(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04883 20220101AFI20220805BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
G06F3/04883
G06F3/041 595
G06F3/041 600
(21)【出願番号】P 2020187804
(22)【出願日】2020-11-11
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】野村 良太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義従
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-088891(JP,A)
【文献】特開平10-333817(JP,A)
【文献】特開2018-088112(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0371485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンにおいてタッチ操作が行われたタッチ位置を示すタッチ位置情報と、前記タッチ位置にかかる圧力を示す圧力情報とを少なくとも含む描画情報を取得する描画情報取得部と、
前記描画情報取得部によって取得された第1の描画情報と前記第1の描画情報よりも後に取得された第2の描画情報とに基づき、前記タッチ位置の移動に関する変化量を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記変化量に基づき、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定された場合には前記タッチ操作に関する描画を実行する第1のモードを設定し、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定された場合には前記タッチ操作に関する描画を実行しない第2のモードを設定するモード制御部と、
を備え
、
前記算出部によって算出される前記変化量は、前記タッチ位置にかかる圧力の変化量と前記タッチ位置の移動方向の変化量とを少なくとも含み、
前記判定部は、前記圧力の変化量が第1の閾値以上であって前記圧力が急低下したことを示し、かつ同時に前記移動方向の変化量が第2の閾値以上であって前記移動方向が急変したことを示す場合、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定する、情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部によって算出される前記変化量は、前記タッチ位置の移動距離をさらに含み、
前記判定部は、前記圧力の低下量が前記第1の閾値以上、かつ前記移動方向の変化量が前記第2の閾値以上、かつ前記移動距離が第3の閾値以上である場合、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記第2の描画情報に含まれる圧力情報の示す圧力が第4の閾値以下であって前記圧力が極端に低い場合、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定する、
請求項1
又は請求項
2のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、第1の判定時に前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定し、かつ前記第1の判定時よりも後の第2の判定時の前記圧力が前記第1の判定時より上昇していない場合、描画を実行すべきではない操作が継続していると判定する、
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、第1の判定時に前記圧力が前記第1の判定時よりも前の第2の判定時より上昇している場合、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定する、
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
描画情報取得部が、タッチスクリーンにおいてタッチ操作が行われたタッチ位置を示すタッチ位置情報と、前記タッチ位置にかかる圧力を示す圧力情報とを少なくとも含む描画情報を取得する過程と、
算出部が、前記描画情報取得部によって取得された第1の描画情報と前記第1の描画情報よりも後に取得された第2の描画情報とに基づき、前記タッチ位置の移動に関する変化量を算出する過程と、
判定部が、前記算出部によって算出された前記変化量に基づき、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定する過程と、
モード制御部が、前記判定部によって前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定された場合には前記タッチ操作に関する描画を実行する第1のモードを設定し、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定された場合には前記タッチ操作に関する描画を実行しない第2のモードを設定する過程と、
を含
み、
前記算出部によって算出される前記変化量は、前記タッチ位置にかかる圧力の変化量と前記タッチ位置の移動方向の変化量とを少なくとも含み、
前記判定部は、前記圧力の変化量が第1の閾値以上であって前記圧力が急低下したことを示し、かつ同時に前記移動方向の変化量が第2の閾値以上であって前記移動方向が急変したことを示す場合、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチスクリーンに対して、ユーザが操作媒体としてタッチペンを用いたタッチ操作(以下、「ペンタッチ操作」とも称される)をした際に、タッチペンのタッチ位置(以下、「ペンタッチ位置」とも称される)にかかる圧力に基づき、実行する処理を制御する技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、ユーザのペンタッチ操作によってペンタッチ位置にかかる圧力に基づき、ペンタッチ位置における表示処理を制御する技術が開示されている。当該技術では、例えば、ペンタッチ位置にかかる圧力が所定の閾値以下であるか否かに応じて、当該ペンタッチ位置における表示又は非表示を制御する。
【0004】
ところで、ユーザがタッチペンを用いてタッチスクリーンに文字等を手書き入力した際に、ユーザの意図しないペンタッチ操作による描画が行われることがある。例えば、タッチスクリーンと接触している操作媒体がユーザの意図しない方向に滑って移動した場合、ユーザの意図しない描画が行われてしまう。なお、操作媒体が滑るとペンタッチ位置にかかる圧力は低下する。そこで、特許文献1の技術のようにペンタッチ位置にかかる圧力の大きさを利用し、例えばペンタッチ位置にかかる圧力が所定の閾値以下である場合は描画を行わないように制御することで、ユーザの意図しない描画が行われることを防止でき得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ペンタッチ位置にかかる圧力が所定の閾値以下であるか否かのみで判定する場合、ユーザの意図しない描画だけでなく、ユーザの意図した描画が行われることも防止される場合がある。例えば、筆圧が弱いユーザの場合、意図した描画であってもペンタッチ位置にかかる圧力が所定の閾値以下となり、描画が行われないことがあり得る。
【0007】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、ユーザの意図しないペンタッチ操作による描画を精度よく防止することが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、タッチスクリーンにおいてタッチ操作が行われたタッチ位置を示すタッチ位置情報と、前記タッチ位置にかかる圧力を示す圧力情報とを少なくとも含む描画情報を取得する描画情報取得部と、前記描画情報取得部によって取得された第1の描画情報と前記第1の描画情報よりも後に取得された第2の描画情報とに基づき、前記タッチ位置の移動に関する変化量を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記変化量に基づき、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定された場合には前記タッチ操作に関する描画を実行する第1のモードを設定し、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定された場合には前記タッチ操作に関する描画を実行しない第2のモードを設定するモード制御部と、を備え、前記算出部によって算出される前記変化量は、前記タッチ位置にかかる圧力の変化量と前記タッチ位置の移動方向の変化量とを少なくとも含み、前記判定部は、前記圧力の変化量が第1の閾値以上であって前記圧力が急低下したことを示し、かつ同時に前記移動方向の変化量が第2の閾値以上であって前記移動方向が急変したことを示す場合、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定する。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、描画情報取得部が、タッチスクリーンにおいてタッチ操作が行われたタッチ位置を示すタッチ位置情報と、前記タッチ位置にかかる圧力を示す圧力情報とを少なくとも含む描画情報を取得する過程と、算出部が、前記描画情報取得部によって取得された第1の描画情報と前記第1の描画情報よりも後に取得された第2の描画情報とに基づき、前記タッチ位置の移動に関する変化量を算出する過程と、判定部が、前記算出部によって算出された前記変化量に基づき、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定する過程と、モード制御部が、前記判定部によって前記タッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定された場合には前記タッチ操作に関する描画を実行する第1のモードを設定し、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定された場合には前記タッチ操作に関する描画を実行しない第2のモードを設定する過程と、を含み、前記算出部によって算出される前記変化量は、前記タッチ位置にかかる圧力の変化量と前記タッチ位置の移動方向の変化量とを少なくとも含み、前記判定部は、前記圧力の変化量が第1の閾値以上であって前記圧力が急低下したことを示し、かつ同時に前記移動方向の変化量が第2の閾値以上であって前記移動方向が急変したことを示す場合、前記タッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの意図しないペンタッチ操作による描画を精度よく防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】各実施形態に係るシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】一般的なタッチスクリーンにおける描画の一例を示す図である。
