(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】鞍乗型車両のエンジンプロテクタ及び鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 23/00 20060101AFI20220805BHJP
【FI】
B62J23/00 Z
(21)【出願番号】P 2020097604
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2020-10-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】寺本 義規
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-085291(JP,U)
【文献】特開2017-190012(JP,A)
【文献】特開2016-041531(JP,A)
【文献】特開2005-014885(JP,A)
【文献】特開2014-043808(JP,A)
【文献】特開昭62-026175(JP,A)
【文献】特開2013-112293(JP,A)
【文献】特開2011-143845(JP,A)
【文献】特開平02-074482(JP,A)
【文献】米国特許第06910704(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0118626(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103466020(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 23/00
B62M 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両のフレームに装着され
た状態でエンジンを保護するための鞍乗型車両のエンジンプロテクタであって、
車幅方向において前記エンジンよりも外側に配置され、車両側面視において前記フレームのシートレールが延びる方向に沿って配置されるプロテクタ部と、
前記プロテクタ部が接続され、前記フレームにおいて前記エンジンが取り付けられる被取付部に装着される第1マウント部と、
前記第1マウント部とは異なる位置において前記プロテクタ部に設けられ、前記フレームに前記プロテクタ部を装着するための第2マウント部と、
を備え、
前記車両側面視において、前記第1マウント部は前記シートレールより前方且つ下方に配置され、第2マウント部は、前記第1マウント部及び前記シートレールの間において前記第1マウント部より上方且つ前記シートレールより下方に配置され、
前記シートレールの前部は、車両側面視において前記フレームから離れる方向に延びる軸心を、有し、
前記車両側面視において、前記軸心は、前記第1マウント部及び前記第2マウント部を通過する、
鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項2】
前記第1マウント部及び前記エンジンは、第1ネジを介して前記被取付部に装着され、
前記第2マウント部は、第2ネジを介して前記エンジンに装着され、
前記車両側面視において、前記軸心は、前記第1ネジの軸心及び前記第2ネジの軸心を通過する、
請求項
1に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項3】
前記第1マウント部及び前記エンジンは、第1ネジを介して前記被取付部に装着され、
前記第2マウント部は、第2ネジを介して前記エンジンに装着され、
前記車両側面視において、前記軸心は、前記第1ネジの軸心及び前記第2ネジの軸心を結ぶ線と、平行である、
請求項
1に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項4】
前記プロテクタ部は、樹脂及びアルミニウム合金の少なくともいずれか一方から形成される単一部材である、
請求項1から
3の少なくともいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項5】
前記プロテクタ部は、前記第1マウント部に設けられ樹脂及びアルミニウム合金の少なくともいずれか一方から形成される第1本体部と、前記第1本体部とは別体である第2本体部とを、有する、
請求項1から
3の少なくともいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項6】
前記第1マウント部は、前記被取付部に装着される円筒部と、前記円筒部の内部に配置され前記プロテクタ部が装着されるクランプ構造とを、有し、
前記クランプ構造は、
前記円筒部の開口側に配置され、第1傾斜面を有する第1部材と、
前記円筒部の底部側に配置され、前記第1傾斜面に接触する第2傾斜面を有する第2部材と、
前記第1部材の孔部に挿通され、前記第2傾斜面が前記第1傾斜面を押圧するように前記第2部材に螺合する連結ネジを、有する、
請求項1から
5のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項7】
前記円筒部及び前記エンジンは、第1ネジを介して前記被取付部に装着される、
請求項
6に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項8】
前記第1ネジの軸心は、前記連結ネジの軸心と同軸である、
請求項
