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特許7118156第1および第2のフロントレーザビームとバックレーザビームによる2枚の金属シートの突合せレーザ溶接方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】第1および第2のフロントレーザビームとバックレーザビームによる2枚の金属シートの突合せレーザ溶接方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/21 20140101AFI20220805BHJP
   B23K 26/073 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
B23K26/21 F
B23K26/073
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2020535640
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 IB2018060367
(87)【国際公開番号】W WO2019130169
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2017/058402
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(73)【特許権者】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビエルストラット,ルネ
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-130946(JP,A)
【文献】特表2010-508149(JP,A)
【文献】特開平11-058060(JP,A)
【文献】特開平08-090265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/21
B23K 26/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の金属シート(2、4)の突合せレーザ溶接方法であって、
-第1の金属シート(2)と第2の金属シート(4)を提供する工程であって、各金属シートがそれぞれ、2つの主面(6、7)と、2つの主面(6、7)を接合する側面(8)とを有する工程と、
-第1および第2の金属シート(2、4)の側面(8)が互いに対向するように第1および第2の金属シート(2、4)を位置決めする工程であって、第1および第2の金属シート(2、4)の位置決めが、第1および第2の金属シート(2、4)の主面(6、7)に垂直な中央面(10)を画定する工程と、
-第1および第2の金属シート(2、4)を溶接方向に沿って突合せ溶接する工程と、を備え、
突合せ溶接工程が、
-第1のフロント照射軸(E1)に沿った第1のフロントレーザビーム(12)であって、第1のフロント照射軸(E1)が第1の金属シート(2)の主面(6、7)の内の1つと交差し、第1のフロントレーザビーム(12)が、第1の金属シート(2)の前記主面との交点に第1のフロントスポット(18)を形成し、第1のフロントレーザビーム(12)のエネルギー密度が10W/cm以上であり、第1のフロントレーザビーム(12)が、第1の金属シート(2)の第1のフロントスポット(18)に第1のフロントキーホール(19)を生成する、第1のフロントレーザビーム(12)と、
-第2のフロント照射軸(E2)に沿った第2のフロントレーザビーム(14)であって、第2のフロント照射軸(E2)が第2の金属シートの主面(6、7)の内の1つと交差し、第2のフロントレーザビーム(14)が、第2の金属シートの前記主面との交点に第2のフロントスポット(20)を形成し、第2のフロントレーザビーム(14)のエネルギー密度が10W/cm以上であり、第2のフロントレーザビーム(14)が、第2の金属シート(4)の第2のフロントスポット(20)に第2のフロントキーホールを生成する、第2のフロントレーザビーム(14)であって
第1および第2のフロントスポット(18、20)のそれぞれの中心が、第1の金属シート(2)および第2の金属シート(4)のそれぞれの側面(8)から2.5mm以下の距離に位置し、溶接方向に沿った第1および第2のフロントレーザビーム(12、14)の中心の距離が、5mm以下である、第2のフロントレーザビーム(14)と
-バックレーザビーム(16)であって、バックレーザビーム(16)が、第1および第2の金属シート(2、4)の隣接する主面(6、7)と交差し、その上にバックスポット(22)を形成し、バックレーザビーム(16)のエネルギー密度が10W/cm以上であり、バックスポット(22)の表面積が、第1および第2のフロントスポット(18、20)のそれぞれの表面積よりも大きく、バックレーザビーム(16)が、バックスポット(22)において、第1および第2の金属シート(2、4)にバックキーホール(23A)を生成する、バックレーザビーム(16)と、
を同時に照射することを備え、
第1および第2のフロントレーザビーム(12、14)とバックレーザビーム(16)は、以下のように、すなわち、
-第1および第2のフロントスポット(18、20)が、バックスポット(22)の前に位置し、それによって、
-各瞬間において、第1のフロントキーホール(19)とバックキーホール(23A)との間および第2のフロントキーホールとバックキーホール(23A)との間に、金属シート(2、4)の固相領域(25)および/または液相領域(13、23B)が残存する、
ように構成される、方法。
【請求項2】
突合せ溶接工程の各瞬間において、第1および第2のフロントレーザビーム(12、14)によって形成される溶融池が、バックレーザビーム(16)によって形成される溶融池から分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1および/または第2のフロントスポットの最大寸法が50μm~250μmである、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
バックスポット(22)の最大寸法が、200μm~1800μmである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
バックスポット(22)の最大寸法が600μm~1200μmである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1の金属シート(2)と第2の金属シート(4)が、それぞれ0.15mm~5mmの厚さである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第1および第2のフロントスポット(18、20)の中心が、第1および第2の金属シート(2、4)の間の中央面(10)から等距離に位置する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
第1および第2のフロントスポット(18、20)の中心が、溶接方向に垂直な方向に沿って位置合わせされる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1および第2のフロントスポット18、20の中心が、溶接方向に沿って互いに離間した位置に配置される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
