(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための装置、方法及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220805BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2022075598
(22)【出願日】2022-04-29
(62)【分割の表示】P 2022072097の分割
【原出願日】2022-04-26
【審査請求日】2022-04-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522105595
【氏名又は名称】ジョーシス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174078
【氏名又は名称】大谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】横手 絢一
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-100989(JP,A)
【文献】特開2013-009333(JP,A)
【文献】特開2012-137931(JP,A)
【文献】特開2008-152436(JP,A)
【文献】特開2014-182708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための方法であって、
コンピュータが、前記複数のアプリケーションのうちの少なくとも2以上に関する、前記企業の1又は複数の従業員が用いるアカウントについての一括処理予約要求を受信するステップと、
前記コンピュータが、各アプリケーションについて、前記一括処理予約要求により設定された日時又は時間帯に、前記一括処理予約要求に含まれる
、前記1又は複数の従業員が用いるアカウントの設定処理を実行するためのAPIを呼び出すステップと、
前記コンピュータが、各アプリケーションについて、前記
設定処理の後に、前記1又は複数の従業員のアカウントの処理結果を記憶するステップと
を含む。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
各アプリケーションについて、前記
設定処理の後に、前記
設定処理の処理日時又は時間帯を記憶するステップをさらに含む。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記一括処理予約要求の受信前に、前記企業の1又は複数の従業員の所属ステータス又は従業員ステータスの変更日又は変更日時の入力を受けるステップをさらに含み、
前記少なくとも2以上のアプリケーションは、変更後の所属ステータス又は従業員ステータスに応じた一組のアプリケーションのテンプレートにより定まる。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記企業の1又は複数の従業員の所属ステータス又は従業員ステータスの変更日又は変更日時の入力を受けるステップ
と、
前記変更日又は変更日時の所定期間以上前に、前記企業が用いる端末に、前記変更日又は変更日時が入力された1又は複数の従業員のうちの少なくとも一部に関する一括処理予約の入力を促す通知を送信するステップと
をさらに含む。
【請求項5】
コンピュータに、企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
前記複数のアプリケーションのうちの少なくとも2以上に関する、前記企業の1又は複数の従業員が用いるアカウントについての一括処理予約要求を受信するステップと、
各アプリケーションについて、前記一括処理予約要求により設定された日時又は時間帯に、前記一括処理予約要求に含まれる
、前記1又は複数の従業員が用いるアカウントの設定処理を実行するためのAPIを呼び出すステップと、
各アプリケーションについて、前記
設定処理の後に、前記1又は複数の従業員のアカウントの処理結果を記憶するステップと
を含む。
【請求項6】
企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための装置であって、
前記複数のアプリケーションのうちの少なくとも2以上に関する、前記企業の1又は複数の従業員が用いるアカウントについての一括処理予約要求を受信し、
各アプリケーションについて、前記一括処理予約要求により設定された日時又は時間帯に、前記一括処理予約要求に含まれる
、前記1又は複数の従業員が用いるアカウントの設定処理を実行するためのAPIを呼び出し、
各アプリケーションについて、前記
設定処理の後に、前記1又は複数の従業員のアカウントの処理結果を記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための装置、方法及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
SaaSの拡がりとともに、企業において業務の効率化等の目的からさまざまなアプリケーションソフトウェア(以下「アプリケーション」という。)が採用され、利用されるアプリケーションの数は近年増加している。一社で利用するアプリケーション数が数十を超えることも珍しくない。