【
図3】各実施形態に係るモード遷移の概要の一例を示す図である。
【
図4】各実施形態に係るタッチスクリーンにおける描画の一例を示す図である。
【
図5】各実施形態に係るタブレット端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】各実施形態に係るタッチペンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態に係るタブレット端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係るタッチペンの機能構成の一例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】各実施形態に係るペンタッチ操作判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2の実施形態に係るタブレット端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態に係るタッチペンの機能構成の一例を示す図である。
【
図15】第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図16】変形例に係るペンタッチ操作判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態について詳しく説明する。なお、図面には、必要に応じて相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。各軸において、矢印が延びる方向を「正方向」、正方向と逆の方向を「負方向」と称する。
【0013】
<<1.システム構成>>
まず、
図1を参照して、各実施形態に係るシステム構成について説明する。
図1は、各実施形態に係るシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1000は、
図1に示すタブレット端末1及びタッチペン3で構成される。
【0014】
タブレット端末1は、ペンタッチ操作による情報の入力が可能な電子機器の一例である。電子機器は、少なくともタッチスクリーンが搭載された端末であれば、タブレット端末1に限定されない。例えば、電子機器は、タッチスクリーンが搭載されたノートPC(Personal Computer)、スマートフォン、タッチスクリーンを折り畳み可能な折り畳み式端末(Foldable Device)等により実現されてもよい。なお、電子機器を実現する端末はかかる例に限定されない。
また、電子機器が備えるタッチスクリーンの数は、特に限定されない。例えば、電子機器は、2つのディスプレイ(Dual Display)を有し、2つのディスプレイの一方がタッチスクリーンであってもよいし、2つのディスプレイの各々がタッチスクリーンであってもよい。
【0015】
図1に示すように、タブレット端末1は、筐体2及びタッチスクリーン14を備える。以下の説明において、タッチスクリーン14の長辺方向をX軸方向とし、タッチスクリーン14の短辺方向をY軸とし、タッチスクリーン14の表面に垂直な方向をZ軸方向として説明する。
【0016】
筐体2は、タッチスクリーン14を備える筐体である。
図1に示すように、タッチスクリーン14は、各種情報の表示が可能な表示画面15と、ペンタッチ操作に関する検出が可能なタッチパネル16とを含む入出力装置である。本実施形態では、ペンタッチ操作は、タッチスクリーン14の表面にタッチペン3を接触させることで行われる。
【0017】
タッチペン3は、タッチスクリーン14に対するペンタッチ操作に用いられる操作媒体の一例である。ユーザは、タッチペン3を用いたペンタッチ操作によって、例えば文字、数字、記号、又は図形等を手書き入力する。手書き入力された情報は、タッチスクリーン14に描画される。
図1に示すタッチスクリーン14には「Hello」という文字が描画されている。これは、ユーザがタッチペン3でタッチスクリーン14に「Hello」という文字を手書き入力した場合の描画の一例を示している。
【0018】
ところで、一般的なタッチスクリーンに対して、ユーザが操作媒体で手書き入力を行った際に、ユーザの意図しない描画が行われることがある。
例えば、ユーザがペン先をタッチスクリーンに接触させた状態で、ペン先とタッチスクリーンが接触している位置(以下、「ペンタッチ位置」とも称される)を移動させるペンタッチ操作を行った際に、ペン先が滑ることによってユーザの意図しない方向にペン先の位置が移動する場合がある。この時、ペン先がタッチスクリーンに接触したままユーザの意図しない方向にペン先の位置が移動すると、ユーザの意図しない描画が行われてしまう。ペン先が滑ることによるユーザの意図しない描画では、ペンタッチ位置の移動方向(以下、「描画方向」とも称される)の急変とペンタッチ位置にかかる圧力(以下、「描画圧力」とも称される)の急低下が同時に生じる。一方、ペンタッチ位置の移動がユーザの意図した移動である場合、描画方向の急変と描画圧力の急低下が同時に生じない。したがって、描画圧力の急低下と描画方向の急変が同時に生じるか否かによって、ユーザの意図した描画と意図しない描画を区別することが可能である。
【0019】
ここで、
図2を参照して、一般的なタッチスクリーンにおける描画の一例について説明する。
図2は、一般的なタッチスクリーンにおける描画の一例を示す図である。
図2には、ペン先が滑ることによって生じるユーザの意図しない描画が示されている。具体的に、位置P1から位置P2の区間における描画、位置P3から位置P4の区間における描画、及び位置P5から位置P6の区間における描画が、それぞれユーザの意図しない描画である。
例えば、位置P1から位置P2の区間では、位置P1にてペン先が滑ったタイミングで、描画方向が方向D1から方向D2へ大きく変化(急変)している。この時、位置P2(ペンタッチ位置)にかかる描画圧力は、位置P1にかかる描画圧力と比較して大きく低下(急低下)する。
また、位置P3から位置P4の区間では、位置P3にてペン先が滑ったタイミングで、描画方向が方向D3から方向D4へ大きく変化(急変)している。この時、位置P4(ペンタッチ位置)にかかる描画圧力は、位置P3にかかる描画圧力と比較して大きく低下(急低下)する。
また、位置P5から位置P6の区間では、位置P5にてペン先が滑ったタイミングで、描画方向が方向D5から方向D6へ大きく変化(急変)している。この時、位置P6(ペンタッチ位置)にかかる描画圧力は、位置P5にかかる描画圧力と比較して大きく低下(急低下)する。
【0020】
なお、
図2に示すユーザの意図しない描画に類似する描画に、ユーザが意図して描画する「はらい」と「はね」がある。ユーザが意図して「はらい」を行う場合、ユーザは、はらう方向へ筆圧を弱めながらペン先を移動する。そのため、意図した「はらい」の描画では、描画圧力は急低下するが、同じタイミングで描画方向は急変しない。ユーザが意図して「はね」を行う場合、ユーザは、筆圧を強めてからペン先をはねる方向へ移動する。そのため、意図した「はね」の描画では、描画方向は急変するが、同じタイミングで描画圧力は急低下しない。このように、「はらい」と「はね」のようなユーザの意図した描画の場合、描画圧力の急低下と描画方向の急変が異なるタイミングで生じる。
よって、少なくとも描画圧力の急低下と描画方向の急変が同時に生じるか否かによって、ユーザの意図した描画と意図しない描画を区別することが可能である。
【0021】
以上を鑑み、本発明の各実施形態に係る情報処理システム1000では、描画圧力の急低下と描画方向の急変が同時に生じるか否かによってペンタッチ操作が描画を実行すべき操作(ユーザの意図した操作)であるか否かを判定する。ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作(ユーザの意図した操作)である場合、情報処理システム1000は、ペンタッチ操作に応じたデータの描画を実行する描画モード(第1のモード)を設定する。一方、ペンタッチ操作が描画を実行すべきでない操作(ユーザの意図しない操作)である場合、情報処理システム1000は、ペンタッチ操作に応じたデータの描画を実行しない非描画モード(第2のモード)を設定する。これにより、情報処理システム1000は、ユーザの意図しないペンタッチ操作による描画を精度よく防止することを可能とする。
【0022】
なお、ユーザの意図しない描画は、ユーザが意図せずにタッチスクリーンと操作媒体が接触した際に行われる場合もある。ユーザの意図しない接触による描画では、描画圧力は極端に低くなり得る。一方、タッチスクリーンと操作媒体の接触がユーザの意図した接触である場合、ペンタッチ位置にてある程度以上の描画圧力が検出される。したがって、情報処理システム1000は、描画圧力が極端に低いか否かによって、描画を実行する操作と描画を実行しない操作を区別し、描画モードと非描画モードを制御してもよい。
【0023】
ここで、
図3を参照して、各実施形態に係るモード遷移の概要について説明する。
図3は、各実施形態に係るモード遷移の概要の一例を示す図である。
図3には、描画モードと非描画モードとの間のモード遷移が示されている。なお、初期状態は描画モードであるとする。
【0024】
図3に示すように、描画モードにて、描画方向の急変と描画圧力の急低下が同時に生じた場合、描画モードから非描画モードに遷移する。また、描画モードにて、描画圧力が極端に低い場合、描画モードから非描画モードに遷移する。
非描画モードでは、ユーザが意図したペンタッチ操作を行っていないため、描画圧力(筆圧)が低い状態となっている。意図したペンタッチ操作を行っていない状態から意図したペンタッチ操作を行う場合、ユーザは、筆圧を強める。そのため、描画圧力が上昇する。これより、描画圧力の上昇によって描画すべき操作(意図したペンタッチ操作)が行われていると判定できる。よって、非描画モードにて、描画圧力が上昇した場合、非描画モードから描画モードに遷移する。