バックスポット(22)が、第1および第2の金属シート(2、4)の間の中央面(10)を中心とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
バックスポット(22)の中心が、第1および第2の金属シート(2、4)の間の中央面(10)に対して横方向にオフセットする、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
バックスポット(22)の中心が、溶接方向に沿った所定距離で延在し、この距離が第1および第2のフロントスポット(18、20)の内の最後端の中心から0.5mm~8mmである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
バックスポット(22)の中心が、溶接方向に沿った所定距離で延在し、この距離が第1および第2のフロントスポット(18、20)の内の最後端の中心から1mm~5mmである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1のフロントスポット(18)および/または第2のフロントスポットが、ガウシアンまたはトップハットエネルギー分布を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第1のフロントスポット(18)および/または第2のフロントスポットが円形の輪郭を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
バックスポット(22)が、ガウシアンまたはトップハットエネルギー分布を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
バックスポット(22)が環状である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
溶接方向に対して垂直なバックスポット(22)の外側寸法が、溶接方向に対して平行なバックスポット(22)の外側寸法よりも小さい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
バックスポット(22)が、2枚の金属シート(2、4)の間の中央面(10)に平行な平面に対して対称である、請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
バックスポット(22)の最大外側寸法が、200μm~1800μmである、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
バックスポット(22)の最大外側寸法が600μm~1200μmである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
バックスポット(22)の最大外側寸法と最大内側寸法の比が、1.2~3.2である、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
バックスポット(22)の最大外側寸法と最大内側寸法の比が、1.3~2である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
バックスポット(22)が溶接方向に平行な伸長方向に沿った円形の輪郭または細長の形状を有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
第1のフロントレーザビーム(12)、第2のフロントレーザビーム(14)、およびバックレーザビーム(16)を照射する工程と同時に、第2のバックレーザビーム(34)を照射する工程をさらに備え、第2のバックレーザビーム(34)が、第1および第2の金属シート(2、4)の隣接する主面(6、7)と交差し、その上に第2のバックスポット(36)を形成し、第2のバックレーザビーム(34)が、第2のバックスポット(36)がバックスポット(22)の後方に位置するように構成される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
第2のバックスポット(36)が、環状であるか、またはガウシアンもしくはトップハットエネルギー分布を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
バックスポット(22)の最大外側寸法が、第2のバックスポット(36)の最大外側寸法よりも大きい、請求項25または請求項26に記載の方法。
【請求項28】
突合せ溶接工程の間に溶接材料を提供する工程をさらに備える、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
溶接材料が溶接ワイヤまたは粉末である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
第1および/または第2の金属シート(2、4)が、その主面(6、7)の少なくとも1つが亜鉛合金またはアルミニウム合金プレコート(9B)を有する鋼基材(9A)を備える、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
第1のフロントレーザビーム(12)、および/または第2のフロントレーザビーム(14)および/またはバックレーザビーム(16)が、共通のレーザヘッドによって生成される、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
各レーザビームが、専用のレーザヘッドによって形成される、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
第1の金属シート(2)または第2の金属シート(4)の少なくとも1つの鋼基材(9A)がプレス硬化鋼である、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
第1の金属シート(2)または第2の金属シート(4)の少なくとも1つが、亜鉛含有またはアルミニウム含有プレコートを含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の金属シートの突合せレーザ溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接に使用される金属シートは、一般的に、金属帯材または、それよりも大きな金属シートから、スリット加工、剪断、プレス切断、レーザ切断、ウォータージェット切断などの切断方法を用いて切断することにより得られる。
【0003】
これらの切断方法は、典型的には、リリーフ角または逃げ角を有するエッジ断面を形成し、これにより、金属シートが突合せ溶接を考慮してエッジ対エッジに配置されるとき、金属シート間にギャップが生じる。このギャップは、金属シートの厚さの少なくとも一部に亘ってエッジの全長に亘って接触していないか、または金属シートの対向するエッジの一部の点のみで接触していない結果となり得る。この初期のギャップは、溶接プロセス自体の間の熱応力に起因する金属シートの変形により、さらに拡大する可能性がある。
【0004】
場合によっては、例えば、溶接材料を溶接池に加える場合、金属シート間に最小の溶接ギャップを設けて維持することがさらに望ましい可能性がある。この場合、溶接ギャップは、典型的には、互いに溶接される2枚の金属シートの間に接触が無いように、金属シートの対向するエッジの厚さおよび長さの全体に亘って延在する。
【0005】
