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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20220805BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220805BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021110790
(22)【出願日】2021-07-02
(62)【分割の表示】P 2018128380の分割
【原出願日】2018-07-05
(65)【公開番号】P2021153207
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】P 2018000065
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018109356
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000214272
【氏名又は名称】長瀬産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】栗田 洋一郎
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-154728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L25/00-25/07
H01L25/10-25/11
H01L25/16-25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電部材と、第1領域と、第2領域とを含む第1チップと、
第2導電部材と、第3領域と、第4領域とを含む第2チップと、
第3導電部材と、第5領域と、第6領域とを含む第3チップと、
金属パッドまたは金属バンプである第1端子と、
金属パッドまたは金属バンプである第2端子と、
前記第1チップの前記第1領域と前記第2チップの前記第3領域との間、前記第1チップの前記第2領域と前記第3チップの前記第5領域との間、前記第1端子と前記第2チップの前記第4領域との間、および前記第2端子と前記第3チップの前記第6領域との間に設けられた配線層と、を備え、
前記配線層は、
前記第1チップの前記第1領域と前記第2チップの前記第3領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第1導電部材と前記第2チップの前記第2導電部材とを接続する第4導電部材と、
前記第1チップの前記第2領域と前記第3チップの前記第5領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第1導電部材と前記第3チップの前記第3導電部材とを接続する第5導電部材と、を含み、
前記第1チップは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられ、
前記第2チップおよび前記第3チップは、前記配線層の一方の面に設けられ、
前記第1チップ、前記第1端子、および前記第2端子は、前記配線層の他方の面に設けられており、
前記第2チップと前記第3チップの間は、直接電気的に接続されずに、前記第1チップを通じて電気的に接続されている
電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Fan-Out配線層は、複数のチップ間の信号線を接続する役割と、チップへの電源供給の役割を担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5466203号公報
【文献】特開2015-188052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、チップ間の信号伝送性とチップへの安定的な電力供給性能に優れた電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、電子装置は、第1チップと、第2チップと、第3チップと、金属パッドまたは金属バンプである第1端子と、金属パッドまたは金属バンプである第2端子と、配線層と、を備えている。前記第1チップは、第1導電部材と、第1領域と、第2領域とを含む。前記第2チップは、第2導電部材と、第3領域と、第4領域とを含む。前記第3チップは、第3導電部材と、第5領域と、第6領域とを含む。前記配線層は、前記第1チップの前記第1領域と前記第2チップの前記第3領域との間、前記第1チップの前記第2領域と前記第3チップの前記第5領域との間、前記第1端子と前記第2チップの前記第4領域との間、および前記第2端子と前記第3チップの前記第6領域との間に設けられている。前記配線層は、第4導電部材と、第5導電部材とを含む。前記第4導電部材は、前記第1チップの前記第1領域と前記第2チップの前記第3領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第1導電部材と前記第2チップの前記第2導電部材とを接続する。前記第5導電部材は、前記第1チップの前記第2領域と前記第3チップの前記第5領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第1導電部材と前記第3チップの前記第3導電部材とを接続する。前記第1チップは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられている。前記第2チップおよび前記第3チップは、前記配線層の一方の面に設けられ、前記第1チップ、前記第1端子、および前記第2端子は、前記配線層の他方の面に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】(a)は、第1実施形態に係る電子装置を例示する模式断面図であり、(b)及び(c)は、第1実施形態に係る電子装置における第1チップの模式拡大断面図であり、(d)は第1実施形態に係る電子装置における第1チップ、第2チップ、および第3チップの接続関係を示す模式図である。
図2】(a)は、第1実施形態に係る電子装置における第1チップ、第2チップ、および第3チップの配置例を示す模式平面図であり、(b)は第1実施形態に係る電子装置における第2チップ、第3チップ、および樹脂部の模式平面図である。
図3】第1実施形態に係る電子装置の製造方法の例を示す模式断面図である。
図4】第1実施形態に係る電子装置の製造方法の例を示す模式断面図である。
図5】第1実施形態に係る電子装置の製造方法の例を示す模式断面図である。
図6】第1実施形態に係る電子装置の製造方法の例を示す模式断面図である。
図7】第2実施形態に係る電子装置を例示する模式断面図である。
図8】(a)および(b)は、第2実施形態に係る電子装置における第1チップ、第2チップ、および第3チップの接続関係を示す模式図である。
図9】第3実施形態に係る電子装置における第1チップ、第2チップ、および第3チップの接続関係を示す模式図である。
図10】第4実施形態に係る電子装置を例示する模式断面図である。
図11】(a)は、第5実施形態に係る電子装置を例示する模式断面図であり、(b)は、第5実施形態に係る電子装置の他の例を示す模式断面図である。
図12】第5実施形態に係る電子装置における第1チップおよび第2チップの配置例を示す模式平面図である。
図13】第6実施形態に係る電子装置を例示する模式断面図である。
図14】第6実施形態に係る電子装置における第1チップと第2チップとの接続関係を示す模式図である。
図15】第6実施形態に係る電子装置における第1チップの構成を示す模式平面図である。
図16】(a)は、第7実施形態に係る電子装置における第1チップ、第2チップ、および第3チップの接続関係を示す模式断面図であり、(b)は、第8実施形態に係る電子装置における第1チップおよび第2チップの接続関係を示す模式断面図である。
図17図1(a)に示す電子装置の変形例を示す模式断面図である。
図18図7に示す電子装置の変形例を示す模式断面図である。
図19図10に示す電子装置の変形例を示す模式断面図である。
図20図13に示す電子装置の変形例を示す模式断面図である。
図21】第9実施形態に係る電子装置の模式断面図である。
図22】第2実施形態における第1チップ、第2チップ、第3チップ、および配線層の配置と接続を示す模式図である。
図23図22に示す電子装置の模式平面図である。
図24図23における第2チップの位置と第3チップの位置とを入れ替えた模式図である。
図25】第2実施形態の電子装置のニューラルネットワークへの応用例を示す模式平面図である。
図26】ニューラルネットワークの説明図である。
図27】第2実施形態の電子装置のニューラルネットワークへの応用例を示す模式図である。
図28】第2実施形態の電子装置における第1チップ、第2チップ、および第3チップのフルグリッドタイル構造を示す模式平面図である。
図29図28に示す実施形態のニューラルネットワークへの応用例を示す模式平面図である。
図30】実施形態の第3チップの一例の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
以下の実施形態において、電子装置は、例えば半導体装置である。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態に係る電子装置1を例示する模式断面図である。
図1(b)及び(c)は、電子装置1における第1チップ10の模式拡大断面図である。
図1(d)は、電子装置1における第1チップ10、第2チップ20、および第3チップ30の接続関係を示す模式図である。
図2(a)は、電子装置1における第1チップ10、第2チップ20、および第3チップ30の配置例を示す模式平面図である。
図2(b)は、電子装置1における第2チップ20、第3チップ30、および樹脂部51の模式平面図である。
【0009】
図1(a)に示すように、第1実施形態に係る電子装置1は、配線層40と、第1チップ10と、第2チップ20と、第3チップ30と、樹脂部51と、複数の第1端子81と、複数の第2端子82とを含む。
【0010】
第1チップ10は、第1領域10aと第2領域10bとを含む。第2チップ20は、第3領域20aと第4領域20bとを含む。第3チップ30は、第5領域30aと第6領域30bとを含む。
【0011】
第1チップ10の第1領域10aから第2チップ20の第3領域20aに向かう方向は、第1方向に沿う。第1チップ10の第2領域10bから第3チップ30の第5領域30aに向かう方向は、第1方向に沿う。
【0012】
第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0013】
配線層40は、例えばX-Y平面に沿っている。
【0014】
第2チップ20から第3チップ30に向かう第2方向は、第1方向と交差する。この例では、第2方向は、X軸方向に沿う。
【0015】