【0025】
ここで、
図4を参照して、各実施形態に係るタッチスクリーン14における描画の一例について説明する。
図4は、各実施形態に係るタッチスクリーン14における描画の一例を示す図である。
図4には、
図2に示した例と同様のペンタッチ操作がタッチスクリーン14にて行われた際の描画の例が示されている。なお、位置P1、位置P3、及び位置P5では、描画モードが設定されているとする。
位置P1から位置P2の区間では、位置P1にてペン先が滑ることで描画方向の急変と描画圧力の急低下が生じる。そのため、位置P1から位置P2の区間におけるペンタッチ操作が描画すべきではない操作(ユーザの意図しないペンタッチ操作)と判定され、ペンタッチ位置が位置P1から位置P2まで移動する間、非描画モードが設定される。よって、位置P1から位置P2の区間では描画が実行されない。
位置P3から位置P4の区間、及び位置P5から位置P6の区間も同様に、非描画モードが設定されるため、描画が実行されない。
【0026】
<<2.ハードウェア構成>>
以上、各実施形態に係るシステム構成について説明した。続いて、
図5及び
図6を参照して、各実施形態に係るハードウェア構成について説明する。
【0027】
<2-1.タブレット端末のハードウェア構成>
図5を参照して、各実施形態に係るタブレット端末1のハードウェア構成について説明する。
図5は、各実施形態に係るタブレット端末1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5に示すように、タブレット端末1は、CPU11(Central Processing Unit)、メインメモリ12、GPU13(Graphic Processing Unit)、タッチスクリーン14、表示画面15、タッチパネル16、チップセット17、BIOSメモリ18(Basic Input Output System)、HDD19(Hard Disk Drive)、オーディオシステム20、通信装置21、EC22(Embedded Controller)、入力装置23、電源回路24、及びバッテリ25を備える。
【0028】
CPU11は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、タブレット端末1全体を制御している。
【0029】
メインメモリ12は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、OS(Operating System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0030】
GPU13は、CPU11の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU13は、表示画面15に接続されており、生成した表示データを表示画面15に出力する。
【0031】
タッチスクリーン14は、表示画面15及びタッチパネル16を備える。タッチスクリーン14は、ビデオ信号に変換された表示データに応じた各種情報を表示画面15に表示すると共に、ユーザの指やタッチペン等の操作媒体によるタッチや、操作媒体の近接をタッチパネル16によって検出することで、操作媒体による操作入力を受け付ける。
【0032】
表示画面15は、例えば、OLEDディスプレイ(有機ELディスプレイ)等の表示装置である。なお、表示画面15は、折り曲げ可能(折り畳み可能)に構成されてもよい。
【0033】
タッチパネル16は、表示画面15の表示面に重ねて配置されている。タッチパネル16は、表示画面15と一体に構成され、表示画面15と同様に、折り曲げ可能(折り畳み可能)に構成されてもよい。
タッチパネル16は、操作位置を検出する。操作位置は、具体的にはタッチスクリーン14におけるペンタッチ操作が行われたペンタッチ位置である。ペンタッチ位置は、例えば、座標で示される。ペンタッチ位置の座標の範囲は、タッチスクリーン14のサイズに応じて決まる。当該座標のようにタッチパネル16におけるペンタッチ位置を示す情報は、以下では「ペンタッチ位置情報」とも称される。
【0034】
チップセット17は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バス等のコントローラを備えており複数のデバイスが接続される。
図5では、当該複数のデバイスの一例として、CPU11と、BIOSメモリ18と、HDD19と、オーディオシステム20と、通信装置21と、EC22とが、チップセット17に接続されている。
【0035】
BIOSメモリ18は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROM(Read Only Memory)等の電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。BIOSメモリ18は、BIOS、及びEC22等を制御するためのシステムファームウェア等を記憶する。システムファームウェアは、CPU11により実行されるファームウェアであり、EC22により実行されるECファームウェアとは異なる。
【0036】
HDD19(不揮発性記憶装置の一例)は、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム、及び各種データを記憶する。
【0037】
オーディオシステム20は、音データの記録、再生、出力を行う。オーディオシステム20には、例えばマイクロフォンやスピーカ等が接続される。
【0038】
通信装置21は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信装置21は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。なお、通信装置21は、USBインターフェースやBluetooth(登録商標)インターフェースを含んで構成されてもよい。
【0039】
EC22(組込みコントローラ)は、タブレット端末1のシステム状態に関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等)を監視し制御するワンチップマイクロコンピュータ(One-Chip Microcomputer)である。EC22は、不図示のCPU、ROM、RAM(Random Access memory)を備えている。
【0040】
EC22は、CPU11とは独立して動作して主としてタブレット端末1の内部の動作環境を管理する制御部として機能する。EC22は、予めROMに記憶された制御プログラム(ECファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムに記述された各種の命令で指示される処理を実行して各種の機能を実現する。
【0041】
また、EC22は、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、及びデジタル入出力端子等を備えている。EC22には、それらの入出力端子を介して、例えば、入力装置23、及び電源回路24等が接続されており、EC22は、これらの動作を制御する。
【0042】
入力装置23は、例えば、電源スイッチやファンクションスイッチ等の入力を行う入力デバイスである。
【0043】
電源回路24は、例えば、DC/DCコンバータ、充放電ユニット、電池ユニット、AC/DCアダプタ等を含んでおり、外部電源、又はバッテリユニットから供給される直流電圧を、タブレット端末1を動作させるために必要な複数の電圧に変換する。また、電源回路24は、EC22からの制御に基づいて、タブレット端末1の各部に電力を供給する。
【0044】
バッテリ25は、例えば、リチウムバッテリである。タブレット端末1に外部電源から電力供給されている場合、バッテリ25は、電源回路24を介して充電される。タブレット端末1に外部電源から電力供給されていない場合に、バッテリ25は、電源回路24を介して充電された電力をタブレット端末1の動作電力として出力する。
【0045】
<2-2.タッチペンのハードウェア構成>
図6を参照して、各実施形態に係るタッチペン3のハードウェア構成について説明する。
図6は、各実施形態に係るタッチペン3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示すように、タッチペン3は、IC31(Integrated Circuit)、圧力センサ32、記憶装置33、通信装置34、及びバッテリ35を備える。
【0046】
IC31は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、タッチペン3全体を制御している。
【0047】
圧力センサ32は、圧力を検出するセンサ装置である。圧力センサ32が検出した圧力を示す情報は、以下では「圧力情報」とも称される。
【0048】
記憶装置33は、各種情報を記憶する。例えば、記憶装置33は、ROM、RAM、EEPROM等によって構成される。
【0049】
通信装置34は、無線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種データの送信および受信を行う。例えば、通信装置34は、タッチペン3の独自のプロトコルを用いた通信によりタブレット端末1と通信を行う。プロトコルは、例えば、Wacom AES(Active Electro Static)である。タッチペン3は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によりタブレット端末1と通信を行うようにしてもよい。
【0050】
バッテリ35は、例えば、リチウムイオン電池やアルカリイオン電池である。バッテリ35からIC31に電力が供給され、IC31は、電圧レベルを調整して圧力センサ32、記憶装置33、及び通信装置34に電圧を供給する。
【0051】
<<3.第1の実施形態>>
以上、各実施形態に係るハードウェア構成について説明した。続いて、
図7~
図11を参照して、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、一例として、情報処理装置がタブレット端末1である例について説明する。
【0052】
<3-1.第1の実施形態の概要>
図7を参照して、第1の実施形態の概要について説明する。
図7は、第1の実施形態の概要を示す図である。
