(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
(21)【出願番号】P 2018134984
(22)【出願日】2018-07-18
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀尾 恭佑
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-005181(JP,A)
【文献】特開2016-205817(JP,A)
【文献】特開2017-117679(JP,A)
【文献】特開2009-142556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が押下操作及び回転操作可能な操作部材と、
第1位置と第2位置とに変位可能な変位部材と、
前記変位部材が接触可能な接触部と、
を備え、
前記変位部材は、
前記第1位置に位置する場合において、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部の第1領域に接触し、
前記第2位置に位置する場合において、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部の第2領域に接触し、
遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部の第2領域との接触により回転音が生じる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技者が押下操作及び回転操作可能な操作部材と、
第1位置と第2位置とに変位可能な変位部材と、
前記変位部材が接触可能な接触部と、
を備え、
前記変位部材は、
先端を螺旋状に巻回して形成され、
前記第2位置に位置する場合において、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部に接触する
ことを特徴とす
る遊技機。
【請求項3】
遊技者が押下操作及び回転操作可能な操作部材と、
第1位置と第2位置とに変位可能な変位部材と、
前記変位部材が接触可能な接触部と、
を備え、
前記操作部材は、
前記接触部と一体形成され、
前記変位部材は、
前記第2位置に位置する場合において、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部に接触する
ことを特徴とす
る遊技機。
【請求項4】
遊技者が押下操作及び回転操作可能な操作部材と、
第1位置と第2位置とに変位可能な変位部材と、
前記変位部材が接触可能な接触部と、
内部抽選を行う抽選手段と、
を備え、
前記変位部材は、
前記第2位置に位置する場合において、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部に接触し、
前記抽選手段による内部抽選の結果が、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行に関する結果である場合には、前記第1位置から前記第2位置に変位することが可能である
ことを特徴とす
る遊技機。
【請求項5】
遊技者が押下操作及び回転操作可能な操作部材と、
第1位置と第2位置とに変位可能な変位部材と、
前記変位部材が接触可能な接触部と、
複数の図柄を備えたリールと、
を備え、
前記操作部材は、
前記リールを停止させるための停止ボタンであり、
前記変位部材は、
前記第2位置に位置する場合において、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部に接触する
ことを特徴とす
る遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機は、遊技者による操作を受け付け可能な複数の操作ボタンを有し、その操作ボタンの中には、押下操作及び回転操作が可能なものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機には、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の遊技機は、 遊技者が押下操作及び回転操作可能な操作部材と、第1位置と第2位置とに変位可能な変位部材と、前記変位部材が接触可能な接触部と、を備え、前記変位部材は、前記第1位置に位置する場合において、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部の第1領域に接触し、前記第2位置に位置する場合において、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部の第2領域に接触し、遊技者が前記操作部材に対して押下操作を行うと共に回転操作を行う場合、前記接触部の第2領域との接触により回転音が生じる構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を示す正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る遊技機の内部構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る遊技機の制御系の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る操作ボタン装置の外観を示す図であり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る操作ボタン装置の構成を示す分解斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る右停止ボタンの外観を示す図であり、(a)は正面斜視図、(b)は裏面斜視図、(c)は凸部の拡大図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るピン部材の外観を示す斜視図である。
