(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】化粧品のアプリケーター用ワイパー装置
(51)【国際特許分類】
A45D 40/26 20060101AFI20220805BHJP
【FI】
A45D40/26
(21)【出願番号】P 2020536115
(86)(22)【出願日】2017-12-29
(86)【国際出願番号】 FR2017053873
(87)【国際公開番号】W WO2019129935
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】517298769
【氏名又は名称】ソシエテ・アンデュストリエル・ド・マティエール・プラスティック
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ド バルドネッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリック アンベール
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0129133(US,A1)
【文献】特開2008-044643(JP,A)
【文献】特開2003-047524(JP,A)
【文献】特開平09-215521(JP,A)
【文献】特開2017-202097(JP,A)
【文献】特表2010-532193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00-40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペースト状化粧品を塗布するためのアプリケーターアセンブリ用のワンピースワイパー装置であって、前記アプリケーターアセンブリは、把持ロッド(11)と前記化粧品を
塗布するための塗布手段(12)と共に提供された少なくとも1つのアプリケーター(10)、前記アプリケーター(10)が長手方向軸と呼ばれる軸XXに沿ってスライドする首部(14)を有する容器(13)、前記ワイパー装置は、前記首部(14)の内側に合致し得る実質的に円筒形状を有し、容器の首の縁に取り付けるための第1のフランジ(2)とともに提供されるワイパー装置、首部(14)の内側の肩部(15)に取り付けるための第2のフランジ(3)、前記容器の内側に突出するリップ(
4)、とを備え、前記装置が前記首部に係合したときに、前記第2のフランジ(3)が、実質的に前記リップおよびベアリングの近くに配置された環状の外部突起(30)を含み、外部に、前記首部(14)の前記肩部の内側表面が接触できるように、少なくとも1つの追加要素(31、32、33)を支え、ワイパー装置がネックの内部表面と最大かつ最適化された接触を実現
し、
前記追加の要素が、波状の可撓性環状ストリップ(34)を備えることを特徴とするワイパー装置。
【請求項2】
前記追加要素が、軸XXと鋭角をなす平面内に延びる第1の組のタブ(31)を含むことを特徴とする請求項1に記載のワイパー装置。
【請求項3】
ペースト状化粧品を塗布するためのアプリケーターアセンブリ用のワンピースワイパー装置であって、前記アプリケーターアセンブリは、把持ロッド(11)と前記化粧品を塗布するための塗布手段(12)と共に提供された少なくとも1つのアプリケーター(10)、前記アプリケーター(10)が長手方向軸と呼ばれる軸XXに沿ってスライドする首部(14)を有する容器(13)、前記ワイパー装置は、前記首部(14)の内側に合致し得る実質的に円筒形状を有し、容器の首の縁に取り付けるための第1のフランジ(2)とともに提供されるワイパー装置、首部(14)の内側の肩部(15)に取り付けるための第2のフランジ(3)、前記容器の内側に突出するリップ(4)、とを備え、前記装置が前記首部に係合したときに、前記第2のフランジ(3)が、実質的に前記リップおよびベアリングの近くに配置された環状の外部突起(30)を含み、外部に、前記首部(14)の前記肩部の内側表面が接触できるように、少なくとも1つの追加要素(31、32、33)を支え、ワイパー装置がネックの内部表面と最大かつ最適化された接触を実現し、
前記追加要素が、軸XXと鋭角をなす平面内に延びる第1の組のタブ(31)を含み、
前記第1のタブ(31)の自由端にリング(33)が設けられていることを特徴とするワイパー装置。
【請求項4】
前記追加要素が、前記第1のタブ(31)に対して軸XXに沿ってオフセットされた第2の組のタブ(32)を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載のワイパー装置。
【請求項5】
前記追加要素および/または前記環状の外部突起(30)の表面から上方に突き出、前記首部の前記肩部の前記内部表面と接触するように意図されたスタッド(310)または突起(320)をさらに含むことを特徴とする、請求項
2~4のいずれか一項に記載のワイパー装置。
【請求項6】
タブの前記第1の
組(31)および/または前記第2の
組(32)が、2~64個のタブを含むことを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載のワイパー装置。
