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▶ ティッセンクルップ ステアリフツ ベスローテン ヴェンノーツハップの特許一覧

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  • 特許-プラットフォームリフトを構成する方法 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】プラットフォームリフトを構成する方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 9/08 20060101AFI20220805BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
B66B9/08 Z
B66B3/00 U
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021506254
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 EP2019071806
(87)【国際公開番号】W WO2020038794
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】102018214040.5
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521047708
【氏名又は名称】ティッセンクルップ ステアリフツ ベスローテン ヴェンノーツハップ
【氏名又は名称原語表記】thyssenkrupp Stairlifts B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】カスベルゲン,ポール
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514648(JP,A)
【文献】特開2016-213625(JP,A)
【文献】国際公開第2016/204177(WO,A1)
【文献】特開2010-210226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 9/08
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットフォームリフト(2)を構成する方法において、
前記プラットフォームリフトが、
通信デバイス(24)を有するドライブユニット(20)と、
前記通信デバイス(24)と通信するリモートデバイス(30)であって、ユーザ入力を制御ユニット(24)に提供するように構成されたリモートデバイス(30)と、を具え、
当該方法が、
選択された国の特定の設定(01、02、03、04)を前記通信デバイス(24)にアップロードするステップと、
選択的に、前記通信デバイス(24)から前記リモートデバイス(30)に導入信号を発信して、次いで前記リモートデバイス(30)から前記通信デバイス(24)に認識信号を返送するステップと、
前記通信デバイス(24)からアップロードされた前記国の特定の設定(01、02、03、04)の情報を含む第1の信号(41)を発信するステップと、
発信された前記第1の信号(41)を前記リモートデバイス(30)で受信するステップと、
発信されて受信された前記第1の信号(41)から前記国の特定の設定を認識し、前記リモートデバイス(30)で同じ国の特定の設定(01、02、03、04)を選択することによって、前記リモートデバイス(30)を構成するステップと、
選択した前記国の特定の設定(01、02、03、04)に適合する前記通信デバイス(24)に、前記リモートデバイス(30)から確認信号を返送するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記通信デバイス(24)が、無線周波数(RF)信号を送受信するように構成された無線周波数(RF)通信デバイスであることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記RF信号が、300MHzから3GHzの範囲であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の方法において、
前記RF信号が、860MHzから930MHzの範囲であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法において、
前記国の特定の設定(01、02、03、04)が、選択されたRF信号の範囲に関するものであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法において、
前記ドライブユニット(20)が、さらに、前記国の特定の設定(01、02、03、04)が保存されたデータメモリ(10)を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項に記載の方法において、