第1チップ10の第1領域10aから第2チップ20の第4領域20bに向かう方向は、第1方向および第2方向と交差する。第1チップ10の第2領域10bから第3チップ30の第6領域30bに向かう方向は、第1方向および第2方向と交差する。
【0016】
配線層40は、第1チップ10の第1領域10aと第2チップ20の第3領域20aとの間、第1チップ10の第2領域10bと第3チップ30の第5領域30aとの間、第1端子81と第2チップ20の第4領域20bとの間、および第2端子82と第3チップ30の第6領域30bとの間に設けられている。
【0017】
図1(b)に示すように、第1チップ10は、基板12と配線層14とを含む。基板12のZ軸方向に沿った厚さは、配線層14のZ軸方向に沿った厚さよりも厚い。
【0018】
基板12は、例えば、シリコン基板またはガラス基板である。配線層14は、例えば、ダマシン法やセミアディティブプロセスにより形成された配線層である。配線層14は、絶縁層13と第1導電部材11とを含む。第1チップ10が素子を含まない単に配線だけの機能をもつブリッジチップの場合、基板12として高抵抗シリコン基板を使うことができる。この高抵抗シリコン基板の比抵抗は、例えば10Ωcm以上である。
【0019】
第1導電部材11は、例えば金属部材である。第1導電部材11は、複数の電極端子11aと、電極端子11aと接続された導電層11bとを含む。導電層11bは、電極端子11aと基板12との間に設けられている。
【0020】
または、図1(c)に示すように、第1チップ10は、第1導電部材11を含む配線層14だけを含み、基板12を含まない。基板12に配線層14を形成した後、基板12を除去することができる。
【0021】
図1(a)に示すように、第1チップ10と配線層40との間に絶縁部55が設けられている。絶縁部55は、例えば樹脂材料もしくは無機材料からなる。絶縁部55は、第1導電部材11を覆っている。例えば、第1導電部材11を配線層40に接続後に、絶縁部55を注入することができる。または、絶縁部55をあらかじめ第1導電部材11の周囲を含む領域に形成しておき、第1導電部材11と同時に絶縁部55を配線層40に接続する製法を用いても構わない。
【0022】
図1(a)に示すように、第2チップ20は、第2導電部材21を含む。第2導電部材21は、例えば金属部材である。第2導電部材21は、第1信号端子21aと、第1電源端子21bと、これら第1信号端子21aおよび第1電源端子21bと接続された導電層(図示省略)とを含む。第2チップ20は、例えばロジック素子を含む。ロジック素子は、例えば、主に情報の演算・制御に関わる機能に用いられる。
【0023】
図1(a)に示すように、第3チップ30は、第3導電部材31を含む。第3導電部材31は、例えば金属部材である。第3導電部材31は、第2信号端子31aと、第2電源端子31bと、これら第2信号端子31aおよび第2電源端子31bと接続された導電層(図示省略)とを含む。第3チップ30は、例えばメモリ素子を含む。メモリ素子は、例えば、主に情報の蓄積に関わる機能に用いられる。
【0024】
配線層40は、絶縁層45と、第4導電部材41と、第5導電部材42と、第6導電部材43と、第7導電部材44とを含む。
【0025】
絶縁層45は、例えば樹脂層である。絶縁層45は、第4導電部材41、第5導電部材42、第6導電部材43、および第7導電部材44のそれぞれの間に設けられている。絶縁層45は、第4導電部材41、第5導電部材42、第6導電部材43、および第7導電部材44のそれぞれの間を絶縁分離している。絶縁層45は、無機系絶縁材料の層であっても構わない。
【0026】
第4導電部材41は、第1チップ10の第1領域10aと第2チップ20の第3領域20aとの間に設けられ、第1チップ10の第1導電部材11と第2チップ20の第1信号端子21aとを接続している。第4導電部材41は、Z軸方向に沿って延びる例えば金属ビアである。複数の第4導電部材41が、X-Y平面内にアレイ状に配置されることで、多数のチップ間配線接続を可能にする。
【0027】
第5導電部材42は、第1チップ10の第2領域10bと第3チップ30の第5領域30aとの間に設けられ、第1チップ10の第1導電部材11と第3チップ30の第2信号端子31aとを接続している。第5導電部材42は、Z軸方向に沿って延びる例えば金属ビアである。複数の第5導電部材42が、X-Y平面内にアレイ状に配置されることで、多数のチップ間配線接続を可能にする。
【0028】
第6導電部材43は、第1端子81と、第2チップ20の第4領域20bとの間に設けられ、第2チップ20の第1電源端子21bと第1端子81とを接続している。
【0029】
第7導電部材44は、第2端子82と、第3チップ30の第6領域30bとの間に設けられ、第3チップ30の第2電源端子31bと第2端子82とを接続している。
【0030】
第6導電部材43および第7導電部材44は、例えば金属配線である。第1端子81および第2端子82は、電子装置1を外部回路に接続させる外部端子である。第1端子81および第2端子82は、例えばはんだボールである。第1端子81および第2端子82は、金属パッドまたは金属バンプであってもよい。
【0031】
第1チップ10は、第1端子81と第2端子82との間に設けられている。第1端子81から第1チップ10に向かう方向は、X軸方向に沿う。第2端子82から第1チップ10に向かう方向は、X軸方向に沿う。
【0032】
樹脂部51は、第2チップ20および第3チップ30の少なくとも側面の一部を覆っている。この側面は、X-Y平面と交差する。図1(a)に示す例では、第2チップ20および第3チップ30の配線層40とは反対の面も樹脂部51により被覆した形態を示しているが、前記配線層40とは反対の面を樹脂部51から露出させることは任意である。
【0033】
図1(a)に示すように、樹脂部51は、第1樹脂領域51aと、第2樹脂領域51bと、第3樹脂領域51cを含む。図2(b)に示すように、樹脂部51は、さらに第4樹脂領域51dと、第5樹脂領域51eとを含む。第1樹脂領域51a~第5樹脂領域51eは、互いに連続している。
【0034】
図1(a)に示す例では、第2導電部材21の周囲部および第3導電部材31の周囲部にも樹脂部51を配置した構成となっているが、第2導電部材21の周囲部および第3導電部材31の周囲部は樹脂部51でなくても良く、例えば異なる絶縁材料であっても構わない。
【0035】
第2チップ20は、第1樹脂領域51aと第3樹脂領域51cとの間に設けられている。第1樹脂領域51aから第3樹脂領域51cに向かう方向は、X軸方向に沿う。第3チップ30は、第3樹脂領域51cと第2樹脂領域51bとの間に設けられている。第3樹脂領域51cは、第2チップ20と第3チップ30との間に設けられている。第3樹脂領域51cから第2樹脂領域51bに向かう方向は、X軸方向に沿う。
【0036】
第2チップ20は、第4樹脂領域51dと第5樹脂領域51eとの間に設けられている。第3チップ30は、第4樹脂領域51dと第5樹脂領域51eとの間に設けられている。第4樹脂領域51dから第5樹脂領域51eに向かう方向は、Y軸方向に沿う。
【0037】
第1端子81と第1樹脂領域51aとの間、および第2端子82と第2樹脂領域51bとの間にも、配線層40が設けられている。
【0038】
第1実施形態に係る電子装置1は、さらに、第4チップ70、第8導電部材52、第9導電部材53、および半導体パッケージ装置60を含む。
【0039】
第4チップ70は、例えば、IPD(Integrated Passive Device)、または受動素子を含む。受動素子は、例えば、コンデンサ、インダクタ、抵抗素子等のディスクリート部品を含む。第4チップ70は、例えば第6導電部材43と接続されている。
【0040】
第4チップ70と第2チップ20の第4領域20bとの間に、配線層40が設けられている。第4チップ70から第2チップ20に向かう方向は、Z軸方向に沿う。
【0041】
第4チップ70は、第1端子81と第1チップ10との間に設けられている。第4チップ70から第1チップ10に向かう方向は、X軸方向に沿う。
【0042】
第8導電部材52は、Z軸方向に延びる例えば柱状の金属ビアである。第9導電部材53は、例えばはんだボールである。
【0043】
半導体パッケージ装置60は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)素子や、フラッシュメモリ等を代表とするNVM(Non Volatile Memory)を含む。
【0044】
半導体パッケージ装置60と配線層40との間に、第8導電部材52、第9導電部材53、第2チップ20、第3チップ30、および樹脂部51が設けられている。
【0045】
第9導電部材53は、第8導電部材52と半導体パッケージ装置60との間に設けられ、第8導電部材52および半導体パッケージ装置60と接続されている。
【0046】
第8導電部材52は、配線層40と第9導電部材53との間に設けられている。第8導電部材52は、第9導電部材53、配線層40の第6導電部材43および第7導電部材44に接続されている。
【0047】
図1(a)および図2に示すように、第1チップ10のX軸方向に沿った長さは、第2チップ20のX軸方向に沿った長さ、および第3チップ30のX軸方向に沿った長さよりも短い。
【0048】
第1チップ10の第1導電部材11は、第4導電部材41を通じて、第2チップ20の第1信号端子21aと電気的に接続されている。第1チップ10の第1導電部材11は、第5導電部材42を通じて、第3チップ30の第2信号端子31aと電気的に接続されている。したがって、第2チップ20の第1信号端子21aは、第4導電部材41、第1チップ10の第1導電部材11、および第5導電部材42を通じて、第3チップ30の第2信号端子31aと電気的に接続されている。
【0049】
電源は、第1端子81および第6導電部材43を通じて、第2チップ20の第1電源端子21bに供給され、第2端子82および第7導電部材44を通じて、第3チップ30の第2電源端子31bに供給される。
【0050】
第4導電部材41と第6導電部材43とは互いに接続されず、第5導電部材42と第7導電部材44とは互いに接続されていない。したがって、第1チップ10には電源は供給されず、単に第2チップ20と第3チップ30とを接続する配線部材として機能する。第1チップ10は、トランジスタなどの能動素子、および受動素子を含まない。
【0051】
第1実施形態に係る電子装置1によれば、第2チップ20と第3チップ30との間は、第1チップ10を通じて接続される。第1チップ10には、例えばウェーハプロセスで低コストに高密度微細配線を形成することができる。第2チップ20および第3チップ30が搭載される配線層40には、それらのチップ間接続のための高密度微細配線を形成しなくて済み、大面積のパネルレベルで形成可能なラフなラインアンドスペースをもつ配線だけとすることができる。これは、コスト低減を可能にする上、第6導電部材43および第7導電部材44を通じた第2チップ20および第3チップ30への電源インピーダンスを低減し、電力供給性能向上に寄与する。
【0052】
