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特許7118163車両照明装置、車両ヘッドライト及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】車両照明装置、車両ヘッドライト及び車両
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/657 20180101AFI20220805BHJP
   F21V 14/02 20060101ALI20220805BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20220805BHJP
【FI】
F21S41/657
F21V14/02
F21W102:13
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020553474
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2019105939
(87)【国際公開番号】W WO2021017116
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】201910704566.5
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520372939
【氏名又は名称】▲華▼域▲視▼▲覺▼科技(上▲海▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】仇 智平
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 大攀
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】祝 ▲賀▼
(72)【発明者】
【氏名】桑 文慧
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-160079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/657
F21V 14/02
F21W 102/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケット(10)、複数の回転アーム(40)及び、前記複数の回転アーム(40)それぞれに取り付けられた複数の照明モジュール(20)を備える車両照明装置であって
前記複数の回転アーム(40)それぞれは駆動柱(41)及び回転軸(42)を備え、
記回転軸(42)は前記ブラケット(10)に回転可能に取り付けられ、これにより、前記複数の回転アーム(40)それぞれは独立して対応する前記駆動柱(41)によって駆動されて対応する前記回転軸(42)の周りに回転可能であり、
前記回転軸(42)は水平に設置され且つ互いに平行であり、
前記車両照明装置は、上端ガイド柱(31)、下端ガイド柱(32)、及び、複数の長形孔(33)を備える駆動部(30)をさらに備え
記上端ガイド柱(31)及び下端ガイド柱(32)の中心軸が互いに平行であり、前記駆動部(30)は前記上端ガイド柱(31)及び下端ガイド柱(32)によって前記ブラケット(10)に取り付けられ、且つブラケット(10)に対して前記上端ガイド柱(31)及び下端ガイド柱(32)に沿って上下運動可能であり前記複数の駆動柱(41)それぞれが前記複数の長形孔(33)それぞれ内に摺動可能に取り付けられることを特徴とする車両照明装置。
【請求項2】
駆動機構及びコンロッド(70)をさらに備え、前記コンロッド(70)は一端が前記駆動機構に接続され、他端が前記駆動部(30)に接続され、前記駆動機構は前記コンロッド(70)を駆動して上下運動させ、且つ前記コンロッド(70)によって前記駆動部(30)を駆動して上下運動させることに適することを特徴とする請求項1に記載の車両照明装置。
【請求項3】
前記駆動機構は電動駆動機構(50)及び/又は手動駆動機構(60)を備え、且つ前記電動駆動機構(50)及び前記手動駆動機構(60)はいずれも前記コンロッド(70)と前記駆動機構の接続端を駆動して上下運動させることに適することを特徴とする請求項2に記載の車両照明装置。
【請求項4】
複数の照明モジュール(20)それぞれは対応する前記回転軸(42)の軸心が位置する直線上に設置されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の車両照明装置。
【請求項5】
複数の照明モジュール(20)それぞれはモジュール調光機構を備え、前記モジュール調光機構は同一直線上にない3つのボールヘッドナット(80)及びそれと嵌合する3つのボールヘッドスクリューを備え、前複数の照明モジュール(20)それぞれは前記モジュール調光機構によって前記複数の回転アーム(40)それぞれに取り付けられることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の車両照明装置。
