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特許7118161勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/36 20060101AFI20220805BHJP
【FI】
A61L27/36 130
A61L27/36 311
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020543063
(86)(22)【出願日】2019-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 CN2019077754
(87)【国際公開番号】W WO2020147181
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201910044252.7
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520295122
【氏名又は名称】浙江大学医学院附属邵逸夫医院
【氏名又は名称原語表記】Sir Run Run Shaw Hosoital Zhejiang University School of Medicine
【住所又は居所原語表記】No 3,Qingchun East Road,Jianggan District Hangzhou,Zhejiang 310016,China
(73)【特許権者】
【識別番号】520295133
【氏名又は名称】浙江狄▲賽▼生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Disai Biotechnology Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Room 115,Building 3,Zhonghao Qige Commercial Center,Jianggan Hangzhou,Zhejiang 310018,China
(74)【代理人】
【識別番号】100178434
【弁理士】
【氏名又は名称】李 じゅん
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲賢▼▲豊▼
(72)【発明者】
【氏名】柳 世▲傑▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲藝▼▲芸▼
(72)【発明者】
【氏名】芦 雅智
(72)【発明者】
【氏名】范 ▲順▼武
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106215238(CN,A)
【文献】特表2001-520914(JP,A)
【文献】米国特許第06652592(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第103536965(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102871774(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105435307(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0166879(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 27/36
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然組織由来の骨組織に対して免疫原性の除去処理を行い、即ち脱細胞化を行い、得られた脱細胞化骨に対して勾配脱灰処理を行い、勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料を得ることを特徴とする勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法であって、
哺乳動物の全身の任意の骨組織からドリルで取り出された骨から更にメスで切り取られた円筒形の骨ブロック材料を、滅菌生理食塩水で2時間洗浄してから照射滅菌を行い、前記照射の照射量は5~40wであるステップ1と、
プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水ですすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去するステップであって、前記プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水において、プロテアーゼ阻害剤の濃度は10~50KIU/mlであり、脱イオン水での洗浄回数は2~6回で、毎回の洗浄時間は3~20分であるステップと、
骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、包埋カセットを、アセトンを含む脱イオン水溶液に入れ、1~4時間振とうするステップであって、前記アセトンを含む脱イオン水溶液において、アセトンの脱イオン水に対する体積割合は10~20%であるステップと、
包埋カセットを、リン酸トリブチルを含む脱イオン水溶液に入れ、1~4時間振とうするステップであって、前記リン酸トリブチルを含む脱イオン水溶液において、リン酸トリブチルの脱イオン水に対する体積割合は1%~5%であるステップと、
包埋カセットを、プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液に入れ、4℃で、シェーカーにて24~48時間振とうした後、液体窒素で2~6サイクル凍結融解するステップであって、各サイクルは-80℃~37℃で、シェーカー速度は50~300rpmであるステップと、
包埋カセットをTriton X-100を含む緩衝液に入れ、恒温シェーカーにて24時間振とうし、前記Triton X-100の濃度は0.5~5%であるステップと、
SDSを含む緩衝液において、恒温シェーカーにて36時間振とうし、前記SDSの濃度は0.5~10%であるステップと、
塩化カリウムを0.1~1Mの濃度で含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで2~12時間振とうするステップと、
ヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで2~12時間振とうし、脱イオン水における前記ヨウ化カリウムの濃度は1~1.5Mであるステップと、
EDTA2NaとNaOHを含む緩衝液において、4℃~10℃の条件下で、それぞれ4、8、12、24時間の勾配脱灰処理を行い、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を取得するステップ10と、
得られた材料を再度照射滅菌するステップ11と、を含み、
ステップ~ステップ10において、各ステップが完了した後、ステップ間はいずれも脱イオン水で6時間すすぐ、ことを特徴とする勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【請求項2】
前記プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水において、プロテアーゼ阻害剤の濃度は20~40KIUであることを特徴とする請求項1に記載の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【請求項3】