また、第1チップ10は、能動素子や受動素子などを含まない、配線だけの構造にすることができ、コストを大幅に低減できる。さらに素子を含まない分、第1チップ10のチップサイズを小型化でき、第1端子81および第2端子82を配置する領域を広く確保できる。これは、第1端子81と第2チップ20の第1電源端子21bとの間の距離、および第2端子82と第3チップ30の第2電源端子31bとの間の距離の低減を可能にし、第2チップ20および第3チップ30の電源インピーダンスを低くできる。この電源インピーダンスの低減は、電源電圧の変動を抑止し、安定した動作を可能にする。
【0053】
第3チップ30は、メモリ素子として例えばキャッシュメモリを含む。半導体パッケージ装置60は、キャッシュメモリよりも記憶容量が大きいメインメモリとして例えばDRAM、さらにはストレージメモリとしてフラッシュメモリ等を代表とするNVM(Non Volatile Memory)を含ませることができる。第2チップ20は、第3チップ30および半導体パッケージ装置60を制御する機能を持たせることも出来る。
【0054】
このような実施形態によれば、第2チップ20にキャッシュメモリを集積内蔵させた構成に比べて例えば大容量のキャッシュメモリを1つのパッケージ内にシステムとして組み込むことができシステム性能の向上が図れ、且つチップ間接続配線のコストダウン、および各チップへの高い電力供給性能を実現することができる。
【0055】
図3(a)~図6(d)は、第1実施形態に係る電子装置1の製造方法の例を示す模式断面図である。
【0056】
図3(a)に示すように、支持体100に配線層40を形成する。配線層40は、前述した、絶縁層45、第4導電部材41、第5導電部材42、第6導電部材43、および第7導電部材44を含む。
【0057】
図6(a)~(d)は、例えば第4導電部材41を形成する工程を示す。なお、図6(b)~(d)では、支持体100の図示を省略している。
【0058】
また、配線層40と支持体100との間に剥離層が配置されていても良いが、これを省略している。剥離層とは、力学的応力や光学的エネルギー(レーザ照射など)の付与により配線層40と支持体100とが分離する機能を付与する為の層状材料である。
【0059】
支持体100上にパッド92を形成した後、そのパッド92を覆う絶縁層91が形成される。絶縁層91にはパッド92に達するホール91aが形成される。
【0060】
ホール91a内に、図6(b)に示すように、ビア93が形成される。ビア93の端部は絶縁層91上にも形成される。ビア93と同時に、第6導電部材43に含まれる導電層94と、第7導電部材44に含まれる導電層95が絶縁層91上に形成される。
【0061】
図6(c)に示すように、絶縁層91に、さらに絶縁層96が積層される。その絶縁層96にはビア93の端部に達するホール96aが形成される。そのホール96a内に、図6(d)に示すように、ビア97が形成される。この後、さらに絶縁層を形成し、その絶縁層にホールを形成し、そのホール内にビアを形成してもよい。
【0062】
絶縁層を形成する工程と、絶縁層にホールを形成する工程と、ホール内にビアを形成する工程とが複数回繰り返され、Z軸方向に相互に接続された複数のビア93、97を含むスタックトビア構造の第4導電部材41が形成される。同じくスタックトビア構造の第5導電部材42も、第4導電部材41と同様に形成される。なお、ビア93とビア97はZ軸方向に沿って直線状に並ぶことに限らず、図6(e)に示すように、ビア93とビア97が、X軸方向(またはY軸方向)に位置がずれていてもよい。
【0063】
配線層40を形成した後、図3(b)に示すように、配線層40に第8導電部材52を固定する。さらに、図4(a)に示すように、配線層40に第2チップ20および第3チップ30を固定する。第8導電部材52よりも先に、第2チップ20および第3チップ30を配線層40に固定してもよい。
【0064】
第8導電部材52、第2チップ20、および第3チップ30は、図4(b)に示すように、樹脂部51に覆われる。樹脂部51は、配線層40に積層される。
【0065】
樹脂部51を形成した後、支持体100を除去する。前述した剥離層による機能を利用して支持体100を除去しても良いし、支持体100を研削、エッチングなどの方法により除去しても良い。これらのプロセスにより、配線層40における支持体100に対面していた面が、図5(a)に示すように露出する。
【0066】
その配線層40の露出した面に、図5(b)に示すように、第1チップ10および第4チップ70を固定する。第1チップ10を配線層40に固定した後、図1(b)に示す第1チップ10の基板12を除去してもよい。
【0067】
その後、図1に示す、第1端子81および第2端子82が配線層40に固定され、さらに半導体パッケージ装置60が積層される。なお、半導体パッケージ装置60が積層される順序は、第1端子81および第2端子82が固定される後であっても良い。
【0068】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る電子装置2を例示する模式断面図である。
図8(a)は、電子装置2における第1チップ110、第2チップ20、および第3チップ30の接続関係を示す模式図である。図8(b)は、第1チップ110、第2チップ20、および第3チップ30の接続関係を平面的に表した模式図である。
【0069】
図7に示すように、第2実施形態に係る電子装置2は、配線層40と、第1チップ110と、第2チップ20と、第3チップ30と、樹脂部51と、複数の第1端子81と、複数の第2端子82とを含む。
【0070】
第1チップ110は、第1導電部材111と、第1領域110aと、第2領域110bとを含む。第1チップ110の第1領域110aから第2チップ20の第3領域20aに向かう方向は、第1方向に沿う。第1チップ110の第2領域110bから第3チップ30の第5領域30aに向かう方向は、第1方向に沿う。
【0071】
第1チップ110の第1領域110aは、第2チップ20の第3領域20aに向き合い、第2チップ20の第3領域20aと接続される接続領域である。第2チップ20の第3領域20aは、第1チップ110の第1領域110aに向き合い、第1チップ110の第1領域110aと接続される領域である。第1チップ110の第2領域110bは、第3チップ30の第5領域30aに向き合い、第3チップ30の第5領域30aと接続される接続領域である。第3チップ30の第5領域30aは、第1チップ110の第2領域110bに向き合い、第1チップ110の第2領域110bに接続される接続領域である。
【0072】
第1チップ110の第1領域110aから第2チップ20の第4領域20bに向かう方向は、第1方向および第2方向と交差する。第1チップ110の第2領域110bから第3チップ30の第6領域30bに向かう方向は、第1方向および第2方向と交差する。
【0073】
配線層40は、第1チップ110の第1領域110aと第2チップ20の第3領域20aとの間、第1チップ110の第2領域110bと第3チップ30の第5領域30aとの間、第1端子81と第2チップ20の第4領域20bとの間、および第2端子82と第3チップ30の第6領域30bとの間に設けられている。
【0074】
配線層40の第4導電部材41は、第1チップ110の第1領域110aと第2チップ20の第3領域20aとの間に設けられ、第1チップ110の第1導電部材111と第2チップ20の第1信号端子21aとを接続している。複数の第4導電部材41が、X-Y平面内にアレイ状に配置されることで、多数のチップ間配線接続を可能とする。
【0075】
配線層40の第5導電部材42は、第1チップ110の第2領域110bと第3チップ30の第5領域30aとの間に設けられ、第1チップ110の第1導電部材111と第3チップ30の第4信号端子31aとを接続している。複数の第5導電部材42が、X-Y平面内にアレイ状に配置されることで、多数のチップ間配線接続を可能とする。
【0076】
第1チップ110は、第1端子81と第2端子82との間に設けられている。第1端子81から第1チップ110に向かう方向は、X軸方向に沿う。第2端子82から第1チップ110に向かう方向は、X軸方向に沿う。
【0077】
第1チップ110のX軸方向に沿った長さは、第2チップ20のX軸方向に沿った長さ、および第3チップ30のX軸方向に沿った長さよりも短い。
【0078】
第1チップ110は、上記第1実施形態の第1チップ10と同様に第2チップ20と第3チップ30との間を接続する第1導電部材111を含む。さらに、第1チップ110は、図8(a)に示すように第1メモリ素子113を含んでも良い。第1メモリ素子113は、例えばキャッシュメモリである。
【0079】
第3チップ30は、第2メモリ素子115を含む。第2メモリ素子115は、例えばメインメモリであり、DRAMであっても良い。第1チップ110が第1メモリ素子113を含む場合、第2メモリ素子115の記憶容量は第1メモリ素子113の記憶容量よりも大きい。
【0080】
図7には、複数の第3チップ30がZ軸方向に積層された例を示す。第1メモリ素子113は、第2メモリ素子115よりも動作速度が速い。複数の第3チップ30間の接続方法としては各種のものが用いられ、例えばTSV(Through Silicon Via)でも良いし、金属ワイヤ接続であっても良い。第2メモリ素子115を含む第3チップ30は、電子装置2のボードへの実装面の反対側に設けられているため、複数の第3チップ30の積層が容易であり、第2メモリ素子115を大容量化しやすい。
【0081】
第2チップ20は、例えばロジック素子を含み、第1チップ110の第1メモリ素子113、および第3チップ30の第2メモリ素子115を制御する。または、第2チップ20のロジック素子は、第3チップ30の第2メモリ素子115のみを制御しても良い。本明細書において、「制御」とは、ロジック素子とメモリ素子との間の相互のデータ転送とその制御、メモリ素子内でのデータ移動とその制御を含む。
【0082】
第1チップ110の第1導電部材111は、図8(a)に示すように、第2チップ20と第3チップ30とを接続する複数の配線112を含む。配線112は、例えば金属配線である。または、配線112は、光配線(または光導波路)であってもよい。配線112は、第2チップ20から第3チップ30へデータ転送するためのバスとして機能する。
【0083】
図8(a)および図8(b)に示すように、第2チップ20は、複数の第2信号端子21aaと複数の第3信号端子21abとを含む。第2信号端子21aaおよび複数の第3信号端子21abは、第2チップ20の第3領域20aに設けられている。
【0084】
第1メモリ素子113は、複数の第1信号端子113aを含む。第1信号端子113aは、第1チップ110の第1領域110aに設けられ、第1メモリ素子113と電気的に接続されている。
【0085】
配線層40の第4導電部材41は、複数の金属ビア41aと複数の金属ビア41bを含む。金属ビア41aは、第2チップ20の第2信号端子21aaと、第1チップ110の第1信号端子113aとを接続している。金属ビア41bは、第2チップ20の第3信号端子21abと、配線112とを接続している。
