(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】エアマットレス装置及び身体支持システム
(51)【国際特許分類】
A61G 7/057 20060101AFI20220805BHJP
A47C 27/08 20060101ALI20220805BHJP
A47C 20/08 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
A61G7/057
A47C27/08 B
A47C27/08 A
A47C20/08 Z
(21)【出願番号】P 2021057138
(22)【出願日】2021-03-30
(62)【分割の表示】P 2017182678の分割
【原出願日】2017-09-22
【審査請求日】2021-03-30
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】立川 智一
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-055135(JP,A)
【文献】特開2011-160897(JP,A)
【文献】特開2017-056242(JP,A)
【文献】特開2007-307221(JP,A)
【文献】特開2000-000276(JP,A)
【文献】特開昭63-183056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00-7/16
A47C 20/08,27/08-27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背ボトム、膝ボトム、及び脚ボトムを含む身体支持装置と、
複数の第1エアセルと、前記複数の第1エアセルと接続されたポンプユニットと、を含むエアマットレスと、
前記ポンプユニットに設けられ、前記身体支持装置の駆動制御部と通信可能
であり、かつ、前記身体支持装置から電力供給を受けることが可能な第1コネクタと、
を含むエアマットレス装置と、
を備え、
前記ポンプユニットは、
前記第1コネクタを介して通信の信号を受信する通信部と、
前記通信部から送信される信号に基づき、前記複数の第1エアセルを制御する制御部と、
を含み、
前記身体支持装置において、前記膝ボトムと前記脚ボトムとの間の角度は、前記背ボトムの角度と連動して変化可能である、身体支持システム。
【請求項2】
前記ポンプユニットは、前記第1コネクタを介して、エアマットレス装置に対する操作の信号を受信
し、
前記エアマットレスは、前記複数の第1エアセルと前記ポンプユニットとを覆うカバーをさらに含み、
前記身体支持装置は、フレームに設けられるコネクタを含み、
前記第1コネクタは、前記身体支持装置の前記コネクタと接続される、請求項1記載の身体支持システム。
【請求項3】
前記背ボトムの水平面に対する角度が大きくなったときに、前記複数の第1エアセルにおける圧力を高める、請求項1又は2に記載の身体支持システム。
【請求項4】
前記エアマットレスは、前記複数の第1エアセルの上に設けられた複数の第2エアセルを含み、
前記複数の第2エアセルは、横方向において互いに離れた請求項1~3のいずれか1つに記載の身体支持システム。
【請求項5】
前記複数の第2エアセルの一部が膨らんだときに、前記身体支持装置の傾きを変化させることで、前記複数の第2エアセルの前記一部に対して前記複数の第2エアセルの別の一部を上昇させる、請求項4記載の身体支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エアマットレス装置及び身体支持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のエアセルの内部に空気を入れて使用するエアマットレスがある。エアマットレスは、例えば、身体支持装置の上に設けられる。エアマットレス、及び、エアマットレスと身体支持装置とを含む身体支持システムにおいて、より使いやすいことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、より使いやすいエアマットレス装置および身体支持システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、エアマットレス装置は、エアマットレスと、第1コネクタと、を含む。前記エアマットレスは、複数の第1エアセルと、前記複数の第1エアセルと接続されたポンプユニットと、を含む。前記第1コネクタは、前記ポンプユニットに設けられ、身体支持装置の駆動制御部と通信可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、より使いやすいエアマットレス装置および身体支持システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1(a)及び