前記データメモリ(10)が、前記ドライブユニット(20)内に含まれたメモリハードウェアの一部であるか、または携帯型メモリキャリアであることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の方法において、
前記通信デバイス(24)が、前記プラットフォームリフト(2)の製造または設置の間に、前記データメモリ(10)から正確な1つの国の特定の設定をアップロードされることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法において、
前記リモートデバイス(30)が、着地エリア(3、4)に設けられる、もしくはハンドヘルドデバイスとして提供される、またはその両方であることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法において、
前記リモートデバイス(30)が、前記プラットフォームリフト(2)から少なくとも3mの距離で操作できるように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法において、
前記リモートデバイス(30)が、RF信号を拡張するように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法において、
少なくとも第1のリモートデバイス(30)および第2のリモートデバイス(30)が、RF信号の伝送に使用されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラットフォームリフトに関連する技術的問題に関しており、特に、世界中の異なる場所に出荷された後のこれらの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
プラットフォームリフトは、通常、大量生産されるため、特定の国に関する特定の要件は、製造プロセスにおいては考慮されない。例えば、様々な国で無線周波数(RF)に適用される規格と指令に準拠するために、実行放射電力(ERP)と組み合わせた異なる帯域幅の無線周波数(RF)が必要となることがよくある。これは、(プラットフォームリフトが出荷される)それぞれの大陸や国が、独自の特定の周波数/電力設定を有していることを意味する。したがって、プラットフォームリフトは、希望する販売場所および/または設置場所の国の要件に対応するカスタマイズされたハードウェアとソフトウェアを使用して、製造する必要がある。この要件によって、最終目的地に応じて選択されてプラットフォームリフトに挿入される膨大な数の国特有の構成部品に、製造者がアクセスする必要があるため、プラットフォームリフトの製造工程がより複雑になることは明らかである。また、失敗する余地がなく、廃棄される可能性が高い、非常に厳格な製造工程となる。例えば、ある国で必要なプラットフォームリフトの数が予期せずに減少した場合、その国に固有の構成要素が他の国では適正ではないため、すでに製造したプラットフォームリフトは他の国の要求を満たすことはできない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の請求項1に記載の方法は、この状況を改善しようとするものである。この解決方法では、プラットフォームリフトを、国または大陸の特定の周波数設定にしたがって適切に構成されるように適合させる。構成する工程は、製造プロセスまたは設置プロセスにおいて行われる。
【0004】
プラットフォームリフトを構成する本発明の方法において、プラットフォームリフトが、
通信デバイスを有するドライブユニットと;
通信デバイスと通信するリモートデバイスであって、ユーザ入力を制御ユニットに提供するように構成されたリモートデバイスと;を具え、本発明の方法が、好ましくは、
選択された国の特定の設定を通信デバイスにアップロードするステップと;
選択的に、通信デバイス(24)からリモートデバイス(30)に導入信号を発信して、次いでリモートデバイス(30)から通信デバイス(24)に認識信号を返送するステップと;
通信デバイスから、アップロードされた国の特定の設定の情報を含む第1の信号を発信するステップと;
発信された第1の信号をリモートデバイスで受信するステップと;
発信されて受信した第1の信号から国の特定の設定を認識し、リモートデバイスで同じ国の特定の設定を選択することによって、リモートデバイスを構成するステップと;
選択した国の特定の設定に適合する通信デバイスに、リモートデバイスから確認信号を返送するステップと;を含むことを特徴とする。
【0005】
通信デバイスが無線周波数(RF)通信デバイスであることが、より好ましい。
【0006】
本発明の方法は、有利には、約3MHzから約3GHzの範囲、好ましくは約300MHzから約1GHzの範囲、より好ましくは約850MHzから約950MHzの範囲、最も好ましくは約860MHzから約930MHzの範囲の無線周波数(RF)を利用する。「約」という用語には、指定された範囲限界のプラスマイナス5MHzの範囲内のRF値が含まれる。選択されたRF信号の範囲は、選択された周波数範囲(例えば800MHzと850MHzの間)、または選択された周波数(810MHz)に言及することができる。このRF信号範囲は、好ましくは、様々なタイプの無線通信、例えばリッスンビフォートークをサポートする中央周波数チャネルおよび/または帯域幅チャネルを含む。
