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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】ソール構造
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/12 20060101AFI20220805BHJP
   A43B 13/18 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
A43B13/12 A
A43B13/18
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020017002
(22)【出願日】2020-02-04
(62)【分割の表示】P 2018515828の分割
【原出願日】2016-09-23
(65)【公開番号】P2020099700
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2020-03-03
(31)【優先権主張番号】62/222,882
(32)【優先日】2015-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/222,873
(32)【優先日】2015-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/222,851
(32)【優先日】2015-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/222,842
(32)【優先日】2015-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/222,832
(32)【優先日】2015-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/222,816
(32)【優先日】2015-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ダブリュー・ホッファー
(72)【発明者】
【氏名】カシディー・アール・レヴィー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・アール・ロング
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0196085(US,A1)
【文献】特開2014-033742(JP,A)
【文献】国際公開第2006/049401(WO,A1)
【文献】米国特許第04524529(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 13/00-13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物物品のためのソール構造であって、前記ソール構造は、
地面係合面を含むアウトソールと、
前記アウトソールの前記地面係合面と反対側に配置された中敷と、
前記アウトソールと前記中敷との間に配置された複数の繊維であって、互いに協働して前記アウトソールと前記中敷との間のキャビティを少なくとも部分的に充填するメッシュを形成する複数の繊維と、
前記キャビティ内に配置された粒状物質であって、前記メッシュの間質空間内に受容された粒状物質と、を含み、
前記アウトソールは、かかと領域と、前足領域と、前記かかと領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、を含み、
前記メッシュは、前記中足領域において、かかと領域及び前足領域よりも高い密度を有し、
1つ又は複数の前記繊維は、前記アウトソール及び前記中敷に取り付けられていない、ソール構造。
【請求項2】
前記粒状物質は、前記複数の繊維に対して移動することが可能である、請求項1に記載のソール構造。
【請求項3】
前記複数の繊維は、前記メッシュ内における前記粒状物質の自由な動きを制限する、請求項1に記載のソール構造。
【請求項4】
前記複数の繊維は、互いに取り付けられている、請求項1に記載のソール構造。
【請求項5】
前記複数の繊維は、互いに対して移動可能である、請求項1に記載のソール構造。
【請求項6】
前記メッシュは、前記アウトソールによる動きのために固定される、請求項1に記載のソール構造。
【請求項7】
前記粒状物質は、発泡ビーズを含む、請求項1に記載のソール構造。
【請求項8】
前記発泡ビーズは、略球形状を含む、請求項7に記載のソール構造。
【請求項9】
前記発泡ビーズは、同じ寸法及び形状を含む、請求項7に記載のソール構造。
【請求項10】
前記発泡ビーズは、異なる寸法及び形状の少なくとも1つを含む、請求項7に記載のソール構造。
【請求項11】
前記メッシュは、前記アウトソールの長さに沿って異なる密度を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項12】
前記メッシュは、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を有する、請求項に記載のソール構造。
【請求項13】
前記メッシュは、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のそれぞれにおいて異なる密度を有する、請求項に記載のソール構造。
【請求項14】
前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域は、複数の壁によって互いから分離される、請求項のソール構造。
【請求項15】
前記複数の壁は、前記アウトソールの長手方向軸に対して略垂直に延在する、請求項14に記載のソール構造。
【請求項16】
前記複数の壁は、前記アウトソールから前記中敷の底面に向けて延在する、請求項14に記載のソール構造。
【請求項17】
前記複数の壁は、前記中敷の前記底面から離隔される、請求項16に記載のソール構造。
【請求項18】
前記複数の壁のうちの少なくとも1つは、前記中敷の前記底面と接触状態である、請求項16に記載のソール構造。
【請求項19】
前記複数の壁のそれぞれは、前記中敷の前記底面と接触状態である、請求項16に記載のソール構造。
【請求項20】
前記複数の壁は、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域の間における前記粒状物質の動きを妨げる、請求項14に記載のソール構造。
【請求項21】
前記複数の壁は、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域の間における前記粒状物質の動きを制限する、請求項14に記載のソール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2015年9月24日に出願された米国仮出願第62/222,822号、2015年9月24日に出願された米国仮出願第62/222,873号、2015年9月24日に出願された米国仮出願第62/222,851号、2015年9月24日に出願された米国仮出願第62/222,842号、2015年9月24日に出願された米国仮出願第62/222,832号、及び、2015年9月24日に出願された米国仮出願第62/222,816号の優先権を主張し、それらの開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願開示は、履物物品内に粒状発泡体の移動を制限する要素と組み合わされた粒状発泡体を有する履物物品に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは本願開示に関連した背景技術情報を提供しており、この技術情報は、必ずしも先行技術ではない。
【0004】
履物物品は通常、アッパーと、ソール構造とを含む。アッパーは、ソール構造上に足を受容し固定し、且つ支持するための任意の適切な材料から形成されることができる。アッパーは、靴紐、ストラップ、又は足の周りでアッパーのフィットを調節するための他の固定具と協働することができる。アッパーの底部分は、足の底面に近接しており、ソール構造に取り付けられる。
【0005】
ソール構造は一般的に、地面とアッパーとの間に延在している積層構造体を含む。ソール構造ののうちの一のレイヤーはアウトソールを含み、このアウトソールは耐摩耗性及び地面に対する静止摩擦を提供する。アウトソールは、ゴム、又は、地面に対する静止摩擦を高めるとともに、耐久性及び耐摩耗性を提供する他の材料から形成されてもよい。ソール構造のうちの他の層は、アウトソールとアッパーとの間に配置されたミッドソールを含む。ミッドソールは足のためのクッション性を提供しており、一般的に、ポリマー発泡材料から少なくとも部分的に形成されており、このようなポリマー発泡材料は、地面反発力を減衰させることによって、足への衝撃を和らげるために、加えられた負荷の下で弾性的に圧縮する。ミッドソールは、アウトソールと対向する底面を一の側に画定するとともに、足の底面の外形に一致するように輪郭形成されることができる中敷を反対側に画定することができる。ソール構造はまた、アッパーの底部分に近接する空隙内に位置した快適性を高めるインソール又は中敷を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポリマー発泡材料を使用するミッドソールは、適用された負荷の下で、例えばウォーキング運動又はランニング運動中に、弾性的に圧縮する単一のスラブ(slab)として一般的に構成される。一般的に、単一のスラブポリマー発泡体は、スラブが勾配負荷(gradient load)の下で圧縮する際の、柔軟性及び反応性に関連したクッション特性のバランスに重点を置いて設計される。あまりにも柔らかいクッション性を提供するポリマー発泡体は、圧縮率を減少させ、繰り返された圧縮後に地面反発力を減衰させるミッドソールの能力を減少させるだろう。逆に、あまりにも硬いポリマー発泡体、それ故に、非常に高反応性であるポリマー発泡体は、柔軟性を犠牲にし、それによって快適性が失われる。ポリマー発泡体のスラブの複数の領域は、スラブ全体の柔軟性及び反応性のバランスをとるために、密度、硬度、エネルギーリターン、及び材料選択を変えることができるのに対して、柔軟性から反応性への勾配方法(gradient manner)で負荷をかけるポリマー発泡体の単一のスラブを生成することは、達成することが難しい。
