようにして左右の本体縦枠5間を直線状に延びる中間部7aと、この中間部7aの両端部から可視情報担持板3から離れる方向に実質的に直角に折り曲げられた被取付片部7bとを有しており、これらの被取付片部7bは左右の本体縦枠5の内側面に隅肉溶接により取り付けられている。
【0034】
前記可視情報担持板3は、薄い金属板からなり、左右の本体縦枠5と本体上端横枠6の前面にネジ止め、スポット溶接または接着等により取り付けられている(なお、可視情報担持板3は本体横材7には取り付けられていない)。
【0035】
前記可視情報担持板3の表面には、図1および13に示されているように、注意を喚起すべき内容を示す文字、記号、絵、模様等の可視情報8が担持されている。なお、可視情報8は、可視情報担持板3に直接印刷したり、手書きしてもよいし、テープ等を貼付して形成してもよいし、別の紙、シート等に印刷したり、手書きした上、これらの紙、シート等を可視情報担持板3に貼付してもよい。
【0036】
なお、上記記述において、「可視情報担持板3と実質的に平行な細長い面をなす」および「この中間部7aの両端部から可視情報担持板3から離れる方向に実質的に直角に折り曲げられた」と記したのは、そもそも前記可視情報担持板3を完全な平面とすることは実際には不可能であるので、前記本体横材7の中間部7aを可視情報担持板3に対し完全に平行な細長い面をなすようにすることも、本体横材7の被取付片部7bを中間部7aの両端部から可視情報担持板3から離れる方向に完全に直角に折り曲げることも不可能であるし、実際上その必要もないからである。
【0037】
図2,14および15に示されているように、前記左右の本体縦枠5の内側には、ストッパ具9が取り付けられている(このストッパ具9の全体の形状は、図10および11に最もよく示されている)。これらのストッパ具9は、それぞれ金属板材をコの字状に折り曲げてなり、可視情報担持板3とそれぞれ実質的に平行な面をなす前方片部9aおよび後方片部9bと、これらの前方片部9aおよび後方片部9bの間に位置し、前方片部9aおよび後方片部9bに対し実質的に直角に折れ曲がっており、かつ本体2の左右の本体縦枠5の内側に隅肉溶接により取り付けられた被取付片部9cとを有している。図2,7,10,11および15に示されているように、各ストッパ具9の後方片部9bには上下方向に延びる長孔からなる巻き掛け体挿通孔9dが明けられている。
【0038】
前記脚体4は、図2,13,および14によく示されているように、本体縦枠5および本体上端横枠6より細い金属製の角パイプ材からなる左右の脚体縦材10と、これらの脚体縦材10の中間部間に渡された脚体縦材10と同じ太さの金属製の角パイプ材からなる2本の脚体横材11とを有してなる。この脚体4は、左右の脚体縦材10の上端部を本体2の左右の本体縦枠5の上端寄りの部分に、横方向に延びる回動軸12を中心として回動可能に支持されることにより、該回動軸12を中心として本体2に回動可能に支持されている。なお、左右の脚体縦材10は左右の本体縦枠5より内側に配置されている。また、図15に示されているように、前記左右の脚体縦材10の上端10aは該脚体縦材10の長さ方向に対し斜めをなしている。
【0039】
この自立可能立て看板1を保管したり、運搬するときは、本体2に対し脚体4を閉じた状態とする。このように本体2に対し脚体4が閉じられた状態においては、脚体4は、図2,6~8に示されているように、該脚体4の左右の脚体縦材10が本体2の左右の本体縦枠5の間かつ本体横材7の左右の被取付片部7bの間に収容された状態になる。
【0040】
この自立可能立て看板1においては、このように本体2に対し脚体4を閉じたとき、脚体4が本体2の左右の本体縦枠5の内側に収容されるので、折り畳み時の看板1の厚さは本体2の厚み(左右の本体縦枠5および本体上端横枠の太さ)のみとなるため、折り畳み時の看板1の厚さを従来より大幅に薄くすることができる。
【0041】
このため、トラック等の車両に積んで輸送する際、積み込める台数が大幅に多くなり、輸送費を大幅に低減することができる。
【0042】
また、看板1を保管する際も、保管場所の占有面積を大幅に小さくすることができ、保管場所の確保が非常に容易となる。
【0043】
また、脚体4を閉じた状態では看板1は上端から下端まで同じ厚さになるので、看板1を横に倒した状態で積み重ねる際、各看板1を全部同じ向きにして積み重ねても、安定に積み重ねることができる。したがって、積み重ね作業を迅速に行うことができるようになる。
【0044】
さらに、脚体4を閉じた状態で電柱、電信柱等の被取付物にバンド、針金等のバンドや針金等の巻き掛け体を用いて縛り付ける場合、設置する歩道や車道側帯などに被取付物から張り出す部分を小さくすることができる。特に、可視情報担持板3に対し垂直な方向に関し本体2と脚体4とが重なっていないので、看板1を被取付物にきちんと密着して取り付けることが容易になり、これによっても張り出し部分を小さくすることができる。
【0045】
なお、図8においては、脚体4の脚体縦材10と本体横材7の被取付片部7bとの間に隙間が空いているので、同図のように脚体4が閉じられた状態から脚体4を再び開くのにほとんど力を必要がないように思われてしまうかも知れないが、これはあくまで図面上の表現であって、実際の製品では、適当な寸法誤差やゆがみがあるので、4箇所ある脚体4の脚体縦材10と本体横材11の被取付片部7bとの対向部には接触する部分が生じるため、同図のように脚体4が閉じられた状態になると、ある程度大きな力を掛けないと、脚体4を再び開くことができないようになり、意図しないときに脚体4が開いてしまわないようにすることができる。