【0007】
本発明の方法では、国の特定の設定は、選択されたRF信号の範囲に関連する。すなわち、選択された無線周波数の範囲は、好ましくは、国、または共通の無線周波数/周波数範囲を共有する国の集合体に特有のものである。これは、有利なことに、プラットフォームリフトが、その国の特定の設定が選択された国(または複数の国)において動作可能であることを可能にする。
【0008】
また、例えば、第1の国の特定の設定を、例えばブラジルで使用される第1の周波数範囲に関連させ、第2の国の特定の設定を、例えば中国で使用される選択された第1の周波数に関連させ、第3の国の特定の設定を、米国で使用される第2の周波数範囲に関連させ、第4の国の特定の設定を、ドイツで使用される選択された第2の周波数に関連させることができる。周波数範囲と選択した周波数の組み合わせ、またはすべての周波数範囲の組み合わせ、または国の特定の設定として選択されたすべての周波数の組み合わせが、本発明の範囲内で可能である。これは、有利なことに、所望の国に応じて選択された1つの特定のデータ設定を提供する。
【0009】
本発明の方法では、有利なことに、ドライブユニットが、国の特定の設定が保存されたデータメモリを含む。データメモリは、ドライブユニット内に含まれるメモリハードウェアの一部であるか、または例えばUSBデータスティックなどのポータブルメモリキャリアであることが好ましい。これは、有利なことに、プラットフォームリフトが、様々な製造段階や設置段階において、これらの様々なプログラミング方法の少なくとも1つを使用してプログラムされることを可能とする。
【0010】
本発明の方法では、通信デバイスは、好ましくは、プラットフォームリフトの製造および設置の間に、データメモリから正確な1つの国の特有の設定を用いてアップロードされる。これは、有利なことに、購入時に「すぐに使用できる」、または設置時に「すぐに使用できる」ようにすることができるプラットフォームリフトを提供する。好ましくは、データメモリに含まれる国の特定の設定は、パラメータ信号を介して通信デバイスにアップロードされる。好ましくは、パラメータ信号は、ワイヤ/ハードウェアの接続を含む。
【0011】
本発明の方法では、リモートデバイスが着地エリアに提供される。これを手に持つハンドヘルドデバイスとして提供することもできる。また、リモートデバイスをハンドヘルドデバイスとして着地エリアに提供することも可能である。特に、リモートデバイスをプラットフォームリフトから少なくとも3mの距離で操作できるように構成することができる。
【0012】
リモートデバイスは、プラットフォームリフトのドライブユニットの通信デバイスと通信するように構成される。この通信には、2つのデバイスの間で送られるデータ信号が含まれる。好ましくは、データ信号は、第1の信号と確認信号とを含む。このデータ信号は、好ましくは、無線伝送経路を介して伝送される。好ましくは、第1の信号は、ドライブユニットの通信デバイスからリモートデバイスに送信される。好ましくは、確認信号は、ドライブユニットの通信デバイスからリモートデバイスに送信される
【0013】
リモートデバイスは、また、プラットフォームリフトを「呼び出す」ように構成することができ、すなわち、ユーザが第1の着地エリアにいてプラットフォームリフトが第2の着地エリアにある場合に、ユーザがリモートデバイスを使用して、プラットフォームリフトが第1の着地エリアに移動するための命令信号を送信できるように、階段におけるプラットフォームリフトの位置を制御するように構成することができる。
【0014】
選択的に、第2のリモートデバイスを提供することができる。この第2のリモートデバイスは、例えば、自分でプラットフォームリフトを操作できないプラットフォームリフトを使用する人を援助する人によって、プラットフォームリフトから短い距離で操作するように構成することができる。この選択的な第2のリモートデバイスは、好ましくは、本発明の方法におけるリモートデバイスと同じ方法で動作するように構成される。
【0015】
選択的に、第3のリモートデバイスを提供することができる。この第3のリモートデバイスは、好ましくは、プラットフォームリフトが複数のフロアにわたって動作する場合に提供される。プラットフォームリフトが建物の3階または4階に位置して、ユーザが1階にいる状況では、ユーザのハンドヘルドリモートデバイスの信号、または1階の壁に配置されたリモートデバイスの信号は、プラットフォームリフトが2階に位置している時の信号と比べると弱い。したがって、1階のリモートデバイスと3階/4階にあるプラットフォームリフトのドライブユニットの通信デバイスとの間の無線周波数信号を拡張または「ブースト」するために、選択的な第3のリモートデバイスを、建物の少なくとも1つのさらなるフロア(例えば、1階および/または2階および/または3階および/または4階)に配置することが好ましい。第3のリモートデバイスは、各階の壁(リモートデバイスを具えている壁を除く)に設けることができ、またはハンドヘルドデバイスとして各階に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明を、概略的に示された図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1図1a-1bは、例示的なプラットフォームリフトである。
