(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】言語学習装置及び言語学習方法並びに言語学習用プログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 19/06 20060101AFI20220808BHJP
G09B 5/06 20060101ALI20220808BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20220808BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
G09B19/06
G09B5/06
G10L15/00 200E
G06F3/16 650
G06F3/16 620
(21)【出願番号】P 2017165973
(22)【出願日】2017-08-30
【審査請求日】2020-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】516087090
【氏名又は名称】株式会社REKIDS
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100173510
【氏名又は名称】美川 公司
(72)【発明者】
【氏名】富野 り香
(72)【発明者】
【氏名】富野 永和
(72)【発明者】
【氏名】山形 知大
(72)【発明者】
【氏名】山之内 隆弘
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-118292(JP,A)
【文献】特開2010-271615(JP,A)
【文献】特開2007-148170(JP,A)
【文献】特開2000-105530(JP,A)
【文献】特開平10-228230(JP,A)
【文献】特開平10-143061(JP,A)
【文献】特開平08-083041(JP,A)
【文献】国際公開第2005/122106(WO,A1)
【文献】学研 えいご三昧DS クッキングママ 3 ストライクウィッチーズ 蒼空の電撃戦 新隊長 奮闘する,週刊ファミ通 ,日本,株式会社エンターブレイン,2009年12月01日,第24巻、 第51号 ,p. 101
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00 - 9/56,
G09B 17/00 -19/26,
G06F 3/16 ,
G06Q 50/20 ,
G10L 15/00 -17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習対象たる言語により綴られた文章を含む画像と、当該文章を発音した音声と、を、複数の視聴シーンとして出力する視聴ステップを実行する視聴ステップ実行手段と、
前記視聴ステップの後に、複数の録音シーンからなる録音ステップを実行する録音ステップ実行手段と、
前記録音ステップの後に、複数の翻訳シーンからなる翻訳ステップを実行する翻訳ステップ実行手段と、
を備える言語学習装置であって、
前記視聴ステップ実行手段は、
一の前記視聴シーンを構成する前記画像及び前記音声である視聴画像及び視聴音声を出力する視聴出力手段と、
同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記視聴シーンの出力を、当該各視聴シーンを構成する前記視聴画像及び前記視聴音声の出力により順次実行するように前記視聴出力手段を制御する視聴制御手段と、
を備え、
前記録音ステップ実行手段は、
一の前記録音シーンを構成する前記画像及び前記音声である録音画像及び録音音声を出力する録音出力手段と、
前記録音画像及び前記録音音声に対応する前記文章を発音した学習者の音声を集音して録音する録音手段と、
前記録音した学習者の音声を出力する学習者音声出力手段と、
同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記録音シーンの実行を、当該各録音シーンを構成する前記録音画像及び前記録音音声の出力、前記学習者の音声の集音及び録音、及び前記学習者の音声の出力により順次行うように、前記録音出力手段、前記録音手段、及び前記学習者音声出力手段を制御する録音制御手段と、
を備え、
前記翻訳ステップ実行手段は、
一の前記翻訳シーンを構成し且つ前記画像及び前記音声に対応した日本語により綴られた日本語文章を含む日本語画像を表示する日本語画像表示手段と、
前記表示中の日本語画像に含まれる前記日本語文章に相当する前記言語による学習者の音声を翻訳音声として集音して録音する翻訳録音手段と、
前記録音された翻訳音声を出力する第1翻訳出力手段と、
前記日本語文章に相当する前記言語の文章を含む画像及び当該言語の文章を発音した音声を出力する第2翻訳出力手段と、
同一文法の相互に異なる前記日本語文章によりそれぞれ構成される複数の前記翻訳シーンの実行を、前記日本語画像の表示、前記翻訳音声の集音及び録音、前記翻訳音声の出力、並びに前記第2翻訳出力手段による前記画像及び前記音声の出力により順次行うように、前記日本語画像表示手段、前記翻訳録音手段、前記第1翻訳出力手段、及び前記第2翻訳出力手段を制御する翻訳制御手段と、
を備え、
前記日本語文章における読点の位置が、当該日本語文章に相当する前記言語の文章における単語の区切りに相当する位置とされていることを特徴とする言語学習装置。
【請求項2】
請求項1に記載の言語学習装置において、
前記録音手段による集音及び録音を開始する際に操作される操作手段を更に備え、
前記録音手段は、前記操作手段を用いた操作が実行された場合に、前記集音及び前記録音を行うことを特徴とする言語学習装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の言語学習装置において、
前記視聴制御手段による複数の前記視聴シーンの出力が終了したタイミングにおいて、前記視聴ステップに対応する前記同一文法の解説である文法解説情報を出力する解説情報出力手段を更に備えることを特徴とする言語学習装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記録音制御手段による複数の前記録音シーンの実行が終了したタイミングにおいて、学習者を労う旨の労い情報を出力する労い情報出力手段を更に備えることを特徴とする言語学習装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記録音した学習者の音声の内容を認識する認識手段と、
前記認識手段による認識結果と、前記録音画像及び前記録音音声それぞれの内容と、を比較し、両者の一致度を示す一致度情報を出力する一致度情報出力手段と、
を更に備えることを特徴とする言語学習装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記翻訳録音手段による集音及び録音を開始する際に操作される翻訳操作手段を更に備え、
前記翻訳録音手段は、前記翻訳操作手段を用いた操作が実行された場合に、前記翻訳音声の集音及び録音を行うことを特徴とする言語学習装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記表示中の日本語画像に含まれる前記日本語文章に相当し且つ前記言語により綴られた文章である翻訳文章を発音した音声を出力する際に操作される翻訳音声出力操作手段と、
前記翻訳音声出力操作手段を用いた操作が実行された場合に、前記翻訳文章を発音した音声を出力する翻訳音声出力手段と、
を更に備えることを特徴とする言語学習装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記録音された翻訳音声の内容を認識する翻訳認識手段と、
前記翻訳認識手段による認識結果と、前記日本語文章に相当する前記言語の文章の内容と、を比較し、両者の一致度を示す一致度情報を出力する翻訳一致度情報出力手段と、
を更に備えることを特徴とする言語学習装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記視聴ステップと前記録音ステップとの間に、複数の反復シーンからなる反復ステップを実行する反復ステップ実行手段あって、
一の前記反復シーンを構成する前記画像及び前記音声である反復画像及び反復音声を出力する反復出力手段と、
各前記出力された反復画像及び反復音声に対応する前記文章を構成する単語の発音を促す発音促進情報を出力する発音促進手段と、
同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記反復シーンの実行を、前記反復画像及び前記反復音声の出力並びに前記発音促進情報の出力により順次行うように、前記反復出力手段及び前記発音促進手段を制御する反復制御手段と、
を備える反復ステップ実行手段を更に備えることを特徴とする言語学習装置。
【請求項10】
請求項9に記載の言語学習装置において、
前記反復制御手段による複数の前記反復シーンの実行が終了したタイミングにおいて、前記反復ステップに対応する前記同一文法の解説である文法解説情報を出力する反復解説情報出力手段を更に備えることを特徴とする言語学習装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の言語学習装置において、
前記視聴シーンの数、前記録音シーンの数、前記翻訳シーンの数、及び前記反復シーンの数が同一であることを特徴とする言語学習装置。
【請求項12】
請求項11に記載の言語学習装置において、
各前記数が
四であることを特徴とする言語学習装置。
【請求項13】
請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
一の前記翻訳シーンに対応する前記日本語文章の数が、一の前記視聴シーンを構成する前記画像及び前記音声に対応する前記文章の数、一の前記録音シーンを構成する前記画像及び前記音声に対応する前記文章の数並びに一の前記反復シーンを構成する前記画像及び前記音声に対応する前記文章の数のいずれよりも少ないことを特徴とする言語学習装置。
【請求項14】
請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記視聴出力手段、前記録音出力手段、前記反復出力手段又は前記第2翻訳出力手段の少なくともいずれか一つは、出力中の画像及び音声に対応する前記文章を構成する単語の、当該音声としての出力タイミングにおける当該画像内の表示態様を、当該出力タイミング後に当該音声として出力される他の前記単語の当該画像内の表示態様に対して異ならせつつ画像及び音声を出力することを特徴とする言語学習装置。
【請求項15】
請求項14に記載の言語学習装置において、
前記表示態様が前記単語の前記画像内の表示色であることを特徴とする言語学習装置。
【請求項16】
請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
相互に対応する前記視聴シーン、前記反復シーン、前記録音シーン及び前記翻訳シーンの
それぞれを構成する少なくともキャラクタが
当該各シーンの全てにおいて同一であることを特徴とする言語学習装置。
【請求項17】
請求項9から請求項16のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記視聴ステップ、前記反復ステップ、前記録音ステップ及び前記翻訳ステップがそれぞれ終了した場合、当該終了したことを示す終了情報を当該終了した学習者に関連付けて出力可能に記録する終了情報記録手段を更に備えることを特徴とする言語学習装置。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の言語学習装置において、
前記言語が英語であり、
前記同一文法が時制の一致であることを特徴とする言語学習装置。
【請求項19】
学習対象たる言語により綴られた文章を含む画像と、当該文章を発音した音声と、を、複数の視聴シーンとして出力する視聴ステップを実行する視聴ステップ実行手段であって、視聴出力手段と、視聴制御手段と、を備える視聴ステップ実行手段と、前記視聴ステップの後に、複数の録音シーンからなる録音ステップを実行する録音ステップ実行手段であって、録音出力手段と、録音手段と、学習者音声出力手段と、録音制御手段と、を備える録音ステップ実行手段と、前記録音ステップの後に、複数の翻訳シーンからなる翻訳ステップを実行する翻訳ステップ実行手段であって、日本語画像表示手段と、翻訳録音手段と、第1翻訳出力手段と、第2翻訳出力手段と、
翻訳制御手段と、を備える翻訳ステップ実行手段と、を備える言語学習装置において実行される言語学習方法であって、
前記視聴ステップは、
一の前記視聴シーンを構成する前記画像及び前記音声である視聴画像及び視聴音声を前記視聴出力手段により出力する視聴出力工程と、
同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記視聴シーンの出力を、当該各視聴シーンを構成する前記視聴画像及び前記視聴音声の出力により順次実行するように、前記視聴制御手段により前記視聴出力手段を制御する視聴制御工程と、
を含み、
前記録音ステップは、
一の前記録音シーンを構成する前記画像及び前記音声である録音画像及び録音音声を前記録音出力手段により出力する録音出力工程と、
前記録音画像及び前記録音音声に対応する前記文章を発音した学習者の音声を前記録音手段により集音して録音する録音工程と、
前記録音した学習者の音声を前記学習者音声出力手段により出力する学習者音声出力工程と、
同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記録音シーンの実行を、当該各録音シーンを構成する前記録音画像及び前記録音音声の出力、前記学習者の音声の集音及び録音、及び前記学習者の音声の出力により順次行うように、前記録音出力手段、前記録音手段、及び前記学習者音声出力手段を前記録音制御手段により制御する録音制御工程と、
を含み、
前記翻訳ステップは、
一の前記翻訳シーンを構成し且つ前記画像及び前記音声に対応した日本語により綴られた日本語文章を含む日本語画像を前記日本語画像表示手段により表示する日本語画像表示工程と、
前記翻訳録音手段により、前記表示中の日本語画像に含まれる前記日本語文章に相当する前記言語による学習者の音声を翻訳音声として集音して録音する翻訳録音工程と、
前記録音された翻訳音声を前記第1翻訳出力手段により出力する第1翻訳出力工程と、
前記日本語文章に相当する前記言語の文章を含む画像及び当該言語の文章を発音した音声を前記第2翻訳出力手段により出力する第2翻訳出力工程と、
同一文法の相互に異なる前記日本語文章によりそれぞれ構成される複数の前記翻訳シーンの実行を、前記日本語画像表示手段による前記日本語画像の表示、前記翻訳録音手段による前記翻訳音声の集音及び録音、前記第1翻訳出力手段による前記翻訳音声の出力、並びに前記第2翻訳出力手段による前記画像及び前記音声の出力により順次行うように、前記日本語画像表示手段、前記翻訳録音手段、前記第1翻訳出力手段、及び前記第2翻訳出力手段を前記翻訳制御手段により制御する翻訳制御工程と、
を含み、
前記日本語文章における読点の位置が、当該日本語文章に相当する前記言語の文章における単語の区切りに相当する位置とされていることを特徴とする言語学習方法。
【請求項20】
言語学習装置に含まれるコンピュータを、
学習対象たる言語により綴られた文章を含む画像と、当該文章を発音した音声と、を、複数の視聴シーンとして出力する視聴ステップを実行する視聴ステップ実行手段、
前記視聴ステップの後に、複数の録音シーンからなる録音ステップを実行する録音ステップ実行手段、及び、
前記録音ステップの後に、複数の翻訳シーンからなる翻訳ステップを実行する翻訳ステップ実行手段、
として機能させる言語学習用プログラムであって、
前記視聴ステップ実行手段として機能する前記コンピュータを、
一の前記視聴シーンを構成する前記画像及び前記音声である視聴画像及び視聴音声を出力する視聴出力手段、及び、
同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記視聴シーンの出力を、当該各視聴シーンを構成する前記視聴画像及び前記視聴音声の出力により順次実行するように前記視聴出力手段を制御する視聴制御手段、
として機能させ、
前記録音ステップ実行手段として機能する前記コンピュータを、
一の前記録音シーンを構成する前記画像及び前記音声である録音画像及び録音音声を出力する録音出力手段、
前記録音画像及び前記録音音声に対応する前記文章を発音した学習者の音声を集音して録音する録音手段、
前記録音した学習者の音声を出力する学習者音声出力手段、及び、
同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記録音シーンの実行を、当該各録音シーンを構成する前記録音画像及び前記録音音声の出力、前記学習者の音声の集音及び録音、及び前記学習者の音声の出力により順次行うように、前記録音出力手段、前記録音手段、及び前記学習者音声出力手段を制御する録音制御手段、
として機能させ、
前記翻訳ステップ実行手段として機能する前記コンピュータを、