前記アセトンを含む脱イオン水溶液において、アセトンの脱イオン水に対する体積割合は13%~18%であることを特徴とする請求項1に記載の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【請求項4】
前記リン酸トリブチルを含む脱イオン水溶液において、リン酸トリブチルの脱イオン水に対する体積割合は2%~5%であることを特徴とする請求項1に記載の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【請求項5】
シェーカー速度は30~180rpmであることを特徴とする請求項1に記載の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【請求項6】
前記Triton X-100の濃度は0.5~3%であることを特徴とする請求項1に記載の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【請求項7】
前記SDSの濃度は0.5~5%であることを特徴とする請求項1に記載の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【請求項8】
脱イオン水における前記塩化カリウムの濃度は0.3~1Mであることを特徴とする請求項1に記載の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【請求項9】
脱イオン水における前記ヨウ化カリウムの濃度は1~1.4Mであることを特徴とする請求項1に記載の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨組織の修復及び再生の技術分野に属するものであり、具体的には、天然組織由来の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨の再生修復は、長い過程である。特に、重度の骨欠損は、自己修復が比較的難しい。現在、骨移植片材料は幅広い応用が見込まれる代替治療として認められている。その中で、天然骨組織、特に天然海綿骨の細胞外マトリックス(Cancellous bone matrix,CBM)には、細胞の成長及び骨組織の修復を促進するための豊富なコラーゲン、成長因子などが含まれている。それだけでなく、大量のミネラル(Ca2+、PO4-3、Mg2+等のイオンを含む)も含まれている。近年、ミネラルイオン(Ca2+、PO4-3、Mg2+など)が新生骨組織の修復、骨形成関連の血管新生、コラーゲン鉱化などに非常に重要な調節と促進効果をもたらすことが、ますます多くの研究で示されている[1~5]。さらに、ミネラルの含有量は材料の三次元構造、空隙率、マイクロバイオメカニクスの特性などにも影響し、上記の材料の特性評価は、骨の修復再生に対して明らかな調節効果を持っている[6]。例えば、材料の硬度及び弾性係数は骨芽細胞の行動誘導及び骨の修復能力に明らかな促進効果をもたらすことが、研究で示されている[7]。バイオコラーゲンの鉱化は骨形成効果及び骨組織の再生過程を明らかに促進できることも、より多くの学者によって認められている[8]。
【0003】
近年、天然の骨マトリックス由来に基づくバイオ材料が徐々に調製され、臨床に使い始められているが、初期の骨修復の理論的なメカニズムに関する研究が不足していたため、現在の一般的な骨マトリックス材料には特定の欠陥が存在している。例えば、免疫原性を低下させて骨修復を促進させる目的を達成するために、天然の骨マトリックスの細胞成分を完全に除去して海綿骨ECM(Extracellular matrix)足場材料を調製したことが報告されている[9]。しかし、骨修復の過程は、血腫の組織化段階、骨カルスの形成段階、骨カルスの成形段階などの段階を経る必要があるが、生体材料の応用は、しばしば血腫の組織化段階の前後に行われるため、成熟して緻密になり、完全に鉱化された骨ECM材料は、再生を促進するために新しい骨と十分に融合することができなくなる。完全な脱灰骨マトリックス材料を採用して骨組織の修復再生に使用することも、文献に報告されているが、従来の処理プロセスにおいて強酸及び長期EDTA-2Naで浸漬することで脱灰することは[10]、しばしば天然の骨ECM足場材料への不可逆的な損傷をもたらし、バイオメカニクスの特性を低下させ、ミネラルや成長活性因子の損失及び三次元ミクロ構造の変化をもたらし、足場の生物学的な再生と修復活性に深刻な影響を与える。
【0004】
従って、上記の背景に基づいて、本特許は、天然の骨修復の過程で必要とされる再生微小環境をよりよくシミュレートでき、損傷した骨組織に対し、「適切なタイミング及び適切な方法」でよりよく再生及び修復を促進することができる材料を提案している。天然組織由来の骨材料を使用し、免疫原性の除去技術及び精密・低温・快速な超音波による軟化法を使用して、特定の正確に勾配鉱化された骨ECM材料を調製する。該当材料は、免疫原性が低いことに加えて、生物活性成分が豊富で、バイオメカニクスの特性が優れ、三次元ミクロ構造及び特定の程度のミネラル富化(Ca2+、PO4-3など)があり、新生骨組織の優れた再生と血管新生を達成するために非常に優れた促進効果を有する[11-13]。さらに、本発明は、バイオミネラル化材料の研究のために、天然の骨マトリックスに基づく正確に勾配鉱化された新規な材料システムを提供することもできる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、先行技術の欠陥に対して、天然組織由来の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料(Decellularized cancellous bone matrix,DCBM)及びその調製方法を提供する。
【0006】
本発明に係る勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製方法は、具体的には、天然組織由来の骨組織に対して免疫原性の除去処理を行い(即ち、脱細胞化)、得られた脱細胞化骨に対して勾配脱灰処理を行い、勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料を得ることにある。
【0007】
具体的には、以下のステップ1~12を含む。
【0008】
ステップ1では、哺乳動物の全身の任意の骨組織を取り、ドリルで骨を取り出し、メスで円筒形の骨ブロックに切る。
【0009】
ステップ2では、材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄した後、照射滅菌を行う。前記照射の照射量は5~40wである。
【0010】
ステップ3では、プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水ですすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。前記プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水において、プロテアーゼ阻害剤の濃度は10~50KIU/mlである。脱イオン水の洗浄回数は2~6回で、毎回の洗浄時間は3~20分である。
【0011】
ステップ4では、骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、包埋カセットを、アセトンを含む脱イオン水溶液に入れ、1~4時間振とうする。前記アセトンを含む脱イオン水溶液において、アセトンの脱イオン水に対する体積割合は好ましくは10~20%である。