【0007】
本願明細書に記載された図面は、選択された構成の図示の目的のためであり、本願開示の範囲を限定するように意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の原理による履物物品の上部斜視図である。
図2】アウトソールの内側表面とミッドソールの底面との間のキャビティ内に受容された複数の繊維及び粒状物質を示す図1の履物物品の分解図である。
図3】アウトソールの内側表面とミッドソールの底面との間のキャビティ内に受容された複数の繊維と、キャビティ内に配置され、且つ複数の繊維によって形成されたメッシュの間質空間内に受容された粒状物質と、を示す図1のライン3-3に沿って切り取られた断面図である。
図4】アウトソールの内側表面とミッドソールの底面との間のキャビティ内に受容された複数の繊維と、キャビティ内に配置され、且つ複数の繊維によって形成されたメッシュの間質空間内に受容された粒状物質と、を示す図3の鎖線で囲まれた領域4の詳細断面図である。
図5】アウトソールによって画定されたキャビティ内に受容された複数の繊維によって形成されたメッシュと、アウトソールの周囲を取り囲む壁と、メッシュによって画定された間質空間内に受容された粒状物質と、を示す図1の履物物品のアウトソールの上部斜視図である。
図6】本開示の原理による履物物品の上部斜視図である。
図7】アウトソールの内側表面とミッドソールの底面との間のキャビティ内に受容されたメッシュの4つの領域を形成する複数の繊維を示す図6の履物物品の分解図である。
図8】粒状物質を受容するための間質空間を画定するメッシュを2つ又は複数の領域内に分割するために、アウトソールの内側表面からミッドソールの底面に向けた方向において延在している複数の壁を示す図6のライン8-8に沿って切り取られた断面図である。
図9】本開示の原理による履物物品の上部斜視図である。
図10】粒状物質を受容するための間質空間を画定するメッシュを2つ又は複数の領域内に分割するために、アウトソールの内側表面から延在し、且つミッドソールの底面と接触したポイントにおいて終端している複数の壁を示す図9のライン8-8に沿って切り取られた断面図である。
図11】本開示の原理による履物物品の上部斜視図である。
図12】アウトソールとミッドソールとの間のキャビティ内に存在しているメッシュと、メッシュによって画定された間質空間を少なくとも部分的に充填する粒状物質と、を示す図11のライン12-12に沿って切り取られた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
対応する参照符号は、図面を通して対応する部品を指し示す。
【0010】
例示的な構成は、添付の図面を参照してより完全に説明される。例示的な構成は、本開示が詳細であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。具体的な詳細な説明、例えば、本開示の構成の完全な理解を提供するために、具体的な構成要素、デバイス、及び方法の例は記載される。具体的な詳細な説明が採用される必要はなく、その構成例が多くの異なる形態で実施することができ、具体的な詳細な説明および構成例が本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではないことは、当業者には明らかであろう。
【0011】
本明細書で使用する用語は、特定の例示的な構成のみを説明する目的のためのものであり、限定されるように意図されない。本明細書で使用されるように、単数の冠詞「a」、「an」および「the」は、文脈が他に明白に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。「備える」、「備えている」、「含んでいる」、および「有している」との用語は包括的であり、それ故に、特徴、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。本明細書に記載された方法のステップ、プロセス、及び動作は、実行の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明又は図示された特定の順序で実行を必要とすると解釈されるべきではない。追加のステップ又は代替的なステップは採用されてもよい。
【0012】
ある要素又は層が他の要素又は層「上に」存在している、「に係合されている」、「に接続されている」、「に取り付けられている」、又は「に結合されている」と言及されている場合、他の要素又は層上に直接的に存在してもよく、に直接的に係合されてもよく、に直接的に接続されてもよく、に直接的に取り付けられてもよく、又はに直接的に結合されてもよく、或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、ある要素が他の要素又は層「上に直接的に存在する」、「に直接的に係合されている」、「に直接的に接続されている」、「に直接的に取り付けられている」、又は「に直接的に結合されている」と言及されている場合、介在する要素又は層が存在しない。これらの要素間の関係を説明するために使用される他の用語は、同様の方法で(例えば、「間に」対「間に直接的に」、「隣接する」対「直接的に隣接する」など)解釈されるべきである。本明細書で使用されるように、「及び/又は」という用語は、関連して列挙された項目のうちのいずれか及びこれらの項目のうちの1つ又は複数の全ての組み合わせを含む。
【0013】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書において、様々な要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明するために使用されることができる。これらの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、又はセクションを他の領域、層又はセクションと区別するためにのみ使用されてもよい。「第1」、「第2」などの用語および他の数学的用語は、文脈によって明白に示されない限り、順番又は順序を暗示していない。それ故に、以下に説明される第1の要素、構成要素、領域、層、又はセクションは、例示的構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、又はセクションと呼ぶことができる。
【0014】
本開示の一の態様は、アッパーと、アッパーに取り付けられたアウトソールとを有する履物物品を含む。アウトソールは、地面係合面と、内側表面と、アウトソールの周囲を取り囲んでいる壁とを含む。内側表面は、地面係合面に対してアウトソールの反対側に形成される。壁は、キャビティを画定するために、内側表面と協働する。履物物品は、アッパーとアウトソールとの間に配置されたミッドソールをさらに含む。ミッドソールは、中敷と、中敷に対してミッドソールの反対側に配置された底面であって、ミッドソールの内側表面と対向する底面と、を含む。履物物品はまた、キャビティ内に受容された複数の繊維であって、キャビティを少なくとも部分的に充填するメッシュを形成するために互いに協働する。粒状物質は、キャビティ内に配置され、且つメッシュの間質空間内に受容される。
【0015】
いくつかの実施例において、粒状物質は、複数の繊維に対して移動することが可能であるのに対して、複数の繊維は、メッシュ内における粒状物質の自由な動きを制限する。複数の繊維は、互いに取り付けられてもよい。さらに、又は代替的に、複数の繊維は、互いに対して移動可能である。いくつかの実施例において、メッシュは、アウトソールによる動きのために固定される。メッシュは、ミッドソールの長さに沿って異なる密度を有してもよい。
【0016】
いくつかの実施例において、キャビティ内に配置された粒状物質は、略同じ寸法及び形状又は少なくとも1つの異なる寸法及び形状を含む発泡ビーズを含む。それらの実施例において、発泡ビーズは、略球形状を含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、ミッドソールは、かかと領域と、前足領域と、かかと領域と前足領域との間に配置された中足領域と、を含む。いくつかの実施例において、メッシュは、かかと領域、前足領域、及び中足領域のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を有する。例えば、メッシュは、かかと領域、前足領域、及び中足領域のそれぞれにおいて異なる密度を有する。他の実施例において、メッシュは、かかと領域、前足領域、及び中足領域のそれぞれにおいて略一定の密度を有する。
【0018】
履物物品はまた、かかと領域、前足領域、及び中足領域を分離する複数の壁を含んでもよい。いくつかのシナリオにおいて、複数の壁は、ミッドソールの長手方向軸に対して略垂直に延在する。例えば、複数の壁は、アウトソールの内側表面からミッドソールに向けて延在してもよい。いくつかの実施形態において、複数の壁は、ミッドソールの底面から離隔される。代替的には、複数の壁のうちの少なくとも1つは、ミッドソールの底面と接触状態になってもよい。任意選択的に、複数の壁のそれぞれは、ミッドソールの底面と接触状態になってもよい。複数の壁は、かかと領域、前足領域、及び中足領域の間における粒状物質の動きを妨げてもよく、又は制限してもよい。