7に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項9】
前記第2部材は、前記連結ネジの雄ネジ部が螺合する雌ネジ部を、有し、
前記孔部の内径は、前記連結ネジの軸部の外径より大きい、
請求項
6から8のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項10】
前記円筒部は、樹脂又はアルミニウム合金から形成される、
請求項
6から9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項11】
前記プロテクタ部は、前記鞍乗型車両が転倒した場合に地面に接触し、
前記プロテクタ部が前記フレームに装着された状態において、前記プロテクタ部は、車幅方向において前記鞍乗型車両を外側から見た場合に、第1方向に直線的に延び、
前記鞍乗型車両のシートを支持するためのシートレールは、前記フレームに装着された状態において外部に露出する露出部を、有し、
前記露出部は、前記車幅方向において前記鞍乗型車両を外側から見た場合に、第2方向に直線的に延び、
前記プロテクタ部が前記フレームに装着された状態において、前記第1方向と前記第2方向とは、実質的に同じ方向である、
請求項1に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項12】
前記第1方向と前記第2方向とは、実質的に同じ直線上に定義される、
請求項
11に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項13】
前記前記プロテクタ部は、中空部材又は棒部材であり、
前記露出部は、中空部材又は棒部材であり、
請求項
11又は12に記載の鞍乗型車両のエンジンプロテクタ。
【請求項14】
請求項1から
13のいずれか1項に記載のエンジンプロテクタ、
を備える鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両のエンジンを保護するためのエンジンプロテクタ及び鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の自動二輪車には、プロテクタ例えばガードパイプが、開示されている(特許文献1を参照)。このプロテクタは、エンジンの前方において車体フレームに設けられている。例えば、このプロテクタは、シートレールの軸心の上方において、車体フレームに設けられている。詳細には、このプロテクタは、車体前方に向かうにつれて斜め上方に延びるように、車体フレームに設けられている。
【0003】
また、上記の従来技術には、プロテクタ(ガードパイプ)の取り付け構造が、開示されている(特許文献1の
図4を参照)。この取付構造では、プロテクタが支持板部を介して車体フレームに取り付けられている。
【0004】
ここで、車体フレームは、エンジン本体を取り付けるための車両構成部品取付け部を、有している。支持板部は、プロテクタをエンジン本体に取り付けているように見せかけるために、用いられる。例えば、支持板部は、プロテクタの取り付け位置を車両構成部品取付け部の位置に合わせるために、用いられる。
【0005】
この取付構造では、ボルトを支持板部の第1挿通孔に挿通し車体フレームの雌ネジ部に螺合させることによって、支持板部が車体フレームに取り付けられる。プロテクタは、ボルトを支持板部の第2挿通孔に挿通しナットに螺合させることによって支持板部に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の自動二輪車用のプロテクタは、シートレールの軸心の上方において車体フレームに設けられ、車体前方に向かうにつれて斜め上方に延びている。この場合、自動二輪車の走行中に揚力がプロテクタに対して作用するので、自動二輪車の走行快適性が低下するおそれがある。
【0008】
従来の自動二輪車用のプロテクタは、取付構造を介して車体フレームに取り付けられる。例えば、車両側面視においてプロテクタの取付部がエンジン取付部(車両構成部品取付け部)と重なるように見せかけるために、支持板部が用意されている。この場合、プロテクタは、支持板部を介して、車体フレームに取り付けられる。このため、従来の自動二輪車用のプロテクタでは、プロテクタを車体フレームに取り付けたりプロテクタを車体フレームから取り外したりする工程が、増加するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、鞍乗型車両の走行快適性を向上できる鞍乗型車両のエンジンプロテクタを、提供することにある。本発明の他の目的は、容易に着脱可能な鞍乗型車両のエンジンプロテクタを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様に係る鞍乗型車両のエンジンプロテクタは、鞍乗型車両のフレームに装着されるエンジンを、保護するためのものである。鞍乗型車両のエンジンプロテクタは、プロテクタ部と、第1マウント部とを、備える。プロテクタ部は、車幅方向においてエンジンよりも外側に配置される。プロテクタ部は、車両側面視において、フレームのシートレールが延びる方向に沿って配置される。第1マウント部には、プロテクタ部が接続される。第1マウント部は、フレームにおいてエンジンが取り付けられる被取付部に、装着される。
【0011】
他の態様に係る鞍乗型車両のエンジンプロテクタは、プロテクタ部と、マウント部とを、備える。プロテクタ部は、エンジンを保護する。マウント部は、円筒部と、クランプ構造とを、有する。円筒部は、フレームに装着される。クランプ構造は、円筒部の内部に配置される。クランプ構造には、プロテクタ部が装着される。