【
図8】ソレノイドの通電状態の違いによるピン部材の変位を説明するための説明図であり、(a)はソレノイドが非通電状態時、(b)はソレノイドが通電状態時、(c)はソレノイド軸の回転角度を示すものである。
【
図9】ソレノイドの非通電状態時におけるA-A断面図であり、(a)は右停止ボタン押下前、(b)は右停止ボタン押下後を示すものである。
【
図10】ソレノイドの非通電状態時におけるピン部材と右停止ボタンの位置関係を説明するための説明図であり、(a)はA-A断面斜視図、(b)はB-B断面図である。
【
図11】ソレノイドの通電状態時におけるA-A断面図であり、(a)は右停止ボタン押下前、(b)は右停止ボタン押下後を示すものである。
【
図12】ソレノイドの通電状態時におけるピン部材と右停止ボタンの位置関係を説明するための説明図であり、(a)はA-A断面斜視図、(b)はC-C断面図である。
【
図13】回転音が発生する原理について説明するための説明図である。
【
図14】右停止ボタンの変形例1を説明するための説明図であり、(a)は裏面斜視図、(b)はソレノイド軸の回転角度を示すものである。
【
図15】右停止ボタンの変形例2を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
なお、遊技機には、スロットマシン1、パチンコ機など様々な種類があるが、本発明をスロットマシン1に適用した場合について、説明する。
【0008】
[スロットマシン本体]
図1~3に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、回動可能に軸支された複数の各リール41a、41b、41cが内蔵され、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aと、で構成され、内部には、マイクロコンピュータなどで構成された主制御部10、主制御部10からの指令により、表示器8、スピーカ9、ランプ11などの報知手段を制御する副制御部20、及び必要な機械、装置などが収納されている。
【0009】
前扉1aは、
図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジなどを介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る複数の操作部が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0010】
操作部として、例えば、円板状の遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口2と、機内にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール41a、41b、41cの回転を始動させるスタートレバー3と、遊技の演出に応じて使用される演出ボタン12と、回転している各リール41a、41b、41cを停止させる3つの停止ボタン5(5a、5b、5c)と、機内に貯留されているメダルを清算するときに使用される清算ボタン17などが設けられている。
【0011】
さらに、前扉1aには、各リール41a、41b、41cに表示された図柄を視認可能とする表示窓6が、各操作部の上側に設けられている。
また、前扉1a上部には、液晶TVなどの表示器8、スピーカ9、LEDなどのランプ11が設けられている。
【0012】
筐体1bの中央には、リール41a、41b、41cと、各リール41a、41b、41cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサなどを備えるドラムユニット4が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留、払出しを行うメダル払出装置7が設けられる。
メダル払出装置7には、メダルを貯留する貯留部として機能するホッパー7aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ2bにより検出されるとともに、ホッパー7aに誘導されるようになっている。
【0013】
主制御部10は、メインCPU、メインROM、メインRAMなどが一体化された制御用チップの搭載された主基板、これを収容する基板ケースなどから構成され、上記の各操作部からの信号やメダルセレクタ2bからの信号に基づき、ドラムユニット4、メダル払出装置7などの各装置を制御する。
【0014】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が主制御部10に入力される。
また、ベットボタン2aが操作された場合は、その操作信号が主制御部10に入力される。
