(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】寝台装置
(51)【国際特許分類】
A61G 7/05 20060101AFI20220805BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
A61G7/05
A61G12/00 Z
(21)【出願番号】P 2020065455
(22)【出願日】2020-04-01
(62)【分割の表示】P 2016059797の分割
【原出願日】2016-03-24
【審査請求日】2020-04-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 北吉
(72)【発明者】
【氏名】長岡 浩
(72)【発明者】
【氏名】木村 陽祐
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 学
(72)【発明者】
【氏名】石橋 佳宜
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-229909(JP,A)
【文献】特開2014-097385(JP,A)
【文献】実開平05-060353(JP,U)
【文献】特開2012-086013(JP,A)
【文献】特開2017-169871(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0073054(US,A1)
【文献】特表2005-527245(JP,A)
【文献】特開2008-107258(JP,A)
【文献】特開2007-304530(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0255890(US,A1)
【文献】特表2008-533503(JP,A)
【文献】特開2014-155028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00 - A61G 7/16
A47C 17/00 - A47C 23/34
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝台と、
前記寝台の周縁部に配置され、前記寝台の上方に位置する壁状部材と、
前記壁状部材に設けられ、前記寝台上の使用者に対するメールを前記寝台上から視認可能な内側表示部と、
前記壁状部材に設けられ、前記寝台上の使用者の生体情報を寝台装置外から視認可能な外側表示部と、
を備え、
前記壁状部材は、前記寝台における左右方向の端部に配置された側方壁状部材を備え、
前記内側表示部は前記寝台の左右に配置された前記側方壁状部材のそれぞれに設けられており、
前記使用者の向きの推定結果に基づいて前記内側表示部の表示の実施および停止を切り替えることを特徴とする寝台装置。
【請求項2】
寝台と、
前記寝台の周縁部に配置され、前記寝台の上方に位置する壁状部材と、
前記壁状部材に設けられ、前記寝台上の使用者に対するメールを前記寝台上から視認可能な内側表示部と、
前記壁状部材に設けられ、前記寝台上の使用者の生体情報を前記寝台装置外から視認可能な外側表示部と、
前記寝台上の使用者が睡眠状態であるか否かを検出する検出部と、
を備え、
前記内側表示部は前記寝台の左右に配置された側方壁状部材のそれぞれに設けられており、
前記使用者の向きの推定結果に基づいて前記内側表示部の表示の実施および停止を切り替え、
前記検出部の検出結果に基づいて前記内側表示部の表示の実施および停止を切り替えることを特徴とする寝台装置。
【請求項3】
前記内側表示部および前記外側表示部が、前記壁状部材において、前記壁状部材を間に挟んで対応するように設けられていることを特徴とする請求項1
または2に記載の寝台装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に記載された寝台装置が知られている。この寝台装置は、寝台と、寝台の周縁部に配置され、寝台の上方に位置する壁状部材と、壁状部材に設けられた情報表示部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の寝台装置では、寝台上の使用者の利便性を高めることについて改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る寝台装置は、寝台と、前記寝台の周縁部に配置され、前記寝台の上方に位置する壁状部材と、前記壁状部材に設けられ、前記寝台上から視認可能な内側表示部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