【0012】
ステップ5では、包埋カセットを、リン酸トリブチルを含む脱イオン水溶液に入れ、1~4時間振とうする。前記リン酸トリブチルを含む脱イオン水溶液において、リン酸トリブチルの脱イオン水に対する体積割合は1%~5%である。
【0013】
ステップ6では、包埋カセットを、プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液に入れ、4℃で、シェーカーにて24~48時間振とうした後、液体窒素で2~6サイクル凍結融解し、各サイクルは-80℃~37℃で、シェーカー速度は好ましくは50~300rpmである。
【0014】
ステップ7では、包埋カセットを、Triton X-100を含む緩衝液に入れ、恒温シェーカーにて24時間振とうする。前記Triton X-100の濃度は0.5~5%である。
【0015】
ステップ8では、SDSを含む緩衝液において、恒温シェーカーにて36時間振とうする。前記SDSの濃度は0.5~10%である。
【0016】
ステップ9では、塩化カリウムを0.1~1Mの濃度で含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで2~12時間振とうする。
【0017】
ステップ10では、ヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで2~12時間振とうする。脱イオン水における前記ヨウ化カリウムの濃度は1~1.5Mである。
【0018】
ステップ11では、EDTA2NaとNaOHを含む緩衝液において、4℃~10℃の条件下で、それぞれ4、8、12、24時間の勾配脱灰処理を行う。100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を得る。
【0019】
ステップ12では、得られた材料を再度照射滅菌する。
【0020】
ステップ4~ステップ11において、各ステップの完了後、ステップ間はいずれも脱イオン水で6時間すすぐ。
【0021】
好ましくは、前記プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水において、プロテアーゼ阻害剤の濃度は20~40KIUである。
【0022】
好ましくは、前記アセトンを含む脱イオン水溶液において、アセトンの脱イオン水に対する体積割合は13%~18%である。
【0023】
好ましくは、前記リン酸トリブチルを含む脱イオン水溶液において、リン酸トリブチルの脱イオン水に対する体積割合は2%~5%である。
【0024】
好ましくは、シェーカー速度は30~180rpmである。
【0025】
好ましくは、前記Triton X-100の濃度は0.5~3%である。
【0026】
好ましくは、前記SDSの濃度は0.5~5%である。
【0027】
好ましくは、脱イオン水における前記塩化カリウムの濃度は0.3~1Mである。
【0028】
好ましくは、脱イオン水における前記ヨウ化カリウムの濃度は1~1.4Mである。
【0029】
また、本発明は、特定の勾配鉱化された骨ECM足場材料を提供する。
【0030】
好ましくは、勾配鉱化された骨ECM材料の鉱化の程度は90%と60%である。
【0031】
好ましくは、材料源はブタの肩甲骨である。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、低温で正確かつ迅速な超音波勾配脱灰処理により、より優れた再生と修復効果を持つ天然組織由来の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料を調製するものであり、免疫原性が低く、生物活性成分が豊富で、バイオメカニクスの特性が優れ、三次元ミクロ構造及び特定の程度のミネラル富化(Ca2+、PO4-3など)があり、新生骨組織の優れた再生と血管新生を達成するために非常に優れた促進効果を有する。臨床的にさまざまな原因によって引き起こされる骨欠損、骨不接合などの骨再生障害を修復するために使用できる。さらに、バイオミネラル化材料の研究のために、天然の骨マトリックスに基づく正確に勾配鉱化された新規な材料システムを提供することもできる。
【0033】
既存の非脱灰または完全脱灰された天然の骨マトリックス製品と比較して、本発明(90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料)の明らかな進歩は、次の通りである。
1)特定の低温における正確な部分的な脱灰処理は、骨マトリックス材料の空隙率及びその表面コラーゲンの露出度を拡大させ、効果的に成長因子を放出させ、細胞への材料の粘着度をよりよく増加させ、細胞再生に関連する遺伝子とタンパク質のアップレギュレーションを調節する。
2)一方、特定の程度のミネラル富化(Ca2+、PO4-3など)は天然の骨ECM足場のバイオメカニクスの特性と三次元ミクロ構造を十分に保持するだけではなく、より重要なことは、骨形成、血管新生及び骨折初期(血腫の組織化段階)のコラーゲンの鉱化に対して積極的な役割を果たし、細胞の定着付着を増加させ、細胞の分化誘導を促進する。
3)天然組織由来の勾配鉱化された(90%と60%の鉱化の程度)骨の細胞外マトリックス材料は、非脱灰または完全脱灰された骨マトリックス材料よりも間葉系幹細胞の分化と骨形成を促進する面でより大きな可能性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1で、A-Bは、新規な勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の脱細胞化及び鉱化の一般的な外観図を示す。Cは、脱細胞化された後の材料のDNA含有量が明らかに減少し、細胞成分と免疫原性の物質をほとんど含まないことを示す。Dは、勾配脱灰を経て、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の材料を得ることを示す。Eは、EDS分析により、材料の鉱化の程度が減少した後、カルシウムとリンの含有量が明らかに減少したことを示す。Fは、マッソン(Masson)染色により、材料の鉱化の程度が減少した後、鉱化された未熟コラーゲン線維の露出が増加し、脱細胞化された後、各グループの細胞が完全に除去され、明らかな免疫原性物質がなくなったことを示す。
図2図2で、Aは、走査型電子顕微鏡の500倍の視野で、骨ECM材料の鉱化の程度が減少した後、表面がより滑らかになり、カルシウム結節の分布が減少したこと、5000倍の視野では、鉱化の程度が減少した後、コラーゲン線維の露出が増加したことを示す。Bは、免疫組織化学の染色図で、鉱化の程度が減少した後、材料におけるBMP-2の露出が徐々に増加したことを示す。
図3図3で、A-Bは、骨ECM材料の鉱化の程度が減少した後、空隙率が増加し、抵抗変形能力の指数である剛性が減少したことを示す。Cは、異なる鉱化の程度の骨ECM材料のピークフォース差の変化図(スケールは1μm)を示す。Dは、骨ECM材料のミクロ力学特性の変化図で、鉱化の程度が減少するに伴い、表面のヤング率(Young‘s modulus)が減少し、変形量が増加し、粘着力が減少したことを示す。
図4図4は、骨ECM材料に細胞を移植した後の細胞粘着効果を示す。A-Bは、DAPI染色及び電子顕微鏡の5000倍の視野で、90%、60%の鉱化の程度の骨ECM材料の細胞粘着能力と細胞の伸展が良好であるが、100%、0%の骨材料の細胞粘着能力は減少し、細胞の伸展が不良であることを示す。