主制御部10は、これらの信号の入力の有無からゲーム可能なメダル数及びスタートレバー3を監視し、ゲーム開始可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、主制御部10は、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a、41b、41cを回転させる制御を行う。
【0015】
このとき、主制御部10は、遊技者によるスタートレバー3の操作に伴い生成されるスタート信号が入力されると、機械内部で内部抽選を行う抽選手段として機能する。
内部抽選は、1ゲームごとに遊技者のスタートレバー3の操作のタイミングで行われる抽選処理であり、カウンタICなどからなる乱数カウンタから取得される乱数と、ROMに予め設定及び記憶された抽選データの値と、を比較することにより実行される。
更新範囲(0~65535)で発生する乱数カウンタから出力される乱数をスタートレバー3の操作のタイミングで取得し、その取得した乱数を、遊技状態別の抽選データに設定されている各抽選対象に対応する当選範囲と比較することにより、その乱数がいずれの抽選対象に対応する当選範囲に属しているかを判定し、その属する当選範囲が示す抽選対象が今回の当選内容として決定されるようになっている。
【0016】
内部抽選において抽選される抽選対象には、遊技価値の付与されない「ハズレ」を含む複数の入賞役がある。
例えば、入賞役には、遊技媒体は付与されないが、特別遊技状態に移行する「BB(ビックボーナス)」及び「RB(レギュラーボーナス)」と、数枚のメダルが付与される「小役」と、遊技媒体は付与されないが、次回の遊技において、メダルを投入することなく遊技が可能となる「再遊技」などがある。
そして、特別遊技状態中は、メダルを所定の割合で費やす通常遊技状態より、内部的に小役の当選確率が飛躍的に高まることから小役の入賞が連続することとなり、短い遊技期間で多くのメダルが集中して獲得されることになり、通常遊技状態より遊技者にとって有利な遊技状態にあるといえる。
【0017】
また、主制御部10は、各リール41a、41b、41cに停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置7に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口7bから払い出す。
なお、所定数(例えば、50クレジット)を超えない場合には、入賞した当選役に応じたメダル数がクレジットに加算されることになる。
また、メダルなどの遊技媒体を使用せずにゲームの実行可能な封入式遊技機の場合も、メダルを一切払出すことなく、クレジットに加算されることになる。
また、主制御部10は、所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン操作、ボーナスゲーム開始、ボーナス役当選)で、所定の制御信号を副制御部20に出力する。
【0018】
副制御部20は、主制御部10からの制御信号に従い、予め記憶した演出プログラムに基づき、表示器8、スピーカ9、ランプ11などの報知手段を制御して、所定の遊技演出を行うようになっている。
具体的には、副制御部20は、サブCPU(中央演算処理装置)、サブRAM、サブROMなどの記憶手段、画像制御回路、音声制御回路、ランプ制御回路などが搭載されたサブ基板と、これらを収容する基板ケースなどから構成され、前扉1aの上部に設けられた液晶表示器からなる表示器8、前扉1aの上部に設けられ、音声や効果音などの音を出力するスピーカ9、前扉1aにおける所定の箇所に設けられたランプ(LED)11などの出力を駆動して、所定の映像、発光演出及び音響演出などの遊技演出の制御を行うようになっている。
【0019】
そして、副制御部20は、主制御部10が管理する遊技の進行状態、遊技状態、抽選処理において当選した抽選対象などを識別し、ゲームと同期した演出を行うように各制御回路を制御するようになっている。
また、副制御部20は、後に説明するソレノイド70を制御する際に、例えば、サブCPUにおいて複数の情報が記憶されたサブROMのプログラムを実行処理することで、ソレノイド70を通電状態又は非通電状態に制御することができ、本発明の特徴的な動作を実現する。
【0020】
このように制御されるスロットマシン1において、本実施形態に係る操作ボタン装置50は、特徴的な構成を備えている。
なお、スロットマシン1には、遊技者の操作が可能な操作ボタンとして、ベットボタン2a、演出ボタン12、清算ボタン17などの様々なボタンを備えているが、本発明に係る操作ボタン装置50を停止ボタン5(5a~5c)に適用した場合を一例として説明する。
【0021】
操作ボタン装置50には、遊技者によって直接押下操作される三つのリール41を停止させる停止ボタン5(5a~5c)が設けられており、左リール41aに対応する左停止ボタン5a、中リール41bに対応する中停止ボタン5b及び右リール41cに対応する右停止ボタン5cがそれぞれ押下操作されると、主制御部10がこの押下操作を検出し、対応する各リール41a~41cの回転を停止する制御が行われることになる。
本発明の実施形態に係る操作ボタン装置50は、遊技者による任意のタイミングでの停止ボタン5(5a~5c)の押下操作を検出し、各リール41a~41cを停止するという通常の機能に加え、さらに回転操作も可能なように構成されている。
【0022】
具体的には、停止ボタン5(5a~5c)は、
図4に示すように、遊技者による押下操作した状態で、時計回り又は反時計回りに回転操作も可能なように構成されている。