【0019】
本開示の他の態様は、アッパーと、アッパーに取り付けられたアウトソールと、を有する履物物品を含む。アウトソールは地面係合面を含み、中敷はアッパーとアウトソールとの間に配置される。履物物品はまた、アウトソールと中敷との間に配置された複数の繊維を含む。複数の繊維は、アウトソールと中敷との間のキャビティを少なくとも部分的に充填するメッシュを形成するために互いに協働する。履物物品はまた、キャビティ内に配置された粒状物質であって、メッシュの間質空間内に受容された粒状物質を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、粒状物質は、複数の繊維に対して移動することが可能であるのに対して、複数の繊維は、メッシュ内における粒状物質の自由な動きを制限する。複数の繊維は、互いに取り付けられてもよい。さらに、又は代替的に、複数の繊維は、互いに対して移動可能である。いくつかの実施例において、メッシュは、アウトソールによる動きのために固定される。メッシュは、アウトソールの長さに沿って異なる密度を含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施例において、キャビティ内に配置された粒状物質は、略同じ寸法及び形状又は少なくとも1つの異なる寸法及び形状を含む発泡ビーズを含む。それらの実施例において、発泡ビーズは、略球形状を含んでもよい。
【0022】
任意選択的に、アウトソールは、かかと領域と、前足領域と、かかと領域と前足領域との間に配置された中足領域と、を含む。いくつかの実施例において、メッシュは、かかと領域、前足領域、及び中足領域のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を有する。例えば、メッシュは、かかと領域、前足領域、及び中足領域のそれぞれにおいて異なる密度を有してもよい。他の実施例において、メッシュは、かかと領域、前足領域、及び中足領域のそれぞれにおいて略一定の密度を有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、かかと領域、前足領域、及び中足領域は、複数の壁によって互いから分離される。いくつかのシナリオにおいて、複数の壁は、アウトソールの長手方向軸に対して略垂直に延在する。例えば、複数の壁は、アウトソールから中敷の底面に向けて延在してもよい。いくつかの実施例において、複数の壁は、中敷の底面から離隔される。代替的には、複数の壁のうちの少なくとも1つは、中敷の底面と接触状態になる。任意選択的に、複数の壁のそれぞれは、中敷の底面と接触状態になる。複数の壁は、かかと領域、前足領域、及び中足領域の間における粒状物質の動きを妨げてもよく、又は制限してもよい。
【0024】
本開示のさらなる他の態様において、履物物品を製造する方法は、中敷とアウトソールとの間にキャビティを提供するステップと、キャビティを少なくとも部分的に充填するメッシュを形成するために、互いに協働する複数の繊維をキャビティに提供するステップと、を含む。この方法はまた、メッシュの間質空間内に受容される粒状物質をメッシュに提供するステップを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、複数の繊維をキャビティに提供するステップは、複数の繊維を互いに取り付けるステップを含む。複数の繊維をキャビティに提供するステップはまた、アウトソールによる動きのために複数の繊維を固定するステップを含んでもよい。
【0026】
いくつかの実施例において、粒状物質をメッシュに提供するステップは、メッシュに発泡ビーズを提供するステップを含む。この方法は、略球形状を有する発泡ビーズを提供するステップをさらに含んでもよい。この方法は、略同じ寸法及び形状又は少なくとも1つの異なる寸法及び形状を有する発泡ビーズを提供するステップを含んでもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、メッシュを提供するステップは、メッシュに、アウトソールの長さに沿って異なる密度を提供するステップを含む。いくつかの実施例において、この方法はまた、かかと領域と、前足領域と、かかと領域と前足領域との間に配置された中足領域とを有するアウトソールを提供するステップを含む。メッシュを提供するステップはまた、メッシュに、かかと領域、前足領域、及び中足領域のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を提供するステップを含んでもよい。例えば、メッシュは、かかと領域、前足領域、及び中足領域のそれぞれにおいて異なる密度を有してもよい。他の実施例において、メッシュは、かかと領域、前足領域、及び中足領域のそれぞれにおいて略一定の密度を有する。
【0028】
任意選択的に、この方法はまた、かかと領域、前足領域、及び中足領域を分離するために複数の壁を提供するステップを含む。いくつかの実施例において、複数の壁を提供するステップは、ミッドソールの長手方向軸に対して略垂直な方向に複数の壁を延在させるステップを含む。いくつかのシナリオにおいて、この方法は、アウトソールから中敷の底面に向けて複数の壁を延在させるステップを含む。これらのシナリオにおいて、複数の壁のうちの少なくとも1つは、中敷の底面と接触状態になってもよい。代替的には、中敷の底面に向けて複数の壁を延在させるステップは、複数の壁の少なくとも1つを中敷の底面と接触するように延在させるステップを含む。中敷の底面に向けて複数の壁を延在させるステップは、中敷の底面と接触するように全ての複数の壁を延在させるステップを含むのに対して、中敷の底面に向けた方向において複数の壁を延在させるステップは、複数の壁のそれぞれを前記ミッドソールの前記底面と接触して配置するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、かかと領域、前足領域、及び中足領域の間における粒状物質の動きを妨げるステップ又は制限するステップを含む。
【0029】
図1~5を参照すると、いくつかの実施形態において、履物物品10は、アッパー100と、アッパー100に取り付けられたソール構造200と、を含む。履物物品10は、1つ又は複数の部分に分割されてもよい。それらの部分は、前足部分12と、中足部分14と、かかと部分16とを含んでもよい。前足部分12は、つま先及び中足骨を足の指骨に接続する関節に対応してもよい。中足部分14は、足の湾曲領域に対応してもよく、かかと部分16は、踵骨を含む足の後方部分に対応してもよい。履物物品10はそれぞれ、外側18及び内側20を含んでもよく、外側18及び内側20は履物物品10の両側に対応しており、部分12、14、16を通じて延在している。
【0030】
アッパー100は、ソール構造200上への支持のために足を受容し且つ固定するように構成された内部空間102を画定する内側表面を含む。かかと部分16における足首開口部104は、内部空間102へのアクセスを提供することができる。例えば、足首開口部104は、内部空間102内に足を固定するように、且つ、内部空間102へ足を入れること及び内部空間102から足を出すことを容易にするように、足を受容することができる。いくつかの実施例において、1つ又は複数の固定具106はアッパー100に沿って延在しており、内部空間102へ足を入れたり内部空間102から足を出したりするのを同時に調整するとともに、足の周りの内部空間102のフィットを調節する。アッパー100は、小穴などの孔及び/又はファブリックループやメッシュループなどの他の係合特徴を含んでもよい。これらの係合特徴は、固定具106を受容する。固定具106は、靴紐、ストラップ、コード、面ファスナ、又は他の適切な種類の固定具を含んでもよい。
【0031】
アッパー100は、内部空間102と固定具106との間に延在している舌部分110を含んでもよい。アッパー100は、1つ又は複数の材料から形成されることができ、これらの材料は、内部空間102を形成するように一緒にステッチ加工される、又は接着剤を使用して接着される。アッパーの適切な材料は、これらに限定されないが、織物、発泡体、皮革、および合成皮革を含んでもよい。これらの材料は、耐久性、通気性、耐摩耗性、柔軟性、及び快適性の特性を付与するように選択されてもよく、且つ配置されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、ソール構造200は、アウトソール210と、ミッドソール220と、を含み、アウトソール210及びミッドソール220は、積層構成で配置されている。例えば、アウトソール210は、履物物品10の使用中に地面と係合しており、ミッドソール220はアッパー100とアウトソール210との間に配置されている。いくつかの実施例において、ソール構造200はまた、インソールや中敷などの追加の層を組み込んでもよい。これらの追加の層は、履物物品10の快適さを高めるために、足の足底面を受容するように、アッパー100の内部空間102内に存在してもよい。いくつかの実施例において、側壁230は、アウトソール210の周囲を取り囲み、その間にキャビティ240を画定するように、アウトソール210とミッドソール220とを分離する。キャビティ240は、履物物品10の使用中に、足のためにクッション性を提供するように、且つキャビティ240内に存在している粒状物質の移動を制御するように、複数の繊維300を受容する。
【0033】