図5図5で、Aは、異なる濃度の骨ECM材料の浸出液で骨間葉系幹細胞を1~5日間培養したところ、90%、60%の鉱化の程度の骨ECM材料は間葉系幹細胞の増殖活性に対して明らかな影響がないことを示唆する。Bは、異なる鉱化の程度の骨ECM材料に間葉系幹細胞を再度移植した後、細胞内におけるCol-1α、ALP、BMP-2遺伝子の相対的な発現状態をqPCRで検出したところ、90%、60%の鉱化の程度の材料の骨形成誘導タンパク質の発現量がより高かったことを示す。
図6図6で、A-Bは、異なる鉱化の程度の骨ECM材料に再移植した2週間と4週間後、間葉系幹細胞におけるBMP-2、MEK-1遺伝子の相対的な発現レベルを免疫蛍光染色で検出したところ、90%、60%の鉱化の程度の材料におけるBMP-2及びMEK-1の発現が多いため、該当材料によるBMP-2発現の促進は適切な濃度のカルシウムイオンの刺激に関連する可能性があることを示唆する。
図7図7で、Aは、骨ECM材料をウサギの大腿骨の骨欠損モデルに埋め込んで2週間と4週間後、骨欠損部位のマッソン(Masson)3色染色図で、90%、60%の鉱化の程度の材料による骨小柱と血管成長を促進する能力が優れていることを示唆する。Bは、免疫組織化学染色により、移植した2週間後、欠損部位におけるII型コラーゲンの発現状態を示し、骨ECM材料による骨修復の促進は軟骨内の骨形成過程に係る可能性があることを示唆する。
図8図8で、Aは、骨ECM材料を骨欠損モデルに埋め込んで2週間後、骨欠損部位における血管新生状態であって、90%、60%の鉱化の程度の材料による血管新生を促進する能力が優れることがわかる。Bは、骨ECM材料を骨欠損モデルに埋め込んで2週間後、骨欠損部位におけるVEGFAタンパク質の発現レベルであり、90%、60%の鉱化の程度の材料によるVEGFAタンパク質発現を促進する能力が優れることがわかる。Cは、それぞれ、骨ECM材料を骨欠損モデルに埋め込んで2週間と4週間後、新生血管の数、面積、及び厚さの定量化図であって、90%、60%の鉱化の程度の骨による血管の成長及び成熟を促進する能力が大きいことがわかる。
図9図9で、A-Bは、骨ECM材料を骨欠損モデルに埋め込んで2週間と4週間後、MicroCTでスキャンされ再構成された三次元合成画像であり、90%、60%の鉱化の程度の材料による骨修復の能力は100%及び0%より優れることを示す。Cは、骨ECM材料を骨欠損モデルに埋め込んで2週間と4週間後、新生した骨小柱の数と厚さであり、90%、60%の鉱化の程度の材料による骨小柱の成長を促進する能力がより優れることを示す。
図10図10で、A-Bは、骨ECM材料を骨欠損モデルに埋め込んで2週間と4週間後、骨欠損部位におけるH&E染色及び修復面積の定量化図であり、異なる鉱化の程度の骨ECM材料はいずれも骨欠損の修復を促進できるが、90%、60%の鉱化の程度の材料による修復能力は、100%、0%の材料より優れることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、天然組織由来の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料及びその調製方法を提供する。
【0036】
以下、実施例と併せて、本発明によって提供される天然組織由来の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料及びその調製方法を詳細に説明するが、それらは本発明の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0037】
実施例1.ブタの肩甲骨の特定部分による脱灰海綿骨ECM材料の調製
1)新鮮なブタの肩甲骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄した後、照射センターに送り、25Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)20KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で各回10分間ずつ3回すすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。
4)500mlの脱イオン水を含む高温滅菌した1Lガラス瓶及び20個の包埋カセットを準備する。滅菌操作台で滅菌手袋を装着し、3つの滅菌後の骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、15%のアセトンを含む脱イオン水溶液10mlに入れ、10℃で2時間恒温振とうする。
5)包埋カセットを、2%のリン酸トリブチルを含有する脱イオン水溶液5mlに入れ、10℃で4時間恒温振とうする。
6)包埋カセットを、プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液中に入れ、4℃で、シェーカーを使用して50rpmで24時間振とうした後、液体窒素で3サイクル(-80℃/37℃)凍結融解する。
7)包埋カセットを5mLの2%Triton X-100に入れ、10℃の恒温シェーカーに入れ、100rpmで24時間振とうする。
8)包埋カセットを、5%のSDSを含む脱イオン水に入れ、10℃の恒温シェーカーを使用して、100rpmで36時間振とうする。
9)0.5Mの塩化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃で、シェーカーを使用して100rpmで6時間振とうする。
10)1Mのヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで6時間振とうし、脱細胞化された骨ECM材料を得る(図1A)。
11)脱灰溶液(脱イオン水1750ml+EDTA-2Na 450g+NaOH 35g)を調製する。骨ブロックを取り出し、250kHz,4℃の条件下で、脱灰装置において、それぞれ4、8、12、24時間の脱灰を行う。
12)ステップ(4)~(11)において、各ステップが完了した後、ステップ間はいずれも脱イオン水で6時間すすぐ。
13)骨ブロックを取り出し、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を得る(図1B)。材料を25wで再度照射滅菌する。
【0038】
実施例2.ブタの肩甲骨による90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料の測定
1)新鮮なブタの肩甲骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄した後、照射センターに送り、40Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)10KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で各回20分間ずつ3回すすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。
4)500mlの脱イオン水を含む高温滅菌した1Lガラス瓶及び20個の包埋カセットを準備する。滅菌操作台で滅菌手袋を装着し、3つの滅菌後の骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、15%のアセトンを含む脱イオン水溶液10mlに入れ、10℃で4時間恒温振とうする。