寝台装置が、寝台上から視認可能な内側表示部を備えている。したがって、使用者が寝台上で横臥したまま、内側表示部に表示される情報を視認することが可能になり、使用者の利便性を高めることができる。
【0008】
(2)上記(1)に係る寝台装置では、前記壁状部材が、前記寝台における左右方向の端部に配置された側方壁状部材を備え、前記内側表示部が、前記側方壁状部材に設けられている構成を採用してもよい。
【0009】
内側表示部が、側方壁状部材に設けられているので、例えば、使用者が寝台上で側臥位になった状態で、内側表示部の情報を容易に視認すること等ができる。
【0010】
(3)上記(1)または(2)に係る寝台装置では、前記壁状部材に設けられ、前記寝台装置外から視認可能な外側表示部を更に備え、前記内側表示部および前記外側表示部が、互いに異なる情報を表示する構成を採用してもよい。
【0011】
内側表示部および外側表示部が、互いに異なる情報を表示する。したがって、例えば、寝台上の使用者が、自らの嗜好にあわせた情報(例えば、写真などの静止画やテレビ放送などの動画)を内側表示部で視認しつつ、寝台装置外の介護者や医療従事者が、使用者の生体情報を外側表示部で視認することができる。これにより、介護者や医療従事者の利便性も高めることができる。
【0012】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに係る寝台装置では、前記寝台装置の外部空間のうち、少なくとも、前記内側表示部を間に挟んだ前記寝台の反対側に位置する部分を撮像する撮像部を更に備え、前記内側表示部が、前記撮像部の撮像結果に基づいて前記外部空間を表示する構成を採用してもよい。
【0013】
内側表示部が、撮像部の撮像結果に基づいて寝台装置の外部空間を表示する。したがって、内側表示部に、寝台装置の外部空間のうち、内側表示部を間に挟んだ寝台の反対側に位置する部分を表示させることができる。これにより、内側表示部が疑似的に透過しているような感覚を使用者に生じさせることができる。その結果、使用者に開放感を生じさせ、使用者の利便性をより高めることができる。
【0014】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに係る寝台装置では、前記寝台上の使用者の状態を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記内側表示部を制御する制御部と、を更に備えている構成を採用してもよい。
【0015】
制御部が、検出部の検出結果に基づいて内側表示部を制御する制御部を備えている。したがって、使用者の状態に応じて内側表示部の表示を自動的に調整することが可能になり、使用者の利便性をさらに高めることができる。
【0016】
(6)上記(5)に係る寝台装置では、前記検出部が、前記使用者が睡眠状態であるか否かを検出する第1検出部を備え、前記制御部が、前記第1検出部の検出結果に基づいて前記内側表示部の表示の実施および停止を切り替える構成を採用してもよい。
【0017】
制御部が、第1検出部の検出結果に基づいて内側表示部の表示の実施および停止を切り替える。したがって、使用者が睡眠状態であるときに内側表示部の表示を自動的に停止することが可能になり、使用者の利便性をより高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る寝台装置を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す寝台装置の斜視図であって、内側表示部および外側表示部それぞれに情報を表示させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係る寝台装置10を、図面に基づいて以下に説明する。寝台装置10は、例えば、病院などの医療環境下(介護施設や在宅介護などの介護環境下を含む)において利用したり、医療環境下ではない環境下において利用したりすることができる。
図1および
図3において、矢印Hは人(使用者)が寝る際に頭側となる向きを示し、また矢印Fは人が寝る際に足側となる向きを示している。以下の説明においては、矢印H、Fの方向である前後方向(第2方向)に対して直交する水平方向を左右方向(第1方向)と言う場合が有る。前後方向および左右方向は、いずれも水平方向に沿う方向であるとともに、互いに直交する方向である。
【0021】
図1から
図3に示すように、寝台装置10は、使用者(例えば患者、被介護者)を支持する寝台装置本体11と、寝台装置本体11における前後方向の端部に立設されたボード12と、寝台装置本体11における左右方向の端部に立設された柵体13と、を備えている。寝台装置10は、電力を動力源とするいわゆる電動ベッドである。