複数の繊維300は、メッシュ310を形成するために互いに協働してもよく、このメッシュ310はキャビティ240を少なくとも部分的に充填する。例えば、メッシュ310は、アウトソール210に存在してもよく、且つキャビティ240の容積の一部を占めてもよい。メッシュ310及び粒状物質350は、キャビティ240内に存在してもよく、従来のミッドソールが提供する機能性及びクッション特性を高めるために協働してもよい。例えば、各繊維300は、エチル-ビニルアセテート(ethyl-vinyl-acetate)又はポリウレタンなどの1つまたは複数のポリマー発泡材料を含んでもよく、これらのポリマー発泡材料はメッシュ310を形成するために互いに協働する。メッシュ310は、足の輪郭に一致している形状に形成されてもよい。ポリマー発泡材料の複数の繊維300は、メッシュ310が、地面反発力を減衰させるように、且つキャビティ240内に存在している粒状物質350の動きを制御するように、適用された負荷の下で、弾性圧縮性を提供することを可能にしてもよい。例えば、メッシュ310は、粒状物質350を受容する間質空間302を画定してもよい。個々の繊維300は、キャビティ240内における粒状物質350の自由な動きを制限することができ、より具体的には、間質空間302の間の自由な動きを制限することができる。個々の繊維300がキャビティ240内における粒状物質350の自由な動きを制限するのに対して、粒状物質350は、間質空間302内で繊維300に対して(つまり、隣接する繊維300の周りで)移動することを可能にする。間質空間302は、粒状物質350によって充填されることができる、又は占有されることができるメッシュ310内の容積的自由空間(volumetric free space)の空隙について言及する。
【0034】
いくつかの実施例において、粒状物質350は、メッシュ310によって画定された間質空間302を占有するように寸法決めされ、且つ形成された発泡ビーズを含む。発泡ビーズ350は、略同じ寸法及び形状を含んでもよい。逆に、他のシナリオにおいて、発泡ビーズ350は、少なくとも1つの異なる寸法及び形状を有する。発泡ビーズ350(例えば、粒状物質350)は、略球形状を有してもよい。発泡ビーズ350に略球形状を提供することによって、発泡ビーズ350は、繊維300に付着することなく、且つ間質空間302内の発泡ビーズ350の分散を妨げることなく、メッシュ310によって画定された間質空間302を十分に満たすことを可能にする。
【0035】
いくつかの実施例において、アウトソール210は、地面係合面212と、反対側の内側表面214と、を含む。アウトソール210は、アッパー100に取り付けられてもよい。いくつかの実施例において、側壁230は、アウトソール210の周囲から延在しており、ミッドソール220又はアッパー100に取り付けられる。図1の例は、前足部分12の先端に近接してアッパー100に取り付けられているアウトソール210を示す。アウトソール210は、履物物品10の使用中に、耐摩耗性(abrasion-resistance)及び地面に対する静止摩擦(traction)を提供する。アウトソール210は1つ又は複数の材料から形成されてもよく、これらの材料は、耐久性及び耐摩耗性を与え、地面に対する静止摩擦を高める。例えば、ゴムは、アウトソール210の少なくとも1部分を形成してもよい。
【0036】
ミッドソール220は、底面222と、底面222に対してミッドソール220の反対側に位置した中敷面224と、を含んでもよい。ミッドソール220は、中敷としても言及されてもよい。従って、ミッドソール220及び中敷220との用語は、この開示の至る所で交互に使用されることができる。ステッチ加工226又は接着剤は、ミッドソール220をアッパー100に固定してもよい。中敷面224は、足の底面(例えば、足底面)の外形に一致するように成形されてもよい。いくつかの実施例において、インソール又は中敷は、アッパー100の内部空間102の少なくとも1部分内で足の下の中敷面224に配置されてもよい。底面222は、その間にキャビティ240を画定するように、アウトソール210の内側表面214と対向してもよい。
【0037】
ミッドソール220は、履物物品10の使用中に、足が、キャビティ240内に存在しているメッシュ310及び粒状物質350に一致することを可能にするフレキシブルな材料から形成されてもよい。そうすることで、フレキシブルなミッドソール220はフレキシブルなシュトローベル(strobel)であってもよく、このシュトローベルは、ソール構造200の勾配負荷中に、キャビティ240内に存在しているメッシュ310及び粒状物質350が、足の底面の外形と相互作用することを可能にする。いくつかの実施例において、側壁230は、底面222と内側表面214との間の分離の長さに基づいて、キャビティ240の周囲及びキャビティ240の深さを画定してもよい。1つまたは複数のポリマー発泡材料は、地面反発力を減衰するように、適用された負荷の下で、弾性圧縮性を提供するために側壁230を形成してもよい。
【0038】
図2は、複数の繊維300によって形成されたメッシュ310であって、アウトソール210の内側表面214上でキャビティ240内に存在しているメッシュ310を示す履物物品10の分解図を提供する。メッシュ310は、アウトソール210による動きのために固定されてもよい。例えば、メッシュ310及びアウトソール210は、ソール構造200が適用された負荷の下にある場合に、例えばウォーキング中、ランニング中、又はジャンピング中に、曲げることができ、屈曲することができ、あるいは変形することができる。図2の例は、キャビティ240内に配置された粒状物質350(例えば、発泡ビーズ)であって、メッシュ310の間質空間302内に存在している粒状物質350(例えば、発泡ビーズ)を示す。
【0039】
図3を参照すると、図1のライン3-3に沿って切断された概略的な断面図は、アウトソール210の内側表面214とミッドソール220の底面222との間でキャビティ240内に存在するメッシュ310を示す。アウトソール210の内側表面214及びミッドソール220(例えば、中敷)の底面222は、平行に配置されており、前足部分12、中足部分14、及びかかと部分16を通じて延在しているソール構造200の長手方向軸Lを画定するように互いに対向している。この例は、メッシュ310の間質空間302内に存在している粒状物質350(例えば、発泡ビーズ)を示す。複数の繊維300は、対応する間質空間302を占有している粒状物質350が間質空間302を画定する隣接する繊維300に対して移動するのを可能にすることができる。それによって、複数の繊維300は、メッシュ310内における粒状物質350の自由な動きを制限し、それによって、繰り返された圧縮中に、ソール構造200のキャビティ240の至る所に粒状物質350が移動するのを妨げる。一方、粒状物質350がメッシュ310を有することなくキャビティ240内に大まかに分散された場合に、粒状物質350は、繰り返された圧縮中に、ソール構造200の至る所に自由に移動することができ、それによって、ソール構造200の複数の領域内においてクッション性がほとんどなくなるか、又はクッション性が全くなくなる。
【0040】
図4は、図3の鎖線で囲まれた領域4の詳細図であり、この詳細図は、ソール構造200の中足部分14に近接してキャビティ240内に存在している複数の繊維300及び粒状物質350を示す。図4は、メッシュ310によって画定された間質空間302を示しており、この間質空間302は、隣接する繊維300に対して定着し、且つ移動するための粒状物質350の空隙を生成する。いくつかの実施例において、繊維300はメッシュ310を形成するために互いに結合される。任意選択的に、1つ又は複数の繊維300は取り付けられていなくてもよく、メッシュ310を形成するために、取り付けられた複数の繊維300と協働してもよい。他の実施例において、全ての繊維300は取り付けられておらず、メッシュ310を形成するために協働する。さらに、複数の繊維300は、アウトソール210によるメッシュ310の一定の動きを可能にするために、互いに対して移動可能であってもよい。例えば、複数の繊維300は、地面反発力に応じて、又はアウトソール210の曲げ又は屈曲に応じて、圧縮することができる。それによって、互いに対して繊維300が移動し、曲げられる又は屈曲しているアウトソール210に対してメッシュ310が移動する。複数の繊維300が個々の繊維300であるように記載され且つ図示されるので、メッシュ310は、メッシュ310の構造内に織り込まれている単一の繊維から形成されることができる。
【0041】
図3及び図4は、ミッドソール220の底面222とアウトソール210の内側表面214との間でキャビティ240内に存在しているメッシュ310、メッシュ310によって画定された間質空間302内に存在している粒状物質350、及び、隣接する繊維300に対して粒状物質350のある程度の動きを可能にするとともに、ソール構造200の至る所で粒状物質350の自由な動きを制限する複数の繊維300を示す。それによって、ソール構造200の勾配負荷中に、ウォーキング運動中又はランニング運動中に、メッシュ310及び粒状物質350は、柔軟から反応へのクッション性を提供するために協働してもよい。例えば、粒状物質350は、地面反発力の最初の衝撃中にソフトタイプのクッション性のレベルを提供してもよいのに対して、メッシュ310及び個々の繊維300による圧縮は反応タイプのクッション性のレベルを提供してもよい。粒状物質350及びメッシュ310は、地面反発力に応じてアウトソール210に向けて移動するミッドソール220によって圧縮されてもよい。複数の繊維300を実施することは、粒状物質350がソール構造200の至る所へ移動することを制限し、それによって、粒状物質350がキャビティ240内の指定領域において効果的に分散されること及び粒状物質350がキャビティ240内の指定領域において効果的に含有されることを可能にし、所望のクッション特性を着実に達成することができる。さらに、粒状物質350が隣接する繊維300に対して対応する間質空間302に関して移動することを可能にすることによって、ソフトタイプのクッション性のレベルは、ソール構造200に適用される地面反発力の方向及び大きさに基づいて動的に分配されることができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、ソール構造200の長さは、前足部分12、中足部分14、及びかかと部分16のそれぞれを通じて長手方向軸Lに沿って画定される。メッシュ310は、ソール構造200(例えば、ミッドソール220及びアウトソール210)の長さに沿って異なる密度を含んでもよい。例えば、メッシュ310は、かかと部分16、前足部分12、及び中足部分14の少なくとも1つにおいて異なる密度を含んでもよい。いくつかの実施例において、メッシュ310の密度は、かかと部分16、前足部分12、及び中足部分14のそれぞれにおいて異なっている。他の実施例において、メッシュ310の密度は、かかと部分16、前足部分12、及び中足部分14のそれぞれにおいて略一定である。
