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  • 特許-不妊症治療支援温度計 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】不妊症治療支援温度計
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
A61B5/01 100
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022019420
(22)【出願日】2022-02-10
【審査請求日】2022-02-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516130754
【氏名又は名称】三和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】古尾谷 将之
(72)【発明者】
【氏名】田中 七海
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】矢内原 純子
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-530154(JP,A)
【文献】特開2017-086618(JP,A)
【文献】特表2007-521030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の衣服に取付可能な温度計であって、
可撓性且つ薄型の板形状の本体部を備え、
前記本体部は、挟持部と、回路部と、第一外装部と、第二外装部と、を有し
前記回路部は、配線部と、測温部と、電源供給部と、を含み
前記測温部は、前記挟持部が前記衣服を挟持した場合に前記使用者の身体に当接可能な、前記本体部の一面側に設けられ、
前記回路部は、折り曲げ可能に形成され、
前記挟持部は、前記一面側の反対方向へ回動可能な回動部と、該回動部を挟むように配置された互いに磁着可能な第一磁性体と第二磁性体と、を含むことで、前記回動部を中心とした折れ曲がり部分で衣服を磁着挟持可能に構成され、
前記第一外装部と前記第二外装部との間には、前記第一磁性体と、前記第二磁性体と、前記回路部と、が封入され、
前記回動部は、所定の間隔を空けて配置された前記第一磁性体と前記第二磁性体とが、柔軟性の前記第一外装部及び前記第二外装部の間に封入されることで形成されている、温度計。
【請求項2】
前記挟持部及び前記回路部は、略面状に構成された挟持面及び回路面であって、
前記挟持面及び前記回路面は、略同一平面上に含まれる、請求項1に記載の温度計。
【請求項3】
前記第一磁性体又は前記第二磁性体の一方は、前記電源供給部である、請求項1又は2に記載の温度計。
【請求項4】
前記回路部は、制御部と、送信部と、を更に有し、
前記制御部及び前記送信部は、測定データを外部機器に対して送信可能に構成されている、請求項1~3の何れかに記載の温度計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不妊症の治療に役立てることが可能な温度計に関する。
【背景技術】
【0002】
妊娠のしやすさは、女性のホルモンバランスの変化による毎日の基礎体温の変化と密接に関連していることが広く知られているため、不妊症治療の場面においても毎日の基礎体温は重要な情報として利用される。
【0003】
一方で、女性の社会進出が進み、かつてより多忙となった生活の中で、女性が毎朝決まった時間に基礎体温を測定することは、非常に難しくなっている。
【0004】
これに対して、使用者の衣服に取付けておくことで、使用者の体温を長時間にわたって追跡測定する温度計に関する発明が種々考案されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、衣類に取付けて少なくとも使用者の皮膚温度を測定する体温測定装置に関し、皮膚に対する温度センサの接触を確保し、装置取付による違和感や不快感を軽減させた装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、使用者が煩雑な作業を伴うことなく体温を正確に測定するために、体温測定デバイスを収納可能な衣類と、これに収納される体温測定デバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-180979号公報