寝台装置本体11は、寝台14と、寝台14を支持する支持架台15と、寝台14よりも下方に位置するボード収容部16および柵収容部17と、を備えている。
【0022】
寝台14は、平面視した場合に左右方向よりも前後方向に長い。寝台14は、背上げまたは膝上げ等に対応して変形する。寝台14の上面は、寝台面18を形成している。寝台面18は、寝台14が背上げまたは膝上げ等に対応して変形する前の状態において、鉛直方向に直交する直交面とされている。寝台面18は、その平面視において左右方向よりも前後方向に長い矩形状に形成されている。寝台面18(寝台14)の長手方向は前後方向とされ、寝台面18の短手方向は左右方向となっている。寝台14は、マットレス19を直接、支持し、寝台面18上には、マットレス19が配置される。
【0023】
支持架台15は、寝台14を支持し、寝台14、および寝台14上の使用者それぞれの荷重を受け止める。支持架台15は、寝台14を変形自在に支持している。
ボード収容部16は、寝台14とは独立して設けられている。ボード収容部16は、ボード12(後述するフットボード23)が出没するボード出没孔20を有する箱状に形成されている。ボード収容部16は、支持架台15における前後方向の端部に配置されている。ボード収容部16は、支持架台15に対して、前後方向に沿う足側Fから隣接している。ボード収容部16は、左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。ボード出没孔20は、ボード収容部16の上面に形成されている。ボード出没孔20は、ボード収容部16内を上方(外部)に向けて開口させる。
【0024】
柵収容部17は、寝台14とは独立して設けられている。柵収容部17は、柵体13が出没する柵出没孔21を有する箱状に形成されている。柵収容部17は、支持架台15における左右方向の端部に配置されている。柵収容部17は、支持架台15を左右方向に挟んで一対、設けられている。さらに、左右一対の柵収容部17は、前後方向に間隔をあけて一対、設けられている。柵収容部17は、全体で4つ設けられている。各柵収容部17は、支持架台15に対して、左右方向に沿う外側から隣接している。各柵収容部17は、同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。各柵収容部17は、前後方向に長い中空の直方体状に形成されている。柵出没孔21は、柵収容部17の上面に形成されている。柵出没孔21は、柵収容部17内を上方(外部)に向けて開口させている。
【0025】
ボード12は、前後方向に沿う頭側Hに位置するヘッドボード22と、前後方向に沿う足側Fに位置するフットボード23と、を備えている。ヘッドボード22は、寝台装置本体11に対して実質的に移動不能に固定された固定ボードである。フットボード23は、寝台装置本体11に移動自在に連結された可動ボードである。フットボード23は、寝台装置本体11に昇降自在に連結されている。
【0026】
フットボード23は、ボード収容部16内に収容自在とされている。フットボード23は、ボード収容部16に、図示しないボード移動機構を介して連結されている。前記ボード移動機構は、フットボード23を、ボード収容部16の内部に対してボード出没孔20を通して出没させる。フットボード23の上面には、ボード天板24が設けられている。ボード天板24は、平面視において左右方向に長い矩形状に形成され、フットボード23を上方から覆っている。ボード天板24は、フットボード23がボード収容部16内に収容されたときに、ボード収容部16の上面に当接する。
【0027】
柵体13は、支持架台15における左右方向の端部に配置されている。柵体13は、支持架台15を左右方向に挟んで一対、設けられている。さらに、左右一対の柵体13は、前後方向に間隔をあけて一対、設けられている。柵体13は、全体で4つ設けられている。各柵体13は、寝台装置本体11に移動自在に連結された可動柵である。各柵体13は、寝台装置本体11に昇降自在に連結されている。
【0028】
各柵体13は、柵収容部17内に収容自在とされている。各柵体13は、柵収容部17に、図示しない柵移動機構を介して連結されている。前記柵移動機構は、各柵体13を、柵収容部17の内部に対して柵出没孔21を通して出没させる。各柵体13の上面には、柵天板25が設けられている。柵天板25は、平面視において左右方向に長い矩形状に形成され、各柵体13を上方から覆っている。柵天板25は、柵体13が柵収容部17内に収容されたときに、柵収容部17の上面に当接する。
【0029】