【請求項7】
前記タブ(31、32)は、軸XXの周りに規則的に角度を付けて配置されることを特徴とする、請求項4~6のいずれか一項に記載のワイパー装置。
【請求項8】
加硫可能なゴムまたはシリコーンまたは熱可塑性エラストマーで作られていることを特徴とする、請求項1~
7のいずれか一項に記載のワイパー装置。
【請求項9】
ペースト状化粧品を塗布するためのアプリケーターアセンブリ用のワンピースワイパー装置であって、前記アプリケーターアセンブリは、把持ロッド(11)と前記化粧品を塗布するための塗布手段(12)と共に提供された少なくとも1つのアプリケーター(10)、前記アプリケーター(10)が長手方向軸と呼ばれる軸XXに沿ってスライドする首部(14)を有する容器(13)、前記ワイパー装置は、前記首部(14)の内側に合致し得る実質的に円筒形状を有し、容器の首の縁に取り付けるための第1のフランジ(2)とともに提供されるワイパー装置、首部(14)の内側の肩部(15)に取り付けるための第2のフランジ(3)、前記容器の内側に突出するリップ(4)、とを備え、前記装置が前記首部に係合したときに、前記第2のフランジ(3)が、実質的に前記リップおよびベアリングの近くに配置された環状の外部突起(30)を含み、外部に、前記首部(14)の前記肩部の内側表面が接触できるように、少なくとも1つの追加要素(31、32、33)を支え、ワイパー装置がネックの内部表面と最大かつ最適化された接触を実現し、
前記追加要素および/または前記環状の外部突起(30)の表面から上方に突き出、前記首部の前記肩部の前記内部表面と接触するように意図されたスタッド(310)または突起(320)をさらに含むことを特徴とするワイパー装置。
【請求項10】
前記追加要素が、軸XXと鋭角をなす平面内に延びる第1の組のタブ(31)を含むことを特徴とする請求項9に記載のワイパー装置。
【請求項11】
前記追加の要素が、波状の可撓性環状ストリップ(34)を備えることを特徴とする、請求項9または10に記載のワイパー装置。
【請求項12】
前記追加要素が、前記第1のタブ(31)に対して軸XXに沿ってオフセットされた第2の組のタブ(32)を含むことを特徴とする、請求項10に記載のワイパー装置。
【請求項13】
前記第1のタブ(31)の自由端にリング(33)が設けられていることを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載のワイパー装置。
【請求項14】
タブの前記第1の組(31)および/または前記第2の組(32)が、2~64個のタブを含むことを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載のワイパー装置。
【請求項15】
前記タブ(31、32)は、軸XXの周りに規則的に角度を付けて配置されることを特徴とする、請求項10~14のいずれか一項に記載のワイパー装置。
【請求項16】
加硫可能なゴムまたはシリコーンまたは熱可塑性エラストマーで作られていることを特徴とする、請求項9~15のいずれか一項に記載のワイパー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスカラまたはアイライナーなどの液体、ペースト状または粉末状の化粧品を塗布するためのアプリケーターアセンブリ用のワイパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのアプリケーターアセンブリは、従来、化粧品を収容することを意図され、キャップがねじ込まれ得るねじ付きネックを備えたボトルを備える。このキャップにはロッドが付いており、その端には塗布する製品用のアプリケーターが付いている。したがって、アプリケーターは、ボトルに含まれる製品に浸され、好ましくは、このタイプのアプリケーターアセンブリは、ボトルから取り出されたときにロッドおよび/またはアプリケーターを拭く(または絞る)ためのワイパー要素をさらに備える。
【0003】
一般に、ワイパーの効率および主な機能は、ワイパーの形状に関連している。ワイパーの外部形状は、アプリケーターをコンテナーに挿入したり、コンテナーから取り外したりする移動中にワイパーをしっかりと保持しながら、ホルダーまたはコンテナーのネックに簡単に取り付けられる必要がある。ワイパーの内部形状は、アプリケーターの外部形状、機械的特性、および塗布する製品の特性の両方に適合させる必要がある。さらに、ワイパーの効率は、ワイパーの素材に関連する。
【0004】
このタイプのアプリケーターアセンブリで使用されるワイパー要素またはワイパーは、アプリケーターへの製品の装填を維持しながら、ロッドおよびアプリケーター上の過剰な製品を拭き取ることを可能にしなければならない。一般に、そのようなワイパーは、ボトルの首に固定された、多少柔軟なスリーブの形をしており、ロッドを拭くための端に小さな一定の直径の通路を画定する内壁を有する。ワイパーは、アプリケーターが通過できるように多少変形が可能である。そのようなアプリケーターは、特に、特許文献1、特許文献2または特許文献3、または特許文献4に見られる。
【0005】