図1(b)は、実施形態に係る身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式図である。
【
図3】
図3(a)および
図3(b)は、実施形態に係る身体支持システムを例示する模式図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式図である。
【
図5】
図5(a)および
図5(b)は、実施形態に係る身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式的側面図である。
【
図6】
図6(a)および
図6(b)は、実施形態に係る身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式的側面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式図である。
【
図8】
図8(a)~
図8(c)は、実施形態に係る身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式図である。
【
図9】
図9(a)および
図9(b)は、実施形態に係る身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る別の身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る別の身体支持システム及びエアマットレス装置を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
図1(a)に表したように、実施形態に係る身体支持システム310は、エアマットレス装置110および身体支持装置210を含む。この例では、身体支持装置210は、電動ベッドである。
【0010】
実施形態に係るエアマットレス装置110は、
図1(b)に表したように、エアマットレス10および操作部30(例えば、操作パネル)を含む。エアマットレス10は、複数のエアセル11、ポンプユニット12、およびカバー13を含む。それぞれのエアセル11の内部には、気体(例えば空気)が収納される。ポンプユニット12は、複数のエアセル11と接続される。ポンプユニット12は、複数のエアセル11へ気体を供給する。または、ポンプユニット12は、複数のエアセル11内部の気体を排気する。カバー13は、複数のエアセル11およびポンプユニット12を覆う。
【0011】
ポンプユニット12は、例えば、エアマットレス10に寝る人の足側に位置する。エアマットレス10の頭側と足側は、例えば、エアマットレス10に付された文字や絵などから判断される。
【0012】
操作部30は、エアマットレス10(ポンプユニット12)の制御を操作できる。例えば、使用者(エアマットレス10に寝る人)は、操作部30を用いて、エアセル11内部の圧力を高く、または低くできる。これにより、エアマットレス10を硬く、または柔らかくできる。操作部30は、例えば
図1(b)に表したように、ケーブル35により、ポンプユニット12と電気的に接続される。操作部30は、無線による通信手段により、ポンプユニット12と接続されても良い。
【0013】
身体支持装置210は、可動部70(ボトム)および操作部230(例えば、ナースコントロールパネル)を含む。操作部230は、可動部70の制御を操作できる。エアマットレス装置110は、可動部70の上に設けられる。
【0014】
図2に表したように、可動部70は、例えば、背ボトム(back section)70a、膝ボトム(upper leg section)70b、および脚ボトム(lower leg section)70c、背ボトム駆動部71a、膝ボトム駆動部71b、および高さ駆動部72を含む。例えば、背ボトム駆動部71a、膝ボトム駆動部71b、および高さ駆動部72のそれぞれは、アクチュエータを含む。
【0015】
背ボトム駆動部71aの駆動により、背ボトム70aが動作し、使用者P(電動ベッドに寝る人)の背の角度を変更できる。膝ボトム駆動部71bの駆動により、膝ボトム70bと脚ボトム70cが動作し、これらのボトムの間の角度を変更できる。これにより、使用者Pの膝の角度を変更できる。それぞれのボトム同士の間の角度は、連動して変化しても良い。高さ駆動部72を駆動させることで、可動部70の高さ(床面とベッド面との間の距離)を変更できる。
【0016】
身体支持装置210は、駆動制御部220を含む。駆動制御部220は、ボトム制御部221および高さ制御部222を含む。背ボトム駆動部71aおよび膝ボトム駆動部71bは、ボトム制御部221と電気的に接続される。背ボトム駆動部71aおよび膝ボトム駆動部71bの動作は、ボトム制御部221から送信される信号に基づいて制御される。高さ駆動部72は、高さ制御部222と電気的に接続される。高さ駆動部72の動作は、高さ制御部222から送信される信号に基づいて制御される。
【0017】