一の前記翻訳シーンを構成し且つ前記画像及び前記音声に対応した日本語により綴られた日本語文章を含む日本語画像を表示する日本語画像表示手段、
前記表示中の日本語画像に含まれる前記日本語文章に相当する前記言語による学習者の音声を翻訳音声として集音して録音する翻訳録音手段、
前記録音された翻訳音声を出力する第1翻訳出力手段、
前記日本語文章に相当する前記言語の文章を含む画像及び当該言語の文章を発音した音声を出力する第2翻訳出力手段、及び、
同一文法の相互に異なる前記日本語文章によりそれぞれ構成される複数の前記翻訳シーンの実行を、前記日本語画像表示手段による前記日本語画像の表示、前記翻訳録音手段による前記翻訳音声の集音及び録音、前記第1翻訳出力手段による前記翻訳音声の出力、並びに前記第2翻訳出力手段による前記画像及び前記音声の出力により順次行うように、前記日本語画像表示手段、前記翻訳録音手段、前記第1翻訳出力手段、及び前記第2翻訳出力手段を制御する翻訳制御手段、
として機能させ、
前記日本語文章における読点の位置が、当該日本語文章に相当する前記言語の文章における単語の区切りに相当する位置とされていることを特徴とする言語学習用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、言語学習装置及び言語学習方法並びに言語学習用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、日本人が日本語以外の他の言語を学習するために用いられる言語学習装置及び言語学習方法並びに当該言語学習装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本人に対する実用的な英語教育の必要性は益々高まっており、これに対応して、小学生等の低年齢層に対する実用的な英語教育の必要性も指摘されている。また、学校等での集団による英語教育の他に、自身が操作するパーソナルコンピュータやタブレット端末を用いて個人的に英語教育を受けることも多く行われるようになった。なお以下の説明において、パーソナルコンピュータやタブレット端末を、単に「PC(Personal Computer)等」と称する。このような個人的な英語教育は、当該教育を受ける個人の上達度や進度に応じて難易度を調整できる等、集団による英語教育では得られない効果が期待できる。
【0003】
そして、上記PC等を用いた英語教育に関する先行技術文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1に記載されている技術では、言語教育用システムにおいて、第1視点に対応するイベントの第1記述を提示するステップと、第2視点に対応するイベントの第2記述を提示するステップと、を含み、イベントの第1記述とイベントの第2記述とが共通の言語であるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、日本人を対象とした英語教育に対して上記特許文献1に記載されている技術を用いた場合、例えば高度過ぎたり、或いは飽き易かったりといった問題点があり、実効のある英語教育は期待できないという問題点がある。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、日本人であっても、学習対象たる言語(例えば英語)の学習効果(練習効果)を向上させることが可能な言語学習装置及び言語学習方法並びに当該言語学習装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、学習対象たる言語により綴られた文章を含む画像と、当該文章を発音した音声と、を、複数の視聴シーンとして出力する視聴ステップを実行するリスニングステップ処理部等の視聴ステップ実行手段と、
前記視聴ステップの後に、複数の録音シーンからなる録音ステップを実行するレコードステップ処理部等の録音ステップ実行手段と、前記録音ステップの後に、複数の翻訳シーンからなる翻訳ステップを実行するトランスレーションステップ処理部等の翻訳ステップ実行手段と、を備える言語学習装置であって、前記視聴ステップ実行手段は、一の前記視聴シーンを構成する前記画像及び前記音声である視聴画像及び視聴音声を出力するディスプレイ及びスピーカ等の視聴出力手段と、同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記視聴シーンの出力を、当該各視聴シーンを構成する前記視聴画像及び前記視聴音声の出力により順次実行するように前記視聴出力手段を制御するリスニングステップ処理部等の視聴制御手段と、を備え、前記録音ステップ実行手段は、一の前記録音シーンを構成する前記画像及び前記音声である録音画像及び録音音声を出力するディスプレイ及びスピーカ等の録音出力手段と、前記録音画像及び前記録音音声に対応する前記文章を発音した学習者の音声を集音して録音するレコードステップ処理部等の録音手段と、前記録音した学習者の音声を出力するスピーカ等の学習者音声出力手段と、同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記録音シーンの実行を、当該各録音シーンを構成する前記録音画像及び前記録音音声の出力、前記学習者の音声の集音及び録音、及び前記学習者の音声の出力により順次行うように、前記録音出力手段、前記録音手段、及び前記学習者音声出力手段を制御するレコードステップ処理部等の録音制御手段と、を備え、前記翻訳ステップ実行手段は、一の前記翻訳シーンを構成し且つ前記画像及び前記音声に対応した日本語により綴られた日本語文章を含む日本語画像を表示するディスプレイ等の日本語画像表示手段と、前記表示中の日本語画像に含まれる前記日本語文章に相当する前記言語による学習者の音声を翻訳音声として集音して録音するトランスレーションステップ処理部等の翻訳録音手段と、前記録音された翻訳音声を出力するスピーカ等の第1翻訳出力手段と、前記日本語文章に相当する前記言語の文章を含む画像及び当該言語の文章を発音した音声を出力するスピーカ等の第2翻訳出力手段と、同一文法の相互に異なる前記日本語文章によりそれぞれ構成される複数の前記翻訳シーンの実行を、前記日本語画像の表示、前記翻訳音声の集音及び録音、前記翻訳音声の出力、並びに前記第2翻訳出力手段による前記画像及び前記音声の出力により順次行うように、前記日本語画像表示手段、前記翻訳録音手段、前記第1翻訳出力手段、及び前記第2翻訳出力手段を制御するトランスレーションステップ処理部等の翻訳制御手段と、を備え、前記日本語文章における読点の位置が、当該日本語文章に相当する前記言語の文章における単語の区切りに相当する位置とされているように構成される。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項19に記載の発明は、学習対象たる言語により綴られた文章を含む画像と、当該文章を発音した音声と、を、複数の視聴シーンとして出力する視聴ステップを実行する視聴ステップ実行手段であって、ディスプレイ及びスピーカ等の視聴出力手段と、リスニングステップ処理部等の視聴制御手段と、を備えるリスニングステップ処理部等の視聴ステップ実行手段と、前記視聴ステップの後に、複数の録音シーンからなる録音ステップを実行する録音ステップ実行手段であって、スピーカ等の録音出力手段と、レコードステップ処理部等の録音手段と、スピーカ等の学習者音声出力手段と、録音制御手段と、を備えるレコードステップ処理部等の録音ステップ実行手段と、前記録音ステップの後に、複数の翻訳シーンからなる翻訳ステップを実行する翻訳ステップ実行手段であって、ディスプレイ等の日本語画像表示手段と、トランスレーションステップ処理部等の翻訳録音手段と、スピーカ等の第1翻訳出力手段と、スピーカ等の第2翻訳出力手段と、トランスレーションステップ処理部等の翻訳制御手段と、を備えるトランスレーションステップ処理部等の翻訳ステップ実行手段と、を備える言語学習装置において実行される言語学習方法であって、前記視聴ステップは、一の前記視聴シーンを構成する前記画像及び前記音声である視聴画像及び視聴音声を前記視聴出力手段により出力する視聴出力工程と、同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記視聴シーンの出力を、当該各視聴シーンを構成する前記視聴画像及び前記視聴音声の出力により順次実行するように、前記視聴制御手段により前記視聴出力手段を制御する視聴制御工程と、を含み、前記録音ステップは、一の前記録音シーンを構成する前記画像及び前記音声である録音画像及び録音音声を前記録音出力手段により出力する録音出力工程と、前記録音画像及び前記録音音声に対応する前記文章を発音した学習者の音声を前記録音手段により集音して録音する録音工程と、前記録音した学習者の音声を前記学習者音声出力手段により出力する学習者音声出力工程と、同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記録音シーンの実行を、当該各録音シーンを構成する前記録音画像及び前記録音音声の出力、前記学習者の音声の集音及び録音、及び前記学習者の音声の出力により順次行うように、前記録音出力手段、前記録音手段、及び前記学習者音声出力手段を前記録音制御手段により制御する録音制御工程と、を含み、前記翻訳ステップは、一の前記翻訳シーンを構成し且つ前記画像及び前記音声に対応した日本語により綴られた日本語文章を含む日本語画像を前記日本語画像表示手段により表示する日本語画像表示工程と、前記翻訳録音手段により、前記表示中の日本語画像に含まれる前記日本語文章に相当する前記言語による学習者の音声を翻訳音声として集音して録音する翻訳録音工程と、前記録音された翻訳音声を前記第1翻訳出力手段により出力する第1翻訳出力工程と、前記日本語文章に相当する前記言語の文章を含む画像及び当該言語の文章を発音した音声を前記第2翻訳出力手段により出力する第2翻訳出力工程と、同一文法の相互に異なる前記日本語文章によりそれぞれ構成される複数の前記翻訳シーンの実行を、前記日本語画像表示手段による前記日本語画像の表示、前記翻訳録音手段による前記翻訳音声の集音及び録音、前記第1翻訳出力手段による前記翻訳音声の出力、並びに前記第2翻訳出力手段による前記画像及び前記音声の出力により順次行うように、前記日本語画像表示手段、前記翻訳録音手段、前記第1翻訳出力手段、及び前記第2翻訳出力手段を前記翻訳制御手段により制御する翻訳制御工程と、を含み、前記日本語文章における読点の位置が、当該日本語文章に相当する前記言語の文章における単語の区切りに相当する位置とされているように構成される。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項20に記載の発明は、言語学習装置に含まれるコンピュータを、学習対象たる言語により綴られた文章を含む画像と、当該文章を発音した音声と、を、複数の視聴シーンとして出力する視聴ステップを実行する視聴ステップ実行手段、前記視聴ステップの後に、複数の録音シーンからなる録音ステップを実行する録音ステップ実行手段、及び、前記録音ステップの後に、複数の翻訳シーンからなる翻訳ステップを実行する翻訳ステップ実行手段、として機能させる言語学習用プログラムであって、前記視聴ステップ実行手段として機能する前記コンピュータを、一の前記視聴シーンを構成する前記画像及び前記音声である視聴画像及び視聴音声を出力する視聴出力手段、及び、同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記視聴シーンの出力を、当該各視聴シーンを構成する前記視聴画像及び前記視聴音声の出力により順次実行するように前記視聴出力手段を制御する視聴制御手段、として機能させ、前記録音ステップ実行手段として機能する前記コンピュータを、一の前記録音シーンを構成する前記画像及び前記音声である録音画像及び録音音声を出力する録音出力手段、前記録音画像及び前記録音音声に対応する前記文章を発音した学習者の音声を集音して録音する録音手段、前記録音した学習者の音声を出力する学習者音声出力手段、及び、同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記録音シーンの実行を、当該各録音シーンを構成する前記録音画像及び前記録音音声の出力、前記学習者の音声の集音及び録音、及び前記学習者の音声の出力により順次行うように、前記録音出力手段、前記録音手段、及び前記学習者音声出力手段を制御する録音制御手段、として機能させ、前記翻訳ステップ実行手段として機能する前記コンピュータを、一の前記翻訳シーンを構成し且つ前記画像及び前記音声に対応した日本語により綴られた日本語文章を含む日本語画像を表示する日本語画像表示手段、前記表示中の日本語画像に含まれる前記日本語文章に相当する前記言語による学習者の音声を翻訳音声として集音して録音する翻訳録音手段、前記録音された翻訳音声を出力する第1翻訳出力手段、前記日本語文章に相当する前記言語の文章を含む画像及び当該言語の文章を発音した音声を出力する第2翻訳出力手段、及び、同一文法の相互に異なる前記日本語文章によりそれぞれ構成される複数の前記翻訳シーンの実行を、前記日本語画像表示手段による前記日本語画像の表示、前記翻訳録音手段による前記翻訳音声の集音及び録音、前記第1翻訳出力手段による前記翻訳音声の出力、並びに前記第2翻訳出力手段による前記画像及び前記音声の出力により順次行うように、前記日本語画像表示手段、前記翻訳録音手段、前記第1翻訳出力手段、及び前記第2翻訳出力手段を制御する翻訳制御手段、として機能させ、前記日本語文章における読点の位置が、当該日本語文章に相当する前記言語の文章における単語の区切りに相当する位置とされているように構成される。
【0010】
請求項1、請求項19又は請求項20のいずれか一項に記載の発明によれば、学習対象たる言語により綴られた文章を含む画像と、当該文章を発音した音声と、を、複数の視聴シーンとして出力する視聴ステップを実行し、その後に、複数の録音シーンからなる録音ステップを実行する。このとき、視聴ステップとして、同一文法の相互に異なる文章によりそれぞれ構成される複数の視聴シーンの出力が、各視聴シーンを構成する視聴画像及び視聴音声の出力により順次実行される。一方録音ステップとして、同一文法の相互に異なる文章によりそれぞれ構成される複数の録音シーンの実行を、各録音シーンを構成する録音画像及び録音音声の出力、録音画像及び録音音声に対応する文章を発音した学習者の音声の集音及び録音、及び録音した学習者の音声の出力により順次行われる。よって、視聴ステップと録音ステップとが、同一の文法の異なる文章により構成されるいわゆるパターンプラクティスとして実行されることで、学習対象たる言語の学習効果(練習効果)を向上させることができる。
また、録音ステップの後に、複数の翻訳シーンからなる翻訳ステップを実行する。このとき、翻訳ステップとして、同一文法の相互に異なる日本語文章によりそれぞれ構成される複数の翻訳シーンの実行が、各翻訳シーンを構成する日本語画像の表示、表示中の日本語画像に含まれる日本語文章に相当する翻訳音声の録音、録音された翻訳音声の出力、及び日本語文章に相当する学習対象の言語の文章を含む画像及び当該言語の文章を発音した音声の出力により順次行われる。よって、同一の文法の異なる日本語文章によるいわゆるパターンプラクティスとして翻訳ステップが更に実行されることで、学習対象たる言語の学習効果(練習効果)をより向上させることができる。