【0012】
他の態様に係る鞍乗型車両のエンジンプロテクタは、鞍乗型車両のエンジンを保護するためものである。鞍乗型車両のエンジンプロテクタは、接触部を備える。接触部は、鞍乗型車両が転倒した場合に地面に接触する部分である。接触部がフレームに装着された状態において、車幅方向において鞍乗型車両を外側から見た場合に、接触部は第1方向に直線的に延びる。
【0013】
鞍乗型車両のシートを支持するためのシートレールは、フレームに装着された状態において外部に露出する露出部を、有する。露出部は、車幅方向において鞍乗型車両を外側から見た場合に、第2方向に直線的に延びる。接触部がフレームに装着された状態において、第1方向と第2方向とは、実質的に同じ方向である。
【0014】
他の態様に係る鞍乗型車両のエンジンプロテクタは、鞍乗型車両のエンジンを保護するためのものである。鞍乗型車両のエンジンプロテクタは、プロテクタ部と、マウント部とを、備える。プロテクタ部は、鞍乗型車両が転倒した場合に地面に接触する。マウント部は、円筒部を有する。
【0015】
プロテクタ部は、連結ネジを挿通するための第1孔を、有する。マウント部は、フレームに装着される。マウント部は、連結ネジを挿通するための第2孔を有する第1部材と、連結ネジを螺合させるためのネジ穴を有する第2部材とを、さらに有する。連結ネジを第1孔及び第2孔に挿通しネジ穴に螺合させることによって、プロテクタ部はマウント部を介してフレームに装着される。
【0016】
プロテクタ部がマウント部を介してフレームに装着された状態で、第1部材は、連結ネジが延びている方向に対して傾斜した第1傾斜部を、有する。第2部材は、連結ネジが延びている方向に対して傾斜した第2傾斜部を有する。第1部材の少なくとも一部と第2部材の少なくとも一部とは、円筒部の内側に配置される。
【0017】
プロテクタ部と第2部材とが連結ネジの螺合力によって第1部材を押圧した状態で、第1傾斜部から第2傾斜部に作用する押圧力において連結ネジが延びる方向と直交する方向に作用する押圧分力を用いて、第1部材は円筒部の内面を押圧する。これにより、プロテクタ部は円筒部に装着される。
【0018】
他の態様に係る鞍乗型車両は、上述したエンジンプロテクタを、備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、鞍乗型車両のエンジンプロテクタにおいて、鞍乗型車両の走行快適性を向上することができる。また、本発明では、鞍乗型車両のエンジンプロテクタを容易に着脱することができる。さらに、本発明では、鞍乗型車両の走行快適性を向上することができ且つ容易に着脱することができるエンジンプロテクタを有する鞍乗型車両を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態が採用された鞍乗型車両の左側面図。
【
図4】フレーム本体に対するエンジンプロテクタ及びエンジンの取付部の拡大斜視図。
【
図5】エンジンプロテクタ及びシートレールの前部の拡大側面図
【
図7】フレーム本体、第1マウント部、及びプロテクタ部の断面図。
【
図8】シートレール及びプロテクタ部の配置に関する変形例を説明するための、フレーム本体に対するエンジンプロテクタ及びエンジンの取付部の拡大斜視図。
【
図9】クランプ構造の第1部材の変形例を説明するための、フレーム本体、第1マウント部、及びプロテクタ部の断面図。
【
図10】第1プロテクタ部及び第2プロテクタ部の変形例を説明するための、フレーム本体に対するエンジンプロテクタ及びエンジンの取付部の拡大斜視図。
【
図11】変形例における有底筒部の構成を説明するための、フレーム本体、第1マウント部、及びプロテクタ部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施形態に係る鞍乗型車両1は、
図1及び
図2に示すように、フレーム部2と、ハンドル3と、前輪4と、後輪5と、エンジン6と、燃料タンク7と、シート8と、エンジンプロテクタ9とを、備える。
【0022】
なお、本明細書では、鞍乗型車両1が進行する方向(
図1の左方)が、前方と定義される。進行方向とは反対の方向(
図1の右方)が、後方と定義される。重力が作用する方向(
図1の下方)が、下方と定義される。下方とは反対の方向(
図1の上方)が、上方と定義される。
【0023】
運転者がシート8に着座した状態において、運転者の右手側(
図2の左方)が、右方と定義される。運転者の左手側(
図2の右方)が、左方と定義される。以下では、上下方向は車両高さ方向に対応する。左右方向は車幅方向WDに対応する。
【0024】
鞍乗型車両1を前側から見た場合が、車両正面視と定義される。例えば、
図2が車両正面視に対応する。鞍乗型車両1を上側から見た場合が、車両平面視と定義される。車幅方向WDにおいて鞍乗型車両1を外側から見た場合、例えば鞍乗型車両1を右側又は左側から見た場合が、車両側面視と定義される。例えば、
図1が鞍乗型車両1を左側から見た場合の車両側面視に対応する。
【0025】
(ハンドル)
図1及び
図2に示すように、ハンドル3は、ヘッドパイプ21より上方に配置される。例えば、ハンドル3は、ヘッドパイプ21の上端と間隔を隔てて配置される。ハンドル3は、ステアリング装置35に接続される。例えば、ハンドル3は、ステアリング装置35と一体的に回動可能なように、ステアリング装置35に接続される。
【0026】
(前輪及び後輪)
図1及び