【0086】
第3チップ30は、複数の第4信号端子31aを含む。第4信号端子31aは、第3チップ30の第5領域30aに設けられ、第2メモリ素子115と接続されている。第4信号端子31aは、第1チップ110の配線112と接続されている。
【0087】
第1チップ110の配線112は、第2チップ20の第3信号端子21abと、第3チップ30の第4信号端子31aとを接続している。配線112は、第1チップ110、第2チップ20、および第3チップ30を外部と接続させるための配線である配線層40の第6導電部材43および第7導電部材44とは接続されていない。配線層40の配線も、例えば金属配線である。または、配線層40の配線は、光配線(または光導波路)であってもよい。
【0088】
第2チップ20と第1メモリ素子113との間の接続は、配線112を介さずに、金属ビア41aによるビア接続である。
【0089】
第1メモリ素子113を含む第1チップ110には電源が供給される。図7に示す第1チップ110の第1導電部材111は、第6導電部材43を通じて第1端子81と電気的に接続されている。または、第1チップ110の第1導電部材111は、第7導電部材44を通じて第2端子82と電気的に接続されている。第1チップ110には、第2チップ20または第3チップ30を経由して電源供給することもできる。
【0090】
第1チップ110に設けられた配線112は、半導体ウェーハプロセスで形成されるいわゆるオンチップ配線である。これに対して、配線層40における配線である第6導電部材43および第7導電部材44は、半導体ウェーハよりも大サイズのパネルレベルで形成されるラフな配線とすることができる。すなわち、第1チップ110の配線112の最小間隔は、配線層40の配線の最小間隔よりも小さい。
【0091】
第2実施形態に係る電子装置2においても、第2チップ20と第3チップ30との間は、第1チップ110を通じて接続される。第1チップ110には、例えばウェーハプロセスで低コストに高密度微細配線を形成することができる。第2チップ20および第3チップ30が搭載される配線層40には、それらのチップ間接続のための高密度微細配線を形成しなくて済み、パネルレベルで形成可能なラフなラインアンドスペースをもつ配線だけとすることができる。これは、コスト低減を可能にする。
【0092】
また、第1チップ110は主にチップ間配線の機能を担い、そのチップサイズを小さくできる。その分、第1端子81および第2端子82を配置する領域を広く確保できる。これは、第1端子81と第2チップ20の第1電源端子21bとの間の距離、および第2端子82と第3チップ30の第2電源端子31bとの間の距離の低減を可能にし、第2チップ20および第3チップ30の電源インピーダンスを低くできる。この電源インピーダンスの低減は、電源電圧の変動を抑止し、安定した動作を可能にする。
【0093】
また、第2実施形態によれば、第1チップ110は、チップ間接続を担うだけでなく、メモリ機能も持たせても良い。このような第2実施形態によれば、メモリ階層構造の多層化によるシステム性能の向上、および大容量化を可能にする。
【0094】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る電子装置における第1チップ110’、第2チップ20、および第3チップ30の接続関係を示す模式図である。
【0095】
第3実施形態に係る電子装置は、図7に示す第2実施形態に係る電子装置2において、第1チップ110を第1チップ110’に置き換えた構造を有する。すなわち、第1チップ110’も、第1チップ110と同様の配線112、第1領域110a、および第2領域110bを含む。
【0096】
さらに、第1チップ110’は、図9に示すように、第1メモリ素子113と、制御部114とを含む。第1メモリ素子113は、例えばキャッシュメモリである。第1チップ110’は、第1メモリ素子113と電気的に接続された複数の第1信号端子113aを含む。
【0097】
第3チップ30は、第2メモリ素子115と、複数の第4信号端子31aと、複数の第6信号端子31bを含む。第4信号端子31aと第6信号端子31bは、第2メモリ素子115と電気的に接続されている。
【0098】
第2チップ20は、複数の第2信号端子21aaと、複数の第3信号端子21abと、複数の第5信号端子21acとを含む。
【0099】
第1チップ110’の制御部114は、複数の金属ビア42を通じて、第3チップ30の第6信号端子31bと接続されている。制御部114は、第3チップ30の第2メモリ素子115を制御する。すなわち、第1チップ110’は、大容量の第2メモリ素子115を制御する機能ももつ。
【0100】
第1チップ110’の制御部114は、第1チップ110’内の複数の配線116を通じて、第1メモリ素子113と接続され、第1メモリ素子113を制御する。
【0101】
また、第1チップ110’の制御部114は、配線層40に設けられた配線117を通じて、第2チップ20の第5信号端子21acと接続されている。
【0102】
第1チップ110’には、第1端子81および第6導電部材43を通じて電源が供給される。または、第1チップ110’には、第2端子82および第7導電部材44を通じて電源が供給される。
【0103】
図9に示す構成によれば、第1チップ110’の制御部114が、第3チップ30の第2メモリ素子115および第1チップ110’の第1メモリ素子113の両者を制御することができる。これは、第2チップ20のロジック素子の、第2メモリ素子115および第1メモリ素子113の両者に対する制御に伴う情報処理時間および動作エネルギーを消費すること無く、メモリ階層構造におけるデータ配置の最適化を可能にする。例えば第1メモリ素子113がキャッシュメモリである場合に、第2チップ20のロジック素子が必要とするデータを適宜第3チップ30の第2メモリ素子115から第1メモリ素子113へ移動させることを、第2チップ20の制御に頼ること無く、実現可能になる。
【0104】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係る電子装置3を例示する模式断面図である。
【0105】
第4実施形態に係る電子装置3は、配線層240と、第1チップ210と、第2チップ220と、第3チップ230と、樹脂部51と、複数の第1端子81と、複数の第2端子82とを含む。
【0106】
第1チップ210は、第1光素子211と、第2光素子212と、光導波路213とを含む。第1光素子211は第1電極端子211aを含み、第2光素子212は第2電極端子212aを含む。
【0107】
第1光素子211は、例えば発光素子または受光素子である。第2光素子212は、例えば発光素子または受光素子である。光導波路213は、第1光素子211と第2光素子212との間に設けられている。第1光素子211および第2光素子212は、光導波路213と光結合している。
【0108】
第2チップ220は、第1領域220aと第2領域220bとを含む。第3チップ230は、第3領域230aと第4領域230bとを含む。
【0109】
第1チップ210の第1光素子211から第2チップ20の第1領域220aに向かう方向は、第1方向に沿う。第1チップ210の第2光素子212から第3チップ30の第3領域230aに向かう方向は、第1方向に沿う。第2チップ220から第3チップ230に向かう第2方向は、第1方向と交差する。この例では、第2方向は、X軸方向に沿う。第1光素子211から第2光素子212に向かう方向は、第2方向に沿う。
【0110】
第1チップ210の第1光素子211から第2チップ220の第2領域220bに向かう方向は、第1方向および第2方向と交差する。第1チップ210の第2光素子212から第3チップ230の第4領域230bに向かう方向は、第1方向および第2方向と交差する。
【0111】
配線層240は、第1チップ210の第1光素子211と第2チップ220の第1領域220aとの間、第1チップ210の第2光素子212と第3チップ230の第3領域230aとの間、第1端子81と第2チップ220の第2領域220bとの間、および第2端子82と第3チップ230の第4領域230bとの間に設けられている。
【0112】
第1チップ210と配線層240との間に絶縁部255が設けられている。絶縁部255は、例えば、樹脂材料もしくは無機材料からなる。絶縁部255は、第1光素子211の第1電極端子211a、および第2光素子212の第2電極端子212aを覆っている。例えば、第1電極端子211aおよび第2電極端子212aを配線層240に接続後に、絶縁部255を注入することができる。または、絶縁部255をあらかじめ第1電極端子211aおよび第2電極端子212aの周囲を含む領域に形成しておき、第1電極端子211aおよび第2電極端子212aと同時に絶縁部255を配線層240に接続する製法を用いても構わない。
【0113】
第2チップ220は、第1導電部材221を含む。第1導電部材221は、例えば金属部材である。第1導電部材221は、第1信号端子221aと、第1電源端子221bと、これら第1信号端子221aおよび第1電源端子221bと接続された導電層(図示省略)とを含む。第2チップ220は、例えばロジック素子を含む。
【0114】
第3チップ230は、第2導電部材231を含む。第2導電部材231は、例えば金属部材である。第2導電部材231は、第2信号端子231aと、第2電源端子231bと、これら第2信号端子231aおよび第2電源端子231bと接続された導電層(図示省略)とを含む。第3チップ230は、例えばメモリ素子もしくはロジック素子を含む。
【0115】
配線層240は、絶縁層45と、第3導電部材241と、第4導電部材242と、第5導電部材243と、第6導電部材244とを含む。
【0116】
絶縁層45は、例えば樹脂層である。絶縁層45は、第3導電部材241、第4導電部材242、第5導電部材243、および第6導電部材244のそれぞれの間に設けられている。
【0117】
第3導電部材241は、第1チップ210の第1光素子211と第2チップ220の第1領域220aとの間に設けられ、第1光素子211の第1電極端子211aと第2チップ220の第1信号端子221aとを電気接続している。第3導電部材241は、Z軸方向に沿って延びる例えば金属ビアである。複数の第3導電部材241が、X-Y平面内にアレイ状に配置されることで、多数のチップ間配線接続を可能とする。
【0118】
第4導電部材242は、第1チップ210の第2光素子212と第3チップ230の第3領域230aとの間に設けられ、第2光素子212の第2電極端子212aと第3チップ230の第2信号端子231aとを電気接続している。第4導電部材242は、Z軸方向に沿って延びる例えば金属ビアである。複数の第4導電部材242が、X-Y平面内にアレイ状に配置されることで、多数のチップ間配線接続を可能とする。
【0119】
第5導電部材243は、第1端子81と、第2チップ220の第2領域220bとの間に設けられ、第2チップ220の第1電源端子221bと第1端子81とを接続している。
【0120】