更に、日本語文章における読点の位置が、当該日本語文章に相当する学習対象の言語の文章における単語の区切りに相当する位置とされているので、より正確な翻訳音声の集音及び録音を行わせることができる。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の言語学習装置において、前記録音手段による集音及び録音を開始する際に操作される操作部等の操作手段を更に備え、前記録音手段は、前記操作手段を用いた操作が実行された場合に、前記集音及び前記録音を行うように構成される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、録音手段による集音及び録音を開始する際に操作される操作手段を用いた当該操作が実行された場合に、学習者の音声の集音及び録音を行う。よって、学習者の任意のタイミングで発音及び録音を行うことができるので、余裕を持ってその言語を学習することができる。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の言語学習装置において、前記視聴制御手段による複数の前記視聴シーンの出力が終了したタイミングにおいて、前記視聴ステップに対応する前記同一文法の解説である文法解説情報を出力するディスプレイ等の解説情報出力手段を更に備える。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、複数の視聴シーンの出力が終了したタイミングにおいて文法解説情報を出力するので、視聴ステップの学習の対象となった文法の内容を容易に理解することができる。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記録音制御手段による複数の前記録音シーンの実行が終了したタイミングにおいて、学習者を労う旨の労い情報を出力するディスプレイ等の労い情報出力手段を更に備える。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、複数の録音シーンの実行が終了したタイミングにおいて労い情報を出力するので、学習者の学習継続意欲を維持又は高めることができる。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記録音した学習者の音声の内容を認識するレコードステップ処理部等の認識手段と、前記認識手段による認識結果と、前記録音画像及び前記録音音声それぞれの内容と、を比較し、両者の一致度を示す一致度情報を出力するディスプレイ等の一致度情報出力手段と、を更に備える。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、録音画像及び録音音声に対応する文章を発音した学習者の音声の内容を認識し、その認識結果と、録音画像及び録音音声それぞれの内容と、を比較し、両者の一致度を示す一致度情報を出力するので、学習者が発声した当該音声の内容が合っているか否かを迅速に認識しつつ、当該言語の学習を進めることができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記翻訳録音手段による集音及び録音を開始する際に操作される操作部等の翻訳操作手段を更に備え、前記翻訳録音手段は、前記翻訳操作手段を用いた操作が実行された場合に、前記翻訳音声の集音及び録音を行うように構成される。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、翻訳録音手段による集音及び録音を開始する際に操作される翻訳操作手段を用いた当該操作が実行された場合に、翻訳音声の集音及び録音を行う。よって、学習者の任意のタイミングで翻訳音声の発音及び録音を行うことができるので、余裕を持ってその言語を学習することができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記表示中の日本語画像に含まれる前記日本語文章に相当し且つ前記言語により綴られた文章である翻訳文章を発音した音声を出力する際に操作される操作部等の翻訳音声出力操作手段と、前記翻訳音声出力操作手段を用いた操作が実行された場合に、前記翻訳文章を発音した音声を出力するスピーカ等の翻訳音声出力手段と、を更に備える。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の作用によれば、翻訳音声出力操作手段を用いた操作が実行された場合に、表示中の日本語画像に含まれる日本語文章に相当する翻訳文章を発音した音声を出力する。よって、学習者において日本語文章の翻訳が難しい場合に、当該学習者による翻訳音声出力操作手段を用いた操作により翻訳文章を発音した音声を出力させることで、停滞することなく言語学習を進めることができる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記録音された翻訳音声の内容を認識するトランスレーションステップ処理部等の翻訳認識手段と、前記翻訳認識手段による認識結果と、前記日本語文章に相当する前記言語の文章の内容と、を比較し、両者の一致度を示す一致度情報を出力するディスプレイ等の翻訳一致度情報出力手段と、を更に備える。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、日本語文章に相当する学習者の音声である翻訳音声の内容を認識し、その認識結果と、日本語文章に相当する学習対象たる言語の文章の内容と、を比較し、両者の一致度を示す一致度情報を出力するので、学習者が発声した当該翻訳音声の内容が合っているか否かを迅速に認識しつつ、当該言語の学習を進めることができる。
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記視聴ステップと前記録音ステップとの間に、複数の反復シーンからなる反復ステップを実行する反復ステップ実行手段あって、一の前記反復シーンを構成する前記画像及び前記音声である反復画像及び反復音声を出力するディスプレイ及びスピーカ等の反復出力手段と、各前記出力された反復画像及び反復音声に対応する前記文章を構成する単語の発音を促す発音促進情報を出力するディスプレイ等の発音促進手段と、同一文法の相互に異なる前記文章によりそれぞれ構成される複数の前記反復シーンの実行を、前記反復画像及び前記反復音声の出力並びに前記発音促進情報の出力により順次行うように、前記反復出力手段及び前記発音促進手段を制御するリピートステップ処理部等の反復制御手段と、を備えるリピートステップ処理部等の反復ステップ実行手段を更に備える。
【0020】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、視聴ステップと録音ステップとの間に、複数の反復シーンからなる反復ステップを実行する。このとき、反復ステップとして、同一文法の相互に異なる文章によりそれぞれ構成される複数の反復シーンの実行が、各反復シーンを構成する反復画像及び反復音声の出力、及び当該反復画像及び反復音声に対応する文章を構成する単語の発音を促す発音促進情報の出力により順次行われる。よって、同一の文法の異なる文章により構成されるいわゆるパターンプラクティスとして、視聴ステップ、録音ステップ及び翻訳ステップに加えて反復ステップが実行されることで、学習対象たる言語の学習効果(練習効果)をより向上させることができる。
【0021】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の言語学習装置において、前記反復制御手段による複数の前記反復シーンの実行が終了したタイミングにおいて、前記反復ステップに対応する前記同一文法の解説である文法解説情報を出力するディスプレイ等の反復解説情報出力手段を更に備える。
【0022】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の作用に加えて、複数の反復シーンの実行が終了したタイミングにおいて文法解説情報を出力するので、反復ステップとしての学習の対象となった文法の内容を容易に理解することができる。
【0023】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、請求項9又は請求項10に記載の言語学習装置において、前記視聴シーンの数、前記録音シーンの数、前記翻訳シーンの数、及び前記反復シーンの数が同一であるように構成される。
【0024】
請求項11に記載の発明によれば、請求項9又は請求項10に記載の発明の作用に加えて、視聴シーンの数、録音シーンの数及び翻訳シーンの数並びに反復シーンの数が同一であるので、パターンプラクティスとしての学習効果を更に高めることができる。
【0025】
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の言語学習装置において、各前記数が四であるように構成される。
【0026】
請求項12に記載の発明によれば、請求項11に記載の発明の作用に加えて、各数が四であるので、飽きを防止してパターンプラクティスとしての学習効果をより高めることができる。
【0037】
上記の課題を解決するために、請求項13に記載された発明は、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の言語学習装置において、一の前記翻訳シーンに対応する前記日本語文章の数が、一の前記視聴シーンを構成する前記画像及び前記音声に対応する前記文章の数、一の前記録音シーンを構成する前記画像及び前記音声に対応する前記文章の数並びに一の前記反復シーンを構成する前記画像及び前記音声に対応する前記文章の数のいずれよりも少ないように構成される。
【0038】
請求項13に記載の発明によれば、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、一の翻訳シーンに対応する日本語文章の数が、一の視聴シーンを構成する画像等に対応する文章の数、一の録音シーンを構成する画像等に対応する文章の数及び一の反復シーンを構成する画像等に対応する文章の数のいずれよりも少ないので、難度の高い翻訳シーン内の日本語文章の数を抑えて学習意欲の低下を防止することができる。
【0039】
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記視聴出力手段、前記録音出力手段、前記反復出力手段又は前記第2翻訳出力手段の少なくともいずれか一つは、出力中の画像及び音声に対応する前記文章を構成する単語の、当該音声としての出力タイミングにおける当該画像内の表示態様を、当該出力タイミング後に当該音声として出力される他の前記単語の当該画像内の表示態様に対して異ならせつつ画像及び音声を出力するように構成される。
【0040】
請求項14に記載の発明の作用によれば、請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、出力中の画像及び音声に対応する文章を構成する単語の、音声としての出力タイミングにおける画像内の表示態様を、その出力タイミング後に音声として出力される他の単語の画像内の表示態様に対して異ならせつつ画像及び音声を出力するので、音声としていずれの単語が出力されているかを容易に認識することができる。
【0041】
上記の課題を解決するために、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の言語学習装置において、前記表示態様が前記単語の前記画像内の表示色であるように構成される。
【0042】
請求項15に記載の発明の作用によれば、請求項14に記載の発明の作用に加えて、出力中の画像及び音声に対応する文章を構成する単語の、音声としての出力タイミングにおける画像内の表示色が、その出力タイミング後に音声として出力される他の単語の表示色態に対して異ならせられつつ画像及び音声が出力されるので、音声としていずれの単語が出力されているかをより容易に認識することができる。
【0043】
上記の課題を解決するために、請求項16に記載の発明は、請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の言語学習装置において、相互に対応する前記視聴シーン、前記反復シーン、前記録音シーン及び前記翻訳シーンのそれぞれを構成する少なくともキャラクタが当該各シーンの全てにおいて同一であるように構成される。
【0044】
請求項16に記載の発明の作用によれば、請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、相互に対応する視聴シーン、反復シーン、録音シーン及び翻訳シーンのそれぞれを構成する少なくともキャラクタが当該各シーンの全てにおいて同一であるので、視聴ステップ→反復ステップ→録音ステップ→翻訳ステップと同じキャラクタにより学習が進むことで、学習効果をより高めることができる。
【0045】
上記の課題を解決するために、請求項17に記載の発明は、請求項9から請求項16のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記視聴ステップ、前記反復ステップ、前記録音ステップ及び前記翻訳ステップがそれぞれ終了した場合、当該終了したことを示す終了情報を当該終了した学習者に関連付けて出力可能に記録する処理部等の終了情報記録手段を更に備える。
【0046】
請求項17に記載の発明の作用によれば、請求項9から請求項16のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、視聴ステップ、反復ステップ、録音ステップ及び翻訳ステップがそれぞれ終了した場合に、当該終了したことを示す終了情報が当該終了した学習者に関連付けて出力可能に記録されるので、当該学習者における事後の学習意欲を更に増大させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項18に記載の発明は、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の言語学習装置において、前記言語が英語であり、前記同一文法が時制の一致であるように構成される。
請求項18に記載の発明によれば、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、学習対象たる言語が英語であり、同一文法が時制の一致であるので、英語における時制の一致についての学習効果(練習効果)を向上させることができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、学習対象たる言語により綴られた文章を含む画像と、当該文章を発音した音声と、を、複数の視聴シーンとして出力する視聴ステップを実行し、その後に、複数の録音シーンからなる録音ステップを実行する。このとき、視聴ステップとして、同一文法の相互に異なる文章によりそれぞれ構成される複数の視聴シーンの出力が、各視聴シーンを構成する視聴画像及び視聴音声の出力により順次実行される。一方録音ステップとして、同一文法の相互に異なる文章によりそれぞれ構成される複数の録音シーンの実行を、各録音シーンを構成する録音画像及び録音音声の出力、録音画像及び録音音声に対応する文章を発音した学習者の音声の集音及び録音、及び録音した学習者の音声の出力により順次行われる。
【0048】
従って、視聴ステップと録音ステップとが、同一の文法の異なる文章により構成されるいわゆるパターンプラクティスとして実行されることで、学習対象たる言語の学習効果(練習効果)を向上させることができる。
また、録音ステップの後に、複数の翻訳シーンからなる翻訳ステップを実行する。このとき、翻訳ステップとして、同一文法の相互に異なる日本語文章によりそれぞれ構成される複数の翻訳シーンの実行が、各翻訳シーンを構成する日本語画像の表示、表示中の日本語画像に含まれる日本語文章に相当する翻訳音声の録音、録音された翻訳音声の出力、及び日本語文章に相当する学習対象の言語の文章を含む画像及び当該言語の文章を発音した音声の出力により順次行われる。
従って、同一の文法の異なる日本語文章によるいわゆるパターンプラクティスとして翻訳ステップが更に実行されることで、学習対象たる言語の学習効果(練習効果)をより向上させることができる。
更に、日本語文章における読点の位置が、当該日本語文章に相当する学習対象の言語の文章における単語の区切りに相当する位置とされているので、より正確な翻訳音声の集音及び録音を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】第1実施形態に係る言語学習システムの概要構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る言語学習システムに含まれるサーバ装置に記憶されているデータベースの内容を例示する図である。
【
図3】第1実施形態に係る言語学習処理の全体を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態に係る言語学習処理におけるリスニングステップの内容を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係る言語学習処理におけるリスニングステップにおいて表示される画像例を示す図(I)である。
【
図6】第1実施形態に係る言語学習処理におけるリスニングステップにおいて表示される画像例を示す図(II)であり、(a)は当該リスニングステップにおける第1リスニングシーンにおいて表示される画像例を示す図であり、(b)は当該リスニングステップにおける第2リスニングシーンにおいて表示される画像例を示す図であり、(c)は当該リスニングステップにおける第3リスニングシーンにおいて表示される画像例を示す図であり、(d)は当該リスニングステップにおける第4リスニングシーンにおいて表示される画像例を示す図であり、(e)は当該リスニングステップにおける解説として表示される画像例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る言語学習処理におけるリピートステップの内容を示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る言語学習処理におけるリピートステップにおいて表示される画像例を示す図であり、(a)は当該リピートステップにおける第1リピートシーンにおいて表示される画像例を示す図であり、(b)は当該第1リピートシーンにおける発音時に表示される画像例を示す図であり、(c)は当該リピートステップにおける第2リピートシーンにおいて表示される画像例を示す図であり、(d)は当該第2リピートシーンにおける発音時に表示される画像例を示す図であり、(e)は当該リピートステップにおける解説として表示される画像例を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る言語学習処理におけるレコードステップの内容を示すフローチャートである。
【