特許文献3は、ワイパーを開示しており、その特徴の1つは、首の内側肩部の下に取り付けることができる外部リップからなる。突き出たエッジがワイパーを首の外縁に留める。これらの2つの要素の組み合わせた動作により、ワイパーを軸方向と半径方向の両方でコンテナーのネックに固定できる。問題は、ロッド、特にアプリケーターデバイスが通過するときにワイパーを所定の位置に保持することであり、後者はワイピングリップの狭くなった開口部を通過し、かなり変形して、引張り応力を受ける。したがって、妥協点を見つける必要があり、この目的のためにすでにさまざまなソリューションが開発されている。この場合に開示されるワイパーは、「フープ」または「銛」とも呼ばれる、円形または部分的に円形のリップを有する。この形状は柔軟である必要があり、ワイパーがコンテナーの首の開口部に配置されると平らになり、コンテナーの首の内側の肩部の下の自然な位置に戻る。したがって、容器の首部にワイパーを確実に保持することは、外部リップが容器から出るときにアプリケーターによってワイパーに加えられる除去力に抵抗する能力に関連している。
【0006】
特許文献4は、首部の肩部の下の容器内部に配置された部分が特別な分割リップを有するワイパーを記載している。これらのリップは特に柔軟で、首部を通過するときにロッドを効率的に拭くことができる。
【0007】
したがって、これらの特許出願または特許に開示されている現在のワイパー装置のすべては、外部リップを有し、その効果は、それが使用される容器の首の内部形状に密接に関連している。
【0008】
遭遇する別の問題は、容器が作られる材料に関係なく、容器、特に首部におけるの形状の不均一性に関する。これらの不規則性は本質的に製造に起因するものであり、寸法の違いは大きくなる可能性がある。さらに、表面状態は異なる場合がある。いくつかの容器は滑らかな内面を持っているかもしれないし、他のものの内面は粗いかもしれない。これらの異常は、ワイパーが首にしっかり固定されない原因となりうる。
【0009】
ガラスで作られたボトルまたは容器に関しては特に、製造の品質に関わらず、これらのボトルは、首部の肩部に非常に不規則な内部形状を有する。基準面(首部の上面)に対する制限(肩部の内側)の垂直位置は正確ではなく、数mm程度変動する可能性がある。内側の肩部の張り出し面は均一ではない。さらに、首部の開口部と肩部との間のフィレット半径は非常に近似的であり、その寸法はこのタイプのプロセスでは保証されない。
【0010】
プラスチック容器は、特にブロー成形によって作られる場合、生産の品質に関係なく、首部の内側の肩部の規則正しい位置を保証するができない。これらのボトルは、首部の肩部に非常に不規則な内部形状を有する。基準面(首部の上面)に対する制限(肩部の内側)の垂直位置は正確ではなく、数mm程度変動する可能性がある。内側の肩部の張り出し面は均一ではない。さらに、首部の開口部と肩部との間のフィレット半径は非常に近似的であり、その寸法はこのタイプのプロセスでは保証されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】欧州特許第1066771号公報
【文献】欧州特許第1221874号公報
【文献】欧州特許第1275322号公報
【文献】仏国特許第3026274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、従来技術の欠点を克服すること、特に、容器の首部へのワイパーの取り付けを強化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、ペースト状の化粧品を塗布するためのアプリケーターアセンブリ用のワンピースワイパー装置に関し、前記アプリケータアッセンブリは、把持ロッドおよび前記化粧品を塗布するための塗布手段を有する少なくとも一つのアプリケーター、前記アプリケーターが長手方向軸と呼ばれる軸XXに沿ってスライドするネックを有する容器、前記首部の内側に嵌合することができ、前記容器の首部の縁に取り付けるための第1のフランジを備える実質的に円筒形状を有する前記ワイパー装置、および前記首部の内側肩部に取り付けるための第2のフランジ、および前記容器の内側に突出するリップを含む。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、第2の外側フランジは、実質的に前記内部リップおよび軸受の近くに配置された環状の外部突起を含み、当該装置が首部に係合しているときの首部の肩部の内部表面と接触することができる少なくとも1つの追加要素を外部に備え、これにより、ワイパー装置は、どのような表面であっても、首部の内部表面との最適化された最大の接触有する。
【0015】
追加要素に結合する外部突出部は、有利には、首部の内部の寸法の不規則性を補うことを可能にしながら、ワイパーが首部の適切な位置に保持されることを確実にする。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記追加要素は、軸XXと鋭角をなす平面に延在し、首部の縁から第1の距離に位置する第1の組のタブを含む。タブは、肩部に表面または寸法の不規則性がある場合でも、肩部に完全に適合した表面接触を可能にする。
【0017】