本発明の発明者は、標準的なレーザビームを用いた従来のレーザ溶接方法は、金属シート間にこのようなギャップが存在するため、このような金属シートの突合せ溶接には必ずしも十分でないことを見出した。事実上、レーザビームのエネルギーの重要な部分は、ギャップを通過して金属シートと相互作用しないので無駄になる。実際、本発明者は、典型的には、レーザビームのエネルギーの10%~20%のみが実際に金属シートを溶接するために使用され、残りの80%~90%は無駄になることを観察した。
【0006】
国際公開第2017/103149号は、亜鉛合金またはアルミニウム合金のプレコートを有する2枚の金属シートの間に均一な材料特性を有する溶接継手を得るという問題に関する。このために、国際公開第2017/103149号は、フィラーワイヤと3本のレーザビームとを用いて2枚のかかる金属シートを突合せレーザ溶接する方法を開示しており、第1のレーザビームはフィラーワイヤを溶融することを意図しており、2つのさらなるレーザビームは金属シートを溶融し、形成された溶融池を混合することを意図する。図1Cで見られるように、3本のレーザビームは、ギブス-マランゴニ効果を用いて、単一の溶融池内の材料の良好な混合を得るために、単一の溶融池を生成するために協働する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2017/103149号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この方法は必ずしも十分でない。特に、この方法は、比較的低いエネルギー効率を有し、したがって、それらの間にギャップを有する2枚の金属シートの溶接には適さない。
【0009】
レーザろう付けも、2枚の金属シートを互いに接合するために公知である。しかしながら、この接合方法は、接合領域において、少なくともベース材料の機械的特性と等しい機械的特性を得るためには適さない。
【0010】
本発明の目的の1つは、エッジとエッジを並べた2枚の金属シートの突合せレーザ溶接方法を提案することにより、上記の欠点を克服し、最終製品の品質を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、本発明は、2枚の金属シートの突合せレーザ溶接方法に関し、方法は、以下の工程を含む。
-第1の金属シートと第2の金属シートを提供する工程であって、各金属シートがそれぞれ、2つの主面と、2つの主面を接合する側面とを有する工程、
-第1および第2の金属シートの側面が互いに対向するように第1および第2の金属シートを位置決めする工程であって、第1および第2の金属シートの位置決めが、第1および第2の金属シートの主面に垂直な中央面を画定する工程、
-第1および第2の金属シートを溶接方向に沿って突合せ溶接する工程であって、突合せ溶接工程が、
-第1のフロント照射軸に沿った第1のフロントレーザビームであって、第1のフロント照射軸が第1の金属シートの主面の内の1つと交差し、第1のフロントレーザビームが、第1の金属シートの前記主面との交点に第1のフロントスポットを形成し、第1のフロントレーザビームのエネルギー密度が10W/cm以上であり、第1のフロントレーザビームが、第1の金属シートの第1のフロントスポットに第1のフロントキーホールを生成する、第1のフロントレーザビームと、
-第2のフロント照射軸に沿った第2のフロントレーザビームであって、第2のフロント照射軸が第2の金属シートの主面の内の1つと交差し、第2のフロントレーザビームが、第2の金属シートの前記主面との交点に第2のフロントスポットを形成し、第2のフロントレーザビームのエネルギー密度が10W/cm以上であり、第2のフロントレーザビームが、第2の金属シートの第2のフロントスポットに第2のフロントキーホール生成する、第2のフロントレーザビームと、
第1および第2のフロントスポットのそれぞれの中心が、第1の金属シートおよび第2の金属シートのそれぞれの側面から2.5mm以下の距離に位置し、溶接方向に沿った第1および第2のフロントレーザビームの中心の距離が、5mm以下であり、
-バックレーザビームであって、バックレーザビームが、第1および第2の金属シートの隣接する主面と交差し、その上にバックスポットを形成し、バックレーザビームのエネルギー密度が10W/cm以上であり、バックスポットの表面積が、第1および第2のフロントスポットのそれぞれの表面積よりも大きく、バックレーザビームが、バックスポットにおいて、第1および第2の金属シートにバックキーホールを生成する、バックレーザビームと、を同時に照射する工程を備え、
第1および第2のフロントレーザビームとバックレーザビームは、以下のように、すなわち、
-第1および第2のフロントスポットが、バックスポットの前に位置し、
-各瞬間において、第1のフロントキーホールとバックキーホールの間および第2のフロントキーホールとバックキーホールとの間に、金属シートの固相領域および/または液相領域が残存する、ように構成される。
【0012】
特定の実施形態によると、本発明に係る方法は、以下の特徴の1つまたは複数をさらに備えてもよい。
【0013】
-突合せ溶接工程の各瞬間において、第1および第2のフロントレーザビームによって形成される溶融池の容量が、バックレーザビームによって形成される溶融池の容量から分離される。
【0014】
-第1および/または第2のフロントスポットの最大寸法が、50μm~250μmである。
【0015】
-バックスポットの最大寸法が、200μm~1800μm、好ましくは600μm~1200μmである。
【0016】
-第1の金属シートと第2の金属シートが、それぞれ0.15mm~5mmの厚さである。
【0017】
-第1および第2のフロントスポットの中心が、第1および第2の金属シートの間の中央面から等距離に位置する。
【0018】
-第1および第2のフロントスポットの中心が、溶接方向に垂直な方向に沿って位置合わせされる。
【0019】
-第1および第2のフロントスポットの中心が、溶接方向に沿って互いに離間した位置に配置される。
【0020】
-バックスポットが、第1および第2の金属シートの間の中央面上を中心とする。
【0021】
-バックスポットの中心が、第1および第2の金属シートの間の中央面に対して横方向にオフセットする。
【0022】
-バックスポットの中心が、溶接方向に沿った距離に延在し、第1および第2のフロントスポットの内の最後端の中心から0.5mm~8mmであり、好ましくは1mm~5mmである。
【0023】
-第1のフロントスポットおよび/または第2のフロントスポットが、ガウシアンまたはトップハットエネルギー分布を有し、好ましくは、円形輪郭を有する。
【0024】
-バックスポットが、ガウシアンまたはトップハットエネルギー分布を有する。
【0025】
-バックスポットが環状である。
【0026】
-溶接方向に対して垂直なバックスポットの外側寸法が、溶接方向に対して平行なバックスポットの外側寸法よりも小さい。
【0027】
-バックスポットが、2枚の金属シートの間の中央面に平行な平面に対して対称である。
【0028】
-バックスポットの最大外側寸法が、200μm~1800μm、好ましくは600μm~1200μmである。
【0029】
-バックスポットの最大内側寸法と最大外側寸法の比が、1.2~3.2、好ましくは1.3~2である。
【0030】
-バックスポットが溶接方向に平行な伸長方向に沿った円形の輪郭または細長の形状を有する。
【0031】