つまり、遊技者は、停止ボタン5(5a~5c)を押しながら回すことができる。
このような複数の操作態様を停止ボタン5(5a~5c)が備えることで、遊技状態に対応した停止ボタン5(5a~5c)の操作演出を設定することができる。
例えば、BB(ビックボーナス)やRB(レギュラーボーナス)のような小役の当選が高確率状態になる特別遊技状態において、遊技者に対して回転操作を求めるようなこともでき、期待感を持たせながら遊技を行うことができる。
【0023】
しかし、このように回転操作が可能な停止ボタン5(5a~5c)を備える操作ボタン装置50には、その構成上の特性から以下のような問題があった。
具体的には、遊技者が停止ボタン5(5a~5c)に対して回転操作を行ったときに、停止ボタン5(5a~5c)が本当に回転しているのか否か認識できないことがあった。
即ち、停止ボタン5(5a~5c)に対して回転操作を行った際に、停止ボタン5(5a~5c)が回転しているのか、それとも停止ボタン5(5a~5c)上を指が回転しているだけなのかが認識できない虜があった。
そこで、回転操作を行ったときに、その停止ボタン5(5a~5c)の回転を遊技者に認識させるために、本実施形態に係る操作ボタン装置50は、以下に示すような構成となっている。
以下、操作ボタン装置50について、図を参照して説明する。
【0024】
[操作ボタン装置]
操作ボタン装置50には、
図4及び
図5に示すように、停止ボタン5(5a~5c)、前面カバー111、ケーシング112、センサ114、蓋部材115などの各種部材を備えて構成されているが、さらに、右停止ボタン5cを構成する部材には、他の停止ボタン5(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b)には存在しないピン部材60、ソレノイド70などを備えていることが分かる。
なお、ここでは、停止ボタン5(5a~5c)のような同一の構造を有する構成部材が複数設けられるものについては、別体の構成部材であれば、それを明示し、別体の構成部材に共通する機能や構造などについては、適宜省略する。
また、操作ボタン装置50を構成する各種部材について説明し、その後に、この各種部材を用いた本発明の特徴について説明する。
【0025】
[停止ボタン]
停止ボタン5(5a~5c)は、例えば、導電性の材料を用いて形成され、軸部52に挿入される弾性部材であるバネ110により遊技機の前面方向に付勢されながら取り付けられている。
停止ボタン5(5a~5c)を遊技機の前方方向に付勢することで、遊技者が、押下操作をした際に、その押下操作が行われたことの認識ができるようになる。
このような停止ボタン5(5a~5c)の中で、本発明の操作部材である右停止ボタン5cには、他の停止ボタン(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b)には無い特徴的な形状を備えている。
図6は、右停止ボタン5cの外観を示す図であり、(a)は正面斜視図、(b)は裏面斜視図、(c)は凸部の拡大図である。
図6に示すように、右停止ボタン5cは、遊技者の操作を受け付け可能なように、遊技者と対向する側に円板状の操作面51(本発明の第1受付領域)を有し、遊技者の操作が受け付け困難な操作面51の裏面側(本発明の第2受付領域)には、軸部52と、平面部53と、凹凸部54と、を有し、側方視での形状がT字状の一体形成された部材である。
【0026】
軸部52は、停止ボタン5(5a~5c)の中心に位置し、平面部53と直交した円柱状に形成されており、操作ボタン装置50に対して回転可能に設けられている。
また、軸部52の周面における先端の近傍には、周方向に溝520が形成されており、この溝に、E型の止め輪113が圧入されることにより停止ボタン5(5a~5c)が取り付けられている。
なお、止め輪113は、E型以外にも、C型、グリップなどでも適用することが可能である。
【0027】
平面部53は、本発明の第1領域及び接触部として、軸部52と凹凸部54との間に位置し、操作面51と平行で凹凸がなく平滑に形成された平面形状の領域である。
【0028】
凹凸部54は、本発明の第2領域及び接触部として、他の停止ボタン5(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b)には形成されておらず、平面部53の周囲を覆うように平面部53から周端縁に沿って環状に垂設された外壁55まで半径方向に延びる凸部540と凹部541とが交互に連続して形成された凹凸形状の領域である。
凸部540は、
図6(c)に示すように、上部にある頂部540aが平面部53とほぼ同じ高さの三角形状に突出しており、このように三角形状とすることで、後に説明するピン部材60との引っ掛かりを少なくすることが可能で、遊技者が回転操作しても、スムーズにピン部材60を摺動させることが可能なように形成されている。
凹部541は、凸部540の頂部540aとの高低差を大きくするために、平面部53よりも扁平で、平面部53同様に凹凸がなく平滑に形成されている。
【0029】
前面カバー111は、板状で、停止ボタン5(5a~5c)の外形とほぼ同じ形状の開口111aが、停止ボタン5(5a~5c)の数と同数(本実施形態においては、三つ)形成され、停止ボタン5(5a~5c)は、その操作面51が、操作ボタン装置50の前方に向かって、その開口111aから露出した状態で取り付けられる。
【0030】
[ピン部材]
次に、
図7に示すように、形状が特徴的なピン部材60について説明する。