図2図2は、例示的なプラットフォームリフトの電子部品の概略的な図である。
図3図3a-3cは、本発明の一実施例による例示的なプラットフォームリフトを構成する方法である。
図4図4は、本発明の一実施例による例示的なプラットフォームリフトを構成する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1aは、本発明で使用することができる例示的なプラットフォームリフト2を示している。プラットフォームリフト2は、階段1の長さに沿って配置されている。ユーザは、第1の着地エリア3から開始して、階段1に沿って第2の着地エリア4へと移動する。プラットフォームリフト2は、駆動モータ21を有するドライブユニット20を具え、このドライブユニット20は、プラットフォーム22と、制御ユニット23(図2参照)と、RF通信デバイス24とを具える。この実施例において、プラットフォーム22は、車いすを収容するように構成されている。
【0019】
図1bは、本発明で使用することができる他のプラットフォームリフト2を示している。プラットフォームリフト2は、座席22の形態のプラットフォームを有する。このリフトは、主に、図1aで参照番号が付されているものと同じ構成要素を具える。
【0020】
制御ユニット23がプラットフォームリフト2の移動を制御する。特に、制御ユニット23は、駆動モータ21を作動させて、特定の速度でレール5に沿って上昇または下降するように移動する命令を提供する。
【0021】
プラットフォームリフト2は、ドライブユニット20から離れて配置された少なくとも1つのリモートデバイス30(図1aに示されている)を有する。リモートデバイス30は、RF信号を受信および発信するようにプログラムされている。リモートデバイス30を用いて、ユーザは制御ユニット23に命令を与えることができる。特に、ユーザは、リモートコントロール30を介して、プラットフォーム21をレール5に沿って特定の方向に駆動することを開始できるようにすべきである。この事例では、プラットフォームリフトは着地エリア3から着地エリア4へと上昇している。RF通信デバイス24は、図3を参照して後に説明するように、制御ユニット23とリモートデバイス30との間の通信を可能にするために設けられる。
【0022】
図2は、プラットフォームリフト内に含まれる電子部品の概略図である。これらの構成要素は、RF通信デバイス24と、データメモリ10と、駆動モータ21を制御する制御ユニット23と、を具えるドライブユニット20を含む。第1のリモートデバイス30は、ドライブユニット20から離れて第1の着地エリア3に配置されており、第2のリモートデバイス30も、ドライブユニット20から離れて第2の着地エリア4に配置されている。これらの構成要素により、国または大陸の特定の周波数設定に従ってプラットフォームリフトを構成することができる。ドライブユニット20内の構成要素間における、複数の無線データ接続11が提供されている。さらに、各リモートデバイスとRF通信デバイスとの間の無線伝送経路が提供されている。
【0023】
データメモリ10は、様々な国の特定の設定01、02、03、04を含み、各設定は異なる選択された周波数または周波数範囲を照会する。4つの国の特定の設定(01、02、03、04)を使用することは、単なる例示である。データメモリは、1以上の国の特定の設定を含むことができる。それぞれの階段昇降機は、配達される特定の国や地域に専用のものとなる。そのために、リモートデバイス30とRF通信デバイス24は、1つの国/地域の特定の設定に従ってペアリングする必要がある。
【0024】
本発明によりプラットフォームリフトを構成する主な段階は、図3aから3cに示されている。データメモリ10と通信デバイス24の両方が、ドライブユニット20内に含まれている。データメモリ10は、複数の国の特定のRF設定01から04を含むデータベースを具える。例えば、設定01は米国用の国の特定の設定であり、02はブラジル用の国の特定の設定であり、03はドイツ用の国の特定の設定であり、04は中国用の国の特定の設定である。国の特定の設定が周波数範囲であるか選択された周波数であるかは、各国で利用可能なチャネルによって異なる。
【0025】
リモートデバイス30も図示されている。リモートデバイス30は、ドライブユニット20のデータメモリ10に含まれているものと同じ国の特定の設定01から04を有する。しかしながら、この段階では、ドライブユニット20のRF通信デバイス24内に含まれる国の特定の設定の情報(01から04)が不足しているため、ドライブユニット20とリモートデバイス30との間の通信は不可能である。したがって、プラットフォームリフトはアクティブ化されないままであり、建物の1つのフロアから別のフロアへの移動にはまだ使用できない。
