(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】機械部品を検査するための光電子装置および関連する保護デバイス
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20220805BHJP
【FI】
G01B11/00 Z
(21)【出願番号】P 2019568327
(86)(22)【出願日】2018-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2018065367
(87)【国際公開番号】W WO2018228998
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】102017000064533
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】500200708
【氏名又は名称】マーポス、ソチエタ、ペル、アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】MARPOSS S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】サムエレ、マルテッリ
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ、ベントゥーリ
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-538850(JP,A)
【文献】特開2007-301649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0132805(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 - 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械部品(2)の寸法、位置、完全性を、検査方向に沿って位置合わせされた投光器(6)および受光器(8)であって、それぞれ光ビーム(7)を投光し、受光するように構成された投光器(6)および受光器(8)を含む光学デバイスで検査する光電子装置(1)であって、
受光した光ビーム(7)の特性の変化を検出するように構成されたセンサと、
前記光学デバイス(6、8)の少なくとも一方用の保護デバイス(15、16)であって、内部シート(20)を有する支持要素(21、22)と、前記検査方向に沿って位置合わせされた連通管路(18、26、34)と、前記支持要素(22)の前記内部シート(20)内に配置され、休止位置から作動位置に変位可能であり、前記作動位置において、実質的に前記検査方向に沿って配置されるように構成された横方向貫通孔(60)を有するシャッタ(44)とを含む保護デバイス(15、16)とを備え、
前記シャッタ(44)が、さらに、開放端を有し、前記休止位置において、実質的に前記検査方向に沿って配置されるように構成された横方向中空部(54)と、
前記横方向中空部(54)内に配置された可動閉塞要素(55)と、
前記可動閉塞要素(55)が前記開放端を通って前記横方向中空部(54)から出るように前記可動閉塞要素(55)を押し出すように構成されたスラストデバイス(56)であって、休止位置において、前記連通管路(18、26、34)のうち1つの入口に前記可動閉塞要素(55)が押し付けられている、スラストデバイス(56)と
を含む、光電子装置(1)。
【請求項2】
前記保護デバイス(15)が、前記連通管路(18、26、34)のうち1つの前記入口に環状シール用ガスケット(35)を含み、前記休止位置において、前記可動閉塞要素(55)が前記環状シール用ガスケット(35)に押し付けられている、請求項1に記載の光電子装置(1)。
【請求項3】
前記支持要素(22)が、前記内部シート(20)および保護ガス源と連通する供給管路(30、31)を含み、前記保護デバイス(15)が、軸方向連通管路(34)を有するノズル(33)を含み、前記連通管路(18、26、34)が前記軸方向連通管路(34)を含む、請求項1または2に記載の光電子装置(1)。
【請求項4】
前記シャッタ(44)が、前記横方向貫通孔(60)に収束する斜め孔(59、61)であって、前記作動位置においては前記供給管路(30、31)と連通して前記保護ガスを前記ノズル(33)の前記軸方向連通管路(34)に搬送する斜め孔(59、61)をさらに備える、請求項3に記載の光電子装置(1)。
【請求項5】
前記休止位置において、前記可動閉塞要素(55)が、前記軸方向連通管路(34)の前記入口に押し付けられている、請求項3または4に記載の光電子装置(1)。
【請求項6】