図7に示すように、第1の実施形態にかかる情報処理システム1000-1は、タブレット端末1-1とタッチペン3-1で構成される。
【0053】
第1の実施形態では、ユーザの意図しないペンタッチ操作による描画が実行されないように制御するための処理がタブレット端末1-1に実装される。以下、ユーザの意図しないペンタッチ操作による描画は、「ノイズの描画」とも称される。また、ノイズの描画が実行されないように制御するための処理は、以下では、「ノイズ除去処理」とも称される。
【0054】
例えば、ノイズ除去処理は、タブレット端末1-1のOS26上で実行されるアプリケーション27に実装される。アプリケーション27は、OSから入力される描画情報に基づき、ノイズ除去処理を実行する。アプリケーション27は、ノイズ除去処理の結果に応じて、描画モード又は非描画モードの設定を制御する。アプリケーション27は、描画モードを設定した場合には描画を実行することを示す信号(以下、「描画信号」とも称される)を表示画面15へ出力し、非描画モードを設定した場合には描画を実行しないことを示す信号(以下、「非描画信号」とも称される)を表示画面15へ出力する。
なお、描画情報は、圧力情報とペンタッチ位置情報を少なくとも含む描画に関する情報である。第1の実施形態では、圧力情報は、タッチペン3-1側で取得され、タブレット端末1-1へ送信される。ペンタッチ位置情報は、タブレット端末1-1側で取得される。
【0055】
ノイズ除去処理がアプリケーション27に実装されることで、アプリケーションの種類、アプリケーション27内で用いられるペンの種類(例えば鉛筆、筆、ボールペン等)等に応じて、ノイズ除去の強度の設定が可能となる。また、インタラクティブにノイズ除去の強度を変更することも可能となる。
【0056】
<3-2.タブレット端末の機能構成>
図8を参照して、第1の実施形態に係るタブレット端末1-1の機能構成について説明する。
図8は、第1の実施形態に係るタブレット端末1-1の機能構成の一例を示す図である。
図8に示すように、タブレット端末1-1は、入力部110-1、ペンタッチ位置検出部120-1、通信部130-1、制御部140-1、記憶部150-1、及び表示部160-1を備える。
【0057】
(1)入力部110-1
入力部110-1は、各種情報の入力を受け付ける機能を有する。当該機能は、例えば、
図5を参照して説明したタッチスクリーン14、及び入力装置23等により実現される。入力部110-1は、ユーザがタッチスクリーン14に対して入力する情報の入力を受け付ける。
【0058】
(2)ペンタッチ位置検出部120-1
ペンタッチ位置検出部120-1は、タッチスクリーン14におけるペンタッチ位置を検出する機能を有する。当該機能は、例えば、
図5を参照して説明したタッチパネル16により実現される。ペンタッチ位置検出部120-1は、例えば、ユーザが操作媒体でタッチスクリーン14に対してペンタッチ操作をした際のペンタッチ位置を検出する。ペンタッチ位置検出部120-1は、検出したペンタッチ位置をペンタッチ位置情報として出力する。さらに、ペンタッチ位置検出部120-1は、当該ペンタッチ位置を検出した日時を示すタイムスタンプも取得する。ペンタッチ位置検出部120-1は、取得したタイムスタンプをタイムスタンプ情報として出力する。
【0059】
(3)通信部130-1
通信部130-1は、各種情報の送受信を行う機能を有する。当該機能は、例えば、
図5を参照して説明した通信装置21により実現される。通信部130-1は、例えば、タッチペン3-1から送信される圧力情報を受信する。
【0060】
(4)制御部140-1
制御部140-1は、タブレット端末1-1の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、
図5を参照して説明したCPU11及びチップセット17等により実現される。
図8に示すように、制御部140-1は、描画情報取得部141、算出部142、判定部143、モード制御部144、描画情報更新部145、及び描画制御部146を備える。
【0061】
(4-1)描画情報取得部141
描画情報取得部141は、描画情報を取得する機能を有する。例えば、描画情報取得部141は、タッチスクリーン14へのペンタッチ操作が検出された際に、当該ペンタッチ操作に対応する圧力情報、ペンタッチ位置情報、及びタイムスタンプ情報を描画情報として取得する。なお、描画情報に含まれる情報は、少なくとも圧力情報及びペンタッチ位置情報が含まれていれば、特に限定されない。
【0062】
具体的に、描画情報取得部141は、通信部130-1がタッチペン3-1から受信する圧力情報を取得する。また、描画情報取得部141は、ペンタッチ位置検出部120-1が出力するペンタッチ位置情報及びタイムスタンプ情報を取得する。当該タイムスタンプは、描画情報取得部141が取得した圧力情報及びペンタッチ位置情報に対応するペンタッチ操作が検出された日時を示す。
【0063】
描画情報取得部141は、ペンタッチ操作が検出された際に通信部130-1及びペンタッチ位置検出部120-1から取得した各種情報を含む描画情報を算出部142へ出力する。
【0064】
さらに、描画情報取得部141は、タッチスクリーン14へのペンタッチ操作が検出された際に、記憶部150-1に記憶されている描画情報を取得する。なお、描画情報取得部141が算出部142へ出力した描画情報は、記憶部150-1に記憶されている描画情報よりも後に取得された情報である。即ち、描画情報取得部141が算出部142へ出力した描画情報が第1の描画情報であり、記憶部150-1に記憶されている描画情報が第2の描画情報である。具体的に、第2の描画情報は、第1の描画情報の1つ前に取得され、記憶部150-1に記憶された描画情報である。よって、以下では、描画情報取得部141が算出部142へ出力する描画情報を「今回描画情報」と称し、描画情報取得部141が記憶部150から取得する描画情報を「前回描画情報」と称する。即ち、描画情報取得部141は、タッチスクリーン14へのペンタッチ操作が検出された際に、記憶部150-1から前回描画情報も取得し、今回描画情報と共に算出部142へ出力する。
【0065】
なお、描画情報の初回取得時、記憶部150-1には前回描画情報が記憶されていない。そのため、描画情報取得部141は、描画情報の初回取得時には今回描画情報のみを出力する。
【0066】
(4-2)算出部142
算出部142は、ペンタッチ位置の移動に関する変化量を算出する機能を有する。例えば、算出部142は、描画情報取得部141によって取得された前回描画情報と今回描画情報とに基づき、ペンタッチ位置の移動に関する変化量を算出する。
【0067】
一例として、算出部142は、描画圧力の変化量と描画方向の変化量をペンタッチ位置の移動に関する変化量として算出する。
具体的に、算出部142は、今回描画情報に含まれる圧力情報の示す描画圧力と、前回描画情報に含まれる圧力情報の示す描画圧力との差分を、描画圧力の変化量として算出する。また、算出部142は、今回描画情報に含まれるペンタッチ位置情報の示すペンタッチ位置の座標と、前回描画情報に含まれるペンタッチ位置情報の示すペンタッチ位置情報の座標との間の角度を、描画方向の変化量として算出する。
算出後、算出部142は、算出した描画圧力の変化量と描画方向の変化量を判定部143へ出力する。
【0068】
(4-3)判定部143
判定部143は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かの判定処理(以下、「ペンタッチ操作判定処理」とも称される)を行う機能を有する。例えば、判定部143は、算出部142によって算出された変化量に基づき、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定する。なお、算出部142から入力される変化量には、描画圧力の変化量と描画方向の変化量が少なくとも含まれる。
【0069】
具体的に、描画圧力の変化量(描画圧力の低下量)が所定の閾値(第1の閾値、例えば80%)以上であって描画圧力が急低下したことを示し、かつ描画方向の変化量が所定の閾値(第2の閾値、例えば20度)以上であって描画方向が急変したことを示しているとする。この場合、描画圧力の急低下と描画方向の急変が同時に生じていることが分かる。よって、判定部143は、ユーザが意図しないペンタッチ操作を行っているため、当該ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定することができる。
また、描画情報取得部141が取得した今回描画情報に含まれる圧力情報の示す描画圧力が所定の閾値(第4の閾値、例えば100gf/cm2)以下であって、描画圧力が極端に低いことを示しているとする。この場合、描画圧力が極端に低いため、ユーザが筆圧を加えていないことが分かる。よって、判定部143は、ユーザが意図しないペンタッチ操作を行っているため、当該ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定することができる。
また、判定部143は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かの判定時(第1の判定時)、当該判定時よりも前の判定時(第2の判定時)にペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定したとする。なお、以下では、第1の判定時を「今回判定時」と称し、第2の判定時を「前回判定時」と称する。さらに、今回判定時の描画圧力が前回判定時より上昇していないとする。この場合、描画圧力が上昇していないため、ユーザが筆圧を加えていないことが分かる。よって、判定部143は、ユーザが意図したペンタッチ操作を行っておらず、意図しないペンタッチ操作が継続しているため、当該ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定することができる。
また、今回判定時の描画圧力が前回判定時より上昇しているとする。この場合、描画圧力が上昇しているため、ユーザが筆圧を加えたことが分かる。よって、判定部143は、ユーザが意図したペンタッチ操作を行っているため、当該ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定することができる。
判定後、判定部143は、判定の結果をモード制御部144へ出力する。
【0070】
(4-4)モード制御部144