このように多数のアプリケーションが業務において利用される企業に従業員が入社した場合、一般的に入社情報が人事部門から情報システム部門に伝えられ、情報システム部門において、当該授業員がそれぞれのアプリケーションを利用するためのアカウントの発行手続を行う。また、従業員が退社した場合には、退社情報を伝えられた情報システム部門は、当該従業員に発行されたアカウントの削除等の退社に伴う手続を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従業員の入社及び退社に限らず、従業員の部署、役職、雇用形態等の従業員のステータスが変化する際には、当該従業員に発行されたアカウントを可及的に過不足なく適正に管理することが求められる。企業において利用されるアプリケーションの数が増加傾向にある今日、情報システム部門等の担当部署の管理負荷が高まっている。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための装置、方法及びそのためのプログラムにおいて、当該企業の従業員に発行された複数のアカウントを効率的に管理可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための方法であって、前記複数のアプリケーションのうちの少なくとも2以上に関する、前記企業の1又は複数の従業員が用いるアカウントについての一括処理予約要求を受信するステップと、各アプリケーションについて、前記一括処理予約要求により設定された日時又は時間帯に、前記一括処理予約要求に含まれる処理を実行するためのAPIを呼び出すステップと、各アプリケーションについて、前記処理の後に、前記1又は複数の従業員のアカウントの処理結果を記憶するステップとを含む。
【0006】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の方法であって、各アプリケーションについて、前記処理の後に、前記処理の処理日時又は時間帯を記憶するステップをさらに含む。
【0007】
また、本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の方法であって、前記企業が用いる端末に、従業員情報表示データを送信するステップをさらに含み、前記一括処理予約要求の対象は、前記従業員情報表示データにより前記端末に表示される従業員情報に含まれる1又は複数の従業員のうちの少なくとも一部が用いるアカウントである。
【0008】
また、本発明の第4の態様は、第1又は第2の態様の方法であって、前記企業の1又は複数の従業員の所属ステータス又は従業員ステータスの変更日又は変更日時の入力を受けるステップをさらに含む。
【0009】
また、本発明の第5の態様は、第4の態様の方法であって、前記変更日又は変更日時の所定期間以上前に、前記企業が用いる端末に、前記変更日又は変更日時が入力された1又は複数の従業員に関する一括処理予約の入力を促す通知を送信するステップをさらに含み、前記一括処理予約要求の対象は、前記変更日又は変更日時が入力された1又は複数の従業員のうちの少なくとも一部が用いるアカウントである。
【0010】
また、本発明の第6の態様は、第4の態様の方法であって、前記変更日又は変更日時の入力は、前記企業の人事情報を管理するための人事アプリケーションを提供する人事アプリケーションサーバから、前記変更日又は変更日時を受信することによって行われる。
【0011】
また、本発明の第7の態様は、第4の態様の方法であって、前記少なくとも2以上のアプリケーションは、変更後の所属ステータス又は従業員ステータスに応じた一組のアプリケーションのテンプレートにより定まる。
【0012】
また、本発明の第8の態様は、第7の態様の方法であって、前記テンプレートは、従業員の役職変更又は部署変更に伴う処理を含むテンプレートである。
【0013】
また、本発明の第9の態様は、コンピュータに、企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、前記複数のアプリケーションのうちの少なくとも2以上に関する、前記企業の1又は複数の従業員が用いるアカウントについての一括処理予約要求を受信するステップと、各アプリケーションについて、前記一括処理予約要求により設定された日時又は時間帯に、前記一括処理予約要求に含まれる処理を実行するためのAPIを呼び出すステップと、各アプリケーションについて、前記処理の後に、前記1又は複数の従業員のアカウントの処理結果を記憶するステップとを含む。
【0014】