別の可能性によれば、前記追加要素は、波状の可撓性環状ストリップを含む。この柔軟なストリップは首部の内部表面に完全に合致する。
【0018】
さらなる特徴によれば、前記追加要素は、前記第1のセットのタブに対して、軸XXに沿ってオフセットされた第2のセットのタブを含んでもよい。タブの第2のセットは、タブの第1のセットの方向と同様の方向を有してもよい。
【0019】
本発明のさらなる特徴によれば、前記第1のタブの自由端にリングが設けられる。
【0020】
ワイパーは、追加要素の表面から上方に突出し、首部の肩部の内部表面と接触するように構成されたスタッドまたは突起をさらに含むことができるこの性質は、このレベルでワイパーのより良いグリップを可能にする。
【0021】
好ましくは、第1および/または第2のタブのセットは、2~64個のタブを含む。
【0022】
有利には、前記タブは、軸XXの周りに規則的に、角度的に分配される
例として、本発明による装置は、加硫可能なゴム、またはシリコーン、または熱可塑性エラストマー、または3Dプリンタなどの「材料の追加による」製造のための機械によって使用される他の任意の可撓性材料から作製され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明を示す添付Aの図面を参照して、以下の説明を読むと明らかになるであろう。
【
図1A】
図1Aは、本発明の第1の実施形態によるワイパー装置の側面図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の第1の実施形態によるワイパー装置の上面図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の第2の実施形態によるワイパー装置の側面図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の第2の実施形態によるワイパー装置の上面図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の第3の実施形態によるワイパー装置の側面図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の第3の実施形態によるワイパー装置の上面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の第4の実施形態によるワイパー装置の側面図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の第4の実施形態によるワイパー装置の上面図である。
【
図5】
図5は、容器の首部に配置された本発明によるワイパー装置を示す長手断面図である。
【
図6】
図6は、フィン上にスタッドを備えた、第1の実施形態による装置の斜視図である。
【
図7】
図7は、フィンに突起を有する、第1の実施形態による装置の斜視図である。
【0024】
明確にするために、同一または類似の要素は、すべての図において同一の参照符号によって識別される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図5は、化粧品アプリケーターアセンブリと共にワイパー装置を示す。アセンブリは、特に、把持ロッド11および化粧品12を塗布するための塗布手段を備えたアプリケーター10、ならびにアプリケーター10がその中でスライドする首部14を有する容器13を含む。塗布手段12は、メイクアップの目的でケラチン繊維と接触する毛またはスパイクを有するブラシ毛に類似してもよい。さらに、容器13は閉じられ、多少粘性のある、特にペースト状の化粧品で満たされる。容器13は一般に軸対称であり、したがって、アプリケーター10がそれに沿ってスライドする長手方向軸XXを有する。当然に、アプリケーターは容器内で回転させてもよい。これは、塗布手段12が容器13の内部に存在する化粧品と接触しているときに、アプリケーターが化粧品を引き上げるかまたは装填されるようにする方法である。使用者によりアプリケーター12が容器13から取り外されると、それは容器13の首部14に取り付けることができる、概ね円筒形または実質的に円筒形のワイパー装置1を備えた容器13の首部14を通過する。
【0026】
既知の方法で、ワイパー装置1は、第1の端部に、ワイパー装置を首部14の外縁に取り付けるための第1の環状フランジ2を有する。|第1のフランジは、アプリケーター10が容器13に挿入されたときに、ワイパー装置1が首鵜b14内で軸方向に保持されることを可能にする。ワイパー装置は、その第2の端部の近くに、容器13の首部14に形成された肩部15と相互作用することができる第2の外側フランジ3を有する。第2のフランジ3の目的は、アプリケーター10が容器13から取り外されたときにワイパー装置を軸方向に保持することである。
【0027】
塗布装置またはブラシ12は、剛毛またはスパイクの端部が、首部でワイパー1の内壁と同一平面になるような寸法である。ロッド11に持ち上げられる化粧品の量を制限するために、ワイパー1を介してある方向または他の方向にアプリケーター10が通過するたびにロッドを拭くために、ロッド11の直径に近い直径を有する少なくとも1つの内部リップ4が一般に提供される。当然ながら、内部リップ4のさまざまな形状、方向、および寸法が知られている。