第6導電部材244は、第2端子82と、第3チップ230の第4領域230bとの間に設けられ、第3チップ230の第2電源端子231bと第2端子82とを接続している。
【0121】
第1チップ210は、第1端子81と第2端子82との間に設けられている。第1端子81から第1チップ210に向かう方向は、X軸方向に沿う。第2端子82から第1チップ210に向かう方向は、X軸方向に沿う。
【0122】
樹脂部51は、第2チップ20および第3チップ30を覆っている。樹脂部51は、第1樹脂領域51aと、第2樹脂領域51bと、第3樹脂領域51cとを含む。第2チップ220は、第1樹脂領域51aと第3樹脂領域51cとの間に設けられている。第3チップ230は、第3樹脂領域51cと第2樹脂領域51bとの間に設けられている。第3樹脂領域51cは、第2チップ220と第3チップ230との間に設けられている。
【0123】
電源は、第1端子81および第5導電部材243を通じて、第2チップ220の第1電源端子221bに供給され、第2端子82および第6導電部材244を通じて、第3チップ230の第2電源端子231bに供給される。
【0124】
第4実施形態に係る電子装置3によれば、第2チップ220と第3チップ230との間は、第1チップ210に形成された光導波路213を通じて接続される。第1光素子211は、第2チップ220からの電気信号を光信号に変換して光導波路213に出力する。または、第1光素子211は、光導波路213からの光信号を電気信号に変換して第2チップ220に出力する。第2光素子212は、第3チップ230からの電気信号を光信号に変換して光導波路213に出力する。または、第2光素子212は、光導波路213からの光信号を電気信号に変換して第3チップ230に出力する。
【0125】
このような第4実施形態によれば、第2チップ220と第3チップ230との間の配線の一部を光配線にすることで、広帯域且つ高速の信号伝送が可能になる。第2チップ220および第3チップ230が搭載される配線層240には、それらのチップ間接続のための高密度微細導体配線や光導波路を形成しなくて済み、大面積のパネルレベルで形成可能なラフな配線だけとすることができる。これは、コスト低減と高速なチップ間通信、さらには長距離においても低損失での信号伝送可能な光導波路によって、第2チップ220と第2チップ230との間の熱的分離を可能にする。
【0126】
(第5実施形態)
図11(a)は、第5実施形態に係る電子装置4を例示する模式断面図である。
図12は、電子装置4における第1チップ310および第2チップ20の配置例を示す模式平面図である。
【0127】
図11(a)に示すように、第5実施形態に係る電子装置4は、第1配線層340と、第1チップ310と、第2チップ20と、樹脂部51と、複数の第1端子81と、複数の第2端子82とを含む。
【0128】
第1チップ310は、第1領域310aと第2領域310bとを含む。第2チップ20は、第3領域20aと第4領域20bとを含む。
【0129】
第1チップ310は、例えばメモリ素子を含む。メモリ素子は、例えばキャッシュメモリである。第2チップ20は、例えばロジック素子を含む。
【0130】
第1チップ310の第1領域310aから第2チップ20の第3領域20aに向かう方向は、第1方向に沿う。第1方向はX軸方向に沿う。第2方向は第1方向に交差する。この例では、第2方向は第1方向に直交し、Y軸方向に沿う。
【0131】
第1チップ310の第1領域310aから第2チップ20の第4領域20bに向かう方向は、第1方向および第2方向と交差する。第1チップ310の第2領域310bから第2チップ20の第3領域20aに向かう方向は、第1方向および第2方向と交差する。
【0132】
樹脂部51は、第2チップ20の少なくとも側面の一部を覆っている。樹脂部51は、第1樹脂領域51aと、第2樹脂領域51bとを含む。第2チップ20は、第1樹脂領域51aと第2樹脂領域51bとの間に設けられている。図11(a)に示す例では、第2チップ20の配線層340とは反対の面も樹脂部51で被覆した形態を示しているが、前記配線層340と反対の面を樹脂部51から露出させることは任意である。また、図11(a)に示す例では、第2導電部材21の周囲部にも樹脂部51を配置した構成となっているが、第2導電部材21の周囲部は樹脂部51でなくても良く、例えば異なる絶縁材料であっても構わない。
【0133】
第1配線層340は、第1チップ310の第1領域310aと第2チップ20の第3領域20aとの間、第1チップ310の第2領域310bと第2樹脂領域51bとの間、第1端子81と第2チップ20の第4領域20bとの間、第1端子81と第1樹脂領域51aとの間、および第2端子82と第2樹脂領域51bとの間に設けられている。
【0134】
第1チップ310は、第1導電部材311を含む。第1導電部材311は、例えば金属部材であり、電極端子と導電層とを含む。
【0135】
第1チップ310と第1配線層340との間に絶縁部55が設けられている。絶縁部55は、例えば、樹脂材料もしくは無機材料からなる。例えば、第1導電部材311を第1配線層340に接続後に、絶縁部55を注入することができる。または、絶縁部55をあらかじめ第1導電部材311の周囲を含む領域に形成しておき、第1導電部材311と同時に絶縁部55を第1配線層340に接続する製法を用いても構わない。
【0136】
第2チップ20は、第2導電部材21を含む。第2導電部材21は、例えば金属部材である。第2導電部材21は、第1信号端子21aと、第1電源端子21bと、これら第1信号端子21aおよび第1電源端子21bと接続された導電層(図示省略)とを含む。
【0137】
第1配線層340は、絶縁層45と、第3導電部材341と、第4導電部材343と、第6導電部材344とを含む。
【0138】
絶縁層45は、例えば樹脂層である。絶縁層45は、第3導電部材341、第4導電部材343、および第6導電部材344のそれぞれの間に設けられている。絶縁層45は、無機系絶縁材料であっても構わない。
【0139】
第3導電部材341は、第1チップ310の第1領域310aと第2チップ20の第3領域20aとの間に設けられ、第1チップ310の第1導電部材311と第2チップ20の第1信号端子21aとを接続している。第3導電部材341は、Z軸方向に沿って延びる例えば金属ビアである。複数の第3導電部材341が、X-Y平面内にアレイ状に配置されることで、多数のチップ間配線接続を可能とする。
【0140】
第4導電部材343は、第1端子81と、第2チップ20の第4領域20bとの間に設けられ、第2チップ20の第1電源端子21bと第1端子81とを接続している。
【0141】
第6導電部材344は、第1チップ310の第1導電部材311と、第2端子82とを接続している。
【0142】
第1チップ310は、第1端子81と第2端子82との間に設けられている。第1端子81から第1チップ310に向かう方向は、X軸方向に沿う。第2端子82から第1チップ310に向かう方向は、X軸方向に沿う。
【0143】
第1端子81と第1樹脂領域51aとの間、および第2端子82と第2樹脂領域51bとの間にも、第1配線層340が設けられている。
【0144】
第5実施形態に係る電子装置4は、前述した図1に示す第1実施形態の電子装置1と同様に、さらに、第8導電部材52、第9導電部材53、および半導体パッケージ装置60を含む。
【0145】
電子装置4は、さらに、第3チップ170および第4チップ171を含む。第3チップ170および第4チップ171は、例えば、IPD(Integrated Passive Device)、または受動素子を含む。受動素子は、例えば、コンデンサ、インダクタ、抵抗素子等のディスクリート部品を含む。
【0146】
第3チップ170は、例えば第3導電部材343と接続され、第4チップ171は、例えば第4導電部材344と接続されている。
【0147】
第2チップ20の第4領域20bと、第3チップ170との間に、第1配線層340が設けられている。第3チップ170は、第1端子81と第1チップ310との間に設けられている。
【0148】
第4チップ171と、第1チップ310の第2領域310bとの間に、第1配線層340が設けられている。第4チップ171は、第2樹脂領域51bで覆われている。
【0149】
図11(a)および図12に示すように、第1チップ310のX軸方向に沿った長さは、第2チップ20のX軸方向に沿った長さよりも短くても良い。
【0150】
第1チップ310の第1導電部材311は、第3導電部材341を通じて、第2チップ20の第1信号端子21aと電気的に接続されている。
【0151】
電源は、第1端子81および第4導電部材343を通じて、第2チップ20の第1電源端子21bに供給される。また、電源は、第2端子82および第5導電部材344を通じて、第1チップ310に供給される。
【0152】
第5実施形態に係る電子装置4によれば、第1チップ310と第2チップ20との間は、X-Y平面に沿った方向に延びる配線ではなく、Z軸方向に延びるビア形状の第3導電部材341によって接続することができる。第1配線層340には、チップ間接続のための高密度微細配線を形成しなくて済み、大面積のパネルレベルで形成可能なラフなラインアンドスペースをもつ配線だけでよい。これは、コスト低減を可能にする。
【0153】
例えばメモリ素子を含む第1チップ310の第1領域310aはおおよそメモリインターフェース領域であり、その第1領域310aが、Z軸方向に第1配線層40を挟んで、第2チップ20に対向している。第1チップ310は、第2チップ20に対向しない第2領域310bを含む。
【0154】
このようなチップレイアウトは、第1端子81を配置する領域を広げ、第2チップ20の第4領域20bに形成された第1電源端子21bと、第1端子81との間の距離の低減を可能にする。これは、第2チップ20の電源インピーダンスを低減する。この電源インピーダンスの低減は、電源電圧の変動を抑止し、安定した動作を可能にする。
【0155】
第1チップ310は、メモリ素子として例えばキャッシュメモリを含む。半導体パッケージ装置60は、キャッシュメモリよりも記憶容量が大きいメインメモリとして例えばDRAMを含む。第2チップ20は、第1チップ310および半導体パッケージ装置60を制御する。
【0156】
このような構成は、第2チップ20にキャッシュメモリを集積内蔵させた構成に比べて大容量のキャッシュメモリを1つのパッケージ内にシステムとして組み込むことができシステム性能の向上が図れ、且つチップ間接続配線のコストダウン、およびチップへの安定的な電極供給を実現することができる。
【0157】
図11(b)は、第5実施形態の他の例の電子装置4’の模式断面図である。
【0158】
電子装置4’は、図11(a)の電子装置4に比べて、第2配線層540をさらに備えている。第2配線層540は、第1配線層340と、複数の端子83との間に設けられている。第1配線層340は、第2配線層540と樹脂部51との間に設けられている。
【0159】
端子83は、電子装置4’を外部回路に接続させる外部端子である。端子83は、例えばはんだボールである。端子83は、金属パッドまたは金属バンプであってもよい。