-本方法は、第1のフロントレーザビーム、第2のフロントレーザビーム、およびバックレーザビームを照射する工程と同時に、第2のバックレーザビームを照射する工程をさらに備え、第2のバックレーザビームが、第1および第2の金属シートの隣接する主面と交差し、その上に第2のバックスポット36を形成し、第2のバックレーザビームが、第2のバックスポットがバックスポットの後方に位置するように構成される。
【0032】
-第2のバックスポットは、環状であるか、またはガウシアンまたはトップハットエネルギー分布を有する。
【0033】
-バックスポットの最大外側寸法が、第2のバックスポットの最大外側寸法よりも大きい。
【0034】
-本方法は、突合せ溶接工程の間に、溶接材料、例えば溶接ワイヤまたは粉末を提供する工程をさらに備える。
【0035】
-第1および/または第2の金属シートは、その主面の少なくとも1つに亜鉛合金またはアルミニウム合金のプレコートを有する鋼基材を備える。
【0036】
-第1のフロントレーザビーム、および/または第2のフロントレーザビームおよび/またはバックレーザビームが、共通のレーザヘッドによって生成される。
【0037】
-各レーザビームが、専用のレーザヘッドによって形成される。
【0038】
-第1の金属シートまたは第2の金属シートの少なくとも1つの鋼基材がプレス硬化鋼であり、
-第1の金属シートまたは第2の金属シートの少なくとも1つが、亜鉛含有またはアルミニウム含有プレコートを含む。
【0039】
本発明の他の態様および利点は、例示によって与えられ、添付図面を参照してなされた以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】2枚の金属シートを突合せ溶接する方法の第1の実施形態により、位置決めされた2枚の金属シートの概略断面図である。
図2】第1の実施形態に係る方法の突合せ溶接工程における、図1の2枚の金属シートの概略上面図である。
図3図2の平面III-IIIによる、図2の2枚の金属シートの内の1つの概略断面図である。
図4】第2の実施形態に係る、2枚の金属シートを突合せ溶接する方法の、突合せ溶接工程中の2枚の金属シートの概略上面図である。
図5】第3の実施形態に係る、2枚の金属シートを突合せ溶接する方法の、突合せ溶接工程中の2枚の金属シートの概略上面図である。
図6】第4の実施形態に係る、2枚の金属シートを突合せ溶接する方法の、突合せ溶接工程中の2枚の金属シートの概略上面図である。
図7】第5の実施形態に係る、2枚の金属シートを突合せ溶接する方法の、突合せ溶接工程中の2枚の金属シートの概略上面図である。
図8】第6の実施形態に係る、2枚の金属シートを突合せ溶接する方法の、突合せ溶接工程中の2枚の金属シートの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の第1の実施形態に係る2枚の金属シート2、4の突合せレーザ溶接方法を、図1から図3を参照して説明する。
【0042】
本方法は、第1の金属シート2と第2の金属シート4を提供する工程を備える。
【0043】
各金属シート2、4は、それぞれ、2つの主面6、7と、2つの主面6、7を接合する側面8とを有する。
【0044】
主面6、7は、上面6と下面7である。用語「上面」および「下面」は、前記主面6、7に垂直な軸に対して相対的な意味である。
【0045】
各金属シート2、4の側面8は、例えば金属シート2、4の主面6、7に対して垂直に延在する。あるいは、少なくとも1つの金属シート2、4の側面8は、主面6、7に対して垂直に延在しない。例えば、少なくとも1つの金属シート2、4の側面8は、この金属シート2、4の主面6、7に対して傾斜しており、主面6、7の内の1つと、90°とは異なる角度、例えば45°以上、より詳細には60°以上の角度を形成する。
【0046】
第1の金属シート2および第2の金属シート4は、それぞれ0.15mm~5mmの厚さである。なお、「金属シートの厚さ」とは、主面6、7に対して垂直な方向の金属シート2、4の前記主面6、7間の距離を意味する。
【0047】
好ましくは、第1の金属シート2および第2の金属シート4は、それぞれ一定の厚さを有する。あるいは、第1の金属シート2および第2の金属シート4の内の少なくとも1つは、可変の厚さを有する。
【0048】
第1の金属シート2および第2の金属シート4は、例えば同じ厚さを有する。あるいは、それらは異なる厚さを有する。
【0049】
第1および/または第2の金属シート2、4は、鋼基材9Aを含む。
【0050】
基材9Aの鋼は、より詳細には、フェライト-パーライト微細構造を有する鋼である。
【0051】
好ましくは、基材9Aは、熱処理を意図した鋼、より詳細にはプレス硬化鋼、例えばマンガンボロン鋼、例えば22MnB5型鋼などで製造される。
【0052】
あるいは、鋼基材9Aの微細構造は、ベイナイトおよび/もしくはフェライトならびに/または残留オーステナイトを含む。
【0053】
基材は、その所望の厚さに応じて、熱間圧延および/または冷間圧延と、それに続く焼なまし、または任意の他の適切な方法で得られてもよい。
【0054】
金属シート2、4は、例えば、基材9Aの少なくとも1つの主面上、例えばその両方の主面上に、亜鉛含有、またはアルミニウム含有プレコート9Bを含む。
【0055】
本方法は、さらに突合せレーザ溶接のために第1および第2の金属シート2、4を位置決めする工程を備える。
【0056】
図1に示すように、第1および第2の金属シート2、4の側面8が互いに対向するように位置決めされる。
【0057】
図2に示された例では、第1および第2の金属シート2、4には、互いに対向する側面8が互いに離間して位置決めされる、少なくとも1つの領域が存在する。あるいは、第1および第2の金属シート2、4は、例えば、それらの側面8の領域全体に亘って接触する。別の代替形態では、第1および第2の金属シート2、4には、側面8がそれらの厚さの一部に亘ってのみ互いに接触する少なくとも1つの領域が存在する。
【0058】
主面6、7は、互いに実質的に平行に位置決めされる。「実質的に平行」とは、主面6、7がそれぞれ第1の面と第2の面を画定し、第1の面と第2の面はそれらの間に1°未満の角度を画定することを意味する。
【0059】
位置決めは、第1および第2の金属シート2、4の主面6、7に垂直な中央面10を画定する。中央面10は、特に側面8の間の中央面である。中央面10は、好ましくは垂直である。
【0060】
次に、本方法は、溶接方向に沿って第1および第2の金属シート2、4を突合せ溶接する工程を備える。溶接方向は、特に、中央面10に沿って延在する。図2において、矢印11は溶接方向を示す。
【0061】
この突合せ溶接の工程は、第1のフロントレーザビーム12、第2のフロントレーザビーム14、およびバックレーザビーム16を同時に照射することを備える。
【0062】
レーザビーム12、14、16は、例えば、CO2レーザ、YAG-Ndレーザ、ファイバーレーザ、ディスクレーザ、またはダイレクトダイオードレーザによって生成される。異なるレーザビーム12、14および16は、同じ種類のレーザによって生成されてもよいし、異なる種類のレーザによって生成されてもよい。
【0063】
一実施形態では、第1のフロントレーザビーム12と第2のフロントレーザビーム14および/またはバックレーザビーム16は、共通のレーザヘッドによって生成される。
【0064】
代替形態によれば、各レーザビーム12、14、16は、専用のレーザヘッドによって形成される。
【0065】
さらなる代替形態として、2つのレーザビーム、例えば2つのフロントレーザビーム12、14は、共通のレーザヘッドによって形成され、第3のレーザビーム、例えばバックレーザビーム16は、異なるレーザヘッドによって形成される。