図10】第1実施形態に係る言語学習処理におけるレコードステップにおいて表示される画像例を示す図であり、(a)は当該レコードステップにおける第1レコードシーンにおいて表示される画像例を示す図であり、(b)は当該第1レコードシーンにおける録音時に表示される画像例を示す図であり、(c)は当該レコードステップにおける第2レコードシーンにおいて表示される画像例を示す図であり、(d)は当該第2レコードシーンにおける録音時に表示される画像例を示す図である。
【
図11】第1実施形態に係る言語学習処理におけるトランスレーションステップの内容を示すフローチャートである。
【
図12】第1実施形態に係る言語学習処理におけるトランスレーションステップにおいて表示される画像例を示す図(I)であり、(a)は当該トランスレーションステップにおける第1トランスレーションシーンの問題提示時において表示される画像例を示す図であり、(b)は当該トランスレーションステップにおける第2トランスレーションシーンの問題提示時において表示される画像例を示す図であり、(c)は当該トランスレーションステップにおける第3トランスレーションシーンの問題提示時において表示される画像例を示す図であり、(d)は当該トランスレーションステップにおける第4トランスレーションシーンの問題提示時において表示される画像例を示す図である。
【
図13】第1実施形態に係る言語学習処理におけるトランスレーションステップにおいて表示される画像例を示す図(II)であり、(a)は当該トランスレーションステップにおける第1トランスレーションシーンの解答提示時において表示される画像例を示す図であり、(b)は当該トランスレーションステップにおける第2トランスレーションシーンの解答提示時において表示される画像例を示す図であり、(c)は当該トランスレーションステップにおける第3トランスレーションシーンの解答提示時において表示される画像例を示す図であり、(d)は当該トランスレーションステップにおける第4トランスレーションシーンの解答提示時において表示される画像例を示す図である。
【
図14】第1実施形態に係る言語学習処理において取得されるアイテムの例を示す図であり、(a)はアイテム取得前の地図を例示する図であり、(b)は一つのアイテムの例を示す図であり、(c)はアイテム取得後の地図を例示する図である。
【
図15】第2実施形態に係る言語学習処理におけるレコードステップの内容を示すフローチャートである。
【
図16】第2実施形態に係る言語学習処理におけるトランスレーションステップの内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、日本人たるユーザが、自身が所有する端末装置を用いて英語を学習する際に用いられる言語学習システムに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。ここで当該端末装置の例としては、当該ユーザが所有するPC等が挙げられる。
【0051】
(I)
第1実施形態
始めに、本発明に係る第1実施形態について、
図1乃至
図13を用いて説明する。
【0052】
(i)
第1実施形態に係る言語学習システムの構成等の概要について
先ず、第1実施形態に係る言語学習システムの構成の概要、及び第1実施形態に係る言語学習処理の概要について、
図1及び
図2を用いてそれぞれ説明する。なお、
図1は第1実施形態に係る言語学習システムの概要構成を示すブロック図であり、
図2は当該言語学習システムに含まれるサーバ装置に記憶されているデータベースの内容を例示する図である。
【0053】
図1に示すように、第1実施形態に係る言語学習システムSは、それぞれが第1実施形態に係る端末装置T1、端末装置T2、端末装置T3、…、端末装置Tn(nは自然数)と、第1実施形態に係るサーバ装置SVと、上記端末装置T1、端末装置T2、端末装置T3、…、端末装置Tnとサーバ装置SVとを接続する既存のインターネット等のネットワークNWと、により構成されている。このとき、端末装置T1、端末装置T2、端末装置T3、…、端末装置Tnは、基本的には同一の構成及び機能を有するので、以下の第1実施形態の説明では、これらを纏めて「端末装置T」として、その構成及び機能を説明する。
【0054】
次に上記サーバ装置SVは、通信部20と、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等からなる処理部21と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)からなるデータベース22と、により構成されている。
【0055】
一方上記端末装置Tは、CPU等からなり且つ第1実施形態に係る言語学習処理を中心的に実行する処理部1と、通信部2と、キーボード、マウス又はディスプレイ4の表示面に備えられたタッチパネル等からなる操作部3と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ4と、HDD又はSSDからなる記録部5と、RAM及びROMからなるメモリ6と、スピーカ7と、マイク8と、により構成されている。また処理部1は、リスニングステップ処理部10と、リピートステップ処理部11と、レコードステップ処理部12と、トランスレーションステップ処理部13と、により構成されている。このとき、リスニングステップ処理部10、リピートステップ処理部11、レコードステップ処理部12及びトランスレーションステップ処理部13のそれぞれは、処理部1を構成するCPU等のハードウェアロジック回路により構成されていてもよいし、後述する第1実施形態に係る言語学習処理を示すフローチャートに対応するプログラムを処理部1で読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実行されるものであってもよい。
【0056】
また、上記処理部1が本発明に係る「終了情報記録手段」の一例に、上記リスニングステップ処理部10が本発明に係る「視聴ステップ実行手段」の一例及び「視聴制御手段」の一例に、上記レコードステップ処理部12が本発明に係る「録音ステップ実行手段」の一例、「録音手段」の一例、「録音制御手段」の一例、「認識手段」の一例及び「一致度情報出力手段」の一例に、上記リピートステップ処理部11が本発明に係る「反復ステップ実行手段」の一例及び「反復制御手段」の一例に、上記トランスレーションステップ処理部13が本発明に係る「翻訳ステップ実行手段」の一例、「翻訳録音手段」の一例、「翻訳制御手段」の一例及び「翻訳認識手段」の一例に、それぞれ相当する。更に、ディスプレイ4及びスピーカ7が本発明に係る「視聴出力手段」の一例及び「反復出力手段」の一例に相当し、スピーカ7が本発明に係る「録音出力手段」の一例、「学習者音声出力手段」の一例、「第1翻訳出力手段」の一例、「第2翻訳出力手段」の一例及び「翻訳音声出力手段」の一例にそれぞれ相当する。更にまた、操作部3が本発明に係る「操作手段」の一例、「翻訳操作手段」の一例及び「翻訳音声出力操作手段」の一例にそれぞれ相当し、ディスプレイ4が本発明に係る「解説情報出力手段」の一例、「労い情報出力手段」の一例、「発音促進手段」の一例、「反復解説情報出力手段」の一例、「日本語画像表示手段」の一例及び「翻訳一致度情報出力手段」の一例にそれぞれ相当する。
【0057】
以上の構成において、サーバ装置SVの通信部20は、処理部21の制御の下、ネットワークNWを介した各端末装置Tとサーバ装置SVとの間の種々のデータの授受を制御する。これにより処理部21は、データベース22に記録されている後述する各データ等を用い、各端末装置Tとの間でネットワークNW及び通信部20を介したデータの授受を行いつつ、第1実施形態に係る言語学習処理を実行する。
【0058】
一方各端末装置Tの通信部2は、処理部1の制御の下、ネットワークNWを介したサーバ装置SVとの種々のデータの授受を制御する。一方操作部3は、後述するスキップ操作用のスキップボタン、リトライ操作用のリトライボタン、録音操作用の録音ボタン及び解答確認操作用の解答確認操作ボタン等の操作ボタンやマウス等により構成されており、上記操作ボタン等の操作に対応した操作信号を生成して処理部3に出力する。このとき上記操作ボタンのそれぞれは、例えばキーボードのような物理的に押下できる操作ボタンであってもよいし、各操作ボタンに対応してディスプレイ4に表示される操作アイコンに相当するタッチパネルの位置をタッチすることにより当該操作ボタンに対応する操作が実現されるものであってもよい。
【0059】
次に記録部5及びメモリ6は、処理部1の制御の下、当該処理部1が実行する第1実施形態に係る言語学習処理において必要なデータ等を、揮発性又は不揮発性に記録する。これらのデータ等は、必要に応じて処理部1により読み出され、第1実施形態に係る言語学習処理に供される。またディスプレイ4は、処理部1の制御の下、第1実施形態に係る言語学習処理において必要な後述の画像等を表示する。更にスピーカ7は、処理部1の制御の下、第1実施形態に係る言語学習処理において必要な後述の音声又は音を出力(放音)する。最後にマイク8は、端末装置Tのユーザが発する音声を集音し、音声信号として処理部1に出力する。
【0060】
次に、処理部1のリスニングステップ処理部10は、上記操作信号に基づき、ディスプレイ4による画像表示及びスピーカ7による音声等の出力を用いて、第1実施形態に係る言語学習処理における後述のリスニングステップに係る処理を主として実行する。また処理部1のリピートステップ処理部11は、上記操作信号に基づき、上記画像表示及び上記音声等の出力を用いて、第1実施形態に係る言語学習処理における後述のリピートステップに係る処理を主として実行する。また処理部1のレコードステップ処理部12は、上記操作信号に基づき、上記画像表示及び上記音声等の出力を用いて、第1実施形態に係る言語学習処理における後述のレコードステップに係る処理を主として実行する。最後に処理部1のトランスレーションステップ処理部13は、上記操作信号に基づき、上記画像表示及び上記音声等の出力を用いて、第1実施形態に係る言語学習処理における後述のトランスレーションステップに係る処理を主として実行する。
【0061】
ここで、第1実施形態に係る言語学習処理を構成する上記リスニングステップ、上記リピートステップ、上記レコードステップ及び上記トランスレーションステップの概要について、それぞれ説明する。ここで、上記リスニングステップが本発明に係る「視聴ステップ」の一例に、上記リピートステップが本発明に係る「反復ステップ」の一例に、上記レコードステップが本発明に係る「録音ステップ」の一例に、上記トランスレーションステップが本発明に係る「翻訳ステップ」の一例に、それぞれ相当する。
【0062】
先ず上記リスニングステップは、四つのリスニングシーンにより構成されている。このリスニングシーンが本発明に係る「視聴シーン」の一例に相当する。一つのリスニングシーンでは、ディスプレイ4上に、予め設定された動作をするキャラクタを含む画像と、そのキャラクタの動作を英語で表現した英文が二文表示される。このとき、当該二つの英文間には、そのリスニングシーンとして学習させるべき文法関係が、予め設定されている。この、予め設定された文法関係とは、例えば、いわゆる「時制の一致」等である。更に一のリスニングシーンでは、キャラクタを含んだ画像とそれに対応する各英文が表示されるのと同時に、その英文を英語で音読した音声が、スピーカ7を介して出力される。このとき表示される各英文では、それが対応する文法関係としてユーザに注意喚起すべき単語(例えば動詞等)が、それを強調するように他の単語とは異なる表示態様で表示される。この場合の異なる表示態様の例としては、当該強調の対象となる単語のみ下線が引かれる表示態様や、他の単語と異なるフォント又は表示色で表示される表示態様が挙げられる。
【0063】
これに加えて一のリスニングシーンでは、英語による音声として表示されている単語の表示態様が、その単語を音読した音声の出力タイミングにおいて、対応する音声が出力されていない他の単語(即ち、音読した音声が出力されている単語の前後又はその後に音声が出力される他の単語)の表示態様と異なるように表示される。この場合、当該異なる表示態様の例としては、その表示色やフォント、或いは表示時の大きさ等を異ならせる表示態様が挙げられる。なお、英文中の単語を英語で音読した音声の出力タイミングにおいてその単語の表示態様を他の単語の表示態様と異ならせて表示させる上述した表示制御処理は、第1実施形態に係る言語学習処理における他の上記リピートステップ、上記レコードステップ及び上記トランスレーションステップでも用いられる。よってこのような表示制御を、以下「英文カラオケ様表示」と称する。
【0064】
そして、一のリスニングステップを構成する四つのリスニングシーンでは、キャラクタの動作を英語で表現した英文がそれぞれ二文表示されるが、当該四つのリスニングシーンについては同一の上記文法関係が予め設定されている。一のリスニングステップでは、キャラクタの動作を英語で表現し且つリスニングシーン間で同一の文法関係にある英文を二文ずつ含む四つのリスニングシーンが、異なるキャラクタの動作を表現する異なる英文について一回ごとに繰り返される。そして、四つのリスニングシーンが終了した後には、当該四つのリスニングシーン間で同一である上記文法関係についての解説が、ディスプレイ4上に表示される。
【0065】
次に上記リピートステップについて説明する。当該リピートステップは四つのリピートシーンにより構成されている。このリピートシーンが本発明に係る「反復シーン」の一例に相当する。一つのリピートシーンでは、ディスプレイ4上に、上記リスニングステップと同じ動作をするキャラクタを含む画像と、そのキャラクタの動作を英語で表現した英文が二文表示される。このとき、当該二つの英文間には、上記リスニングステップと同様の文法関係が予め設定されている。
【0066】
より具体的に一のリピートシーンでは、初めに、キャラクタを含んだ画像とそれに対応する第一の英文が表示されるのと同時に、当該第一の英文を英語で音読した音声が、スピーカ7を介して出力される。このとき表示される第一の英文における上記注意喚起すべき単語の表示態様の制御や上記英文カラオケ様表示については、上記リスニングステップと同様である。次に当該一のリピートシーンでは、上記第一の英文の表示及び対応する音読の音声の出力後に、当該音読の音声を真似た英語でのユーザの発音を指示する(促す)音声が出力される。その後当該一のリピートシーンでは、上記第一の英文に対応する音読の音声を除いた当該第一の英文の英文カラオケ様表示のみが実行される。その後当該一のリピートシーンでは、上記画像に対応する第二の英文についての、対応する画像と当該第二の英文の英文カラオケ様表示、当該第二の英文の英語音読音声の出力、第二の英文に対応する発音指示音声の出力、及び第二の英文に対応する音読の音声を除いた当該第二の英文の英文カラオケ様表示のみが、第一の英文と同様に繰り返される。
【0067】
そして、一のリピートステップを構成する四つのリピートシーンで表示等される二つの英文については、当該四つのリピートシーンで上記リスニングシーンと同一の文法関係が予め設定されている。一のリピートステップでは、上記四つのリピートシーンが、上記リスニングステップと同一の異なるキャラクタの動作を表現する異なる英文について一回ごとに繰り返される。そして、四つのリピートシーンが終了した後には、当該四つのリピートシーン間で同一である上記文法関係(即ち、上記リスニングシーンにおける文法関係と同一の文法関係)についての解説が、ディスプレイ4上に表示される。
【0068】
次に上記レコードステップについて説明する。当該レコードステップは四つのレコードシーンにより構成されている。このレコードシーンが本発明に係る「録音シーン」の一例に相当する。一つのレコードシーンでは、ディスプレイ4上に、上記リスニングステップ及び上記リピートステップと同じ動作をするキャラクタを含む画像と、そのキャラクタの動作を英語で表現した英文が二文表示される。このとき、当該二つの英文間には、上記リスニングステップ及び上記リピートステップと同様の文法関係が予め設定されている。
【0069】
より具体的に一のレコードシーンでは、初めに、キャラクタを含んだ画像とそれに対応する第一の英文が表示されるのと同時に、当該第一の英文を英語で音読した音声が、スピーカ7を介して出力される。このとき表示される第一の英文における上記注意喚起すべき単語の表示態様の制御や上記英文カラオケ様表示については、上記リスニングステップ及び上記リピートステップと同様である。次に当該一のレコードシーンでは、上記第一の英文の表示及び対応する音読の音声の出力後に、当該音読の音声を真似た英語でのユーザの発音が録音され、更に当該録音されたユーザの音声が再生される。その後当該一のレコードシーンでは、上記第一の英文に対応する音読の音声の出力及び当該第一の英文の英文カラオケ様表示のみが実行される。その後当該一のレコードシーンでは、上記画像に対応する第二の英文についての、対応する画像と当該第二の英文の英文カラオケ様表示、当該第二の英文のユーザの音読音声の録音及び再生、並びに第二の英文に対応する英語音読音声の出力及び当該第二の英文の英文カラオケ様表示が、第一の英文と同様に繰り返される。
【0070】