前記寝台装置10では、使用者が寝台装置本体11上で就寝している場合には、
図1に示すように、フットボード23および各柵体13の全てを、寝台装置本体11から上方に突出する上昇位置に移動させておく。これにより、使用者の意図しない転落を防止すること等ができる。なお、フットボード23(ボード12)は、上昇位置において寝台装置本体11に前後方向に正対し、柵体13は、上昇位置において寝台装置本体11に左右方向に正対する。
【0030】
使用者が頭側Hから離床する場合や、寝台装置10の操作者(例えば看護者、介護者)が使用者の上半身に対して処置を施す場合には、複数の柵体13のうち、頭側Hに位置する左右一対の柵体13を、上昇位置から下降させ、柵収容部17内に収容する。このとき、柵体13は、上昇位置よりも下方の下降位置(収容位置)まで移動し、柵天板25が、柵収容部17の上面に当接する。なお下降位置において、柵体13は、マットレス19よりも下方に位置している。
【0031】
使用者が足側Fから離床する場合や、操作者が使用者の上半身に対して処置を施す場合には、複数の柵体13のうち、足側Fに位置する左右一対の柵体13を、柵体13の上昇位置から下降させ、柵収容部17内に収容する。このとき、柵体13は上昇位置から下降位置まで移動し、柵天板25が、柵収容部17の上面に当接する。
使用者が寝台装置本体11と他の装置との間を移乗する場合には、全ての柵体13を、上昇位置から下降位置まで下降させ、柵収容部17内に収容する。
【0032】
使用者の下半身に挿管するライン(例えばチューブなど)を設営する場合には、フットボード23を、ボード12の上昇位置から下降させ、ボード収容部16内に収容する。このとき、フットボード23は、上昇位置よりも下方の下降位置(収容位置)まで移動し、ボード天板24が、ボード収容部16の上面に当接する。なお下降位置において、フットボード23は、マットレス19よりも下方に位置している。
【0033】
緊急対応や、ベッドメイキングを行う場合には、全ての柵体13およびフットボード23を、上昇位置から下降位置まで下降させ、柵収容部17内またはボード収容部16内に収容する。
なお、柵体13やフットボード23(ボード12)の移動は、電動であってもよく手動であってもよい。電動の場合、移動用のスイッチが、例えば、柵収容部17やボード収容部16に付設されていてもよい。前記スイッチは、例えば、使用者の手元で操作可能なコントローラなど、他の操作装置に設けることも可能である。
【0034】
前記寝台装置10では、ボード12および柵体13が、寝台14の周縁部に配置された壁状部材26である。壁状部材26のうちの柵体13は、寝台14における左右方向の端部に配置された側方壁状部材である。壁状部材26は、寝台14の上方に位置する。壁状部材26は、例えば、寝台14上の使用者の意図しない転落を防止する。
【0035】
壁状部材26は、寝台14上の空間を寝台内空間Siと寝台外空間Soとに仕切る。寝台内空間Siは、各壁状部材26において寝台14側を向く内面26aによって形成される。寝台内空間Siは、寝台14(マットレス19)を底面とする。寝台外空間Soは、各壁状部材26において寝台装置10外を向く外面26bによって形成される。寝台外空間Soは、寝台装置10の外部空間である。
【0036】
壁状部材26には、寝台14上から視認可能な内側表示部27と、寝台装置10外から視認可能な外側表示部28と、が設けられている。内側表示部27は、寝台14上に横臥した使用者から視認可能である。内側表示部27のうち、少なくとも一部は、寝台14上に横臥した使用者の顔部と前後方向に同等の位置に配置され、顔部と左右方向に対向する。
【0037】
内側表示部27および外側表示部28は、電力によって駆動され、表示される情報が切り替え可能とされている。図示の例では、内側表示部27および外側表示部28は、ディスプレイ(例えば、有機ELディスプレイ)によって形成されている。内側表示部27および外側表示部28に、ヘッドアップディスプレイを適用することも可能である。
【0038】
内側表示部27および外側表示部28はいずれも、フットボード23および全ての柵体13それぞれに設けられている。内側表示部27は、各壁状部材26の内面26aに設けられている。外側表示部28は、各壁状部材26の外面26bに設けられている。内側表示部27および外側表示部28は、各壁状部材26において、その壁状部材26を間に挟んで対応するように設けられている。内側表示部27および外側表示部28は、壁状部材26の正面視において中央部に配置されている。
図3に示すように、内側表示部27および外側表示部28は、互いに異なる情報を表示する。
【0039】