操作部230は、駆動制御部220と電気的に接続される。操作部230は、例えば
図1(b)に表したケーブル235により、駆動制御部220と接続される。操作部230は、無線による通信手段により、駆動制御部220と接続されても良い。
【0018】
図3(a)に表したように、エアマットレス装置110は、第1コネクタ20aを含む。第1コネクタ20aは、例えば、ポンプユニット12に設けられる。身体支持装置210は、コネクタ22aおよびコネクタ23aを含む。コネクタ22aおよび23aは、例えば、駆動制御部220に設けられる。第1コネクタ20aには、第1ケーブル31の一端が接続され、コネクタ22aには、第1ケーブル31の他端が接続される。
【0019】
コネクタ23aには、ケーブル33の一端が接続される。ケーブル33の他端は、壁面等に設けられたコンセント23bと接続される。これにより、ケーブル33を介して、駆動制御部220に交流電流が供給される。例えば、駆動制御部220に供給された交流電流は、駆動制御部220において、直流電流に変換される。駆動制御部220からエアマットレス装置110(ポンプユニット12)に、第1ケーブル31を介して、例えば直流電流が供給される。または、第1ケーブル31は、AC-DCアダプタ(変換器、以下ACアダプタという)を含んでいても良い。このACアダプタにより、駆動制御部220から出力された交流電流が直流電流に変換され、直流電流がポンプユニット12に供給されても良い。
【0020】
第1コネクタ20a、コネクタ22a、および第1ケーブル31の端子は、例えば、配線用のコンセントへの差込プラグと異なる形状を有する。例えば、第1ケーブル31の両端には、雄型のDINコネクタが設けられる。第1コネクタ20aおよびコネクタ22aは、雌型のDINコネクタである。第1コネクタ20a、コネクタ22a、および第1ケーブル31の端子は、ミニDINコネクタ、フォンコネクタ、LANコネクタ、丸型コネクタ、または角型コネクタ等であっても良い。
【0021】
図1(a)に表したように、身体支持装置210は、フレーム75を含む。フレーム75は、可動部70の下方に位置し、可動部70を支持する。例えば、駆動制御部220は、フレーム75に固定される。
図3(b)に表したように、コネクタ22aは、フレーム75に設けられても良い。同様に、コネクタ23aは、フレーム75に設けられても良い。この場合、コネクタ22aおよび23aは、不図示の配線により、駆動制御部220と電気的に接続される。コネクタ22aは、例えば、身体支持システム310の通常使用時において、フレーム75とボード76との間に位置する。
【0022】
実施形態によれば、身体支持装置210から供給された電流により、エアマットレス装置110(ポンプユニット12)を駆動できる。このため、例えば、エアマットレス装置110から壁面等に設けられたコンセントまでケーブルを延ばす必要が無い。例えば、使用者や使用者や使用者の介護者がエアマットレス装置110の周りを歩く際に、ケーブルが邪魔にならない。実施形態によれば、より使いやすいエアマットレス装置110を提供できる。エアマットレス装置110を身体支持装置210に設けることで、より使いやすい身体支持システム310を提供できる。
【0023】
実施形態によれば、エアマットレス10が、複数のエアセル11およびポンプユニット12を含む。複数のエアセル11およびポンプユニット12が一体に設けられることで、エアマットレス装置110を小型化できる。
【0024】
身体支持システム310において発生するノイズは小さいことが望ましい。ノイズが小さいと、例えば、身体支持システム310における誤動作を抑制できる。例えば、身体支持システム310で発生したノイズが、周囲の電子機器に影響を与える可能性を低減できる。実施形態によれば、身体支持装置210に設けられたコネクタ22aは、例えば、コンセントと異なる形状を有する。これにより、エアマットレス装置110以外の電気製品のコネクタ22aへの接続を制限できる。例えば、駆動制御部220から供給される電力で駆動できる機器にのみ制限できる。
【0025】
図4において、実線の矢印は電気の流れを示し、破線の矢印は気体の流れを示す。
図4に表したように、ポンプユニット12は、例えば、電源部12a、通信部12b、制御部12c、リレー回路12d、ポンプ12e、圧力センサ12f、第1バルブ12g1、第2バルブ12g2、第3バルブ12g3、および排気弁12hを含む。
【0026】
例えば、駆動制御部220は、電力供給部225および通信部226を含む。電力供給部225からポンプユニット12の電源部12aに、例えば直流電力が供給される。通信部226から、ポンプユニット12の通信部12bに向けて信号が送られる。この信号は、例えば、身体支持装置210の動作情報を含む。これにより、例えば、身体支持装置210の動作に連動して、エアマットレス装置110を動作させることができる。
【0027】