【文献】特開2019-217098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の発明は、衣類に取付けた装置が外側に大きく突出する形状であるため、衣類の美観や着用感を損なう恐れがある。
【0009】
また、特許文献2に記載の発明は、体温測定デバイスが、専用衣類の着用を前提とした形状であるため、使用者は、好きな衣類を着用できない、という不自由がある。
【0010】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、任意の衣類に取付可能であって、かつ使用時の美観や快適性を十分に高めた、使い勝手の良い不妊症治療支援温度計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明は、使用者の衣服に取付可能な温度計であって、
挟持部と、回路部と、を備え、
前記挟持部は、少なくとも前記衣服を着脱自在に挟持可能に構成され、
前記回路部は、配線部と、測温部と、電源供給部と、を有し、
前記測温部は、前記挟持部が前記衣服を挟持した場合に、前記使用者の身体に当接可能な位置に設けられ、
前記回路部は、折り曲げ可能に形成されている。
【0012】
本発明によれば、挟持部が、使用者の衣服を着脱自在に挟持するため、本発明は、複数の衣類に繰り返し付け外されることができ、使用者は、好みの衣服を日々自由に着用しつつも本発明の温度計を日常的に使用することが可能となる。
【0013】
また、測温部を有する回路部が、折り曲げ可能に構成されているため、測温部が使用者の身体に当接する際には、回路部が使用者の身体形状に合わせて折れ曲がる。
即ち、本発明は、使用時において、使用者の衣服及び身体とほぼ一体となるため、使用者は、長時間であっても快適に使用できる上、使用時の見た目も気にならなくなる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記挟持部及び前記回路部は、略面状に構成された挟持面及び回路面であって、前記挟持面及び前記回路面は、略同一平面上に含まれる。
【0015】
このような構成とすることで、本発明は、薄い面状になるため、使用時において、使用者の衣服及び身体と、本発明との一体感が更に向上し、使用者は、長時間であってもより快適に本発明を使用できると共に、使用時の見た目も一層気にならなくなる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記挟持部は、互いに磁着可能な一対の磁性体を有し、前記一対の磁性体が互いに磁着することで前記衣服を着脱自在に挟持可能である。
【0017】
このような構成とすることで、複数の衣服間で本発明の付け外しを行う際に、衣服を傷めず容易に付け外しを行うことができるため、使用者は、好みの衣服を日々自由に着用しつつも本発明を使用することが可能となる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記一対の磁性体の一方は、前記電源供給部である。
【0019】
このような構成とすることで、本発明の構成部材が少なくなるため、本発明は、薄型、小型に作られることができる。
即ち、本発明が、薄型、小型に作られることによって、本発明は、その使用時において、使用者の衣服及び身体との一体感が更に向上し、使用者は、長時間であってもより快適に本発明を使用できると共に、使用時の見た目も一層気にならなくなる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記挟持部は、回動部を更に有し、前記一対の磁性体は、前記回動部を挟んで略同一平面上に設けられ、前記回動部は、前記一対の磁性体各々の磁着可能な面が対向するように、前記一対の磁性体を回動させることができる。
【0021】
このような構成とすることで、挟持部を、簡易な構成で薄型に形成することができる。
即ち、本発明が、薄型に形成されることによって、本発明は、その使用時において、使用者の衣服及び身体との一体感が更に向上し、使用者は、長時間であってもより快適に本発明を使用できると共に、使用時の見た目も一層気にならなくなる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記回路部は、制御部と、送信部と、を更に有し、前記制御部及び前記送信部は、測定データを外部機器に対して送信可能に構成されている。
【0023】