図2に示すように、前輪4は、ステアリング装置35によって回転可能に支持される。ステアリング装置35は、ヘッドパイプ21に回動可能に支持される。
図1に示すように、後輪5は、スイングアーム36に回転可能に支持される。スイングアーム36は、エンジン6又はフレーム本体22に回動可能に支持される。本実施形態では、スイングアーム36は、フレーム本体22に回動可能に支持される。
【0027】
(エンジン)
図1に示すように、エンジン6は、フレーム本体22の下方に配置される。エンジン6は、フレーム本体22に装着される。例えば、エンジン6は、後述する第1ネジ43(
図6を参照)を介して、フレーム本体22に装着される。詳細には、
図3に示すように、エンジン6は、エンジン本体33と、取付部34(
図4を参照)とを、有する。エンジン本体33は、鞍乗型車両1の駆動源である。取付部34は、エンジン本体33に固定される。
図6に示すように、取付部34には、ダウンフレーム25を挿通する第1ネジ43が、螺合する。すなわち、エンジン6は、第1ネジ43を介して、ダウンフレーム25に装着される。
【0028】
(燃料タンク及びシート)
燃料タンク7は、エンジン6に燃料を供給する。
図1に示すように、燃料タンク7は、ヘッドパイプ21の後方に配置される。燃料タンク7は、フレーム本体22(後述するメインフレーム24)の上部に装着される。例えば、燃料タンク7は、フレーム本体22の上方に配置される。燃料タンク7の後方には、シート8が配置される。シート8は、フレーム本体22(後述するメインフレーム24)の上部に装着される。
【0029】
(フレーム部)
図1に示すように、フレーム部2は、ヘッドパイプ21と、フレーム本体22(フレームの一例)と、シート支持部23とを、有する。ヘッドパイプ21は、ステアリング装置35を回転可能に支持する。
【0030】
フレーム本体22は、ヘッドパイプ21に接続される。フレーム本体22は、メインフレーム24と、ダウンフレーム25とを、有する。メインフレーム24は、ヘッドパイプ21から後方に延びる。メインフレーム24は、ヘッドパイプ21を支持する。メインフレーム24は、エンジン6及び燃料タンク7の間に配置される。
【0031】
ダウンフレーム25は、メインフレーム24に接続される。例えば、ダウンフレーム25は、メインフレーム24から下方に延びる。ダウンフレーム25は、メインフレーム24と一体に形成される。ダウンフレーム25には、エンジン6が装着される。
【0032】
図1に示すように、ダウンフレーム25は、ダウンフレーム本体26と、被取付部27とを、有する。ダウンフレーム本体26は、メインフレーム24から下方に延びる。ダウンフレーム本体26は、メインフレーム24と一体に形成される。
【0033】
図1及び
図3に示すように、被取付部27は、ダウンフレーム本体26に設けられる。例えば、被取付部27は、ダウンフレーム本体26の先端部に設けられる。被取付部27は、車幅方向WDにおいて、エンジン6及びエンジンプロテクタ9の第1マウント部41(後述する)の間に配置される。
【0034】
図4に示すように、被取付部27には、エンジン6の取付部34が装着される。被取付部27には、エンジンプロテクタ9の第1マウント部41が装着される。
【0035】
図6に示すように、被取付部27は、第1部分27aと、第2部分27bと、孔部27cとを、有する。第1部分27aは、ダウンフレーム本体26と一体に形成される。第1部分27aには、エンジン6が対向して配置される。詳細には、第1部分27aには、エンジン6の取付部34が対向して配置される。
【0036】
第2部分27bは、第1部分27aと一体に形成される。第2部分27bは、第1部分27aから突出するボス部である。第2部分27bには、エンジンプロテクタ9が装着される。第2部分27bは、凹部27dを有する。例えば、凹部27dは、第2部分27bの先端部から凹んで形成される穴部である。凹部27dには、エンジンプロテクタ9の第1マウント部41が、配置される。
【0037】
孔部27cは、第1部分27a及び第2部分27bを貫通する。例えば、孔部27cは、第2部分27bの外面から第1部分27aの外面に向けて、第1部分27a及び第2部分27bを貫通する。詳細には、孔部27cは、凹部27dの底面から、第1部分27aの外面に向けて、第1部分27a及び第2部分27bを貫通する。孔部27cには、第1ネジ43が配置される。第1ネジ43は、第1マウント部41及びエンジン6を連結する。
【0038】
図1及び
図3に示すように、シート支持部23は、シート8を支持する。シート支持部23は、フレーム本体22に接続される。シート支持部23は、固定手段例えば固定ネジによって、フレーム本体22に固定される。
【0039】
シート支持部23は、1対のシートレール31と、1対のリアレール32とを、有する。各シートレール31は、シート8を支持する。各シートレール31は、シート8の下方に配置される。各シートレール31は、フレーム本体22(メインフレーム24)に装着される。各シートレール31は、シート8に沿って、フレーム本体22から後方に延びる。各シートレール31は、中空部材又は棒部材である。
【0040】
各シートレール31の前部31aは、車両側面視において後方且つ上方に直線的に延びる。例えば、各シートレール31の前部31aは、軸心X1を有する。車両側面視において、軸心X1は、フレーム本体22から離れる方向に延びる。ここでは、軸心X1は、車両側面視において後方且つ上方に直線的に延びる。
【0041】