【0160】
第2配線層540は、絶縁層545と、第5導電部材546とを含む。
【0161】
絶縁層545は、例えば樹脂層である。絶縁層545は、第1チップ310および第3チップ170を覆っている。
【0162】
第5導電部材546は、例えば金属部材であり、第1配線層340の第4導電部材343、第6導電部材344、および端子83と接続されている。
【0163】
絶縁層545は、端子83と第1チップ310との間に設けられた絶縁部545aを含む。第1チップ310は、絶縁部545aと第1配線層340との間に設けられている。
【0164】
電源は、端子83、第2配線層540の第5導電部材546、および第1配線層340の第4導電部材343を通じて、第2チップ20に供給される。
【0165】
電源は、端子83、第2配線層540の第5導電部材546、および第1配線層340の第6導電部材344を通じて、第1チップ310に供給される。
【0166】
複数の端子83は、第1チップ310の配置位置による制約を受けずに、第2配線層540の広い領域にわたって配置することができる。これは、電子装置4’の機能拡張に伴う、外部入出力端子数の増大への対応を可能とする。
【0167】
(第6実施形態)
図13は、第6実施形態に係る電子装置5を例示する模式断面図である。
図14は、電子装置5における第1チップ410と第2チップ520との接続関係を示す模式図である。
【0168】
図13に示すように、第6実施形態に係る電子装置5は、配線層440と、第1チップ410と、第2チップ520と、樹脂部51と、複数の第3端子181とを含む。
【0169】
第1チップ410は導電部材411を含み、第2チップ520は導電部材521を含む。導電部材411および導電部材521は、例えば金属部材である。
【0170】
樹脂部51は、第2チップ520の少なくとも側面の一部を覆っている。この側面は、X-Y平面と交差する。樹脂部51は、第1樹脂領域51aと、第2樹脂領域51bとを含む。第2チップ520は、第1樹脂領域51aと第2樹脂領域51bとの間に設けられている。図13に示す例では、第2チップ520の配線層440とは反対の面も樹脂部51で被覆した形態を示しているが、前記配線層440と反対の面を樹脂部51から露出させることは任意である。また、図13に示す例では、第2導電部材521の周囲部にも樹脂部51を配置した構成となっているが、第2導電部材521の周囲部は樹脂部51でなくても良く、例えば異なる絶縁材料であっても構わない。
【0171】
配線層440は、第1チップ410と第2チップ520との間、第3端子181と第2チップ520との間、第3端子181と第1樹脂領域51aとの間、および第3端子181と第2樹脂領域51bとの間に設けられている。
【0172】
第1チップ410と配線層440との間に絶縁部55が設けられている。絶縁部55は、例えば、樹脂材料もしくは無機材料からなる。例えば、第1導電部材411を配線層440に接続後に、絶縁部55を注入することができる。または、絶縁部55をあらかじめ第1導電部材411の周囲を含む領域に形成しておき、第1導電部材411と同時に絶縁部55を配線層440に接続する製法を用いても構わない。
【0173】
配線層440は、絶縁層45と、第1導電部材441と、第2導電部材442と、第3導電部材443とを含む。
【0174】
絶縁層45は、例えば樹脂層である。絶縁層45は、第1導電部材441、第2導電部材442、および第3導電部材443のそれぞれの間に設けられている。
【0175】
第1チップ410の導電部材411は、第1導電部材441および第2導電部材442を通じて、第2チップ520の導電部材521と電気的に接続されている。
【0176】
第3端子181は、電子装置5を外部回路に接続させる外部端子である。第3端子181は、例えばはんだボールである。第3端子181は、金属パッドまたは金属バンプであってもよい。
【0177】
第1チップ410は、複数の第3端子181の間に設けられている。
【0178】
第1チップ410のX軸方向に沿った長さは、第2チップ520のX軸方向に沿った長さよりも短い。
【0179】
第3端子181と第1樹脂領域51aとの間、および第3端子181と第2樹脂領域51bとの間にも、配線層440が設けられている。
【0180】
第6実施形態に係る電子装置5は、前述した図1に示す第1実施形態の電子装置1と同様に、さらに、第8導電部材52、第9導電部材53、および半導体パッケージ装置60を含む。
【0181】
図14に示すように、第1チップ410は、メモリ素子421と、第1キャパシタ422とを含む。
【0182】
図15は、第1チップ410における、メモリ素子421が配置された第1素子領域621と、第1キャパシタ422が配置された第2素子領域622との配置関係を示す模式平面図である。
【0183】
メモリ素子421は、例えばDRAMである。DRAMは、トランジスタ551と第2キャパシタ552とを含む。
【0184】
第1キャパシタ422は、DRAMの第2キャパシタ552と同じ構造(例えばスタックトキャパシタ、トレンチキャパシタなど)である。
【0185】
図15に示す例では、2つの第1素子領域621の間に第2素子領域622が配置されている。第1素子領域621と第2素子領域622との間に、絶縁分離部650が設けられている。絶縁分離部650は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)である。
【0186】
絶縁分離部650は、メモリ素子421と第1キャパシタ422との接続を遮断する。メモリ素子421と第1キャパシタ422とは、物理的にも電気的にも接続されていない。
【0187】
第2チップ520は、例えば、第1チップ410のメモリ素子421を制御するロジック素子を含む。第2チップ520の導電部材521は、図14に示すように、第1端子521aと、第2端子521bと、第4端子521cとを含む。
【0188】
第1端子521aは信号端子であり、第2端子521bは電源端子であり、第4端子521cはグランド端子である。
【0189】
第1チップ410の導電部材411は、メモリ素子421の電極、および第1キャパシタ素子422の電極を含む。
【0190】
第1チップ410のメモリ素子421は、配線層440の第1導電部材441を通じて、第2チップ520の第1端子521aと電気的に接続されている。
【0191】
第1チップ410の第1キャパシタ422は、配線層440の第2導電部材442を通じて、第2チップ520の第2端子521bおよび第4端子521cに電気的に接続されている。
【0192】
第1チップ410の第1キャパシタ422、第2チップ520の第2端子521bおよび第4端子521cは、配線層440の第3導電部材443を通じて、第3端子181に電気的に接続されている。
【0193】
第6実施形態に係る電子装置5によれば、第1チップ410と第2チップ520との間は、X-Y平面に沿った方向に延びる配線ではなく、Z軸方向に延びるビア形状の第1導電部材441および第2導電部材442によって接続することができる。配線層440には、チップ間接続のための高密度微細配線を形成しなくて済み、大面積のパネルレベルで形成可能なラフなラインアンドスペースをもつ配線だけとすることができる。これは、コスト低減を可能にする。
【0194】
第1チップ410に、メモリ素子421とともに集積された第1キャパシタ422は、第2チップ520の電源ラインに接続された例えばデカップリングキャパシタであり、第2チップ520の電源電圧の変動を抑制する。これは、第2チップ520の安定した動作を可能にする。
【0195】
図16(a)は、第7実施形態に係る電子装置における第1チップ10、第2チップ20、および第3チップ30の接続関係を示す模式断面図である。
【0196】
この第7実施形態に係る電子装置は、図1(a)に示す電子装置1において、第1チップ10と第2チップ20との間の信号伝達部、および第1チップ10と第3チップ30との間の信号伝達部を、導電部材41、42ではなく、誘導性結合対または容量性結合対に置き換えた構造を有する。
【0197】
第1チップ10は、第1領域10aに設けられた第1結合素子11dと、第2領域10bに設けられた第2結合素子11eとを含む。第2チップ20は、第3領域20aに設けられた第3結合素子21dを含む。第3チップ30は、第5領域30aに設けられた第4結合素子31dを含む。
【0198】
配線層40の絶縁層45が、第1結合素子11dと第3結合素子21dとの間、および第2結合素子11eと第4結合素子31dとの間に設けられている。第1結合素子11dと第3結合素子21dとの間、および第2結合素子11eと第4結合素子31dとの間に、配線層40の導電部材は設けなくても良い。
【0199】
第1結合素子11dから第3結合素子21dに向かう方向はZ軸方向に沿い、第2結合素子11eから第4結合素子31dに向かう方向はZ軸方向に沿う。第1結合素子11dから第2結合素子11eに向かう方向はX軸方向に沿い、第3結合素子21dから第4結合素子31dに向かう方向はX軸方向に沿う。
【0200】
第1チップ10は、例えば接着剤によって配線層40に固定することができる。または、脱水縮合反応を利用して、第1チップ10を配線層40に直接接合することができる。
【0201】
第1結合素子11d、第2結合素子11e、第3結合素子21d、および第4結合素子31dは、誘導性結合素子または容量性結合素子である。
【0202】
第1チップ10の第1結合素子11dと、第2チップ20の第3結合素子21dとは、誘導性結合または容量性結合している。第1チップ10の第2結合素子11eと、第3チップ30の第4結合素子31dとは、誘導性結合または容量性結合している。
【0203】
第1チップ10は、図1(d)に示す第1実施形態の第1チップ10と同様に、導電層11bをさらに含む。導電層11bは、第1結合素子11dと第2結合素子11eとの間を電気接続している。
【0204】
信号は、第1結合素子11dと第3結合素子21dとの誘導性結合または容量性結合と、第1チップ10の導電層11bと、第2結合素子11eと第4結合素子31dとの誘導性結合または容量性結合とを通じて、第2チップ20と第3チップ30との間を伝達する。
【0205】
第7実施形態は、以下の構成を含むことができる。
【0206】
第1結合素子と、第2結合素子と、第1導電部材とを含む第1チップと、
第3結合素子を含む第2チップと、
第4結合素子を含む第3チップと、
前記第1結合素子と前記第3結合素子との間、および前記第2結合素子と前記第4結合素子との間に設けられた絶縁層と、
を備え、
前記第1結合素子と前記第3結合素子とは、誘導性結合または容量性結合し、第2結合素子と前記第4結合素子とは、誘導性結合または容量性結合し、
前記第1導電部材は、前記第1結合素子と前記第2結合素子とを電気接続している電子装置。
【0207】
図16(b)は、第8実施形態に係る電子装置における第1チップ310および第2チップ20の接続関係を示す模式断面図である。
【0208】