ピン部材60は、右停止ボタン5cの構成のみに備えられ、アクチュエータとしてソレノイド70により変位可能な変位部材として回転し、樹脂バネ部601と、ソレノイド70の動力を伝えるシャフト部602と、を有している。
樹脂バネ部601は、例えば、金属製のバネのように腐食することが少ない合成樹脂により形成され、その先端601aが右停止ボタン5cの裏面側と直接接触するため、遊技者の押下操作による押圧力が加えられるときや平面部53又は凹凸部54に接触した状態で回転操作されるときでも、その力を分散して破損を抑制できるように、螺旋状に巻回した形状で形成されている。
つまり、右停止ボタン5cの裏面側と直接接触する樹脂バネ部601を螺旋状に巻回して形成することで、素材が持つ弾性力に加え、形状による弾性力も加わることになり、耐久性に優れ、安定した弾性力を維持することが可能になる。
また、樹脂バネ部601の先端601aは、
図7に示すように螺旋の中心軸と平行になるように立ち上げられ、その先は丸みを帯びるよう円弧状に形成されている。
これは、角があると右停止ボタン5cと接触した際に、接触部である平面部53又は凹凸部54などとの引っ掛かりを防ぐとともに、接触部にダメージを与えないためである。
シャフト部602は、円柱状で、樹脂バネ部601とソレノイド軸73とを連結ピン71を介して連結し、ソレノイド70の動力を樹脂バネ部601に伝達する。
また、シャフト部602は、ケーシング112に形成された図示しない挿入孔及び蓋部材115に形成された挿入孔115bを貫通して、その挿入孔に摺動可能に支持される。
【0031】
ケーシング112は、中空直方体の箱型部材であって、その前面には、停止ボタン5(5a~5c)の外形とほぼ同じ形状で凹設された窪みが、停止ボタン5(5a~5c)の数と同数形成されている。
また、右停止ボタン5cに対応する窪みには、他の停止ボタン(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b)にはない挿入孔が穿設されており、ピン部材60を挿入する際に用いられる。
さらに、ケーシング112の背面には、この背面の全体にわたって図示しない開口が形成されており、この開口を覆うように、この開口の外形とほぼ同じ形状に形成された板状の蓋部材115が取り付けられる。
【0032】
センサ114は、透過型のフォトセンサで、赤外線などの所定の波長の光を投光する赤外LEDなどの投光素子と、その投光された光を受光するフォトトランジスタなどの受光素子とが対向配置された状態で、ハウジング部材に囲繞されており、そのハウジング部材の凹字状の溝部空間に停止ボタン5(5a~5c)の後端部が侵入したときに、停止ボタン5(5a~5c)が押下操作されたことを検知する。
つまり、遊技者により停止ボタン5(5a~5c)が押下操作されると押下ストロークの範囲内で、センサ114の光軸を遮光するため、検知することができる。
そして、このように検知したセンサ114は、主制御部10へ検知信号を送信し、主制御部10は、停止ボタン5(5a~5c)が操作されたことを検出する。
【0033】
蓋部材115には、このようなセンサ114を遮光してケーシング112の背面の開口に取り付けるために、ネジ116(蓋部材用)を挿通する複数の挿入孔115aが一又は二以上穿設されており、ケーシング112の背面の開口を閉塞する位置に蓋部材115を装着した後、この蓋部材115の挿入孔115aにネジ116(蓋部材用)を挿入し、このネジ116(蓋部材用)をケーシングに形成された雌ネジに螺入することで、蓋部材115をケーシング112に螺着固定することができる。
また、蓋部材115には、右停止ボタン5cに対応する側に、ソレノイド70を固定するための図示しない挿入孔も穿設されており、ネジ117(ソレノイド用)をその挿入孔に対して、ソレノイド70を被覆して保護するソレノイドカバー72を上方から通したうえ、蓋部材115に挿入することで、ソレノイド70を蓋部材115に螺着固定している。
【0034】
ソレノイド70は、ロータリータイプのソレノイド70で、ピン部材60を変位するアクチュエータとして用いられ、ソレノイド軸73が回転することで、その回転をピン部材60に伝達し、ピン部材60を変位させることが可能になる。
ソレノイド70は、電磁石で構成され、外部からの電力の供給を受けて通電されることで、ソレノイド軸73を機械的に回転させる。
具体的には、ソレノイド70のソレノイド軸73は、連結ピン71を介してピン部材60に接続されており、ソレノイド70が通電状態にあるときと、非通電状態にあるときとで、ソレノイド軸73の回転角度を予め定めることによって、ピン部材60を変位している。
【0035】
図8は、右停止ボタン5cを外した状態の操作ボタン装置50の外観を示し、ソレノイド70の通電状態の違いによるピン部材60の変位を説明するための説明図であり、(a)はソレノイド70が非通電状態時、(b)はソレノイド70が通電状態時、(c)はそれぞれの通電状態時におけるソレノイド70の回転角度を示すものである。
ソレノイド70が非通電状態にあるときは、
図8(a)に示すように、ピン部材60の樹脂バネ部601の先端601aは、右停止ボタン5cの軸部52が挿入されるバネ110近くの中心に位置することになる。
一方、ソレノイド70が通電状態にあるときは、
図8(b)に示すように、ピン部材60の樹脂バネ部601の先端601aは、バネ110から遠ざかるところに位置することになる。
【0036】