図2に示すように、前記寝台装置10は、測定部29と、操作部30と、検出部31と、撮像部32と、制御部33と、を更に備えている。
測定部29は、寝台14上の使用者の生体情報を測定する。測定部29は、例えば使用者の心拍数や血圧などを測定する。測定部29としては、公知の医療機器を適宜採用することが可能である。
【0040】
操作部30は、外部からの操作情報の入力を受け付ける。操作部30は、例えば寝台14上の使用者や、寝台装置10外の介助者などにより操作される。操作部30としては、例えば、いわゆる環境制御装置などを採用することができる。操作部30として、例えば、内側表示部27や外側表示部28と一体に設けられたタッチパネルを採用することもできる。操作部30として、例えば、音声や人の動き(ジェスチャー)に基づいた操作情報の入力を受け付ける構成を採用することも可能である。操作部30として、例えば、表示のON・OFFを切り替えるスイッチを各壁状部材26に設けることも可能である。
【0041】
検出部31は、寝台14上の使用者の状態を検出する。検出部31は、第1検出部34と、第2検出部35と、を備えている。
第1検出部34は、寝台14上の使用者が睡眠状態であるか否かを検出する。第1検出部34としては、公知の睡眠状態判定装置を適宜採用することが可能である。
【0042】
第2検出部35は、寝台14上の使用者の寝姿勢、および使用者の向きを検出する。第2検出部35は、寝台14上の使用者の寝姿勢や向きを検出する公知の構成を適宜採用することが可能である。
第2検出部35としては、例えば、寝台14を左右方向に横断する荷重センサを備える構成を採用することができる。この場合、第2検出部35は、荷重センサが検出する荷重の大きさの分布に基づいて、寝台14上の使用者の左右方向の位置を検出することが可能である。
【0043】
第2検出部35は、使用者の左右方向の位置に応じて、使用者の寝姿勢を推定することができる。すなわち、例えば、使用者が左右方向の中央部に位置するときには仰臥位と推定し、使用者が左右方向の端部に位置するときには側臥位と推定することができる。
第2検出部35は、使用者の左右方向の位置に応じて、使用者の向きを推定することもできる。すなわち、例えば、使用者が左右方向の左側の端部に位置するときには、使用者が側臥位であって左側を向いていると推定し、使用者が左右方向の右側の端部に位置するときには、使用者が側臥位であって右側を向いていると推定することができる。
【0044】
撮像部32は、寝台外空間Soを撮像する。撮像部32は、寝台外空間Soのうち、内側表示部27を間に挟んだ寝台14の反対側に位置する部分を撮像する。撮像部32としては、空間中の特定の範囲を撮像する一般的なカメラや、空間の全範囲を撮像可能な全方位カメラ等を採用することができる。
【0045】
なお本実施形態では、
図1および
図3に示すように、撮像部32は、ヘッドボード22(ボード12)に設けられているが、撮像部32の設置位置は適宜変更することが可能である。例えば、撮像部32をフットボード23(ボード12)に設けることもできる。また、撮像部32を、柵体13や寝台装置本体11(支持架台15)に設けてもよい。さらに、撮像部32を、寝台装置本体11やボード12、柵体13から独立した位置に設けることもできる。例えば、撮像部32を、部屋の壁や天井などに設けてもよい。
【0046】
制御部33は、測定部29の測定結果、操作部30への入力情報、検出部31の検出結果および撮像部32の撮像結果を取得する。制御部33は、内側表示部27および外側表示部28への情報の表示を制御する。制御部33は、内側表示部27と外側表示部28とに互いに異なる情報を表示可能であるとともに、内側表示部27と外側表示部28とに互いに同一の情報を表示可能でもある。
【0047】
本実施形態では、
図3に示すように、内側表示部27が、撮像部32の撮像結果に基づいて寝台外空間Soを表示し、外側表示部28が、測定部29の測定結果に基づいて使用者の生体情報を表示することができる。内側表示部27は、寝台外空間Soの他、写真などの静止画(静止画のスライドショーを含む)やテレビ放送などの動画を表示することもできる。内側表示部27は、静止画や動画として遠隔地やリゾート地など、寝台14上の使用者が所望する場所の映像を表示することもできる。内側表示部27は、使用者に対するメールや、使用者の嗜好に沿うニュースなどを表示することもできる。
【0048】
なお、例えば内側表示部27における情報の表示などに併せて、音の提供が望まれる場合、イヤホン(イヤホンジャック)やスピーカー等の音響設備を寝台装置10に設けることも可能である。この場合、前記音響設備を、寝台装置本体11(支持架台15)やボード12、柵体13に設けてもよい。さらに、前記音響設備を、部屋の壁や天井などに設けてもよい。なお、前記音響設備としてスピーカーを採用する場合、指向性を具備するスピーカーを採用することで、例えばスピーカーを天井に配置しても、スピーカーからの音を使用者に限定して提供し易くすることができる。
