(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018097618
(22)【出願日】2018-05-22
【審査請求日】2021-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮永 真
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 忠
【審査官】橘 皇徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-050403(JP,A)
【文献】特開2012-249985(JP,A)
【文献】特開2017-012466(JP,A)
【文献】特許第6822676(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
駆動源の動力により、前記ベース部材に対して変位する可動部材と、
を備え、
前記ベース部材には、前記可動部材が原位置から所定量変位した位置である所定位置まで変位したときに前記可動部材の被接触部と接触する接触部が設けられており、
前記接触部は、
前記可動部材が前記原位置に位置する状態にて前記被接触部よりも下方に位置するものであって、回転自在に設けられた回転部分を有し、
前記可動部材は、前記被接触部が前記回転部分の周面よりも曲率が小さい軌跡(ただし当該軌跡は直線ではない)を描くように前記所定位置を含む所定範囲を変位することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
可動する部材を備えた遊技機において、当該部材が可動したときの衝撃を吸収する手法が種々提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、可動する部材を備えた遊技機において、当該可動する部材に生じる衝撃を和らげることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、ベース部材と、駆動源の動力により、前記ベース部材に対して変位する可動部材と、を備え、前記ベース部材と前記可動部材の一方には、前記可動部材が原位置から所定量変位した位置である所定位置まで変位したときに前記ベース部材と前記可動部材の他方と接触する接触部が設けられており、前記接触部は、前記ベース部材と前記可動部材の他方と接触する部分であって、回転自在に設けられた回転部分を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、可動部材が所定位置まで変位したときには接触部の回転部分に接触するから、可動部材に対する衝撃が和らげられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示装置(表示領域)に表示された識別図柄および保留図柄を示した図である。
【
図4】可動部材の動きを説明するための図(
図3の続き)である。
【
図5】ベース部材に設けられた接触部の概要を説明するための模式図である(これと併せて可動部材が原位置に位置するときにおける被接触部を示す)。
【
図6】軌跡線と接触弧の関係を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、表示装置91、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。かかる表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定の報知が開始されていない数値(以下単に保留と称することもある)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。記憶手段に上記数値(当否判定情報)が記憶されていることは、保留図柄80として表示される(
図2参照)。なお、本実施形態では、当否判定の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい(この場合には当否判定結果自体が、当否判定情報に相当することとなる)。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0014】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0015】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄70(
図2参照)の組み合わせによって当否判定結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄70を含む識別図柄群70g(左識別図柄群70gL、中識別図柄群70gC、右識別図柄群70gR)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群70gから一の識別図柄70が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群70gから選択されて停止した識別図柄70の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄70の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。なお、各図においては、識別図柄70を構成する「数字(文字)」のみを図示するが、当該数字とキャラクタ等が組み合わされた図柄を識別図柄70として設定することができる。
【0016】
本実施形態にかかる遊技機1は、演出に用いられる可動部材10を備える。以下、当該可動部材10およびそれに関係する要素について説明する。
【0017】
本実施形態における可動部材10は、原位置(