5)包埋カセットを、2%のリン酸トリブチルを含有する脱イオン水溶液5mlに入れ、10℃で4時間恒温振とうする。
6)プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液において、4℃で、シェーカーを使用して100rpmで24時間振とうした後、液体窒素で3サイクル(-80℃/37℃)凍結融解する。
7)包埋カセットを5mLの2%Triton X-100に入れ、10℃の恒温シェーカーに入れ、100rpmで24時間振とうする。
8)包埋カセットを、5%のSDSを含む脱イオン水に入れ、10℃の恒温シェーカーを使用して、100rpmで36時間振とうする。
9)0.5Mの塩化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃で、シェーカーを使用して100rpmで6時間振とうする。
10)1Mのヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで6時間振とうし、脱細胞化された骨ECM材料を得る(図1A)。
11)脱灰溶液(脱イオン水1750ml+EDTA-2Na 450g+NaOH 35g)を調製する。骨ブロックを取り出し、250kHz,4℃の条件下で、脱灰装置において、それぞれ4、8、12、24時間の脱灰を行う。
12)ステップ(4)~(11)において、各ステップが完了した後、ステップ間はいずれも脱イオン水で6時間すすぐ。
13)骨ブロックを取り出し、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を得る(図1B)。材料を25wで再度照射滅菌する。
14)脱細胞化処理後、材料のDNA含有量の検出量は非常に少ない(図1C)。
15)100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の鉱化含有量(カルシウムイオンの含有量を例とする)を検出する。具体的には、90%の鉱化の程度の骨ECM材料(4時間の脱灰処理)グループは4.58±0.01mmol/mgで、60%の鉱化の程度の骨ECM材料(8時間の脱灰処理)グループは3.26±0.38mmol/mgで、0%の鉱化の程度の骨ECM材料(12時間の脱灰処理)にはカルシウムイオンがほとんど含まれていない(100%の鉱化の程度の骨ECM材料(即ち、脱灰前の材料)におけるカルシウムイオンの含有量は4.99±0.22mmol/mgである)(図1D)。
16)100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の空隙率を測定する。脱灰時間の増加に伴い、空隙率が増加する(図3A)。
17)100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の剛性を測定する。剛性とは、圧力、変形に対する耐性の指標であって、鉱化の程度の減少に伴い対応する鉱化の程度の材料の剛性は順に減少し、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料(脱灰4時間、8時間、12時間)の剛性はそれぞれ5.71±0.46N/mm、3.68±0.18N/mm、及び2.53±1.62N/mmである(100%の鉱化の程度の骨ECM材料(即ち、脱灰前の材料)の剛性は21.55±1.62N/mmである)(図3B)。
【0039】
実施例3.ブタの肩甲骨による90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料の特性評価
1)新鮮なブタの肩甲骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄した後、照射センターに送り、5Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)50KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で毎回10分間ずつ2回すすぎ、血液、脂肪組織、及びその他の不純物を除去する。
4)500mlの脱イオン水を含む高温滅菌した1Lガラス瓶及び20個の包埋カセットを準備する。滅菌操作台で滅菌手袋を装着し、3つの滅菌後の骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、10%のアセトンを含む脱イオン水溶液10mlに入れ、10℃で1時間恒温振とうする。
5)包埋カセットを5%のリン酸トリブチルを含有する脱イオン水溶液5mLに入れ、10℃で3時間恒温振とうする。
6)プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液中において、4℃で、シェーカーを使用して50rpmで36時間振とうした後、液体窒素で2サイクル(-80℃/37℃)凍結融解する。
7)包埋カセットを5mLの2%Triton X-100に入れ、10℃の恒温シェーカーに入れ、100rpmで24時間振とうする。
8)包埋カセットを、5%のSDSを含む脱イオン水に入れ、10℃の恒温シェーカーを使用して、100rpmで36時間振とうする。
9)0.5Mの塩化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃で、シェーカーを使用して100rpmで6時間振とうする。
10)1Mのヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで6時間振とうし、脱細胞化された骨ECM材料を得る(図1A)。
11)脱灰溶液(脱イオン水1750ml+EDTA-2Na 450g+NaOH 35g)を調製する。骨ブロックを取り出し、250kHz,4℃の条件下で、脱灰装置において、それぞれ4、8、12、24時間の脱灰を行う。
12)ステップ(4)~(11)において、各ステップが完了した後、ステップ間はいずれも脱イオン水で6時間すすぐ。
13)骨ブロックを取り出し、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を得る(図1B)。材料を25wで再度照射滅菌する。
14)走査型電子顕微鏡(SEM)の観察により、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の超微細構造の特徴を得る。他のグループと比較して、100%と90%の鉱化の程度の骨ECM材料(即ち、脱灰0及び4時間)の表面はより粗く、空隙はより小さい。また、4つのグループ間のコラーゲン線維の構造と配列にも差異が存在する。100%の鉱化の程度の骨ECM材料(即ち、脱灰前の材料)のグループにおいては、ほとんどのコラーゲン線維は表面に覆われているが、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料(脱灰4時間及び8時間)の表面は、コラーゲン線維の露出が多く、配列規則が良好で、細胞のためにより多くの接着滞留位置が形成されている。しかしながら、0%の鉱化の程度の骨ECM材料(脱灰12時間)は、コラーゲン原線維の構造がより無秩序で、緻密性がより悪く、細胞の滞留に不利である(図2A)。
15)原子間力顕微鏡法(AFM)も、同じく、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料における表面露出コラーゲンがより多いことを示している(図3C~D)。
16)免疫組織化学的染色は、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料の表面におけるBMP-2の発現量が増加することを示している(図2B)。