このような構成とすることで、使用者は、スマートフォンやタブレット、PC(Personal Computer)等の端末を用いて、測定データの記録や確認等を行うことができるため、自身の体調を簡便に把握することが可能となる。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記回路部は、柔軟性素材により外装されることで耐水性を有している。
【0025】
このような構成とすることで、水濡れによる故障リスクを低減しつつも、回路部は、折り曲げ可能な柔軟性を失わないため、本発明は、使用時において、使用者の衣服及び身体とほぼ一体となり、使用者は、長時間であっても快適に使用できると共に、使用時の見た目もほとんど気にならなくなる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、任意の衣類に取付可能であって、かつ使用時の美観や快適性を十分に高めた、使い勝手の良い不妊症治療支援温度計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る温度計の概略斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る温度計の、挟持部(挟持面)を説明する概略図である。
図3】本発明の実施形態に係る温度計の、回路部(回路面)を説明する概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る温度計の、データ送信機能を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図1図4を用いて、本発明の実施形態に係る温度計について説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、符号Xは本発明の実施形態に係る温度計を指す。
【0029】
図1(A)、図1(B)は、温度計Xの表面及び裏面をそれぞれ示している。
なお、図1(B)に示すように、温度計Xは、各構成部材が、柔軟性素材から形成された第一外装部L1と、第二外装部L2と、の間に封入された構成となっているため、各構成部材を点線で示している。これは図2以降の図についても同様である。
【0030】
図1(A)に示すように、温度計Xは、挟持部1と、回路部2と、を備える。
また、挟持部1及び回路部2は、それぞれ略面状に構成されている、挟持面1及び回路面2であって、これら挟持面1及び回路面2は略同一平面上に含まれている。
以下、本実施形態の説明においては、挟持部1は、挟持面1と、回路部2は、回路面2と記載する。
【0031】
また、挟持面1は、第一磁性体11と、第二磁性体12と、回動部13と、を有する。
【0032】
第一磁性体11には、ごく一般的な磁石が用いられるが、その形状は薄型円盤状である。薄型形状により、温度計Xを薄く作ることができ、円盤形状により、多角形状と比較して、挟持時の衣服の引っ掛けや損傷リスクを低減することができる。
【0033】
第二磁性体12には、第一磁性体11と磁着可能な電池やバッテリー等が用いられ、好ましくはボタン電池が使用される。これにより、第二磁性体12は、後述する電源供給部22の機能を同時に担うことができる。
【0034】
回動部13は、第一磁性体11と、第二磁性体12と、の間に位置し、第一磁性体11と第二磁性体12の各々の磁着可能な面が対向可能になるように、第一磁性体11と、第二磁性体12と、を回動させることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、第一磁性体11と、第二磁性体12と、が所定の間隔を空けて設けられており、これらの間に、第一外装部L1と、第二外装部L2とからなる帯状部分(斜線部)が形成される。第一外装部L1と、第二外装部L2と、は柔軟性素材から形成され、折り曲げ自在であるため、この帯状部分が回動部13として機能する。
【0036】
ただし、回動部13は、第一磁性体11と第二磁性体12の各々の磁着可能な面が対向可能になるように、第一磁性体11と、第二磁性体12と、を回動させることができれば、その他どのような構成であってもよい。
例えば、第一磁性体11と、第二磁性体12と、を含む部分が、蝶番等の回動可能な部材で連結される態様が容易に想起される。
【0037】
また、回路面2は、配線部21と、電源供給部22と、測温部23と、を有する。
各部の詳細については図3を用いて後述する。
【0038】
また、回路面2は、好ましくは電源スイッチSを有している。また、電源スイッチSは、温度計Xの電源を入れる機能だけでなく、体温の手動測定機能も有していると、使用者は、自身の体温を任意のタイミングで測定することができるため、より好ましい。
【0039】