【0026】
構成プロセスの第1のステップは、特定の国の特定の設定01、02、03、04をデータメモリ10から第1のRF通信デバイス24にアップロードすることを必要とする。これは図3aに示されている。これは、製造場所または設置場所で行うことができる。図3aに示す特定の例では、選択された国の特定の設定は02で、すなわちブラジルである。これは、今後、RF通信デバイス24が、ブラジルの国の特定の無線周波数に従って「通信する」ことを意味する。「通信する」という用語は、RFデータ信号を送受信するRF通信デバイス24の能力を指す。国の特定の設定02は、パラメータ信号40を介してデータ接続11に沿って、ドライブユニット20のRF通信デバイス24にアップロードされる。
【0027】
図3bは、ブラジルに関する国の特定の設定02をアップロードされた後の、ドライブユニット20のRF通信デバイス24を示している。RF通信デバイス24は、無線伝送経路12に沿って、国の特定の設定02に関する第1の信号41を発信する。この段階では、リモートデバイス30は、どの国の設定に従ってRF通信デバイス24が通信しているかがわからないので、経路12は単なる一方向の経路である。第1の信号41は、選択された国の特定の設定02に従ってRF通信デバイス24が通信しているという情報を含む。
【0028】
第1の信号41は、設定02を認識するリモートデバイス30によって受信される。次いで、リモートデバイス30は、リモートデバイスにすでに保存されているがまだ選択されていない対応する設定02を選択する。関連する設定02が選択されると、リモートデバイス30はRF通信デバイス24に確認信号42を返信する(図3c参照)。これにより、結果としてRF通信デバイス24と、リモートデバイス30を有するドライブユニット20とのペアリングがなされる。ペアリングされると、この特定のRF周波数で命令信号を送信することによって、プラットフォームリフトをアクティブ化することができる。したがって、建物のフロアの間でのユーザの移動が可能となる。両方のデバイスがペアリングされると、RF設定02は、プラットフォームリフトとリモートデバイス30の両方の寿命にわたって維持される。
【0029】
図3a-3cにおいては、1つのリモートデバイス30のみが示されている。しかしながら、ここでは、複数のリモートデバイス30が使用できることも想定されている。例えば、リモートデバイス30は、各フロアのプラットフォームリフトの近く(例えば壁)に配置することができ、プラットフォームリフトは各フロアに、および/または各フロアに沿って移動するように構成されている。リモートデバイス30の他の例は、プラットフォームリフト2を制御するユーザによって使用することができるハンドヘルドタイプのモバイルデバイスである。これは、ユーザがプラットフォームリフトの近くにいるが、壁に取り付けられたリモートデバイス30から遠すぎる場合に特に有益である。
【0030】
さらに、ドライブユニット20とリモートデバイス30との間のデータ信号を拡張またはブーストおよび/または維持するために、リモートデバイス30を各フロアに配置できることも想定される。これは、2階より多い建物において特に有益である。このような建物では、プラットフォームリフトのドライブユニット20が2階か3階にあってリモートデバイス30が1階にある場合よりも、1階に配置されたプラットフォームリフトのドライブユニット20と1階に配置されたリモートデバイス30との間のデータ信号が、優れた質の接続とペアリングを有することになる。これを考慮して、質の高い作業信号と質の高い動作のプラットフォームリフトを確保するために、リモートデバイスを、すべての階に、または2階ごとに、または必要に応じて建物の階段全体に配置することができる。
【0031】
図4は、本発明によるプラットフォームリフトの構成の他の実施例を示している。この実施例では、図3a-3cに示す実施例の構成と類似しており、USBメモリスティックなどの携帯型メモリキャリアを使用して、RF通信デバイス24にブラジル用の国の特定の設定02をアップロードしている点が異なる。これは、プラットフォームリフトの製造時または設置時に行うことができる。RF通信デバイス24が、例えばブラジル用の設定に従って構成されると、第1の信号が前述と同じ方法で発信される。
【符号の説明】
【0032】
1 階段
2 プラットフォームリフト
3 第1の着地エリア
4 第2の着地エリア
5 レール

01 国の特定の設定、例えば米国
02 国の特定の設定、例えばブラジル
03 国の特定の設定、例えばドイツ
04 国の特定の設定、例えば中国

10 データメモリ
11 データ接続
12 無線伝送経路

20 ドライブユニット
21 駆動モータ
22 プラットフォーム/シート
23 制御ユニット
24 RF通信デバイス
30 リモートデバイス

40 パラメータ信号
41 第1の信号
42 確認信号
D 移動方向
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図4