詳細には、車両側面視において、各シートレール31の前部31aは、軸心X1が延びるレール軸方向(第2方向の一例)に、直線的に延びる。例えば、車両側面視において、各シートレール31の前部31aは、フレーム本体22において各シートレール31が装着される装着部22aから、レール軸方向に直線的に延びる。
【0042】
各シートレール31の前部31aは、露出部31bを有する。露出部31bは外部に露出する部分である。例えば、シート支持部23がフレーム本体22に装着された状態において、露出部31bは外部に露出する。詳細には、各シートレール31がフレーム本体22に装着された状態の車両側面視において、露出部31bは外部に露出する。露出部31bは、軸心X1が延びるレール軸方向に、直線的に延びる。
【0043】
図1に示すように、車両側面視において、軸心X1は、フレーム本体22において各シートレール31が装着される装着部22aを、通過する。車両側面視において、軸心X1は、第1マウント部41及び第2マウント部42(後述する)を通過する。
【0044】
例えば、
図5に示すように、車両側面視において、軸心X1は、フレーム本体22の装着部22aに各シートレール31を装着するためのネジ軸心X2を通過することが好ましい。車両側面視において、軸心X1は、第1ネジ43の軸心X3及び第2ネジ49の軸心X4を通過することが好ましい。
【0045】
図1に示すように、リアレール32は、メインフレーム24に対してシートレール31を支持する。リアレール32は、シートレール31に設けられる。リアレール32は、シートレール31と一体に形成される。リアレール32は、シートレール31と別体に形成されてもよい。例えば、リアレール32の一端部は、シートレール31に設けられる。リアレール32の他端部は、固定手段例えばボルトによって、フレーム本体22に固定される。
【0046】
(エンジンプロテクタ)
エンジンプロテクタ9は、エンジン6を保護するためのものである。エンジンプロテクタ9は、フレーム本体22に装着される。
【0047】
図3及び
図5に示すように、エンジンプロテクタ9は、プロテクタ部40(接触部の一例)と、第1マウント部41(マウント部の一例)と、第2マウント部42とを、備える。
【0048】
・プロテクタ部
プロテクタ部40は、エンジン6を保護する。例えば、プロテクタ部40は、鞍乗型車両1が転倒した場合に地面に接触し、エンジン6を保護する。
【0049】
図2に示すように、プロテクタ部40は、車幅方向WDにおいてエンジン6よりも外側に配置される。
図5に示すように、プロテクタ部40は、車両側面視において、シートレール31の前部31aが延びる方向(軸心X1が延びるレール軸方向)に沿って、配置される。プロテクタ部40は、軸心X5を有する。車両側面視において、プロテクタ部40は、軸心X5が延びるプロテクタ軸方向(第1方向の一例)に、延びる。軸心X5は、第1ネジ43の軸心X3及び第2ネジ49の軸心X4を通過する。
【0050】
図4に示すように、プロテクタ部40は、第1プロテクタ部141と、第2プロテクタ部142とを、有する。
図4では、第1プロテクタ部141にはハッチングが施されている。第1プロテクタ部141は、第1マウント部41に設けられる。第1プロテクタ部141は、樹脂によって形成される。第1プロテクタ部141は、アルミニウム合金によって形成されてもよい。
【0051】
第2プロテクタ部142は、第1プロテクタ部141とは別体である。第2プロテクタ部142は、第1プロテクタ部141に連結される。第2プロテクタ部142は、アルミニウム合金によって形成される。第2プロテクタ部142は、樹脂によって形成されてもよい。第2プロテクタ部142は、中空部材又は棒部材によって形成されることが好ましい。
【0052】
本実施形態では、プロテクタ部40は、2つの部材(第1プロテクタ部141及び第2プロテクタ部142)から構成される場合の例を示すが、プロテクタ部40は、単一部材であってもよい。この場合、プロテクタ部40は、中空部材又は棒部材によって形成されることが好ましい。プロテクタ部40は、樹脂及びアルミニウム合金の少なくともいずれか一方から形成されることが好ましい。
【0053】
図1に示すように、プロテクタ部40がフレーム本体22に装着された状態の車両側面視において、プロテクタ部40は、プロテクタ軸方向(軸心X5の方向)に直線的に延びる。プロテクタ軸方向(軸心X5の方向)は、レール軸方向(軸心X1の方向)と実質的に同じ方向である。ここでは、プロテクタ軸方向とレール軸方向とは、実質的に同じ直線上に定義される。
【0054】
図3に示すように、プロテクタ部40は、第1マウント部41及び第2マウント部42を介して、エンジン6に装着される。プロテクタ部40の一端部は、第1マウント部41に装着される。
【0055】
例えば、
図6に示すように、プロテクタ部40は、連結ネジ48(後述する)を挿通するための第1孔40aを、有する。第1孔40aは、プロテクタ部40の一端部に設けられる。プロテクタ部40の一端部は、連結ネジ48を第1孔40aに挿通し第1マウント部41に螺合させることによって、第1マウント部41に装着される。プロテクタ部40の他端部には、第2マウント部42が設けられる(
図5を参照)。
【0056】
・第1マウント部
第1マウント部41は、プロテクタ部40をフレーム本体22に装着するためのものである。
図4及び
図5に示すように、第1マウント部41には、プロテクタ部40が接続される。例えば、第1マウント部41は、プロテクタ部40の一端部に設けられる。