【0066】
溶接方向は、第1および第2の金属シート2、4とレーザビーム12、14および16との相対的な変位によりもたらされる。
【0067】
第1のフロントレーザビーム12は、第1のフロント照射軸E1に沿って照射される。第1のフロント照射軸E1は、第1の金属シート2の主面6、7の内の1つと交差する。図2の図示の例では、前記主面は、第1の金属シート2の上面6である。あるいは、前記主面は、第1の金属シート2の下面7である。
【0068】
例えば、第1のフロント照射軸E1は、第1の金属シート2の主面6、7に対して垂直に延在する。
【0069】
図2に示すように、第1のフロントレーザビーム12は、第1の金属シート2の前記主面6、7との交点に第1のフロントスポット18を形成する。
【0070】
特に、第1のフロントレーザビーム12は、第1のフロントレーザビーム12の全断面に亘って第1の金属シート2の前記主面6、7と交差する。したがって、第1のフロントレーザビーム12のエネルギーの全てが第1の金属シート2に伝達される。
【0071】
第1のフロントレーザビーム12のエネルギー密度は、10W/cm以上である。その結果、第1のフロントレーザビーム12は、第1の金属シート2上の第1のフロントスポット18に第1のフロントキーホール19を生成する(図3参照)。図3では、レーザビームは図示されていない。
【0072】
この状況において、キーホールは、金属シートの厚さ方向に延在する空洞であり、レーザビームの金属シートへの衝突の結果として生じる蒸発物質を含有する。キーホールにより、関連するレーザビームのエネルギーを金属シートに直接伝達することが可能となる。
【0073】
図3に示すように、突合せ溶接工程の間、第1のフロントレーザビーム12は、第1のフロントスポット18の位置に第1の溶融池13を形成する。
【0074】
第1のフロントキーホール19は、第1の溶融池13によって囲まれている。
【0075】
突合せ溶接工程の間、第1のフロントキーホール19内に含まれる蒸気の圧力によって、第1の溶融池13の溶融材料が、キーホールによって形成される空洞内に崩壊するのを防ぐことができる。
【0076】
図3の例では、第1のキーホール19は、単純化のためにのみ、主面6、8に対して垂直に延在する円筒状の空洞として示される。特に、第1のキーホール19は、溶接速度に比例する角度で、主面6、8の法線に対して傾斜し得る。さらに、第1のキーホール19は、金属シート厚を貫通する可変の断面を有し得る。
【0077】
第2のフロントレーザビーム14は、第2のフロント照射軸E2に沿って照射される。
【0078】
第2のフロント照射軸E2は、第2の金属シート4の主面6、7の内の1つと交差する。図2に示す例では、前記主面は、第2の金属シート4の上面6である。あるいは、前記主面は、第2の金属シート4の下面7である。
【0079】
例えば、第2のフロント照射軸E2は、第2の金属シート4の主面6、7に対して垂直に延在する。
【0080】
第2のフロントレーザビーム14は、第2の金属シート4の前記主面6、7との交点に第2のフロントスポット20を形成する。
【0081】
図2に示す例では、第1および第2のフロントスポット18、20は、第1および第2の金属シート2、4の隣接する主面6、7に形成される。
【0082】
「隣接する主面」とは、レーザビームの照射方向に対して、金属シート2、4の同じ側に位置する第1の金属シート2の1つの主面と、第2の金属シート4の1つの主面を意味する。したがって、第1および第2のフロントスポット18、20は、例えば、第1および第2の金属シート2、4の上面6、または第1および第2の金属シート2、4の下面7に形成される。
【0083】
特に、第2のフロントレーザビーム14は、第2のフロントレーザビーム14の全断面に亘って第2の金属シート4の前記主面6、7と交差する。したがって、第2のフロントレーザビーム14のエネルギーの全てが第2の金属シート4に伝達される。
【0084】
第2のフロントレーザビーム14のエネルギー密度は、10W/cm以上である。その結果、第2のフロントレーザビーム14は、第2の金属シート4上の第2のフロントスポット20に第2のフロントキーホール(図示せず)を生成する。
【0085】
突合せ溶接工程の間、第2のフロントレーザビーム14は、第2のフロントスポット20の位置に第2の溶融池を形成する。第2の溶融池は、第2のフロントキーホールを取り囲む。
【0086】
例えば、第1の溶融池13の容積は、第2の溶融池の容積から分離され、突合せ溶接工程の少なくともある瞬間または各瞬間において、第1の溶融池13と第2の溶融池とは、互いに離間する。
【0087】
あるいは、第1の溶融池13の容積は、第2の溶融池の容積から分離され、突合せ溶接工程の少なくともある瞬間または各瞬間において、第1の溶融池13と第2の溶融池との間に金属シート2、4の固相領域が残存する。
【0088】
あるいは、第1および第2の溶融池は、突合せ溶接工程の少なくとも1つの瞬間に、単一の溶融池を形成するように結合される。
【0089】
第1および/または第2のフロントスポット18、20の最大寸法は、50μm~250μmである。したがって、レーザビーム12、14のエネルギーは、非常に高い効率で金属シート2、4に伝達される。さらに、これらの寸法により、第1および第2のレーザビーム14、16に対して比較的低出力であっても、第1および第2の金属シート2、4に第1のキーホール19および第2のキーホールを生成することが可能となる。
【0090】
第1のフロントスポット18および/または第2のフロントスポット20は、ガウシアンまたはトップハットエネルギー分布を有し、好ましくは、円形の輪郭を有する。
【0091】
溶接方向に沿った第1および第2のフロントレーザビーム12、14の中心間の距離は5mm以下である。
【0092】
特に、図2に図示された方法では、第1および第2のフロントスポット18、20の中心は、溶接方向に垂直な方向に沿って位置合わせされる。
【0093】
第1および第2のフロントスポット18、20のそれぞれの中心は、第1の金属シート2および第2の金属シート4のそれぞれの側面8から2.5mm以下の距離に位置する。
【0094】
特に、図2に示す方法では、第1および第2のフロントスポット18、20の中心は、第1および第2の金属シート2、4の間の中央面10から等距離に位置する。
【0095】
突合せ溶接の間、第1および第2のフロントスポット18、20は互いに離間する。言い換えると、突合せ溶接の間、第1および第2のフロントスポット18、20は重ならない。
【0096】
バックレーザビーム16は、バック照射軸E3に沿って照射される。
【0097】
バックレーザビーム16は、第1および第2の金属シート2、4の隣接する主面6、7と交差する。バックレーザビーム16によって交差するこれらの隣接する主面6、7とは、例えば、第1および第2の金属シート2、4の2つの上面6、または第1および第2の金属シート2、4の2つの下面7である。
【0098】
例えば、バック照射軸E3は、第1および第2の金属シート2、4の主面6、7に垂直に延在する。
【0099】
バックレーザビーム16は、前記隣接する主面6、7上にバックスポット22を形成する。
【0100】
図2に示す例では、バックスポット22は、第1および第2のフロントスポット18、20が形成されるのと同じ主面6、7上に作成される。あるいは、バックスポット22は、第1および第2のフロントスポット18、20が形成されるのとは異なる主面6、7上に作成される。
【0101】