前記光ビーム(7)がレーザビームであり、前記センサ(5)が前記レーザビームの中断を検出するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の光電子装置(1)。
【請求項7】
検査方向を規定する光ビーム(7)を投光し、受光するように構成された光学デバイス(6、8)用の保護デバイス(15)であって、
内部シート(20)を有する支持要素(21、22)と、前記検査方向に沿って位置合わせされた連通管路(18、26、34)と、前記支持要素(22)の前記内部シート(20)内に配置され、休止位置から作動位置に変位可能であり、前記作動位置において、実質的に前記検査方向に沿って配置されるように構成された横方向貫通孔(60)を有し、前記光ビーム(7)が通過することを許容するシャッタ(44)とを含み、
前記シャッタ(44)が、さらに、開放端を有し、前記休止位置において、実質的に前記検査方向に沿って配置されるように構成された横方向中空部(54)と、
前記横方向中空部(54)内に配置された可動閉塞要素(55)と、
前記可動閉塞要素(55)が前記開放端を通って前記横方向中空部(54)から出るように前記可動閉塞要素(55)を押し出すように構成されたスラストデバイス(56)であって、休止位置において、前記連通管路(18、26、34)のうち1つの入口に前記可動閉塞要素(55)が押し付けられている、スラストデバイス(56)と
を含む、
保護デバイス(15)。
【請求項8】
前記連通管路(18、26、34)のうち1つの前記入口に環状シール用ガスケット(35)を含み、前記休止位置において、前記可動閉塞要素(55)が前記環状シール用ガスケット(35)に押し付けられている、請求項7に記載の保護デバイス(15)。
【請求項9】
前記支持要素(22)が、前記内部シート(20)および圧縮空気源と連通する供給管路(30、31)を含み、前記保護デバイス(15)が、軸方向連通管路(34)を有するノズル(33)を含み、前記連通管路(18、26、34)が前記軸方向連通管路(34)を含み、前記休止位置において、前記可動閉塞要素(55)が、前記軸方向連通管路(34)の前記入口に押し付けられている、請求項7または8に記載の保護デバイス(15)。
【請求項10】
前記シャッタ(44)が、前記横方向貫通孔(60)に収束する斜め孔(59、61)であって、前記作動位置においては前記供給管路(30、31)と連通して前記圧縮空気を前記ノズル(33)の前記軸方向連通管路(34)に搬送する斜め孔(59、61)をさらに備える、請求項9に記載の保護デバイス(15)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械部品を検査するための光電子デバイスに関し、光学デバイス、特に、検査方向に沿って位置合わせされた投光器および受光器であって、光ビームをそれぞれ投光および受光するように構成された投光器および受光器によって、例えば、工具の寸法、位置、または完全性を検査するための光電子デバイスと、光デバイスのうちの少なくとも一方用の保護デバイスであって、可動シャッタを備える保護デバイスとに関する。
【0002】
本発明は、さらに、可動シャッタを備えた、光ビームの投光または受光に適した光学デバイス用の保護デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
光電子デバイスは、機械部品、例えば加工機械上の工具の寸法または存在、配置、および破損の可能性を検証することが知られている。このようなデバイスは、光ビームを使用することができ、例えば、ビームの中断を検出することができ、または機械部品の外形を取得し、この外形に対して適切な測定を行うことができる。
【0004】
米国特許出願公開第3912925号明細書は、例えば、穿孔機械であって、当該穿孔機械において、工具の完全性を検査するためのデバイスが、限定された厚みを有し、工具の送り方向に対して実質的に同一平面上にある横方向光ビームを使用する、穿孔機械を開示している。工具の特定位置において光ビームが中断しないことを検出し、工具の異常状態を通知する。
【0005】
米国特許出願公開第3749500号明細書は、工具(
図17)の寸法(円筒状部品の直径)または摩耗を検査するための光学ゲージの様々な用途を示している。
【0006】
光ビームを使用して、光ビームの中断を検出する他の検査装置は、他の特許文献、例えば、仏国特許出願公開第2343555号明細書、欧州特許出願公開第0098930号明細書、欧州特許出願公開第1050368号明細書、独国特許出願公開第10337242号明細書、欧州特許出願公開第2207643号明細書から知られている。
【0007】
光学装置、光電子装置においては、レンズ、ミラー、フォトダイオード等の部品を埃等の異物から保護する必要がある。この要求は、産業環境で動作しなければならない光電子装置であって、例えば、部品が加工される環境において、そのような部品の寸法を高い精度基準で検査するための光電子装置に特に強く要求される。