モード制御部144は、描画に関するモードを制御する機能を有する。例えば、モード制御部144は、判定部143による判定の結果に基づき、描画モード又は非描画モードの設定を行う。具体的に、モード制御部144は、判定部143によって、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定された場合には描画モードを設定し、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定された場合には非描画モードを設定する。
【0071】
モード制御部144は、設定したモードを示す情報をモード情報として出力する。モード情報は、例えば、フラグによって示される。一例として、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作である場合、モード制御部144は、フラグがオンであることを示す情報(例えば1)をモード情報として設定する。一方、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではない場合、モード制御部144は、フラグがオフであることを示す情報(例えば0)をモード情報として設定する。なお、モード情報には、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作である場合にフラグがオフであることを示す情報、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではない場合にフラグがオンであることを示す情報が設定されてもよい。
【0072】
また、モード制御部144は、前回設定されたモードと判定部143による判定の結果とに基づき、描画モード又は非描画モードの設定を行ってもよい。なお、前回設定されたモードは、記憶部150-1に記憶されている前回描画情報に関連付けられているモード情報を参照することで確認可能である。
例えば、モード制御部144は、前回設定されたモードが描画モードであり、かつペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではない場合には、非描画モードを設定する。モード制御部144は、前回設定されたモードが描画モードであり、かつペンタッチ操作が描画を実行すべき操作である場合には、描画モードのままとする。
また、モード制御部144は、前回設定されたモードが非描画モードであり、かつペンタッチ操作が描画を実行すべき操作である場合には、描画モードを設定する。モード制御部144は、前回設定されたモードが非描画モードであり、かつペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではない場合には、非描画モードのままとする。
【0073】
判定部143によるペンタッチ操作判定処理とモード制御部144によるモード制御は、前回描画情報と今回描画情報のみに基づき行われる。そのため、記憶部150-1における保持データを最小限に済ませることができ、処理のレスポンスも速い。
【0074】
(4-5)描画情報更新部145
描画情報更新部145は、描画情報を更新する機能を有する。例えば、描画情報更新部145は、記憶部150-1に記憶されている前回描画情報を今回描画情報で更新する。更新時、描画情報更新部145は、今回描画情報に対して、描画圧力の変化量、描画方向の変化量、及びモード情報を関連付けた情報を記憶部150-1に記憶させる。今回描画情報に関連付けられる描画圧力の変化量と描画方向の変化量は、当該今回描画情報に基づき算出部142によって算出されたものである。また、今回描画情報に関連付けられるモード情報は、当該今回描画情報に基づきモード制御部144によって出力されたものである。
【0075】
(4-6)描画制御部146
描画制御部146は、表示部160-1における描画を制御する機能を有する。例えば、描画制御部146は、モード制御部144によって設定されるモードに応じて、表示部160-1における描画を制御する。モード制御部144によって描画モードが設定されている場合、描画制御部146は、描画信号を表示部160-1へ出力する。一方、モード制御部144によって非描画モードが設定されている場合、描画制御部146は、非描画信号を表示部160-1へ出力する。
【0076】
(5)記憶部150-1
記憶部150-1は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部150-1は、例えば、
図5を参照して説明したメインメモリ12、BIOSメモリ18、HDD19、EC22が備えるROMやRAM等によって実現される。例えば、記憶部150-1は、描画情報更新部145によって更新される描画情報を記憶する。また、記憶部150-1は、OSや各種アプリケーション等のソフトウェア、システムファームウェアやECファームウェア等の各種ファームウェア等を記憶する。
【0077】
(6)表示部160-1
表示部160-1は、各種情報を表示する機能を有する。表示部160-1の機能は、例えば、情報処理装置がハードウェアとして備えるディスプレイによって実現される。当該ディスプレイは、例えば、
図5を参照して説明したタッチスクリーン14である。
【0078】
表示部160-1は、描画制御部146から入力される信号に応じて描画を行う。例えば、描画制御部146から描画信号を入力された場合、表示部160-1は、ペンタッチ操作に関する描画を行う。一方、描画制御部146から非描画信号を入力された場合、表示部160-1は、ペンタッチ操作に関する描画を行わない。
【0079】
<3-3.タッチペンの機能構成>
図9を参照して、第1の実施形態に係るタッチペン3-1の機能構成について説明する。
図9は、第1の実施形態に係るタッチペン3-1の機能構成の一例を示す図である。
図9に示すように、タッチペン3-1は、制御部310-1、圧力検出部320-1、記憶部330-1、及び通信部340-1を備える。
【0080】
(1)制御部310-1
制御部310-1は、タッチペン3-1の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、
図6を参照して説明したIC31により実現される。
【0081】
(2)圧力検出部320-1
圧力検出部320-1は、ペンタッチ操作による描画圧力を検出する機能を有する。当該機能は、例えば、
図6を参照して説明した圧力センサ32によって実現される。
例えば、圧力検出部320-1は、ペンタッチ操作によってタッチペン3-1がタッチスクリーン14に押圧された際に、ペン先に加わる圧力(筆圧)を、描画圧力として検出する。圧力検出部320-1は、検出した描画圧力を示す圧力情報を出力する。
【0082】
(3)記憶部330-1
記憶部330-1は、各種情報を記憶する機能を有する。当該機能は、例えば、
図6を参照して説明した記憶装置33によって実現される。
【0083】
(4)通信部340-1
通信部340-1は、各種情報の送受信を行う機能を有する。当該機能は、例えば、
図6を参照して説明した通信装置34により実現される。
例えば、通信部340-1は、タッチペン3-1に関する情報を含む信号をタブレット端末1-1へ送信する。具体的に、通信部340-1は、圧力検出部320-1が出力する圧力情報を含む信号をタブレット端末1-1へ送信する。
【0084】
<3-4.処理の流れ>
図10及び
図11を参照して、第1の実施形態に係る処理の流れについて説明する。
図10は、第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0085】
図10に示すように、まず、タッチペン3-1は、ユーザの操作によってタブレット端末1-1のタッチスクリーン14と接触する(ステップS100)。
【0086】
タッチペン3-1とタッチスクリーン14が接触すると、タッチペン3-1の圧力検出部320-1は、描画圧力を検出する(ステップS101)。圧力検出部320-1は、検出した描画圧力を示す圧力情報を出力する。タッチペン3-1の通信部340-1は、圧力検出部320-1が出力した圧力情報をタブレット端末1-1へ送信する(ステップS102)。
【0087】
また、タッチペン3-1とタッチスクリーン14が接触すると、タブレット端末1-1のペンタッチ位置検出部120-1は、ペンタッチ位置を検出し、タイムスタンプを取得する(ステップS103)。ペンタッチ位置検出部120-1は、検出したペンタッチ位置を示すペンタッチ位置情報と、取得したタイムスタンプを示すタイムスタンプ情報を出力する。
【0088】
タブレット端末1-1の描画情報取得部141は、今回描画情報と前回描画情報を取得する(ステップS104)。例えば、描画情報取得部141は、ステップS102にてタッチペン3-1から送信される圧力情報と、ステップS103にてペンタッチ位置検出部120-1によって出力されるペンタッチ位置情報及びタイムスタンプ情報を今回描画情報として取得する。また、描画情報取得部141は、タブレット端末1-1の記憶部150-1に記憶されている描画情報を前回描画情報として取得する。
【0089】
タブレット端末1-1の算出部142は、ステップS104にて描画情報取得部141によって取得された今回描画情報と前回描画情報に基づき、変化量を算出する(ステップS105)。具体的に、算出部142は、今回描画情報に含まれる圧力情報と前回描画情報に含まれる圧力情報の差分を、描画圧力の変化量として算出する。また、算出部142は、今回描画情報に含まれるペンタッチ位置情報の示すペンタッチ位置の座標と、前回描画情報に含まれるペンタッチ位置情報の示すペンタッチ位置情報の座標との間の角度を、描画方向の変化量として算出する。
【0090】
タブレット端末1-1の判定部143は、算出部142が算出した変化量に基づき、ペンタッチ操作判定処理を行う(ステップS106)。ペンタッチ操作判定処理の流れは、後述する。
【0091】
タブレット端末1-1のモード制御部144は、判定部143による判定結果に基づき、描画に関するモードを制御する(ステップS107)。具体的に、ステップS106にて判定部143によってペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定された場合、モード制御部144は、描画モードを設定する。一方、ステップS106にて判定部143によってペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定された場合、モード制御部144は、非描画モードを設定する。モードの設定後、モード制御部144は、設定したモードを示すモード情報を出力する。
【0092】