バックレーザビーム16のエネルギー密度は、10W/cm以上である。その結果、バックレーザビーム16は、バックスポット22において、第1および第2の金属シート2、4にバックキーホール23Aを生成させる(図3参照)。
【0102】
図3に示すように、突合せ溶接工程の間、バックレーザビーム16は、バックスポット22の位置にバック溶融池23Bを形成する。バック溶融池23Bは、バックキーホール23Aを取り囲む。
【0103】
一実施形態では、バックレーザビーム16のエネルギーは、第1および第2のフロントレーザビーム14、16のそれぞれのエネルギーよりも大きい。例えば、バックレーザビーム16のエネルギーは、第1および第2のフロントレーザビーム14、16のそれぞれのエネルギーの少なくとも2倍である。
【0104】
第1の実施形態に係る方法では、バックスポット22は、ガウシアンまたはトップハットエネルギー分布を有する。
【0105】
図2の図示の例では、円形輪郭を有する。
【0106】
図示のように、バックスポット22は、第1および第2の金属シート2、4の間の中央面10を中心とする。
【0107】
バックスポット22の最大寸法は、例えば200μm~1800μm、好ましくは600μm~1200μmである。
【0108】
図2に示すように、バックスポット22の表面積は、第1および第2のフロントスポット18、20のそれぞれの表面積よりも大きい。バックレーザビーム16によって形成されるバックキーホール23Aの体積は、第1および第2のフロントレーザビーム12、14によってそれぞれ形成される第1および第2のフロントキーホールの体積よりも大きい。さらに、突合せ溶接の間、バック溶融池23Bの体積は、第1および第2のフロントレーザビーム12、14によってそれぞれ形成される第1および第2の溶融池の体積よりも大きい。
【0109】
突合せ溶接の間、第1および第2のフロントレーザビーム12、14とバックレーザビーム16は、第1および第2の金属シート2、4に対して相対的に移動し、それにより、第1および第2のフロントスポット18、20ならびにバックスポット22は、第1および第2の金属シート2、4に相対的に溶接方向に沿って変位する。
【0110】
例えば、第1および第2の金属シート2、4を固定した状態で、第1および第2のフロントレーザビーム12、14とバックレーザビーム16を一緒に移動させる。あるいは、第1および第2のフロントレーザビーム12、14とバックレーザビーム16を固定し、第1および第2の金属シート2、4を一緒に移動させる。
【0111】
レーザ溶接により、2枚の金属シート2、4の接合部に溶接継手24が形成される。溶接方向は、溶接継手24が既に形成される領域から、溶接継手24によって金属シート2、4がまだ接合されていない領域に向かって、中央面に沿って延在する方向として定義される。
【0112】
第1および第2のレーザビーム12、14とバックレーザビーム16は、第1および第2のフロントスポット18、20がバックスポット22の前に位置するように構成される。
【0113】
この文脈において、「前に」とは、溶接方向に対して前方にあることを意味する。したがって、バックスポット22は、フロントスポット18、20と溶接方向に沿った溶接継手24との間に位置する。言い換えると、突合せ溶接工程の間、中央面10を中心とする第1および第2の金属シート2、4の所定の領域は、常に、最初に第1および第2のフロントスポット18、20と交差し、その後、次いでバックスポット22と交差する。
【0114】
突合せ溶接の間、バックスポット22は、第1および第2のフロントスポット18、20のそれぞれから離間される。言い換えると、突合せ溶接の間、バックスポット22は、第1および第2のフロントスポット18、20のそれぞれと重ならない。
【0115】
突合せ溶接の間、バックキーホール23Aは、第1のフロントキーホール19と第2のフロントキーホールから離間される。換言すれば、突合せ溶接の間、バックキーホール23Aは、第1および第2のフロントキーホールのそれぞれと重ならない。
【0116】
例えば、突合せ溶接中のキーホールの相対的な幾何学的配置は、2D視覚センサによりレーザ-材料相互作用領域を可視化することによって監視されてもよい。赤外線2D視覚センサを用いて、相互作用領域の2D温度マップを確立してもよい。特に、キーホール、溶融池、および固相領域が明確に識別される。代替的または追加的に、溶接レーザと異なる専用の波長の光をレーザ材料相互作用領域に照射し、視覚センサの前に対応するパスバンドフィルタを使用して、2Dピュア視覚センサ(pure vision sensor)を用いてキーホールの形状を視覚化することが可能である。
【0117】
第1および第2のフロントレーザビーム12、14とバックレーザビーム16は、突合せ溶接工程の間の各瞬間に、第1のフロントキーホール19とバックキーホール23Aの間および第2のフロントキーホールとバックキーホール23Aの間に、金属シート2、4の固相領域25および/または液相領域13、23Bが残存するように構成される。
【0118】
より詳細には、スポット18、20、22の寸法、スポット18、20、22間の距離、第1および第2のフロントレーザビーム12、14およびバックレーザビーム16と金属シート2、4との相対的な変位速度、ならびにビーム12、14、16の出力密度は、突合せ溶接工程の間の各瞬間に、第1のフロントキーホール19とバックキーホール23Aの間および第2のフロントキーホールとバックキーホール23Aの間に、金属シート2、4の固相領域25および/または液相領域13、23Bが残存するように構成される。
【0119】
図3に示す例では、第1のフロントキーホール19とバックキーホール23Aの間および第2のフロントキーホールとバックキーホール23Aの間に、金属シート2、4の固相領域25および液相領域13、23Bが残存する。あるいは、第1のフロントキーホール19とバックキーホール23Aの間および第2のフロントキーホールとバックキーホール23Aの間に、金属シート2、4の液相領域13、23Bだけが残存する。
【0120】
一実施形態では、第1および第2のフロントレーザビーム12、14とバックレーザビーム16は、突合せ溶接工程の間の各瞬間に、第1および第2のフロントレーザビーム12、14によって形成される溶融池の容量が、バックレーザビーム16によって形成される溶融池の容量から離間されるように構成される。本実施形態では、フロントレーザビームおよびバックレーザビームによって単一の溶融池が形成される場合と比較して、溶接のばらつきが減少し、数値シミュレーションが容易になる。
【0121】
バックスポット22の中心は、溶接方向に沿った距離に延在し、第1および第2のフロントスポット18、20の内の最後端の中心から0.5mm~8mmで構成される。この距離は、好ましくは1mm~5mmで構成される。
【0122】
第1および第2のフロントレーザビーム12、14とバックレーザビーム16の変位速度は、好ましくは同一であり、2m/分~20m/分、好ましくは4m/分~12m/分で構成される。
【0123】
次に、スポット寸法、スポット間の距離、金属シート2、4上のスポットの相対的な変位速度、およびビームの出力密度の例を詳細に説明する。
【0124】
第1の実施例によれば、
-第1および第2の金属シート2、4は、それぞれ1mmの厚みを有し、溶接方向に沿って互いに接するように、または80μm未満の間隔で互いに離間するように位置決めされ、