【0043】
メッシュ310の密度は、メッシュ310の間質空間302内に存在することを可能にする粒状物質350の量を規定するとともに、適用された負荷の下でメッシュ310が提供する反応タイプのクッション性のレベルと相関関係がある。例えば、メッシュ310の密度を増加させることは、メッシュ310によって提供された反応タイプのクッション性のレベルを増加させ、間質空間302の容積(例えば、空隙)を減少させ、それによって、間質空間302内に存在することが可能である粒状物質350の量の減少が生じる。逆に、メッシュ310の密度を減少させることは、間質空間302の容積を増加させ、それによって、結果として、間質空間302内に存在することが可能である粒状物質350の量を増加させる。それ故に、粒状物質350によって提供されたソフトタイプのクッション性のレベルは、粒状物質350の量が増加するにつれて増加し、反応タイプのクッション性のレベルは、メッシュ310の密度が減少する場合に減少する。
【0044】
図5を参照すると、いくつかの実施例において、メッシュ310に前足部分12、中足部分14、及びかかと部分16の少なくとも1つにおいて異なる密度を提供することは、キャビティ240内に配置された粒状物質350の量が前足部分12、中足部分14、及びかかと部分16の対応する箇所において異なることを可能にする。図5は、前足部分12及びかかと部分16のそれぞれの密度より大きい、中足部分14の密度を有するメッシュ310を示す。それ故に、前足部分12及びかかと部分16は、中足部分14の間質空間302の容積と比較してより大きな容積を有する間質空間302を含み、それによって、中足部分14におけるキャビティ240内に配置された粒状物質350の割合より、前足部分12及びかかと部分16のそれぞれにおけるキャビティ240内に配置された粒状物質350の高い割合を可能にする。いくつかの実施例において、前足部分12及びかかと部分16におけるキャビティ240内に粒状物質350の高い割合を配置することは有利には、ソフトタイプのクッション性のレベルを、かかと部分16と前足部分12の両方において増加させることを可能にし、かかと部分16において地面反発力の初期衝撃が起こる可能性があり、前足部分12において、足を前方に進ませるために、地面をけり出しているアウトソール210の地面係合面212に応じて、地面反発力は増加する。同時に、有利には、中足部分14におけるより高い密度のメッシュ310は、かかと部分16と前足部分12との間で地面と係合するために地面係合面212が反るにつれて、反応タイプのクッション性のレベルを増加させる。
【0045】
図1~5の実施例は、キャビティ240を占有しているメッシュ310の密度及びメッシュ310の容積が、キャビティ240内に存在している粒状物質350の量と、ソール構造200が付与された負荷下にある場合に、例えばウォーキング運動又はランニング運動中に提供されたクッション特性とをもたらすことを示す。例えば、ソール構造200の1つ又は複数の部分においてメッシュ310の密度を増加させることは、反応タイプのクッション性のレベルを増加させることができ、ソフトタイプのクッション性のレベルを低下させることができる。この実施例において、ソフトタイプのクッション性のレベルは、間質空間302の容積を減少させるようにメッシュ310の密度が増加した結果として減少する。それ故に、それらの間質空間302内に存在するのを可能にした粒状物質350の量における減少が生じる。さらに、メッシュ310を形成する個々の繊維300は、ソール構造200による繰り返された圧縮後に、キャビティ240の至る所で粒状物質350による自由な動きを制限するように協働する。メッシュ310はまた、間質空間302内に存在する粒状物質350が、地面反発力に応じて対応する間質空間302に隣接する複数の繊維300に対して移動することを可能にすることができる。
【0046】
図6~8を参照すると、いくつかの実施形態において、履物物品10aは、アッパー100と、アッパー100に取り付けられたソール構造200aと、を含む。履物物品10aに対して履物物品10に関連した構成要素の構造及び機能における実質的な類似性を考慮すると、同様の参照符号は、同様の構成要素を特定するためにこの明細書の後の説明及び図面において使用されるとともに、拡張文字を含む同様の参照符号は、修正されるそれらの構成要素を特定するために使用される。
【0047】
ソール構造200aは、積層構造で配置されたアウトソール210a及びミッドソール220a(例えば、中敷220aとしても言及されている)を含んでもよい。側壁230は、アウトソール210aの周囲を取り囲んでもよく、それらの間にキャビティ240aを画定するためにアウトソール210a及びミッドソール220aを分離することができる。アウトソール210aは、地面係合面212に対してアウトソール210aの反対側に配置された内側表面214aを含む。ミッドソール220aは、中敷面224に対して、ミッドソール220aの反対側に配置された底面222aを含む。底面222aは、内側表面214aと対向しており、側壁230は、キャビティ240aの深さを画定するために、底面222a及び内側表面214aを分離することができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、複数の繊維300は、メッシュ310aを形成するように、互いと協働する。図7は、キャビティ240aを部分的に充填するメッシュ310aと、メッシュ310aによって画定された間質空間302a内に存在することができる粒状物質350と、を示している履物物品10aの分解図である。間質空間302aは、履物物品10に関して上部に記載されるように、粒状物質350の量を受容し且つ含有するための容積的な空間又は間隙を画定する。言い換えれば、キャビティ240a内に配置された粒状物質350は、間質空間302a内に定着し、隣接する繊維300によって制限される。メッシュ310aの底面312は、メッシュ310の周囲が側壁230によって包囲されることができる状態で、アウトソール210aの内側表面214a上に配置されてもよい。メッシュ310aの上面314は、ミッドソール220aの底面222aと対向している。メッシュ310aは、アウトソール210a及びミッドソール220aを分離している側壁230によって画定されたキャビティ240aの深さを全体的に充填することができる、又は部分的に充填することができる。ミッドソール220aは、十分な柔軟性をミッドソール220aに提供するために、図1~5のミッドソール220を形成するフレキシブル材料から形成されることができる。それによって、キャビティ240a内に存在するメッシュ310a及び粒状物質350が、ソール構造200aの勾配負荷中に、足の底面の外形と相互作用することを可能にする。
【0049】
いくつかの実施例において、メッシュ310aは、1つ又は複数の溝72、74、76を形成し、これらの溝72、74、76は、外側18と内側20との間で延在しており、且つ底面312からメッシュ310aの上面314に向けて延在している。一の溝72は、ソール構造200aの前足部分12に近接して位置することができ、他の溝74は、ソール構造200aの中足部分14に近接して位置することができ、他の溝76はソール構造200aのかかと部分16に近接して位置することができる。いくつかの構成において、メッシュ310aのつま先領域710は図7に示された図面において溝72の右側に形成されており、前足領域712は溝72と溝74との間に形成されており、中足領域714は溝74と溝76との間に形成されており、かかと領域716は図7に示された図面において溝76の左側に形成される。他の構成において、溝72は省略されてもよく、前足領域712は溝74の右側に形成されてもよく、つま先領域710の容積をさらに含んでもよい。
【0050】
いくつかの構成において、複数の溝72~76は、メッシュ310a内で終端しており、対応する複数の隙間は上面314と複数の溝72~76とを分離し、それによって、いくつかの粒状物質350が、複数の隙間を介して隣接する領域712~716の間で移動することを可能にする。しかしながら、複数の溝72~76の遠位端部の下に存在している粒状物質350は、対応する領域712~716を分離する複数の障壁又は複数の壁として作用している対応する複数の溝72~76に起因して、隣接する領域712~716の間の自由な動きを制限されるだろう。逆に、他の構成は、隣接する領域712~716の間の移動又は動きを妨げるために、上面314と接触する対応ポイントにおいて終端する1つ又は複数の溝72~76を含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施例において、メッシュ310aは、1つまたは複数の領域710~716のそれぞれにおいて略一定の密度を有する。他の実施例において、メッシュ310aは、複数の領域710~716のうちの1つ又は複数の領域のそれぞれにおいて異なる密度を有する、又は複数の領域710~716の少なくとも1つにおいて異なる密度を有する。従って、粒状物質350の異なる量は、複数の領域710~716のそれぞれにおける所望されたクッション特性を提供するために、その密度に基づいて対応する領域712~716によって画定された間質空間302a内に存在してもよい。いくつかの構成において、複数の溝72~76のうちの1つ又は複数の溝は、省略されてもよく、1つ又は複数の領域710~716は、メッシュ310aの密度の変化に基づいて形成されてもよい。