17)EDS法によって、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の特定の領域におけるC、P、Ca(炭素、リン、カルシウム)の比率を測定した(図1E、F)。Cをレファレンスとして、選択性電極法で測定されたCa濃度によれば、材料の鉱化の程度が減少するに伴い、Ca密度はより分散される。また、リン含有量の変化はカルシウムの変化と一致し、鉱化の程度が減少するに伴い、分散度は増加する。AFMにより、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の超微細機械的特性を評価した。天然の骨ECM由来の材料の鉱化の程度の違いにより、我々は、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料は、より多くの原線維が表面に露出し、細胞粘着のために多くのRGDリガンドを提供していることが見いだされた。
【0040】
実施例4.骨髄間葉系幹細胞を90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料に移植
1)新鮮なブタの肩甲骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄した後、照射センターに送り、25Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)20KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で各回10分間ずつ3回すすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。
4)500mlの脱イオン水を含む高温滅菌した1Lガラス瓶及び20個の包埋カセットを準備する。滅菌操作台で滅菌手袋を装着し、3つの滅菌後の骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、15%のアセトンを含む脱イオン水溶液10mlに入れ、10℃で2時間恒温振とうする。
5)包埋カセットを、2%のリン酸トリブチルを含有する脱イオン水溶液5mlに入れ、10℃で4時間恒温振とうする。
6)プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液において、4℃で、シェーカーを使用して24時間振とうした後、液体窒素で3サイクル(-80℃/37℃)凍結融解する。
7)包埋カセットを5mLの2%Triton X-100に入れ、10℃の恒温シェーカーに入れ、100rpmで24時間振とうする。
8)包埋カセットを、5%のSDSを含む脱イオン水に入れ、10℃の恒温シェーカーを使用して、100rpmで36時間振とうする。
9)0.5Mの塩化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃で、シェーカーを使用して100rpmで6時間振とうする。
10)1Mのヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで6時間振とうし、脱細胞化された骨ECM材料を得る(図1A)。
11)脱灰溶液(脱イオン水1750ml+EDTA-2Na 450g+NaOH 35g)を調製する。骨ブロックを取り出し、250kHz,4℃の条件下で、脱灰装置において、それぞれ4、8、12、24時間の脱灰を行う。
12)ステップ(4)~(11)において、各ステップが完了した後、ステップ間はいずれも脱イオン水で6時間すすぐ。
13)骨ブロックを取り出し、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を得る(図1B)。材料を25wで再度照射滅菌する。
14)特定の鉱化の程度の骨ECM材料の浸出液(90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料からの浸出液)で骨間葉系幹細胞を1~5日間培養したところ、その結果、細胞の成長が良好であることが示された。それは、材料の安全性、無毒性が高いことを示す(図5A)。
15)骨髄間葉系幹細胞を100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料に移植した三日後、共焦点顕微鏡の視野で、細胞が足場に粘着されていることが観察された(図4A)。走査型電子顕微鏡の1000倍の視野で、鉱化の程度が100%の骨髄ECM材料に比較して、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料の骨髄間葉系幹細胞がより多いことが観察され、それは本特許に係る材料は細胞粘着定着及び細胞増殖を効果的に促進できることを示している。図4Bに示すように、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の細胞の数も比較的に少ない。
16)その後、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料に定着された骨髄間葉系幹細胞における骨形成遺伝子の相対的な発現状況を比較した(図5B)。ALPとは、骨髄間葉系幹細胞の早期の最も重要な骨形成指標の1つである。その結果、90%の鉱化の程度の骨ECM材料で1週間培養された細胞内におけるALPが非脱灰グループより17倍アップレギュレートされていることが示された。Col-1α1も同じ傾向である。培養の2週目と4週目に、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料、特に90%の鉱化の程度の骨ECM材料における細胞のBMP-2発現レベルが高くなった(図6A)。また、MAPKシグナル経路はCa2+仲介の骨形成と分化を促進する過程において役割を果たし、その結果、100%及び0%の鉱化の程度の骨ECM材料骨グループに比較して、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料におけるMEK-1発現がアップレギュレートされていることを見いだした(図6B)。要約すると、100%及び0%の鉱化の程度の骨ECM材料に比較して、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料、特に90%の鉱化の程度の骨ECM材料は、骨髄間葉系幹細胞の骨形成と分化を促進するより良い効果を示した。
【0041】
実施例5.生体内実験において、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料は、早期の骨欠損の修復を明らかに促進する
1)新鮮なブタの肩甲骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄した後、照射センターに送り、25Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)20KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で各回10分間ずつ3回すすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。
4)500mlの脱イオン水を含む高温滅菌した1Lガラス瓶及び20個の包埋カセットを準備する。滅菌操作台で滅菌手袋を装着し、3つの滅菌後の骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、20%のアセトンを含む脱イオン水溶液10mlに入れ、10℃で4時間恒温振とうする。