図3(a)に示す位置)と演出位置(
図4(b)に示す位置)との間を往復動作可能に設けられている(
図3、4参照)。当該可動部材10を支持する部材として、ベース部材20が設けられている。ベース部材20は、遊技機1の本体側に動かないように固定された部材である。本実施形態におけるベース部材20は、大まかに見て前後方向に直交する平面方向に沿う略平板状の部材であり、遊技盤90の開口901の上側部分に覆われる位置に配置されている。ベース部材20は、複数の部材が組み合わされてなるものであってもよい。
【0018】
ベース部材20(
図3、4参照)は、可動部材10を誘導する部材でもある。具体的には、ベース部材20には、可動部材10自体または可動部材10に固定された部材に設けられた被誘導部11が係合する誘導部21が形成されている。誘導部21は溝または貫通孔であり、被誘導部11はそれに係合する突起である。本実施形態では、ベース部材20に第一誘導部211および第二誘導部212が形成されており、可動部材10自体または可動部材10に固定された部材には第一誘導部211に係合する第一被誘導部111および第二誘導部212に係合する第二被誘導部112が設けられている。
【0019】
本実施形態における第一誘導部211は、左右方向の一方側(本実施形態では右側)から他方側(本実施形態では左側)にかけて次第に下方に向かうような曲線状を呈する曲状部分211aを含む。第二誘導部212は、左右方向に延びる直線状を呈する直状部分212aを含む(本実施形態では、第二誘導部212の全体が直線状である)。第一被誘導部111が曲状部分211aに、第二被誘導部112が直状部分212aに係合している間は、可動部材10はその姿勢を変えながら曲線状に変位することになる。以下の説明においては、このように変位する可動部材10が描く軌跡を「軌跡線C1」と称することもある。
【0020】
ベース部材20には、接触部22が設けられている(
図3、4参照)。詳細は後述するが、接触部22は、可動部材10が接触位置(本願発明における所定位置に相当する)に位置したときに当該可動部材10が接触する部分である。
図5に示すように、本実施形態における接触部22は、ベース部材20の本体部20h(誘導部21が形成された部分)から前方に向かって突出する突起である。接触部22は、中心軸が前後方向に沿う軸部分221と、当該軸部分221の先端に設けられ、当該軸部分221に対して回転することが可能な円柱形状の回転部分222(当該回転部分222の回転軸は前後方向に沿う)とを有する。可動部材10が接触位置に位置するとき、当該可動部材10は接触部22の回転部分222に接触する(
図3(b)参照)。可動部材10が接触位置以外の位置に位置するときには、可動部材10と接触部22は接触しない(ただし、組立誤差や可動部材10のがたつきにより、可動部材10と接触部22の位置関係が目論見通りのものとならない場合を除く)。なお、ベース部材20の本体部20hに直接回転部分222が設けられた構成としてもよい。つまり、ベース部材20の本体部20hに対し、回転部分222が回転自在に支持された構成(ベース部材20の本体部20hを回転部分222を支持する部分として機能させる構成)としてもよい。
【0021】
回転部分222の周面(回転部分222を前後方向に直交する平面で切断した円の弧;以下、接触弧C2と称することもある)の曲がり具合よりも、上記軌跡線C1の曲がり具合は緩い。つまり、接触弧C2の曲率よりも、軌跡線C1の曲率の方が小さい(
図6参照)。
【0022】
可動部材10は、ベース部材20に形成された誘導部21により誘導されることで、原位置と演出位置と間を往復動作する演出用の部材(いわゆる演出用の役物)である。可動部材10の駆動源(例えばモータ)から可動部材10までの動力伝達機構の構造はどのようなものであってもよいから説明を省略する。可動部材10の前側には、演出効果を高めるための装飾(発光による装飾を含む)が施されている。原位置に位置する可動部材10は、その大部分が遊技盤90(開口901の上側)に覆われた状態となる。演出位置に位置する可動部材10は、その全部または一部が遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な状態となる(
図1参照)。つまり、原位置から演出位置に変位するにつれて、可動部材10における開口901を通じて視認可能な領域が増加するように設定されている。上述したように、第一被誘導部111が第一誘導部211の曲状部分211aに係合し、第二被誘導部112が第二誘導部212の直状部分212aに係合している間は、上記軌跡線C1を描くように可動部材10は変位することになる。
【0023】
可動部材10は、上記接触部22に接触する被接触部12を有する(
図3、4参照)。本実施形態における被接触部12は、次のような形状を呈する。被接触部12は平坦な面である。可動部材10が原位置に位置する状態においては、被接触部12は、右側から左側にかけて次第に下方に向かうように傾斜した斜面である。本実施形態では、可動部材10が原位置からわずかに演出位置側に向かって変位した接触位置に位置するときに被接触部12が接触部22に接触するように設定されている。なお、設計誤差等により、可動部材10が接触位置に位置するときに被接触部12と接触部22が接触しない状況も生じうる。可動部材10が接触位置に位置するときには、前方から見て、円形の接触部22の上方に、右側から左側にかけて下方に向かうような斜面である被接触部12が位置し、当該円形の接触部22の左上端部に被接触部12が接触するような態様となる。本実施形態における可動部材10は、大まかにみて右上の原位置と左下(原位置からみて左下)の演出位置との間を往復動作可能なものであるところ、それと同様に被接触部12も右上から左下に向かうように傾斜した形状を呈する。
【0024】