【0049】
制御部33は、検出部31の検出結果に基づいて内側表示部27を制御する。制御部33は、第1検出部34の検出結果に基づいて内側表示部27の表示の実施および停止を切り替える。すなわち、使用者が睡眠状態であることが第1検出部34により検出された場合、制御部33が内側表示部27の表示を停止する。使用者が睡眠状態でないこと(使用者が覚醒状態であること)が第1検出部34により検出された場合、制御部33が内側表示部27の表示を実施する。
【0050】
制御部33は、第2検出部35の検出結果に基づいて、複数の内側表示部27のうち表示を実施する内側表示部27と、表示を停止する内側表示部27とを切り替える。すなわち、使用者が寝台14上で左側を向いていることが第2検出部35により検出された場合、制御部33は、使用者の左側に位置する内側表示部27の表示を実施する一方、使用者の右側に位置する内側表示部27の表示を停止する。このとき、制御部33が内側表示部27に静止画や動画などの映像を表示させている場合、内側表示部27に表示される映像の上下方向を、側臥位の使用者を基準とした上下方向に対応させることもできる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る寝台装置10によれば、寝台装置10が、寝台14上から視認可能な内側表示部27を備えている。したがって、使用者が寝台14上で横臥したまま、内側表示部27に表示される情報を視認することが可能になり、使用者の利便性を高めることができる。
内側表示部27が、柵体13に設けられているので、例えば、使用者が寝台14上で側臥位になった状態で、内側表示部27の情報を容易に視認すること等ができる。
【0052】
内側表示部27が、撮像部32の撮像結果に基づいて寝台外空間Soを表示する。したがって、内側表示部27に、寝台外空間Soのうち、内側表示部27を間に挟んだ寝台14の反対側に位置する部分を表示させることができる。これにより、内側表示部27が疑似的に透過しているような感覚を使用者に生じさせることができる。その結果、使用者に開放感を生じさせ、使用者の利便性をより高めることができる。
【0053】
内側表示部27および外側表示部28が、互いに異なる情報を表示する。したがって、例えば、寝台14上の使用者が、自らの嗜好にあわせた情報(例えば、写真などの静止画やテレビ放送などの動画)を内側表示部27で視認しつつ、寝台装置10外の介護者や医療従事者が、使用者の生体情報を外側表示部28で視認することができる。これにより、介護者や医療従事者の利便性も高めることができる。
【0054】
制御部33が、検出部31の検出結果に基づいて内側表示部27を制御する制御部33を備えている。したがって、使用者の状態に応じて内側表示部27の表示を自動的に調整することが可能になり、使用者の利便性をさらに高めることができる。
制御部33が、第1検出部34の検出結果に基づいて内側表示部27の表示の実施および停止を切り替える。したがって、使用者が睡眠状態であるときに内側表示部27の表示を自動的に停止することが可能になり、使用者の利便性をより高めることができる。
【0055】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0056】
ボード12や柵体13が、寝台装置本体11に対して移動自在に連結されていなくてもよい。ボード12や柵体13が、寝台14の上方に位置した状態で実質的に移動不能に固定されていてもよい。ボード12や柵体13が、寝台装置本体11に対して分離自在に連結されていてもよい。
ボード12や柵体13などの壁状部材26は、例えば、パイプ部材を組み合わせてなる格子により形成することも可能である。なおこの場合、内側表示部27を、パイプ部材に沿って長尺に形成することもできる。
【0057】
測定部29や操作部30、検出部31がなくてもよい。例えば制御部33が、現在時刻や表示時間などに応じて、内側表示部27の表示内容を変化させたり、表示、非表示を切り替えたりしてもよい。撮像部32がなくてもよい。
内側表示部27および外側表示部28に共通の情報を表示させてもよい。外側表示部28がなくてもよい。
【0058】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 寝台装置
14 寝台
26 壁状部材
27 内側表示部
28 外側表示部
31 検出部
32 撮像部
33 制御部
34 第1検出部