【0008】
光ビームを用いて作業場環境で動作する検査装置において、投光器および/また受光器に汚れがあると、投光された光ビームの正確な受光に直接的かつ困難な影響を与え、装置の正確な動作に影響を与える。このような問題には、様々な方法で向き合い、部分的には解決されている。独国特許出願公開第10337242号明細書および欧州特許出願公開第2207643号明細書に開示されているように、検査が行われる時間間隔の間だけ光学デバイスを露出させるスライド式シャッタ等の可動の機械的保護部があってもよい。このようにして、機械加工の過程で、光学デバイスは機械的に保護され、切りくずが光ビームの伝搬管路に到達することはない。
【0009】
しかしながら、移動シャッタに代表される遮蔽は、光ビーム伝搬管路が開口する内壁に沿って摺動できなければならず、保護が不十分となる場合がある。実際には、液体に対するシールを保証することはできず、冷却用の飛沫または滴が光学系に到達する可能性がある。
【0010】
また、例えば欧州特許出願公開第0098930号明細書および欧州特許出願公開第1050368号明細書に記載され、図示されているように、光学デバイスを収容するケーシングのガラス上に圧縮空気を吹き付ける洗浄ノズルを含む場合がある。後者の文献はまた、光学デバイスが、出力(投光器の場合)または入力(受光器の場合)される光ビームが通過することを許容するための管路を有する機械的保護部、すなわちスクリーンと、汚れ等の他の異物がその管路を貫通して光学装置に到達するのを防止するために、圧縮空気を前記ケーシングから前記管路を通して外側に吹き出す空気回路とを備える、異なる解決策を示す。
【0011】
米国特許出願公開第3749500号明細書、独国特許出願公開第10337242号明細書、および欧州特許出願公開第2207643号明細書もまた、光学デバイスを収容する加圧ユニットの実装を含む。欧州特許出願公開第2207643号明細書は、移動機械的保護要素、すなわちシャッタに加えて、光ビームが交差する管路の周りに、異なる管路を有する特定のノズルを備えた空気圧システムであって、光ビームの周りに管状保護シールドの形で空気の流れを生成する空気圧システムを備える保護デバイスを図示し説明する。このデバイスは、可動シャッタが光ビームと交差する管路を閉じているが、密閉された閉塞を保証できない非動作状態において、低流量の空気が、上記の管路を通過してそこから漏出するように吹き付けられるようにする。このようにして、非動作段階において、光学デバイス(投光器または受光器)の外面に汚れ等の異物が付着することが防止される。この解決策では、気流が持続する限りは適切な保護が保証されるが、例えば、電源障害の発生時や、例えば週末に装置の電源が入っていないときに問題が発生する可能性がある。この場合、実際には、噴霧され続ける場合がある冷媒および/または以前に分注されて機械および装置の壁上に存在する冷媒が、光学系を貫通して汚すことを妨げるものは何もない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、光ビームを用いた光検査装置であって、特に、光学デバイスの保護に関する既知の装置の問題を克服し、優れた性能を保証し、特に作業場環境においても確実な光検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的および他の目的、ならびに利点は、請求項1に記載の装置および請求項7に記載の保護デバイスによって達成される。
【0014】
以下、非限定的な例として提供される添付図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による光電子装置を含む検査システムの非常に概略的な側面図である。
【
図2】本発明による装置の光学デバイス用保護デバイスであり、第1の動作状態で示され、関連する光学デバイスに接続されている光学デバイス用保護デバイスの断面図である。
【
図3】第2の動作状態における、
図2の保護デバイスの断面図である。
【
図4】
図2の保護デバイスの、
図2の線IV-IVに沿った断面図である。
【
図5】
図3の保護デバイスの、
図3の線V-Vに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明による、光電子装置1が結合された機械部品2の検査中の、光電子装置1による検査システムを非常に簡単に示す。機械部品2は、特に旋盤4のタレット3に配置された工具である。
【0017】