また、本発明の第10の態様は、企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための装置であって、前記複数のアプリケーションのうちの少なくとも2以上に関する、前記企業の1又は複数の従業員が用いるアカウントについての一括処理予約要求を受信し、各アプリケーションについて、前記一括処理予約要求により設定された日時又は時間帯に、前記一括処理予約要求に含まれる処理を実行するためのAPIを呼び出し、各アプリケーションについて、前記処理の後に、前記1又は複数の従業員のアカウントの処理結果を記憶する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、企業の1又は複数の従業員が用いるアカウントについて、2以上のアプリケーションに関する所要の処理を一括してそれぞれ予約可能とし、予約された日時又は時間帯に、それらの処理をAPIの呼び出しを用いて実行させることによって、当該企業の従業員に発行された複数のアカウントを効率的に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる装置を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態にかかる管理方法の流れを示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態にかかる従業員情報表示画面を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態にかかる一括処理予約画面を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態にかかる管理サーバにおける流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態にかかる装置を示す。装置100は、ユーザー企業が用いるユーザー端末110及びアプリケーション提供企業が用いるアプリケーションサーバ120とインターネット等のIPネットワークを介して通信し、当該ユーザー企業によるアプリケーションの利用を管理する。ここで、当該ユーザー企業は複数のアプリケーションを用いることから、
図1に示すようにアプリケーションサーバも複数存在するが、簡単のため、第1のアプリケーションサーバ120-1に着目して、単にアプリケーションサーバ120と呼ぶことがある。
【0019】
装置100は、通信インターフェースなどの通信部101と、プロセッサ、CPU等の処理部102と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む記憶部103とを備え、各処理を行うためのプログラムを実行することによって構成することができる。装置100は、1又は複数の装置、コンピュータないしサーバを含むことがある。また、当該プログラムは、1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることができる。当該プログラムは、記憶部103又は装置100からIPネットワークを介してアクセス可能なデータベース104等の記憶装置又は記憶媒体に記憶しておき、処理部102において実行することができる。以下で記憶部103に記憶されるものとして記述されるデータはデータベース104に記憶してもよく、またその逆も同様である。
【0020】
装置100の記憶部103には、当該ユーザー企業の従業員ごとにIDが記憶され、各IDに関連づけて、例として、名前、メールアドレス、従業員番号、部署等のグループ、役職等の役割、雇用形態、会社への所属の状態、利用中のアプリケーション、入社日、退社日等がさらに記憶されている。メールアドレスがIDに用いられることもある。「会社への所属の状態」とは、入社前、在職中、退職済等の会社に対する現在、過去又は未来の従業員の所属の状態をいい、「所属ステータス」とも呼ぶ。利用中のアプリケーションがある場合、当該アプリケーションの利用権限をさらにIDに関連づけて記憶してもよい。
【0021】
加えて、装置100の記憶部103には、装置100がアプリケーションサーバ120の1又は複数のAPI(Application Programming Interface)を呼び出すための1又は複数のクレデンシャルが記憶されており、装置100は、アプリケーションサーバ120に実行させたい処理に対応するAPIを呼び出して当該処理を実行させることができる。ある従業員が利用する複数のアプリケーションについて、アプリケーションごとにアカウントが発行されるため、各IDに関連づけて、利用中のアプリケーションに加えて、又はそれに代替して、利用中のアプリケーションのアカウントが記憶部103に記憶されている。
【0022】
図2に、本発明の第1の実施形態にかかる管理方法の流れを示す。まず、装置100が、ユーザー端末110から、従業員情報表示データの要求を受信し(S201)、当該従業員情報表示データを送信する(S202)。従業員情報表示データは、ユーザー端末110の表示画面に従業員情報を表示するためのデータであり、一例として、HTML形式のデータとすることができる。
【0023】
図3に、本発明の第1の実施形態にかかる従業員情報表示画面を示す。従業員情報表示画面300には、各従業員について、当該従業員のIDに関連づけて記憶された内容の少なくとも一部が示されている。名前に加えて、所属ステータスは少なくとも表示することが好ましい。利用中のアプリケーションについては、ここでは利用中のアプリケーション数を表示しているが、利用中のアプリケーションのアイコンを併せて又は代替して表示してもよい。また、退職者については退社日を表示している。従業員一覧の上部に配置された検索のための入力欄に名前、ステータス等の従業員情報を入力して、所望の条件を満たす従業員に絞り込むことができる。
【0024】