なお、図1(B)に示すように、温度計Xは、回路面2を含む全体が、第一外装部L1と、第二外装部L2と、からラミネート外装されており、全体として耐水性を有している。これにより、使用者の発汗等による水濡れ故障のリスクを低減することができる。
【0040】
図2(A)に示すように、挟持部1において、第一磁性体11を、回動部13を介して回動させることで、第一磁性体11と、第二磁性体12と、を磁着させることができる。
【0041】
このようにすることで、図2(B)に示すように、使用者の衣服Wを、第一磁性体11と、第二磁性体12と、で磁着挟持することができる。
【0042】
図2(C)は、図2(B)の状態を方向d1から見た図である。測温部23は、第一磁性体11と、第二磁性体12と、が磁着する面とは異なる面に設けられているため、使用者の衣服Wを、第一磁性体11と、第二磁性体12と、で磁着挟持させた際に、測温部23を使用者の身体に当接させることができる。
【0043】
図3には、回路面2において、第一外装部L1と、第二外装部L2と、の間に封入されている構成を実線で示した。
【0044】
図3に示すように、回路面2は、配線部21と、電源供給部22と、測温部23と、を有する。
【0045】
配線部21は、各構成を適切に接続し、かつ、回路面2が折り曲げ可能な柔軟性を失わなければ、どのような構成であってもよいが、好ましくはフレキシブル基板が用いられる。
【0046】
電源供給部22は、回路面2において電源を供給可能であって、かつ、第一磁性体11と磁着可能であれば、何であってもよいが、好ましくは薄型円盤状のボタン電池が用いられる。薄型形状により、温度計Xを薄く作ることができ、円盤形状により、多角形状と比較して、磁着挟持時の衣服の引っ掛けや損傷リスクを低減することができる。
【0047】
測温部23は、回路面2において、電源供給部22、即ち第二磁性体12が存在する面とは異なる面に設けられる。これにより、挟持面1において、第一磁性体11と、第二磁性体12と、が使用者の衣服を磁着挟持した際に、測温部23が存在する面を、使用者の身体に当接させることができる。
【0048】
その他、回路面2は、制御部24と、送信部25を有し、これらは、測定データを外部機器に対して送信可能である。
なお、回路面2には、送信部25の他に、受信部を更に設け、外部機器による操作や制御を受け付ける構成としてもよい。
【0049】
制御部24は、測温部23の体温測定間隔や、送信部25によるデータ送信等を制御することができる。なお、温度計X全体を薄型化するために、制御部24はMPU(Micro Processing Unit)が好適に用いられる。
【0050】
送信部25は、タブレット、スマートフォン、PCや、その他の外部機器に対し、測定データを送信可能である。なお、通信規格は何であってもよいが、広く用いられる無線通信、例えば、Bluetooth(登録商標)等に準拠していると好ましい。
【0051】
即ち、制御部24は、所定の時間間隔で測温部23に体温測定をさせ、その測定データを即時的に送信部25から外部機器へと送信させることができる。
このようにすることで、使用者は、スマートフォン等を用いて自身の体温をほぼリアルタイムで観察することができ、また、温度計Xの故障や電池切れ等の異常にもいち早く気づくことができる。
【0052】
なお、回路面2は、記憶部(図示せず)を有することもでき、これにより、所定の量の測定データを記憶部に一時記憶させ、制御部24は、記憶部に一時記憶された測定データを、送信部25から外部機器に対してまとめて送信させることも可能である。
【0053】
その他、回路面2は、電源スイッチSや、表示部Dを好適に有する。
【0054】
電源スイッチSは、温度計Xの電源を入れる機能だけでなく、体温の手動測定機能も有していると、使用者は、自身の体温を任意のタイミングで測定することができ、更に好ましい。
【0055】
表示部Dは、温度計Xの電源がON状態か、送信部25の通信状態は良好か、等の情報をLEDランプの点灯や消灯で表示する。なお、表示部Dは、上記情報を適切に表示できるのであれば、LEDランプに限らずどのような構成であってもよい。
【0056】
図4は、温度計Xの使用態様を示す概念図である。使用者は、普段着用している衣服を衣服Wとして、これに温度計Xを取付け、日常の生活を送ることができる。
なお、衣服Wに対する温度計Xの取付時に測温部23が使用者の皮膚に直に接するように、衣服Wは下着であることが好ましいが、その他の衣服であってもよい。
また、当然のことながら、衣服Wが下着であった場合、使用者は、上から更に衣服を着ることが可能であり、温度計Xは、その薄さも相まってほぼ目立たない形となる。