タブレット端末1-1の描画情報更新部145は、記憶部150-1に記憶されている描画情報を更新する(ステップS108)。具体的に、描画情報更新部145は、今回描画情報に対して、ステップS105にて算出部142によって算出された描画圧力の変化量と描画方向の変化量、及びステップS107にてモード制御部144によって出力されたモード情報を関連付けた情報で、記憶部150-1に記憶されている描画情報を更新する。
【0093】
タブレット端末1-1の描画制御部146は、モード制御部144によって設定されるモードに応じて、タブレット端末1-1の表示部160-1における描画を制御する(ステップS109)。具体的に、ステップS107にてモード制御部144によって描画モードが設定された場合、描画制御部146は、描画信号を表示部160-1へ出力する。一方、ステップS107にてモード制御部144によって非描画モードが設定された場合、描画制御部146は、非描画信号を表示部160-1へ出力する。
【0094】
ここで、
図11を参照して、ペンタッチ操作判定処理の流れについて説明する。
図11は、各実施形態に係るペンタッチ操作判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0095】
図11に示すように、まず、判定部143は、今回描画情報に含まれる圧力情報より、今回検出された描画圧力が所定の閾値(第4の閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS200)。今回検出された描画圧力が所定の閾値以上である場合(ステップS200/YES)、判定部143は、ステップS202へ処理を進める。一方、今回検出された描画圧力が所定の閾値以上でない場合(ステップS200/NO)、判定部143は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定し(ステップS201)、ペンタッチ操作判定処理を終了する。
【0096】
判定部143は、今回検出された描画圧力が前回検出された描画圧力よりも上昇しているか否かを判定する(ステップS202)。描画圧力が上昇している場合(ステップS202/YES)、判定部143は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定し(ステップS203)、ペンタッチ操作判定処理を終了する。一方、描画圧力が上昇していない場合(ステップS202/NO)、判定部143は、ステップS204へ処理を進める。
【0097】
判定部143は、描画圧力の低下量が所定の閾値(第1の閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS204)。描画圧力の低下量が所定の閾値以上である場合(ステップS204/YES)、判定部143は、ステップS205へ処理を進める。一方、描画圧力の低下量が所定の閾値以上でない場合(ステップS204/NO)、判定部143は、ステップS206へ処理を進める。
【0098】
判定部143は、描画方向の変化量が所定の閾値(第2の閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS205)。描画方向の変化量が所定の閾値以上である場合(ステップS205/YES)、判定部143は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定し(ステップS201)、ペンタッチ操作判定処理を終了する。一方、描画方向の変化量が所定の閾値以上でない場合(ステップS205/NO)、判定部143は、ステップS206へ処理を進める。
【0099】
判定部143は、前回検出されたペンタッチ操作に対応する描画が実行されたか否かを判定する(ステップS206)。前回は描画が実行された場合(ステップS206/YES)、判定部143は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定し(ステップS203)、ペンタッチ操作判定処理を終了する。一方、前回は描画が実行されていない場合(ステップS206/NO)、判定部143は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定し(ステップS201)、ペンタッチ操作判定処理を終了する。
【0100】
以上説明したように、第1の実施形態に係るタブレット端末1-1は、描画情報取得部141と、算出部142と、判定部143と、モード制御部144とを備える。
描画情報取得部141は、タッチスクリーン14においてペンタッチ操作が行われたペンタッチ位置を示すペンタッチ位置情報と、当該ペンタッチ位置にかかる描画圧力を示す圧力情報とを少なくとも含む描画情報を取得する。
算出部142は、描画情報取得部141によって取得された前回描画情報と今回描画情報とに基づき、ペンタッチ位置の移動に関する変化量を算出する。
判定部143は、算出部142によって算出された変化量に基づき、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定する。
モード制御部144は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作である場合にはペンタッチ操作に関する描画を実行する描画モードを設定し、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではない場合にはペンタッチ操作に関する描画を実行しない非描画モードを設定する。
【0101】
かかる構成により、第1の実施形態に係るタブレット端末1-1では、ペンタッチ位置情報と圧力情報から算出される変化量に基づき、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定し、描画モード又は非描画モードのいずれかのモードを設定することができる。
これにより、タブレット端末1-1は、描画圧力のみを用いる場合と比較し、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かをより精度高く判定することができる。そして、タブレット端末1-1は、より精度の高い判定結果を用いることで、描画モードと非描画モードの切り替えも精度高く制御することができる。
よって、第1の実施形態に係るタブレット端末1-1は、ユーザの意図しないペンタッチ操作による描画(ノイズの描画)を精度よく防止することを可能とする。
【0102】
また、第1の実施形態に係るタブレット端末1-1では、ノイズの描画が防止されることで、タッチペン3-1を用いた手書き入力による描画からノイズが精度高く除去される。特に、滑りやすい画面上での描画により発生するノイズの除去精度が向上する。そのため、描画結果がより望ましいものになる。また、手書き認識における認識精度の向上も期待できる。
【0103】
なお、上述の第1実施形態では、操作媒体がタッチペン3-1である例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、操作媒体は、人の指であってもよい。この場合、タブレット端末1-1は、
図5及び
図8を参照して説明した構成に、タッチスクリーン14におけるペンタッチ位置にかかる描画圧力を検出する構成をさらに有する。
【0104】
また、上述の第1の実施形態では、描画制御部146が、描画モードの設定時には描画信号を表示部160-1へ出力し、非描画モードの設定時には非描画信号を表示部160-1へ出力する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、描画制御部146は、描画モードの設定時には描画信号を表示部160-1へ出力し、非描画モードの設定時には表示部160-1へ信号を出力しなくてもよい。
【0105】
<<4.第2の実施形態>>
以上、第1の実施形態について説明した。続いて、
図12~
図15を参照して、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、一例として、情報処理装置がタッチペン3である例について説明する。なお、上述した第1の実施形態と重複する説明は省略する。
【0106】
<4-1.第2の実施形態の概要>
図12を参照して、第2の実施形態の概要について説明する。
図12は、第2の実施形態の概要を示す図である。
図12に示すように、第2の実施形態にかかる情報処理システム1000-2は、タブレット端末1-2とタッチペン3-2で構成される。
【0107】
第2の実施形態では、ノイズ除去処理がタッチペン3-2に実装される。
例えば、ノイズ除去処理は、タッチペン3-2のIC31に実装される。IC31は、描画情報に基づき、ノイズ除去処理を実行する。IC31は、ノイズ除去処理の結果に応じて、描画モード又は非描画モードの設定を制御する。IC31は、描画モードを設定した場合には描画信号をタブレット端末1-2へ送信し、非描画モードを設定した場合には非描画信号をタブレット端末1-2へ送信する。
タブレット端末1-2がタッチペン3-2から描画信号を受信した場合、OS26上で実行されるアプリケーション27が描画信号を表示画面15へ出力する。一方、タブレット端末1-2がタッチペン3-2から非描画信号を受信した場合、アプリケーション27が非描画信号を表示画面15へ出力する。
【0108】
なお、第2の実施形態では、圧力情報は、タッチペン3-2側で取得される。ペンタッチ位置情報は、タブレット端末1-2側で取得され、タッチペン3-2へ送信される。
ノイズ除去処理がIC31に実装されることで、タブレット端末1-2側のアプリケーションの種類に関わらず、ノイズの描画を防止することが可能となる。
【0109】
<4-2.タブレット端末の機能構成>
図13を参照して、第2の実施形態に係るタブレット端末1-2の機能構成について説明する。
図13は、第2の実施形態に係るタブレット端末1-2の機能構成の一例を示す図である。
図13に示すように、タブレット端末1-2は、入力部110-2、ペンタッチ位置検出部120-2、通信部130-2、制御部140-2、記憶部150-2、及び表示部160-2を備える。
【0110】
(1)入力部110-2
入力部110-2の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明した入力部110-1の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0111】
(2)ペンタッチ位置検出部120-2
ペンタッチ位置検出部120-2の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明したペンタッチ位置検出部120-1の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0112】