上記の通り、第一被誘導部111が第一誘導部211の曲状部分211aに係合し、第二被誘導部112が第二誘導部212の直状部分212aに係合している間は、上記軌跡線C1を描くように可動部材10は変位することになる。したがって、この間は、被接触部12(接触位置において接触部22に接触する箇所)も軌跡線C1を描くように変位することになる。本実施形態では、第一被誘導部111が第一誘導部211の曲状部分211aに係合し、第二被誘導部112が第二誘導部212の直状部分212aに係合している状態での可動部材10の移動範囲を所定範囲とすると、当該所定範囲に上記接触位置が含まれる。つまり、被接触部12が軌跡線C1を描くように変位している最中に、当該被接触部12が誘導部21に接触することになる(
図3、4、6参照)。
【0025】
接触部22は以下のような作用を発現する。可動部材10が原位置に位置するとき(
図3(a)参照)には、可動部材10の下方に接触部22が位置する態様となる。したがって、原位置にて待機している可動部材10が下方に落下してしまうことが接触部22により防止される。また、製造誤差や劣化等によるガタが生じ、可動部材10の原位置が下方にずれてしまうような状況が生じたとしても、可動部材10は接触部22により支持されることになるため、接触部22が設けられた位置よりもさらに下方に原位置がずれてしまうことが防止される。このように、接触部22は、基本的には原位置に位置する可動部材10が意図せず下方にずれてしまうような状況の発生を防止するために設けられる(可動部材10の「受け」として設けられる)ものである。
【0026】
本実施形態では、可動部材10が原位置に位置するとき、右側から左側に向かって下方に傾斜する被接触部12の下方に接触部22が位置する。したがって、可動部材10が下方にずれてしまっても、接触部22の右側に被接触部12が入り込むといった状況が生じることはない。つまり、接触部22の右側(演出位置の逆側)に被接触部12が入り込んでしまうと、可動部材10が演出位置に向かって変位することができない状態(全く動かない状態)となってしまうところ、本実施形態では上下方向において接触部22と重なるように傾斜した斜面である被接触部12が位置するように設定されるから、原位置に位置する可動部材10が下方にずれることで被接触部12が接触部22に接触しても、被接触部12が左側に向かって下方に傾斜した斜面であるがゆえ、可動部材10が左にずれることはあっても右にずれることはない。
【0027】
また、本実施形態では、原位置からわずかに演出位置側にずれた位置が接触位置(
図3(b)参照)として設定されている。したがって、接触部22は、演出位置から原位置に向かって変位する可動部材10がきちんと原位置に戻るよう案内する機能も発現する。また、原位置から演出位置に向かって可動部材10が移動する際に、重力によって可動部材10がずり下がり、駆動源の動力が可動部材10に伝わらない状況(歯車の噛み合わせ不良等)が発生してしまうのを抑制する機能も発現する。
【0028】
しかし、移動する可動部材10に接触するということは、上記のような好適な機能を発現する要因となる一方、可動部材10の移動を阻害する要因にもなりかねないということであるが、本実施形態における接触部22は可動部材10の移動を阻害するものではない。具体的には、可動部材10が原位置から演出位置に向かって移動する際には、原位置からわずかに変位したところで可動部材10は接触位置に到達して、被接触部12が接触部22に接触することになり、可動部材10が演出位置から原位置に向かって移動する際には、原位置に到達する直前に可動部材10は接触位置に到達して、被接触部12が接触部22に接触することになるところ、両者の接触時には接触部22の回転部分222が回転するため、被接触部12と接触部22の間に生じる摩擦抵抗が小さなものとなる。
【0029】
また、変位する接触部22の軌跡(軌跡線C1)の曲がり具合は、回転部分222の周面である接触弧C2の曲がり具合よりも緩い(軌跡線C1の方が接触弧C2よりも曲率が小さい)(
図6参照)から、接触時に被接触部12と接触部22の一方から他方に作用する抗力が小さくなり、被接触部12と接触部22の間に生じる摩擦抵抗が小さなものとなる。また、被接触部12は可動部材10の移動方向に向かうように傾斜したものであるから、接触時に被接触部12と接触部22の一方から他方に作用する抗力が小さくなり、被接触部12と接触部22の間に生じる摩擦抵抗が小さなものとなる。このように、本実施形態では、被接触部12と接触部22の間に生じる摩擦抵抗が小さくなるように設定されているから、接触部22によって可動部材10の移動が阻害されず、可動部材10の滑らかな移動が実現できる。また、可動部材10が可動することによって発生する接触が繰り返されることよる被接触部12や接触部22の摩耗も抑制される。
【0030】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術的事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0031】
○第一具体例
上記実施形態では、接触部22はベース部材20に設けられたものであることを説明したが、それ以外の部材(動かないように固定された部材)に設けられたものとしてもよい。ただし、上記実施形態のように、ベース部材20は可動部材10を誘導する誘導部21が形成されたものであり、可動部材10はベース部材20に対して変位する(ベース部材20を基準として変位する)ものであるといえるから、当該ベース部材20に接触部22を設けることで、可動部材10(被接触部12)と接触部22の相対的な位置関係がずれにくいといった利点がある。つまり、接触部22がベース部材20以外の部材に設けられる構成とすると、組立誤差等により被接触部12と接触部22の位置関係が目論見通りのものとならないおそれがあるところ、上記実施形態のようにベース部材20に接触部22を設けることで、被接触部12と接触部22の位置関係が目論見通りのものとなり、上述した接触部22の機能がより確実に担保されるという利点がある。