【0052】
図8は、図6のライン8-8に沿って切り取られた概略的断面図を示しており、この概略的断面図は、キャビティ240aを部分的に充填するメッシュ310aと、メッシュ310aによって画定された間質空間302a内に存在する粒状物質350とを示す。いくつかの実施形態において、一連の壁82、84、86は、外側18と内側20との間で延在しており、アウトソール210aの内側表面214aからミッドソール220a(例えば、中敷)の底面222aに向けてソール構造200a(例えば、ミッドソール220a及びアウトソール210a)の長手方向軸Lに対して実質的に垂直に延在している。いくつかのシナリオにおいて、アウトソール210aは、一連の壁82~84を形成しており、これらの壁82~84は、ミッドソール220aに向けた方向において内側表面214aから上向きに折り曲げられる。いくつかの実施例において、各壁82、84、86は、メッシュ310a内に形成された複数の溝72、74、76のうちの対応する溝を受容するように輪郭形成される。他の実施例において、複数の溝72、74、76のうちの1つ又は複数の溝は、図8に示されるように省略されてもよい。
【0053】
一の壁82は、ソール構造200aの前足部分12に近接して位置することができ、他の壁84はソール構造200aの中足部分14に近接して位置することができ、他の壁86はソール構造200aのかかと部分16に近接して位置することができる。いくつかの構成において、一連の壁82~86は、図8に示された図面において壁82の右側にメッシュ310aのつま先領域710を形成するために、壁82と壁84との間に前足領域712を形成するために、壁84と壁86との間に中足領域714を形成するために、且つ図8に示された図面において壁86の左側にかかと領域716を形成するために、メッシュ310aと協働する。他の構成において、壁82は省略されてもよく、前足領域712は図8に示された図面において壁84の右側に形成されてもよい。それ故に、複数の壁82~86は、複数の領域710~716を形成し且つ分離するために、複数の溝72~76を有する又は有さないメッシュ310aと協働してもよい。
【0054】
図8の例は、複数の壁82、84、86のそれぞれが、ミッドソール220aに向けた方向においてアウトソール210aの内側表面214aから延在しており、且つミッドソール220aの底面222aと接触することなくキャビティ240a内で終端していることを示す。キャビティ240a内における複数の壁82~86の終端は対応する隙間を画定しており、これらの隙間は、底面222aと複数の壁82~86の遠位端部とを分離する。それによって、いくつかの粒状物質350が、複数の隙間を介して隣接する領域710~716の間で移動することを可能にする。しかしながら、複数の壁82~86の遠位端部の下に存在している粒状物質350は、隣接する領域710~716の間の動きを制限される。言い換えれば、複数の壁82~86は、隣接する領域710~716の間の遠位端部の下に存在する粒状物質350の動きを制限するのに対して、遠位端部の上に存在する粒状物質350が、複数の隙間を介して隣接する領域710~716の間で移動するのを可能にする。
【0055】
上記のように、メッシュ310aは、いくつかの実施例において、複数の領域710~716のそれぞれにおいて略一定の密度を有してもよいのに対して、他の実施例において、メッシュ310aは、複数の領域710~716のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を有してもよく、又は複数の領域710~716のそれぞれにおいて異なる密度を有してもよい。例えば、図8は、中足領域714におけるメッシュ310aの密度より、つま先領域710、前足領域712、及びかかと領域716において低い密度を有するメッシュ310aを示す。それによって、中足領域714において間質空間302a内に存在している粒状物質350の割合よりも、つま先領域710、前足領域712、及びかかと領域716のそれぞれにおいてメッシュ310aの間質空間302a内に存在している粒状物質350の大きな割合が生じる。従って、ソフトタイプのクッション性のレベルは つま先領域710、前足領域712、及びかかと領域716のそれぞれにおいて望ましく増加することができ、反応タイプのクッション性のレベルは中足領域714において増加することができる。
【0056】
図9及び図10を参照すると、いくつかの他の実施形態において、履物物品10bは、アッパー100と、アッパー100に取り付けられたソール構造200bと、を含む。履物物品10bに対して履物物品10に関連した構成要素の構造及び機能における実質的な類似性を考慮して、同様の参照符号は同様の構成要素を特定するためにこの明細書の後の説明及び図面において使用されるとともに、拡張文字を含む同様の参照符号が改良されるそれらの構成要素を特定するために使用される。
【0057】
ソール構造200bは、積層構造で配置されたアウトソール210b及びミッドソール220b(例えば、中敷220bとしても言及される)を含んでもよい。側壁230は、アウトソール210bの周囲を取り囲むことができ、それらの間にキャビティ240b(図10)を画定するように、アウトソール210b及びミッドソール220bを分離することができる。アウトソール210bは、地面係合面212に対してアウトソール210bの反対側に配置された内側表面214bを含む。ミッドソール220bは、中敷面224に対してミッドソール220bの反対側に配置された底面222bを含む。底面222bは内側表面214cと対向しており、側壁230は、キャビティ240bの深さを画定するように、底面222b及び内側表面214bを分離することができる。
【0058】
図10は、図9のライン10-10に沿って切り取られた断面図を示す。複数の繊維300は、キャビティ240bを部分的に充填するメッシュ310bを形成するために互いと協働することができ、粒状物質350は、メッシュ310bによって画定された間質空間302a内に存在する。間質空間302bは、粒状物質350の量を受容し且つ含有するための容積的な空間又は空隙を画定する。言い換えれば、キャビティ240b内に配置された粒状物質350は間質空間302b内に定着しており、隣接する繊維300によって制限される。メッシュ310bは、アウトソール210b及びミッドソール220bを分離する側壁230によって画定されたキャビティ240bの深さを全体的に又は部分的に充填することができる。メッシュ310bは、図6~8を参照して上部に記載されるように、メッシュ310a内に形成された複数の溝72、74、76を示す1つ又は複数の溝172、174、176を形成してもよい。いくつかのシナリオにおいて、メッシュ310bは、複数の溝172、174、176を有していない。
【0059】
いくつかの実施形態において、一連の壁182、184、186は、外側18と内側20との間で延在しており、アウトソール210bの内側表面214bからソール構造200b(例えば、ミッドソール220b及びアウトソール210b)の長手方向軸Lに対して略垂直に延在しており、ミッドソール220bの底面222bと接触状態になる。いくつかのシナリオにおいて、アウトソール210bは一連の壁182~184を形成しており、これらの壁182~184は、ミッドソール220bに向けた方向において内側表面214bから上向きに折り曲げられる。メッシュ310bが複数の溝172~176を含む場合に、各壁182、184、186は、メッシュ310b内に形成された複数の溝172、174、176のうちの対応する溝を受容にするように輪郭形成される。
【0060】
一の壁182は、ソール構造200bの前足部分12に近接して位置することができ、他の壁184はソール構造200bの中足部分14に近接して位置することができ、他の壁186はソール構造200bのかかと部分16に近接して位置することができる。いくつかの構成において、メッシュ310bのつま先領域810は、図10に示された図面において壁182の右側に形成されており、前足領域812は壁182と壁184との間に形成されており、中足領域814は壁184と壁186との間に形成されており、かかと領域816は図10に示された図面において壁186の左側に形成される。他の構成において、壁182は省略されてもよく、前足領域812は図10に示された図面において壁184の右側に形成されてもよく、つま先領域810の容積をさらに含んでもよい。それ故に、メッシュ310bがキャビティ240bを少なくとも部分的に充填する場合に、複数の壁182~186は、メッシュ310bを、つま先領域810、前足領域812、中足領域814、及びかかと領域816に分離する。
【0061】
図10の例は、複数の壁182、184、及び186のそれぞれが、ミッドソール220bに向けた方向においてアウトソール210bの内側表面214bから延在しており、ミッドソール220bの底面222bと接触するポイントにおいてキャビティ240c内で終端していることを示す。いくつかの実施例において、複数の壁182、184、及び186のうちの少なくとも1つは、底面222bと接触状態となるのに対して、他の壁は、キャビティ240a内で終端することができ、底面222bから離隔された対応する遠位端部を有することができる。底面22bとの接触ポイントにおける複数の壁182~186の終端は複数の領域810~816を全体的に分離しており、複数の領域810~816を区分けし、一の領域810~816から他の領域への粒状物質350の動きを妨げる。
【0062】