-第1および第2のフロントスポット18、20は、それぞれ150μmの直径と500Wのエネルギーを有し、第1および第2のフロントスポット18、20は、共通のレーザ溶接ヘッドにより形成され、この共通のレーザ溶接ヘッドは、1kWの出力と1μmの波長を有するディスクレーザ発生器によって駆動され、
-バックスポット22は600μmの直径と4kWのエネルギーを有し、バックスポット22は専用のレーザ溶接ヘッドにより形成され、この専用のレーザ溶接ヘッドは、4kWの出力と1μmの波長を有するYAGレーザで駆動され、
-フロントスポット18、20とバックスポット22は、正三角形に配置され、それにより、正三角形は、1.2mmの長さの辺を有し、バックスポット22は、中央面の中心に配置され、フロントスポット18、20は、中央面から等しい距離に配置され、
-溶接速度は16m/分である。
【0125】
第2の実施例によれば、
-第1および第2の金属シート2、4は、それぞれ1mmの厚みを有し、溶接方向に沿って互いに接するように、または80μm未満の間隔で互いに離間するように位置決めされ、
-第1および第2のフロントスポット18、20は、それぞれ150μmの直径と500Wのエネルギーを有し、第1および第2のフロントスポット18、20は、共通のレーザ溶接ヘッドにより作製され、この共通のレーザ溶接ヘッドは、1000Wの出力と1μmの波長を有するディスクレーザによって駆動され、
-バックスポット22は600μmの直径と4kWのエネルギーを有し、バックスポット22は専用のレーザ溶接ヘッドにより作製され、この専用のレーザ溶接ヘッドは、4kWの出力と1μmの波長を有するYAGレーザで駆動され、
フロントスポット18、20は、中央面から等しい距離に配置され、0.6mmの距離にあり、バックスポット22は、中央面の中心に配置され、フロントスポット18、20の後方1.2mmの距離に位置し、
-溶接速度は16m/分である。
【0126】
本発明に係る2枚の金属シート2、4の突合せレーザ溶接方法では、第1および第2のフロントキーホールは、高い形状比を有し、形状比は、キーホールの直径に対するキーホールの高さの比として定義される。高い形状比を有するキーホールは、キーホール内でのレーザビームの多重反射により、最大のレーザビームエネルギーを吸収する。
【0127】
特に、キーホール間に固相領域25および/または液相領域13、23Bを有することにより、第1および第2のフロントキーホールがバックキーホール23A内に開口することを防止する。このようなフロントキーホールとバックキーホールとの間の連通は、フロントキーホールのそれぞれの形状比を大きく低下させ、したがって、突合せ溶接工程のエネルギー効率に影響を与える。
【0128】
さらに、突合せ溶接の間、第1および第2のフロントレーザビーム12、14は、これらの領域がバックスポット22によって溶融される前に、第1および第2の金属シート2、4の考慮された領域をそれぞれ予熱する。
【0129】
この予熱は、突合せ溶接のエネルギー効率を高めるので有利である。さらに、バック溶融池23Bを伸長することにも役立つ。バック溶融池23Bを伸長することは、溶接継手24の形状を改善し、突合せ溶接の速度制限を向上させる。
【0130】
さらに、金属シート2、4上にコーティングが存在する場合、第1および第2のフロントレーザビーム12、14は、以下のようにコーティングに作用する:亜鉛基のコーティングなどの低い蒸発温度を有するコーティングは、第1および第2のフロントレーザビーム12、14の作用によって蒸発し、一方、アルミニウム基のコーティングなどの高い蒸発温度を有するコーティング、例えばアルミニウム-シリコンコーティングは、予め溶融され、融合部に部分的に組み込まれる。
【0131】
第1および第2のフロントスポット18、20のそれぞれのエネルギー密度により、第1および第2の金属シート2、4を非常に効率的に予熱することが可能となる。この効率は、高い形状比を有する第1および第2のフロントキーホールによるものである。
【0132】
さらに、突合せ溶接の間、第1および第2のフロントレーザビーム12、14は、第1および第2の金属シート2、4のギャップを小さくする傾向がある。より詳細には、第1および第2の金属シート2、4間のギャップの幅が減少するのは、鋼基材9Aの熱膨張ならびに側面8の表面張力により、側面8のエッジ断面が湾曲し、中央面10に近づく傾向があるためである。このギャップ幅の減少は、バックレーザビーム16のエネルギー効率の向上をもたらす。
【0133】
第1の実施形態に係る方法の代替形態では、第1および第2のフロントスポット18、20の中心は、溶接方向に沿って互いに離間した位置に配置される。
【0134】
第1の実施形態に係る方法の別の代替形態では、方法は、突合せ溶接工程の間に溶接材料、例えば溶接ワイヤまたは粉末を提供することを含む。
【0135】
溶接材料は、好ましくは、第1および第2のフロントレーザビーム12、14の間に挿入されることによって、バックレーザビーム16に提供される。あるいは、追加された溶接材料は、バックレーザビーム16の横方向または後方位置に提供されてもよい。
【0136】
第1および第2のフロントレーザビーム12、14の間に溶接材料を挿入することは、第1および第2のフロントスポット18、20の中心が溶接方向に沿って互いに離間した位置に配置される場合に容易になる。
【0137】
溶接材料が溶接ワイヤである場合、ワイヤは、例えば、中央面10に対して実質的に平行に第1および第2のフロントレーザビーム12、14の間に挿入される。
【0138】
第1および第2のフロントレーザビーム12、14の間に挿入されるとき、溶接材料は、第1および第2のフロントレーザビーム12、14によって予熱される。溶接材料が第1および第2のフロントレーザビーム12、14の間に挿入されるとき、溶接材料の体積の20%未満がこれらのレーザビーム12、14によって溶融される。好ましくは、第1および第2のフロントレーザビーム12、14は、溶接材料がそれらの間に挿入されたときに、溶接材料を溶融させない。
【0139】
この代替形態では、第1および第2のフロントスポット18、20による金属シート2、4の予熱に起因するバック溶融池23Bの伸長は、溶接材料と金属シート2、4の材料との混合の改善に寄与する。
【0140】
第1の実施形態に係る方法の代替形態として、第1および第2のフロントスポット18、20の中心は、中央面10から異なる距離に位置する。
【0141】
第1の実施形態に係る方法のさらなる代替形態では、バックスポット22の中心は、第1および第2の金属シート2、4の間の中央面10に対して横方向にオフセットする。この代替形態は、金属シート2、4が異なる厚さを有する場合に特に好適である。
【0142】
第1の実施形態に係る方法の代替形態によれば、バックスポット22は、細長の外側輪郭、例えば、略楕円輪郭、楕円形輪郭、長方形輪郭、涙滴形輪郭、または卵形輪郭を有する。略楕円、ティアドロップおよび卵形輪郭は、それぞれ図5図6図7を参照してより詳細に説明される。
【0143】
第2の実施形態に係る2枚の金属シート2、4の突合せレーザ溶接方法を、図4を参照して説明する。
【0144】
この方法は、バックスポット22が環状であるという点で第1の実施形態に係る方法と異なる。
【0145】
バックレーザビーム16のエネルギーは、その中央部よりも外側の環状部に主に集中する。このような形状により、10W/cmのエネルギー密度に到達しやすくなる。
【0146】
特に、「環状」とは、バックスポット22が外側輪郭26と内側輪郭28とを有することを意味する。内側輪郭28は、外側輪郭26と実質的に相似である。
【0147】