【0032】
○第二具体例
上記実施形態では、可動部材10に被接触部12が設けられ、ベース部材20に接触部22が設けられていることを説明したが、可動部材10に接触部22が設けられ、ベース部材20に被接触部12が設けられた構成としてもよい。すなわち、回転部分222を有する接触部22が可動部材10に設けられ、当該回転部分222が接触する部分が被接触部12に設けられた構成としてもよい。ただし、可動部材10は演出効果を発現するものであるため、当該可動部材10には演出効果を高めるための部分(装飾機能を発現する部分)以外の部分はできるだけ排除されるべき(遊技者には見えないようにされるべき)であると考えるのであれば、上記実施形態のようにすることが望ましいといえる。つまり、演出に関係がない回転部分222は可動部材10には設けず、遊技者には視認できないまたは視認困難なベース部材20に設けることが望ましいといえる。また、接触部22は可動部材10に生じる衝撃を和らげるためのものであるから、当該接触部22が安定した状態で設けられているとよい。したがって、上記実施形態のように、遊技機1の本体側に固定された部材であるベース部材20に接触部22が設けられていることが望ましい。
【0033】
○第三具体例
可動部材10の動作態様は上記実施形態にて説明した態様に限られるものではない。例えば、可動部材10が直線状に動作するものであってもよい。
図7に示すように、可動部材10が左右方向に沿って直線状に動作するものとする。当該可動部材10が原位置に位置するときには、当該可動部材10(被接触部12)の下側に接触部22が位置するようにする。これにより、原位置に位置する可動部材10が下方にずり下がってしまうことが防止される。また、可動部材10が接触位置に位置したときには、接触部22に接触し、それに伴って接触部22が回転するようにする。可動部材10が原位置を含む所定範囲にあるとき、可動部材10(被接触部12)と接触部22が接触するようにする(当該所定範囲を接触位置として設定する)ことが考えられる。
【0034】
○第四具体例
上記実施形態では、可動部材10が原位置から演出位置に向かってわずかに変位した位置が、被接触部12と接触部22が接触する接触位置として設定されていることを説明したが、当該接触位置は適宜変更可能である。つまり、原位置から演出位置の間のどこかの位置が接触位置として設定されていればよい。例えば、原位置自体を接触位置とした設定としてもよい。
【0035】
ただし、上記実施形態のように、原位置から演出位置に向かってわずかに変位した位置を接触位置として設定することで、接触部22を、原位置に位置する可動部材10の「受け」としての機能を担保しつつ、原位置に向かう可動部材10をきちんと原位置に戻す機能がより効果的に発現されるものとなる。具体的には、後者の機能を発現させるためには、可動部材10が原位置に戻るよりも前に被接触部12と接触部22が接触するようにする必要があるところ、当該接触は可動部材10が変位している最中に生じるものであるから、その際に当該接触時の摩擦抵抗を小さくするため、接触部22に回転部分222を設ける意義があるといえる。つまり、原位置自体が接触位置であるとすると、基本的には可動部材10が原位置に戻るよりも前に被接触部12と接触部22の接触は発生しない(ガタ等が生じているような場合を除く)のであるから、接触部22に回転部分222を設ける意義が低いといえる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0037】
上記実施形態にかかる遊技機1はいわゆるぱちんこ遊技機であるが、可動する部材を備えた遊技機であれば、回動式遊技機等の異なる遊技機に対しても同様の技術思想が適用可能である。
【0038】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0039】
・手段1
ベース部材と、
駆動源の動力により、前記ベース部材に対して変位する可動部材と、
を備え、
前記ベース部材と前記可動部材の一方には、前記可動部材が所定位置まで変位したときに前記ベース部材と前記可動部材の他方と接触する接触部が設けられており、
前記接触部は、前記ベース部材と前記可動部材の他方と接触する部分であって、回転自在に設けられた回転部分を有することを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、可動部材が所定位置まで変位したときには接触部の回転部分に接触するから、可動部材に対する衝撃が和らげられる。
【0040】
・手段2
前記接触部は、前記ベース部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
接触部は変位する可動部材に設けられていないことが望ましいといえる。
【0041】
・手段3
前記可動部材には、前記接触部と接触する被接触部が設けられており、
前記可動部材が前記所定位置を含む所定範囲を変位するとき、前記被接触部は、前記回転部分の周面よりも曲率が小さな曲線を描くように変位することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
このようにすることで、被接触部と接触部の間に生じる摩擦抵抗が大きくなるのを抑制できる。
【符号の説明】
【0042】
1 遊技機
10 可動部材
11 被誘導部(111 第一被誘導部 112 第二被誘導部)
12 被接触部
20 ベース部材
21 誘導部(211 第一誘導部 212 第二誘導部)
22 接触部
221 軸部分
222 回転部分
軌跡線 C1
接触弧 C2