ここで、従業員情報表示画面300は、ウェブブラウザ上でウェブページとして表示されることのほかに、ユーザー端末110にインストールされた、装置100により提供されるサービスを用いるための専用のソフトウェア上で表示されることも考えられ、いずれにおいても、従業員情報を表示する領域を含む画面であれば「従業員情報表示画面」に該当する。
【0025】
次に、装置100は、当該企業の選択された1又は複数の従業員のアカウントについての当該企業が用いる複数のアプリケーションのうちの少なくとも2以上に関する一括処理予約要求を受信する(S203)。3つのアプリケーションについて2人の従業員が用いるアカウントについて一括処理予約をする場合には、合計6個のアカウントが対象となる。一例として、従業員情報表示画面300に一覧表示されたいずれか又は一部の従業員を表す一部分をタップ又はクリックによって、従業員が選択されてもよい。また、グループ、役割、雇用形態及びこれらの任意の組み合わせのいずれかである従業員としてのステータス(以下「従業員ステータス」という。)又は所属ステータスを入力して、当該ステータスに合致する1又は複数の従業員のうちの少なくとも一部が選択されてもよい。そして、選択された1又は複数の従業員についての一括処理予約を行うための予約画面をユーザー端末110の表示画面に表示し、当該予約画面に対する入力を含む一括処理予約要求がユーザー端末110から送信されれば、装置100は、一括処理予約要求を受信することができる。予約画面は、一例として、装置100から受信するHTML形式のデータである予約画面表示データによって表示することができる。
【0026】
図4に、本発明の第1の実施形態にかかる予約画面を示す。予約画面400は、1の従業員である「城戸大輝」が選択され、当該従業員が利用する14個のアプリケーションのうちの選択された5つのアプリケーションについてそれぞれ指定された処理を指定日時に実行させる予約を行う過程を示している。
図4の例では、選択された各アプリケーションについて、プルダウンメニューによって実行させたい処理を選択可能である。処理の例としては、削除、一時停止、停止解除、権限変更等が挙げられる。権限変更が選択された場合には、さらにプルダウンメニューを表示して、いかなる権限に変更するかを選択可能としてもよい。
【0027】
ここで、予約画面400は、ウェブブラウザ上で表示される場合にはウェブページ、モーダルウィンドウ、ポップアップウィンドウ等のさまざまな形式を採用することができ、ユーザー企業端末110にインストールされた装置100により提供されるサービスを用いるための専用のソフトウェア上で表示されることも考えられ、この場合には、予約画面表示データは当該ソフトウェアが表示可能な形式であればよい。いずれにおいても、一括処理予約の予約内容を入力するための領域を含む画面であれば「予約画面」に該当する。
【0028】
複数の従業員が選択された場合、一般に各従業員が利用中のアプリケーションは必ずしも一致しないから、
図4のように利用中のアプリケーションを表示して一括処理予約を進めることはできないことがある。その際、これらの従業員のアカウントについて一括して2以上のアプリケーションに関する処理を実行させるためには、対象となる2以上のアプリケーションの複数の組み合わせをテンプレートとして、1又は複数のテンプレートを記憶部103に記憶しておく。そして、ユーザー端末110に表示される予約画面においていずれかのテンプレートを選択可能とすることによって、選択されたテンプレートに含まれる各アプリケーションについて処理を指定可能とすることができる。また、各アプリケーションについての処理も含めて、一組のアプリケーション及び処理をテンプレートとしてもよい。たとえば、ある部署全体で利用するアプリケーションが変更となったような場合がテンプレートを用いる場面として考えられる。
【0029】
より具体的には、装置100は、ユーザー端末110から、選択されたテンプレートの識別子を受信してもよく、あるいは、選択されたテンプレートに含まれる各アプリケーションの識別子又は選択されたテンプレートに含まれる各アプリケーションの識別子及び当該アプリケーションについて選択された処理の識別子としてもよく、いずれであっても、装置100において、一括処理予約を行う一組のアプリケーション及び処理が定まればよい。
【0030】
また、1の従業員であっても、所属ステータス又は従業員ステータスが変更となった場合にも、所属ステータス又は従業員ステータスに応じた一組のアプリケーション又は一組のアプリケーション及び処理をテンプレートとして、1又は複数のテンプレートを用意しておけば、一括処理予約の入力が簡便になる。テンプレートが有益である場合の例として、人事発令による昇進、降格等の役職変更、部署変更等の従業員ステータスの変更の際が挙げられる。
【0031】
一括処理予約要求を受信した装置100は、各アプリケーションについて、当該一括処理要求に含まれる処理を実行するためのAPIの呼び出しを当該一括処理要求に含まれる日時又は時間帯に設定する(S204)。そして、装置100は、各アプリケーションについて、設定された日時又は時間帯に、当該一括処理要求に含まれる処理を実行するためのAPIを呼び出す(S205)。
【0032】
呼び出されたAPIを提供するアプリケーションサーバ120において、選択された1又は複数の従業員のアカウントについて、当該APIによる処理を行い(S206)、処理の完了通知を装置100に送信する(S207)。装置100は、各アプリケーションについて、当該1又は複数の従業員のアカウントの処理結果を記憶部103に記憶し(S208)、従業員情報が更新される。