図6に示すように、第1マウント部41には、連結ネジ48によってプロテクタ部40が装着される。
【0057】
図4及び
図5に示すように、第1マウント部41は、フレーム本体22に装着される。例えば、
図6に示すように、第1マウント部41は、第1ネジ43を介して、フレーム本体22に装着される。詳細には、第1マウント部41は、第1ネジ43を介して、ダウンフレーム25の被取付部27に装着される。
【0058】
図5に示すように、第1マウント部41がダウンフレーム25の被取付部27に装着された状態で、第1マウント部41は、車両側面視において、シートレール31より前方且つ下方に配置される。第1マウント部41は、第2マウント部42より前方且つ下方に配置される。
【0059】
図6に示すように、第1マウント部41は、有底筒部44(円筒部の一例)と、クランプ構造45とを、有する。有底筒部44は、フレーム本体22に装着される。例えば、有底筒部44は、第1ネジ43を介して、フレーム本体22に装着される。詳細には、有底筒部44は、第1ネジ43を介して、ダウンフレーム25の被取付部27に装着される。有底筒部44は、樹脂又はアルミニウム合金によって形成されることが好ましい。
【0060】
有底筒部44は、底部44aと、第1筒部44bとを、有する。底部44aは、フレーム本体22例えばダウンフレーム25の被取付部27に対向して、配置される。底部44aは、孔部44cを有する。第1筒部44bは、底部44aと一体に形成される。
【0061】
底部44aには、第1ネジ43の頭部が当接する。底部44aの孔部44c及び被取付部27の孔部27cには、第1ネジ43が挿通される。この状態において、第1ネジ43の雄ネジ部が、エンジン6の雌ネジ部34a(取付部34の雌ネジ部34a)に螺合する。
【0062】
これにより、有底筒部44及びエンジン6は、第1ネジ43を介して、フレーム本体22(ダウンフレーム25の被取付部27)に装着される。言い換えると、有底筒部44が第1ネジ43によってエンジン6に固定された状態で、フレーム本体22(ダウンフレーム25の被取付部27)は、有底筒部44及びエンジン6を支持する。
【0063】
図6に示すように、クランプ構造45は、有底筒部44の内部に配置される。例えば、クランプ構造45は、有底筒部44の内部に配置された状態で、有底筒部44に装着される。クランプ構造45には、プロテクタ部40が接続される。
【0064】
図7に示すように、クランプ構造45は、第1部材46と、第2部材47と、連結ネジ48とを、有する。第1部材46は、有底筒部44の開口側に配置される。第1部材46の少なくとも一部は、有底筒部44の内側に配置される。
【0065】
第1部材46は、第1本体部46aと、第1傾斜面46bと、第2孔46cと、鍔部46dとを、有する。第1本体部46aは、実質的に円柱状に形成される。第1本体部46aは、有底筒部44の内部に配置される。詳細には、第1本体部46aにおいて鍔部46dが形成される部分を除いて、第1本体部46aは有底筒部44の内部に配置される。第1本体部46aは、プロテクタ部40に当接する。第1本体部46aは、アルミニウム合金又は鋼材によって形成されることが好ましい。
【0066】
第1傾斜面46bは、第1本体部46aの端面を形成する。第1傾斜面46bは、連結ネジ48が延びる方向に対して傾斜する。詳細には、第1傾斜面46bは、連結ネジ48の軸心X6に対して傾斜する。第1傾斜面46bは、有底筒部44の底部44aと間隔を隔てて配置される。
【0067】
第2孔46cは、連結ネジ48を挿通するために用いられる。第2孔46cは、第1本体部46aに設けられる。第2孔46cは、第1傾斜面46bから反対側の端面に向けて、第1本体部46aを貫通する。第2孔46cの内径は、連結ネジ48の軸部48bの外径より大きい。第2孔46cの内面及び連結ネジ48の軸部48bの間には、隙間が設けられる。
【0068】
鍔部46dは、第1本体部46aの外周面に一体に形成される。鍔部46dは、第1本体部46aの外周面から環状に突出する。鍔部46dは、有底筒部44及びプロテクタ部40の間に配置される。詳細には、鍔部46dは、有底筒部44の端部(第1筒部44bの端部)及びプロテクタ部40に、当接する。
【0069】
第2部材47は、有底筒部44の底部44a側に配置される。第2部材47の少なくとも一部は、有底筒部44の内側に配置される。詳細には、第2部材47は有底筒部44の内側に配置される。
【0070】
図7に示すように、第2部材47は、第2本体部47aと、第2傾斜面47bと、ネジ穴47cとを、有する。第2本体部47aは、実質的に円柱状に形成される。第2本体部47aは、有底筒部44の内部に配置される。詳細には、第2本体部47aは、第1本体部46a及び有底筒部44の底部44aの間に配置される。
【0071】
第2傾斜面47bは、第2本体部47aの端面を形成する。第2傾斜面47bは、連結ネジ48が延びる方向に対して傾斜する。詳細には、第2傾斜面47bは、連結ネジ48の軸心X6に対して傾斜する。
【0072】
第2傾斜面47bは、第1傾斜面46bに対向して配置される。第2傾斜面47bは、第1傾斜面46bに接触する。ネジ穴47cには、連結ネジ48が螺合する。ネジ穴47cは、連結ネジ48の雄ネジ部48cが螺合する雌ネジ部である。ネジ穴47cは、第2傾斜面47bから反対側の端面に向けて、第2本体部47aから凹状に形成される。連結ネジ48の軸心X6が第1ネジ43の軸心X3と実質的に同軸になるように、ネジ穴47cは第2本体部47aに形成される。
【0073】