そして、一のレコードステップを構成する四つのレコードシーンで表示等される二つの英文については、当該四つのレコードシーンで上記リスニングステップ及び上記リピートステップと同一の文法関係が予め設定されている。一のレコードステップでは、上記四つのレコードシーンが、上記リスニングステップ及び上記リピートステップと同一の異なるキャラクタの動作を表現する異なる英文について一回ごとに繰り返される。そして、四つのレコードシーンが終了した後には、当該四つのレコードシーンを終了させたユーザを労う旨の、例えば「Good Job!!」と言った労い情報がディスプレイ4上に表示される。
【0071】
最後に上記トランスレーションステップについて説明する。当該トランスレーションステップは四つのトランスレーションシーンにより構成されている。このトランスレーションシーンが本発明に係る「翻訳シーン」の一例に相当する。一つのトランスレーションシーンでは、ディスプレイ4上に、上記リスニングステップ乃至上記レコードステップと同じ動作をするキャラクタを含む画像と、そのキャラクタの動作を日本語で表現した日本文が一文表示される。このとき、当該日本文における文法は、上記リスニングステップ乃至上記レコードステップそれぞれにおける文法関係に沿ったものである。
【0072】
より具体的に一のトランスレーションシーンでは、初めに、キャラクタを含んだ画像とそれに対応する日本文が一文表示される。その後当該一のトランスレーションシーンでは、上記日本文の表示後に、当該日本語をユーザが英語に訳して発音したその音声が録音され、更に当該録音された音声が再生される。その後当該一のトランスレーションシーンでは、上記日本文を英訳した英文(即ち、解答としての英文)を英語で音読した音声の出力及び当該英文の英文カラオケ様表示が実行される。
【0073】
そして、一のトランスレーションステップを構成する四つのトランスレーションシーンで表示等される日本文及びそれに対応する解答の英文については、当該四つのトランスレーションシーンで上記リスニングシーン乃至上記レコードステップと同一の文法関係が予め設定されている。一のトランスレーションステップでは、上記四つのトランスレーションシーンが、上記リスニングステップ乃至上記レコードステップと同一の異なるキャラクタの動作を表現する異なる日本文について、四回繰り返される。
【0074】
以上の通り、第1実施形態に係る言語学習処理では、上記リスニングステップが四つのリスニングシーンにより、上記リピートステップが四つのリピートシーンにより、上記レコードステップが四つのレコードシーンにより、そして上記トランスレーションステップが四つのトランスレーションシーンにより、それぞれ構成されている。そして、それぞれのステップにおいて、同じキャラクタの動きに応じた英語学習が、同一の文法関係に沿って行われる。このような第1実施形態に係る言語学習処理によれば、いわゆるパターンプラクティスの考え方に沿った英語学習を効果的に行うことができる。
【0075】
なお、上述した各シーンにおいて表示又は出力される画像及び音声のデータは、各端末装置Tの例えば記録部5に予め纏めて記録しておくことも可能である。しかしながら、端末装置Tが記録容量の少ない例えばタブレット端末であった場合は、それに接続されるサーバ装置SVのデータベース22内に一元的に記録しておき、これを、必要に応じて取得(ダウンロード)して用いるのが効率的である。また複数のユーザが第1実施形態に係る言語学習を行う場合、各ユーザの成績管理等もサーバ装置SVにおいて一元的に行われるのが好ましい。そこで、このような場合に第1実施形態に係るサーバ装置SVを用いる際には、データベース22としては、例えば
図2に示すようなデータ等が記録されている必要がある。
【0076】
即ち、上記の場合に各シーン用の画像や音声のデータ並びに成績管理用のデータを記録するデータベース22には、
図2に示すように、シーンデータQDと、学習履歴データHDと、画像データGDと、アイテムデータITDと、が記録されているのが好ましい。このときシーンデータQDとしては、例えば学齢に応じた難度の上記各シーン用の音声のデータや英文又は日本文のデータが、当該学齢等を示す学齢IDにより相互に識別可能に記録されている。また学習履歴データHDとしては、ユーザ毎の過去の学習履歴やその進捗度を示すデータが、ユーザIDにより相互に識別可能に記録されている。更に画像データGDとしては、上記各シーン用の画像データが相互に識別可能に記録されている。最後にアイテムデータITDとしては、上記リスニングステップ乃至上記トランスレーションステップを一通り終了したユーザに対して与えられるご褒美に相当するアイテムのデータが、アイテムごとに識別可能に記録されている。なお、当該アイテム及びそのデータについては、後ほど詳述する。
【0077】
(ii)
第1実施形態に係る言語学習処理について
次に、上述した構成を備える言語学習システムSにおいて実行される、第1実施形態に係る言語学習処理の全体について、具体的に
図1乃至
図3を用いて説明する。なお
図3は、第1実施形態に係る言語学習処理の全体を示すフローチャートである。また、
図3に示される第1実施例に係る言語学習処理は、主として各端末装置Tの処理部1を中心として実行される処理である。
【0078】
図3にその全体を示すように、サーバ装置SVを含む言語学習システムSを用いた第1実施形態に係る言語学習処理では、初めに、端末装置Tの操作部3を用いて予め設定されたログイン操作が実行されることにより、ログイン処理が行われる(ステップS1)。このログイン処理として具体的には、例えば、サーバ装置SVとの間のログイン情報の授受や本人認証処理等、従来と同様のログイン処理が実行される。
【0079】
次に処理部1は、ログインしたユーザが第1実施形態に係る言語学習処理を実行するために必要な種々のデータを、サーバ装置SVからネットワークNWを介して取得する(ステップS2)。このステップS2において処理部1は、ステップS1でログイン処理を行ったユーザに関する学習履歴データHDをサーバ装置SVのデータベース22において検索して取得する。これに加えて処理部1は、当該取得した学習履歴データHDにより示される当該ユーザの学習履歴に対応した次の段階の難度に相当するシーンデータQD及びこれに対応する画像データGDを上記データベース22において検索して取得する。これら取得された画像データGD及びシーンデータQDは、以降に実行される第1実施形態に係る言語学習処理に供される。
【0080】
次に、処理部1のリスニングステップ処理部10による上記リスニングステップ(ステップS10)、リピートステップ処理部11による上記リピートステップ(ステップS20)、レコードステップ処理部12による上記レコードステップ(ステップS30)及びトランスレーションステップ処理部13による上記トランスレーションステップ(ステップS40)が、それぞれこの順番で実行される。これらの各ステップについては、後ほど詳述する。
【0081】
次に処理部1は、上記リスニングステップ乃至上記トランスレーションステップを一通り終了したことから、そのことによるユーザへのご褒美に相当するアイテムに相当するアイテムデータITDを、サーバ装置SVから取得する(ステップS3)。このアイテムとしては、例えば仮想の地域を示す地図が予め設定されており、その地図に、上記ユーザが好む建物又は遊具を一つずつ建設して最終的に大きな遊園地等を建築していく場合において、この建物又は遊具の一つずつが、それぞれに上記アイテムに相当する。そして、段階的に難度が高い上記リスニングステップ乃至上記トランスレーションステップを終了する(修了する)度に、ユーザの好みのアイテムに相当するアイテムデータITDが取得され、最終的にはユーザが好みの遊園地等を仮想的に建築できる。これによりユーザは、常に高いモチベーションを維持しつつ、第1実施形態に係る言語学習に取り組むことができる。なお、具体的なアイテムやそれを用いて仮想的に建築される遊園地等の例については、後ほど詳述する。
【0082】
その後処理部1は、その時点での上記リスニングステップ乃至上記トランスレーションステップを含む学習記録を示すデータをサーバ装置SVにアップロードし、これを、当該ユーザの学習履歴データHDに記録させる(ステップS4)。
【0083】
そして処理部1は、端末装置Tの操作部3を用いた予め設定されたログアウト操作が実行されたか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5の判定により当該ログアウト操作が実行されていないと判定される場合(ステップS5:NO)、処理部1は、次の段階の第1実施形態に係る言語学習処理が実行されるものとして、上記ステップS2に戻って上述してきた一連の処理を繰り返す。一方ステップS5の判定により当該ログアウト操作が実行されたと判定される場合(ステップS5:YES)、処理部1は、必要なログアウト処理を実行する(ステップS6)。このログアウト処理として具体的には、例えば、サーバ装置SVとの間のログアウト情報の授受等、従来と同様のログアウト処理が実行される。その後処理部1は、第1実施形態に係る言語学習処理を終了する。
【0084】
(iii)
第1実施形態に係るリスニングステップについて
次に、上記リスニングステップ処理部10を中心として実行される、第1実施形態に係るリスニングステップ(
図3ステップS10参照)について、より具体的に
図4乃至
図6を用いて説明する。なお、
図4は当該リスニングステップの内容を示すフローチャートであり、
図5及び
図6は当該リスニングステップにおいて表示される画像例を示す図である。
【0085】
図4に示すように、第1実施形態に係るリスニングステップ(
図3ステップS10参照)としてリスニングステップ処理部10は、先ず、上記ステップS2で取得されていた画像データGD及びシーンデータQDを用いて、第1リスニングシーンを構成し且つ相互に上記文法関係にある二つの英文について、一文ずつ、当該英文を英語で音読した音声のスピーカ7を用いた出力と、ディスプレイ4を用いた当該英文の英文カラオケ様表示を実行する(ステップS100及びステップS101)。
【0086】
ここで、上記ステップS100及び上記ステップS101においてリスニングステップ処理部10がディスプレイ4に表示する画像について、
図5を用いて説明する。
【0087】
上記二文のうち第一の英文を英語で音読した音声が出力されるステップS100では、
図5に示すように、当該第一の英文で表現される動作をしているキャラクタを含む画像GS11と共に、第一の英文としての英文ST111が英文カラオケ様表示される。
図5に例示する英文ST111の内容は、「I know that she is cooking dinner for us.」である。そして当該英文ST111の英文カラオケ様表示では、それが対応する文法関係としてユーザに注意喚起されるべき単語である「know」と「is」が、それを強調するように他の単語とは異なる斜体字及び異なる表示色(例えば赤色)で表示される。これに加えてステップS100では、英文カラオケ様表示として、音声として出力されている英文ST111内の単語(例えば
図5に示す「cooking」)に対して、その出力タイミングにおいて、その単語以外の他の単語(即ち、英文ST111において「cooking」の前後又はその後に音声が出力される他の単語)と区別可能な文字修飾が付されて表示される。
図5では、この文字修飾をマーカMKとして例示しているが、当該マーカMK自体がその音声の出力タイミングで付される他に、その単語(の文字)自体が、音声が出力されていない他の単語の文字と異なるように表示されればよい。以上のようにしてリスニングステップ処理部10は、ステップS100としての英文ST111の音声出力と英文カラオケ様表示を行う。なおこのとき、上記二文のうち第二の英文としての英文ST112は、英文ST111に対して視認性が低くなるように(即ち、例えば背景の色に溶け込むような色を用いて)、英文ST111と共にディスプレイ4に表示される。この英文ST112としては、それを英語で音読した音声が表示されていないことから、それの英文カラオケ様表示は行われないが、それが対応する文法関係としてユーザに注意喚起されるべき単語(英文ST112では「knew」と「was」)が、英文ST111と同様に斜体字で表示される。
【0088】
次に、当該英文ST112を英語で音読した音声が出力されるステップS101では、上記英文ST111の場合と同様に、英文ST112で表現される動作をしているキャラクタを含む上記画像GS11と共に、英文ST112が英文カラオケ様表示される。
図5に例示する英文ST112の内容は、「I knew that she was cooking dinner for us.」である。この場合、英文ST111と英文ST112が対応する文法関係は「時制の一致」である。そして当該英文ST112の英文カラオケ様表示では、それが対応する文法関係としてユーザに注意喚起されるべき単語である「knew」と「was」が、英文ST111と同様の斜体字及び表示色で表示される。これに加えてステップS101でリスニングステップ処理部10は、英文ST112の英文カラオケ様表示として、英文ST111と同様の英文カラオケ様表示を行う。以上のようにしてリスニングステップ処理部10は、ステップS101としての英文ST112の音声出力と英文カラオケ様表示を行う。なおこのとき、ステップS100で英文カラオケ様表示及び英語音読音声の出力が行われた英文ST111については、ステップS100における英文ST112と同様に、現在英文カラオケ様表示及び英語音読音声の出力が行われている英文ST112に対して視認性が低くなるように英文ST112と共にディスプレイ4に表示してもよいし、当該英文ST112と同様の視認性としつつ英文カラオケ様表示を行わないようにしてディスプレイ4に表示してもよい。
【0089】
上記ステップS100及び上記ステップS101を実行した後、リスニングステップ処理部10は、上記ステップS100及び上記ステップS101が再度実行されることを望むユーザが操作部3の上記リトライボタンを操作してリトライ操作を行ったか否かを監視する(ステップS102)。ステップS102の監視においてリトライ操作が行われた場合(ステップS102:YES)、リスニングステップ処理部10は上記ステップS100に戻って、当該ステップS100及び上記ステップS101を再度実行する。一方ステップS101の監視においてリトライ操作が例えば予め設定された待機時間内に行われない場合(ステップS102:NO)、リスニングステップ処理部10は次に、上記英文ST111及び上記英文ST112それぞれの和訳文をディスプレイ4に表示する(ステップS103)。
【0090】
他方、上記ステップS100乃至上記ステップS103の実行と並行して、リスニングステップ処理部10は、上記ステップS100及び上記ステップS101を最後まで実行せずに次のリスニングシーンに進むことを望むユーザが操作部3の上記スキップボタンを操作してスキップ操作を行ったか否かを監視する(ステップS104。ステップS104:NO。)。ステップS104の監視においてスキップ操作が行われた場合(ステップS104:YES)、リスニングステップ処理部10は後述するステップS105に移行する。
【0091】
そして、上記ステップS103が実行されるか、又は上記ステップS104の監視において上記スキップ操作が行われた場合(ステップS104:YES)、リスニングステップ処理部10は、リスニングステップとして予め設定されたシーン数(第1実施形態の場合は四)だけリスニングシーン(即ち上記ステップS100乃至ステップS104)が繰り返されたか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105の判定において、既定のシーン数が繰り返されていない場合(ステップS105:NO)、リスニングステップ処理部10は、リスニングステップとして予め設定されている次のリスニングシーンに切り換え(ステップS106)、当該切り換えられた次のリスニングシーンについて、上記ステップS100乃至上記ステップS105を繰り返す。ここで、第1実施形態に係るリスニングステップは、
図6に例示するように、
図5を用いて説明し且つ画像GS11並びに二つの英文ST111及び英文ST112からなる第1リスニングシーン(
図6(a)参照)、
図6(b)に例示する画像GS12並びに二つの英文ST121及び英文ST122からなる第2リスニングシーン、
図6(c)に例示する画像GS13並びに二つの英文ST131及び英文ST132からなる第3リスニングシーン、及び
図6(d)に例示する画像GS14並びに二つの英文ST141及び英文ST142からなる第4リスニングシーンから構成されている。そしてそれぞれのリスニングシーンが実行される際の上記ステップS100及び上記ステップS101では、
図6(a)乃至
図6(d)に例示するように、各英文ST121等の英文カラオケ様表示及び英語音読出力がそれぞれのリスニングシーンごとに実行される。
【0092】
図4に戻り、ステップS105の判定において、既定のシーン数が繰り返された場合(ステップS105:YES)、リスニングステップ処理部10は、上記四つのリスニングシーン間で同一である上記文法関係についての解説を、