【0057】
衣服Wに取付けられている温度計Xは、測温部23によって所定の時間間隔で使用者の体温を測定し、送信部25によってタブレット、スマートフォン、PCや、その他の外部機器に対し、その測定データを即時送信する。
【0058】
これにより、使用者は、タブレット、スマートフォン、PCや、その他の外部機器に、測定データを記録させ、その測定データに基づいて、複数のデータプロットPを含むグラフG等の態様で表示させることができる。
【0059】
即ち、使用者は、温度計Xを、自身の衣服Wに目立たない形で取付けておくだけで、自身の体温の経時的変化を容易に測定、記録、確認することができる。
【0060】
本実施形態によれば、挟持面1が、使用者の衣服を着脱自在に挟持するため、使用者は、好みの衣服を自由に着用しつつも温度計Xを日常的に繰り返し使用することが可能となる。
また、測温部23を有する回路面2が、配線部21にフレキシブル基板を用いたことなどから、折り曲げ可能に構成されているため、温度計Xは、使用時において、使用者の衣服及び身体とほぼ一体となり、快適性や美観が向上する。
【0061】
また、挟持部1及び回路部2は、略面状に構成されている挟持面1及び回路面2であって、これらが略同一平面上に含まれることで、温度計Xは、薄い面状になるため、使用時において、使用者の衣服及び身体と、温度計Xとの一体感が更に向上し、快適性や美観が更に向上する。
【0062】
また、挟持面1は、互いに磁着可能な一対の磁性体として第一磁性体11と、第二磁性体12と、を有しているため、複数の衣服間で衣服を傷めず簡便に付け外しを行うことができるため、使用者は、好みの衣服を日々自由に着用しつつも温度計Xを使用することが可能となる。
【0063】
また、一対の磁性体のうち一方の第二磁性体12は、電源供給部22であることで、温度計Xの構成部材が少なくなり、温度計Xは、薄型、小型に作られることができる。
即ち、温度計Xが、薄型、小型に作られることによって、温度計Xは、使用時において、使用者の衣服及び身体とほぼ一体となり、使用時の快適性や美観が更に向上する。
【0064】
また、挟持面1は、回動部13を更に有し、第一磁性体11と、第二磁性体12とは、回動部13を挟んで略同一平面上に設けられ、回動部13は、第一磁性体11と、第二磁性体12の磁着可能な各面が対向するように、第一磁性体11と、第二磁性体12とを回動させることができるため、挟持面1を、ごく簡易な構成で薄く形成できる。
即ち、温度計Xは、使用時において、その薄さから使用者の衣服及び身体とほぼ一体となり、使用時の快適性や美観が更に向上する。
【0065】
また、回路面2は、制御部24と、送信部25と、を更に有し、これらは、測定データを外部機器に対して送信可能に構成されているため、使用者は、スマートフォンやタブレット、PC等の端末を用いて、測定データの記録や確認等を行うことができるため、自身の体調を簡便に把握することが可能となる。
【0066】
また、回路部2は、柔軟性素材から形成された第一外装部L1及び第二外装部L2により外装されて耐水性を有していることで、水濡れによる故障リスクを低減しつつも、回路部は、折り曲げ可能な柔軟性を失わないため、温度計Xは、使用時において、使用者の衣服及び身体とほぼ一体となり、使用時の快適性や美観が更に向上する。
【0067】
なお、上述の実施形態において示した各構成や機能は、あくまでも一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0068】
X 温度計
1 挟持面(挟持部)
11 第一磁性体
12 第二磁性体(電源供給部)
13 回動部
2 回路面(回路部)
21 配線部
22 電源供給部(第二磁性体)
23 測温部
24 制御部
25 送信部
L1 第一外装部
L2 第二外装部
S 電源スイッチ
D 表示部

【要約】
【課題】任意の衣類に取付可能であって、かつ使用時の美観や快適性を十分に高めた、使い勝手の良い不妊症治療支援温度計を提供する。
【解決手段】使用者の衣服Wに取付可能な温度計Xであって、挟持部1と、回路部2と、を備え、挟持部1は、少なくとも衣服Wを着脱自在に挟持可能に構成され、回路部2は、配線部21と、測温部23と、電源供給部22と、を有し、測温部23は、挟持部1が衣服Wを挟持した場合に、使用者の身体に当接可能な位置に設けられ、回路部2は、折り曲げ可能に形成されている。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4