【0046】
また、従来の自立可能立て看板においては、脚体(支持脚3)を本体(表示パネル2)に対し開き方向に回動して行くと、斜めに切断されている脚体(支持脚3)の左右の脚体縦材(本体縦枠18)の上端が本体(表示パネル2)の左右の本体縦枠(縦枠材10)に当接することにより、脚体(支持脚3)が本体(表示パネル2)に対しそれ以上開き方向に回動できなくなり、脚体(支持脚3)が本体(表示パネル2)に対し最大に開かれた状態となるようになっていた。この立て看板1においては、本体2の幅と脚体4の幅が異なるので、そのような従来のような構成を取ることはできない。
【0047】
この立て看板1においては、脚体4を本体2に対し開き方向に回動して行くと、図15によく示されているように左右の脚体縦材10の上端10aが左右のストッパ具9の前方片部9aに当接されるとともに左右の脚体縦材10の後方面10bが左右のストッパ具9の後方片部9bの下端に当接することにより、脚体4が前記2に対しそれ以上開き方向に回動できなくなり、脚体4が本体2に対し最大開かれた状態となるようになっている(このとき、本体2と脚体4とは45度をなすようになっている)。図12~15は、このようにして脚体4が本体2に対し最大開かれた状態を示している。
【0048】
このようにこの立て看板1においては、ストッパ具9を設けられていることにより、本体2に対し脚体4を閉じたとき、脚体4が本体2の左右の本体縦枠5の内側に収容される構成とし、なおかつ本体2に対する脚体4の回動角度を制限することができる。
【0049】
また、この立て看板1においては、脚体4を本体2に対し開き方向に回動したときに、脚体縦材10の上端10aがストッパ具9の前方辺部9aに当接されるので、可視情報担持板3が脚体縦材10の上端10aに押されて変形しないようにすることができる。
【0050】
なお、強度を確保できる場合は、脚体4を本体2に対し開き方向に回動して行くと、左右の脚体縦材10の上端10aが左右のストッパ具9の前方片部9aに当接されるのみで、左右の脚体縦材10の後方面10bは左右のストッパ具9の後方片部9bの下端に当接されることなく、それ以上脚体4が回動できなくなるようにしてもよい。
【0051】
しかし、本実施例のように、脚体4を本体2に対し開き方向に回動したときに、脚体4がストッパ具9の前方片部9aおよび後方片部9bの両方に当接されて、それ以上脚体4の回動できなくなるようにすれば、本体2に対し脚体4をより強固に所定の開き状態に維持することができる。
【0052】
さらに、この立て看板1では、本体2に対し脚体4が閉じられた状態において、バンド、針金等のバンドや針金等の巻き掛け体13を用いて、電柱、電信柱等の被取付体14に立て看板1を取り付ける際、ストッパ具9を利用して、非常に簡単かつ迅速に被取付体14に当該自立可能立て看板1を取り付けることができる。
【0053】
すなわち、図16および17のように、立て看板1の背面側を被取付体14に当てるとともに左右のストッパ具9の巻き掛け体挿通孔9dに巻き掛け体13を挿通して被取付体14に巻き掛けることにより、非常に簡単かつ迅速に被取付体14に当該自立可能立て看板1を取り付けることができる。
【0054】
そして、このように被取付体14に自立可能立て看板1を取り付ける際、時別途部品を必要とすることもない
また、本実施例においては、巻き掛け体挿通孔9dは上下方向に延びる長孔とされているので、巻き掛け体13として針金のような線状なものも、横断面偏平なバンドのようなものも使用できる。
【0055】
図18は、本体2の下側の本体横材7と脚体4の下側の脚体横材11との上にウェイト台15を載せ、さらにこのウェイト台15に水を収容した容器、鉄製、ゴム製等の錘からなるウェイト16を載置した状態を示している。このようにこの自立可能立て看板1は、従来の自立可能立て看板と同様にウェイト台15を介してウェイト16を載置して、立て看板1が強風や衝撃に対抗できるようにすることができる。
【0056】
なお、図面では明確に示されていないが、この図のウェイト台15の場合、本体2側の先端部に爪状部を設けられていて、これらの爪状部が下側の本体横材7と可視情報担持板3との間に挿入された状態で、ウェイト台15の本体2側の先端部が下側の本体横材7上に載置されるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように本発明による自立可能立て看板は、本体に対し脚体を開閉でき、自立させることも、バンドや針金等の巻き掛け体を使用して電柱、電信柱等に縛り付けることもできる自立可能立て看板として有用である。
【符号の説明】
【0058】
1 自立可能立て看板
2 本体
3 可視情報担持板
4 脚体
5 本体縦枠
6 本体上端横枠
7 本体横材
7a 本体横材の中間部
7b 本体横材の被取付片部
8 可視情報
9 ストッパ具
9a 前方片部
9b 後方片部
9c 被取付片部
9d 巻き掛け体挿通孔
10 脚体縦材
10a 脚体縦材の上端
10b 脚体縦材の後方面
11 脚体横材
12 回動軸
13 巻き掛け体
14 被取付体
15 ウェイト台
16 ウェイト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図18