図6(e)に例示する解説Cmとして、ディスプレイ4上に表示する。この解説Cm用のデータ(文字データ)も、上記ステップS2において予め取得されているものが用いられる。その後リスニングステップ処理部10は、第1実施形態に係るリスニングステップを終了し、これにより処理部1は、次の第1実施形態に係るリピートステップに移行する。
【0093】
なお、
図4乃至
図6を用いて説明したリスニングステップでは、一つのリスニングシーンについてステップS100及びステップS101が終了した後にステップS102のリトライ操作の有無を監視したが、これ以外に、ステップS100が終了した後に当該ステップS100についてのリトライ操作の有無を監視し、更に、ステップS101が終了した後に当該ステップS101についてのリトライ操作の有無を監視するように構成してもよい。
【0094】
(iv)
第1実施形態に係るリピートステップについて
次に、上記リピートステップ処理部11を中心として実行される、第1実施形態に係るリピートステップ(
図3ステップS20参照)について、より具体的に
図7及び
図8を用いて説明する。なお、
図7は当該リピートステップの内容を示すフローチャートであり、
図8は当該リピートステップにおいて表示される画像例を示す図である。
【0095】
図7に示すように、第1実施形態に係るリピートステップ(
図3ステップS20参照)としてリピートステップ処理部11は、先ず、上記ステップS2で取得されていた画像データGD及びシーンデータQDを用いて、第1リピートシーンに相当する第一の英文としての英文ST211の英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を行う(ステップS200)。この場合の画像データGD及びシーンデータQDは、上記リスニングステップにおいて用いたものと同様の画像データGD及びシーンデータQDである。そしてステップS200としてリピートステップ処理部11は、
図8(a)に例示するように、その内容として上記第1リスニングシーンと同様の画像GS21の表示及び英文ST211の英文カラオケ様表示を行いつつ、英文ST211の英語音読音声の出力を行う。この場合の英文ST211の英文カラオケ様表示でも、上記リスニングステップの場合と同様に、それが対応する文法関係としてユーザに注意喚起されるべき単語が、それを強調するように他の単語とは異なる斜体字及び異なる表示色で表示される。また、第1リピートシーンに相当する第二の英文としての英文ST212は、これも上記リスニングステップと同様に英文ST211に対して視認性が低くなるように、英文ST211と共にディスプレイ4に表示される。
【0096】
上記ステップS200が終了したら、次にリピートステップ処理部11は、ステップS200で出力された英語音読音声に倣って同じ英語音声を発音する旨の発音指示音声をスピーカ7から出力する(ステップS201)。そしてリピートステップ処理部11は、
図8(b)に例示するように、上記英文ST211の英文カラオケ様表示に加えて例えば全体のトーンを薄くした画像GS21wの表示を行う(ステップS202)。このステップS202としては、英文ST211の英語音読音声の出力は行われない。これにより、当該ステップS202が実行されている間、端末装置Tのユーザは、ステップS200で出力された英語音読音声のリピート(復唱)を行うことになる。
【0097】
その後リピートステップ処理部10は、上記ステップS200乃至上記ステップS202が再度実行されることを望むユーザが操作部3の上記リトライボタンを操作してリトライ操作を行ったか否かを監視する(ステップS203)。ステップS203の監視においてリトライ操作が行われた場合(ステップS203:YES)、リピートステップ処理部11は上記ステップS200に戻って、当該ステップS200乃至上記ステップS203を再度実行する。
【0098】
一方ステップS203の監視においてリトライ操作が例えば予め設定された待機時間内に行われない場合(ステップS203:NO)、リピートステップ処理部11は次に、上記画像データGD及びシーンデータQDを用いて、第1リピートシーンに相当する第二の英文としての英文ST212(
図8(a)参照)の英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を行う(ステップS204)。この場合の画像データGD及びシーンデータQDも、上記リスニングステップにおいて用いたものと同様の画像データGD及びシーンデータQDである。そしてステップS204としてリピートステップ処理部11は、その内容として上記第1リスニングシーンと同様の画像GS21の表示及び英文ST212の英文カラオケ様表示を行いつつ、英文ST212の英語音読音声の出力を行う。
【0099】
上記ステップS204が終了したら、次にリピートステップ処理部11は、上記ステップS205と同様の発音指示音声をスピーカ7から出力する(ステップS205)。そしてリピートステップ処理部11は、上記英文ST212の英文カラオケ様表示に加えて例えば全体のトーンを薄くした画像GS21wの表示を行う(ステップS206)。このステップS206としては、英文ST212の英語音読音声の出力は行われない。これにより、当該ステップS206が実行されている間、端末装置Tのユーザは、ステップS206で出力された英語音読音声のリピートを行うことになる。
【0100】
その後リピートステップ処理部10は、上記ステップS204乃至上記ステップS206が再度実行されることを望むユーザがリトライ操作を行ったか否かを監視する(ステップS207)。ステップS207の監視においてリトライ操作が行われた場合(ステップS207:YES)、リピートステップ処理部11は上記ステップS204に戻って、当該ステップS204乃至上記ステップS207を再度実行する。
【0101】
一方、上記ステップS200乃至上記ステップS207の実行と並行して、リピートステップ処理部11は、ステップS200乃至ステップS203を実行中においては上記英文ST211の和訳文を、ステップS204乃至ステップS207を実行中においては上記英文ST212の和訳文を、それぞれディスプレイ4に表示し(ステップS208)、その後後述するステップS210に移行する。
【0102】
更にリピートステップ処理部11は、上記ステップS200乃至上記ステップS207の実行と並行して、当該ステップS200乃至当該ステップS207を最後まで実行せずに次のリピートシーンに進むことを望むユーザが操作部3の上記スキップボタンを操作してスキップ操作を行ったか否かを監視する(ステップS209。ステップS209:NO。)。ステップS209の監視においてスキップ操作が行われた場合(ステップS209:YES)、リピートステップ処理部11は後述するステップS210に移行する。
【0103】
次に、上記ステップS208が実行されつつ上記ステップS207の監視においてリトライ操作が例えば予め設定された待機時間内に行われないか(ステップS207:NO)、又は上記ステップS209の監視においてスキップ操作が行われた場合(ステップS209:YES)、リピートステップ処理部11は、リピートステップとして予め設定されたシーン数(第1実施形態の場合は四)だけリピートシーン(即ち上記ステップS200乃至ステップS209)が繰り返されたか否かを判定する(ステップS210)。ステップS210の判定において、既定のシーン数が繰り返されていない場合(ステップS210:NO)、リピートステップ処理部11は、リピートステップとして予め設定されている次のリピートシーンに切り換え(ステップS211)、当該切り換えられた次のリピートシーンについて、上記ステップS200乃至上記ステップS210を繰り返す。
【0104】
ここで、第2実施形態に係るリピートステップは、
図8に例示するように、画像GS21並びに二つの英文ST211及び英文ST212からなる第1リピートシーン(
図8(a)参照)、
図8(c)に例示する画像GS22並びに二つの英文ST221及び英文ST222からなる第2リスニングシーン、並びに、リスニングステップにおける
図6(c)及び
図6(d)を用いて例示した画像及び二つの英文と同様の画像及び二つの英文からそれぞれなる第3リピートシーン及び第4リピートシーンから構成されている。そしてそれぞれのリピートシーンが実行される際の上記ステップS200乃至上記ステップS207では、
図8(a)乃至
図8(d)に例示するように、各英文ST211等の英文カラオケ様表示等がそれぞれのリピートシーンごとに実行される。このとき、第2リピートシーンとして端末装置Tのユーザに上記リピートを行わせる際(上記ステップS202又は上記ステップS206参照)には、リピートステップ処理部11は、
図8(d)に例示するように、英文ST221の英文カラオケ様表示(ステップS202の場合)又は英文222の英文カラオケ様表示(ステップS206の場合)に加えて、例えば全体のトーンを薄くした画像GS22wの表示を行う。
【0105】
図7に戻り、ステップS210の判定において、既定のシーン数が繰り返された場合(ステップS210:YES)、リピートステップ処理部11は、上記四つのリピートシーン間で同一である上記文法関係についての解説(即ち、リスニングステップに対応する文法関係と同様の文法関係についての解説)を、
図8(e)に例示する解説Cmとして、ディスプレイ4上に表示する(ステップS212)。この解説Cm用のデータ(文字データ)も、リスニングステップの場合と同様に上記ステップS2において予め取得されているものが用いられる。その後リピートステップ処理部11は、第1実施形態に係るリピートステップを終了し、これにより処理部1は、次の第1実施形態に係るレコードステップに移行する。
【0106】
(v)
第1実施形態に係るレコードステップについて
次に、上記レコードステップ処理部12を中心として実行される、第1実施形態に係るレコードステップ(
図3ステップS30参照)について、より具体的に
図9及び
図10を用いて説明する。なお、
図9は当該レコードステップの内容を示すフローチャートであり、
図10は当該レコードステップにおいて表示される画像例を示す図である。
【0107】
図9に示すように、第1実施形態に係るレコードステップ(
図3ステップS30参照)としてレコードステップ処理部12は、先ず、上記ステップS2で取得されていた画像データGD及びシーンデータQDを用いて、第1レコードシーンに相当する第一の英文としての英文ST311の英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を行う(ステップS300)。この場合の画像データGD及びシーンデータQDは、上記リスニングステップ及び上記リピートステップにおいて用いたものと同様の画像データGD及びシーンデータQDである。そしてステップS300としてレコードステップ処理部12は、
図9(a)に例示するように、その内容として上記第1リスニングシーン又は上記第1リピートシーンと同様の画像GS31の表示及び英文ST311の英文カラオケ様表示を行いつつ、英文ST311の英語音読音声の出力を行う。この場合の英文ST311の英文カラオケ様表示でも、上記リスニングステップ及び上記リピートステップの場合と同様に、それが対応する文法関係としてユーザに注意喚起されるべき単語が、それを強調するように他の単語とは異なる斜体字及び異なる表示色で表示される。また、第1レコードシーンに相当する第二の英文としての英文ST312は、これも上記リスニングステップ及び上記リピートステップと同様に英文ST311に対して視認性が低くなるように、英文ST311と共にディスプレイ4に表示される。
【0108】
上記ステップS300が終了したら、次にレコードステップ処理部12は、ステップS300で出力された英語音読音声に倣った自らの英語音声を録音して再生することを望むユーザが操作部3の上記録音ボタンを操作して録音操作を行ったか否かを監視する(ステップS301)。ステップS301の監視において録音操作が行われない場合(ステップS301:NO)、レコードステップ処理部12は次に、上記ステップS300を実行してから予め設定された待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS302)。そしてステップS302の判定において当該待機時間が経過していない場合(ステップS302:NO)、レコードステップ処理部12は上記ステップS301に戻って録音操作の実行を判定する。一方ステップS302の判定において上記待機時間が経過した場合(ステップS302:YES)、レコードステップ処理部12は上記ステップS300に戻って当該ステップS300を繰り返す。
【0109】
他方、ステップS301の監視において録音操作が行われた場合(ステップS301:YES)、レコードステップ処理部12は録音操作の直後から発音されているであろうユーザの英語音声を、マイク8を介して集音し、更に当該集音結果としての音声信号を予め設定された汎用の音声ファイル形式を用いて例えば記録部5に一時的に記録する(ステップS303)。このステップS303を実行中にレコードステップ処理部12は、
図10(b)に例示するように、上記英文ST311の英文カラオケ様表示に加えて例えば全体のトーンを濃くした画像GS31dを、音声の時間軸に沿った波形を模した図形を重畳させてディスプレイ4に表示する。これにより、当該ステップS303を実行しているユーザは、自身の音声が録音されていることを直感的に認識することができる。
【0110】
次にレコードステップ処理部12は、ステップS303が終了してから予め設定された時間が経過した後、当該ステップS303で録音したユーザの英語音声を再生する(ステップS304)。その後更にレコードステップ処理部12は、上記ステップS300と同様に、上記英文ST311の英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を再度行う(ステップS305)。以上のステップS304及びステップS305の実行により、ステップS303で録音された自身の英語音声(ステップS304)を正しい英語音声(ステップS305)と比較することで、正しい発音を身につけることができる。
【0111】
その後レコードステップ処理部12は、上記ステップS300乃至上記ステップS306が再度実行されることを望むユーザが操作部3の上記リトライボタンを操作してリトライ操作を行ったか否かを監視する(ステップS306)。ステップS306の監視においてリトライ操作が行われた場合(ステップS306:YES)、レコードステップ処理部12は上記ステップS300に戻って、当該ステップS300乃至上記ステップS306を再度実行する。
【0112】
一方ステップS306の監視においてリトライ操作が例えば予め設定された待機時間内に行われない場合(ステップS306:NO)、レコードステップ処理部12は次に、上記画像データGD及びシーンデータQDを用いて、第1レコードシーンに相当する第二の英文としての英文ST312(
図10(a)参照)の英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を行う(ステップS307)。この場合の画像データGD及びシーンデータQDも、上記リスニングステップ及び上記リピートステップにおいて用いたものと同様の画像データGD及びシーンデータQDである。そしてステップS307としてレコードステップ処理部12は、その内容として上記第1レコードシーンと同様の画像GS31の表示及び英文ST312の英文カラオケ様表示を行いつつ、英文ST312の英語音読音声の出力を行う。
【0113】
上記ステップS307が終了したら、次にレコードステップ処理部12は、ステップS307で出力された英語音読音声に倣った自らの英語音声を録音して再生することを望むユーザが操作部3の上記録音ボタンを操作して録音操作を行ったか否かを監視する(ステップS308)。ステップS308の監視において録音操作が行われない場合(ステップS308:NO)、レコードステップ処理部12は次に、上記ステップS307を実行してから予め設定された待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS309)。そしてステップS309の判定において当該待機時間が経過していない場合(ステップS309:NO)、レコードステップ処理部12は上記ステップS307に戻って上記録音操作の実行を判定する。一方ステップS309の判定において上記待機時間が経過した場合(ステップS309:YES)、レコードステップ処理部12は上記ステップS307に戻って当該ステップS307を繰り返す。
【0114】