【請求項6】
前記複数の照明モジュール(20)はハイビーム照明モジュール及び/又はロービーム照明モジュールを備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の車両照明装置。
【請求項7】
前記ブラケット(10)は車両ランプハウジングに取り付けられ、且つ車両ランプハウジングに対して垂直軸の周りに回転することに適することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の車両照明装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の車両照明装置を備えることを特徴とする車両ヘッドライト。
【請求項9】
請求項8に記載の車両ヘッドライトを備えることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両照明システムに関し、具体的には車両照明装置に関する。また、本発明はさらに車両ヘッドライト及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両照明技術の継続的な発展に伴い、照明装置の技術発展は多様化しつつあり、発展動向の1つとして、車両ランプ内に特定の方式で配列された複数の照明モジュールが設置され、それにより車両ランプの造形効果をさらに向上させる。これらの照明モジュールによって形成される照明領域は互いに重ね合わせられてハイビームパターン及び/又はロービームパターンを形成する。
【0003】
所望の照明パターンを得るために、車両照明装置の製造中、各照明モジュールの位置及び複数の照明モジュールから構成されたアセンブリの位置を調整する必要があり、それにより照明パターンの所望の状態及び位置を実現し、すなわち、一般に調光操作として知られている。調光は通常、2つのステップで行われ、第1ステップでは、まず、各照明モジュールを調光し、照明モジュールを上下左右に揺動することにより、複数の照明モジュールの照明領域同士の相対位置を決定し、第2ステップでは、アセンブリ全体、すなわち上記相対位置決定済みの照明パターン全体のV軸及びH軸に対する位置を調整して、アセンブリの上下左右揺動によってパターンを理論位置に調整する。
【0004】
実際の調光過程では、各照明モジュールとアセンブリの上下左右揺動角度が小さく、単一照明モジュールから構成された従来の車両照明装置の場合、調光に必要な揺動空間が非常に小さい。しかしながら、複数の照明モジュールから構成された車両照明装置、例えば図1に示される車両照明装置の場合、9つの照明モジュール20A~20Iがブラケット10に上から下へ1列並んでおり、ブラケット10が回転軸線43の周りに5°のような非常に小さい角度回転すると、ブラケット10の他端が大きく揺動するため、アセンブリの調光を実現するには車両ランプの非常に大きな内部空間が必要であり、その結果、車両ランプの内部空間の浪費及び車両ランプの体積の過大化を招いてしまう。
【0005】
最近、複数の照明モジュールが個別回転する調光技術がさらに開発されているが、複数の照明モジュールがそれぞれ1つの回転可能なフレーム内に設置され、フレームの設置及びその回転に必要な空間によって隣接する照明モジュール間の設置間隔が大きくなり、車両ランプの内部空間の浪費及び車両ランプの体積の過大化の問題を効果的に解決できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的問題は、小さな占用空間だけで照明装置の調光を実現することができる車両照明装置を提供することである。
【0007】
本発明がさらに解決しようとする技術的問題は、内部空間の利用率が高く、体積が小さい車両ヘッドライトを提供することである。
【0008】
また、本発明がさらに解決しようとする技術的問題は、ヘッドライトの体積が小さく、調光が簡単である車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的問題を解決するために、本発明の一態様は車両照明装置を提供し、ブラケット、複数の回転アーム及び複数の照明モジュールを備え、各前記回転アームは駆動柱及び回転軸を備え、複数の前記照明モジュールの各々はそれぞれ対応する前記回転アームに取り付けられ、各前記回転軸は前記ブラケットに回転可能に取り付けられ、それにより各前記回転アームは独立して前記駆動柱によって駆動されて前記回転軸の周りに回転可能であり、前記回転軸は水平に設置され且つ互いに平行である。
【0010】