電源部12aから制御部12cに、信号が送られる。この信号は、例えば、電源部12aへの電流の供給の有無に関する情報を含む。通信部12bから制御部12cに、信号が送られる。この信号は、例えば、身体支持装置210の動作情報を含む。
さらに、制御部12cには、圧力センサ12fから信号が送られる。圧力センサ12fは、ポンプ12eと、第1バルブ12g1~第3バルブ12g3と、の間の流路に接続され、この流路における圧力を検出する。圧力センサ12fは、検出した圧力に関する情報を、制御部12cに送信する。
制御部12cは、これらの信号に含まれる情報に基づき、リレー回路12dを駆動させる。リレー回路12dの駆動により、ポンプ12e、第1バルブ12g1~第3バルブ12g3、および排気弁12hのそれぞれへの電流供給のオン・オフが切り替えられる。
【0028】
第1バルブ12g1~第3バルブ12g3は、ポンプ12eおよび圧力センサ12fと、複数のエアセル11と、の間の流路に設けられる。この例では、ポンプ12eに接続された流路が、3つに分岐している。これらの流路に、それぞれ、第1バルブ12g1、第2バルブ12g2、および第3バルブ12g3が設けられている。複数のエアセル11のそれぞれは、第1バルブ12g1が接続された第1系統A、第2バルブ12g2が接続された第2系統B、および第3バルブ12g3が接続された第3系統Cのいずれかに接続される。
【0029】
排気弁12hは、ポンプ12eと、複数のバルブ12g1~12g3と、の間の流路に接続される。例えば、ポンプ12eおよび排気弁12hの駆動により、第1系統A~第3系統Cのいずれか1つの系統の圧力が、他の系統の圧力よりも低くなる。これにより、エアマットレス10の一部を柔らかくできる。圧力を低下させる系統を順次変化させることで、エアマットレス10における柔らかい部分の位置を変化させることができる。これにより、使用者の身体の特定の部位に圧力が継続して加わることを防止でき、使用者への褥瘡(床ずれ)の発生を抑制できる。
【0030】
第1ケーブル31は、例えば、伸縮可能である。例えば、
図5(a)に表したように、第1ケーブル31は、螺旋状に巻かれている。コネクタ22aは、例えば、身体支持装置210のフレーム75に設けられる。この場合、可動部70が動作し、ポンプユニット12の位置が高くなると、
図5(b)に表したように、第1コネクタ20aとコネクタ22aとの距離も長くなる。第1ケーブル31は、この距離の変化に応じて伸縮可能である。例えば、第1ケーブル31が伸縮可能なことで、第1コネクタ20aおよびコネクタ22aの配置の自由度が増す。例えば、第1ケーブル31が引っ張られた場合でも、第1ケーブル31が損傷し難くなる。
【0031】
例えば、第1コネクタ20aおよびコネクタ22aの少なくとも一方は、第1ケーブル31と固定せずに接続される。これにより、第1ケーブル31が引っ張られた際に、第1コネクタ20aまたはコネクタ22aから第1ケーブル31が外れやすくなる。例えば、第1ケーブル31が引っ張られた場合でも、第1ケーブル31が損傷し難くなる。
【0032】
図6(a)に表したように、第1コネクタ20aは、身体支持装置210に対向して設けられ、コネクタ22aは、エアマットレス装置110(可動部70)に対向して設けられていても良い。これにより、例えば、可動部70の動作時に第1ケーブル31が上方向または下方向に引っ張られた際に、第1ケーブル31が第1コネクタ20aまたはコネクタ22aから外れやすくなる。
【0033】
第1コネクタ20aおよびコネクタ22aは、第1ケーブル31と固定して接続されても良い。この場合、例えば
図6(b)に表したように、第1ケーブル31に、一対のコネクタ21cおよびコネクタ21dが設けられることが好ましい。コネクタ21cおよび21dは、固定せずに接続される。これにより、第1ケーブル31が引っ張られた際には、コネクタ21cと21dが外れ、第1ケーブル31が損傷し難くなる。
【0034】
第1ケーブル31は、電力供給用の配線以外に、通信用の配線を含んでいても良い。これにより、エアマットレス装置110と身体支持装置210との間で、1つのケーブルで信号の送受信が可能となる。エアマットレス装置110と身体支持装置210が通信用の配線で接続される場合、例えば、1つの操作部で、エアマットレス装置110および身体支持装置210の制御を操作できる。
【0035】
例えば、
図7に表したように、操作部230がケーブル235により駆動制御部220と接続される。操作部230が操作されると、信号が操作部230から駆動制御部220に入力される。操作部230から送信された信号が、可動部70の動作に関する場合、駆動制御部220は、可動部70を動作させる。操作部230から送信された信号が、エアマットレス装置110の動作に関する場合、駆動制御部220からポンプユニット12に信号が送信される。これにより、操作部230を用いて、可動部70およびポンプユニット12を動作させることができる。1つの操作部でエアマットレス装置110および身体支持装置210の制御を操作できることで、エアマットレス装置110および身体支持システム310をより使いやすくできる。