他方、ステップS308の監視において録音操作が行われた場合(ステップS308:YES)、レコードステップ処理部12は録音操作の直後から発音されているであろうユーザの英語音声を、マイク8を介して集音し、更に当該集音結果としての音声信号を上記ステップS303と同様にして例えば記録部5に一時的に記録する(ステップS310)。このステップS310を実行中にレコードステップ処理部12は、上記英文ST312の英文カラオケ様表示に加えて例えば全体のトーンを濃くした画像GS31dを、音声の時間軸に沿った波形を模した図形を重畳させてディスプレイ4に表示する。これにより、当該ステップS310を実行しているユーザは、上記ステップS303と同様に、自身の音声が録音されていることを直感的に認識することができる。次にレコードステップ処理部12は、ステップS310が終了してから予め設定された時間が経過した後、当該ステップS310で録音したユーザの英語音声を再生する(ステップS311)。その後更にレコードステップ処理部12は、上記ステップS307と同様に、上記英文ST312の英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を再度行う(ステップS312)。以上のステップS311及びステップS312の実行により、ステップS310で録音された自身の英語音声(ステップS311)を正しい英語音声(ステップS312)と比較することで、正しい発音を身につけることができる。
【0115】
その後レコードステップ処理部12は、上記ステップS307乃至上記ステップS312が再度実行されることを望むユーザが操作部3の上記リトライボタンを操作してリトライ操作を行ったか否かを監視する(ステップS313)。ステップS313の監視においてリトライ操作が行われた場合(ステップS313:YES)、レコードステップ処理部12は上記ステップS307に戻って、当該ステップS307乃至上記ステップS313を再度実行する。
【0116】
一方レコードステップ処理部12は、上記ステップS300乃至上記ステップS313の実行と並行して、当該ステップS300乃至当該ステップS313を最後まで実行せずに次のレコードシーンに進むことを望むユーザが操作部3の上記スキップボタンを操作してスキップ操作を行ったか否かを監視する(ステップS317。ステップS317:NO。)。ステップS317の監視においてスキップ操作が行われた場合(ステップS317:YES)、レコードステップ処理部12は後述するステップS314に移行する。
【0117】
他方ステップS313の監視においてリトライ操作が例えば予め設定された待機時間内に行われないか(ステップS313:NO)、又は上記ステップS317の監視において上記スキップ操作が行われた場合(ステップS317:YES)、レコードステップ処理部12は、レコードステップとして予め設定されたシーン数(第1実施形態の場合は四)だけレコードシーン(即ち上記ステップS300乃至ステップS313及びステップS317)が繰り返されたか否かを判定する(ステップS314)。ステップS314の判定において、既定のシーン数が繰り返されていない場合(ステップS314:NO)、レコードステップ処理部12は、レコードステップとして予め設定されている次のレコードシーンに切り換え(ステップS315)、当該切り換えられた次のレコードシーンについて、上記ステップS300乃至上記ステップS313及びステップS317を繰り返す。
【0118】
ここで、第1実施形態に係るレコードステップは、
図10に例示するように、画像GS31並びに二つの英文ST311及び英文ST312からなる第1レコードシーン(
図10(a)参照)、
図10(c)に例示する画像GS32並びに二つの英文ST321及び英文ST322からなる第2レコードシーン、並びに、例えばリスニングステップにおける
図6(c)及び
図6(d)を用いて例示した画像及び二つの英文と同様の画像及び二つの英文からそれぞれなる第3レコードシーン及び第4レコードシーンから構成されている。そしてそれぞれのレコードシーンが実行される際の上記ステップS300乃至上記ステップS313では、
図10(a)乃至
図10(d)に例示するように、各英文ST311等の英文カラオケ様表示等がそれぞれのレコードシーンごとに実行される。このとき、第2レコードシーンとして端末装置Tのユーザに自身の音声の録音を行わせる際(上記ステップS303又は上記ステップS310参照)には、レコードステップ処理部12は、
図10(d)に例示するように、英文ST321の英文カラオケ様表示(ステップS303の場合)又は英文ST322の英文カラオケ様表示(ステップS310の場合)に加えて、例えば全体のトーンを濃くした画像GS32dを、音声の時間軸に沿った波形を模した図形を重畳させてディスプレイ4に表示する。
【0119】
図9に戻り、ステップS314の判定において、既定のシーン数が繰り返された場合(ステップS314:YES)、レコードステップ処理部12は、上記四つのレコードシーンが終了したことを労う労い情報として、例えば「Good Job!」の文字をディスプレイ4上に表示すると共に、当該「Good Job!」の音声をスピーカ7から出力する(ステップS316)。その後レコードステップ処理部12は、第1実施形態に係るレコードステップを終了し、これにより処理部1は、次の第1実施形態に係るトランスレーションステップに移行する。
【0120】
なお、上述したレコードステップでは、ステップS304とステップS305とを、それぞれ別個に時間を分けて実行する構成としたが、これ以外に、ステップS304としてのユーザの英語音声の再生と並行して、ステップS305としての英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を行うように構成することもできる。この場合に、ステップS304としてのユーザの英語音声の再生の開始タイミングと同時にステップS305としての英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を開始するように構成してもよいし、又は、ステップS304としてのユーザの英語音声の再生の開始タイミングから少し遅らせてステップS305としての英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を開始するように構成してもよい。更にこれと同様に、レコードステップのステップS311としてのユーザの英語音声を再生と並行して、ステップS312としての英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を行うように構成することもできる。この場合にも、ステップS311としてのユーザの英語音声の再生の開始タイミングと同時にステップS312としての英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を開始するように構成してもよいし、又は、ステップS311としてのユーザの英語音声の再生の開始タイミングから少し遅らせてステップS312としての英語音読音声の出力及び英文カラオケ様表示を開始するように構成してもよい。
【0121】
(vi)
第1実施形態に係るトランスレーションステップについて
最後に、上記トランスレーションステップ処理部13を中心として実行される、第1実施形態に係るトランスレーションステップ(
図3ステップS40参照)について、より具体的に
図11乃至
図13を用いて説明する。なお、
図11は当該トランスレーションステップの内容を示すフローチャートであり、
図12及び
図13は当該トランスレーションステップにおいて表示される画像例をそれぞれ示す図である。
【0122】
図11に示すように、第1実施形態に係るトランスレーションステップ(
図3ステップS40参照)としてトランスレーションステップ処理部13は、先ず、上記ステップS2で取得されていた画像データGDと、上記シーンデータQDに含まれている各英文それぞれの和訳文のデータと、を用いて、第1トランスレーションシーンに相当する第一の英文としての英文ST41の和訳文ST41Jの表示を行う(ステップS400)。この場合の画像データGD及びシーンデータQDは、上記リスニングステップ乃至上記レコードステップにおいて用いたものと同様の画像データGD及びシーンデータQDである。そしてステップS400としてトランスレーションステップ処理部13は、
図12(a)に例示するように、その内容として上記第1リスニングシーン乃至上記第1レコードシーンと同様の画像GS41の表示及び和訳文ST41Jの表示、並びに表示されている和訳文ST41Jの英訳の発音を促す英訳問題文QUの表示を行う。なおこのときの和訳文ST41Jでは、日本文としての通常の(自然な)句読点の位置ではなく、対応する英文における単語の区切りに相当する位置に読点が打たれている。より具体的に例えば、第1トランスレーションシーンに相当する第一の英文が「I know that she is cooking dinner for us.」である場合、それに対応する和訳文ST41Jは、
図12(a)に例示するように「私は、彼女が、私達、のために、夕食を、作っていることを、知って、います。」である。
【0123】
上記ステップS400が終了したら、次にトランスレーションステップ処理部13は、ステップS400で表示された和訳文ST41Jを英訳した英語音声の出力及び当該英訳の英文カラオケ様表示を行うこと(即ち、ステップS400で表示されている英訳問題文QUに対する解答の出力及び表示を行うこと)を望むユーザが、操作部3の上記解答確認操作ボタンを操作して解答確認操作を行ったか否かを監視する(ステップS401)。ステップS401の監視において上記解答確認操作が行われた場合(ステップS401:YES)、トランスレーションステップ処理部13は、後述するステップS406に移行する。一方ステップS401の監視において上記解答確認操作が行われない場合(ステップS401:NO)、次にトランスレーションステップ処理部13は、ステップS400で表示された和訳文ST41Jを英訳した自らの英語音声を録音して再生することを望むユーザが操作部3の上記録音ボタンを操作して録音操作を行ったか否かを監視する(ステップS402)。ステップS402の監視において録音操作が行われない場合(ステップS402:NO)、トランスレーションステップ処理部13は次に、上記ステップS400を実行してから予め設定された待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS403)。そしてステップS403の判定において当該待機時間が経過していない場合(ステップS403:NO)、トランスレーションステップ処理部13は上記ステップS402に戻って上記録音操作の実行を判定する。一方ステップS403の判定において上記待機時間が経過した場合(ステップS403:YES)、トランスレーションステップ処理部13は上記ステップS400に戻って当該ステップS400以降を繰り返す。
【0124】
他方、ステップS402の監視において上記録音操作が行われた場合(ステップS402:YES)、トランスレーションステップ処理部13は上記録音操作の直後から発音されているであろうユーザの英語音声を、マイク8を介して集音し、更に当該集音結果としての音声信号を上記レコードステップにおけるステップS303又はステップS310と同様にして例えば記録部5に一時的に記録する(ステップS404)。
【0125】
次にトランスレーションステップ処理部13は、ステップS404が終了してから予め設定された時間が経過した後、当該ステップS404で録音したユーザの英語音声を再生する(ステップS405)。その後更にトランスレーションステップ処理部13は、上記英訳問題文QUに対する解答として、ステップS400で表示された和訳文ST41Jを英訳した英語音声の出力及び当該英訳の英文カラオケ様表示を行う(ステップS406)。以上のステップS405及びステップS406の実行により、ステップS404で録音された自身の英語音声(ステップS405)を正しい英語音声(ステップS406)と比較することで、そのユーザが正しい解答(翻訳)を行ったかを確認することができる。
【0126】
その後トランスレーションステップ処理部13は、上記ステップS400乃至上記ステップS406が再度実行されることを望むユーザが操作部3の上記リトライボタンを操作してリトライ操作を行ったか否かを監視する(ステップS407)。ステップS407の監視においてリトライ操作が行われた場合(ステップS407:YES)、トランスレーションステップ処理部13は上記ステップS400に戻って、当該ステップS400乃至上記ステップS407を再度実行する。
【0127】
一方トランスレーションステップ処理部13は、上記ステップS400乃至上記ステップS407の実行と並行して、当該ステップS400乃至当該ステップS407を最後まで実行せずに次のトランスレーションシーンに進むことを望むユーザが操作部3の上記スキップボタンを操作して上記スキップ操作を行ったか否かを監視する(ステップS410。ステップS410:NO。)。ステップS410の監視において上記スキップ操作が行われた場合(ステップS410:YES)、トランスレーションステップ処理部13は後述するステップS408に移行する。
【0128】
他方ステップS407の監視においてリトライ操作が例えば予め設定された待機時間内に行われないか(ステップS407:NO)、又は上記ステップS410の監視において上記スキップ操作が行われた場合(ステップS410:YES)、トランスレーションステップ処理部13は、トランスレーションステップとして予め設定されたシーン数(第1実施形態の場合は四)だけトランスレーションシーン(即ち上記ステップS400乃至ステップS407及びステップS410)が繰り返されたか否かを判定する(ステップS408)。ステップS408の判定において、既定のシーン数が繰り返されていない場合(ステップS408:NO)、トランスレーションステップ処理部13は、トランスレーションステップとして予め設定されている次のトランスレーションシーンに切り換え(ステップS409)、当該切り換えられた次のトランスレーションシーンについて、上記ステップS400乃至上記ステップS407及びステップS410を繰り返す。
【0129】
ここで、第1実施形態に係るトランスレーションステップは、
図12に例示するように、画像GS41並びに和訳文ST41J及び英訳問題文QUからなる第1トランスレーションシーン(
図12(a)参照)、画像GS42並びに和訳文ST42J及び英訳問題文QUからなる第2トランスレーションシーン(
図12(b)参照)、画像GS43並びに和訳文ST43J及び英訳問題文QUからなる第3トランスレーションシーン(
図12(c)参照)及び画像GS44並びに和訳文ST44J及び英訳問題文QUからなる第4トランスレーションシーン(
図12(d)参照)から構成されている。そして、各トランスレーションシーンのステップS406では、第1トランスレーションシーンの場合は
図13(a)に例示する画像GS41の表示及び英文ST41の英文カラオケ様表示が行われ、第2トランスレーションシーンの場合は
図13(b)に例示する画像GS42の表示及び英文ST42の英文カラオケ様表示が行われ、第3トランスレーションシーンの場合は
図13(c)に例示する画像GS43の表示及び英文ST43の英文カラオケ様表示が行われ、第4トランスレーションシーンの場合は
図13(d)に例示する画像GS44の表示及び英文ST44の英文カラオケ様表示が行われる。このとき、
図12と
図13とを比較すると明らかなように、
図12(a)に例示する和訳文ST41Jでは
図13(a)に例示する英文ST41における単語の区切りに相当する位置に読点が打たれており、
図12(b)に例示する和訳文ST42Jでは
図13(b)に例示する英文ST42における単語の区切りに相当する位置に読点が打たれており、
図12(c)に例示する和訳文ST43Jでは
図13(c)に例示する英文ST43における単語の区切りに相当する位置に読点が打たれており、
図12(d)に例示する和訳文ST44Jでは
図13(d)に例示する英文ST44における単語の区切りに相当する位置に読点が打たれている。
【0130】
図11に戻って、上記ステップS408の判定において、既定のシーン数が繰り返された場合(ステップS408:YES)、トランスレーションステップ処理部13は、
図3に示すステップS3に移行する。
【0131】
ここで、上記ステップS3においてサーバ装置SVから取得されるアイテムデータITD及びそれが相当する第1実施形態に係るアイテム等について、
図14を用いて説明する。なお、
図14は当該アイテム等の例を示す図である。
【0132】
上記ステップS3においては、サーバ装置SVから予め取得され且つ端末装置Tの記録部5に記録されているマップデータに基づいて、
図14(a)に例示する仮想的な遊園地等を含む地域を示す地
図MPがディスプレイ4に表示される。そして、端末装置Tのユーザは、これまで説明してきたリスニングステップ乃至トランスレーションステップ(
図3ステップS10、ステップS20、ステップS30及びステップS40参照)を一回終了すると、
図14(a)に例示する地
図MPに対して、建物又は遊具の一つであるアイテムIT(
図14(b)参照)を一つ取得する。このときそのユーザの端末装置Tの処理部1は、サーバ装置SVから当該取得するアイテムITに相当するアイテムデータITDを、ネットワークNWを介して取得する。そして当該ユーザは、上記リスニングステップ乃至トランスレーションステップを一回終了する度に一のアイテムITに相当するアイテムデータITDを取得することを繰り返し、更に当該取得したアイテムデータITDに相当するアイテムITを地