さらに好ましくは、本発明の車両照明装置は駆動部をさらに備え、前記駆動部は上端ガイド柱、下端ガイド柱及び複数の長形孔を備え、前記上端ガイド柱と下端ガイド柱の軸線が互いに平行であり、前記駆動部は前記上端ガイド柱及び下端ガイド柱によって前記ブラケットに取り付けられ、且つブラケットに対する上下運動に適し、複数の前記駆動柱がそれぞれ複数の長形孔内に摺動可能に取り付けられる。該好適な技術案によって、複数の前記駆動柱がそれぞれ複数の長形孔内に取り付けられることで、前記駆動部が上下運動する時、複数の前記駆動柱の同期上下回転を駆動でき、さらに前記回転アーム及びそれに取り付けられる前記照明モジュールの同期回転を駆動する。前記長形孔が設置されることで前記駆動部の上下運動及び前記駆動柱の回転運動時に生じる相対摺動に適応できる。
【0011】
さらに、本発明の車両照明装置は駆動機構及びコンロッドをさらに備え、前記コンロッドは一端が前記駆動機構に接続され、他端が前記駆動部に接続され、前記駆動機構は前記コンロッドを駆動して上下運動させ、且つ前記コンロッドによって前記駆動部を駆動して上下運動させることに適する。該好適な技術案では、前記コンロッドによって前記駆動部と前記駆動機構が接続されることで、前記駆動機構によって生じた上下運動を前記駆動部に伝達できるだけでなく、前記駆動機構と前記駆動部との間の相対位置の設置を簡単にすることができ、本発明の車両照明装置の構造がさらにコンパクトになる。
【0012】
さらに、前記駆動機構は電動駆動機構及び/又は手動駆動機構を備え、且つ前記電動駆動機構及び前記手動駆動機構はいずれも前記コンロッドと前記駆動機構の接続端を駆動して上下運動させることに適する。該好適な技術案によって、前記電動駆動機構は電気制御方式によって前記駆動部を駆動して上下運動させることができ、それにより、各前記照明モジュールの照明領域の垂直方向における位置を簡単かつリアルタイムに同期調整し、つまり、各照明領域を組み合わせて形成されたパターンの垂直方向における全体位置を調整し、前記手動駆動機構は前記電動駆動機構がオフ又は故障する場合、手動方式によって前記照明モジュールの照明領域の位置を調整する。
【0013】
好ましくは、各前記照明モジュールはそれぞれ対応する前記回転軸の軸心が位置する直線上に設置される。該好適な技術案では、前記照明モジュールが対応する回転軸の軸心上に設置されることで、前記照明モジュールが前記回転軸の周りに回転する時、その空間的位置の変位量がさらに小さくなり、調整時の占有空間もさらに小さくなる。
【0014】
好ましくは、各前記照明モジュールはモジュール調光機構を備え、前記モジュール調光機構はいずれも同一直線上にない3つのボールヘッドナット及びそれと嵌合する3つのボールヘッドスクリューを備え、各前記照明モジュールはそれぞれ前記モジュール調光機構によって前記回転アームに取り付けられる。該好適な技術案では、3つの前記ボールヘッドスクリューの対応するボールヘッドナットにおける回転位置を調整することで、各前記照明モジュールと対応する前記回転アームとの相対位置を調整し、各前記照明モジュールの調光を実現することができる。すなわち、各照明モジュールの照明領域の上下左右の相対位置を調整することで、各照明モジュールによって生成された照明領域を組み合わせて本発明の車両ランプの照明モジュールの全体設計パターンを形成する。
【0015】
好ましくは、複数の前記照明モジュールはハイビーム照明モジュール及び/又はロービーム照明モジュールを備える。該好適な技術案によって、前記ハイビーム照明モジュール及び/又は前記ロービーム照明モジュールを制御することで、本発明の車両ランプ照明モジュールはハイビーム照明パターン、ロービーム照明パターン、ハイビーム照明パターン又はロービーム照明パターンのうちの1つを形成することができる。
【0016】
好ましくは、前記ブラケットは車両ランプハウジングに取り付けられ、且つ車両ランプハウジングに対して垂直軸線の周りに回転することに適する。該好適な技術案では、車両ランプハウジングに対する前記ブラケットの垂直軸線の周りの回転位置を調整することで、本発明の車両照明装置によって形成されるパターンの水平方向における位置を調整することができる。
【0017】
本発明の第2態様は車両ヘッドライトを提供し、該車両ヘッドライトは本発明の第1態様に係る車両照明装置を備える。
【0018】
本発明の第3態様は車両を提供し、該車両は本発明の第2態様に係る車両ヘッドライトを備える。
【発明の効果】
【0019】
上記技術案によって、本発明の車両照明装置の複数の前記照明モジュールは回転アームの駆動下で、それぞれ独立して互いに平行な水平回転軸の周りに回転可能であることで、各照明モジュールによって生成される照明領域のV軸方向における位置の同期調整を実現し、該調整中に前記ブラケットが水平軸の周りに回転しないため、本発明の車両照明装置に必要な調光空間が小さい。各照明モジュールが回転アームに取り付けられ、回転アームの駆動下で回転し、照明モジュールに回転機構を設置する必要がなくなり、各照明モジュールがより密接に設置でき、照明モジュールの位置決めもさらに正確である。前記駆動部によって前記回転アームを同期駆動し、且つ回転アームによって複数の前記照明ユニットを駆動して同期回転させることで、本発明の車両照明装置によって生成されるパターンの位置調整がさらに簡単になる。前記電動駆動機構を用いることで、本発明の車両照明装置によって生成されるパターンをリアルタイムに調整でき、調整がさらに簡単で、信頼性が高い。