いくつかの実施例において、メッシュ310bは、複数の領域810~816のそれぞれにおいて略一定の密度を有する。逆に、他の実施例において、メッシュ310aは、複数の領域810~816のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を有する、又は複数の領域810~816のそれぞれにおいて異なる密度を有する。例えば、図10は、中足領域814におけるメッシュ310bの密度よりも、つま先領域810、前足領域812、及びかかと領域816において低い密度を有するメッシュ310bを示す。それによって、中足領域814において間質空間302b内に存在している粒状物質350の割合よりも、つま先領域810、前足領域812、及びかかと領域816のそれぞれにおいてメッシュ310bの間質空間302b内に存在している粒状物質350の大きな割合が生じる。従って、ソフトタイプのクッション性のレベルは つま先領域810、前足領域812、及びかかと領域816のそれぞれにおいて望ましく増加することができ、反応タイプのクッション性のレベルは中足領域814において増加することができる。ミッドソール220bは、十分な柔軟性をミッドソール220cに提供するために、図1~5のミッドソール220を形成するフレキシブル材料から形成されることができる。それによって、キャビティ240b内に存在するメッシュ310b及び粒状物質350が、ソール構造200bの勾配負荷中に、足の底面の外形と相互作用することを可能にする。
【0063】
図11及び図12を参照すると、いくつかの実施形態において、履物物品10cは、アッパー100と、アッパー100に取り付けられたソール構造200cとを含む。履物物品10cに対して履物物品10に関連した構成要素の構造及び機能における実質的な類似性を考慮して、同様の参照符号は同様の構成要素を特定するためにこの明細書の後の説明及び図面において使用されるとともに、拡張文字を含む同様の参照符号が改良されるそれらの構成要素を特定するために使用される。
【0064】
ソール構造200cは、積層構造で配置されたアウトソール210c及びミッドソール220c(例えば、中敷200cとしても言及される)を含んでもよい。側壁230は、アウトソール210cの周囲を取り囲むことができ、それらの間にキャビティ240c(図12)を画定するように、アウトソール210c及びミッドソール220cを分離することができる。アウトソール210cは、地面係合面212に対してアウトソール210cの反対側に配置された内側表面214cを含む。ミッドソール220cは、中敷面224に対してミッドソール220cの反対側に配置された底面222cを含む。底面222cは内側表面214cと対向しており、側壁230は、キャビティ240cの深さを画定するように、底面222c及び内側表面214cを分離することができる。
【0065】
図12は、図11のライン12-12に沿って切り取られた断面図を示す。複数の繊維300は、キャビティ240cを部分的に充填するメッシュ310cを形成するように互いと協働することができ、粒状物質350はメッシュ310cによって画定された間質空間302c内に存在する。間質空間302cは、粒状物質350の量を受容し且つ含有するための容積的な空間又は空隙を画定する。言い換えれば、キャビティ240c内に配置された粒状物質350は、間質空間302c内に定着しており、隣接する繊維300によって制限される。粒状物質350の量は、それらの間質空間302c内で移動することができるが、隣接する繊維300によって、キャビティ240cの至る所での自由な動きを制限される。メッシュ310cは、アウトソール210cとミッドソール220cとを分離している側壁230によって画定されたキャビティ240cの深さを全体的に又は部分的に充填することができる。
【0066】
いくつかの実施例において、メッシュ310cは、ソール構造200c(例えば、ミッドソール220c及びアウトソール210c)の長さに沿って略一定の密度を有する。このようなソール構造200cは、前足部分12からかかと部分16へ長手方向軸に沿って延在する。逆に、他の実施例において、メッシュ310cは、ソール構造200cの長さに沿って異なる密度を有する。例えば、図12は、中足部分14におけるメッシュ310cの密度よりも、前足部分12及びかかと部分16のそれぞれにおいて低い密度を有するメッシュ310cを示す。それによって、中足部分14における間質空間302c内に存在する粒状物質350の割合よりも、前足部分12及びかかと部分16のそれぞれにおけるメッシュ310cの間質空間302c内に存在する粒状物質350の高い割合が生じる。それ故に、ソフトタイプのクッション性のレベルは、前足部分12及びかかと部分16のそれぞれにおいて望ましく増加することができ、反応タイプのクッション性のレベルは中足部分14において増加することができる。ミッドソール220cは、十分な柔軟性をミッドソール220cに提供するために、図1~5のミッドソール220を形成するフレキシブル材料から形成されることができる。それによって、キャビティ240c内に存在するメッシュ310c及び粒状物質350が、ソール構造200cの勾配負荷中に、足の底面の外形と相互作用することを可能にする。
【0067】
以下の条項は、上記の履物物品のためのソール構造のための例示的な構成を提供する。
【0068】
条項1:履物物品は、アッパーと、前記アッパーに取り付けられたアウトソールであって、地面係合面と、前記地面係合面に対して前記アウトソールの反対側に形成された内側表面と、前記アウトソールの周囲を取り囲んでいる壁と、を含み、キャビティを画定するために、壁が前記内側表面と協働する、アウトソールと、を備える。ミッドソールは、前記アッパーと前記アウトソールとの間に配置されており、中敷と、前記中敷に対して前記ミッドソールの反対側に配置され、且つ前記ミッドソールの前記内側表面と対向する底面と、を含む。前記キャビティ内に受容された複数の繊維は、前記キャビティを少なくとも部分的に充填するメッシュを形成するために互いに協働しており、前記キャビティ内に配置された粒状物質は、前記メッシュの間質空間内に受容される。
【0069】
条項2:前記粒状物質は、前記複数の繊維に対して移動することが可能である、条項1に記載の履物物品。
【0070】
条項3:前記複数の繊維は、前記メッシュ内における前記粒状物質の自由な動きを制限する、条項2に記載の履物物品。
【0071】
条項4:前記複数の繊維は、互いに取り付けられる、条項1に記載の履物物品。
【0072】
条項5:前記複数の繊維は、互いに対して移動可能である、条項1に記載の履物物品。
【0073】
条項6:前記メッシュは、前記アウトソールによる動きのために固定される、条項1に記載の履物物品
【0074】
条項7:前記粒状物質は、発泡ビーズを含む、条項1に記載の履物物品。
【0075】
条項8:前記発泡ビーズは、略球形状を含む、条項7に記載の履物物品。
【0076】
条項9:前記発泡ビーズは、略同じ寸法及び形状を含む、条項7に記載の履物物品。
【0077】
条項10:前記発泡ビーズは、少なくとも1つの異なる寸法及び形状を含む、条項7に記載の履物物品。
【0078】
条項11:前記メッシュは、前記ミッドソールの長さに沿って異なる密度を含む、条項1~10のいずれか一項に記載の履物物品。
【0079】
条項12:前記ミッドソールは、かかと領域と、前足領域と、前記かかと領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、を含む、条項1に記載の履物物品。
【0080】
条項13:前記メッシュは、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を有する、条項12に記載の履物物品。
【0081】
条項14:前記メッシュは、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のそれぞれにおいて略一定の密度を有する、条項12に記載の履物物品。
【0082】
条項15:前記メッシュは、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のそれぞれにおいて異なる密度を有する、条項12に記載の履物物品。
【0083】
条項16:前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域は、複数の壁によって互いから分離される、条項12の履物物品。
【0084】
条項17:前記複数の壁は、前記ミッドソールの長手方向軸に対して略垂直に延在する、条項16に記載の履物物品。
【0085】
条項18:前記複数の壁は、前記アウトソールの前記内側表面から前記ミッドソールに向けて延在する、条項16に記載の履物物品。
【0086】
条項19:前記複数の壁は、前記ミッドソールの前記底面から離隔される、条項18に記載の履物物品。
【0087】
条項20:前記複数の壁のうちの少なくとも1つは、前記ミッドソールの前記底面と接触状態になる、条項18に記載の履物物品。
【0088】
条項21:前記複数の壁のそれぞれは、前記ミッドソールの前記底面と接触状態になる、条項18に記載の履物物品。
【0089】
条項22:前記複数の壁は、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域の間における前記粒状物質の動きを妨げる、条項16に記載の履物物品。
【0090】
条項23:前記複数の壁は、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域の間における前記粒状物質の動きを制限する、条項16に記載の履物物品。
【0091】
条項24:履物物品は、アッパーと、前記アッパーに取り付けられたアウトソールであって、地面係合面を含むアウトソールと、を含む。中敷は、前記アッパーと前記アウトソールとの間に配置される。前記アウトソールと前記中敷との間に配置された複数の繊維は、前記アウトソールと前記中敷との間のキャビティを少なくとも部分的に充填するメッシュを形成するために互いに協働しており、前記キャビティ内に配置された粒状物質は、前記メッシュの間質空間内に受容される。