連結ネジ48は、プロテクタ部40、第1部材46、及び第2部材47を、連結する。連結ネジ48は、第1傾斜面46bが第2傾斜面47bを押圧するように、第2部材47に螺合する。例えば、第1傾斜面46bが第2傾斜面47bに接触した状態で、連結ネジ48は、プロテクタ部40の第1孔40a及び第1部材46の第2孔46cに挿通され、ネジ穴47cに螺合する。連結ネジ48は、軸心X6を有する。
【0074】
連結ネジ48は、頭部48aと、軸部48bと、雄ネジ部48cとを、有する。頭部48aは、プロテクタ部40の外面に当接する。軸部48bは、プロテクタ部40の第1孔40a及び第1部材46の第2孔46cに、挿通される。雄ネジ部48cは、第2部材47のネジ穴47cに螺合する。この状態で、連結ネジ48が締め付けられる。
【0075】
このように、連結ネジ48を第1孔40a及び第2孔46cに挿通しネジ穴47cに螺合させることによって、プロテクタ部40は第1マウント部41を介してフレーム本体22に装着される。
【0076】
詳細には、有底筒部44がフレーム本体22(ダウンフレーム25の被取付部27)に装着された状態で、連結ネジ48が締め付けられる。これにより、第1部材46が、プロテクタ部40及び第2部材47によって押圧される。その結果、第1部材46の第1傾斜面46bが第2部材47の第2傾斜面47bに沿って移動し、第1部材46の第1本体部46aの外周面が有底筒部44の内周面を押圧する。このように、連結ネジ48を締め付けることによって、プロテクタ部40が、第1部材46、第2部材47、及び連結ネジ48を介して、有底筒部44に装着される。
【0077】
言い換えると、有底筒部44が第1ネジ43によってエンジン6に固定された状態で、プロテクタ部40及び第2部材47が、連結ネジ48の螺合力によって、第1部材46を押圧する。この状態において、第1傾斜面46bから第2傾斜面47bに作用する押圧力によって、連結ネジ48が延びる方向(連結ネジ48の軸心X6)と直交する方向に、押圧分力が生じる。この押圧分力を用いて、第1部材46が有底筒部44の内周面を押圧する。このように、プロテクタ部40は、第1部材46、第2部材47、及び連結ネジ48を介して、有底筒部44に装着される。
【0078】
ここでは、有底筒部44がフレーム本体22(ダウンフレーム25の被取付部27)に装着されているので、プロテクタ部40は、第1マウント部41、例えば有底筒部44及びクランプ構造45(第1部材46、第2部材47、及び連結ネジ48)を介して、フレーム本体22(ダウンフレーム25の被取付部27)に装着される。
【0079】
・第2マウント部
第2マウント部42は、エンジン6にプロテクタ部40を装着するためのものである。
図3及び
図5に示すように、第2マウント部42は、プロテクタ部40に設けられる。例えば、第2マウント部42は、第1マウント部41とは異なる位置において、プロテクタ部40に設けられる。詳細には、第2マウント部42は、プロテクタ部40の他端部に設けられる。
【0080】
図3に示すように、第2マウント部42は、取付部材38を介して、エンジン6に装着される。
図5に示すように、第2マウント部42は、車幅方向WDにおいて取付部材38に対向して配置される。第2マウント部42は、第2ネジ49によって、取付部材38に取り付けられる。取付部材38は、エンジン6に固定される。
【0081】
第2マウント部42がエンジン6に装着された状態の車両側面視において、第2マウント部42は、シートレール31より前方且つ下方に配置される。例えば、車両側方視において、第2マウント部42は、第1マウント部41及びシートレール31の間において、第1マウント部41より上方且つシートレール31より下方に配置される。
【0082】
詳細には、第2ネジ49は、軸心X4を有する。車両側面視において、軸心X4は、各シートレール31をフレーム本体22に装着するためのネジ軸心X2より、前方且つ下方に配置される。軸心X4は、第1ネジ43の軸心X3及びネジ軸心X2の間において、第1ネジ43の軸心X3より上方且つネジ軸心X2より下方に配置される。軸心X4は、連結ネジ48の軸心X6及びネジ軸心X2の間において、連結ネジ48の軸心X6より上方且つネジ軸心X2より下方に配置される。
【0083】
(変形例)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0084】
(A1)前記実施形態では、車両側面視において、シートレール31(シートレール31の前部31a;露出部31b)の軸心X1が、第1ネジ43の軸心X3(連結ネジ48の軸心X6)及び第2ネジ49の軸心X4を通過する場合の例が、示された。
図8に示すように、車両側面視において、シートレール31(シートレール31の前部31a;露出部31b)の軸心X1は、第1ネジ43の軸心X3(連結ネジ48の軸心X6)及び第2ネジ49の軸心X4を通過する直線L1(又はプロテクタ部40の軸心X5)と、平行であってもよい。
【0085】
(A2)前記実施形態では、第1部材46が単一部材である場合の例が示された。これに代えて、
図9に示すように、第1部材46は複数の部材から構成されてもよい。この場合、第1部材46は、軸部材51と、蓋部材52とを、有する。
【0086】
軸部材51は、第1マウント部41(有底筒部44)の第1筒部44bの内部に配置される。軸部材51は、上記の第1本体部46aと、上記の第1傾斜面46bと、上記の第2孔46cとを、有する。軸部材51は、第2孔46cより大径の第3孔46eを、さらに有する。
【0087】