【0020】
本発明の車両照明装置によって製造された車両ヘッドライトは車両照明装置の占有空間が小さいため、車両ヘッドライトの内部空間の利用率が高く、車両ヘッドライトの体積を小さくすることができる。
【0021】
本発明の車両は本発明の車両ヘッドライトを用いることで、ヘッドライトの体積がさらに小さく、パターンの調整が比較的簡単である。
【0022】
本発明のほかの特徴及び利点は後述する具体的な実施形態において詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来技術の車両照明装置の調光方式の模式図である。
図2】本発明の車両照明装置の一実施例の正面模式図である。
図3図2の側方背面斜視模式図である。
図4図2の背面図である。
図5図2の車両照明装置のブラケット抜きの側方正面斜視構造模式図である。
図6図5の側方背面斜視構造模式図である。
図7】本発明の回転アームの一実施例の回転状態模式図である。
図8】本発明の照明モジュールの調光状態の模式図である。
図9】本発明のモジュール調光機構の一実施例の構造模式図である。
図10図9の別の方向から見た構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明では、特に明記しない限り、使用される方位用語、例えば「上、下、前、後」で指示される方位又は位置関係は、本発明に係る車両照明装置又は車両ヘッドライトが車両に取り付けられた後、車両の正常な走行状態にある方位で指示される方位又は位置関係である。
【0025】
本明細書では、用語「第1」、「第2」、…及び「第9」は説明のみを目的として使用されており、相対重要性を指示又は暗示したり係る技術的特徴の数を暗黙的に指示したりするためのものではなく、従って、「第1」、「第2」、…及び「第9」で限定された特徴は明示的に又は暗黙的に1つ以上の前記特徴を含む。
【0026】
本発明の説明では、なお、特に断らない限り、用語「取り付け」、「設置」又は「接続」は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能接続であってもよく、一体接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接接続であってもよく、2つの要素の内部連通又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解できる。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明し、なお、ここで説明される具体的な実施形態は本発明を説明及び理解するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲は以下の具体的な実施形態に限定されない。
【0028】
図2図7に示すように、本発明の車両照明装置の一実施例はブラケット10、複数の回転アーム40及び複数の照明モジュール20を備える。各回転アーム40は駆動柱41及び回転軸42を備え、各回転アーム40の回転軸42は互いに平行にブラケット10に水平に取り付けられ、それにより各回転アーム40はブラケット10に上から下へ順に配列され、例えば、垂直方向の左斜め又は右斜めの斜線に沿って配列されてもよい。各回転アーム40はそれぞれの駆動柱41によって駆動されてブラケット10上で回転軸42の周りに回転可能である。複数の照明モジュール20はそれぞれ複数の回転アーム40に取り付けられ、それにより各照明モジュール20は回転アーム40と同様な配列状態となる。図7に示すように、駆動柱41が初期状態から上へ第1駆動柱位置41Aまで移動した場合、回転アーム40は回転軸42の軸心線43を中心に時計回りに回転し、回転アーム40に取り付けられる照明モジュール20の出光方向は相対的に下へ揺動し、対応する照明領域も下へ移動し、駆動柱41が初期状態から下へ第2駆動柱位置41Bまで移動した場合、回転アーム40は回転軸42の軸心線43を中心に反時計回りに回転し、回転アーム40に取り付けられる照明モジュール20の出光方向は相対的に上へ揺動し、対応する照明領域も上へ移動する。従って、駆動柱41の上下運動を駆動することで、各照明モジュール20によって形成される照明領域はV軸方向において上下移動可能である。また、図8に示すように、回転アーム40が回転軸42の周りに回転した後、各照明モジュール20は実線に示される初期位置からそれぞれの回転軸線43の周りに虚線に示される調光後の位置まで回転し、各照明モジュール20はわずかな揺動が生じ、図1に示される従来技術の調光方式に比べて、本発明の車両照明装置のブラケット10が変位せず、照明モジュール20の変位量がさらに小さく、車両ランプ内における車両照明装置の占有空間を大幅に減少させる。各照明モジュール20に回転機構が設置されることに比べて、各照明モジュール20間の間隔がさらに小さく、同様に車両ランプ内における車両照明装置の占有空間を大幅に減少させる。