このとき、ソレノイド軸73は、
図8(c)に示すように、樹脂バネ部601の先端601aが平面部53に接触することが可能な位置(本発明の第1位置)から、凹凸部54に接触することが可能な位置(本発明の第2位置)に変位するには、時計回り方向に90度回転することになる。
このように、本実施形態に係る操作ボタン装置50は、ソレノイド70を用いることで、ピン部材60の変位を簡易な構成で制御することが可能になる。
【0037】
続いて、右停止ボタン5cとピン部材60との位置関係について
図9~
図12を参照して説明する。
また、
図9及び
図10は、ソレノイド70が非通電状態時を示し、
図11及び
図12は、ソレノイド70が通電状態時をそれぞれ示している。
【0038】
図9は、
図4(a)の操作ボタン装置50のA-A断面図であり、(a)は右停止ボタン5c押下前、(b)は右停止ボタン5c押下後をそれぞれ示すものである。
図9(a)、(b)に示すように、遊技者が右停止ボタン5cを押下操作しないときは、樹脂バネ部601の先端601aは、右停止ボタン5cに接触することはなく、押下操作することによって接触することになる。
つまり、遊技者が右停止ボタン5cに対し押下操作せずに、回転操作しただけでは、ピン部材60が右停止ボタン5cに接触することはなく、押下操作と共に回転操作を行うことで、ピン部材60が接触することになる。
また、
図9(b)に示すように、遊技者が右停止ボタン5cを押下操作しているときは、樹脂バネ部601の先端601aは、弾性体として機能するため、縮んだ状態で保持されることになる。
このような構成とすることで、遊技機のリール41を停止させるという本来の停止ボタン5(5a~5c)の押下操作の態様に何ら影響も与えずに本発明の回転操作を行えるようになり、複数の操作態様を一つの停止ボタン5(5a~5c)で行えるという効果がある。
【0039】
続いて、
図10(a)は、
図4(a)の操作ボタン装置50のA-A断面斜視図であり、
図10(b)は、
図9(b)の右停止ボタン5cの押下操作時における操作ボタン装置50のB-B断面図である。
ソレノイド70が非通電状態にあるときに、遊技者が右停止ボタン5cに対し、押下操作と共に
図10(b)の矢印に示すような回転操作を行うと樹脂バネ部601の先端601aが右停止ボタン5cの裏面側にある平面部53に接触した状態で、回転することになる。
このとき、平面部53には、凹凸が無い平面形状の領域であるため、樹脂バネ部601の先端601aは、平面を沿うように接触することになり、遊技者には、回転操作した際に、その回転音などを認識することはできない。
【0040】
一方、ソレノイド70が通電状態にあるときは、
図11及び
図12に示すように、樹脂バネ部601の先端601aは、平面部53の外周側にある凹凸部54に対して、変位することになる。
また、ソレノイド70が通電状態にあるときも、非通電状態時と同様に、遊技者が右停止ボタン5cを押下操作していないときは、樹脂バネ部601の先端601aは、右停止ボタン5cに接触することはなく、押下操作することによって接触することになる。
また、ソレノイド70が通電状態にあるときは、遊技者が右停止ボタン5cに対し、押下操作と共に
図12(b)の矢印に示すように回転操作を行うと樹脂バネ部601の先端601aが右停止ボタン5cの裏面側にある凹凸部54に接触した状態で、回転することになる。
このとき、凹凸部54は、凸部540と凹部541とが交互に連続して形成された凹凸形状の領域であるため、樹脂バネ部601の先端601aは、凸部540と凹部541とを交互に接触することになり、樹脂バネ部601の先端601aが凹凸部54の凸部540と強く接触することで、遊技者の指にその感触が伝わると共に、回転音が生じることになり、遊技者がその回転操作を認識できることになる。
【0041】
このような構成からなる本発明に係る操作ボタン装置50において回転音が発生する原理について説明する。
図13(a)~(c)は、回転音が発生する原理について説明するための説明図であり、ソレノイド70が通電状態にあるときの右停止ボタン5cの裏面側に形成された凹凸部54とピン部材60とが接触する状態をそれぞれ示している。
【0042】
図13(a)は、樹脂バネ部601の先端601aが、凹凸部54の凸部540に接触する直前の状態を示しており、樹脂バネ部601の先端601aは、凹凸部54の凹部541に接触している状態であり、さらに、遊技者が右停止ボタン5cを矢印の回転方向に回転操作すると、樹脂バネ部601の先端601aは、凹凸部54の凸部540に接触し、回転方向に押圧される。
【0043】
続いて、
図13(b)は、樹脂バネ部601の先端601aが、凹凸部54の凸部540の外周面に接触し、回転方向に押圧され弾性変形した状態を示している。
このとき、樹脂バネ部601は、バネのように螺旋状に巻回して形成されていることから、弾性体として機能し、回転方向とは逆の方向に弾性力を有する。
そのため、凹凸部54の凸部540は、樹脂バネ部601の弾性力により回転方向と逆の方向に付勢される。
【0044】
図13(c)は、
図13(b)の状態から、さらに樹脂バネ部601の弾性力に逆らって、遊技者が右停止ボタン5cを回転操作した状態を示しており、弾性変形していた樹脂バネ部601の先端601aは、元の状態に弾性復帰する。
そして、このとき生じる弾性力によって樹脂バネ部601の先端601aが凹凸部54の凸部540の外周面に、強く接触することになる。