5)包埋カセットを、1%のリン酸トリブチルを含有する脱イオン水溶液5mlに入れ、10℃で1時間恒温振とうする。
6)プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液中において、4℃で、シェーカーを使用して、300rpmで48時間振とうした後、液体窒素で6サイクル(-80℃/37℃)凍結融解する。
7)包埋カセットを0.5%Triton X-100 5mlに入れ、10℃の恒温シェーカーに入れ、100rpmで24時間振とうする。
8)包埋カセットを、5%のSDSを含む脱イオン水に入れ、10℃の恒温シェーカーを使用して、100rpmで36時間振とうする。
9)0.5Mの塩化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃で、シェーカーを使用して、100rpmで2時間振とうする。
10)1.2Mのヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して、100rpmで12時間振とうし、脱細胞化された骨ECM材料を得る(図1A)。
11)脱灰溶液(脱イオン水1750ml+EDTA-2Na 450g+NaOH 35g)を調製する。骨ブロックを取り出し、250kHz,4℃の条件下で、脱灰装置において、それぞれ4、8、12、24時間の脱灰を行う。
12)ステップ(4)~(11)において、各ステップが完了した後、ステップ間はいずれも脱イオン水で6時間すすぐ。
13)骨ブロックを取り出し、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を得る(図1B)。材料を25wで再度照射滅菌する。
14)ウサギの大腿骨上顆の両側の欠損モデルを確立し、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を埋め込み、それらの治療効果を評価した。
15)マイクロCT分析(図9A~B)により、移植術の4週間後、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料グループの骨欠損部位はほとんど新生骨小柱で充填されたが、非脱灰および完全脱灰材料グループの充填効果は小さいことが示された。100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料は、それぞれ1.23±0.14/mm、2.16±0.03/mm、1.57±0.21/mm、0.94±0.22/mmで、骨小柱の厚さは、それぞれ0.16±0.03μm、0.24±0.04μm、0.18±0.01μm、0.14±0.02μmであった。90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料による生体自身の新生骨小柱の成長を促進する効果は他のグループより優れていた(図9C)。
16)H&E染色後(図10A~B)、明らかな炎症または炎症性細胞が見い出せなかった。これは、材料の安全性を示している。
17)移植術の4週間後、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料は、部分的に分解され、新生骨が成長した。新生骨組織におけるコラーゲン線維の鉱化は、多くは未熟な状態の鉱物材料の表面コラーゲンである(図7A、B)。
【0042】
実施例6.生体内実験において、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料は、骨欠損部分における血管の形成を明らかに促進する
1)新鮮なブタの肩甲骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄した後、照射センターに送り、25Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)20KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で各回10分間ずつ3回すすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。
4)500mlの脱イオン水を含む高温滅菌した1Lガラス瓶及び20個の包埋カセットを準備する。滅菌操作台で滅菌手袋を装着し、3つの滅菌後の骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、15%のアセトンを含む脱イオン水溶液10mlに入れ、10℃で2時間恒温振とうする。
5)包埋カセットを、5%のリン酸トリブチルを含有する脱イオン水溶液5mlに入れ、10℃で4時間恒温振とうする。
6)プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液において、4℃で、シェーカーを使用して24時間振とうした後、液体窒素で3サイクル(-80℃/37℃)凍結融解する。
7)包埋カセットを5mLの2%Triton X-100に入れ、10℃の恒温シェーカーに入れ、100rpmで24時間振とうする。
8)包埋カセットを、10%のSDSを含む脱イオン水に入れ、10℃の恒温シェーカーを使用して、100rpmで36時間振とうする。
9)0.1Mの塩化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃で、シェーカーを使用して、100rpmで12時間振とうする。
10)1Mのヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して100rpmで2時間振とうし、脱細胞化された骨ECM材料を得る(図1A)。
11)脱灰溶液(脱イオン水1750ml+EDTA-2Na 450g+NaOH 35g)を調製する。骨ブロックを取り出し、250kHz,4℃の条件下で、脱灰装置において、それぞれ4、8、12、24時間の脱灰を行う。
12)ステップ(4)~(11)において、各ステップが完了した後、ステップ間はいずれも脱イオン水で6時間すすぐ。
13)骨ブロックを取り出し、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料を得る(図1B)。材料を25wで再度照射滅菌する。
14)血管形成を促進する面においては、新生血管が骨小柱の間に分布していることが観察され、移植術の2週間後、ほとんどは未熟な新生血管が形成された。その中で、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の新生血管の数は、それぞれ5.5±1.3/500μm、8.0±1.6/500μm、8.0±1.8/500μm、及び5.0±1.6/500μmで、血管面積はそれぞれ23.92±7.25μm、38.95±8.12μm、45.54±8.70μm、及び18.86±9.43μmであった。その中で、90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料グループの新生血管の厚さは、それぞれ4.86±0.15μm、5.07±0.20μmで、100%の鉱化の程度の骨ECM材料(4.29±0.38μm)と0%の鉱化の程度の骨ECM材料グループ(4.41±0.26μm)より高かった。移植術の4週間後、主に成熟した新生血管が形成され、100%、90%、60%、0%の鉱化の程度の骨ECM材料の数は、それぞれ3.5±0.6/500μm、5.8±1.0/500μm、5.0±0.8/500μm、及び2.8±1.5/500μmで、血管面積はそれぞれ41.26±5.69μm、69.92±11.26μm、60.76±8.66μm、及び24.87±8.18μmであった。厚さは、移植術の2週間時点と比較して、各グループはいずれも増加しており、その中で、90%の鉱化の程度の骨ECM材料(12.18±0.54μm)及び60%の鉱化の程度の骨ECM材料(12.18±0.32μm)グループは、依然として100%の鉱化の程度の骨ECM材料グループ(11.83±0.49μm)と0%の鉱化の程度の骨ECM材料グループ(9.68±1.83μm)より高かった。90%と60%の鉱化の程度の骨ECM材料グループは、他の2つのグループと比較して、新生血管、微小血管の変性、大血管の安定した成長が速くなっていることを示すとともに、欠陥組織における血管内皮増殖因子A(VEGFA)の分布はアップレギュレートされ、より良い修復効果があった(図8A~E)。