この第8実施形態に係る電子装置は、図11(a)に示す電子装置4において、第1チップ310と第2チップ20との間の信号伝達部を、導電部材341ではなく、誘導性結合対または容量性結合対に置き換えた構造を有する。
【0209】
第1チップ310は、第1領域310aに設けられた第1結合素子311aを含む。第2チップ20は、第3領域20aに設けられた第2結合素子21eを含む。
【0210】
配線層340の絶縁層45が、第1結合素子311aと第2結合素子21eとの間に設けられている。第1結合素子311aと第2結合素子21eとの間に、配線層340の導電部材は設けられていない。
【0211】
第1結合素子311aから第2結合素子21eに向かう方向はZ軸方向に沿う。
【0212】
第1チップ310は、例えば接着剤によって配線層340に固定することができる。または、脱水縮合反応を利用して、第1チップ310を配線層340に直接接合することができる。
【0213】
第1結合素子311aおよび第2結合素子21eは、誘導性結合素子または容量性結合素子である。
【0214】
第1チップ310の第1結合素子311aと、第2チップ20の第2結合素子21eとは、誘導性結合または容量性結合している。
【0215】
信号は、第1結合素子311aと第2結合素子21eとの誘導性結合または容量性結合を通じて、第1チップ310と第2チップ20との間を伝達する。
【0216】
第8実施形態は、以下の構成を含むことができる。
【0217】
第1結合素子を含む第1チップと、
第2結合素子を含む第2チップと、
前記第1結合素子と前記第2結合素子との間に設けられた絶縁層と、
を備え、
前記第1結合素子と前記第2結合素子とは、誘導性結合または容量性結合している電子装置。
【0218】
図17は、図1(a)に示す電子装置1の変形例の電子装置1’の模式断面図である。
【0219】
この電子装置1’は、図1(a)に示す電子装置1に、図11(b)に示す第2配線層540を設けた構造を有する。複数の端子83は、第1チップ10の配置位置による制約を受けずに、第2配線層540の広い領域にわたって配置することができる。これは、電子装置1’の機能拡張に伴う、外部入出力端子数の増大への対応を可能とする。
【0220】
図18は、図7に示す電子装置2の変形例の電子装置2’の模式断面図である。
【0221】
この電子装置2’は、図7に示す電子装置2に、図11(b)に示す第2配線層540を設けた構造を有する。複数の端子83は、第1チップ110の配置位置による制約を受けずに、第2配線層540の広い領域にわたって配置することができる。これは、電子装置1’の機能拡張に伴う、外部入出力端子数の増大への対応を可能とする。
【0222】
図19は、図10に示す電子装置3の変形例の電子装置3’の模式断面図である。
【0223】
この電子装置3’は、図10に示す電子装置3に、図11(b)に示す第2配線層540を設けた構造を有する。複数の端子83は、第1チップ210の配置位置による制約を受けずに、第2配線層540の広い領域にわたって配置することができる。これは、電子装置1’の機能拡張に伴う、外部入出力端子数の増大への対応を可能とする。
【0224】
図20は、図13に示す電子装置5の変形例の電子装置5’の模式断面図である。
【0225】
この電子装置5’は、図13に示す電子装置5に、図11(b)に示す第2配線層540を設けた構造を有する。複数の端子83は、第1チップ410の配置位置による制約を受けずに、第2配線層540の広い領域にわたって配置することができる。これは、電子装置1’の機能拡張に伴う、外部入出力端子数の増大への対応を可能とする。
【0226】
図21は、第9実施形態に係る電子装置の模式断面図である。
【0227】
この第9実施形態に係る電子装置は、前述した電子装置1~5のいずれかに、第3配線層700を設けた構造を有する。
【0228】
第3配線層700は、金属配線、金属ビア、金属パッドを含む導電部材701を含む。第3配線層700の上に電子装置1~5のいずれかが複数の端子81を介して搭載される。端子81は、第3配線層700の導電部材701と接続されている。
【0229】
第3配線層700における電子装置1~5の搭載面の反対面には、複数の端子84が設けられている。端子84は、例えばはんだボールである。端子84は、第3配線層700の導電部材701と接続されている。複数の端子84は、電子装置1~5の前述した第1チップの配置位置による制約を受けずに、第3配線層700の広い領域にわたって配置することができる。これは、電子装置の機能拡張に伴う、外部入出力端子数の増大への対応を可能とする。
【0230】
以下、図22図26を参照して、前述した図7図9に示す第2実施形態の電子装置を大規模システムに応用した例について説明する。
【0231】
図22は、第1チップ110、110’、第2チップ20、第3チップ30、および配線層40の配置と接続を示す模式図である。配線層40を模式的に1本の直線で表している。
図23は、図22に示す電子装置の模式平面図である。
図24は、図23における第2チップ20の位置と第3チップ30の位置とを入れ替えた模式図である。
【0232】
図22図24に示す例によれば、配線層40に、複数の第1チップ110、110’、複数の第2チップ20、および複数の第3チップ30が実装されている。第3チップ30は、隣り合う第2チップ20間の共有メモリとして機能することができる。
【0233】
図25は、第2実施形態の電子装置のニューラルネットワークへの応用例を示す模式平面図である。
【0234】
第3チップ30の第2メモリ素子115に人工ニューロン(ノード)間の入出力情報、結合情報などを格納し、第2チップ20のロジック素子はそれらの情報に基づく演算処理を実行する。第2チップ20および第3チップ30をマトリックス状に配置し、第1チップ10、110、110’により相互接続することで、大規模並列のニューラルネットワークを実現することができる。第1チップにメモリ素子が含まれる場合は、一時的な演算情報の保管に用いてもよい。
【0235】
離れたノードへのデータ転送は、配線層40の配線を用いても良いし、第3チップ30のメモリの共有によって実行してもよい。複数のメモリ素子と複数のロジック素子を均一に混在し密結合させることで、データ転送エネルギーを最小化しつつ、スケーラブルなシステムを構築できる。
【0236】
図26は、ニューラルネットワークの説明図である。
【0237】
ニューラルネットワークは、シナプスの結合によりネットワークを形成した人工ニューロン(ノード)が、学習によってシナプスの結合強度を変化させ、問題解決能力を持つようなモデルである。これを、図26に示すように多層に接続したものがディープニューラルネットワークと呼ばれ、近年様々な分野で活用されている。
【0238】
図27は、第2実施形態の電子装置のニューラルネットワークへの応用例を示す模式図である。
【0239】
人工ニューロン(ノード)間の入出力情報、結合情報などを、第3チップ30の第2メモリ素子115に格納するとともに複数の第2チップ20間で共有し、第2チップ20のロジック素子はそれらの情報に基づく演算処理を実行する。
【0240】
従来のGPU(Graphics Processing Unit)などを用いたニューラルネットワークの処理では、レイヤごとの演算についてメモリ素子とロジック素子間のデータ転送を繰り返す必要があり、エネルギー効率や処理性能に限界があった。
【0241】
本実施形態では、図27に示すように、多層の演算処理を空間的に分散、多並列に実行させることで、実際の脳における情報処理性能や効率に近づけることが可能になる。
【0242】
図28は、第1チップ110、110’、第2チップ20、および第3チップ30のフルグリッドタイル構造を示す模式平面図である。
【0243】
複数の第1チップ110、110’により、複数の第2チップ20および複数の第3チップ30が密結合され、フルグリッドタイル構造を形成している。
【0244】
図28に示すフルグリッドタイル構造においても、図29に示すように、ニューラルネットワークへ応用することができる。
【0245】
図28に示す構成は、図25に示す構成と比較して、演算性能を向上し、単位面積あたりのニューラルネットワーク処理効率を高めることができる。
【0246】
以上説明した実施形態は、以下の構成を含むことができる。
【0247】
配線層40、240、340、440、540は、第2方向と第3方向とを含む平面に沿っている。第2方向はX軸方向に沿い、第3方向は第2方向と交差する。例えば、第3方向は、第2方向に直交し、Y軸方向に沿う。
【0248】
前述した複数の第1端子81、複数の第2端子82、複数の第3端子181、および複数の端子83は、第2方向と第3方向とを含む平面内で第2方向および第3方向に並んでいる。すなわち、複数の第1端子81、複数の第2端子82、複数の第3端子181、および複数の端子83は、第2方向と第3方向とを含む平面内でアレイ状に配置されている。
【0249】
前述した導電部材41、42、241、242、341、441、442は、上記平面に交差する第1方向に沿っている。導電部材41、42、241、242、341、441、442は、例えば上記平面に略垂直な方向に沿っている。
【0250】
図1(a)及び(b)に示す実施形態の第1チップ10は、第2チップ20と第3チップ30とを電気接続する第1導電部材11を含むチップ形状の電気配線部材であり、メモリ素子、トランジスタ、および受動素子を含まない。
【0251】
図11(a)、図11(b)、および図16(b)に示す第1チップ310または第2チップ20は、メモリ素子を含む。
【0252】
図30は、前述した実施形態における第3チップ30の一例の模式断面図である。
【0253】
第3チップ30は、複数のメモリチップ32と1つのロジックチップ33とを含む積層メモリ構造をもつ。複数のメモリチップ32は、ロジックチップ33の上に積層されている。複数のメモリチップ32のそれぞれは、図8(a)~図9に示す第2メモリ素子115を含む。複数のメモリチップ32は、複数の金属パッド(または金属バンプ)34を通じて互いに接続されている。メモリチップ32は、複数の金属パッド(または金属バンプ)34を通じてロジックチップ33と電気的に接続されている。ロジックチップ33は、図8(a)~図9に示す第3チップ30の信号端子31a、31bと電気的に接続されている。複数のメモリチップ32は、樹脂35でモールドされている。
【0254】
(付記1)
第1光素子と、第2光素子と、前記第1光素子および前記第2光素子に光結合した光導波路とを含む第1チップと、
第1導電部材と、第1領域と、第2領域とを含む第2チップと、
第2導電部材と、第3領域と、第4領域とを含む第3チップと、
第1端子と、
第2端子と、
前記第1チップの前記第1光素子と前記第2チップの前記第1領域との間、前記第1チップの前記第2光素子と前記第3チップの前記第3領域との間、前記第1端子と前記第2チップの前記第2領域との間、および前記第2端子と前記第3チップの前記第4領域との間に設けられた配線層と、
を備え、
前記配線層は、