【0028】
本発明によれば、第2のフランジ3は、実質的に前記内部リップ4の近くに配置された可撓性環状外部突出部を含むか、またはそれから形成される。好ましくは、同様の「高さ」が第2のフランジ3および内部リップ4に対して選択される。リップ4が存在しない場合、第2のフランジ3は、例えば、長手方向軸XXに沿って測定されるその高さの4分の1と3分の1との間の、ワイパーの内端の近くに配置される。
【0029】
図1~4は、本発明の異なる変形、より具体的には、「円形フープ」または「環状外部突出部」30を備える第2のフランジ3の変形を示す。有利には、このフープ30は、いくつかの形状を有することができる、少なくとも1つの追加要素を外側から支えている。環状フープは、ワイパー1の本体の外周の周りで連続的であっても不連続であってもよい。
【0030】
図1A、1Bおよび1Cは、環状フープ30が連続的であり、長手方向軸XXと鋭角を成して円形平面に延びる第1の組のタブ31を支持する実施形態を示す。言い換えると、タブ31は、ワイパーの第1のフランジ2に向かって配向する。
【0031】
図2A、2Bおよび2Cは、環状フープ30がワイパーの周りで不連続である場合を示す。フープ30の各角度セグメントは、タブ31を支える。さらに、第2の組のタブ32はワイパー1の本体の周りに設けられてもよい。タブ32の第2のセットは、タブ31の第1のセットに対して軸方向にオフセットされている。タブ32は、タブ31よりも上部フランジ2の近くに配置される。さらに、第1および/または第2のタブのセットは、各セットについて、タブが規則的に角度的に分布しているという事実に基づいて、角度的にオフセットされるように選択される。
【0032】
図3A、3Bおよび3Cは、第1のタブ31の自由端にリング33が存在することにより、
図2A、2Bおよび2Cとは異なる。リング33が第2のタブ32と実質的に同じ高さに配置されていることが分かる。目的は、特にその内部表面に不規則性がある場合、または肩部2に大きな寸法差がある場合でも、第2フランジ3と肩部15との間の接触面を増やすことである。
【0033】
図4A、4Bおよび4Cはまた、有利な接触表面を示す。接触がない場合、つまり、ワイパーが首部bに配置されていない場合、追加要素は、この場合、特に、これに限定されないが、上記のすべての表面および/または寸法上の欠陥にぴったりとフィットする、波状のカラーやラフなどの波状の柔軟な環状ストリップの形である。肩部の内部表面に接触すると、カラーは何であれ、この面に完全に押し付けられる。
【0034】
図6は、
図1による実施形態の改良バージョンを示す。改良点は、第1の組のタブ31の上面から上方に突き出ている1組のスタッド310からなる。スタッド」とは、スパイクの一種を意味し、その数は必要に応じて異なる。これらのスタッドは、タブが首部14の肩部15の不規則な表面をよりよくグリップするのに役立つ。したがって、当業者はスタッド310の密度を自由に選択することができる。タブの「上面」とは、第1のフランジ2に面するタブ31の表面を意味する。
【0035】
図7はまた、
図1の実施形態の改良に関する。この場合、突出部または補強部320は、タブの上面に設けられる。突出部は、タブ31と反対側に配置された肩部の表面との間の接触を改善および強化する。同じタイプの突起が、環状の外部突起またはフープ30上に提供されてもよい。
【0036】
タブの数に関して、タブの第1および/または第2のセットは、好ましくは2~64個のタブを含む。
【0037】
以下の表は、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、NBR70shAで作られた様々なワイパーの引張試験の結果を示している。
【0038】
【0039】
表の第1列は、従来技術による、すなわち本発明の特徴を持たないワイパーに関する。表の2行目は、
図1A、1B、1Cのワイパーに関し、表の3行目は、
図3A、3B、3Cに示すワイパーに関連しています。値は、ワイパーが外れる前の、ニュートンで表される引張力である。列B1は、首部の高さが可変のボトルまたは容器に対応する。列B2は、一般的に得られる製造上の欠陥があるボトルに対応する。各カテゴリで、3つのボトルがすべて同じ型からテストされた。本発明によるワイパー、「フィンおよび歯」および「リング」を備えたボトルは、従来技術によるボトルよりも優れた引張強度を有することに留意されたい。
【0040】
容器に最も一般的に使用されるプラスチックは、PP(ポリプロピレン)、PAおよびPETG(ポリエチレンテレフタレート)であり、これらは、容器に含まれる化粧品とのそれらの化学的適合性に従って選択される。
【0041】
ワイパー自体に関しては、ワイパー部材がNBR(ニトリルブタジエンゴム)などの加硫可能なゴムで作られることが工業的製造において知られている。また、TPE-S(SEBS、SBSなど)、TRE-V(PPおよびEPDM)、TPE-U(熱可塑性ポリウレタン)のクラスに属するシリコーンまたは熱可塑性エラストマーも使用される。