【0043】
実施例7.勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料及びその調製方法の研究及び評価
1)新鮮な牛の肩甲骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄し、照射センターに送り、25Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)50KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で毎回5分間ずつ2回すすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。
4)残りの後続の操作は、実施例1の方法を参照して実行し、勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料を得る。
【0044】
実施例8.勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料及びその調製方法の研究及び評価
1)新鮮な豚の肋骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄し、照射センターに送り、25Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)10KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で毎回5分間ずつ5回すすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。
4)残りの後続の操作は、実施例1の方法を参照して実行され、勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料を得る。
【0045】
実施例9.勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料及びその調製方法の研究及び評価
1)新鮮なブタの肩甲骨を取り、滅菌生理食塩水で4回洗浄し、6mmのドリルで海綿骨を取り出し、メスで高さ約2mmの円筒形の骨ブロックに切る。
2)材料が得られたら、滅菌生理食塩水で2時間洗浄した後、照射センターに送り、25Wの照射量で照射滅菌を行う。
3)20KIU/mlのプロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水で各回10分間ずつ3回すすぎ、血液、脂肪組織及びその他の不純物を除去する。
4)500mlの脱イオン水を含む高温滅菌した1Lガラス瓶及び20個の包埋カセットを準備する。滅菌操作台で滅菌手袋を装着し、3つの滅菌後の骨ブロックを分けて包埋カセットに入れ、10%のアセトンを含む脱イオン水溶液10mlに入れ、10℃で1時間恒温振とうする。
5)包埋カセットを、2%のリン酸トリブチルを含有する脱イオン水溶液5mlに入れ、10℃で4時間恒温振とうする。
6)プロテアーゼ阻害剤を含む脱イオン水溶液において、4℃で、シェーカーを使用して24時間振とうした後、液体窒素で3サイクル(-80℃/37℃)凍結融解する。
7)包埋カセットを、5mlの2% Triton X-100に入れ、10℃の恒温シェーカーに入れ、100rpmで24時間振とうする。
8)包埋カセットを、5%のSDSを含む脱イオン水に入れ、10℃の恒温シェーカーを使用して、100rpmで36時間振とうする。
9)0.5Mの塩化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃で、シェーカーを使用して、100rpmで6時間振とうする。
10)1Mのヨウ化カリウムを含むPBS緩衝液において、4℃の温度で、シェーカーを使用して、100rpmで6時間振とうし、脱細胞化された骨ECM材料を得る(図1A)。
11)脱灰溶液を調製する(脱イオン水1750ml+EDTA-2Na 450g+NaOH 10g)。骨ブロックを取り出し、350kHz、4℃で、脱灰装置でそれぞれ4、8、12、24時間脱灰する。
12)残りの後続の操作は、実施例1の方法を参照して実行し、勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料を得る。
【0046】
実施例7~9で得られた勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料について、組織学的な評価、カルシウムとリン含有量の計測、材料の表面コラーゲンの形態及び含有量の計測、機械的な測定を行った。その結果、実施列1で勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の結果と同様であった。これは、最適化後に決定された試薬と処理時間の調整を通じて、同様の効果を持つ勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料の調製を実現できることを示している。また、該当材料について、組織学的な評価、細胞培養実験、及び材料の生体内修復実験の評価を行ったところ、実施例7~9で得られた90%、60%の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料は、良好な修復再生効果を有することが観察され、臨床的に筋肉の欠損と病変の修復と再生を促進するための安全で信頼性が高く、効果的で迅速な生体材料として使用できることを示した。
【0047】
上記の実施例からわかるように、本発明によって提供される天然組織由来の勾配鉱化された骨の細胞外マトリックス材料及びその調製方法は、細胞接着をよりよく促進し、定着細胞の分化及び増殖を誘導し、血管形成を促進し、新生骨小柱の成長を促進することにより、より良い修復効果及びより小さな炎症反応を達成することができる。そのため、有望な骨欠損移植材料である。
【0048】
上記は、本発明の好ましい実施形態に過ぎない。当技術分野の通常の技術者にとって、本発明の原理から逸脱しない前提下で、いくつかの改善及び修正を行うことができ、これらの改善および修正も本発明の保護範囲と見なされるべきである。
【0049】
参考文献:
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図1(A)】
図1(B)】
図1(C)】
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