(3)通信部130-2
通信部130-2は、各種情報の送受信を行う機能を有する。当該機能は、例えば、
図5を参照して説明した通信装置21により実現される。通信部130-2は、例えば、ペンタッチ位置検出部120-2が出力するペンタッチ位置情報をタッチペン3-2へ送信する。また、通信部130-2は、タッチペン3-2から送信される信号(例えば、描画信号、非描画信号)を受信する。
【0113】
(4)制御部140-2
制御部140-2は、タブレット端末1-2の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、
図5を参照して説明したCPU11及びチップセット17等により実現される。
図13に示すように、制御部140-2は、描画制御部147を備える。
【0114】
(4-1)描画制御部147
描画制御部147は、表示部160-2における描画を制御する機能を有する。例えば、描画制御部147は、通信部130-2がタッチペン3-2から受信する信号に応じて、表示部160-2における描画を制御する。通信部130-2が描画信号を受信した場合、描画制御部147は、描画信号を表示部160-2へ出力する。一方、通信部130-2が非描画信号を受信した場合、描画制御部147は、非描画信号を表示部160-2へ出力する。
【0115】
(5)記憶部150-2
記憶部150-2の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明した表示部160-1の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。なお、第2の実施形態において、記憶部150-2は、描画情報を記憶しない。
【0116】
(6)表示部160-2
表示部160-2の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明した表示部160-1の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0117】
<4-3.タッチペンの機能構成>
図14を参照して、第2の実施形態に係るタッチペン3-2の機能構成について説明する。
図14は、第2の実施形態に係るタッチペン3-2の機能構成の一例を示す図である。
図14に示すように、タッチペン3-2は、制御部310-2、圧力検出部320-2、記憶部330-2、及び通信部340-2を備える。
【0118】
(1)制御部310-2
制御部310-2は、タッチペン3-2の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、
図6を参照して説明したIC31により実現される。
図14に示すように、制御部310-2は、描画情報取得部311、算出部312、判定部313、モード制御部314、及び描画情報更新部315を備える。
【0119】
(1-1)描画情報取得部311
描画情報取得部311の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明した描画情報取得部141の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。なお、描画情報取得部311は、圧力検出部320-2が出力する圧力情報と、通信部340-2がタブレット端末1-2から受信するペンタッチ位置情報及びタイムスタンプ情報を今回描画情報として取得する。また、描画情報取得部311は、記憶部330-2に記憶されている描画情報を前回描画情報として取得する。
【0120】
(1-2)算出部312
算出部312の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明した算出部142の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0121】
(1-3)判定部313
判定部313の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明した判定部143の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0122】
(1-4)モード制御部314
モード制御部314の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明したモード制御部144の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。なお、モード制御部314は、設定したモードに応じた信号を通信部340-2からタブレット端末1-2へ送信する。例えば、描画モードを設定した場合、モード制御部314は、描画信号を通信部340-2からタブレット端末1-2へ送信する。一方、非描画モードを設定した場合、モード制御部314は、非描画信号を通信部340-2からタブレット端末1-2へ送信する。
【0123】
(1-5)描画情報更新部315
描画情報更新部315の機能は、上述の第1の実施形態にて
図8を参照して説明した描画情報更新部145の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。なお、描画情報更新部315は、記憶部330-2に記憶されている描画情報を更新する。
【0124】
(2)圧力検出部320-2
圧力検出部320-2の機能は、上述の第1の実施形態にて
図9を参照して説明した圧力検出部320-1の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0125】
(3)記憶部330-2
記憶部330-2の機能は、上述の第1の実施形態にて
図9を参照して説明した記憶部330-1の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。なお、記憶部330-2は、描画情報更新部315によって更新される描画情報を記憶する。
【0126】
(4)通信部340-2
通信部340-2の機能は、上述の第1の実施形態にて
図9を参照して説明した通信部340-1の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。なお、通信部340-2は、圧力検出部320-2が出力する圧力情報を含む信号をタブレット端末1-2へ送信しない。通信部340-2は、モード制御部314が設定するモードに応じて、描画信号又は非描画信号をタブレット端末1-2へ送信する。また、通信部340-2は、タブレット端末1-2から送信されるペンタッチ位置情報及びタイムスタンプ情報を受信する。
【0127】
<4-4.処理の流れ>>
図15を参照して、第2の実施形態に係る処理の流れについて説明する。
図15は、第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0128】
図15に示すように、まず、タッチペン3-2は、ユーザの操作によってタブレット端末1-2のタッチスクリーン14と接触する(ステップS300)。
【0129】
タッチペン3-2とタッチスクリーン14が接触すると、タッチペン3-2の圧力検出部320-2は、描画圧力を検出する(ステップS301)。圧力検出部320-2は、検出した描画圧力を示す圧力情報を出力する。
【0130】
また、タッチペン3-2とタッチスクリーン14が接触すると、タブレット端末1-2のペンタッチ位置検出部120-2は、ペンタッチ位置を検出し、タイムスタンプを取得する(ステップS302)。ペンタッチ位置検出部120-2は、検出したペンタッチ位置を示すペンタッチ位置情報と、取得したタイムスタンプを示すタイムスタンプ情報を出力する。タブレット端末1-2の通信部130-2は、ペンタッチ位置検出部120-2が出力したペンタッチ位置情報及びタイムスタンプ情報をタッチペン3-2へ送信する(ステップS303)。
【0131】
タッチペン3-2の描画情報取得部311は、今回描画情報と前回描画情報を取得する(ステップS304)。例えば、描画情報取得部311は、ステップS301にて圧力検出部320-2によって出力される圧力情報と、ステップS303にてタブレット端末1-2から送信されるペンタッチ位置情報及びタイムスタンプ情報とを今回描画情報として取得する。また、描画情報取得部311は、タッチペン3-2の記憶部330-2に記憶されている描画情報を前回描画情報として取得する。
【0132】
タッチペン3-2の算出部312は、ステップS304にて描画情報取得部311によって取得された今回描画情報と前回描画情報に基づき、変化量を算出する(ステップS305)。具体的に、算出部312は、今回描画情報に含まれる圧力情報と前回描画情報に含まれる圧力情報の差分を、描画圧力の変化量として算出する。また、算出部312は、今回描画情報に含まれるペンタッチ位置情報の示すペンタッチ位置の座標と、前回描画情報に含まれるペンタッチ位置情報の示すペンタッチ位置情報の座標との間の角度を、描画方向の変化量として算出する。
【0133】
タッチペン3-2の判定部313は、算出部312が算出した変化量に基づき、ペンタッチ操作判定処理を行う(ステップS306)。なお、ステップS306のペンタッチ操作判定処理の詳細は、第1の実施形態にて
図11を参照して説明した処理の流れと同一であるため、重複する説明は省略する。
【0134】
タッチペン3-2のモード制御部314は、判定部313による判定結果に基づき、描画に関するモードを制御する(ステップS307)。具体的に、ステップS306にて判定部313によってペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であると判定された場合、モード制御部314は、描画モードを設定する。一方、ステップS306にて判定部313によってペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定された場合、モード制御部314は、非描画モードを設定する。モードの設定後、モード制御部314は、設定したモードを示すモード情報を出力する。
【0135】
タッチペン3-2の描画情報更新部315は、記憶部330-2に記憶されている描画情報を更新する(ステップS308)。具体的に、描画情報更新部315は、今回描画情報に対して、ステップS305にて算出部312によって算出された描画圧力の変化量と描画方向の変化量、及びステップS307にてモード制御部314によって出力されたモード情報を関連付けた情報で、記憶部330-2に記憶されている描画情報を更新する。
【0136】