【0029】
本発明のいくつかの実施例では、図5図8に示すように、本発明の車両照明装置は駆動部30をさらに備える。駆動部30の外形は照明モジュール20の配列状態に適応している。駆動部30の両端にそれぞれ上端ガイド柱31と下端ガイド柱32が設置され、上端ガイド柱31と下端ガイド柱32の軸線が互いに平行であり、駆動部30は上端ガイド柱31と下端ガイド柱32によってブラケット10に取り付けられ、且つブラケット10に対して上下運動可能である。駆動部30に複数の長形孔33が設置され、複数の駆動柱41はそれぞれ複数の長形孔33内に取り付けられる。図5に示すように、駆動部30が垂直下向き方向90に沿って移動する時、長形孔33内に取り付けられる複数の駆動柱41を同時に駆動して下へ運動させ、複数の回転軸42は反時計回りに同期回転し、且つそれに応じて各照明モジュール20を反時計回りに回転させ、各照明モジュール20によって形成される照明領域はV軸方向において上へ同期移動し、本発明の車両照明装置によって形成されるパターンはV軸方向において上げられる。駆動部30が垂直上向き方向91に移動する時、長形孔33内に取り付けられる複数の駆動柱41を同時に駆動して上へ運動させ、複数の回転軸42は時計回りに同期回転し、且つそれに応じて各照明モジュール20を時計回りに回転させ、各照明モジュール20によって形成される照明領域はV軸方向において下へ同期移動し、本発明の車両照明装置によって形成されるパターンはV軸方向において下げられる。長形孔33が設置されることによって、駆動柱41の回転運動軌跡に適応するように、駆動柱41を長形孔33内に上下運動させると同時に、長形孔33内に左右摺動させることができる。
【0030】
本発明のいくつかの実施例では、図4図8に示すように、本発明の車両照明装置は駆動機構及びコンロッド70をさらに備え、コンロッド70は一端が駆動機構に接続され、他端が駆動部30に接続される。コンロッド70と駆動機構及び駆動部30との接続方式はいずれも固定接続、ヒンジ連結又はボールヘッド接続であってもよい。駆動機構が垂直方向に上下運動する時、コンロッド70を上下運動させることができ、さらにコンロッド70によって駆動部30を上下運動させる。接続方式がヒンジ連結又はボールヘッド接続である場合、該伝動装置は駆動機構の運動軌跡と駆動部30の運動軌跡が平行ではないことによる接続応力を小さくすることができ、駆動機構と駆動部30との同期運動をさらにスムーズにする。
【0031】
本発明の車両照明装置のいくつかの実施例として、図4図8に示すように、駆動機構は電動駆動機構50及び/又は手動駆動機構60である。電動駆動機構50は電動シリンダー駆動方式を採用してもよく、電動シリンダーの伸縮ロッドがコンロッド70に接続され、減速モータスクリュー駆動方式を採用してもよく、スクリュー上のスライダがコンロッド70に接続される。手動駆動機構60はスクリュー構造によって電動シリンダー又はスライダに接続されてもよく、手動駆動機構60を回すと、スクリュー構造は電動シリンダー又はスライダを移動させ、それによりコンロッド70を駆動して駆動部30を上下運動させる。該構造によれば、電動駆動機構50がオフ又は故障する場合、手動駆動機構60によって照明モジュール20を駆動して回転させて調光を実現することができる。
【0032】
本発明のいくつかの実施例では、図5図6及び図9に示すように、照明モジュール20は回転アーム40上の回転軸42の対応する位置に取り付けられ、つまり、照明モジュール20の中心は回転軸42の軸線の位置する直線上にある。回転軸42が回転すると、照明モジュール20は該中心の周りに回転し、この時、照明モジュール20全体の空間変位が小さく、その結果、調光時の空間要件を低減させる。
【0033】
本発明のいくつかの実施例では、図9図10に示すように、各照明モジュール20にモジュール調光機構が設置され、モジュール調光機構は水平に配列される第1ボールヘッドスクリュー81と第2スクリュー82、第1ボールヘッドスクリュー81の真下に設置される第3ボールヘッドスクリュー83、及びそれらと嵌合する3つのボールヘッドナット80を備え、各照明モジュール20はそれぞれ対応するモジュール調光機構によって回転アーム40に取り付けられる。外部ツールを用いて第2ボールヘッドスクリュー82を駆動して回転させると、該照明モジュール20は第1ボールヘッドスクリュー81と第3ボールヘッドスクリュー83との球心連結線の周りに回転可能であり、それにより該照明モジュール20の左右調光を実現し、第3ボールヘッドスクリュー83を駆動して回転させると、該照明モジュール20は第1ボールヘッドスクリュー81と第2ボールヘッドスクリュー82との球心連結線の周りに回転可能であり、それにより該照明モジュール20の上下調光を実現する。モジュール調光機構が設置されることで、各照明モジュール20は個別の調光を実現でき、それにより各照明モジュール20によって生成される照明領域の相対位置を調整し、各照明モジュール20の照明領域を組み合わせて所望の設計パターンを形成する。