【0036】
身体支持装置210において、駆動制御部220により、コネクタ22aにおける電圧が監視されても良い。例えば、エアマットレス装置110と身体支持装置210が通信用の配線で接続される場合、駆動制御部220は、コネクタ22aにおける電圧が所定の閾値よりも低い場合、ポンプユニット12へ信号を送る。ポンプユニット12は、この信号を受信すると、ポンプ12eの動作を弱め、または停止させる。
駆動制御部220により、コネクタ22aを流れる電流が監視されても良い。例えば、駆動制御部220は、コネクタ22aにおける電流が所定の閾値よりも高い場合、ポンプユニット12へ信号を送る。ポンプユニット12は、この信号を受信すると、ポンプ12eの動作を弱め、または停止させる。
コネクタ22aにおける電圧またはコネクタ22aを流れる電流に基づき、駆動制御部220によりノイズの大きさが見積もられても良い。駆動制御部220は、ノイズの大きさが所定の閾値を超える場合、ポンプユニット12へ信号を送る。ポンプユニット12は、この信号を受信すると、ポンプ12eの動作を弱め、または停止させる。
駆動制御部220およびポンプユニット12により、これらの少なくともいずれかの動作が実行されることで、身体支持システム310で発生するノイズを小さくできる。
【0037】
エアマットレス装置110と身体支持装置210が通信用の配線で接続される場合、例えば、身体支持装置210の動作に連動して、エアマットレス装置110を動作させることが可能である。例えば、背ボトム70aの角度が大きくなると、使用者の背の角度も大きくなり、使用者の臀部からエアマットレス10に加わる力(体重)が大きくなる。これにより、エアマットレス10の一部が沈み込み、臀部が可動部70に接触すると、臀部に加わる応力が大きくなる。例えば、背ボトム70aの角度が大きくなるとともに、複数のエアセル11における圧力を高めることで、エアマットレス10の沈み込みを抑え、臀部が可動部70に接触しないようにし、臀部に加わる応力を小さくできる。
【0038】
エアマットレス装置110の動作に連動して、身体支持装置210が動作しても良い。例えば、エアマットレス装置110は、複数のエアセル14を含む。複数のエアセル14は、複数のエアセル11の一部の上に設けられる。複数のエアセル14は、横方向において、互いに離れている。横方向は、例えば、水平面に沿い、エアマットレス10の頭側と足側とを結ぶ方向に対して垂直である。
【0039】
例えば
図8(a)~
図8(c)に表したように、使用者の身体の一部に応力が継続して加わることを防止するために、エアマットレス装置110は、複数のエアセル14の一部を膨らませることができる。エアマットレス装置110のこの動作に連動して、身体支持装置210の傾きが変化しても良い。例えば、
図8(a)および
図8(b)に表したように、左側および右側の一方のエアセル14が膨らむと、エアセル14によって使用者Pの身体が、左側および右側の他方に押される。このエアマットレス装置110の動作に合わせて、身体支持装置210(可動部70)の左側または右側の他方が上昇する。これにより、例えば、使用者Pがエアマットレス装置110から転落し難くなる。
【0040】
図9(a)に表したように、身体支持システム310は、バッテリ240を含んでいても良い。バッテリ240は、例えば、第1ケーブル31により、ポンプユニット12および駆動制御部220と接続される。例えば、駆動制御部220にコンセント23bから電流が供給されている間、バッテリ240が充電される。停電時等において、駆動制御部220にコンセント23bから電流が供給されなくなると、ポンプユニット12および駆動制御部220には、バッテリ240から電流が供給される。これにより、停電時等においても、エアマットレス装置110および身体支持装置210を動作させることができ、エアマットレス装置110および身体支持システム310をより使いやすくできる。
【0041】
図9(b)に表したように、ポンプユニット12と駆動制御部220が第1ケーブル31により接続され、駆動制御部220とバッテリ240がケーブル34により接続されても良い。この場合、停電時等において、駆動制御部220を介してバッテリ240からポンプユニット12に電流が供給される。
【0042】
図10に表したように、実施形態に係る別のエアマットレス装置111は、第1コネクタ20aおよび第2コネクタ20bを含む。第1コネクタ20aおよび第2コネクタ20bは、例えば、ポンプユニット12に設けられる。
【0043】
第1コネクタ20aには、第1ケーブル31の一端が接続される。第2コネクタ20bには、第2ケーブル32の一端が接続される。ポンプユニット12には、第1ケーブル31および第2ケーブル32の一方を通して、直流電流が供給される。第1コネクタ20aの形状は、第2コネクタ22aの形状と異なる。これにより、第1コネクタ20aと第2コネクタ22aには、異なる種類のケーブルを接続できる。