つまり、樹脂バネ部601の先端601aが凹凸部54の凸部540の外周面に対し、元の状態に戻ろうとする所定の弾性力で強く接触することで、回転音が生じることになる。
このような凹凸部54とピン部材60との一連の接触を繰り返すことにより、「カチィカチィ」という回転音を生じ続けることが可能となり、停止ボタン5(5a~5c)の各リール41a~41cを停止するという通常の機能を失われることなく、回転操作に伴う連続した回転音を生じさせることが可能になる。
その結果、遊技者は、「触覚的」に加え、「聴覚的」にも右停止ボタン5cの回転操作による回転を認識できるようになる。
【0045】
また、ソレノイド70が非通電状態にあるとき、つまり、右停止ボタン5cの平面部53とピン部材60とが接触する状態では、平面部53は、平面形状の領域であり、凹凸部54の凸部540のようなものがないことから、樹脂バネ部601の先端601aと所定の弾性力で強く接触することはない。
そのため、平面部53とピン部材60との関係で、平面部53とピン部材60とが接触しているときに、遊技者は、右停止ボタン5cを回転操作しても、「触覚的」又は「聴覚的」にその回転を認識することはできないことになる。
また、このようなピン部材60と平面部53又は凹凸部54とのそれぞれの接触状態の違いにより、遊技者が回転操作をした際に、回転音を発生する状態又は回転音を発生しない状態の二通りの状態を作り出すことが可能になる。
つまり、本実施形態に係る操作ボタン装置50は、遊技者が操作ボタンを回転操作した際、その回転操作を認識させるだけでなく、簡易な構成で回転音を制御することができるため、遊技機の遊技状態に応じた操作演出を行うことが可能になる。
【0046】
例えば、副制御部20は、通常の遊技が行われる通常遊技状態時には、平面部53にピン部材60が接触するように、ソレノイド70を制御し、一方、通常遊技状態より遊技者にとって有利なBB(ビックボーナス)やRB(レギュラーボーナス)のような小役の当選が高確率状態になる特別遊技状態、又はこれらボーナスの当選ゲーム、ボーナス持越し状態、さらには、AT(アシストタイム)、AT(アシストタイム)潜伏状態などの有利区間に滞在中のときには、凹凸部54にピン部材60が接触するように、ソレノイド70を制御することが可能になる。
この結果、遊技者は、停止ボタン5(5a~5c)の操作をより楽しみながら遊技を行うことが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0047】
[停止ボタンの変形例]
続いて、右停止ボタン5cの変形例について、
図14及び
図15を参照しながら説明する。
まず、
図14に示す変形例は、上述で説明した右停止ボタン5cの平面部53及び凹凸部54の他に、肉厚部56を新たに形成したものである。
肉厚部56は、本発明の第3領域及び接触部として、
図14(a)に示すように、軸部52の軸方向に平面部53よりも肉厚で、軸部52の周囲を囲むように形成される領域である。
肉厚部56を形成することで、遊技者が右停止ボタン5cを回転する際に、負荷を与えることが可能になる。
具体的には、肉厚部56にピン部材60が接触した状態で、遊技者が右停止ボタン5cに対して押下操作と共に回転操作を行うと、平面部53にピン部材60が接触した状態時よりも、平面部53から肉厚にした分の押下操作の押圧力が、ピン部材60と肉厚部56との間に加わり、右停止ボタン5cが回転し難い(全く回転しない状態も含む)状態となる。
【0048】
このような肉厚部56を形成することで、上述で説明したピン部材60と凹凸部54との接触によって遊技者に知らせるという方法とは異なり、回転操作に負荷をかけて遊技者に知らせることが可能になる。
例えば、遊技者が右停止ボタン5cに対して、押下操作と共に回転操作を行うときに
ピン部材60が凹凸部54に接触するときは、RB(レギュラーボーナス)又はBB(ビックボーナス)の当選が確定したときとして、一方、肉厚部56に接触するときは、BB(ビックボーナス)の当選が確定したときとするなど、ピン部材60が凹凸部54に接触するときよりも、肉厚部56に接触するときの方が、遊技者にとって有利な状態になる可能性が高くなるようにピン部材60を変位させることもでき、複合的に遊技状態を遊技者に知らせることが可能になる。
【0049】
また、このときに用いるソレノイド70としては、例えば、2つのコイルを内蔵し、この2つのコイルの何れかを選択して通電することで、双方向に駆動することができ、非通電時には、中央位置に復帰して3位置に変位させることが可能な3ポジションソレノイドなどを用いることで可能になる。
図14(b)は、ソレノイド軸73の回転角度とピン部材60の接触状態を示す図であり、非通電時は中央位置へ復帰することから、非通電時を凹凸部54と肉厚部56の間に位置する平面部53とし、中央位置から時計回り方向に90度回転したところに凹凸部54、反時計回り方向に90度回転したところに肉厚部56が位置することを示している。
具体的には、ピン部材60にある樹脂バネ部601の先端601aは、2つのコイルのうち一方のコイルを通電すると、凹凸部54に接触することが可能な位置(本発明の第2位置)に変位し、他方のコイルに通電すると、肉厚部56に接触することが可能な位置(本発明の第3位置)に変位し、非通電状態のときは、平面部53に接触することが可能な位置(本発明の第1位置)に変位するように制御されることになる。