前記第1チップの前記第1光素子と前記第2チップの前記第1領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第1光素子と前記第2チップの前記第1導電部材とを接続する第3導電部材と、
前記第1チップの前記第2光素子と前記第3チップの前記第3領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第2光素子と前記第3チップの前記第2導電部材とを接続する第4導電部材と、を含み、
前記第1チップは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられた電子装置。
【0255】
(付記2)
前記第2チップは、第1電源端子をさらに含み、
前記第3チップは、第2電源端子をさらに含み、
前記配線層は、前記第1電源端子と前記第1端子とを接続する第5導電部材と、前記第2電源端子と前記第2端子とを接続する第6導電部材と、をさらに含む付記1記載の電子装置。
【0256】
(付記3)
メモリ素子と、第1キャパシタとを含む第1チップと、
前記メモリ素子と接続された第1端子と、前記第1キャパシタと接続された第2端子とを含む第2チップと、
を備えた電子装置。
【0257】
(付記4)
前記第1チップと前記第2チップとの間に設けられた配線層を備え、
前記配線層は、
前記第1チップの前記メモリ素子と前記第2チップの前記第1端子との間に設けられ、前記第1チップの前記メモリ素子と前記第2チップの前記第1端子とを接続する第1導電部材と、
前記第1チップの前記第1キャパシタと前記第2チップの前記第2端子との間に設けられ、前記第1チップの前記第1キャパシタと前記第2チップの前記第2端子とを接続する第2導電部材と、を含む付記3記載の電子装置。
【0258】
(付記5)
第3端子をさらに備え、
前記配線層は、前記第3端子と、前記第2チップの前記第2端子との間に設けられ、前記第3端子と、前記第2チップの前記第2端子とを接続する第3導電部材をさらに含む付記4記載の電子装置。
【0259】
(付記6)
前記第1チップは、前記メモリ素子と前記第1キャパシタとの間に設けられた絶縁分離部をさらに含む付記3~5のいずれか1つに記載の電子装置。
【0260】
(付記7)
前記メモリ素子は、第2キャパシタを含むDRAM(Dynamic Random Access Memory)である付記3~6のいずれか1つに記載の電子装置。
【0261】
(付記8)
第1導電部材と、第1領域と、第2領域とを含む第1チップと、
第2導電部材と、第3領域と、第4領域とを含む第2チップと、
第3導電部材と、第5領域と、第6領域とを含む第3チップと、
第1端子と、
第2端子と、
前記第1チップの前記第1領域と前記第2チップの前記第3領域との間、前記第1チップの前記第2領域と前記第3チップの前記第5領域との間、前記第1端子と前記第2チップの前記第4領域との間、および前記第2端子と前記第3チップの前記第6領域との間に設けられた配線層と、
を備え、
前記配線層は、
前記第1チップの前記第1領域と前記第2チップの前記第3領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第1導電部材と前記第2チップの前記第2導電部材とを接続する第4導電部材と、
前記第1チップの前記第2領域と前記第3チップの前記第5領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第1導電部材と前記第3チップの前記第3導電部材とを接続する第5導電部材と、を含み、
前記第1チップは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられた電子装置。
【0262】
(付記9)
前記第1チップは、前記第1導電部材、前記第4導電部材、および前記第5導電部材を通じて、前記第2チップと前記第3チップとを接続する電気配線部材である付記8記載の電子装置。
【0263】
(付記10)
前記第1チップは、基板を含まない付記9記載の電子装置。
【0264】
(付記11)
前記第3チップは、メモリ素子を含む付記9記載の電子装置。
【0265】
(付記12)
前記第1チップは、前記第4導電部材と接続された第1メモリ素子をさらに含む付記8記載の電子装置。
【0266】
(付記13)
前記第3チップは、前記第5導電部材と接続された第2メモリ素子をさらに含む付記12記載の電子装置。
【0267】
(付記14)
前記第2メモリ素子の記憶容量は、前記第1メモリ素子の記憶容量よりも大きい付記13記載の電子装置。
【0268】
(付記15)
前記第1チップは、前記第5導電部材と接続された制御部をさらに含む付記13または14に記載の電子装置。
【0269】
(付記16)
前記第2チップは、第1電源端子をさらに含み、
前記第3チップは、第2電源端子をさらに含み、
前記配線層は、前記第1電源端子と前記第1端子とを接続する第6導電部材と、前記第2電源端子と前記第2端子とを接続する第7導電部材と、をさらに含む付記8~15のいずれか1つに記載の電子装置。
【0270】
(付記17)
前記配線層は、前記第4導電部材と前記第6導電部材との間、および前記第5導電部材と前記第7導電部材との間に設けられた絶縁層をさらに含み、
前記第4導電部材と前記第6導電部材とは絶縁分離され、前記第5導電部材と前記第7導電部材とは絶縁分離されている付記16記載の電子装置。
【0271】
(付記18)
第1導電部材と、第1領域と、第2領域とを含む第1チップと、
第2導電部材と、第3領域と、第4領域とを含む第2チップと、
第1樹脂領域と、第2樹脂領域とを含む樹脂部と、
端子と、
前記第1チップの前記第1領域と前記第2チップの前記第3領域との間、前記第1チップの前記第2領域と前記第1樹脂領域との間、前記端子と前記第2チップの前記第4領域との間、および前記端子と前記第2樹脂領域との間に設けられた第1配線層と、
を備え、
前記第1配線層は、前記第1チップの前記第1領域と前記第2チップの前記第3領域との間に設けられ、前記第1チップの前記第1導電部材と前記第2チップの前記第2導電部材とを接続する第3導電部材を含み、
前記第2チップは、前記樹脂部の前記第1樹脂領域と前記第2樹脂領域との間に設けられた電子装置。
【0272】
(付記19)
前記第2チップは、電源端子をさらに含み、
前記第1配線層は、前記電源端子と前記端子とを接続する第4導電部材をさらに含む付記18記載の電子装置。
【0273】
(付記20)
前記第1配線層と前記端子との間に設けられた第2配線層をさらに備え、
前記第2配線層は、前記端子と接続された第5導電部材と、前記端子と前記第1チップとの間に設けられた絶縁部と、を含み、
前記第1チップは、前記絶縁部と前記第1配線層との間に設けられた付記18または19に記載の電子装置。
【0274】
(付記21)
前記第1チップまたは前記第2チップは、メモリ素子を含む付記18~20のいずれか1つに記載の電子装置。
【0275】
(付記22)
第1接続領域と、第2接続領域とを有する第1チップと、
前記第1チップの前記第1接続領域に向き合う第3接続領域を有する第2チップと、
前記第1チップの前記第2接続領域に向き合う第4接続領域を有する第3チップと、
を備え、
前記第1チップは、第1メモリ素子と、前記第1接続領域および前記第2接続領域に設けられた複数の第1配線と、前記第1接続領域に設けられ、前記第1メモリ素子と電気的に接続された複数の第1信号端子とを有し、
前記第2チップは、前記第3接続領域に設けられた複数の第2信号端子と、前記第3接続領域に設けられた複数の第3信号端子とを有し、
前記第3チップは、第2メモリ素子と、前記第4接続領域に設けられ、前記第2メモリ素子と電気的に接続された複数の第4信号端子とを有し、
前記第2チップの前記第2信号端子は、前記第1メモリ素子の前記第1信号端子と接続され、
前記第1配線は、前記第2チップの前記第3信号端子および前記第3チップの前記第4信号端子と接続された電子装置。
【0276】
(付記23)
前記第1チップと前記第2チップとの間、および前記第1チップと前記第3チップとの間に設けられた配線層をさらに備え、
前記配線層は、
前記第2チップの前記第2信号端子と、前記第1チップの前記第1信号端子とを接続する複数の第1金属ビアと、
前記第2チップの前記第3信号端子と、前記第1配線とを接続する複数の第2金属ビアと、
前記第3チップの前記第4信号端子と、前記第1配線とを接続する複数の第3金属ビアと、
前記第2チップおよび前記第3チップを外部と接続させる複数の第2配線と、
を有する付記22記載の電子装置。
【0277】
(付記24)
前記第1チップに設けられた前記複数の第1配線の最小間隔は、前記配線層に設けられた前記複数の第2配線の最小間隔よりも小さい付記23記載の電子装置。
【0278】
(付記25)
前記第2メモリ素子の記憶容量は、前記第1メモリ素子の記憶容量よりも大きい付記22~24のいずれか1つに記載の電子装置。
【0279】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、電子装置に含まれる配線層、電気素子、光素子及び樹脂部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0280】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0281】
その他、本発明の実施の形態として上述した電子装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての電子装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0282】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0283】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0284】
1~5…電子装置、10,110,110’,210,310,410…第1チップ、10a,110a,310a…第1領域、10b,110b,310b…第2領域、11,111,221,311,441…第1導電部材、20,220,520…第2チップ、20a,230a…第3領域、20b,230b…第4領域、21,231,442…第2導電部材、30,230…第3チップ、30a…第5領域、30b…第6領域、31,241,341…第3導電部材、40,240,340,440…配線層、41,242…第4導電部材、42…第5導電部材、43…第6導電部材、44…第7導電部材、51…樹脂部、51a…第1樹脂領域、51b…第2樹脂領域、51c…第3樹脂領域、81…第1端子、82…第2端子、211…第1光素子、212…第2光素子、213…光導波路、181…第3端子、421…メモリ素子、422…第1キャパシタ、521a…第1端子、521b…第2端子、552…第2キャパシタ、650…絶縁分離部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
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