【0092】
条項25:前記粒状物質は、前記複数の繊維に対して移動することが可能である、条項24に記載の履物物品。
【0093】
条項26:前記複数の繊維は、前記メッシュ内における前記粒状物質の自由な動きを制限する、条項24又は25に記載の履物物品。
【0094】
条項27:前記複数の繊維は、互いに取り付けられる、条項24に記載の履物物品。
【0095】
条項28:前記複数の繊維は、互いに対して移動可能である、条項24に記載の履物物品。
【0096】
条項29:前記メッシュは、前記アウトソールによる動きのために固定される、条項24に記載の履物物品。
【0097】
条項30:前記粒状物質は、発泡ビーズを含む、条項24に記載の履物物品。
【0098】
条項31:前記発泡ビーズは、略球形状を含む、条項30に記載の履物物品。
【0099】
条項32:前記発泡ビーズは、略同じ寸法及び形状を含む、条項30に記載の履物物品。
【0100】
条項33:前記発泡ビーズは、少なくとも1つの異なる寸法及び形状を含む、条項30に記載の履物物品。
【0101】
条項34:前記メッシュは、前記アウトソールの長さに沿って異なる密度を含む、条項24~33のいずれか一項に記載の履物物品。
【0102】
条項35:前記アウトソールは、かかと領域と、前足領域と、前記かかと領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、を含む、条項24に記載の履物物品。
【0103】
条項36:前記メッシュは、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を有する、条項35に記載の履物物品。
【0104】
条項37:前記メッシュは、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のそれぞれにおいて略一定の密度を有する、条項35に記載の履物物品。
【0105】
条項38:前記メッシュは、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のそれぞれにおいて異なる密度を有する、条項35に記載の履物物品。
【0106】
条項39:前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域は、複数の壁によって互いから分離される、条項35の履物物品。
【0107】
条項40:前記複数の壁は、前記アウトソールの長手方向軸に対して略垂直に延在する、条項39に記載の履物物品。
【0108】
条項41: 前記複数の壁は、前記アウトソールから前記中敷の底面に向けて延在する、条項39に記載の履物物品。
【0109】
条項42:前記複数の壁は、前記中敷の前記底面から離隔される、条項41に記載の履物物品。
【0110】
条項43:前記複数の壁のうちの少なくとも1つは、前記中敷の前記底面と接触状態になる、条項41に記載の履物物品。
【0111】
条項44:前記複数の壁のそれぞれは、前記中敷の前記底面と接触状態になる、条項41に記載の履物物品。
【0112】
条項45:前記複数の壁は、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域の間における前記粒状物質の動きを妨げる、条項39に記載の履物物品。
【0113】
条項46:前記複数の壁は、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域の間における前記粒状物質の動きを制限する、条項39に記載の履物物品。
【0114】
条項47:履物物品を製造する方法。前記方法は、中敷とアウトソールとの間にキャビティを提供するステップと、前記キャビティを少なくとも部分的に充填するメッシュを形成するために、互いに協働する複数の繊維を前記キャビティに提供するステップと、前記メッシュの間質空間内に受容される粒状物質を前記メッシュに提供するステップと、を備える。
【0115】
条項48:前記複数の繊維を前記キャビティに提供するステップは、前記複数の繊維を互いに取り付けるステップを含む、条項47に記載の方法。
【0116】
前記複数の繊維を前記キャビティに提供するステップは、前記アウトソールによる動きのために前記複数の繊維を固定するステップを含む、条項47又は48に記載の方法。
【0117】
条項50:前記粒状物質を前記メッシュに提供するステップは、前記メッシュに発泡ビーズを提供するステップを含む、条項47~49のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
条項51:前記メッシュに前記発泡ビーズを提供するステップは、略球形状を有する前記発泡ビーズを提供するステップを含む、条項50に記載の方法。
【0119】
条項51:前記メッシュに前記発泡ビーズを提供するステップは、略同じ寸法及び形状を有する前記発泡ビーズを提供するステップを含む、条項50に記載の方法。
【0120】
条項53:前記メッシュに前記発泡ビーズを提供するステップは、少なくとも1つの異なる寸法及び形状を有する前記発泡ビーズを提供するステップを含む、条項50に記載の方法。
【0121】
条項54:前記メッシュを形成するステップは、前記メッシュに、前記アウトソールの長さに沿って異なる密度を提供するステップを含む、条項47~53のいずれか一項に記載の方法。
【0122】
条項55:かかと領域と、前足領域と、前記かかと領域と前記前足領域との間に配置された中足領域とを有する前記アウトソールを提供するステップをさらに備える、条項47に記載の方法。
【0123】
条項56:前記メッシュを形成するステップは、前記メッシュに、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のうちの少なくとも1つにおいて異なる密度を提供するステップを含む、条項55に記載の方法。
【0124】
条項57:前記メッシュを形成するステップは、前記メッシュに、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のそれぞれにおいて略一定の密度を提供するステップを含む、条項55に記載の方法。
【0125】
条項58:前記メッシュを形成するステップは、前記メッシュに、前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域のそれぞれにおいて異なる密度を提供するステップを含む、条項55に記載の方法。
【0126】
条項59:前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域を分離するために複数の壁を提供するステップをさらに備える、条項55に記載の方法。
【0127】
条項60:前記複数の壁を提供するステップは、前記アウトソールの長手方向軸に対して略垂直に延在する複数の壁を提供するステップを含む、条項59に記載の方法。
【0128】
条項61:前記複数の壁を提供するステップは、前記アウトソールから前記中敷の底面に向けて延在する複数の壁を提供するステップを含む、条項59に記載の方法。
【0129】
条項62:前記複数の壁を提供するステップは、前記中敷の前記底面から離隔される複数の壁を提供するステップを含む、条項61に記載の方法。
【0130】
条項63:前記複数の壁を提供するステップは、前記複数の壁のうちの少なくとも1つを前記中敷の前記底面と接触して配置するステップを含む、条項61に記載の方法。
【0131】
条項64:前記複数の壁を提供するステップは、前記複数の壁のそれぞれを前記中敷の前記底面と接触して配置するステップを含む、条項61に記載の方法。
【0132】
条項65:前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域の間における前記粒状物質の動きを妨げるステップをさらに備える、条項55に記載の方法。
【0133】
条項66:前記かかと領域、前記前足領域、及び前記中足領域の間における前記粒状物質の動きを制限するステップをさらに備える、条項55に記載の方法。
【0134】
前述の説明は、例示の目的及び説明の目的のために提供される。網羅的であること又は本開示を制限することは意図されていない。特定の構成における個々の要素又は特徴は一般的に、その特定の構成に限定されない。しかし、適用可能である場合に、それらの要素又は特徴は取り換え可能であり、たとえ具体的に示されていない又は記載されていないとしても、選択された構成において使用されることができる。同一物は、複数の方法において変更可能であってもよい。そのような変更は、本開示からの逸脱とみなされるべきではなく、すべてのそのような変更は、本開示の範囲内に含まれるように意図される。
【符号の説明】
【0135】
10 履物物品
12 前足部分
14 中足部分
16 かかと部分
18 外側
20 内側
22 底面
72 溝
74 溝
76 溝
82 壁
84 壁
86 壁
100 アッパー
102 内部空間
104 足首開口部
106 固定具
110 舌部分
172 溝
174 溝
176 溝
182 壁
184 壁
186 壁
200 ソール構造
210 アウトソール
212 地面係合面
214 内側表面
220 ミッドソール、中敷
222 底面
224 中敷面
226 ステッチ加工
230 側壁
240 キャビティ
300 繊維
302 間質空間
310 メッシュ
312 底面
314 上面
350 粒状物質、発泡ビーズ
710 つま先領域
712 前足領域
714 中足領域
716 かかと領域
810 つま先領域
812 前足領域
814 中足領域
816 かかと領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12