つまり、肉厚部56にも簡易な構成で変位することができ、押下操作と共に回転操作を行った際に、回転操作に負荷をかけて遊技者に知らせることが可能になり、ピン部材60が凹凸部54に接触したときとは違った感触を遊技者に与えることが可能になる。
【0050】
続いて、
図15に示す変形例は、右停止ボタン5cの裏面側に形成した凹凸部54の凸部540の数を減らしたものである。
図15に示すように、凹凸部54の凸部540の数を減らすことで、上述で説明したピン部材60と凹凸部54が接触したときに生じる回転音の音のテンポを遅くすることが可能になる。
このように凹凸部54の凸部540の数を調整するだけで、回転音の音のテンポを変更することができるようになるため、例えば、停止ボタン5(5a~5c)ごとや遊技機の機種ごとに回転音の音のテンポを変更することで、リズミカルに遊技を楽しめるようになり、より趣向性の高い遊技を展開することが可能になる。
【0051】
また、この凹凸部54の凸部540を減らした形状を、第4状態として、新たに右停止ボタン5cの裏面側に形成することも可能である。
第4状態として形成することで、回転音の音のテンポが速い第2状態に対応する凹凸部54にピン部材60が接触した状態と比べることができるようになり、遊技機のスピーカ9などから出力される音声とは異なる手段で、遊技者を楽しませることも可能になる。
なお、凹凸部54の凸部540の数は、
図6及び
図15などで説明した数に限定されることなく適宜変更することも可能である。
【0052】
以上のように、本発明の実施形態に係るスロットマシン1によれば、操作ボタンの裏面側に平面部53(第1領域)と凹凸部54(第2領域)を有し、遊技者が操作ボタンに対して押下操作と共に回転操作を行うときに、その凹凸部54(第2領域)にピン部材60が接触した状態で、操作ボタンが回転可能である操作ボタン装置50を備えるため、操作ボタンが回転していれば回転音が発生するので、遊技者は明確に操作ボタンが回転していることを認識することが可能になる。
【0053】
一方、従来の遊技機では、特許文献1に開示されているように、遊技者が操作ボタンに対して回転操作を行ったときに、その操作ボタンの回転を認識できるものではなかった。
本発明の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部を解決することが可能になる。
さらに、本発明の実施形態に係るスロットマシン1は、操作ボタンに対し遊技者が押下操作と共に回転操作を行う場合、ピン部材60が操作ボタンと接触したときに、回転音を生じない状態(平面部53)、回転音を生じる状態(凹凸54)、回転し難い(全く回転しない状態も含む)状態(肉厚部56)をそれぞれ作り出せるため、遊技状態に応じたボタン操作演出を設定することが可能になる。
【0054】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明の操作ボタンとして、停止ボタン5を例にして説明したが、この他にもベットボタン2a、演出ボタン12、清算ボタン17などの回転操作が可能な操作ボタンであれば本発明を適用可能である。
また、本発明の操作ボタン装置50として、右停止ボタン5cのみに本発明を適用した場合について説明したが、この他にも複数の停止ボタン5(例えば、左停止ボタン5a、中停止ボタン5bなど)に適用してもよく、さらに、ベットボタン2a、演出ボタン12、清算ボタン17などの回転操作が可能な操作ボタンであれば、停止ボタン5を含むその他の操作ボタンと複合して本発明を適用することも可能である。
さらに、副制御部20は、複数の操作ボタンに本発明を適用した場合、遊技者にとって有利な遊技状態であればあるほど、凹凸部54(第2領域)にピン部材60が接触する操作ボタンの数が多くなるように、ソレノイド70を制御するようにしてもよい。
また、遊技機としてスロットマシン1を例にして説明したが、これに限るものではなく、例えば、パチンコ機などの遊技機に加え、呼出しランプ、台間機などの遊技用装置に設けられた各種ボタンにも本発明を適用可能である。
さらに、メダル、遊技球などの現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することが可能である。
また、所定のタイミングにおいて、押下操作と共に回転操作を行うことを促す情報を、表示器8、スピーカ9、ランプ11などの報知手段により報知することも可能である。
また、右停止ボタン5cの裏面側の内周側に平面部53(第1領域)、外周側に凹凸部54(第2領域)を設けた場合について説明したが、これに限られず、内周側に凹凸部54(第2領域)、外周側に平面部53(第1領域)を設けてもよい。
さらに、右停止ボタン5cの裏面側の内周側に肉厚部56(第3領域)を設けた場合について説明したが、これに限られず、外周側に肉厚部56(第3領域)も設けてもよく、適宜変更することが可能である。
また、ピン部材60のアクチュエータとして、ソレノイド70を用いた例を説明したが、この他にも例えば、モータなどを用いてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 スロットマシン(遊技機)
5 停止ボタン
5a 左停止ボタン
5b 中停止ボタン
5c 右停止ボタン(操作部材)
50 操作ボタン装置
52 軸部
53 平面部(第1領域、接触部)
54 凹凸部(第2領域、接触部)
540 凸部
541 凹部
56 肉厚部(第3領域、接触部)
60 ピン部材(変位部材)
601 樹脂バネ部
602 シャフト部
70 ソレノイド