装置1は、光学デバイス、特に投光器6および受光器8を備える。投光器6とは、すなわち、レーザビーム等の光ビーム7を生成して、この光ビーム7を検査方向に沿って送るデバイスであり、受光器8は、上記の検査方向に沿って配置され、光ビーム7を受光する。処理ユニット9は、投光器6と受光器8とに電気的に接続されており、とりわけ、受光した光ビーム7の特性の変化を検出するセンサ5を備えており、より具体的には、センサ5は、光ビーム7が受光器8によって受光されたか、または光ビーム7の中断により受光されなかったかを検出する。このシステムは、処理ユニット9に接続された制御ユニット10を含み、この制御ユニットは、既知であり、したがって図示されていない適切な作動デバイスによって、旋盤4の機械加工動作を、同様に既知の方法で制御する。
【0018】
投光器6は、とりわけ光源12を収容するケーシング11と、保護デバイス15、すなわちシャッタアセンブリとを含む。保護デバイス15は、異なる作業時点のものが
図2から
図5に示されている。
【0019】
シャッタアセンブリ15は、本質的に、三つの要素、すなわち、支持要素、すなわちシェル22と、ノズル33と、シャッタ44とを含む。
【0020】
シェル22は、投光器6のケーシング11に接続され、ケーシングに面する端壁17を含み、第1連通管路18が光源12と位置合わせされ、特に、透明壁13、例えば、光源12を覆う保護ガラスと連通している。
図2は、保護デバイス15が結合されているケーシング11の一部、ならびに光ビーム12およびガラス13を簡略化して示す。シール部材14は、端壁17とケーシング11との間に配置され、異なる複数のシール外形を有する。ガラス13においては、異なる複数のシール外形のうち、環状の外形を有する。
図4および
図5に見られる供給管路30、31は、圧縮空気または他の気体源と連通している。供給管路30、31、および端壁17内の追加管路19は、シェル22の、実質的に円筒形の長手方向内部シート20と連通している。支持要素の一部を形成する閉塞・回転防止要素21は、シェル22の端部を閉塞し、シャッタ44のための、実質的に平面の固定ガイド面32を画定する。第1連通管路18に対向して、ノズル33のための、実質的に円筒状のシート23が配置されている。第2連通管路26は、シート23と長手方向内部シート20との間に存在し、装置の検査方向に沿って第1連通管路18と位置合わせされている。
【0021】
ノズル33は、シェル22のシート23内に、例えば、インターロックまたはねじ(
図4および5に概略的に示されるように)によって収容および固定されて、検査方向に沿って第1連通管路18および第2連通管路26と位置合わせされて配置された軸方向連通管路34を提供する。第2連通管路26において、軸方向連通管路34の口部には、環状のシール用ガスケット35を収容する拡大部がある。
【0022】
シャッタ44は、実質的に円筒状の本体部45と、当接端部46,47とを備えている。シャッタ44は、シェル22の内部長手方向シート20に収容されており、シャッタ44は、当接端部47の面と閉塞・回転防止要素21の面との間の長手方向当接によって規定される休止位置(
図3、
図5)と、当接端部46とシェル22の内面との間の当接によって規定される作動位置(
図2、
図4)との間のクリアランスが小さい状態で、内部長手方向シート20内で摺動可能である。圧縮ばね62がシート20に収容されており、シャッタ44を休止位置に押し込む。当接端部47の横方向ガイド面52と、閉塞・回転防止要素21の固定ガイド面32とは、互いに協働して、シート20内のシャッタ44の長手方向の変位をガイドし、シャッタ44が長手方向軸の周りを回転するのを防止する。
【0023】
本体部45は、検査方向に平行な軸を規定する横方向貫通孔60と、検査方向に対して斜め方向に沿って横方向貫通孔60に収束する2つの斜め孔59、61(
図4)と、検査方向に対して実質的に平行な対称軸を有する典型的には円筒状である横方向中空部54であって、シェル22の端壁17に面する側に閉塞端を有し、反対側に開放端を有する横方向中空部54とを備える。典型的には小さな球体、すなわちボールである可動閉塞要素55が横方向中空部54内に配置され、横方向中空部54の閉塞端と可動閉塞要素55との間に配置された、典型的には圧縮ばねであるスラストデバイス56が、可動閉塞要素55を押して開放端から脱出させる。横方向貫通孔60および横方向中空部54は、第1連通管路18、およびノズル33の軸方向連通管路34に沿って、すなわち検査方向に沿って、装置の2つの異なる動作段階に配置されるように設計されている。横方向貫通孔60が第1連通管路18と位置合わせされると(
図2、
図4)、斜め孔59、61が供給管路30、31と位置合わせされる。
【0024】
保護デバイス、すなわちシャッタアセンブリ15に関する装置1の動作は、以下の通りである。
【0025】
加工機械4の機械部品(図には示されていない)の加工動作中、シャッタ44は、
図3および