図MPに反映させる。これによりユーザは、段階的に難度が高い上記リスニングステップ乃至上記トランスレーションステップを終了する度に、その好みのアイテムITに相当するアイテムデータITDが取得し、最終的にはそのユーザが好みの遊園地等を地
図MP内に建築できる。これによりユーザは上述した通り、常に高いモチベーションを維持しつつ、第1実施形態に係る言語学習に取り組むことができる。なお、上記アイテムITの取得は、上述したような上記リスニングステップ乃至トランスレーションステップを一回終了する度だけでなく、例えば、各ステップの途中や上記リスニングステップ乃至トランスレーションステップを複数回終了した後等、ユーザの例えば学齢等に応じて変更することも可能である。
【0133】
以上説明したように、第1実施形態の言語学習処理によれば、学習対象たる言語である英語により綴られた英文ST111等を含む画像と、当該英文ST111等を発音した音声と、を、複数のリスニングシーンとして出力するリスニングステップを実行し(
図3ステップS10及び
図4乃至
図6参照)、その後に、複数のレコードシーンからなるレコードステップを実行する(
図3ステップS30並びに
図9及び
図10参照)。このとき、リスニングステップとして、一のリスニングシーンを構成する画像GS11等及び英語音読音声を出力することが、同一文法の相互に異なる英文によりそれぞれ構成される複数のリスニングシーンとして繰り返される。一方レコードステップとして、一のレコードシーンを構成する画像GS31等及び英語音読音声を出力し、画像GS31等及び英語音読音声に対応する英文ST311等を音読(発音)したユーザの音声を集音して録音し(
図9ステップS303及びステップS310参照)、録音した音声を出力すること(
図9ステップS304及びステップS311参照)が、同一文法の相互に異なる文章によりそれぞれ構成される複数のレコードシーンごとに繰り返される。よって、リスニングステップとレコードステップとが、同一の文法の異なる文章により構成されるいわゆるパターンプラクティスとして実行されることで、英語の学習効果(練習効果)を向上させることができる。
【0134】
またレコードステップにおいては、ユーザによる録音操作が行われた場合に、その音声の集音及び録音を行う(
図3ステップS301及びステップS308参照)。よって、ユーザの任意のタイミングで発音及び録音を行うことができるので、余裕を持って英語を学習することができる。
【0135】
更にリスニングステップにおいては、複数(例えば四回)のリスニングシーン分の繰り返しが終了したタイミングにおいて解説Cmを表示するので(
図4ステップS107参照)、リスニングステップの学習の対象となった文法の内容を容易に理解することができる。
【0136】
更にまたレコードステップにおいては、複数のレコードシーン分の繰り返しが終了したタイミングにおいて労い情報を出力するので(
図9ステップS316参照)、ユーザの学習継続意欲を維持又は高めることができる。
【0137】
また、リスニングステップとレコードステップとの間に、複数のリピートシーンからなるリピートステップを実行する(
図3ステップS20並びに
図7及び
図8参照)。このときリピートステップとして、一のリピートシーンを構成する画像GS21等及び英語音読音声を出力し、当該画像GS21等及び英語音読音声に対応する英文を構成する単語の発音を促す発音指示音声の出力が、同一文法の相互に異なる文章によりそれぞれ構成される複数のリピートシーンごとに繰り返される。よって、同一の文法の異なる文章により構成されるいわゆるパターンプラクティスとして、リスニングステップ及びレコードステップに加えてリピートステップが実行されることで、学習対象たる英語の学習効果(練習効果)をより向上させることができる。
【0138】
またリピートステップにおいては、複数(例えば四回)のリピートシーン分の繰り返しが終了したタイミングにおいて解説Cmを表示するので(
図7ステップS212参照)、リピートステップとしての学習の対象となった文法の内容を容易に理解することができる。
【0139】
更に、一のリスニングステップにおけるリスニングシーンの繰り返し数、一のレコードステップにおけるレコードシーンの繰り返し数、及び一のリピートステップにおけるリピートシーンの繰り返し数が全て同一であるので、パターンプラクティスとしての学習効果を更に高めることができる。更にまた、当該各繰り返し数が四回であるので、飽きを防止してパターンプラクティスとしての学習効果をより高めることができる。
【0140】
また、レコードステップの後に、複数のトランスレーションシーンからなるトランスレーションステップを実行する(
図3ステップS40及び
図11乃至
図13参照)。このときトランスレーションステップとして、一のトランスレーションシーンを構成する和訳文ST41J等を含む画像が表示され、その和訳文ST41J等に相当する日本語の音声が録音され(
図11ステップS404参照)、録音された音声が再生され(
図11ステップS405参照)、その後、和訳文ST41Jを英訳した英語音声の出力及び当該英訳の英文カラオケ様表示が行われること(
図11ステップS406参照)が、同一文法の相互に異なる和訳文ST41J等によりそれぞれ構成される複数のトランスレーションシーンごとに繰り返される。よって、同一の文法の異なる和訳文ST41J等によるいわゆるパターンプラクティスとしてトランスレーションステップが更に実行されることで、学習対象たる英語の学習効果(練習効果)をより向上させることができる。
【0141】
またトランスレーションステップにおいては、ユーザによる録音操作が実行された場合に、翻訳音声の集音及び録音を行う(
図11ステップS402参照)ので、ユーザの任意のタイミングで音声の発音及び録音を行うことができるので、余裕を持って英語を学習することができる。
【0142】
更にトランスレーションステップにおいては、和訳文ST41J等における読点の位置が、当該和訳文ST41J等に相当する英文における単語の区切りに相当する位置とされているので(
図12参照)、より正確な音声の録音等を行わせることができる。
【0143】
更にまたトランスレーションステップにおいては、解答確認操作が行われた場合に、表示中の和訳文ST41J等に相当する英文音読を出力する(
図11ステップS401及びステップS406参照)ので、ユーザにおいて和訳文ST41J等の翻訳が難しい場合に、当該ユーザによる解答確認操作により当該相当する英文音読を出力させることで、停滞することなく英語学習を進めることができる。
【0144】
またトランスレーションステップにおいては、一のトランスレーションシーンに対応する和訳文ST41J等の数(一)が、一のリスニングシーンを構成する英文ST111等の数、一のレコードシーンを構成する英文ST311等数及び一のリピートシーンを構成する英文ST211等の数のいずれ(それぞれ二)よりも少ないので、難度の高いトランスレーションシーン内の和訳文ST41J等の数を抑えて学習意欲の低下を防止することができる。
【0145】
更に、上記リスニングステップ、上記リピートステップ及び上記レコードステップにいおいて英文カラオケ様表示を行うので、音声としていずれの単語が出力されているかを容易に認識することができる。
【0146】
更にまた英文カラオケ様表示においては、音声としての出力タイミングにおけるその単語の画像内の表示色が、その出力タイミング後に音声として出力される他の単語の表示色態に対して異ならせられつつ出力されるので、音声としていずれの単語が出力されているかをより容易に認識することができる。
【0147】
また、相互に対応するリスニングシーン、リピートシーン、レコードシーン及びトランスレーションシーンの当該各シーンを構成する少なくともキャラクタ及びその動作が同一であるので、リスニングステップ→リピートステップ→レコードステップ→トランスレーションステップと同じキャラクタにより学習が進むことで、学習効果をより高めることができる。
【0148】
更に、リスニングステップ、リピートステップ、レコードステップ及びトランスレーションステップがそれぞれ終了した場合に、そのユーザが好みのアイテムITを取得して記録することができるので(
図14参照)、当該ユーザにおける事後の学習意欲を更に増大させることができる。
【0149】
(II)
第2実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第2実施形態について、
図15及び
図16を用いて説明する。なお、
図15は第2実施形態に係る言語学習処理におけるレコードステップの内容を示すフローチャートであり、
図16は当該言語学習処理におけるトランスレーションステップの内容を示すフローチャートである。
【0150】
また、第2実施形態に係る言語学習システムのハードウエア構成は、基本的には第1実施形態に係る言語学習システムSのハードウェア構成と同一であるので、以下の第2実施形態の説明では、当該言語学習システムSと同様の構成部材については、同様の部材番号を付して細部の説明は省略する。更に、第2実施形態に係る言語学習処理のうち、第1実施形態に係る言語学習処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明を省略する。
【0151】
以下に説明する第2実施形態に係る言語学習処理では、そのレコードステップ及びトランスレーションステップが、上述した第1実施形態に係る言語学習処理におけるレコードステップ及びトランスレーションステップと異なる。その他の、第2実施形態に係る言語学習処理におけるリスニングステップ及びリピートステップは、上述した第1実施形態に係る言語学習処理におけるリスニングステップ及びリピートステップと同様であるので、細部の説明を省略する。
【0152】
(i)
第2実施形態に係るレコードステップについて
始めに、第2実施形態に係るレコードステップについて、
図15を用いて具体的に説明する。
【0153】
図15に示すように第2実施形態に係るレコードステップ(ステップS30-1)では、レコードステップ処理部12は始めに、第1実施形態に係るレコードステップにおけるステップS300乃至ステップS303と同様の処理を実行する。
【0154】
次にレコードステップ処理部12は、第1実施形態に係るレコードステップにおけるステップS304と同様の処理と並行して、ステップS303で集音/録音されたユーザの英語音声を認識し、その認識結果と、その後のステップS305で出力される英文ST311の英語音読音声の内容と、を自動的に比較し、両者が同じか否かを判定し、その結果を、例えばディスプレイ4上に例えば「〇(両者が同じである場合)」又は「×(両者が異なる場合)」と表示する(ステップS320)。このステップS320における自動判定の方法は、例えば従来と同様の音声判別方法等を用いることができる。その後レコードステップ処理部12は、第1実施形態に係るレコードステップにおけるステップS305及びステップS305と同様の処理を実行する。
【0155】
その後レコードステップ処理部12は、第1実施形態に係るレコードステップにおけるステップS307乃至ステップS310と同様の処理を実行する。
【0156】
次にレコードステップ処理部12は、第1実施形態に係るレコードステップにおけるステップS311と同様の処理と並行して、ステップS310で集音/録音されたユーザの英語音声を認識し、その認識結果と、その後のステップS312で出力される英文ST312の英語音読音声の内容と、を自動的に比較し、両者が同じか否かを判定し、その結果を、上記ステップS320と同様に例えばディスプレイ4上に表示する(ステップS321)。このステップS320における自動判定の方法は、上記ステップS320と同様である。その後レコードステップ処理部12は、第1実施形態に係るレコードステップにおけるステップS312乃至ステップS316及びステップS317と同様の処理を実行する。
【0157】
(ii)
第2実施形態に係るトランスレーションステップについて
次に、第2実施形態に係るトランスレーションステップについて、
図16を用いて具体的に説明する。
【0158】
図16に示すように第2実施形態に係るトランスレーションステップ(ステップS40-1)では、トランスレーションステップ処理部13は始めに、第1実施形態に係るトランスレーションステップにおけるステップS400乃至ステップS404と同様の処理を実行する。
【0159】
次にトランスレーションステップ処理部13は、第1実施形態に係るトランスレーションステップにおけるステップS405と同様の処理と並行して、ステップS404で集音/録音されたユーザの英語音声を認識し、その認識結果と、その後のステップS406で出力される和訳文ST41Jを英訳した英語音声の内容と、を自動的に比較し、両者が同じか否かを判定し、その結果を、上記ステップS320と同様の方法で例えばディスプレイ4上に表示する(ステップS411)。このステップS411における自動判定の方法も、例えば上記ステップS320と同様の方法を用いることができる。その後トランスレーションステップ処理部13は、第1実施形態に係るトランスレーションステップS40におけるステップS406乃至ステップS410と同様の処理を実行する。
【0160】
以上説明したように、第2実施形態に係るレコードステップによれば、第1実施形態に係る言語学習処理の作用効果に加えて、録音されたユーザの音声の内容を認識し、その認識結果と、英文ST311等の英語音読音声の内容と、を比較し、両者が同じか否かを判定して表示するので(
図15ステップS320又はステップS321参照)、ユーザが発声した当該音声の内容が合っているか否かを迅速に認識しつつ、当該英語の学習を進めることができる。
【0161】
また、第2実施形態に係るトランスレーションステップによれば、第1実施形態に係る言語学習処理の作用効果に加えて、録音されたユーザの音声の内容を認識し、その認識結果と、和訳文ST41Jを英訳した英語音声の内容と、を比較し、両者が同じか否かを判定して表示するので(
図16ステップS411参照)、ユーザが発声した当該音声の内容が合っているか否かを迅速に認識しつつ、当該英語の学習を進めることができる。
【0162】
なお、上述した第2実施形態に係る言語学習処理のステップS320、ステップS321及びステップS411においては、例えばステップS303で集音/録音されたユーザの英語音声の認識結果と、ステップS305で出力される英文ST311の英語音読音声の内容と、が「同じか否か」を画一的に判定したが、これ以外に、両者の一致度を例えばパーセントで算出し、それを例えばディスプレイ4上に表示するように構成してもよい。
【0163】
更に、上述した各実施形態では、リスニングステップ等の各ステップにおいて同一の文法関係を用いたが、これ以外に、一又は複数のステップごとに文法関係の一部又は全部を異ならせてもよい。
【0164】
更にまた、上述した各実施形態は、英語学習処理に対して本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、日本語以外の種々の言語を効率的に学習する場合に適用することができる。
【0165】
また、
図3、
図4、
図7、
図9、
図11、
図15及び
図16に示すフローチャートに相当するプログラムを光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いは上記ネットワークNWを介して取得して不揮発性に記録しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等で読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を各実施形態に係る処理部1として機能させることも可能ある。
【産業上の利用可能性】
【0166】
以上夫々説明したように、本発明は言語学習の分野に利用することが可能であり、特に、コンピュータシステムを用いた言語学習の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【符号の説明】
【0167】
1、21 処理部
2、20 通信部
3 操作部
4 ディスプレイ
5 記録部
6 メモリ
7 スピーカ
8 マイク
10 リスニングステップ処理部
11 リピートステップ処理部
12 レコードステップ処理部
13 トランスレーションステップ処理部
S 言語学習システム
T1、T2、T3、Tn 端末装置
SV サーバ装置
NW ネットワーク
22 データベース
QD シーンデータ、
HD 学習履歴データ
GD 画像データ
MK マーカ
Cm 解説
QU 英訳問題文
MP 地図
IT アイテム
ITD アイテムデータ
GS11、GS12、GS13、GS14、GS21、GS21w、GS22、GS22w、GS31、GS31d、GS32、GS32d、GS41、GS42、GS43、GS44 画像
ST111、ST112、ST121、ST122、ST131、ST132,ST141、ST142、ST211、ST212、ST221、ST222、ST311、ST312、ST321、ST322、ST41、ST42、ST43、ST44 英文
ST41J、ST42J、ST43J、ST44J 和訳文