特に、バックスポット22は、2枚の金属シート2、4の間の中央面10に平行な平面に対して対称である。
【0148】
図4に示すように、バックスポット22は円形である。より詳細には、バックスポット22の外側輪郭26および内側輪郭28は円形である。
【0149】
バックスポット22の最大外側寸法は、200μm~1800μm、好ましくは600μm~1200μmである。第2の実施形態に係る方法では、バックスポット22の最大外側寸法は、その外側輪郭26の直径に一致する。
【0150】
バックスポット22の最大外側寸法と最大内側寸法の比は、1.2~3.2、好ましくは1.3~2である。第2の方法では、バックスポット22の最大内側寸法は、その内側輪郭28の直径に一致する。
【0151】
図4に示すように、内側輪郭28の少なくとも一部は、それぞれ第1および第2の金属シート2、4と交差する。
【0152】
バックレーザビーム16の環状の形状は、側面8の間のギャップを通過することによって無駄になるバックレーザビーム16のエネルギー部分が減少されるので、本方法のエネルギー効率の向上をもたらす。
【0153】
第3の実施形態に係る2枚の金属シート2、4の突合せレーザ溶接方法を、図5を参照して説明する。
【0154】
第3の実施形態に係るこの方法は、バックスポット22が、溶接方向に平行な伸長方向に沿った細長形状を有する点で、第2の実施形態に係る方法と異なる。この場合、溶接方向に対して垂直なバックスポット22の外側寸法は、溶接方向に対して平行なバックスポット22の外側寸法よりも小さい。
【0155】
図5に示す例では、バックスポット22は、略楕円形状である。より詳細には、環状バックスポット22については、バックスポット22の外側輪郭26および内側輪郭28は、略楕円方形状である。
【0156】
細長形状は、バックスポット22の後ろの溶融材料の流れを改善し、流れは乱れが少ない。したがって、細長い形状は、溶接継手24の形状をさらに改善し、突合せ溶接の速度制限を向上させる。
【0157】
代替形態によれば、バックスポット22は楕円形状を有する。より詳細には、環状バックスポット22については、バックスポット22の外側輪郭26および内側輪郭28は、楕円形である。
【0158】
別の代替形態によると、バックスポット22は、長方形輪郭を有する。より詳細には、環状バックスポット22については、バックスポット22の外側輪郭26および内側輪郭28は長方形である。
【0159】
第4の実施形態に係る2枚の金属シート2、4の突合せレーザ溶接方法を、図6を参照して説明する。
【0160】
第4の実施形態に係る方法は、バックスポット22が涙滴形状を有する点で第3の実施形態に係る方法と異なる。
【0161】
より詳細には、環状バックスポット22については、バックスポット22の外側輪郭26および内側輪郭28が、涙滴形状である。
【0162】
より詳細には、図6に示すように、外側輪郭26および内側輪郭28のそれぞれは、丸みのついたエッジ32に対向する尖った端部30を有する。
【0163】
図6に示すように、尖った端部30は、溶接方向に沿って丸みのついたエッジ32の後方に位置する。
【0164】
尖った端部30は、中央面10上に中心位置決めされる。
【0165】
涙滴形状は、バックスポット22の後方の溶融材料の流れをさらに改善する。
【0166】
第5の実施形態に係る2枚の金属シート2、4の突合せレーザ溶接方法を、図7を参照して説明する。
【0167】
第5の実施形態に係る方法は、バックスポット22が卵形状を有する点で第3の実施形態に係る方法と異なる。
【0168】
第6の実施形態に係る2枚の金属シート2、4の突合せレーザ溶接方法を、図8を参照して説明する。
【0169】
第6の実施形態に係る方法は、第1のフロントレーザビーム12、第2のフロントレーザビーム14、およびバックレーザビーム16を照射する工程と同時に、第2のバックレーザビーム34を照射することをさらに含む点で、第3の実施形態に係る方法と異なる。
【0170】
第2のバックレーザビーム34は、第2のバック照射軸E4に沿って照射される。
【0171】
第2のバックレーザビーム34は、第1および第2の金属シート2、4の隣接する主面6、7と交差する。
【0172】
第2のバックレーザビーム34は、前記隣接する主面6、7上に第2のバックスポット36を形成する。
【0173】
図8に示す例では、第2のバックスポット36は、バックスポット22が形成されるのと同じ主面6、7上に形成される。あるいは、第2のバックスポット36は、バックスポット22が形成されるのとは異なる主面6、7上に形成される。
【0174】
第2のバックレーザビーム34のエネルギー密度は、好ましくは10W/cm以上である。その結果、第2のバックレーザビーム34は、第2のバックスポット36において、第1および第2の金属シート2、4に第2のバックキーホールを生成する。
【0175】
あるいは、第2のバックレーザビーム34のエネルギー密度は、10W/cmよりも低く、その結果、溶接継手24の平滑性を促進する非キーホール加熱を生成する。
【0176】
第2のバックスポット36は、2枚の金属シート2、4の間の中央面10に平行な平面に対して対称である。
【0177】
特に、第2のバックスポット36は円形である。より詳細には、第2のバックスポット36の外側輪郭38および内側輪郭40は、円形である。
【0178】
バックスポット22の最大外側寸法は、第2のバックスポット36の最大外側寸法よりも大きい。
【0179】
第2のバックスポット36の最大寸法は、例えば100μm~1300μm、好ましくは300μm~1000μmである。
【0180】
図8の例では、第2のバックスポット36は、中央面10の中心に配置される。
【0181】
突合せ溶接の間、第2のバックレーザビーム34は、第2のバックスポット36が溶接方向に沿ってバックスポット22の後方に位置するように構成される。第2のバックスポット36は、特に、溶接方向に沿ってバックスポット22と溶接継手24との間に位置される。
【0182】
突合せ溶接工程の間、第2のバックレーザビーム34は、第2のバック溶融池を形成し、第2のバック溶融池は、特に、第2のバックスポット36の位置に形成される。
【0183】
例えば、バック溶融池23Bと第2のバック溶融池とは連結される。あるいは、バック溶融池23Bの容積は、第2のバック溶融池の容積から分離され、突合せ溶接工程の各瞬間において、バック溶融池23Bと第2のバック溶融池との間に金属シート2、4の固相領域が残存する。
【0184】
図8に示す例では、第2のバックスポット36は環状である。特に、第2のバックスポット36は、外側輪郭38と内側輪郭40とを有する。第2のバックスポット36の内側輪郭40は、第2のバックスポット36の外側輪郭38と非常に相似する。
【0185】
代替形態によれば、第2のバックスポット36は、ガウシアンまたはトップハットエネルギー分布を有する。
【0186】
別の代替形態によると、第2のバックスポット36は、細長形状、例えば、略楕円形状、卵形状、長方形形状、または涙滴形状を有する。
【0187】
さらなる代替形態では、第2のバックスポット36の中心は、第1および第2の金属シート2、4間の中央面10に対して横方向にオフセットされる。
【0188】
上記開示された特徴により、本発明に係る突合せ溶接方法によれば、金属シート2、4間に大きなギャップがある状態で金属シートが位置決めされた場合でも、良好なエネルギー効率で金属シート2、4を溶接することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8