蓋部材52は、軸部材51と別体である。蓋部材52は、プロテクタ部40及び軸部材51の間に配置される。蓋部材52は、プロテクタ部40及び軸部材51に当接する第2筒部46fと、第2筒部46fの外周部に設けられる上記の鍔部46dとを、有する。第2筒部46fの一端部は、第3孔46eに配置される。第2筒部46fの他端部は、プロテクタ部40に当接する。第2孔46c及び第2筒部46fの内周部には、連結ネジ48の軸部48bが配置される。その他の構成については前記実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。このように、第1部材46を構成しても、クランプ構造45を機能させることができる。
【0088】
(A3)前記実施形態では、第1プロテクタ部141が第1マウント部41に設けられる場合の例が、示された。これに代えて、
図10に示すように、第2プロテクタ部242が、第1マウント部41に設けられてもよい。
図10では、第1プロテクタ部241にはハッチングが施されている。この場合、第1プロテクタ部241は、第2プロテクタ部242の端部を覆う。第1プロテクタ部241及び第2プロテクタ部242には、上述した第1孔40a(
図6を参照)が設けられる。
【0089】
(A4)前記実施形態の有底筒部44は、
図11に示すように構成してもよい。この場合、有底筒部44は、第1筒部44bの内周面から外周面に向けて第1筒部44bを貫通する少なくとも1つの孔部46gを、さらに有する。例えば、複数の孔部46gが、周方向に間隔を隔てて、第1筒部44bに設けられる。このように、孔部46gを第1筒部44bに設けることによって、第1筒部44bの強度は低下する。これにより、プロテクタ部40が地面に接触した際に第1筒部44bを破損させることによって、フレーム部2に対する外力の伝達を軽減することができる。
【0090】
(まとめ)
鞍乗型車両1は、上述したエンジンプロテクタ9を、有する。本エンジンプロテクタ9では、車両側面視において、プロテクタ部40が、フレーム本体22のシートレール31が延びる方向に沿って配置される。このため、鞍乗型車両1の走行中にプロテクタ部40に対する揚力の発生を低減することができる。すなわち、鞍乗型車両1の走行快適性を向上することができる。
【0091】
また、本エンジンプロテクタ9では、第1マウント部41が、フレーム本体22においてエンジン6が取り付けられる被取付部27に、装着される。これにより、プロテクタ部40を第1マウント部41を介してフレーム本体22に容易に着脱することができる。
【0092】
また、本エンジンプロテクタ9では、第1マウント部41が、フレーム本体22に装着される有底筒部44と、プロテクタ部40が装着されるクランプ構造45とを、有する。これにより、プロテクタ部40を第1マウント部41を介してフレーム本体22に容易に着脱することができる。
【0093】
また、本エンジンプロテクタ9では、鞍乗型車両1が転倒した場合に地面に接触する接触部として機能するプロテクタ部40は、車両側面視においてプロテクタ軸方向に直線的に延びる。シートレール31の露出部31bは、車両側面視においてレール軸方向に直線的に延びる。プロテクタ軸方向とレール軸方向とは、実質的に同じ方向である。これにより、鞍乗型車両1の走行中にプロテクタ部40に対する揚力の発生を低減することができる。すなわち、鞍乗型車両1の走行快適性を向上することができる。
【0094】
また、本エンジンプロテクタ9では、第1マウント部41は、有底筒部44と、第1部材46と、第2部材47と、連結ネジ48とを、有する。プロテクタ部40が第1マウント部41を介してフレーム本体22に装着された状態で、プロテクタ部40及び第2部材47が、連結ネジ48の螺合力によって、第1部材46を押圧する。この状態において、第1傾斜面46bから第2傾斜面47bに作用する押圧力によって、連結ネジ48が延びる方向と直交する方向に押圧分力が生じる。この押圧分力を用いて、第1部材46が有底筒部44の内周面を押圧する。
【0095】
このように、プロテクタ部40は、第1部材46、第2部材47、及び連結ネジ48を介して、有底筒部44に装着される。これにより、プロテクタ部40を、第1マウント部41(有底筒部44、第1部材46、第2部材47、及び連結ネジ48)を介して、フレーム本体22に容易に着脱することができる。
【0096】
本鞍乗型車両1は、上述したエンジンプロテクタ9を、備える。これにより、鞍乗型車両1の走行快適性を向上することができる。また、鞍乗型車両1において、エンジンプロテクタ9を容易に着脱することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明によれば、鞍乗型車両のエンジンプロテクタ及び鞍乗型車両に利用することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 鞍乗型車両
2 フレーム部
6 エンジン
9 エンジンプロテクタ
22 フレーム本体
24 メインフレーム
26 ダウンフレーム本体
27 被取付部
31 シートレールの
31a シートレールの前部
31b 露出部
40 プロテクタ部
41 第1マウント部
42 第2マウント部
43 第1ネジ
44 有底筒部
45 クランプ構造
46 第1部材
46b 第1傾斜面
46c 第2孔
47 第2部材
47b 第2傾斜面
47c ネジ穴
48 連結ネジ
49 第2ネジ
X1 シートレールの軸心
X3 第1ネジの軸心
X4 第2ネジの軸心
X5 プロテクタ部の軸心
X6 連結ネジの軸心