【0034】
本発明のいくつかの実施例では、複数の照明モジュール20はハイビーム照明モジュール及び/又はロービーム照明モジュールを備える。一実施形態は図2に示され、照明モジュール20は第1照明モジュール20A、第2照明モジュール20B、第3照明モジュール20C、第4照明モジュール20D、第5照明モジュール20E、第6照明モジュール20F、第7照明モジュール20G、第8照明モジュール20H及び第9照明モジュール20Iを含み、計9つであり、第1照明モジュール20A、第2照明モジュール20B及び第3照明モジュール20Cはロービーム照明モジュールであり、第4照明モジュール20D、第5照明モジュール20E、第6照明モジュール20F、第7照明モジュール20G、第8照明モジュール20H及び第9照明モジュール20Iはハイビーム照明モジュールである。各照明モジュール20は斜線に沿って上から下へ順に配列される。勿論、ロービーム照明モジュールとハイビーム照明モジュールの数は本実施形態の3つ及び6つに限定されず、その配列方式も本実施形態のロービーム照明モジュール及びハイビーム照明モジュールの上下配列に限定されず、ロービーム照明モジュールは車両照明装置の下部に設置されてもよくさらに間隔をあけて配列されてもよいが、最終的には各照明モジュール20の調光によって、各ロービーム照明モジュールの照明領域を組み合わせてロービームパターンを形成し、各ハイビーム照明モジュールの照明領域を組み合わせてハイビームパターンを形成する。
【0035】
本発明のいくつかの実施例では、ブラケット10は車両ランプハウジングに回転可能に接続され、ブラケット10は車両ランプハウジングに対して垂直軸線の周りに回転可能である。ブラケット10が垂直軸線の周りに回転する時、本発明の車両照明装置全体は車両ランプハウジングに対して左右揺動し、形成されるロービームパターン及び/又はハイビームパターンもパターンのH軸方向に沿って左右移動でき、パターンのH軸方向における左右調光を実現する。
【0036】
本発明の車両ヘッドライト及び車両は、本発明の車両照明装置及び車両ヘッドライトを用いることで、上記実施例の車両照明装置による有益な効果を有する。
【0037】
本発明の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「一実施形態」等を参照する説明は、該実施例又は例を参照して説明される具体的な特徴、構造、材料又は利点が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本発明では、上記用語の例示的な表現は必ずしも同一の実施例又は例を意味するものではない。且つ、説明される具体的な特徴、構造、材料又は利点は任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせられてもよい。
【0038】
以上、図面を参照して本発明の好適実施形態を詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではない。本発明の技術的考案範囲を逸脱せずに、本発明の技術案に対して種々の簡単な変形を行うことができ、各具体的な技術的特徴を任意に適切に組み合わせることを含み、不必要な重複を回避するために、本発明は種々の可能な組合せ方式を別途に説明しない。だが、これらの簡単な変形や組合せは同様に本発明に開示される内容とみなされるべきであり、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0039】
10 ブラケット
20 照明モジュール
20A 第1照明モジュール
20B 第2照明モジュール
20C 第3照明モジュール
20D 第4照明モジュール
20E 第5照明モジュール
20F 第6照明モジュール
20G 第7照明モジュール
20I 第8照明モジュール
30 駆動部
31 上端ガイド柱
32 下端ガイド柱
33 長形孔
40 回転アーム
41 駆動柱
41A 第1駆動柱位置
41B 第2駆動柱位置
42 回転軸
43 回転軸線
50 電動駆動機構
60 手動駆動機構
70 コンロッド
80 ボールヘッドナット
81 第1ボールヘッドスクリュー
82 第2ボールヘッドスクリュー
83 第3ボールヘッドスクリュー
90 垂直下向き方向
91 垂直上向き方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10