【0044】
例えば、第1ケーブル31の他端の形状は、第2ケーブル32の他端の形状と異なる。これにより、第1ケーブル31と第2ケーブル32を、異なるコネクタに接続できる。例えば、第1コネクタ20aの他端は、身体支持装置210のコネクタ22aに接続できる。第2コネクタ22aの他端は、コンセント23bに接続できる。
【0045】
このエアマットレス装置111によれば、第1コネクタ20aおよび第1ケーブル31を用いてポンプユニット12に電流を供給するか、第2コネクタ20bおよび第2ケーブル32を用いてポンプユニット12に電流を供給するか選択できる。例えば、エアマットレス装置111を乗せる身体支持装置が、給電用のコネクタを含む場合は、第1ケーブル31により、この身体支持装置とポンプユニット12を接続できる。エアマットレス装置111を乗せる身体支持装置が、給電用のコネクタを含まない場合は、第2ケーブル32により、コンセント23bとポンプユニット12を接続できる。エアマットレス装置を乗せる身体支持装置の構成に拘わらず、エアマットレス装置に電流を供給できる。これにより、エアマットレス装置の使いやすさを向上できる。
【0046】
図11に表したエアマットレス装置112では、ポンプユニット12は、エアマットレス10と別体で設けられる。例えば、ポンプユニット12は、操作部30と一体となって、身体支持装置210のボード76に掛けられる。エアマットレス10の複数のエアセル11と、ポンプユニット12と、は、チューブ15により接続される。チューブ15を介して、複数のエアセル11内部の圧力が制御される。
【0047】
この例では、身体支持装置210に、コンセント24が設けられる。コンセント24は、例えば、駆動制御部220と電気的に接続される。第2ケーブル32の一端をポンプユニット12に接続し、第2ケーブル32の他端をコンセント24に接続することで、駆動制御部220からポンプユニット12へ、直流電流または交流電流を供給できる。コンセント24は、身体支持装置210の足側(背ボトム70aに対して膝ボトム70bおよび脚ボトム70cが位置する側)に設けられることが望ましい。コンセント24とポンプユニット12とを接続する第2ケーブル32を短くできるためである。この例においても、身体支持装置210からエアマットレス装置110へ電流を供給できるため、エアマットレス装置110および身体支持システム310をより使いやすくできる。
【0048】
以上の例では、身体支持装置210が電動ベッドである場合を例示した。本発明の実施形態は、これらの例に限定されない。身体支持装置210は、電動椅子またはストレッチャーなどであっても良い。
【0049】
実施形態によれば、より使いやすいエアマットレス装置および身体支持システムが提供できる。
【0050】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、エアマットレス装置および身体支持システムに含まれる操作部、エアマットレス、エアセル、ポンプユニット、コネクタ、ケーブル、可動部、駆動部、フレーム、制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0051】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0052】
その他、本発明の実施形態として上述したエアマットレス装置および身体支持システムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのエアマットレス装置および身体支持システムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0053】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0054】
10…エアマットレス
11…エアセル
12…ポンプユニット
12a…電源部
12b…通信部
12c…制御部
12d…リレー回路
12e…ポンプ
12f…圧力センサ
12g…バルブ
12h…排気弁
13…カバー
14…エアセル
15…チューブ
20a…第1コネクタ
20b…第2コネクタ
21c、21d、22a、23a…コネクタ
23b、24…コンセント
30…操作部
31…第1ケーブル
32…第2ケーブル
33、34、35…ケーブル
70…可動部
70a…背ボトム
70b…膝ボトム
70c…脚ボトム
71a…背ボトム駆動部
71b…膝ボトム駆動部
72…駆動部
75…フレーム
76…ボード
110、111、112…エアマットレス装置
210…身体支持装置
215…ケーブル
220…駆動制御部
221…ボトム制御部
222…制御部
225…電力供給部
226…通信部
230…操作部
235…ケーブル
240…バッテリ
310…身体支持システム
P 使用者