図5に示す休止位置にあり、この休止位置は、当接部47が閉塞・回転防止要素21に長手方向に当接することによって規定される。図面の実施形態では、シャッタ44は、ばね62の作用によって休止位置に付勢されたままであるが、装置の通常動作中は、ばね62を省略することができ、図面には示されていない適切な開口部によって、当接端部46においてシート20内の保護ガスによって加えられる圧力を利用することができる。シャッタ44は、第1連通管路18を機械的に遮蔽し、さらに、本体45の横方向中空部54は、検査方向に対応しており、可動閉塞要素55は、スラストデバイス56の作用の下で、中空部54から部分的に突出し、軸方向連通管路34の入口、特に環状シール用ガスケット35に押し付けられる。したがって、切りくず等の異物が光源12のガラス13に到達するのを防止する、シャッタ44の遮蔽効果に加えて、ボール55と環状シール用ガスケット35との間の協働によって、液密性すなわちシールが提供され、作業環境に存在する冷却水の飛散および滴下から光学系を保護する。
【0026】
光電子装置1が検査を実行しなければならないときは、シャッタ44は、例えば、圧縮空気を追加
管路19を介してシェル22の長手方向内部シート20内に送る空気圧システムによって、休止位置から、
図2および
図3の配置では上部に示されている、当接端部46と、シェル22の内面との間の当接によって規定される作動位置まで変位される。圧縮空気がシャッタ44を押して移動させる効果の下で、環状シール用ガスケット35とボール55との間の協働によって、ばね56が圧力受け、ボール55が横方向中空部54に再び入る。このようにして、
図2に示される状況では、ボール55は、ばね56によって押圧されてシート20の内壁に寄りかかった状態で休止している。シャッタ44の作動位置では、横方向貫通孔60は、装置の検査方向に沿って、第1連通管路18および第2連通管路26と位置合わせされ、かつ軸方向の連通管路34とに位置合わせされ、光源12から投光された光ビーム7が通過することを許容する。さらに、この作動位置では、斜め孔59、61は、供給管路30、31と連通しており、この供給管路30、31を通って、典型的には圧縮空気であるシールドガス
または保護ガスが、投光器6のケーシング11内に存在する適切な空気回路によって搬送されて導入される。シールドガスは、供給管路30,31、斜め孔59,61、および横方向貫通孔60の終端部を通過してノズル33の軸方向連通管路34に向けて搬送され、軸方向連通管路34から出て保護流となり、装置の動作中に汚れ等の異物が投光器6に入るのを防止する。
【0027】
図1に概略的に示すように、上述したデバイス15と同じ特性を有する保護デバイス、すなわちシャッタアセンブリ16を受光器8に含むことができる。
【0028】
保護デバイス16は、非動作状態における、または予期しない電源障害のために、電源がない状態で、空気の流れが活発でなく、例えば作業場環境に存在する冷媒が光学デバイスに入るのを回避するために、シャッタによって提供される遮蔽が液密シールを保証できるほど十分でない場合であっても、いかなる状況下でも適切な保護を保証するのに極めて有効な、機械的に単純な解決策である。
【0029】
図面に示され、上述されたものに関する種々の代替実施形態が、本発明の範囲内で可能である。
【0030】
横方向中空部54は、例えば、上述され、図面に示されたものとは反対の方向に向けられてもよく、すなわち端部がノズル33の一部によって閉塞され、可動閉塞要素55が、休止位置において、連通管路18の口部、すなわち入口にあるシール用ガスケットと協働してもよい。しかしながら、好ましい解決策は、図面に示されているものであり、ノズル33においてシールを提供し、かつ液体がシート20にアクセスすることを防止する。
【0031】
前述の欧州特許出願公開第2207643号明細書に記載されているようなノズルであって、その特許公開公報に記載されている管状スクリーンと実質的に同様の保護流を生成するためのさらなる管路を備えたノズルを提供することができる。
【0032】
図1を参照してこれまで説明した実施形態は、光ビーム、典型的にはレーザビームの中断が検出され、信号が送られる光電子装置1に言及する。本発明の別の実施形態では、光電子装置は、例えばシャドウキャスティング型等の別の種類のものであり、受光器には、受光した光ビームの特性の変化を検出するための、特に工具のシャドウキャストを取得して異なる種類の測定および検査を実行するための、既知の「CCD」(「電荷結合素子」)センサが存在する。
【0033】
横方向中空部54が実質的に円筒形状であること、および可動閉塞要素55が球形状であることは、有利であり、特に確実な動作を保証する。しかしながら、上記の中空部と閉塞要素とが異なる形状を有しても、休止位置でのシールと、作動位置への通過時における閉塞要素のシート20への復帰とが保証される解決策も、本発明の範囲に含まれる。