タッチペン3-2の通信部340-2は、モード制御部314によって設定されるモードに応じた信号をタブレット端末1-2へ送信する(ステップS309)。具体的にステップS307にてモード制御部314によって描画モードが設定された場合、通信部340-2は、描画信号をタブレット端末1-2へ送信する。一方、ステップS307にてモード制御部314によって非描画モードが設定された場合、通信部340-2は、非描画信号をタブレット端末1-2へ送信する。
【0137】
タブレット端末1-2の描画制御部147は、タブレット端末1-2の通信部130-2がタッチペン3-2から受信する信号に応じて、タブレット端末1-2の表示部160-2における描画を制御する(ステップS310)。具体的に、通信部130-2がタッチペン3-2から描画信号を受信した場合、描画制御部147は、描画信号を表示部160-2へ出力する。一方、通信部130-2がタッチペン3-2から非描画信号を受信した場合、描画制御部147は、非描画信号を表示部160-2へ出力する。
【0138】
以上説明したように、第2の実施形態に係るタッチペン3-2は、描画情報取得部311と、算出部312と、判定部313と、モード制御部314とを備える。
描画情報取得部311は、タッチスクリーン14においてペンタッチ操作が行われたペンタッチ位置を示すペンタッチ位置情報と、当該ペンタッチ位置にかかる描画圧力を示す圧力情報とを少なくとも含む描画情報を取得する。
算出部312は、描画情報取得部311によって取得された前回描画情報と今回描画情報とに基づき、ペンタッチ位置の移動に関する変化量を算出する。
判定部313は、算出部312によって算出された変化量に基づき、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定する。
モード制御部314は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作である場合にはペンタッチ操作に関する描画を実行する描画モードを設定し、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではない場合にはペンタッチ操作に関する描画を実行しない非描画モードを設定する。
【0139】
かかる構成により、第2の実施形態に係るタッチペン3-2では、ペンタッチ位置情報と圧力情報から算出される変化量に基づき、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かを判定し、描画モード又は非描画モードのいずれかのモードを設定することができる。
これにより、タッチペン3-2は、描画圧力のみを用いる場合と比較し、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作であるか否かをより精度高く判定することができる。そして、タッチペン3-2は、より精度の高い判定結果を用いることで、描画モードと非描画モードの切り替えも精度高く制御することができる。
よって、第2の実施形態に係るタッチペン3-2は、ユーザの意図しないペンタッチ操作による描画(ノイズの描画)を精度よく防止することを可能とする。
【0140】
また、第2の実施形態に係るタブレット端末1-2では、ノイズの描画が防止されることで、タッチペン3-2を用いた手書き入力による描画からノイズが精度高く除去される。特に、滑りやすい画面上での描画により発生するノイズの除去精度が向上する。そのため、描画結果がより望ましいものになる。また、手書き認識における認識精度の向上も期待できる。
【0141】
なお、上述の第2の実施形態では、タッチペン3-2の描画情報更新部315によって更新された描画情報がタッチペン3-2の記憶部330-2に記憶される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、描画情報更新部315によって更新された描画情報がタブレット端末1-2の記憶部150-2に記憶されてもよい。この場合、タッチペン3-2の描画情報取得部311は、前回描画情報の取得時、タブレット端末1-2の記憶部150-2に記憶されている描画情報を前回描画情報として取得する。また、タッチペン3-2の描画情報更新部315は、描画情報の更新時、タブレット端末1-2の記憶部150-2に記憶されている描画情報を更新する。
【0142】
また、上述の第2の実施形態では、タッチペン3-2が、描画モードの設定時には描画信号をタブレット端末1-2へ送信し、非描画モードの設定時には非描画信号をタブレット端末1-2へ送信する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、タッチペン3-2は、描画モードの設定時には描画信号をタブレット端末1-2へ送信し、非描画モードの設定時にはタブレット端末1-2へ信号を送信しなくてもよい。
【0143】
<<5.変形例>>
以上、第2の実施形態について説明した。続いて、
図16を参照して、各実施形態に係る変形例について説明する。
【0144】
上述の各実施形態では、算出部142及び算出部312によって算出される変化量には、描画圧力の変化量と描画方向の変化量が含まれる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、算出部142及び算出部312によって算出される変化量には、ペンタッチ位置の変化量がさらに含まれてもよい。ペンタッチ位置の変化量は、例えば、前回検出されたペンタッチ位置から今回検出されたペンタッチ位置までの距離、即ち、ペンタッチ位置の移動距離である。算出部142及び算出部312は、例えば、今回描画情報に含まれるペンタッチ位置情報の示すペンタッチ位置の座標と、前回描画情報に含まれるペンタッチ位置情報の示すペンタッチ位置情報の座標との間の距離を、移動距離として算出する。
【0145】
算出部142及び算出部312によって算出される変化量に移動距離がさらに含まれる場合、判定部143及び判定部313は、描画圧力の低下量が所定の閾値(第1の閾値)以上、かつ描画方向の変化量が所定の閾値(第2の閾値)以上、かつ移動距離が所定の閾値(第3の閾値、例えば0.5mm)以上である場合、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定する。このように、ペンタッチ操作の判定に移動距離も用いることで、判定部143は、ペンタッチ操作判定の精度を向上することができる。
【0146】
ここで、
図16を参照して、変化量に移動距離がさらに含まれる場合のペンタッチ操作判定処理の流れについて説明する。
図16は、変形例に係るペンタッチ操作判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16に示すフローチャートは、
図11に示すフローチャートに対してステップS207が追加されたものである。なお、
図16に示すステップS200、ステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS204、及びステップS206は、
図11に示すS200、ステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS204、及びステップS206と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0147】
図16に示すフローチャートでは、ステップS205にて、描画方向の変化量が所定の閾値以上である場合(ステップS205/YES)、判定部143及び判定部313は、ステップS207へ処理を進める。
【0148】
判定部143及び判定部313は、移動距離が所定の閾値(第3の閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS207)。移動距離が所定の閾値以上である場合(ステップS207/YES)、判定部143及び判定部313は、ペンタッチ操作が描画を実行すべき操作ではないと判定し(ステップS201)、ペンタッチ操作判定処理を終了する。一方、移動距離が所定の閾値以上でない場合(ステップS207/NO)、判定部143は、ステップS206へ処理を進める。
【0149】
以上、本発明の各実施形態について説明した。
なお、上述したタブレット端末1及びタッチペン3が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したタブレット端末1及びタッチペン3が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したタブレット端末1及びタッチペン3が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0150】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にタブレット端末1及びタッチペン3が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0151】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0152】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0153】
1(1-1、1-2)…タブレット端末、2…筐体、3(3-1、3-2)…タッチペン、11…CPU、12…メインメモリ、13…GPU、14…タッチスクリーン、15…表示画面、16…タッチパネル、17…チップセット、18…BIOSメモリ、19…HDD、20…オーディオシステム、21…通信装置、22…EC、23…入力装置、24…電源回路、25…バッテリ、26…OS、27…アプリケーション、31…IC、32…圧力センサ、33…記憶装置、34…通信装置、35…バッテリ、110(110-1、110-2)…入力部、120(120-1、120-2)…ペンタッチ位置検出部、130(130-1、130-2)…通信部、140(140-1、140-2)…制御部、141…描画情報取得部、142…算出部、143…判定部、144…モード制御部、145…描画情報更新部、146…描画制御部、147…描画制御部、150(150-1、150-2)…記憶部、160(160-1、160-2)…表示部、310(310-1、310-2)…制御部、320(320-1、320-2)…圧力検出部、330(330-1、330-2)…記憶部、340(340-1、340-2)…通信部、311…描画情報取得部、312…算出部、313…判定部、314…モード制御部、315…描画情報更新部、1000(1000-1、1000-2)…情報処理システム