【0033】
このように、企業の1又は複数の従業員のアカウントについて、2以上のアプリケーションに関する所要の処理を一括してそれぞれ予約可能とすることによって、当該企業の従業員に発行された複数のアカウントを効率的に管理することが可能となる。
【0034】
たとえば、ある従業員が退職することが決まり、所属ステータスが2022年6月1日に在職中から退社済に変更になる場合、この情報を2022年5月16日伝えられた情報システム部門の担当者は、当該従業員が利用している2以上のアプリケーションについて、アカウントに対する処理を行う必要があることを記録しておき、6月1日又はその前日に各アプリケーションの管理画面に入って必要な処理を実行しなければならないところ、本実施形態によれば、事前に、各アプリケーションの管理画面に入ることなく、一括して処理の予約を行うことができる。同日に複数の従業員について所属ステータス又は従業員ステータスの変更が重なることも少なくなく、漏れの発生しにくい適正なアカウント管理が効率的に実現される。
【0035】
上述した管理方法を装置100の視点で記述すると、装置100は、一括処理予約要求を受信し(S501)、それに応じて一括処理予約を設定し(S502)、設定された日時又は時間帯に一括処理の実行結果を記憶する(S503)。
【0036】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、従業員情報表示データが装置100からユーザー端末110に送信され、ユーザー端末110において、1又は複数の従業員が選択されることで、当該1又は複数の従業員に関する一括処理予約の入力が進む流れで説明したが、ユーザー端末110における一括処理予約に関する入力は、異なる流れで進んでもよい。
【0037】
一例として、1又は複数の従業員の退社日、異動日、昇進日等の所属ステータス又は従業員ステータスの変更日又は変更日時が装置100に入力された場合、当該変更日又は変更日時の所定期間前に、ユーザー端末110に対して、当該1又は複数の授業員のうちの少なくとも一部に関する一括処理予約の入力を促す通知を送信してもよい。
【0038】
装置100が人事情報を管理するための人事アプリケーションを提供する人事アプリケーションサーバ(図示せず)から企業の人事情報を取り込むことができる場合、人事情報として所属ステータス又は従業員ステータスの変更日又は変更日時の入力が装置100になされてもよい。
【0039】
このように所属ステータス又は従業員ステータスの変更日又は変更日時が装置100に自動的に入力される場合には、所属ステータス又は従業員ステータスに応じた一組のアプリケーション及び処理のテンプレートに基づくAPIの呼び出しを、当該変更日又は当該変更日から所定期間経過後に自動的に実行するようにしてもよい。
【0040】
なお、上述の実施形態において、「××のみに基づいて」、「××のみに応じて」、「××のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。また、一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」こと、「aの直後にbする」ことを必ずしも意味しないことに留意されたい。また、「Aを構成する各a」という記載は、必ずしもAが複数の構成要素によって構成されることを意味するものではなく、構成要素が単数であることを含む。
【0041】
また、念のため、なんらかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、本発明の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本発明の各態様の範囲外とするものではないことを付言する。
【0042】
また、
図2及び3において示される「開始」及び「終了」は、一例を示すものに過ぎず、本実施形態にかかる方法が図示された手順で必ず開始され、図示された手順で必ず終了することを意味するものではない。
【符号の説明】
【0043】
100 装置
101 通信部
102 処理部
103 記憶部
104 データベース
110 ユーザー端末
120 アプリケーションサーバ
300 従業員情報表示画面
400 予約画面
【要約】
【課題】企業における複数のアプリケーションの利用を管理するための方法において、当該企業の従業員に発行された複数のアカウントを効率的に管理可能とする。
【解決手段】装置100が、ユーザー端末110に従業員情報表示データを送信する(S201及びS202)。次に、装置100は、少なくとも2以上のアプリケーションに関する、当該企業の選択された1又は複数の従業員が用いるアカウントについての一括処理予約要求を受信する(S203)。装置100は、当該一括処理要求に含まれる処理を実行するためのAPIの呼び出しを設定し(S204)、これを呼び出す(S205)。呼び出されたAPIを提供するアプリケーションサーバ120において、選択された1又は複数の従業員のアカウントについて、当該APIによる処理を行い(S206)、処理の完了通知を装置100に送信し、処理結果が記憶される(S207及びS208)。
【選択図】
図2